学位プログラムを中心とした大学制度の再構成について(イメージ案)

1 「学位プログラム」とは

 「学位プログラム」とは、大学等において、学生に短期大学士・学士・修士・博士・専門職学位といった学位を取得させるに当たり、当該学位のレベルと分野に応じて達成すべき能力を明示し、それを修得させるように体系的に設計した教育プログラムのこと。

2 「学位プログラムを中心とした大学制度の再構成について」

 「学位プログラムを中心とした大学制度」とは、従来のような学部や研究科等の組織に着目した大学制度ではなく、学位の取得を目指す学生の学修の視点に立って、学位のレベルと分野に応じて達成すべき能力を修得するように体系的に設計された、学位プログラムの実施に着目した大学制度とするもの。この取組を通じ、大学の内部統制機能を強化し、大学内部できちんと質保証ができるような仕組みとする

3 学位プログラムにおける教育課程等

 学位プログラムを中心とした大学制度に移行すれば、以下のような効果があると考えられる。

  1.  「学位」の種類、名称及び対象とする学問分野等が、知識・能力の証明として国際的にも通用性のあるものに整理される。
  2.  「教育目標」が、当該学位プログラムの学位の取得のために達成すべき能力として明確化される(ディプロマ・ポリシー)。
  3.  「教育課程」が、当該学位プログラムの教育目標の達成のために必要となる教育内容として、体系的かつ組織的に整理される(カリキュラム・ポリシー)。
  4.  「入学者選抜方針」が、当該学位プログラムの教育課程の履修が可能となる学生を受け入れるためのものとして整備される(アドミッション・ポリシー)。

4 学位プログラムの実施体制等

  1.  学位プログラムの実施における「教員組織」や「学生の所属組織」は、様々な形態が考えられる。現行の仕組みのままでも可能であると考えられるが、教員が専門分野別に編成された「教員組織」に所属し、学生が学位プログラムとともに「教育活動の場」に所属することで、学生が取得する学位のための教育プログラムを選択する仕組みとすることも考えられる。
  2.  学位プログラムの実施に際し、各大学においては、各学位プログラムの円滑な実施のために、大学内部の教育の質保証のための体制を整備することが必要になると考えられる。
  3.  学位プログラムの実施に際し、各大学においては、各学位プログラムを履修する学生のために、学生の履修支援の体制(例:カリキュラム・アドバイザー等の設置など)を整備することが必要になると考えられる。

5 学位プログラムの実施に合わせて行うべき事項

 なお、必ずしも学位プログラムの実施とは関係ないが、学位プログラムをより効果的なものとするためには、各大学において、各学位プログラムにおける教育内容の質の確保の観点から、それぞれの授業の充実及び単位制度の実質化を図ることが必要であり、そのためのシラバスの充実、FDの充実と実質化、授業時間の確保、学生の授業準備や復習が必要となるような授業内容の整備、初年次教育の実施、及びGPA等による適切な成績評価の実施等が必要になると思われる。

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