今後の知識基盤社会において、大学院が担うべき人材養成機能を次の四つに整理し、人材養成機能ごとに必要とされる教育を実施することが必要である。
大学院は、法制上、研究者養成と高度専門職業人養成の二つの養成機能を中心にその役割を担っているが、今後の知識基盤社会における人材養成の重要性や現在の大学院教育との関係を踏まえると、今後の大学院が担うべき人材養成機能は、1.創造性豊かな優れた研究・開発能力を持つ研究者等の養成、2.高度な専門的知識・能力を持つ高度専門職業人の養成、3.確かな教育能力と研究能力を兼ね備えた大学教員の養成、4.知識基盤社会を多様に支える高度で知的な素養のある人材の養成の四つに整理される。
今後の大学院に求められる人材養成機能ごとに必要な教育については、おおむね以下の通りと考えられる。各大学院における教育理念、各課程の目的等により、これら一つ又は複数の機能の発揮に必要とされる教育を実施していくことが求められる。
高度な学術研究を基盤とした教育を展開するとともに、狭い範囲の研究領域のみならず、幅広く高度な知識・能力が身に付く体系的な教育課程が求められる。
例えば、
などが重要となる。
理論的知識や能力を基礎として、実務にそれらを応用する能力が身に付く体系的な教育課程が求められる。
例えば、
などが重要となる。
研究者等の養成の場合と同様の要素に加え、これまで脆(ぜい)弱であった教育を担う者としての自覚や意識の涵養と学生に対する教育方法等の在り方を学ぶ教育を提供することが求められる。このため、例えば、ティーチングアシスタント(TA)等の活動を通じて、授業の実施方法や教材等の作成に関する教育などを実施することが考えられる。
多様に発展する社会の様々な分野で活躍する高度で知的な素養のある人材層を確保する観点から、高度な知識・能力を養える体系的な教育課程が求められる。
例えば、
などが重要となる。
高等教育局高等教育企画課高等教育政策室
-- 登録:平成21年以前 --