第5回基本問題部会における主な意見の概要(案)
1 日 時 平成14年4月9日(火)14:00〜16:00
2 場 所 グランドアーク半蔵門「華の間」(3F)
3 議 題 高等教育の在り方について
| 教育振興基本計画 柱立て (試案) | |
| 資料1 | 教育の目標を達成するために総合的かつ計画的に実施すべき施策 (たたき台素案) |
| 資料2 | 高等教育の現状に関する資料 |
| 資料3 | 高等教育に関連する主な提言事項 |
| 資料4 | 諸外国の学校系統図(米・英・独・仏・中) |
| 資料5 | 今後の日程(案) |
| 参考1 | 第4回基本問題部会における主な意見の概要 |
| 委 員: | 鳥居会長、木村副会長、市川委員、梶田委員、國分委員、佐藤委員、永井委員、中嶋委員、森委員、山本委員 |
| 事務局: | 小野事務次官、青江文部科学審議官、御手洗文部科学審議官、結城官房長、田中総括審議官、近藤生涯学習政策局長、工藤高等教育局長、遠藤研究振興局長、石川私学部長、寺脇生涯学習政策局審議官、加茂川初等中等教育局審議官、清水高等教育局審議官、名取主任社会教育官、徳重主任体育官、山中生涯学習政策局政策課長、高橋主任教育改革官、その他関係官 |
| ○ | 打ち出す施策は、世界における日本の科学技術水準の向上、国民全体の知的レベルの向上の観点からアピール性のあるものが欲しい。また、アメリカの私学にはファンドがあり財政的にしっかりしている。日本の大学も、国公私立を含め財政基盤の確立が重要。そのためには、寄付の手続きの簡素化、大学に寄付すると相続税から控除等、税制の改革が必要。さらに、学部から大学院に進学する学生の流動性については、一律に目標を定めるのでなく、分野によっては専門家となるために長期間を要し同一大学の学部から大学院に進学する必要がある分野もあることも考慮して欲しい。教員の流動性は高めるべき。 |
| ○ | 日本の大学院は教育内容や学生支援システムも含め、大学院がシステムとして十分でないことが学生の流動性が高くならない理由だと思う。大学院の体制が整えば学生の流動性は高まると思う。 |
| ○ | 特に文学部の場合、特定の分野では、学部での基礎的な学習が必要な場合があり、他大学に修士からいきなり編入することが難しいことがある。大学院の整備と外部評価を打ち出すのは良いが、学生の流動性という点については、これを目標にしてしまうとうまくいかない分野があることも配慮して欲しい。 |
| ○ | 人文系の学問は競争力がない。志願者減、若い人に人気がない他、ポスドク後のポストがないことが問題。ただ、 |
| ○ | 今後の高等教育機関は高度化が進む一方で個性化、多様化が進むという考え方であると思うが、実際には大学学部のみが肥大化し、高専は発達せず、短大は縮小であるという実態をどう考えるかという問題がある。18歳人口減少の中で、大学の破産、閉鎖ということも出てくることになり、ソフトランディングの方策も重要な課題。社会の要請に応えず、産業にも貢献しない学問分野を高等教育の中に確保するのもこれからの重要な課題。 |
| ○ | 振興基本計画において基礎的分野をいかに残すかについても打ち出す必要がある。 |
| ○ | 文系理系を問わず基礎的なところが縮小へと追い込まれていく傾向がある。学問では食べていけず、教育だけでしか食べていけない分野がある。こういう分野は、国や地方公共団体がパトロンになってくれないとたちゆかない。文化や芸術も同じ側面がある。アメリカで、ニューディール政策で教員や芸術家のポストをつくり出したように、何か手を打つ必要がある。 |
| ○ | 高等教育における文系の位置づけを鮮明に出すことが重要。これまでの日本社会は、大学における文系教育に期待しておらず、いい大学を出た者を早く採用して、企業内で教育する傾向が強かった。今後は、社会の在り方全体について、クリエイティブかつ批判的な発想が出来る人材を育成しなければならない。社会全体が組織防衛的になっている現状を突破するような大学・大学院の在り方を打ち出したい。
そういった意味でも、法科大学院を先導的な例にしていきたい。法律家を大学で養成する理由は、大学が伝統的に持っている知的雰囲気の中で、自分と異なった専門分野に属する人々、教官と接しつつ、本物の専門教育を受けた教養豊かな知的人材を養成することが重要だからである。大学の知的雰囲気を守っていくためには、放っておけば消えてしまうような学問分野をしっかりと残すことを考えるべき。 |
| ○ | これからの大学の理念型を考える必要がある。そうでないと社会の要請への対応ということだけになってしまう。学位を持った人はそれにふさわしい職業に就くべきだといった、学位と職業を結びつきのイメージは断ち切る必要がある。また、独学で学んだ人の学位認定といった、独学者の評価についても考える必要がある。 |
| ○ | 専門職大学院は、専門家に学位を与え、社会的地位も与えるものであり、従来の日本の大学院へ大転換をもたらすものと言える。しかし、本来の学問を教えるようなアカデミックな大学院も必要。この場合、アカデミックな大学院も、古色蒼然たる従来の大学院ではなく、外部評価を導入するなど透明性を高め、開放的な仕組みを作らなければならない。また、安全保障、人口学といった新しい分野の学問も必要であり、文系のきちんとした枠組み、制度設計が必要である。 |
| ○ | 学部帝国主義の中で、重要ではあっても学部が必要ないと判断するとなくなっていく分野がある。これをどうするのかが問題。 |
| ○ | 最初に、「高等教育とは・・・」という、高等教育の原理原則・グランドデザインをはっきりさせる必要がある。高等教育は、「高度な社会的ニーズに応える」ことも必要だが、「文化・学問の土台を養成し、一人一人を豊かにする」面もあることを明確に打ち出すことが必要。後者は世の中に役立つとは言えないかもしれないが、フランスなどでは、どちらの面も重要視しており、評価に基づいた国全体の予算配分の際には、社会的ニーズの部分だけではなく、後者的なものにも政策誘導的に配分すべきである。 |
| ○ | 学問が制度化され、タコツボ的になると、ユニークな発想を持っている人材が出にくくなる。評価の観点の一つとして、国際的に見てユニークであるという評価軸も加えて欲しい。すなわちナンバーワンだけでなく、オンリーワンを評価することも重要ではないか。 |
| ○ | 食べて行けない学問分野は文部科学省が政策誘導的に何とかしろ、と言っても無理ではないか。各大学が主体性を持って、独自に重点配分するしかない。日本社会がダイナミズムを失っている状況で、数値目標が妥当かどうかはわからないが、教員・学生の流動化は必要。 |
| ○ | 従来の高等教育の議論の中心は大学学部であったが、今は大学院。平成2年の大学設置基準の大綱化により弾力化したが、その結果、学部レベルでは「個性化・多様化」の美名の下に何でもありになってしまった。出口規制、評価をすればいいともいわれたが、なされていない。現在の学部を卒業しても、付加価値がついて社会で評価されるわけではない。このような状態では、国費を学部に投入する必要はなく大学院に投資しろという話になる。また、18歳人口が減少する中、大学の倒産をどうするかという問題も避けて通れない。 |
| ○ | 国がやる高等教育政策は、予算配分だけでなく、認可や大学の財産基盤をどう安定させるかという仕組みづくりもあると思う。金の集まる仕組みづくり、またそれとセットになった監査方法を考えないと、大学は何かをやれやれと言われても出来ない。国立大学の独法化後、このままだと大学は目先のものしか追求しないと思う。
自然に起こる話、例えば進学率上昇による学習ニーズの多様化への対応などは役所がやらなくてもよい。その一方で、設置認可の弾力化、高等教育機関の質を確保するシステム作りは役所がやる必要がある。項目としては、操作しなければならない施策と予定調和的なものを分けて、操作しなければならないものに絞って書く必要がある。 |
| ○ | 希少価値の評価をするよう、我々の考え方を考えなければならない。 学部の問題については、今後は、高齢者や社会人も含め、若者型と社会人型の2本立てにすることが必要である。 |
| ○ | 高等教育在学年齢人口の推移のグラフには寒気がする。やりにくいことではあるが、やはり今後は大学院についても規模を考えなければならないのではないか。 |
| ○ | 自然消滅にするか、抑制にするか。今までは学部の種類で抑制してきたが、今後どうするのか考えなければならない。 |
| ○ | 18歳人口減少だけでなく、高齢者が増えるということもある。そういうことから自ずと大学の方向性も見えてくるのではないか。 |
| ○ | 今までのレッセ・フェールは考え直す必要がある。酒田短大の問題で経営者をたたくのは簡単だが、学生が少なくなれば背に腹は代えられず、安易なことに走るところが出てくる。自己責任という原則ではあっても一定のハードルを大学に課して、5年や10年は持続するという担保の条件を付けて認可することも必要ではないか。 |
| ○ | 高等教育該当年齢人口は2000年から2010年の間の減少が最も大きい。私学をどう支援していくのか考えなければならない。個別の大学の相談に応じるシステムも検討中である。原則は自助努力としても、支援の在り方について検討することが必要。希少価値のある研究の評価についても、基本的には大学の主体性重視だが、公的支援をすることも考えられる。 |
| ○ | 問題のある大学への対応という面からは、設置認可の更新制を入れたらどうか。 |
| ○ | 更新制という考え方はこれまでなかったが、設置認可の在り方については、将来構想部会で審議中である。 |
| ○ | 18歳人口関連の問題は深刻であり、検討が必要。議論することを決めて適当な場で具体的に検討してはどうか。更新制も一つの可能性であると思う。大学への支援だけではなく、安楽死の検討も必要かもしれない。 |
| ○ | 各大学で希少価値のある研究をしても、国際的にまで評価されるかは難しい。フランスでは、国が資金を投入して人文社会の研究所を作っている。沖縄に理工系の高等教育機関を開設する計画があるようだが、国の大学や研究所を再編して人文系の殿堂を作るというのも一つの考え方。コストもそんなにかからない。国際協力や文化交流では文部科学省がもっとリーダーシップをとるべき。 |
| ○ | フランスの日本研究は、国が集中的に金を出してやらせている。学内分野を絶やさないために国で研究所をつくるということも有り得る。 18歳人口減少の問題が一方にあり、他方で大学教育の質を上げるためには金がかかるというメッセージを国民にどう出すかという問題があり、分けて考えなければならない。これまで大学教育を安上がりでやってきたが、質を高めるためには金がかかる。この点覚悟をもって、大学教育の質を上げるため、国として何をするのかを明確に打ち出す必要がある。 |
| ○ | 国立大学の独法化と地方分権の関係はどうなるのか。国が支える大学、地方公共団体が支える大学のビジョンはあるのか。 |
| ○ | 今まで議論していない切り口の御指摘ではあるが、独法化というのは、国立であることに変わりはないが、大学の質を高めるために法人化し、国は交付金を出すということ。現在、地方から国立大学に寄付ができないことになっているが、見直す必要があると考えている。また、近年公立も看護・福祉分野を中心に単科大学が増えており、国立大学と連携をしたいという声もある。視点としては、受益者である学生の利益になればいいので、お互いに出せるものを持ち寄っていくことが大事であると考えている。 |
| ○ | 遠隔教育についてはe-learningの他に、アジア諸国との遠隔教育も考えて欲しい。日本で学習した後、本国でも学習を続けて学位を取れるということになれば、留学生も呼びやすくなる。遠隔学習の場合には、講義をする教官の他に、指導員も必要であり、その養成が必要。
地域にとっては大学は精神的・経済的な支えである。それがつぶれたときの影響を考えて、地方の大学もサテライト教室、社会人教室など遠隔教育の場として残すことを考えることも必要。 |
| ○ | 大学には研究・教育の両機能がある。その2つの関わり、比重、ローテ−ションをはっきりさせる必要があるのではないか。 研究については、学生に対するアウトプットについて運営の工夫の余地があると思う。たこつぼではなく、他の講座を聞いて横断的な研究ができるような環境の整備が必要である。 |
| ○ | 研究と教育が一体というのはフンボルト的大学観の話。大衆化大学では、教育と研究の分離が必要。 |
| ○ | 法科大学院では、教えることに専念してもらうことにしている。研究については6〜7年に一回サバティカルイヤーとしてその機会を与える。また、第3者評価を取り入れ、成果が出ない場合は閉鎖や認可の取り消しなど、退場してもらう仕組みを導入したい。 |
| ○ | 大学評価の中に教育の視点を入れてほしい。授業評価だけでなく、カリキュラム評価など。個別大学の立場からは、教育と研究を分けて教育で新しい試みをしている努力をわかってほしい。 |
| ○ | 昔は学生も研究者の一部のようなものであったが、今の大学はカリキュラムがニーズに合わせて多様化されている。便利になることだけがいいのだろうか。カリキュラム通りではなく自由にやりたいというのもコースに含める必要があるのではないか。 |
| ○ | 鳥居部会長から、教育振興基本計画の重点施策として、各委員から3項目程度提出いただきたい旨連絡。 |