ポスト「21世紀COEプログラム」関連記述

新時代の大学院教育-国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて-(答申)(平成17年9月5日中央教育審議会)

 本審議会答申「我が国の高等教育の将来像」においても、大学の機能別分化の一つとして「世界的研究・教育拠点」が挙げられており、このような大学全体の構造改革の方向性の中で、「21世紀COEプログラム」の評価・検証を踏まえ、その質的な向上を図るべく、今後の在り方を検討するものとして、ポスト「21世紀COEプログラム」を検討し、より充実・発展した形で具体化していく必要がある。その際、今後、我が国が、大学のみならず国全体の国際競争力を強化し、持続的に発展していく観点から、国公私立大学を通じた競争的環境の下で、国際的にも魅力ある世界的な教育研究拠点(人材養成の場)の形成を重点的に図る、との最も基本的な考え方は堅持していくことが適当である。具体的には、1.大学における優れた研究者養成機能の活性化2.独創的・先端的な基礎研究水準の向上3.我が国の知的・文化的価値の創造・充実に資するため、プログラム終了後の将来的な発展も見据えてその研究基盤の重層化、豊富化を図ることを目的とすることが適当である。このため、その対象を特定の学問分野、研究領域等に偏った重点支援の方法ではなく、基礎研究の場の多様性の確保、学際・融合・新領域の創成の観点から、すべての学問分野を範囲として、世界最高水準の卓越した教育研究の実施が期待される拠点への重点的支援を実施すべきである。
 また、国際的な場でリーダーシップを発揮できるなど世界水準の人材養成を行う教育研究拠点の形成を進めるに当たっては、大学院の組織編制を柔軟に行い、学内・学外との連携を強化して、国内外の優秀な研究者、学生が協同で教育研究を進められる体制の整備が求められる。そのための様々な工夫・試みも必要であり、施設・設備の共同利用の促進などを含めた教育研究機能の充実を図っていくことを通じて、国外のトップレベルの研究者や第一線で活躍している研究者にとっても魅力ある大学院を形成していくことが重要である。
 なお、このような拠点への重点的支援を行うに当たっては、国は、大学の教育研究活動に係る直接的な支援のみならず、これら世界最高水準の拠点に対する施設・設備の整備や拠点形成の国際化への対応、学生への経済的支援の実施などの関連施策を併せて充実していくことも重要である。

研究の多様性を支える学術政策(報告)(平成17年10月13日科学技術・学術審議会学術分科会)

 国は、ポスト「21世紀COEプログラム」について、国際的にも真に評価される拠点の確立、大学院教育の実質化の推進等の観点も踏まえ、より充実・発展した支援方策の検討が必要である。

「科学技術に関する基本政策について」に対する答申(平成17年12月27日総合科学技術会議)

 現在、国公私立大学を通じた大学の構造改革の一環として、21世紀COEプログラムが展開されているが、この評価・検証を踏まえた上で重点化を図り、より充実・発展した形で更なる展開を図っていくことが適当である。その際、大学の本来的使命としての優れた研究者育成機能の活性化や基礎研究水準の向上等の視点を確保することが重要であり、特定の研究領域等に偏するのではなく、基礎研究の多様性の確保や新興領域の創生等の観点から、幅広い学問分野を範囲とするとの基本的な考え方は維持することが適当である。

平成18年度概算要求における科学技術関係施策の優先順位付けについて(平成17年10月18日総合科学技術会議)

留意事項

  • 分野によっては、5年という期間の中で世界的な拠点形成を行うことは容易ではない。プログラム終了後の継続的な取組を促すためにもポストCOEの検討が急務である。併せてプログラム実施時期に入学した学年進行の学生に対する支援を何らかの形で継続する必要がある。
  • 世界的な研究教育拠点と呼べるものはそう多くはない。ポストCOEの検討に当たって、世界的な研究教育拠点を真に目指すのであれば、現在の研究教育拠点の中から絞り込むという方法ではなく、これまでの審査方法、基準を見直すことなども考慮されたい。
  • 本プログラムの研究教育拠点における研究成果や若手研究者養成に関するアウトプット・アウトカムをどのように把握し、評価するかの検討が望まれる。

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

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