資料4−2 |
アメリカ |
落ちこぼれを一人も作らないために(2001) (NoChildLeftBehind2001年1月23日)<別紙1> 落ちこぼれを作らないための初等中等教育法(2001) (NoChildLeftBehindActof20012002年1月8日)<別紙2> |
イギリス | 教育と技能:成果の達成、2006年への戦略(2001) (DeliveringResultsAStrategyto2006)<別紙3> |
フランス | ジョスパン法(1989)第3条<別紙4> 2000年のコレージュ(中学校)(修正)(2000)<別紙4> (Lecollegedesannees2000) |
中国 | 21世紀に向けた教育振興行動計画(1999)<別紙5> |
<別紙1> |
ブッシュ新大統領の教育改革指針抄訳(2001年1月23日公表) |
教育における連邦政府の新たな役割 |
−落ちこぼれを一人も作らないために(NoChildLeftBehind) |
<改革指針の概要> |
○ | 学力の差の縮小 | |
・ | アカウンタビリティと高いスタンダード | |
・ | 毎年の学力評価 | |
・ | 不利な状況にある児童生徒の教育に失敗した学校に対する措置 |
○ | 読解能力の向上 | |
・ | 低学年における読解能力に焦点 | |
・ | 就学前児童の読解指導 |
○ | 裁量を拡大し、官僚的な取扱いを縮減 | |
・ | 第1章事業(不利な状況にある児童生徒の学力の向上)に関する裁量の拡大 | |
・ | テクノロジーに関する学校への補助金の増加 | |
・ | 官僚的な取扱いの縮減 | |
・ | 州や学区の裁量の拡大 |
○ | 成功に対する報酬と失敗に対する制裁の強化 | |
・ | 学力格差の縮小達成への報奨 | |
・ | 州にアカウンタビリティ・ボーナス | |
・ | 「一人も落ちこぼれを作らない」賞の学校への授与 | |
・ | 州の失敗に対する措置 |
○ | 親に対する情報提供と学校選択の拡大 | |
・ | 親に対する学校報告書 | |
・ | チャータースクール | |
・ | 革新的な学校選択プログラムとその研究 |
○ | 教員資質の向上 | |
・ | 全ての児童生徒に質の高い教員を | |
・ | 教員による実践的な知識やスキル獲得の支援 | |
・ | 数学と理科教育の強化 |
○ | 21世紀の学校安全向上 | |
・ | 教員の安全確保 | |
・ | 学校の安全促進 | |
・ | 安全でない学校から児童生徒を救う | |
・ | 道徳教育への支援 |
<別紙2> | |
落ちこぼれを作らないための初等中等教育法 |
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(NoChildLeftBehindActof2001)について | |
○ | 2002年1月8日、教育改革に関する法律である「落ちこぼれを作らないための初等中等教育法(1965年初等中等教育法の改正法)」(NoChildLeftBehindActof2001)がブッシュ大統領の署名により成立 |
○ | 同法は、学力の底上げ(地域間格差の是正)を目的とし、![]() ![]() ![]() ![]() |
○ | 教育は州の専管事項であり、又、同法が連邦補助金事業に関する授権法であることから、連邦補助金受給の如何すなわち受給条件として規定される教育政策の導入は制度上、州の任意(実際は全州が受給) |
同法の主な内容(補助金受給条件として州に導入を要請する主要施策)は以下のとおり。 |
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学力テストの実施と結果の公表(アカウンタビリティの重視) |
・ | 2005年までに英語と数学について第3学年(小学校3年)から第8学年(中学校2年)までの各学年を対象とする州内統一の学力テストを実施 |
・ | 学力テストの結果は州全体の成績のほか、各学校単位、生徒集団単位(マイノリティ、英語を母国としない児童生徒等)で公表 |
・ | 2002年度以降12年以内に州の目標水準にすべての児童生徒が到達するため支援体制を確立(具体策は![]() |
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州及び地方(学区)の裁量拡大 |
・ | 学区による連邦補助金の使用について事業間の流用の幅を広げる |
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基礎学力(読解力中心)向上政策への集中投資 |
・ | 読解力向上事業の予算増と科学的に立証された読解力指導法の積極的導入 |
・ | 優秀教員の確保に向けた教員給与引き上げや研修の充実等を目的とする補助金の増額 |
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教育機会の選択拡大 |
・ | 教育成果が上がらないと認定された学校(「実績低迷校」)の在校生(の親)に対する教育機会選択の保障 |
− | 2年連続で成果の上がらなかった場合 |
・ | 在校生に対する他の公立学校への転校の保障 |
・ | 「実績低迷校」に対する技術的援助の提供 |
− | 3年連続で成果の上がらなかった場合 |
・ | 「実績低迷校」は親が選択した補助的教育サービス(家庭教師や課外授業)を提供(同法の補助金を児童生徒1人当たり500〜1、000ドル使用) |
− | 4年連続で成果の上がらなかった場合 |
・ | 教職員の入れ替えによる学校組織の再編 |
・ | チャーター・スクールの設置振興(設立準備費の提供等) |
<別紙3> |
<イギリス>2001年10月「教育と技能:成果の達成、2006年への戦略」 |
(DeliveringResultsAStrategyto2006) |
【目的】 | 競争力のある経済と社会参加を実現するために、以下を実現。 | |
○ | すべての者が学べるための機会を作る。 | |
○ | 人々の自己実現のための可能性を引き出す。 | |
○ | 教育水準と技能レベルの向上を果たす。 |
目的1子どもたちに質の高い教育のスタートを与え、将来の学習の基礎を作る。 |
(2004年) | |
■ | すべての3歳児に無償保育を保障。 |
■ | 160万人の子どもにチャイルドケアセンターを供給。 |
■ | EarlyExcellenceCentre(*)を100個所設置。 |
(*)優れた実践の拠点として設置 | |
■ | SureStartProgramme(*)を500個所で実施。 |
(*)貧困地域に住む4歳以下の子どもを持つ親や家族に対する支援策 | |
■ | 地域保育センターを900個所設置。 |
■ | 初等教育終了時(11歳)の全国共通テストで達成すべき水準(レベル4)を英語で80%、数学で75%の子ども(11歳)が達成するという2002年の目標を拡大。すべての地方教育当局でこの目標を達成。 |
目的2すべての若者が人生と労働に必要な技能・知識・人格を身に付ける。 |
(2003年) | |
■ | (個人の資質や能力に応じた進路指導を実現するため)全国でConnectionService(*)を実現。 |
(*)十代の青少年のための校外個人指導 |
(2004年) | |
■ | すべての地方教育当局で、キーステージ3(K3)修了時(14歳)において、全国共通テストで達成すべき水準(レベル5)を英語と数学で65%、理科で60%が達成。 |
■ | K3修了時(14歳)においてレベル5を、英語、数学、ICT(情報技術)で75%、理科で70%が達成。 |
■ | K3修了時(14歳)において、英語、数学、理科で一つもレベル5に達しない者を15%まで引き下げる。 |
■ | 義務教育修了時(16歳)において、92%が中等教育修了一般資格(GCSE)の英語及び数学を含む5教科以上を取得。 |
■ | 2002-2004年でGCSEを「優秀」で5教科以上を取得する割合を4%高める。また、すべての地方教育当局で、この割合を少なくとも38%とする。 |
■ | 2002-2004年で全国職業資格(NVQ)レベル2(協同作業を含む特定技能)を取得する19歳を3%増やす。 |
■ | レベル3(GCE・Aレベル(通常大学入学の基礎的な要件)の2科目以上の取得、又は同等レベルの職業資格を取得)を取得する19歳を55%とする。 |
■ | 問題校となる中等学校を減らす。 |
■ | 許可されていない欠席の割合を2002年より10%削減。 |
■ | 退学処分を受けた者に対する適切なフルタイム教育の保障。 |
(2005年) | |
■ | 専門中等学校(スペシャリスト・スクール)(*)を少なくとも1、500校に増やす。 |
(*)政府の補助金を受け、技術、外国語、芸術、スポーツなどの特定の領域について重点的に指導。 |
(2006年) | |
■ | GCSEを「優秀」で5教科以上取得する生徒の割合が25%未満という学校をなくす。 |
■ | ビーコン・スクール(「卓越した教育拠点」)とシティ・アカデミー(教育困難地域を対象に公財政の支援により設立される独立中等学校)を増やす。 |
■ | 水準を満たす全ての希望者に職業訓練を与える。 |
■ | 親の手を離れる全ての子どもに職業訓練・教育へのアクセスを保障。 |
(2007年) | |
■ | K3修了時(14歳)において、レベル5以上を英語・数学・ICTで85%、理科で80%が達成。 |
目的3成人が学習し、技能を向上させ、豊かな生活を送ることを奨励し、可能とする。 |
(2002年) | |
■ | IT学習センターのネットワーク整備を6、000箇所実施。 |
(2004年) | |
■ | 読み書き計算に支障をきたす成人を75万人減らす。 |
■ | レベル3に達する成人を52%に増やす。 |
■ | 継続教育カレッジの半分をVocationalCentresofExcellenceとする。 |
(2006年) | |
■ | 優れた幼児教育、保育従事者を増やす。 |
■ | 労働力開発計画を策定し、雇用者による訓練機会を増やす。 |
■ | すべての地域に2つの技術施設を開設。 |
■ | 高等教育の中退率を減らす。 |
■ | 少なくとも10、000人の教員、20、000人の教員補助員を増員し、教職課程の学生を対象とする奨学金を1、000名分増加。 |
■ | (高等教育機会への)公正なアクセスの向上。 |
(2010年) | |
■ | 18〜30歳の50%が高等教育を受ける。 |
〔参考〕 | |
○ | 「成果の達成:2006年への戦略」(DeliveringResultsAStrategyto2006)は、2001年6月の総選挙後に旧教育雇用省が現在の教育技能省に再編されたことを受けて、新省の目的を明らかにするとともに、現行の施策、総選挙の公約及び最新の教育白書などに掲げられている主な教育施策のうち、政策実現の日程が示されているものについてそのスケジュールを示したものである。 |
○ | キーステージによる到達目標レベル![]() |
○ | 全国資格対応表![]() |
<別紙4> |
○ | 1989年7月10日付け教育基本法(ジョスパン法) |
<第3条> | 今後10年間(2000年まで)で、同一年齢人口のすべての者を最低限職業適任証(CAP)あるいは職業教育修了免状(BEP)の水準に、また同一年齢人口の80%をバカロレア水準に到達させることを目的と定める。 |
○ | 「2000年のコレージュ(中学校)」(修正)(2000年6月23日) |
○ | 1999年度に実施された国民教育省策定の改革案「2000年のコレージュ」による改革(生徒の学力の多様化への対応とフランス語・数学の成績不振者の解消を目的)の実効性を高めるため、4項目40施策からなる同案の施策を見直し、これを次の5項目に再編成して、最優先課題として掲げた。 |
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個別指導体勢の確立: | |
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第1、第2学年では、小学校との連絡強化を通じて、フランス語と数学に困難を抱える生徒を早期に発見し、新設される「学習回復の時間」を用いて個別指導を行う。また、自習方法の指導も行う。 | |
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第3学年では、学習困難のために離学する恐れのある生徒を対象に、企業や職業リセでの実習(1〜8週間)を含む補習指導を行う(学習進度別又は特別授業による)。 | |
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退職教員などコレージュに関わりを持つ成人にチューターを依頼し、生徒の生活上・学習上の相談に応じる。 |
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フランス語、外国語・地域語の強化: |
第1、第2学年に「読書教室」(担任教員と文献・資料担当教員の協力により30分ずつ週2回行われる)を導入し、読解力と口頭表現力の向上を図る。コレージュ第3学年で1998年以来必修となっている第二現代語(外国語・地域語)の選択言語を多様化する。第4学年でも履修を奨励(第4学年では第二現代語の代わりに「テクノロジー」の選択可)。 |
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合科活動の促進: |
各科に共通する学習方法の習得を促進すると同時に、教科相互の関連を生徒に理解させるため、第3学年における「合科活動の時間」を各校の創意工夫により、積極的に導入する。 |
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先端技術習得の促進: |
第3学年でインターネット等、先端技術の習得のための条件整備に努める。 |
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公民教育の充実: | |
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全学年において約15日につき1時間、「学校生活の時間」を設け、学校生活上の諸問題について生徒に討論を行わせ、良好な人間関係の形成を図る。これは、「公民教育」の時間とは別に特設されるものであり、既に多くのコレージュで導入されている。 | |
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新入生にコレージュでの学習・生活について説明するために配布される資料、『コレージュ1年生日記』(Monjournalde6eme)を改善し、コレージュでの学習・生活への適応を促進する。「学校生活の時間」でもこの冊子を活用する。 |
<別紙5> |
21世紀に向けた教育振興行動計画(1999年) |
(中国) |
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(1) | 「21世紀資質教育プロジェクト」を実施し、国民の資質を向上させる |
(2) | 「21世紀園丁プロジェクト」を実施し、教員の資質を大いに向上させる |
(3) | 「高度・創造的人材プロジェクト」を実施し、高等教育機関の科学研究活動を強化し、国家創造体系構築に積極的に参加させる |
(4) | 「211」プロジェクト〔訳注:21世紀に向けて100校程度の高等教育機関及び重点先行領域の教育研究水準を飛躍的に高めるための重点投資計画。当初は2000年までの計画〕を継続し、かつ進行をを早め、高等教育機関の知識想像力を大いに高める |
(5) | 世界先進水準の一流大学及び一流先行領域を創建する |
(6) | 「現代遠隔教育プロジェクト」を実施し、開放型の教育ネットワークを形成し、生涯学習体系を構築する |
(7) | 「高等教育機関ハイテク産業化プロジェクト」を実施し、国家のハイテク産業発展の牽引役となり、経済の新たな成長拠点育成に貢献する |
(8) | 「高等教育法」の実施を徹底し、高等教育を積極的かつ安定的に発展させ、高等教育改革の足取りを速め、教育の質及び運営効率を高める |
(9) | 職業教育及び成人教育を積極的に発展させ、資質の高い労働者及び初級・中級人材を多数養成し、特に教育の農業及び農村事業に対する貢献度を高めなければならない |
(10) | 学校の管理運営体制改革を深め、社会各方面の教育事業発展に対する積極性を動員する |
(11) | 法に従って教育費の「3つの増加」(各レベル政府の教育財政支出の増加が同レベルの財政経常収入の増加を上回る、学生生徒一人当たり教育費を徐々に増加させる、教職員及び学生生徒一人当たり事務経費を徐々に増加させる)を保障し、教育への有効な投資を確実に増加させる |
(12) | ケ小平理論の偉大な旗印を高く掲げ、高等教育機関における党組織の整備と思想政治活動を強化し、高等教育機関を社会主義精神文明建設の重要拠点とする |