(2)多様な教育,研究に対するニーズに応じた海外留学の支援

海外留学に関する情報提供の充実

 我が国の国際競争力の強化やグローバル化した社会で活躍できる人材を育成する観点から,日本人学生の海外留学を推進していく必要がある。そのため,日本人学生が留学目的に合った留学が行えるよう,日本学生支援機構を中心として,海外大学等の留学情報の収集・提供機能を強化するとともに,留学相談の充実を図る必要がある。

海外留学の支援

 社会のグローバル化に対応するためには,より多くの日本人が海外留学を特別のこととしてではなく,短期留学も含め海外留学の機会を持つことが重要であり,国としての支援を充実する必要がある。その際,貸与制の奨学金の活用により,海外留学を希望する日本人学生のニーズにより適切にこたえていく必要がある。
 また,国際的にも指導的立場で活躍できる日本人を育成することも重要な課題である。現在の国の支援による日本人学生の海外留学制度の充実を図り,世界の最先端の教育研究活動を行っている海外の大学等において博士等の学位の取得が可能な長期留学制度を設ける必要がある。

短期留学の推進

 短期留学は,より容易に,諸外国との間の相互交流や国際理解,国際協調を促進することを可能とするものであり,一層の推進が求められる。
 大学等において,短期留学生受入れのための日本語能力を要しない教育プログラムの充実や交換留学生のための単位の相互認定,授業料の相互免除等を基本とした大学間や複数大学の連合体(コンソーシアム)間の交流協定の締結とその積極的運用などを図ることが必要である。その際,アジア太平洋大学交流機構(UMAP)が開発したUMAP単位互換方式(UCTS)の活用が有効であり,UMAPの活動,UCTSに対する大学等の理解増進や普及を図る必要がある。
 短期留学の推進に当たっては,日本人学生の派遣に対する支援を充実するとともに,アジア等への派遣,欧米等からの受入れを推進するなど,交流の地域の均衡に留意していく必要がある。

外国政府との協力体制の強化

 我が国では,これまで世界50か国との間で38の文化協定や経済連携協定等を締結している。これらの協定では,学生交流の奨励に関する規定が盛り込まれるとともに,相手国政府との間で合同委員会が設けられている場合がある。このような政府間協議等の機会をとらえ,我が国の留学施策の情報を積極的に発信しつつ,相手国政府との留学生交流にかかわる協力体制の強化に努める必要がある。

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)

-- 登録:平成21年以前 --