大学教育の主要課題について(概括)(2/2) 論点メモ

1.現在の大学教育の主要課題について

(1) 大学改革の課題

○ これまでの改革の進展や,国際的な動向に照らして,我が国の大学改革で急がれる課題は,

  1. 大学教育を通じた共通基盤の確立,
     (学士課程の入学・修学・卒業の教育の方針,大学院教育の実質化)
  2. 機能別分化の進展への対応,
  3. これらのための,学内ガバナンス強化,の3点。

○ 「1.大学教育を通じた共通基盤の確立」については,これまでの学士課程と大学院の答申を通じて,一定の審議の蓄積がある。

○ 一方,「2.機能別分化の進展への対応」は,「将来像答申」で一定の提唱はされたが,支援策の具体化が必要。

○ また,「3.学内ガバナンス強化」は,当面,諸外国の現状把握を進める。

○ あわせて,これらを効果的に実現するため,行政による支援体制の充実方策が課題となっている。

(2) 上記に照らした審議の進め方

8月までをメドに,2について検討 → 支援策について一定の取りまとめ。

○ 1は,秋から,学士課程の施策の検証に取り組む。その際,学問分野ごとの違いに配慮する。

○ 並行して,3について,諸外国の現状を調査しながら別途検討する。

○ これらを踏まえつつ,行政としての支援方策を審議する(教育振興基本計画の検討を含む)。

 

2.機能別分化の進展への対応の観点から,大学の取組を支援する方策について(案)

(1) 財政的な観点からの支援の仕組み

○ 大学財政の枠組みとして,

(ア) 基盤的な経費,
(イ) 学生個人への経済的支援,に加えて,
(ウ) 優れた教育への支援,が存在。

○ 従来,特定の政策課題に基づくプロジェクトの幅広い支援(GP事業)や,研究者を養成する卓越した教育研究拠点の整備(COE事業)の推進を通じて,多様な成果が見られる。

○ そうした蓄積を生かしながら, 今日的な状況の変化,例えば,

  • 我が国の震災後の復興を担う人材の育成の必要性,
  • 加速化するグローバル化,産業・就業構造の変化の中の人材育成の必要性,

 などの新たな課題に対応し,大学改革を効率的・効果的に進めるため,以下の観点を重視する新しい展開が必要。

  • 学長のリーダーシップにより使命(ミッション)を明確化する
  • 組織的・体系的な教育としての学位課程を確立する
  • その際,そうした取組を実現するため,教学に関するガバナンスを学内で確立する

○ 実施成果について,学内外からの評価・検証を行う。

  また,そうした成果が,他大学でもそれぞれの特色に基づいて活用されるよう,他大学への波及を一層重視する。

(2) 大学の取組を可視化する仕組み(現在,協力者会議で検討中)

○ 大学の教育情報は,各大学による自主的・自律的な取組が中心。

(ア) 今年4月の制度改正を踏まえた必須情報を公表
(イ) それぞれの特色ある活動を発信が進展(各大学の方針により,地域,国内,国際など多様なターゲット)

○ それに加えて,大学関係団体による取組も重要。

(ア) ガイドラインの作成など,各大学の公表を円滑に進める支援も見られる。
(イ) また,大学コミュニティによるオープンな運営を通じて,情報を収集・発信する場の整備が課題。

【趣旨】

○ 大学が,自らの教育活動を把握・分析するために活用

○ 各大学の多様な教育活動を国内外に分かりやすく発信

  • 大学により,分野,地域,重点を置く機能などの多様性を踏まえる。
  • 小規模大学・地方大学を含む各大学の“強み”を示す項目や表示を工夫(種別化や,画一的なランキングにならない仕組みに配慮)。
  • グローバルな教育活動を重視する大学に関する海外発信。

○ 各大学の業務負担軽減

(3) 大学を支援する団体の役割の充実

○ 諸外国における動向について(金子委員から報告)。

○ 我が国では,民間団体や国の機関等が,教育の質保証,評価,経営支援,ファンディング,学生支援等のために様々に活動している。こうした団体の一層の機能の充実を期待

○ そうした中で,例えば,独立行政法人の組織運営などの新たな仕組みについて。

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

-- 登録:平成23年08月 --