資料3‐4 学士課程において最低限求められる共通の要素等について

 学士課程において最低限求められる共通の要素について<これまで答申等で指摘されている事項>

1.学士課程の在り方

  • 今後の学部教育の中心は、教養教育と専門基礎教育

【「新しい時代における教養教育の在り方について」中央教育審議会答申平成14年2月21日】

2.教養教育の内容

1.知識・技能

  • 社会生活を送る上で身に付けておくべき基本的な知識と技能
     例えば、文章作成、討論・プレゼンテーションの訓練、情報活用能力の育成、数量的・科学的思考法 など

【「21世紀の大学像と今後の改革方策について」大学審議会答申平成10年10月26日】

  • 外国語によるコミュニケーション能力
  • 情報リテラシー、科学リテラシー

【「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」大学審議会答申平成12年11月22日】

  • 専門の枠を超えて共通に求められる知識や思考法などの知的な技法

【「新しい時代における教養教育の在り方について」】

2.人間的素養

  • 複合的視点や豊かな人間性

【「21世紀の大学像と今後の改革方策について」】

  • 高い倫理性と責任感を持って判断し行動できる能力

【「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」】

  • 新しい分野で世界をリードし、社会の発展に寄与していく高い志と識見

【「教育改革国民会議報告」教育改革国民会議平成12年12月22日】

  • 人間としての在り方や生き方に関する深い洞察

【「新しい時代における教養教育の在り方について」】

3.理解力・思考力

  • 多面的理解、総合的洞察力、現代社会の諸問題を総合的に判断し対処する能力

【「21世紀の大学像と今後の改革方策について」】

  • 自らの文化と世界の多様な文化に対する理解

【「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」】

  • 幅広い知識と理解力及び自ら考える力

【「教育改革国民会議」】

  • 現実を正しく理解する力

【「新しい時代における教養教育の在り方について」】

 学士課程において最低限求められる共通の要素をどのように整理するか。

 学士課程、大学院の教育機能の強化について<これまで答申等で指摘されている事項>

《●:学士課程、○:大学院》

1.カリキュラム改革や指導方法等の改善

  • ● 複数の学部・学科の専門科目を同時に履修できるようなカリキュラム上の工夫

【「21世紀の大学像と今後の改革方策について」】

  • ● 学部や学科の枠を越えた横断的な教育課程の編成

【「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」】

  • ● 課題探求型学習の推進

【「21世紀の大学像と今後の改革方策について」】

  • ● 社会活動への積極的な参加を促すような学習システム 

【「教育改革国民会議報告」】

  • ● 学生に対するきめ細やかな指導の充実

【「新しい時代における教養教育の在り方について」】

  • ○ 課程の目的・役割の明確化(研究者養成、高度専門職業人養成など)

【「21世紀の大学像と今後の改革方策について」】

  • ○ 課程の目的に沿ったカリキュラムの体系化
  • ○ 副専攻制など教育研究方法を多様にすることなどによる、広い視野を持つ人材の養成

【以上「大学院の教育研究の質的向上に関する審議のまとめ」大学審議会平成8年10月1日】

2 責任ある実施体制

  • ● 教養教育について実施・運営の責任をもつ組織の整備及び明確化

【「21世紀の大学像と今後の改革方策について」】

  • ● 大学間の連携協力の促進

【「新しい時代における教養教育の在り方について」】

  • ○大学院の制度上の位置づけの明確化

【「21世紀の大学像と今後の改革方策について」】

3 その他

  • ● 学生の募集単位を大くくりにし、学生の進路選択の幅を拡大

【「グローバル化時代に求められる高等教育の在り方について」】

 これまでも、学士課程、大学院を通じて教育の充実が提言され、様々な取組がなされているが、依然として厳しい指摘があるのはなぜか。また、それに対応するためにはどのような方策が必要か。

大学における教育の改善に関する主な取組について

カリキュラム改革等

  具体例 実施状況(13年度)
カリキュラム上の工夫
科目区分の見直し、必修・選択の見直し、くさび形教育課程の編成、コース制の導入 等
科目区分見直し:475校
必修・選択見直し:365校
くさび形教育課程の編成:329校
教養教育の充実
  • 情報活用能力の育成のための科目、学際的 ・総合的内容の科目、心身の健康に関する 科目等の開設
  • 専門以外の分野の学習をさせるための配慮 等
<科目開設状況>
情報活用能力育成:579校
学際・総合的:538校
心身の健康:551校
国際化への対応

<外国語教育の改善>
会話中心、速読中心等の目的別クラス編制、 能力別クラス編制、L.L.ビデオの活用、ネイティブスピーカーの活用等
<外国語による授業実施>
すべての授業を外国語で実施する 等

目的別クラス編制:452校
能力別クラス編制:347校
L.L.ビデオ活用:592校

外国語による授業実施:256校
情報化への対応
情報処理教育やマルチメディアを活用した遠隔授業 等 情報処理教育の必修化:521校
高等学校での履修状況への配慮 補習授業や既習・未習組に分けた授業の実施 等 補習授業の実施:171校
既習・未習別の授業実施:89校
その他
ボランティア活動を取り入れた授業科目や起業家育成のための授業科目の開設 等
ボランティア活動を取入れた科目の開設:192校

授業の質を高めるための具体的取組

ファカルティ・ディベロップメント(FD) 新任教員研修会の実施、教員間の授業参観の実施、センター等の設置 等 FDを実施する大学:409校
シラバスの作成

授業科目、講義目的、毎回の授業内容、成績評価方法、参考文献等履修する上での必要な要件等を示している シラバスの作成:659校

学生による授業評価 授業のわかりやすさ、話し方、黒板等の使い方などについて学生が評価する 学生による授業評価の実施:513校
単位の上限設定
単位の過剰登録を防ぐため、1年間に登録できる単位の上限を定める 単位登録の上限設定:335校
厳格な成績評価の実施 GPA(※1)の取組 等
GPAの導入:学部69校、大学院3校、
少人数教育
実験・実習、ゼミ、卒論指導などでの少人数教育 実験・実習での少人数教育:337校(※2)
ティーチングアシスタント(TA)の活用 手当てを支給された大学院生が学部学生等に対するチュータリング(助言)や実験、実習、演習等の教育補助業務などを行う
60,044人(平成12年度)がTAとして活用されている
  • ※1 GPA: 授業科目ごとの成績を5段階で評価した上、それぞれにグレードポイントを付与して、単位当たりの平均を出し、その一定水準を卒業の要件とする
  • ※2  ここでは、1クラスの学生数を20人以下としている大学数

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)

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