視点6 大学院教育と学部教育、大学以外の専門教育との関係

  • 大学院教育の実質化を図るにあたっては、我が国の生涯学習社会への移行が一層進展している中で、例えば、専門教育における学部段階の教育(学士課程)との関係や、大学以外の専門教育との関係にも留意することが必要である。
  • また、大学院教育は、学部を卒業した者と同等以上の学力がある多様な学修歴をもつ学生を各大学の判断で幅広く受入れていくことも必要である。

大学院における教育と学士課程の教育

  • 大学院教育は、学士課程の教養教育に十分な裏打ちをもつ専門的素養の上に立ち、専門性の一層の向上を図るための、深い知的学識を涵養する教育を基本として考えていくことが重要である。
     このため、大学教育という全体の視点に立って、大学院教育との関係について言えば、学士課程の教育は、自学自習による教養教育を重視した教育、及び専攻分野以外の分野の授業科目を体系的に履修させるダブルメジャーなどにより、幅広い専門的素養のある人材養成のための教育などを基本として、高等教育としての確かな基礎的能力や生涯学習の基礎等の涵養を培うことが期待される。
  • また、学生の流動性を促進し、あるいは学際的な分野の専攻などにおいて、学士課程の多様な学修歴をもつ学生を受入れることを促進する観点から、必要に応じて修士課程の段階において、入学後に補完的な専門教育を行うことも必要である。
  • なお、大学院教育と学部教育の関係については、学問分野毎によってもその事情は異なることから、例えば、学士・修士課程を通じた一貫した教育プログラムの導入の是非なども含め、今後の学問分野別の審議検討を踏まえて、より一層の具体化を図ることが必要である。

大学院における教育と大学以外の専門教育

  • 専門職大学院制度の創設により、大学院教育と大学以外の専門教育(特に、専門学校(専修学校の専門課程))との関係が曖昧になっているとの指摘がある。
  • 専門学校は、実際的な知識・技術等を習得するための実践的な職業教育・専門技術教育機関としての性格の明確化が期待される一方で、専門職学位課程における教育は、専門学校とは異なり、大学の学士課程の教養教育等を基礎として、特に「理論と実務の架橋」を重視し、深い知的学識に裏打ちされた高度の専門性が求められる特定の職業を担うための知識・能力を養うものである。
  • 関係者は、この目的・役割の違いに十分留意しつつ、それぞれの特色を活かし、共に産業社会が求める人材を養成する機関として一層、発展していくことが期待される。

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