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第2 質保証システムについて

 質保証システム部会では,設置基準,設置認可審査及び認証評価を中心とする公的な質保証システムの見直しの検討を進めている。
 その一環として,平成21年10月以降,「社会的・職業的自立に関する指導等」及び「教育情報の公開の促進」の2つの課題を審議している。そのうち「社会的・職業的自立に関する指導等」については,設置基準改正の考え方を含めて,同部会として一定の結論を得ている。
 以下では,それらの2つの論点のほか,専門的人材養成に関し,分科会に設けられたWGの検討状況を整理している。

1 社会的・職業的自立に関する指導等

(1) これまでの分科会の審議

1.「第一次報告」及び「第二次報告」までの審議

 分科会では,これまで,大学教育の在り方について審議する中で,大学教育の質保証の在り方や,大学教育と卒業後に社会から期待される能力との関わりなどに関し,各種の提言を行ってきた。
 その上で,「第一次報告」では,「検討課題(例)」として「学生の履修指導や就職支援」を示した。この課題に関し,学生支援検討WGでの検討を経て,「第二次報告」では,職業指導(キャリアガイダンス)の法令上の明確化について論点を整理した。
 その後,関係団体からのヒアリング及びパブリックコメント等も踏まえ,これまでの審議経過を次のように整理した。

2.「キャリアガイダンス」及び「職業指導」等の用語

 「第二次報告」では,「厚生補導」(学生の人間形成を図るために行われる正課外の諸活動における様々な指導,援助等であり,具体的には,課外教育活動,奨学援護,保健指導,職業指導等を含む。)の領域の一つとして行われてきた「職業指導」の概念に着目して,「職業指導(キャリアガイダンス)」と記載した。
 しかしながら,その後の審議の結果,「職業教育」(一定の又は特定の職業に従事するために必要な知識,技能,態度をはぐくむ教育)との誤解が生じ得ることを踏まえて,「職業指導」を用いないこととした。その上で,「キャリア教育」(社会的・職業的自立に向け,必要な知識,技能,態度をはぐくむ教育)の考え方に基づきつつ,学生に対して実際に教育が行われる場合に現れる態様である指導・支援に着目し,「社会的・職業的自立に関する指導等」として整理した(用語の整理は(4)を参照)。

(2) 社会的・職業的自立に関する指導等に係る規定を大学設置基準に位置づける理念

1.現状

 大学は,学術の中心として,広く知識を授けるとともに,深く専門の学芸を教授研究し,知的,道徳的及び応用的能力を展開させることを目的としており,大学教育や学生生活の経験を通じて獲得する成果(知識・技能,態度・志向性等)には,専門分野に関する知識・技能とともに,社会的・職業的自立に必要な資質能力が本来的に内在していると言うことができる。
 社会的・職業的自立に関する指導等は,このことを踏まえ,各大学の実情に応じて,教育課程の内外を通じて行われる指導又は支援であり,具体的には,教育方法の改善を通じた各種の取組のほか,履修指導,相談・助言,情報提供等が想定される。
 各大学では,教育課程を通じて,それぞれの個性・特色や学問分野に応じた取組を行うほか,厚生補導を通じて,学生に対する各種の職業意識の形成や就職支援を行っている。これは,単に卒業時点の就職を目指すものではなく,生涯を通じた持続的な就業力の育成を目指し,豊かな人間形成と人生設計に資することを目的として行われる。

2.社会的・職業的自立に関する指導等に係る規定を法令上に明確化する趣旨

 学生の社会的・職業的自立に向けた支援は,産業界や地域の各種団体を含む社会全体として取り組むべきものである。その中でも,若者の過半数(56%)が進学する大学については,職業の種類や,企業等の事業所の業種・規模・業務内容等の多様化を踏まえ,社会人・職業人としての基礎能力を持ち,産業構造等の変化に対応できる柔軟な専門性と創造性の高い人材を育成することが強く要請される。また,現在の厳しい雇用情勢や,学生の多様化に伴う卒業後の移行支援の必要性等を踏まえ,学生が,それぞれの専門分野の知識・技能とともに,職業を通じて社会とどのように関わっていくのか,明確な課題意識と具体的な目標を持ち,それを実現するための能力を身に付けられるようにすることが課題となっている。平成20年の答申「学士課程教育の構築に向けて」にあるように,各大学では,全学的な方針に基づき,教育の内容と方法の改善に取り組んでおり,その一環として,学生の社会的・職業的自立に関する指導等の在り方を検討していくことが求められる。
 この点に関し,我が国の大学における認識や対応は,総じて抽象的であり,国際的な大学教育の動向に照らしても曖昧と言わざるを得ず,その結果,学生の卒業後の社会的・職業的自立という観点から,その教育と学生支援に十分に取り組んできたとは言えないとの指摘もされている。
 そこで,大学の自主性・自律性や,それぞれの多様性を前提としつつ,すべての大学において,教育課程の内外を通じて,社会的・職業的自立に向けた指導等に取り組むため,その体制を整えることを大学設置基準に位置づけることが求められる。
 大学設置基準の改正とともに,国は,上記で述べた改革の方向性を踏まえ,早急に着手すべき施策を明らかにし,体系的な施策を展開することで,各大学で実質的な取組が進むよう後押しすることが望まれる。また,各大学は,学生の社会的・職業的自立に関し,それぞれの状況を踏まえながら,具体的に取り組むことが望まれる。

3.大学の機能別分化を踏まえた対応

 大学の機能別分化が進む中,各大学の教育研究目的,設置する学部・研究科の種類,学生数等の規模,学生や教職員の状況は多様であり,また,大学では既に多様な取組がなされていることにかんがみ,大学設置基準に位置づけるに当たり,大学の取組を画一的なものとしないよう留意する。

(3) 上記の現状と理念を踏まえた大学設置基準の改正

1.大学設置基準の改正の考え方

 社会的・職業的自立に関する指導等について,大学設置基準には,大学として最低限必要な事項を規定するという観点を踏まえ,次のような趣旨を設けることが適当である。

 大学は,当該大学及び学部等の教育上の目的に応じ,学生が卒業後自らの資質を向上させ,社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を,教育課程の実施及び厚生補導を通じて培うことができるよう,大学内の組織間の有機的な連携を図り,適切な体制を整えるものとする。

 大学設置基準には,「第6章 教育課程」(第19条から第26条まで)と「厚生補導の組織」(第42条)の規定があり,今回の規定は,これらの関係条文の後に置くことが適当である。短期大学の設置基準にも,その特性を踏まえつつ大学設置基準と同様の規定を設けることが適当である。

 大学設置基準における厚生補導の規定は,大学院生を含む全学的な取組として設けられており,大学院における社会的・職業的自立に関する指導等についても,大学設置基準に基づく実施体制を活用した取組が求められる。

2.留意事項

(ア) 各大学における社会的・職業的自立に関する指導等の在り方

 社会的・職業的自立に関する指導等として,各大学がどのような取組を行うかは,それぞれの教育研究目的,設置する学部・研究科の種類,学生数等の規模,学生や教職員の状況により多様と考えられる。したがって,特定の教育内容・方法が大学に課されるべきではない。例えば,医療系人材や教員等の専門職業人の養成を目的とする学部等では,その教育活動の全体が,卒業後の職業との関わりを重視して構成されているように,分野により多様であることを踏まえなければならない。

(イ) 教育課程の編成における取扱い

 各大学では,教育課程の内容と実施方法に関する方針を定める中で,個別の授業科目のシラバスや,体系的な教育課程の編成を通じて,社会的・職業的自立に関する指導等の在り方を明らかにし,学生に対し,その内容の理解を図ることが求められる。
 また,教育課程の編成と実施に当たっては,大学として保証すべき教育の内容・水準に十分留意する。例えば,幅広い職業意識の形成に着目した授業科目を開設する場合に,大学の判断により,それが教育課程の一部として位置づけられるのにふさわしい内容・水準であることを明らかにするとともに,専門教育等とのバランスにも留意しつつ,過度に傾斜しないような配慮が考えられる。

(ウ) 学内における実施体制の確保

 今回の大学設置基準の改正は,社会的・職業的自立に関する指導等の実施に当たり,大学の判断に基づいて設けられている各種の組織(例えば,教育を行う様々な学内組織,各種の厚生補導を行うための組織,留学生の支援を行う組織,教務部・学務部等の事務組織)の緊密な連携や,そうした組織の活用を通じて体制を整える必要性を規定している。したがって,学内に専任の教職員を配置する,または独立した組織を設けるなど,組織の設置を画一的に課すものではない。
 なお,大学において,社会的・職業的自立に関する指導等に具体的に取り組む際には,それぞれの大学の教育理念や,個性・特色,学生の状況等を踏まえた対応が必要であり,そのためにも,学内における専門性の高い人材の養成・確保や,学内の教職員による理解の共有化を図ることが求められる。

(エ) 大学の取組状況の公表

 各大学では,その社会的・職業的自立に関する指導等の取組について,広く社会に説明していくことが求められる。また,認証評価により,各大学の理念や教育研究目的等を踏まえた適切な評価を受け,その評価結果が社会に明らかにされることが期待される(現在も各認証評価機関では,「進路選択の指導」等の評価項目を設けて評価を実施している。)。

(オ) 産業界や各種団体をはじめとする社会との連携と協力

 学生への社会的・職業的自立に関する指導等は,大学だけでなく,社会全体として支援すべきものであり,産業界や地域の各種団体をはじめとする社会との連携と協力が求められる。
 また,雇用情勢の悪化による学生の不安な心理が就職活動の早期化をもたらしているとの指摘もあり,学生の落ち着いた学習環境の確保が必要である。こうした面からも,大学側の学生の就職に関する「申合せ」や,企業側の採用選考に関する「倫理憲章」の周知徹底を図っているが,学生の就職活動の早期化の現状は依然として続いており,大学,産業界や地域の各種団体,関係行政機関等の連携・協力による更なる改善の努力が不可欠である。

3.大学設置基準の規定の考え方の明確化

 大学設置基準の規定に関して,上記を踏まえた考え方について,後日誤解が生じないよう施行通知や解説等の文書により明確にする。

(4) 「社会的・職業的自立に関する指導等」に関連する用語整理

【厚生補導】

 学生の人間形成を図るために行われる正課外の諸活動における様々な指導,援助等であり,具体的には,課外教育活動,奨学援護,保健指導,職業指導等を含む。

 大学設置基準は,第42条で「大学は,学生の厚生補導を行うため,専任の職員を置く適当な組織を設けるものとする」と規定している。

【キャリア教育】

 社会的・職業的自立に向け,必要な知識,技能,態度をはぐくむ教育。より詳しくは「一人ひとりのキャリア発達を支援し,それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な知識,技能,態度をはぐくむ教育」(平成21年7月の中央教育審議会キャリア教育・職業教育特別部会の「審議経過報告」)。

 このうち高等教育においては,平成12年の大学審議会の答申「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」が,キャリア教育を「学生が将来への目的意識を明確に持てるよう,職業観を涵養し,職業に関する知識・技能を身に付けさせ,自己の個性を理解した上で主体的に進路を選択できる能力・態度を育成する教育」と整理している。

【社会的・職業的自立に関する指導等】

 各大学の実情に応じて,社会的・職業的自立を図るために必要な能力を培うために,教育課程の内外を通じて行われる指導又は支援であり,具体的には,教育方法の改善を通じた各種の取組のほか,履修指導,相談・助言,情報提供等が想定される。上記のキャリア教育の考え方に基づきつつ,学生に対して実際に教育が行われる場合に現れる態様である指導・支援に着目して,このように整理している。
 平成18年に改正された教育基本法は,第2条第2号に「教育の目標」の一つとして「職業及び生活との関連を重視し,勤労を重んずる態度を養うこと」を規定している。また,学校教育法は,第83条に「大学の目的」として「学術の中心として,広く知識を授けるとともに,深く専門の学芸を教授研究し,知的,道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」と規定している。

【職業指導】

 昭和33年の学徒厚生審議会の答申「大学における学生の厚生補導に関する組織およびその運営の改善について」は,職業指導を「学生がその個性と能力に応じた職業につくことができるようにすること」と整理し,これを厚生補導の領域の一つに位置づけている。

 「第二次報告」では,この職業指導の概念に着目して,「職業指導(キャリアガイダンス)」について提言した。しかしながら,「職業教育」(一定の又は特定の職業に従事するために必要な知識,技能,態度をはぐくむ教育)との誤解が生じ得ることを踏まえて,この審議経過概要では,「職業指導」を用いず,「社会的・職業的自立に関する指導等」として整理することとした。

2 教育情報の公表の促進

(1) 現状と課題

 学校教育法第113条により,大学は,教育研究の成果の普及及び活用の促進に資するために,その教育研究活動の状況を公表することとされている。また,大学設置基準第2条により,大学は,刊行物への掲載その他広く周知を図ることができる方法によって積極的に情報を提供することとされている。
 このほかに,大学における教育情報の公表に関連して,法令上,次の規定が設けられている。

  • 人材養成目的その他の教育研究上の目的の公表(大学設置基準第2条の2)
  • 授業の方法・内容,年間授業計画,成績評価基準,卒業認定基準の学生に対する明示(大学設置基準第25条の2)
  • 自己点検・評価の結果の公表(学校教育法第109条)。

 このほか,国立大学法人,公立大学法人及び学校法人の財務・経営に関する情報公開に関する規定があり,それらは「第4」の「2」で後述している。
 こうした制度的な枠組みに基づき,各大学で情報の公表が進められている。しかしながら,大学の強みや特色を分かりやすく公表し,外部から適切な評価を受けながら,教育水準の向上を図っていこうとする観点がいまだ十分ではない。認証評価を含めて,各大学の教育の状況が明らかとなるような仕組みを,大学の機能別分化を踏まえて整備していくことが求められる。そこで,現在,以下の方針に基づいて検討を進めている。
 (ア) 教育情報を公表する基本的な考え方を整理すること。
 (イ) 対象となる教育情報の項目を明らかにすること。
 (ウ) これらの教育情報の公表を進める際の留意点を整理すること。

(2) 教育情報を公表する基本的な考え方と公表が望まれる情報

 教育情報を公表する基本的な考え方としては,次の3つが挙げられる。
 第一に,大学は,学生や保護者が,適切に情報を得られるようにするとともに,学校教育法に定める公的な教育機関として社会への説明責任を果たすことが求められる。
 そのための政策手段には,(ア)設置基準等の法令による義務化,又は(イ)法的拘束力のない指針(ガイドライン)の提示及び自主的公開の働きかけ,などが考えられる。(ア)の場合は,教育情報を公表する取組が,大学の最低基準として,認証評価で確認され,また,(イ)の場合には,各認証評価機関が大学を評価する際の参考に供されることが期待される。
 こうした考え方により,公表の対象とする情報として,以下の項目を挙げることができる。

公的な教育機関として,学生,保護者,社会に公表が求められる情報(例)

  1. 教育研究上の基本的な組織に関する情報(例:学部,学科,課程等の名称,それぞれの収容定員)
  2. 教員に関する情報(例:教員数)
  3. 教育課程に関する情報(例:授業科目の名称)
  4. 卒業の要件等に関する情報(例:修業年限及び修了に必要な修得単位数)
  5. 学生に関する情報(例:入学に関する基本的な方針,入学者数,在学者数,卒業者数)
  6. 学生納付金に関する情報(例:学生納付金の種類と金額,納入時期,減免の有無とその要件)
  7. 学習環境に関する情報(例:所在地,交通手段,キャンパス概要,運動施設の状況,課外活動の状況)
  8. 学生支援と奨学金に関する情報(例:学内の学生支援組織,利用できる奨学金の概要)

 上記のような基本的な組織等に関する情報のほか,教育情報の積極的な公表を通じて,教育力の向上を図ることが重要である。学生がどのようなカリキュラムを通じて,どのような知識・技能を身に付けることができるかなど,実質的な教育情報を分かりやすく公表し,大学の特色ある教育活動を積極的に発信することが求められる。
 そのための政策手段としては,(ア)設置基準等の法令による義務化,又は(イ)法的拘束力のない指針(ガイドライン)の提示及び自主的公開の働きかけ,などが考えられる。また,各種の奨励的補助金等の申請要件とすることで情報の公表を推進するという手法も想定される。(ア)の場合には,教育情報を公表する取組が,大学の最低基準として,認証評価で確認され,また,(イ)の場合には,各認証評価機関が大学を評価する際の参考に供されることが期待される。
 そうした考え方により,公表の対象とする情報として,以下の項目を挙げることができる(既に大学設置基準に規定されているものを含む。)。

教育力の向上の観点から公表が求められる情報(例)

  1. 学部・学科・課程,研究科・専攻ごとの教育研究上の目的
  2. 教育課程を通じて修得が期待される知識・技能の体系
    ・どのようなカリキュラムに基づいて,どのような知識・技能を身に付けることができるのか
  3. 学修の成果に係る評価や学位授与の方針
  4. 教育研究水準の向上のための取組
    ・各種評価の結果を踏まえた教育改善
    ・特色ある教育研究活動の状況
    ・教職員の職能開発の状況

 第三に,国際的にも見劣りしない教育研究への取組を示すことを通じて,大学教育の国際競争力の向上を図ることである。
 その場合の具体的な対応は,各大学の戦略にゆだねるべきであるが,例えば,大学院博士課程の教育に重点を置く大学や,国際的な教育研究活動,学生交流に特色を発揮する大学にあっては,海外からの学生を受け入れ,また,我が国の学生を海外に送り出すに当たり,大学でどのような知識・技能を身に付けることができるのかなど,学位プログラムに関する情報や,学生支援に関する情報等を積極的に公表することが求められる。これは,外国の大学と組織的・継続的な教育連携を加速するためにも不可欠の課題である。
 これらに関連して,「国際的な大学評価活動に関するWG」と「大学グローバル化検討WG」の検討状況を「第3」で後述している。

(3) 教育情報の公表を進める際の留意点

 教育情報の公表を進めるための留意事項として,以下の3つを挙げることができる。
 第一に,法令により実施が義務づけられている情報(例:自己点検・評価の結果等)は,すべての大学が確実に公表しなければならない。
 第二に,これまでの大学審議会や中央教育審議会の答申,また,それを踏まえた大学設置基準の改正を通じて,各大学では,授業科目名やシラバスを学内に明示することが定着しつつある。しかしながら,現段階では,同一大学内でも,異なる学部や,異なる分野の間で,その取扱い方針が統一されていないことが少なくない。シラバス等の教育情報の公表を進めるに当たり,こうした組織間の差異を克服し,計画的な履修方針に基づいた授業科目名や,その体系(いわゆるナンバリング)を,大学としての統一方針に基づいて構築していくことが求められる。
 第三に,教育情報を,各大学が同じような形式で,ホームページに公表できるような仕組みの開発や,海外の事例を踏まえたデータベースの構築等,学生や保護者に分かりやすい情報が提供されるよう検討を進める。

(関連)専門的人材養成の在り方に関するワーキンググループの検討状況

(1) 専門的人材養成の在り方の検討

 「専門的人材養成の在り方に関するWG」は,医療系分野,獣医学,法曹,工学,IT,知的財産等に関し,分野を横断した人材養成や質保証について検討した。
 その対象は,医学,歯学,薬学,看護学,獣医学,法曹,工学,IT,知的財産の9つの分野である。それらを,教育課程が国家資格に直接につながっている「職業資格につながる分野」と,必ずしも直接につながらない「職業資格に必ずしもつながらない分野」に分けて検討し,分野を横断して参考となる意見を整理した。
 今後,各分野の質保証を検討する際に,こうした意見を参考にする。

(2) 検討の概要

 上記のWGにおける検討の概要は,次のとおりである。

1.専門的人材養成システムの在り方

  • 産業界や卒業後の人材需要等を踏まえた人材養成システムを構築するため,幅広い関係者による連携協力体制を構築。
  • 職業資格につながる分野では,一貫した人材養成体制の構築や適正な養成規模の確保等のために,省庁間で密接に連携協力。
  • 文部科学省は,専門分野別の人材養成に係る一層の質保証を図るために,専門分野別の人材養成の在り方に関する検討会等を活用し,引き続き専門教育を振興。

2.専門的人材養成の質保証の在り方

  • 専門的人材の質を保証するため,産業界や職能団体等との連携協力により,共通的な到達目標(モデル・コア・カリキュラム)の策定,達成度を評価する共通試験等を構築。その際,資格試験との整合性や卒業後の研修等の継続教育への円滑な移行を十分考慮。
  • 産業界等が求める資質や能力の向上を図るために,産学連携協力によるインターンシップなど実体験に基づく教育や,教員のインターンシップを行う。
  • 専門分野における教育の質を保証するため,分野別の第三者評価は必要かつ効果的。ただし,分野別の評価では,日本技術者教育認定機構(JABEE)の技術者教育プログラムの認定のように,教育課程を特定できることが重要。

(3) 今後の課題

 これまでの検討を踏まえ,今後の検討課題として,2つを挙げることができる。

1.職業資格につながる分野における入学定員の取扱い

  • 職業資格につながる分野では,社会的な人材需要の動向にとりわけ留意する必要があり,そのことを踏まえて,適切な入学定員及びこれに対する教育行政の関与の在り方を検討する。
  • また,教育の在り方や適切な入学定員の在り方が,従来,職業資格とのつながりからのみ論じられてきた分野にあって,近年の科学技術の進展や社会全体の変革の中で,イノベーションを支える新たな役割が見いだされてきているようなものについては,そのような新たな観点からの検討も併せて行う。

2.職業資格につながる分野に固有の質保証システムの推進

  • 大学制度全体を通じた公的な質保証システム(設置基準,設置認可及び認証評価の3つの要素)に加え,職業資格につながる分野を対象に,モデル・コア・カリキュラムの作成,学修成果の測定,分野別評価等の仕組みを整備,充実する。

お問合せ先

高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)

-- 登録:平成22年05月 --