我が国の高等教育の将来像<中央教育審議会 答申の概要>
平成17年1月28日
1:高等教育の量的変化の動向
- 平成19(2007)年には大学・短大の収容力(=入学者数わる志願者数)が100パーセントに(従来の試算より2年前倒し)。 → 量的側面での需要はほぼ充足。

2:高等教育の多様な機能と個性・特色の明確化
- 新時代の高等教育は,学校種ごとの役割・機能を踏まえた教育研究の展開と相互の接続や連携の促進を図るとともに,各学校ごとの個性・特色を一層明確化する方向。
- 各大学は,自らの選択により,緩やかに機能別に分化。
1.世界的研究・教育拠点,2.高度専門職業人養成,3.幅広い職業人養成,4.総合的教養教育,5.特定の専門的分野(芸術,体育等)の教育・研究,6.地域の生涯学習機会の拠点,7.社会貢献機能(地域貢献,産学官連携,国際交流等)等
3:高等教育の質の保証
- 学習者の保護や国際的通用性の保持のため,高等教育の質の保証が重要。
(設置認可の的確な運用,認証機関による第三者評価システム及び自己点検・評価の充実)
4:高等教育機関の在り方
各高等教育機関の教育・研究の質の向上
- 【大学】…教養教育や専門教育等の在り方を総合的に見直して再構築。教員組織の在り方について見直しを行う必要。
- 【大学院】…課程制大学院制度の趣旨を踏まえた大学院教育の実質化。
- 【短期大学】…課程の修了を学位取得に結び付けるよう制度改正。
- 【高等専門学校】…単位計算方法の改善。
- 【専門学校】…一定の要件を満たす専門学校の卒業者への大学院入学資格の付与。
- 国公私立大学それぞれの特色ある発展と高等教育全体の活性化が重要。
5:高等教育の発展を目指した支援の在り方
- 高等教育への公的支出を欧米諸国並みに近づけていくよう,最大限の努力が必要。
- 各高等教育機関の多様な機能に応じた多元的できめ細やかなファンディング・システムの構築が必要。