平成20年度の科学技術に関する予算等の資源配分の方針-科学技術によるイノベーション創出の推進に向けて-(平成19年6月14日 総合科学技術会議)-高等教育関係抜粋-
2.平成20年度において優先すべき先駆的な取組
(1)次世代を担う人材への投資
科学技術によるイノベーション創出を力強く推進するため、平成20年度予算において優先すべき重点課題を以下に示す。関係府省は、第3期科学技術基本計画を着実に実行する観点から総合的に検討を進め、関連する施策を積極的に具体化し、概算要求に反映すべく取り組む。
- 若手、女性及び外国人研究者の活躍促進のための取組を充実・強化。特に将来のイノベーションの中核を担う若手研究者や新分野開拓等の挑戦的な研究に向けた競争的資金の重点的拡充。
- 第3期科学技術基本計画における博士課程在学者の支援目標の早期実現に向け、多様な支援制度の充実・積極的活用の推進。また、博士課程在学者の留学支援の更なる充実等、若者の海外交流の推進。
- イノベーション推進の基盤を支える理数系人材の強化のため、高度で先進的な理数学習及び理数教育の充実。
(略)
(3)環境・エネルギー等日本の科学技術力を活かした科学技術外交
- 我が国の科学技術力を最大限に活用し、世界の諸課題に積極的に取り組むことで、我が国のソフトパワーを高め、研究協力や技術協力を外交と連携させ、科学技術外交を推進。以下の取組について、重点的な資源配分を実施。
- -アジアに加え、アフリカも対象とした開発途上国との科学技術協力を強化するため、現地の高等教育・研究機関の整備の支援や研究者の派遣を充実
- -アジア等の環境問題に係わる若者を招聘し、大学における学位の取得や研究現場等の実体験を含む、世界の環境リーダーの育成を充実・強化
(略)
3.継続して重点的に推進すべき取組
2.に示した新たな観点での取組と併せ、第3期科学技術基本計画の着実な実行に向けて、特に、研究の高度化とそれを支える研究システムの改革を進めるために、以下の継続的な取組を優先的に推進する必要がある。
- 人材育成と多様な研究の拠点として、基盤的資金を確実に措置しつつ、施設環境を含め、世界に開かれた国際競争力のある大学づくりの推進。
- 競争的環境を醸成することで研究の質を一層向上させるとともに、研究者の流動性を更に高めるため、多様な基礎研究等への競争的資金を拡充しつつ、人件費を支給できる研究者の対象の拡大、間接経費30パーセントの早期実現。
- 政策課題対応型研究開発については、分野別推進戦略に基づき、戦略重点科学技術への一層の重点化の推進。
- 我が国の国際競争力を一層強化するため、世界トップレベルの研究拠点づくりの着実な推進、国際的な知的財産戦略の強化及び国際標準化の推進。
4.総合科学技術会議における取組の強化
1.資源配分方針に基づく科学技術政策の推進のための取組の強化
(略)
- 科学技術振興の主要な担い手である独立行政法人、国立大学法人等の科学技術関係活動の把握・所見とりまとめについては、調査結果のより効果的な活用を念頭において、継続的かつ効率的に実施。
(略)