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資料3−7

青少年の健全育成に関する国民から寄せられた意見

スクールミーティングでいただいた意見の概要(保護者)(平成17年6月18日現在)

■子どもたちの変化について
 子どもたちの変化について、外で遊ばなくなり、テレビやゲームの時間が長い、睡眠時間が少ない子が増えたという意見が多かった。

《小学校》
 
 不審者が増え、近所の道路や公園など皆で遊べるスペースが減った。学校も勉強以外の時間が減り、コミュニケーションが取れなくなり、勉強以外のストレスの解消法が減っている。
 小学4年生がままごとをしているのを見て驚いた。模倣遊びが高年齢化している。発達段階に応じた遊び(体験)がなく、一足飛びにきている感じがする。「群れ遊び」を地域でうまくできるように国の政策としてやってほしい。公園も人里離れた所にあり、子どもが気軽に集まるという環境にはない。公園に子どもを連れて行っても誰も来ない。遊ぶ相手や相談相手もいない。皆が子どもに目を向けられる場所、有効活用できる場所の確保をお願いしたい。
 家で遊ぶ子が多くなった。男の子も外で遊ぶこともあるが、家でゲームで遊ぶ子が多くなった。
 子どもは帰宅してからは、下校時間にもよるが、時間がある時は公園でサッカーをする時もあるが、ゲームやアニメが好きである。ゲームは始めると1〜2時間はやってしまう。ただ、ゲームがなければ子ども同士の会話についていけなくなってしまう。
 ゲームの普及で、現実とバーチャル世界の区別のつかない子どもたちが増えている。
 昔は大家族であったが、今は核家族で子どもは家の中で「王様」扱いされている。
 耐える力、我慢する力が欠けている。
 最近の子どもで気になるのは、どの子も自分の気持ちを伝えるのが苦手で、相手が何を考えているのか想像するのも下手であることである。
 睡眠時間が少ない子どもが多い。
 あいさつ運動の継続により、あいさつが元気良くなった。

《中学校》
 
 少子化により、競争をしなくなっている。
 昔に比べて子どもが家の作業を手伝うことが少なくなっているし、外で遊ぶ子も減っている気がする。学校の机で勉強するだけでなく、もっと体験を与えるべき。
 子どもの本質は昔も今も変わっていない。しかし、IT化など環境が変わってしまった。今は考える間もなく、物事ができあがってしまう。子どもが悪いのではなく環境に問題がある。
 生徒のしつけがなっていないということは、家庭や地域の教育力が低下したせいではないか。国の政策として、長時間保育を推奨するなど、家族が離れる時間を長くするような施策を推進して、子育ての支援を軽視しているのではないか。就学前に預けられたため、しつけがなっていない子どもが増えるから、学校でしつけをするところから始めないといけなくなってしまっている。
 子どもたちが「きれ」ているといわれている。原因は、朝食抜き、コンビニ弁当、カップ麺、炭酸飲料等、食生活(塩分・糖分のとりすぎ、カルシウム不足等の問題)に関連しているのではないか。

■家庭・地域の役割について
 家庭や地域の役割については、親の家庭での子どもとの関わり方の変化や地域での子育ての重要性を指摘する意見などがあった。

《小学校》
 
 親が変わってきていると思う。基本は家庭教育であり、学校任せにするのは違うと思う。家庭で子どもと接する時間を少しでも作ることが重要。
 親が時間に追われていて余裕が無い。ゲームをやらせていた方が楽に感じることもある。
 若い親に子育て教育を行う必要がある。
 就学前の躾が大切である。
 地域の人が子どもに声をかけることが減ってしまった。
 親の読書傾向が子どもに引き継がれている。新聞を読まない親もいる。
 自分の子どもを大切にするあまり、「失敗させたくない」という考えから、親が先回りすることによって、子どもが消極的になっているのではないか。
 子育てに悩む親への支援を。悩みの相談ができる場が必要。
 ゲームばかりをして人と話をあまりしなくなった子どもたちの読解力が落ちるのは当然で、文部科学省の方から家庭教育に対して、「家庭ではこんなことをしていきましょう。」といった家庭に対するメッセージを発することが必要ではないか。
 アメリカ等では、学校の運営に係る予算や人材について地域全体で協力している。部活動の指導者など地域の方の協力で実施しているところが大きいが、指導者がいなくなると継続していかない部分がある。
 大人が子どもとどう関わるかが重要。「子どもの居場所づくり」事業でつくったボランティアハウスは地域の大人が入っていてすばらしいと思うので、継続して事業を実施するとともに、予算を充実してほしい。

《中学校》
 
 食育について、朝食を抜く子供が増えている原因は生活リズムが乱れていることではないか。子に教育するためには、親自身が生活リズムを正すことも必要ではないかと思う。
 子どもの好き嫌いも親に責任がある。「食べ物」の視点から子どもを育てる必要がある。
 共働きの家庭が増え、PTA活動に参加する人も減っている。また、PTAとはいっても、教職員を休日に出させるのは難しいので、実際には保護者会になっている。
 母親まかせではなく、父親も教育に関わり、子どもたちがどのような環境にいるのかを、自分で確認することが重要。しかし、働いていれば、休みを取りにくい、という現実もある。そこで、国の方で、「学校を見に行こう」キャンペーンのようなものをやってほしい。
 総合的な学習の時間の中で、家庭がすべきことをやっている。家庭ですべきことは家庭にやってもらわないといけない。しかし、家庭教育について学校やPTAが行う講習や研修に出てくる親は、いつも同じ人たちである。国は、このような状況を制度の面・制度運用の面から改善してほしい。

スクールミーティングでいただいた意見の概要(教職員)(平成17年6月18日現在)

■子どもたちの変化について(学習意欲、体力、精神力の低下など)
 子どもたちの変化については、外遊びが減り、テレビやゲームの時間が長くなった、睡眠時間が不足している、実体験が少ない、塾通いなどで多忙になった等の意見が出された。また、我慢ができず、すぐにあきらめる傾向がある、主体性がなく受身である、学習意欲の低下や基本的な生活習慣が身に付いていない、基礎学力やコミュニケーション能力や体力の低下を指摘し、手のかかる子が増えている、学力や体力が二極化しているという意見が見られる。一方、昔と変わっていない、今の子どもの方が、物おじしない、情報収集や発表が上手になっているなどの意見もあった。

《小学校》
 
 マイペースな子が多い。他の子をずっと待たせていても、「悪い」と感じているように見えないというか、その子がどう考えているのかが分からない。
 思いやりの気持ちがなくなっている。相手の気持ちを考えることができない。
 習っていないことは、わからないとすぐあきらめる傾向にある。
 子どもたちの間で「将来の夢」という意識が少なくなってきている。何かに対するあこがれという感覚を持たせるために何をしていけば良いのか、課題に思う。
 人の話を聞かない、指示を出しても動かない子が多い。
 子どもたちは、「やりなさい」と出されたことはするけれど、自分で進んでは勉強をしない。
 社会事象に対して関心、意見をもたなくなってきた。グラフも認識できなくなってきた。
 決まりごとなど、集団生活を行う上で身に付けておくべきことが身についていない。
 基本的な生活習慣(挨拶、服装、廊下を走らない等)や学校のルール(ノートの使い方、忘れ物、持ち物の準備、下敷きの使い方等)が身に付かないままの児童の割合が増えてきている。
 子供たちの思考力が落ちてきている。少子化による話すことの不足や、読書をしてじっくり考えることの不足などが原因ではないか。
 子供については、まとまって何かをやろうという意識が低下していると感じている。対人関係能力について、ソーシャルスキルというものを取り入れてがんばっているがなかなかうまくはいかない。
 昔は問題が起こると、子どもだけで解決しようとする意識があり、解決できている部分もあったが、今の子どもは解決する能力がない。
 話をしっかりと聞くことができない子ども、自分の言葉で表現することができない子どもが増えている。語彙力が不足している。
 言語力、表現力が弱い。画面でのメディアが幼児期から入ってきているせいか、言葉をイメージ化する能力が落ちている。
 学力テストでは、学力が戻ったとされたが、安心できない。応用力、体力の低下は歯止めがかからず、平成15年度の校内暴力件数は史上最高となった。子どもの元気が回復しないうちの学力向上の取組は、新たな問題を発生させる。
 20年前の子ども達と比べると体力的に全く異なっている。外で遊ばないなど、生活の中で負荷が与えられていない。体育の授業だけでは補えないと感じる。
 擦り傷、打撲が多く、最近はちょっとしたけがでも保健室に来るようになってきている。危険回避能力を学校現場でつけていくようにしなければならない。
 児童の体力が低下している。放課後は習い事が多く、遊ぶことが少ない。
 生活のリズムが取れていない子どもがいる。11時、12時まで起きている。塾に行っているので家に帰ってから学校の宿題、塾の宿題をやっている。睡眠時間をとって欲しい。
 中学校に入る段階で、計算力がしっかりついていない。1つの単元をやるにも、結局時間が押してしまい時間がとれなくなる。
 小学校低学年から塾に通っている児童が多く、塾に行っていない子との学力の差がある。
 子どもたちの感覚が変わっている。ゲーム中のバーチャルの世界の話を平気でしており、内容によっては怖いと感じることもある。
 子どもたちのテレビの視聴時間は長すぎる。子どものディスプレイ中毒症状が、学力、体力の低下を生み、コミュニケーション能力の低下を招いている。
 10年前には勉強はすべきものであったし、悪いことはしたら叱られるものであったが、現在はそういう認識が薄くなっている。
 大切なのは、家庭での「早寝、早起き、朝ごはん」、テレビ視聴の制限と学校でも反復学習の実践。
 学力の低下が話題になっているが、基礎学力が下がったとは思わない。
 学力低下と言われているが、教える側からみれば、以前より低下したという実感はない。
 学力のとらえ方(見える学力か見えない学力か)が、世論は見える学力が主である。しかし、現場としては、見えない学力に対しても努力しており、数値のみでとらえて欲しくない。
 パソコンを使っての情報収集能力や英語、発表力は向上しているが、読み書きなどの基礎学力が低下していると感じる。
 自分の考えをはっきりと主張できるようになっている。
 理解力・吸収力・スピードなどは、昔より良いのではないか。

《中学校》
 
 外で遊ぶことよりも、テレビゲーム・テレビを好む。
 生徒の学習意欲が低下し、ハングリー精神が欠け、少しでもわからないとあきらめる。
 きついこと、疲れることを避けて、楽な方に逃げる傾向がある。心が弱く、我慢ができない。子どもそのものは変わっていないはずだが、周りに情報が溢れている中で、情報を選び取ることができないでいる。
 高め合うことが嫌われるなど、子どもたちの考え方が多様化してきている。
 興味のあることにはよく取り組むが、不得意なことからは逃げようとする。
 生徒の考える力、体力、粘りが低下し、幼稚になっている。
 今の生徒はもまれていないし、実体験も少ない。子ども同士の関係が希薄で、交流そのものが少なくなっている。
 人との付き合いは下手になっている。
 人の話を聞けない。コミュニケーション能力が不足している。感情のコントロールのできない生徒が増えている。人間関係が希薄になっている。
 保健室に来る子で、心の病ではないかと思う子が増えた。人間関係が上手に築けない子が多い。友達とのトラブルで教室に入れない状況がある。
 語彙力が低下している気がする。話をするときに、単語だけで話すこともある。
 子どもの表現力、ボキャブラリーの数など、昔と比べ低下していると感じる。
 国語の力は落ちている。読むことだけでなく、書く力も落ちていると感じる。
 子どもたちの生活のリズムが乱れていると感じる。
 この数年で、実感として基礎学力が低下している。
 家で勉強する時間が少なく、自分で何かに取り組んだという経験が少ない。
 以前の生徒と比べると、学力、学習意欲とも二極化してきている。両方にあわせた授業が難しい。工夫する必要がある。
 手のかかる子が増えてきていて、教員が親や兄弟、友人の役割も求められている。
 まず自分で考えてみることなく、すぐに「先生これどうするの」と訊く。すぐに他人に頼る。
 今の子ども達は、物おじしなくなった。表現力が豊かになった。
 実体験が不足しているので、自然体験などを通して命の尊さを学んでもらいたい。
 人懐っこくて素直であるが、何がよくて何が悪いのかがうまくつかめておらず、TPOが身に付いていない。保護者や地域を巻き込んでTPOを教えていくことを考えていく必要がある。
 学習習慣を身に付けていない子が多いが、やり方を教えてあげれば納得するし学習する意欲はある。
 黙っていても学習習慣がある子もいるが、そうではない子については、手間暇かけてあげないと学習意欲に結びつかない。
 ニートは、子どもの頃に充分遊んでいないこと、子どもらしい生活を送っていないことが原因なのではないか。もっと遊ばせることが大切だと思う。
 性に対する興味が強く、給食や休み時間の話題としている子が多いことを心配している。実態に合った性教育をきちんと考える必要性を感じる。

■家庭・地域との関係
 家庭や地域に関しては、保護者の価値観が多様化し対応が困難になっていること、家庭で基本的生活習慣を身につけさせてほしい、しつけをしっかりやってほしいという意見や、保護者との対話や、授業への参加、通学路の安全確保、職場体験などにおける地域住民との協力の必要性を指摘する意見が多かった。

《小学校》
 
 保護者の価値観が多様化し、対応が困難。
 離婚による片親の家庭が多くなっており、子供の心の不安定感を増している。家庭環境について、改めてその大切さを考えていく必要があろう。
 保護者は言いたい放題である。子どもが無断で学校を休んだ時に、学校から電話がないと言って、学校は児童の心配をしていないのかと言う保護者がいた。もっと保護者は責任を持つべきだ。
 子どもたちのため学校側が保護者を対象に講演会などを開催するが集まらない。熱心な保護者もいるが来てもらいたい方々が来ない。
 “友達親子”対応に苦慮する。学校の先生を悪者にする親の影響を受ける子ども。しんどい。何を基準に良し悪しを判断しているか分からないが、とにかく教師を批判する。
 家庭は基本的な生活習慣の確立をしっかりしてほしい。しつけも含めて、一緒に食事をしたりして、楽しい生活ができるようにしてほしい。
 今の保護者には、「うちの子は」という思いが強いあまり、全体のことを考えられなくなっている人もいる。
 高齢社会になって、しかも核家族化しているが、地域の高齢者の方と子ども達が自然と一緒にいられるような(交流できる)施設・場があればいいと思う。高齢者の方が、自分が学んできたことを子ども達に教えてあげられるような場が欲しい。
 最近、地域が学校に関心を持ってくれるようになってきた。今までは閉鎖的だった学校が、開かれた学校になってきたせいもあるのだろうが、協力体制ができてきた。老人会の方々が、腕章をつけて登下校を見守ったり、自転車に安全をよびかけるプレートを張ったりするなどの提案をしてくれた。虐待などについても、何か気付いたら学校に知らせてくださっている。
 親が子どもにどう接していくかということを見失っている。親が子どもを正面から見ておらず、大事なものを見落としている。10年前は学校教育と家庭教育が両輪で動いていたが、親が一緒になって、同じ方向を向いてやってくれない。親が変われば子どもも変わるが、どう変えるか具体的な施策が見えてこない。
 家庭とのコミュニケーションが大事。これまで学校は家庭に対して必要なことを十分に言って来なかったのではないかと反省している。
 保護者の声を十分受け止め、学校でできること、家庭にお願いしなければならないことを見極めていきたい。
 「親を家庭に返す」ために、親の就業条件(就業時間など)を社会全体で変えていくようにしてほしい。今は子どもが家に一人で居る時間が多く、親とのスキンシップが足りないために、生活習慣などで本来子どもの頃に身につけなければいけないことが身に付いていない。
 体力低下が言われているが、体育について、ストレッチ、筋力トレーニングなどの補強運動と、球技などでの体を動かすことの楽しさの二つを体育の時間だけでこなしていくのは難しい。家庭や地域でのスポーツに関する取組が課題。

《中学校》
 
 子育てについて過度に学校に依存している。
 家庭に学校・教師と協力して子どもを育てるという意識を持ってほしい。
 社会全体で、子どもが悪いことをしても何も言わないようになってしまっている。家庭でも地域でもしつけが十分できていないように思われる。
 地域も注意できない状況に変わってきた。注意すると「変な人」と見られてしまうため、地域の方々はすべて学校にお願いしてくる。学校は学習の場であって欲しいのに、それ以外の仕事が学校に求められている。
 「開かれた学校」と「学校の安全」は矛盾しない。むしろ、学校を開いて常に住民の目が行き届いて、多くの目で子どもを見守っていくことによって学校の安全が守られるのではないか。
 福祉などの分野は教師だけでは指導できない。地域のそれぞれの分野の専門家に学校に来ていただき、授業に加わってもらいたい。
 三者懇談で親子の考えがバラバラ。事前に話し合ってないのでそれぞれが主張してまとまらないケースが多い。もっと会話を持ってほしい。
 授業参観など保護者がよくしゃべる。やかましい。私語が多すぎ。家ではいい子だが学校では不安定な子が増えてきた。学校が家庭にどう伝えるか苦慮している。担任と複数で保護者に伝えるようにしている。
 職場体験学習を1年生で実施したが、地域の方々に働くことの意義を話してもらい、子どもたちが変わった。受け入れ側の商店街の皆さんにも喜んでもらえた。もっと地域で子どもを受け入れることを進めていきたい。
 地域とのつながりは大人と子どもをつなぐ効果があると思う。学校の外に先生の応援団があれば心強いのでは。
 複数担任制であるため、保護者のところに足を運び直接指導し、話をする。年間家庭訪問を約500件行っている。その成果もあり、子供は落ち着いている。


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