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資料2
教育基本法の検討の視点と中教審・基本問題部会の議論の概要

全体について

  教育基本法の見直しの方向性については、概ね、以下の通り、意見の集約が図られた。

  現行法で規定されている普遍的な理念は残しながら、新しい教育基本法はどうあるべきかという視点から見直す。(一部改正か、全部改正かは法技術的な問題)
   
  憲法との関係については、現行の憲法の枠内で見直すべき点を見直す。
   
  教育振興基本計画に関する規定を教育基本法に盛り込む。
   
  現在の理念法的な規定に加え、現在及び将来の教育にとって特に必要と考えられる制度や施策の根拠規定を盛り込むかどうかについては、更に検討する。
   
  教育基本法の見直しに伴い、学校教育法等関係法令の見直しが必要となる。
   
前文について
視点
  時代状況の変化、教育理念の見直し、理念的性格とともに実体法的規定を加えるかどうかなど、法律全体の在り方に即して見直すべきかどうか。
   
 
  上記の視点については、今後、検討。
   
教育の基本理念について
視点
  時代や社会の変化に対応した教育という視点、一人一人の能力・才能を伸ばし創造性を育むという視点、国家、社会の形成者としての必要な資質の育成という視点などから、どう考えるか。
   
 
  第1条の「教育の目的」は、当時強調すべきと考えられる徳目を明示し、それ以外は「人格の完成」に含めている。このような制定時の考え方と同様、「現在及び将来の教育において何が特に重要か」という視点から集約し、現行規定をより良いものにしていくという視点で検討していけばよいとの意見が多かった。
   
  現在及び将来の教育において特に重要な事項として挙げられた事項は以下の通り。
生涯学習の理念
個人の能力の伸長、創造性の涵養、個人の自己実現
職業生活との関連の明確化
社会の形成に主体的に関わる「公」の意識、公共心
国際性(国際社会の形成者としての意識)と、日本人としてのアイデティティ(伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心)
   
  教育の方針(第2条)について、教育の目的(第1条)を実現するための配慮事項という観点から、より分かりやすい規定となるよう書き直した方がよいとの意見があった。
   
  なお、公教育である学校教育の目的を法律で規定することはあっても、家庭教育や社会教育等を含めた目的を規定することは適当ではないとの意見があった。
   
教育の基本原則について
 
(1)教育の機会均等
視点1
  憲法の規定を受けて規定したものであるが、このままでよいか。
   
 
  憲法の同趣旨の規定を重ねて規定する必要はないのではないかとの意見もあったが、憲法の規定を具体的に実現する手がかりとして重ねて法律に規定する意味はあること、今後の教育においても重要な原則として残すべきとの意見があった。
   
  なお、奨学の規定についても、このまま残すべきとの意見があったが、教育基本法に規定する必要があるのか、高等教育の場合、一般的な経済的理由での奨学と、優秀な者への奨学とが必要ではないかとの意見があった。
   
視点2
  学習者の視点から、見直すべき点はないか。
   
 
  生涯学習社会の構築という観点から、生涯にわたり学習する権利を規定する必要があるとの意見があった。
   
  これに対して、「教育を受ける機会」が学習者の権利に関する規定であって、重ねて規定する必要がないのではないか、むしろ、生涯学習の理念を教育の理念などに盛り込めばよいとの意見があった。
   
(2)義務教育
視点1
義務教育制度のあり方についてどう考えるか。
就学年齢、就業年限など
   
 
  教育基本法は9年の普通教育を定めているのみで、学校教育法レベルでさまざまな学校区分も可能であり、9年の義務教育を変更する必要はないのではないかとの意見が多かった。
   
  就学年齢については、発達状況に個人差があり、弾力的な制度を検討することもありうること、教育基本法には原則を規定すべきで、この点については学校教育法レベルで検討すればよいとの意見があった。
   
  なお、幼児期の教育は重要であり、これを支援していくような趣旨が盛り込まれてもよいとの意見があった。
   
  飛び級、飛び入学は、個性に応じた教育の一つとの意見があったが、外国でも成功例とそうでないものがあり慎重に考えるべきとの意見があった。
   
視点2
  学校制度の区分をより弾力化することについてどう考えるか。
幼小、小中、中高の接続の改善など
   
 
  小学校6年間の課程の分割や幼小、小中、中高など各学校種間の多様な連結が可能となるようなシステムを検討してはどうかとの意見があった。
   
  これに関して、学校制度の弾力化は、学校教育法レベルの議論である、教育振興基本計画に位置付け学校教育法等の改正に結び付けていけばよいとの意見があった。
   
視点3
  家庭の果たすべき役割と学校教育との関係をどう考えるか。
   
 
  今後の社会を考えると、保護者の意識が変わり、学校選択、教育選択などの問題について考える必要があるとの意見があった。
   
教育の主体(学校、家庭、地域社会の役割等)
   
(1)学校
視点1
  学校の役割を明確にすることについてどう考えるか。
人格の陶冶、道徳教育、教養教育、基礎・基本、知識・技能教育、体育・スポーツ、芸術教育
   
  大学教育の視点から規定するものはないか。
   
 
  学校の役割について、例えば、知徳体(知識と学習方法の教授、人格形成、体育・スポーツや芸術)を教授する場であること等を規定すべきとの意見があった。
   
  学校の役割については、教育の目的や方針と関連するものであり、教育の理念に含めて規定することも考える必要があるとの意見があった。
   
  また、生涯学習社会における学校の役割を考えなければならないこと、家庭の役割、地域社会の役割を明確にすることで、学校の役割が浮かび上がるのではないかとの意見があった。
   
  学校の役割については、学校教育法に規定するのが適当であるとの意見があった。
   
  基本計画には高等教育のことが当然入ってくるのであるから、基本法に盛り込む必要がある、高等教育を含めるのであれば学校の概念整理が必要ではないかとの意見があった。
   
視点2
  学校の設置者についてどう考えるか。
   
 
  「法律に定める法人」が学校を設置できると規定されており、NPOなども増えている今日、基本法を変えなくても解釈を変えることが考えられるのではないかとの意見があった。
   
視点3
  学校における学習者の責務と権利を新たに規定することについてどう考えるか。
   
 
  学校において、教育を受ける側の学習者の責務を書く必要があるとの意見、教育される側の尊厳や基本的権利を踏まえた上での議論が必要との意見があったが、学ぶ側の視点を強調するよりも、教師や家庭など教える側の責任をしっかり押さえるということが重要であるとの意見があった。


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