中央教育審議会大学分科会(第192回)議事録

1.日時

令和8年9月9日(水曜日)13時00分~15時00分

2.場所

ハイブリッド(対面・Web)開催 ※傍聴はWebのみ

3.出席者

委員

(分科会長)吉岡 知哉分科会長
(副分科会長)和田 隆志副分科会長
(委員)安孫子 尋美、伊藤 公平、田中 マキ子、冨永 悌二、廣津留 すみれ、古沢 由紀子、森 朋子、両角 亜希子の各委員
(臨時委員)上田 悦子、大野 博之、大森 昭生、小野 悠、加藤 映子、北畑 隆生、栗本 博行、志賀 啓一、杉村 美紀、髙宮 いづみ、中村 和彦、濱中 淳子、益戸 正樹、吉見 俊哉の各委員

文部科学省

(事務局)合田高等教育局長、森友私学部長、伊藤大臣官房審議官、大土井大臣官房審議官、春山高等教育企画課長、石橋大学振興課長、松本専門教育課長、寺坂高等教育政策室長、中村大学設置・評価室長、大根田初等中等教育局教育職員政策課教員免許・研修企画室長、岸良初等中等教育局教育職員政策課課長補佐、平尾高等教育企画課課長補佐ほか

4.議事録

<認証評価機関の認証について>
現在、認証評価機関の認証に関する審査委員会に付託されている審査案件について、事務局より報告があった。
また、中央教育審議会大学分科会運営規則に基づき、この時点から会議が公開された。

【吉岡分科会長】本日は,初めに,高等専門学校の教育課程等特例認定に係る運営委員会の設置,高等専門学校の機能強化の方向性,多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について御議論いただきます。その後,高等教育局の令和9年度概算要求について,御説明いただきます。
本日も限られた時間の中で多くの委員に御意見をいただきたいと考えておりますので,端的に御発言いただくように御配慮いただけますと幸いです。
議事に先立ち,このたび事務局の人事異動がございましたので,事務局から御報告をお願いいたします。
【平尾高等教育企画課課長補佐】御紹介させていただきます。
8月6日付で,伊藤大臣官房審議官が着任しております。
【伊藤大臣官房審議官】よろしくお願いします。
【平尾高等教育企画課課長補佐】同じく8月6日付で大土井大臣官房審議官が着任しております。
【大土井大臣官房審議官】大井です。どうぞよろしくお願いいたします。
【平尾高等教育企画課課長補佐】7月31日付で春山高等教育企画課長が着任しております。
【春山高等教育企画課長】春山です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【平尾高等教育企画課課長補佐】同じく31日付で中村大学設置・評価室長が着任しております。
以上でございます。
【吉岡分科会長】どうぞよろしくお願いいたします。
それでは,(2)第13期大学分科会における部会等の設置についてです。教育課程等特例制度に関する審査を行う会議体として,現在,教育課程等特例制度等運営委員会を設置しているところですが,高等専門学校の認定に係る審査を行う会議体を新規で設置するというものです。
最初に事務局より説明をお願いいたします。
【松本専門教育課長】専門教育課長の松本でございます。
資料は参考資料2を御覧いただければと思います。高等専門学校の教育課程等特例制度の概要といたしましては,一定の要件を満たす高専が先導的な取組を行うため,学科等の教育活動を単位として申請計画書等を文部科学大臣へ提出し,有識者会議等において要件の適合性を確認した上で所定の認定基準に適合すると認められた場合,文部科学大臣が当該高専を認定することにより,教育課程等の特例が適用され,当該高専の学科等において,当該申請計画書で記載される高専設置基準の規定によらない当該申請計画書に基づく教育活動を可能とするという制度でございます。
こちらの申請見込みがございまして,現在その審査のために,本分科会の下に,6ポツのとおり,教育課程等特例制度認定を受けようとする高等専門学校の認定に係る審査を行うために,大学の運営委員会とは別に,6ポツの教育課程等特例制度(高等専門学校)の運営委員会を置くこととしたいというものでございます。
以上でございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございました。今の説明について何か御質問ある方は,御発言をお願いいたします。
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは,部会の設置についてお諮りしたいと考えます。本分科会の下に,資料1のとおり,教育課程等特例制度(高等専門学校)運営委員会を設置するとともに,既存の運営委員会の名称を教育課程等特例制度等(大学)運営委員会へ変更したいと思いますけれども,よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【吉岡分科会長】ありがとうございました。それでは,資料1のとおり,部会を追加で設置し,申請があった場合は具体的な審査等を進めていただくことにいたしたいと思います。
続きまして,(3)高等専門学校の機能強化の方向性についてです。前回の大学分科会にて御議論いただいた議題の続きということになります。こちらも事務局より御説明いただいた後に,質疑応答,意見交換の時間を取りたいと思います。
質疑応答ですけれども,今日はたしか25人ぐらいの参加者がいらっしゃいますので,一対一で御質問に事務局が答えていると時間を取ってしまいますので,最終的にまとめてお答えいただくということにしたいということと,それから質問の内容があまりかぶるようでしたら,質問の際に省くといいますか省略して簡潔に御意見をいただければと思います。
それでは,事務局から説明をお願いいたします。
【松本専門教育課長】高等専門学校の機能強化に関しては,前回も御議論いただきました。また,高等専門学校の機能強化に関する検討会を省内に設けて議論を進めているところでございます。こちらの検討会のほうの議論については先日中間整理がなされましたので,そちらの御紹介をさせていただいた上で御議論をいただければと考えております。
まず,資料2を御覧ください。高等専門学校の機能強化に関する検討会では,8月28日に中間整理を公表しております。今回の中間整理は,高専の機能強化に向けた基本的な考え方を整理したものでございます。
高専を取り巻く状況として,人口減少,少子化,デジタル技術や生成AIの発展による成長分野での人材需要の拡大等を背景に,高専への期待が極めて高くなっており,また,一層の機能強化が必要となっているというところです。このため,高専の現状と課題を整理し,次のページにございます機能強化に向けた考え方を,量的拡大,質的向上,国際通用性の確保の柱に沿って整理をしております。この3つの柱を一体的に進めることで,社会や産業界のニーズに応える人材育成を進めていくことが議論になっております。
資料2の2ページ目を御覧ください。高専の量的拡大についてです。まず,柱の丸1-1が公私立高専の新設の促進です。成長分野や地域課題に対応するため,公私立高専の新設を支援する必要があるとされています。これを踏まえて,後ほど御紹介がありますけれども,令和9年度概算要求においては,成長分野転換基金について積み増しの要求を行っております。
丸1-2を御覧ください。高専教育の領域の拡大について,養成すべき人材像や産業・地域ニーズを踏まえて,高専が担う役割を明確化した上で,農業やコンテンツなど新たな分野に係る設置基準について検討する必要があるとされております。
丸1-3といたしまして,学生の多様性確保として,学力のみならず,適性や資質,興味・関心などを含めた多面的な評価による入学者を選抜,安心して学び続けられる環境整備を推進していく必要性が示されたところです。
丸1-4といたしまして,高専志願者増に向けた取組ということで,高専が広く選ばれる教育機関となるために,高専教育の特色や強みを分かりやすく発信して,高専全体のブランド力向上を図ることの重要性が議論されております。
柱の丸2が高専教育の質的向上についてです。国立高等専門学校機構運営費交付金等の抜本的な拡充ということで,物価や人件費が高騰する中で高専の機能強化を進めるためには,運営費交付金の抜本的な拡充とともに,施設・設備の老朽化対策や防災機能の強化を進めることが必要とされたところです。これを踏まえて令和9年度概算要求においては,国立高専機構運営費交付金等の増額要求を行っているところです。
丸2-2は,高専の設置目的の見直しです。高専では教育と研究が一体となって発展しておりまして,研究活動は教育の質向上や地域産業界への貢献を支える重要な基盤となっております。研究機能のさらなる高度化や国際的な認知度向上の必要性を踏まえて,設置目的への研究の位置づけについて,法制的な観点も含めて検討を進めることが必要とされたところです。
丸2-3は,高専教員の確実な確保についてです。教員需要の増大や教員の高齢化に伴う将来的な人材不足が懸念されています。実務家教員の確保を含む優秀な人材の確保のため,実務経験や専門分野における業績等を有する者の位置づけがより明らかとなるよう,高専教員の資格の明確化等の検討が必要ではないかとの御指摘を受けております。加えて,教員養成に関して,高専と技術科学大等との連携等をさらに発展させるための支援が必要とされたところです。
柱の丸3は,高専卒業者の国際通用性確保についてです。丸3-1として,高専卒業者の国際通用性の向上について,高専本科卒業者が社会的・国際的に適切な評価が得られるよう,高専本科卒業者に対する学位授与を可能とする制度の整備について,法制的な観点を含め検討を進めることが必要とされました。また,大学改革支援・学位授与機構(NIAD)を含めた学位授与の主体,既卒者への対応,学位名称の在り方についても国際的な通用性の観点を踏まえて検討が必要とされております。
丸3-2は,高専卒業者の卒業証明等の国際通用性の確保です。既存制度の枠内において実施可能な対応として,我が国の教育資格の情報発信の強化や,デジタル技術を活用した卒業証明書やディプロマ・サプリメント等の分かりやすい情報発信を推進することが必要とされたところです。
丸3-3は高専生の海外留学の促進についてです。海外インターンシップや留学,在籍管理や安全保障貿易管理の徹底等を通じた留学生の受入れ,こういったものの推進による海外との接点を拡大する環境づくりや日本型高専教育システムの展開の必要性が改めて示されたところでございます。
今後の対応といたしましては,引き続き検討会における議論を深めまして,高専を取り巻く環境変化や社会的要請を踏まえながら,さらなる機能強化に向けた方策の検討を進めていくこととしております。
事務局からの御説明は以上でございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。それでは,御質問,御意見のある方から挙手をお願いいたします。先ほどのような御配慮をお願いしたいと思います。
両角委員が今日割と早く退室ということなのですが,両角先生,何かあれば,最初に御発言いただければと思いますが。
【両角委員】大丈夫です。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。
それでは,皆さん御自由に御発言いただければと思います。まず,では,上田委員,お願いいたします。
【上田委員】上田です。御指名いただき,ありがとうございます。
今回お示しいただいた中間整理については,高専の現状と課題を丁寧に整理していただいて,3つの柱に沿って具体的な方向性を示していただいたことに感謝申し上げます。高専の現場にいる者としまして,その実現に大いに期待しております。その上で,2点申し上げたいと思います。
まず,量的拡大に伴う教育の質保証についてです。現在,中学卒業生の約1%が進学する高専なのですけれども,今後,公私立高専の新設等により裾野が広がることは,理工系人材育成の強化や高専教育への理解促進の観点から大変意義のあることと考えております。
一方で,高専への社会的評価や期待は,60年以上にわたり積み重ねてきました教育の質によって支えられているものと思っております。したがって,量的拡大と質保証は必ずセットで議論されるべきであると考えております。国立高専では,教育活動を継続的に点検・改善し,国立高専教育国際標準,KIS,KOSEN International Standardという標準に基づいてその質を保証する仕組みとしております。この国際標準,KISは,国内のみならず,海外の高専教育機関にも展開しております。そのような既存の質保証の仕組みも活用しながら,高専全体の教育水準を維持・向上していくという視点をぜひ最終まとめに位置づけていただきたいと思っております。
次に,高専志願者増への取組についてです。高専は,産業界から高い評価をいただいている一方で,学生数が先ほど申し上げましたように限られていることもありまして,その教育内容や魅力についてはまだ十分に認知されているとは言えません。中間整理にもありますように,高専との接点が少ない層への情報発信や認知度向上は極めて重要であり,高専単独の取組だけではなく,国としても高専教育の意義や将来性について積極的に発信いただきたいと考えております。
また,高専進学をためらう理由として,15歳で専門分野を選択することへの不安があることも現場で実感しております。このため,中間整理で示されているような,入学後の興味・関心の変化や進路変更に柔軟に対応できる仕組みは非常に重要です。さらに,高専生は,15歳から20歳という人格形成上極めて重要な時期を過ごしますので,教員だけでなく,カウンセラーやソーシャルワーカーなどの専門職を充実させ,高専の特徴に応じた学生支援体制を強化することが必要と考えております。これは学生が安心して学び続けられる環境づくりであると同時に,高専教育の質的向上にも直結するものと考えております。
最後に申し添えますと,質保証や学生支援を含め,本中間整理に示された機能強化策を実現するためには,それを支える各校の財政基盤の強化が不可欠です。本日後ほど概算要求についても御説明があるとのことですが,現場では高専関係予算の充実を大変心強く受け止めております。ぜひこの方向性を実効性のあるものとするためにも,必要な予算を着実に確保いただいて高専の機能強化につなげていただきたいと思っております。
以上となります。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。それでは,北畑委員,お願いいたします。
【北畑委員】ありがとうございます。この中間整理について,内容について全く異議がございません。
その上で少し本音の議論,問題提起をしたいと思うのですけれども,高専の評価が高い理由の一つは,保護者の経済的事情があって4年制の大学を目指せないという,それから4年間じゃなくて2年で就職して稼いでもらいたいというのが背景にあって,高専に入っている学生の多くはこういう事情を抱えているのだと思います。そういうときに,高専は,国立高専は当然ですが,今度出来た神山まるごと高専も実質授業料ゼロ。これで同じ5年間を高校、短大のコースを歩んだときに比べて500万円ぐらいは教育費が安くなるというのが大きな理由じゃないかなと思います。
2番目は,5年間一貫教育ということで,大学受験をパスしていると。大学受験に伴う精神的,肉体的,それから経済的負担というのは物すごく大きいので,それがなくて高専で5年間教育を受けられるというのは2番目のメリット。その中の4割の人は,そこから3年生に編入して実は4年制の大卒資格も取れる。大学受験をパススルーできるというところが利点,魅力だと思います。
それから3点目は,産業界の評判が非常に高い。実践的な教育を受けているので産業界の方が,4年制の大学を出た平均的な学生より高専の学生のほうができると評価します。したがって,応募が30倍になるわけであります。4年制の普通の大学が実践的教育をやってないということの反映と,それから短大扱いですから,初任給が安くできる。こういうことで産業界の評判がいい。それが本音というか裏のほうにあると思いますので,この辺をぜひ認識していただいて政策を進めていただきたいと思います。
その上で提案なのですけれども,今の高専がどうしても技術系といいますか機械系その他に偏っていて,お話のあったコンテンツ,それから日本成長戦略における重点17分野の一つのフードテック,スタートアップ,こういった分野は手がけていないので,量的拡大を図る上で教員の確保,どこから採ってくるかという問題があると思います。
一つは,こういう実践的教育をやってきた中に専門学校,専修学校があると思います。ここは高専1万人に対して25万人も学生を受け入れていて,新しい分野をたくさんやっております。優秀な教員も抱えている。経営に余裕のある専門学校経営者に高専を新設申請してもらうというのが近道じゃないかなという気がいたします。
それから,高専の卒業資格の国際的通用性に関して学位の位置づけが変わるということなのですけれども,何らかの形で専門学校も,国際通用性あるいは国内での評価を上げるための資格とか,学位まで行かなくても何か資格を将来的に考えていただきたいなと思っております。
以上でございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。加藤委員,お願いします。
【加藤委員】御説明ありがとうございました。これまで高専は工学技術系の育成ということで大きな成果を上げられてきたと思うのですけれども,この教育モデルを,先ほど北畑委員がちょっとおっしゃったと思うのですけれども,語学とか国際系,ビジネス,観光などの文系,社会科学系にも展開していく可能性についてどのようにお考えでしょうかということと,また,その場合,既存の大学,短期大学との役割分担や連携をどのように考えるべきなのかということを考えております。
 以上です。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。吉見委員,お願いします。
【吉見委員】ありがとうございます。今のお二方の御発言とかなり重なるのですけれども,このように高専の重要性が社会的に広く認知されるようになってきたということは大変重要なことです。どういうことかというと,高専は現在の6・3・3・4制の単線的な教育システムに対して数少ない例外的なものになっているということで,大学入試をバイパスすることができて,16歳から20代前半まで5年間一貫教育をしてみたときにどういうふうな若い子たちが生まれてくるのかということを実験してきたわけです。そうすると,長期的に見たときに,日本が単線的な教育システムからもうちょっと複線的な教育システムへと大きく転換していくときの一つの先行的な実験例になっているのだと思います。そういうことを考えていくと,これは大変大きな問題を内包している非常に興味深い実験であって,4つほどそこで申し上げたいことがあります。
1つ目は,今の御発言にもありましたけれども,60年前に高専が出来たときは,やはり技術系・工学系の専門技術者育成という目的がかなり明確にあったわけですが,この60年間で高専の価値・意味が随分変わってきていると思います。そうすると,必ずしももう理工系だけに限定している理由は何もなくなっているのですね。コンテンツというのがありましたけれども,それ以外にも観光だとか医療だとか防災だとか様々な,やはりある程度マーケットが期待される領域で専門人材を育成していく新しい高等教育の仕組みとして再定義するということが必要になってきているのではないかと思います。
そうすると2番目に,やはり今の高専で欠けているというか,もっと強化したほうがいいのは,一つはリベラルアーツと語学教育です。ですから,高等教育ですから,構成の中にもっとリベラルアーツ的な要素,人文・社会科学的な要素や,それから語学力的な要素が大分向上してきていると思うのですけれども,もっと強化されていっていいのではないかということが2点目です。
第3点目というのは,教員の確保です。国立高専がやはり,それはいいことでもあるのですけれども,地方に割と分散している。ただ,高専の将来的な価値を考えたときには,やはり大都市において私立・公立の高専が非常にもっとユニークな形で出来ていっていいのではないかと私は思います。
最後ですけれども,ブランド力,海外への通用性です。これは実際に高専を出た子たちの優秀層が海外のカレッジとか欧米のユニバーシティーの課程の中にどんどん入っていくというこの出口戦略で,国内にとどまっている必要もないと思うのです。ですから,高専を出て日本の大学に編入学というよりも,むしろ海外の欧米のトップユニバーシティーにどんどん編入学していくという形をもしエリート的なレベルでつくっていけば,これは高等教育に対する価値観がひっくり返りますから,大変この辺のことも御検討いただければと思います。
以上です。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。栗本委員,お願いします。
【栗本委員】ありがとうございます。高専の機能強化に関する中間整理について,先ほど吉見委員が指摘された出口戦略と,資料の表にある柱3の国際通用性の確保を交えてコメントさせていただきます。
仮に準学士という形の学位となった場合に,類似した学位として米国には2年生のコミュニティカレッジが存在します。そこでは準学士に相当するアソシエートディグリーを授与することも知られておりますが,2種類のアソシエートディグリーが存在します。一つは人文・社会科学系のAssociate of Arts Degree,通称AAです。そして自然科学系の場合はAssociate of Science Degreeで,ASと呼ばれます。このAAとASともに,学士課程の最初の2年間に相当するものとして設計されております。
今,国内で300校ほど活動する短期大学は,ほぼ全てが人文・社会学系ですので,その学位は米国のAAに相当します。そして今回,日本国内の高専の本科卒業生が,仮に準学士という学位になるのであれば自然科学系であり,米国のASに相当することになります。先ほど吉見委員がおっしゃいました出口としてのブランディングを行う場合,今後,情報系,農業系,医療系の高専が登場した場合でも同様にASとして整理できます。
こうしたAAもしくはASという既に国際的に認知された学位カテゴリーを最大限活用した情報発信は,高専の教育の価値を分かりやすく表現するという高等教育機関の一つの戦略として,また文部科学省としての学位戦略として御検討されてはいかがでしょうか。
以上です。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。では,古沢委員,お願いします。
【古沢委員】ありがとうございます。私も,高専の機能強化と量的拡大をするということなのですが,社会的ニーズの高い分野の人材を育成するという観点が望ましいとは思います。その上で,やはり18歳人口が減少している中で,各地域でほかの国公私立大学あるいは工業高校なども含めて,すみ分けとか機能の役割分担を地方でも国としても整理はきちんとする必要があるかと思います。
基本的なことになってしまうかもしれないのですが,運営費については,このまとめの中にも設置者と地方財政措置とあるのですが,自治体が新設することが多く想定されると思うのですけれど,今の公立大のような仕組みを今後も想定されているのかということと,あともう一つ,設置認可について,今,大学は学生確保の見通しなどを非常に厳しく問われていると思うのですけれど,同じようなチェックの基準が今後想定されるのかということを,細かいことですが,伺えればと思います。
以上です。
【吉岡分科会長】それでは,伊藤委員,お願いします。
【伊藤委員】個人的な意見として私は高専を高く評価するものでありまして,今回の方針は良いと思っているのですが,もう少し考えてみると,そもそも例えば4年制の大学で国立大学が80校ぐらいあり,公立が100校近くあり,私立大学が600校近くありと。これは一体誰が責任を持ってこういうポートフォリオを今までつくってきたのかというのは,やはり今みたいにこのような少子化に向かっている中において,今度は大学が競争または様々な理由により減っていく可能性があるわけですけれども,これほど私立に偏っている大学群をつくっているのは日本だけですし,そういうようなことを考えたときに,この大学分科会こそが,高等教育全体のポートフォリオをある程度責任持って,これは今高専が必要だからもっと進めましょうと私は本当にそう思います。
でも,そのときに,専門職大学と,それから高専と,また,高専は今,51校が国立,三,四校が公立で,4校ぐらいが私立ですよね。こういうポートフォリオをどういうふうに設計していくのか。後で文部科学省が取りやめることがいかに難しいかというのを今,私は実感していますので,結果的にどういうポートフォリオでやっていくのが今後の日本に対する責任なのかということをこの分科会が考えなきゃいけないと思います。
多分今までもこんな感じで,これ,やはり今,理系が必要だから必要ですよね,今これが必要だから必要ですよねと言ってやってきた結果が今のポートフォリオで,誰も全体像を考えずにやってきたのではないかと。いや,考えているのだけれども,ちょっと距離感を持って見ているような気がするので,どこでこのポートフォリオをみんなでちゃんと責任を持ってここで議論するのかというのは重要な気がしております。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。それでは,濱中委員,お願いします。
【濱中委員】よろしくお願いいたします。大学改革支援・学位授与機構の役割について,1点コメントというかお願いになります。
今回,高専本科卒業者に広く学位を授与する仕組みをつくって,大学改革支援・学位授与機構を学位授与主体とする。ほかのところも検討されているのかもしれませんけれども,もしそういうことになれば,機構の役割は現在より相当大きくなるのではないかと推察いたします。高専本科の入学定員は現在,1学年1万人を超えるというような状況ですので,制度のつくり方によっては,1学年1万人規模の対象を毎年毎年審査していくという,そういった仕組みになるはずです。個々の卒業者を審査するのか,各高専の教育課程を何らかの形で認定して学位を授与するというような仕組みをとっていくのか,必要となる人員,審査体制,専門性を持った委員の数などは,その方向性によってかなり変わってくると思われます。
以前,私,別のトピックといいますか,認証評価制度の改革についても同じようなことを申し上げているのですけれども,制度の方向性だけではなくて,それを実際に動かした場合に,どの機関にどの程度の業務が発生して,どの程度の人員や体制が必要になるのかというシミュレーションの情報が必要かと思われます。十分な体制が準備されないままに審査がなされてしまうと,国際通用性も何もないわけです。今回についても,学位授与主体の議論を進める際には,想定される対象者数,業務量,人員,審査体制などを含めた具体的なシミュレーションを,その実現可能性を検討するためにもぜひ資料でお示しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。益戸委員,お願いします。
【益戸委員】ありがとうございます。今日は民間側の委員が少ないので,企業の採用、そしてその後どう活躍して頂くかの観点で意見を述べさせて頂きます。皆さま御存じのとおり,年功序列型,終身雇用の時代は転換期を迎えています。まさに専門職の皆さんが、企業間を移動していくという時代になって来ました。従ってこの時代、高専の役割というのは益々大きなものになって来ていると思っています。
実際,企業に高専の卒業生が在籍していたり,お客様側にいらっしゃるといったときに,
吉見先生,伊藤先生がおっしゃったとおり,専門性を持ちながら、全体の中で,一体何の役割を果たしていくかというのは非常に重要なポイントです。今後企業ではますます専門性を持ちながらリーダーシップを発揮し,海外企業のマネジメントと伍して戦えるような人材がいるかどうかは、海外ビジネスでの競争力強化の点でとても大切なポイントとなります。ですから,過去の延長上で高専を語り、専門性・技術性にばかりスポットを当てるのではなくて,専門職の中のマネジメント力をどの様にして育てていくかの観点はとても重要です。例えば、金融市場部門のディーラーは専門職です。優秀なディーラーは30年以上もやっているわけです。当然どんどん年齢が上がっていく中での,マネジメントのトップが必要になっていきます。今後、同様なことが様々な職種で起こっていくでしょうから,それをぜひ意識して高専というものを考えて頂きたいと思います。
以上です。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。志賀委員,お願いします。
【志賀委員】ありがとうございます。私も高専につきましてはその教育内容は高く評価しているわけですけれども,ただ一方で国際通用性がある,国際的な基準で高い評価を得ているというのではなく,その手前の段階の国内の設置基準,大学・短大も含めた法令上の整合性をまず検討して設置基準を改めてくださいということは,個別具体のことは前回も申し上げましたので,それはしっかり執行した上で評価等も含めてきちんとしていただきたいと思います。認証評価制度につきましても,国際通用性ということよりは日本独自のものになりつつあるようですし,そこをまずきちんと整えてから始めていただきたいと思います。
それからもう1点,「知の総和」答申でも述べられましたとおり,現在,高等教育機関は,規模の適正化という言葉で,理工農系以外は,本当は人材不足で必要とされている分野であってもそんなに優遇されているように見えません。理工農系と高専が今回拡大していいということになっております。ですから,分野も様々にしていいと思われますが,恐らく理工農系といった分野の推進になるかと思いますが,ただ一方で現在,四大のほうの理工系の学部新設をしている大学で,あちこちから初年度から定員割れであったり,あるいは申請を取り下げたり,様々な事情で,これはどちらかといったら中学・高校の教育で理系の確保をしてからやるべきだったのではないかと思いますが,もうそういう事態が生じております。
特に高専につきましては中学校からの啓蒙活動ということで,先ほど上田委員も課題として挙げられましたが,ですから,設置認可申請が上がったとしても,やはり慎重な判断を設置審(大学設置・学校法人審議会)等でしていかねばならないかと思いますので,十分世間の事情等を留意した上での運用をしていただきたいと思います。
 私からは意見として以上でございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。
私も一委員としてちょっと発言させていただきます。大体今まで出た意見と重なるのですけれども,一つは,やはり高専がこういうふうに機能強化することで,義務教育を修了した生徒たちの選択肢が広がるというのは,これはやはり歓迎すべきことだと思います。
一方で後期中等教育から高等教育につながるほかの教育制度あるいは教育機関との関係というのは,明確にしていく必要があるだろうと思います。そうでないと,一つ一つの改革は望ましいものだけれども,全体としてはごちゃごちゃというか,非常に複雑ないびつなものになるということがあり得ると思います。
高校段階でいうと,種々の職業高校や職業課程がありますし,専修学校もあります。それから,高等教育段階であれば,専門学校,短大,大学,専門職短大,専門職大学,さらに各省庁所管の大学校もあるわけです。こういう全体を視野に入れた,先ほど伊藤委員がおっしゃっていたポートフォリオを見えやすい形にしていくということはとても大切で,これができるのは多分文部科学省あるいはここの委員会ということだというのは,伊藤委員のおっしゃるとおりだと思います。
その際すごく重要なことは,第一に,単に制度的に整理されているということではなくて,例えば,中学校卒業した生徒が学ぶものが,自分のキャリアの見通し,将来に向かっての自分の未来をどう描けるかというそういう視点で組み立てるということがすごく重要だということが一つと,それから,制度改革したことがまた,またと言うのも変ですが,新たなランクづけというか,教育制度のまた新たな選別制度になるということを避けるにはどうしたらいいかということはやはりちゃんと考える必要があるだろうと思います。
もう一つは,これは吉見委員がおっしゃったことと重なりますけれども,これは報告書の1ページから最初のところに書かれていますけれども,現代の技術者には,高度な専門性のみならず,分野横断的な知識,課題発見・解決能力,国際的な視野と協働の能力,創造力等,そういう総合的な能力が必要だと。これはまさに非常に重要なことで,技術が持っている社会的機能とか,あるいは倫理的な問題といったことをきちんと俯瞰的に見る視点がすごく重要になってくるだろうと。そうでないと,結局,技術者がAIの道具になってしまうということになりかねないと思います。
これも書かれていることですけれども,高専卒業者の役割が大きくなるにつれてアントレプレナーシップとかマネジメントの能力が必要だということは益戸委員がおっしゃったとおりで,まさにそういう中で教育課程をきちんとしていくということ,例えば,科学哲学とか倫理とか歴史とか,いわゆるリベラルアーツの能力はますます必要になっていく。特に高専の中で重要になっていくだろうと思います。今でも高専には一般系とか基礎教育科目等の名称でそういう科目が組み込まれています。それをやはりきちんと位置づけて充実させていくということが非常に重要だろうと思っています。
もう一つは,これも吉見委員がおっしゃったことと重なるのですけれども,この大学分科会でも,学部教育から大学院教育の5年一貫性というのを議論してまいりましたし,小中等教育でも小中一貫校とか中高一貫校を前提にして義務教育学校とか中等教育学校が制度化されてきたわけです。ただ,これは基本的には6・3・3・4制の枠を前提にした上での特例という形でやってきているわけですが,高専というのはそれ自体が中等教育後期と高等教育をつなげた形で,歴史的にもそういう形でつくられてきた。そういう意味では特殊というか,別筋の仕組みだと思うのです。
これまで委員の方々がおっしゃったように,当初は工学系といいますか工業技術系だったわけですけれども,いろいろな分野に広がってくる可能性というのは当然あるわけです。今後これをどういうふうにイメージをしていくのかということです。例えば文部科学省は今後どういうふうなイメージを持っていらっしゃるのか。高専型の教育制度を拡充する,あるいは範囲を広げ,さらには6・3・3・4制という仕組み自体を考え直していくきっかけにこれはなり得るものだと思うのです。その辺について文部科学省はどういうイメージを持っておられるのかということを,できる限り教えていただければと思います。以上です。
では,事務局のほうから,適宜御発言いただければと思います。
【松本専門教育課長】御意見と御質問をたくさんいただいておりますので,御質問のところを主にお答えするようにしたいと思います。
まず,上田委員のほうから,量的拡大と質保証はセットでということで,これはおっしゃるとおりかと思います。私立,公立の高専それぞれには団体が組織されていて,実際に新しく開設された学校については,既にもう長い歴史のある学校側から,質保証では何が求められるのか,何をやらねばならないかというところに関してかなり綿密に情報交換されているのは私も承知しております。これから新しくこのサークルに加わられる学校に関しても,同様の形になっていくと思います。国立高専機構のほうでも,KIS(国立高専教育国際標準 (KOSEN International Standard))とかモデルコアカリキュラムといったところを整備しておりますので,高専機構としても高専全体について実務をよく知る立場からバックアップしていただくことは,法人を所管している我々としても今後努めていってもらいたいと思っておりますし,その辺は応援していきたいと考えております。
それから,情報発信を国としても,ということで,これも全くおっしゃるとおりです。高専機構ほか公私立の高専が連携して情報発信,フェアなんかもやっていますけれども,力を入れていきたいと考えております。
それから,北畑先生からは,今後の方向性について御議論をいただきました。専門学校はいろいろ可能性を大きく秘めております。ただ,専門学校は,カリキュラムにおいて非常に柔軟な取組が可能で実践があるのは事実そうなのですけれども,先ほどの上田委員の話との裏表で,やはり認証評価と質保証,ここをどう考えるか,それによって固くなる部分がありますので,そういった部分を考えながら,学位の扱いの御提案がありましたけれども,塩梅を見ながら専門学校の今後の在り方など専門学校の今後の在り方は議論されるべきかと考えております。
それから,加藤委員から,工学で成果を上げてきたけれども,今後,他分野はどうするかとの指摘がございました。今回検討会で議論されておりますのは,農学とかコンテンツといったところが議論になっております。実際に今,農学に関しては,既存の農業大学校とか農業高校とかのリソースを活用しながら,アグリテックの農学あるいは工学から延ばした農学というところでの取組では何ができるかという検討がされております。
また,先日,検討会で議論したときには,釧路高専が,文化庁からサポートを受けて今コンテンツの関係の教育をかなり熱心にやっている事例の報告をいただきました。コンテンツ,例えばコンピューターグラフィックスとか,それからメディアアート的なものに関して何ができるのかと。そういったところでは,工学からの延長線としてかなり親和性があるだろうとの議論はされております。
ただ,いわゆる全くの社会科学系というところに関して5年一貫教育で高専型のカリキュラムを組むことに関しては,制度的には今,高専では工学しか教えられないということではないので,設置者のほうでカリキュラムを検討され,3ポリシーを決めて,高専でこれをやりたいということになれば,我々としても設置基準等を検討した上で考えていくことになろうかと思いますが,そこについては,どちらかというと受け身な感じでございます。
それから,吉見先生の御指摘に関しては,非常に大きな政策の方向性の御議論だと思いますので,今後まさに中教審の枠組みの中で議論していただくお話かと思っております。
最後のところで,出口戦略として海外の大学に出していけるような動きをしてはどうかというお話がございました。これに関しては,高専機構も非常に意識をしているところでございます。まさに今年の予算で,「知的修羅場」をつくるという議論がございますけれども,高専生にもやはりコンフォートゾーンから離れて,エンジニアとして将来独り立ちしていく上でまさに知的な修羅場を味わう体験をすることの重要性は高専関係者がみな実感しているところだと思います。それを学生時代に経験させた上で,さらに卒業後の進路としても海外の大学にも出ていけるような強さをつくっていくというのは今後の方向性かと思っています。
それもありまして,実際に英語を中心とした語学教育に関しては,今各高専でかなり力を入れてやるようになっておりまして,かつてと比べると随分,語学のスコアなども上がってきたというお話は聞いているところでございます。
あと,栗本先生から,アメリカのカレッジのお話を引いて学位のお話がございました。これは今,どういった形の学位の形が良いかというのをまさに議論しておりまして,いただいた御意見は,国際通用性についてでございますので,今後の議論の参考にさせていただきたいと思います。
それから,古沢先生から,高専に対する,特に公立高専に対する支援のスキームが今どうなっているかについてご質問がございましたが,公立高専には公立大学同様,いわゆる地財措置がされております。これは国立のほうを先にやっていかなければいけないので,当然国立高専の取組が必要なのですけれども,そういった単価の引上げといったことも,総務省と今後議論していくべきところかと考えております。
また,公私立の高専が設置される際には,学生確保の見通しに関しては大学同様当然に論点になるところでございますので,そこについては,設置のプロセスでしっかり見ていくことになります。
それから,伊藤先生の議論も先ほどの吉見先生のお話と同様,非常に大きな方向性のお話で,おっしゃるとおりかと思います。今後の議論として,論点として我々としてもテイクノートさせていただきます。
それから,濱中先生からNIAD(独立行政法人大学改革支援・学位授与機構)の役割についてご指摘がございました。これは今NIADにどういう形で本件にコミットしていただくかというところに関して実務的に議論しているところでございますので,実現可能な形になるように我々としても進めていきたいと考えております。
それから,益戸先生のほうから,エンジニアにもマネジメント能力が非常に大事になっており,マネジメント的な観点も教育の中に入れるべきとの御指摘がありました。そういった意識は高専の現場にも今,非常に高くあります。また,スタートアップ,これを立ち上げていけるような意欲と能力の両方について,教育していくことに関しても,かなり現場で熱心に行われているところです。吉見先生からもお話がありましたが,高専の位置づけ自体が,当初の中級技術者の養成というところから大きく変わってきており,ここはまさに変わっている側面の一つかと考えております。
志賀先生からの御指摘については,前回のお話も含めて,今後の認証評価制度の在り方とか設置基準の策定といった中で,御意見をいただいた点を踏まえて検討していきたいと考えております。
また,吉岡先生から最後,5年一貫教育の高専の成果を教育制度全体にどう取り入れていくかという御意見がありましたが,ここはちょっと私の領分を超えておりまして,今後のこの分科会での議論において高専の今まで積み上げてきた実績を踏まえて,教育制度全体に関してそれをどう反映するかといったところを今後の改革の議論の着眼点の一つとして活かしていくのが良いのかと思います。
事務局から以上でございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。あと5分ほど時間が取れるかと思うのですが,まだ発言されてない方とか,あるいはここだけは確認したいということがあれば,御発言いただけると思いますが,では,吉見委員,手短にお願いします。
【吉見委員】すぐ終わります。ありがとうございます。一つだけ,吉岡分科会長からお話のあった,つまり,高専の将来を考えたときに,この新しい仕組みというものをどう位置づけていくのかということについて一言だけ付け加えておきたいことがあります。
大きなことを言えば,これは,つまり,高専の問題が抱えているのは,日本の教育課程の中での青年期,青年期という言い方を今するのか分からないのですけれども,16歳から21歳ぐらいの時期の教育はいかにあるべきなのかという。十四,五歳まではもうはっきりしているのですよ。それから,二十一,二歳以上も割とはっきりしているのですけれども,その中間の青年期というものを日本の若者たちの発達過程の中でどういうふうに位置づけるのかという結構根本的な問いを含んでいて,そこから話を始めていくと,高専はいかにあるべきかという解も見えてくるのではないか。高専だけじゃないのですけれども,教育システムはいかにそこを考えるべきかという解も見えてくるのではないかと思うということを付け加えたかっただけです。
以上です。
【吉岡分科会長】それでは,森委員,お願いします。
【森委員】時間があるということですので,私も一つだけ。今お話があったように,私も高等教育としてどういうデザインを組んでいくのかというのがすごく重要かなと思っております。今,規制緩和がありまして,押しなべてたくさんの選択肢が一遍に18歳人口に集約してしまっていると。そういう意味では単線化ではなくて,必要な時にいろいろなところに接続できるような形の縦の構造化をつくっていく必要が非常にあると思っております。
その中で,高専の教育制度の在り方の可能性というものが非常に大きい。ですので,多くの先生がおっしゃいましたように,今この話題は高専だけのことではなくて,今,吉見先生がおっしゃったように,どうやって若者を社会に送り出すまでに育てていくかという大きな議論をはらんでいるのだなと思いました。
以上でございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。大森委員,お願いします。
【大森委員】ありがとうございます。この案自体については,もちろん賛同申し上げます。
高専の役割として,これまで議論になかったので,地域の立場からということでお話し申し上げます。やはりそもそも地域の発展を担う人材を育成したいということでの高専の役割は大きいのだと思っています。ただ,現状でいうと,4割ぐらいとさっきお聞きしましたけれども,大学にさらに進学していて地域を離れていくと。中学を卒業した段階で非常に優秀な子たちが高専に進学していって,地元企業としては,今,N-E.X.T.ハイスクールでも,それから大学の理系転換でも,アドバンストエッセンシャルワーカーというようなことも踏まえながら地域の人材育成を考えている中で,高専の役割は地域にとっても非常に大きいと認識しています。その出口というものを,本来的な,でも,若者の未来は若者のためにあるので,我々地域のためにあるのではないということを前提にしつつも,高専の役割の地域にとっての大きさ,それから出口,今の現状でどうなのかということも検討しつつ考えていく必要があるかなと思ったという感想でございます。
以上です。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。以上でよろしいでしょうか。ほかによろしいですね。
この件につきましては,高等専門学校の機能強化に関する検討会でも議論がなされているということですので,また,大学分科会でも御報告をお願いして議論をつなげていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは,次に進みたいと思います。続いて,(4)多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(審議のまとめ(案))についてです。本件は,中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会において御議論いただいている案件ですが,教職課程をはじめ高等教育機関にも関わる重要な内容を含んでおります。本日は,同部会における審議まとめ(案)について御報告いただきます。
事務局より説明をお願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】ありがとうございます。初等中等教育局の教員免許・研修企画室長の大根田でございます。資料に基づきまして,審議まとめの状況について御説明をさせていただきたいと思います。
当審議のまとめに関しましては,一昨年末に学習指導要領と併せて中央教育審議会に諮問いただいた内容を審議いただいているものでございます。今年の年末へ向けて答申をまとめていく方向の中で,この審議のまとめが先般,部会長一任となったところでございまして,その現状について御報告をさせていただきたいと思います。
資料3-1がお手元にあろうかと思いますが,こちらが諮問の内容でございます。真ん中の赤枠の中でございますけれども,中心的な議題は,教師の人材の質の向上と入職経路の拡幅,質と量の確保をどうやって図っていくかということが大きなテーマとなっております。
それを踏まえて審議のまとめでございますけれども,資料3-3を御覧いただければと思います。縦のA4の資料でございます。ここの概要のところでございますけれども,まさに今の諮問の内容を受けまして,教師の質と量の確実な担保・向上を図っていくということ,これを短期的にも中長期的にも持続可能な実現可能な形での教員養成等の制度を考えていかなければいけないという大きな方向性が示されているわけでございます。
具体的なところは,その下,改革の方向性と書いてあるところでございます。教師の成り手不足等に対応していくということを考えた場合に,総合的な教師の魅力を高める総合的な方策が必要であると。それを前提とした上で,その中でも教師の保有者の拡大を図っていくということが必須であるということ。
また,その下でございますけれども,学校が担う役割が増加・変化する中で,教師についても質の担保・向上を図っていくことが必要であるということ。また,社会の多様な専門性を有する人材を教職に呼び込むということ自体が,質の担保・向上に資するという側面があると,こういったいただいている御意見を踏まえて書かせていただいているところでございます。
それを踏まえて,質と量の両方の担保を図るための方向性について,1ページ目,2ページ目のところに示させていただいておりますが,これを踏まえての具体的な方策をまとめたもの,時間もございませんので,主なところだけでございますけれども,資料3-2を御覧いただければと思います。
まず,資料3-2の左側,教職課程の在り方及び採用・研修の在り方についてのところでございます。共通で学ぶべき内容を教職課程の中での内容を厳選した上で,多様な現場における課題に対応していけるよう,各教員が学生の教職課程の中で強み・専門性として強みになる学修をしてくると,このパッケージで教職課程を設計するという形になっております。
また,指導要領の議論が並行で進んでおりますけれども,次期指導要領を念頭に置いた,肝になる部分を教職課程に加えていくことについても御意見を頂戴しているところでございます。
また,質の担保と同時に働き方改革の両立の観点からの,教育実習の在り方についても今後考えていかなければいけないということの御意見も頂戴しているところでございます。
これら質と量を確保していく観点において,この後少し詳しく説明させていただきますが,真ん中のところ,大学間・大学内の連携をよりしやすくするための教職課程の認定基準の改正も行うべきであるということで,これは既に教職課程の認定基準の改正は行ったところでございます。
また併せて,現在ありますコアカリキュラムについては,到達状況の確認等に関してCBTを導入し,事前事後学習も充実しながら質の担保を図っていく必要があるのではないかという御指摘もいただいているところでございます。
こういった教職課程の内容の充実等に関する御提案とともに,右側,多様な社会人が教職に参入しやすくなるための様々な方策についても併せて御提案をいただいているところでございます。免許状においては特別免許状もございまして,この特別免許状の授与の基準をより具体化することでより出しやすくする環境を整備することでしたり,適格性の判断のための多様な手段の導入とか,また,その下でございますけれども,大学院で短期間で教職が取れる,教員免許が取れる枠組みについても御提案をいただいているところでございます。
さらにその下,小学校は今は全科を原則としているところでございますけれども,個々の教科,専科を指導できる普通免許状の導入でしたり,また,これまでは認められてこなかったところでございますけれども,高専卒業者を基礎資格として免許を授与していくということも可能としていく,こういったことについて御提案をいただいているところでございます。
特に今申し上げた中の,真ん中の大学間連携とCBTの関係を少しだけ付言させていただきたいと思います。行ったり来たりで恐縮ですが,資料3-3の6ページを御覧いただければと思います。この6ページは,教職課程の関連で,教職課程の確実な実現を担保する措置として御意見を頂戴していたところをまとめている部分でございます。
資料3-3の6ページの上の部分でございますが,質の高い教職課程の実現をしていく,新しい内容も幾つか入ってくる中で,その内容と,地域における確実な教員養成を今後も維持していくという,その観点から,より大学内・大学間の連携が図れるような形にしていく必要があるという御意見をいただいております。その中で,これまでは大学設置基準等よりも上乗せになっておりました教職課程の認定基準上の要件を見直し,ざっくり申し上げれば,大学設置基準にそろえる改正をするということで,より大学内・大学間の連携がしやすい環境を整えていくということが今回,教職課程の認定基準改正で行われているところでございます。
また,地域アクセス特例等の最新の基準等にも対応していくという中で,大学内・大学間連携を促進していく必要があるだろうということ,併せて,国立大学に対しては第5期の中期目標・中期計画の策定に向けて,この基準の改正も踏まえた学内外の連携を考えていく必要があるということ,併せて,その下でございますけれども,地域の教員養成のハブとしての国立の教員養成大学でしたり学部の在り方ということを考えていく必要があるということについて御提案をいただいているところでございます。
さらにその下,教職課程の質の担保の観点から,4つ目の丸のところ,自己点検評価,FD/SD等の強化,教える教員の質の向上等が必要であるということとともに,その下でございますが,現在,コアカリキュラムは一定の部分がございますけれども,この見直しや新設も必要であるということや,CBT問題を作成した上で,Plant――Plantというのは,教員になった後,採用された後に,自らどういった研修を受けてきたかということを蓄積し,それに基づいて自分の能力を伸ばしていく,そういったシステムでございますけれども,それに搭載をしていきながら,これと,来年度から始まる教員の採用試験の一次試験が共同化されてまいりますので,これとも連動させていく必要があるだろうということ。このCBTについては,事前事後学習において反転学習を含めて利用していくことや,コアカリキュラムの一部,全体目標の一部ではあるけれども,到達状況の確認等にも活用していってはどうかといった御意見等をいただいているところでございます。
こういった全体について,一番下のところでございますが,当該質保証については,高等教育全体の質保証とも連動して考えていく必要があるという御提案をいただいている中で今回御報告をさせていただいた次第でございます。
事務局からは以上でございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。この点につきましては,本日御欠席の金子委員より本議題に関しての意見書の提出がございました。これはお手元に配りしているところですので,御覧いただければと思います。
それでは,質問,意見のある方から挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。
では,加藤委員,お願いします。
【加藤委員】御説明ありがとうございました。新たな多様な専門性を有する人材を学校現場に取り込むことには賛成ですが,専門分野の実務経験と教育者としての専門性は必ずしも同じではないと思います。多様な人材の登用を進めながら,教員としての質をどのように保証するのでしょうか。また,そのため,ちょっと研修のことも御説明がありましたけれども,学び直しや教員養成を担う大学にどのような役割を期待されるのでしょうかというコメントでございます。
以上です。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。では,杉村委員,お願いします。
【杉村委員】ありがとうございました。御報告,感謝申し上げます。私からは3点質問させていただきたく思います。
1点目は,質と量を両方確保するということについてです。少子化が進む中で,質の高い先生方を大学間連携を通じて育てていこうという,新しい,また,興味深い試みだと思います。一方で、同じ教職課程でも、大学間の間で、同じような内容をどのように担保したり,あるいは科目間でどのように調整を図っていくかということが大事なポイントになってくると考えます。この点について教員養成部会の中で御議論がありましたら教えていただきたいと思います。
2点目は,学習者主体の学び,主体的な深い学びを支える教員の側でも,批判的思考などのコンピテンシーが大事にされるべきではないかという点です。教育の側のマインドセットも非常に重要になってくるのではないかと思います。現在進んでいる学習指導要領の改訂作業の中では,OECDが示したラーニングコンパス,すなわち学びの羅針盤に基づいたエージェンシーとしての学び手というのが謳われているわけですが,教員にも恐らく同じような資質や,それを導いていけるだけの技量が求められると考えます。教員養成の内容について,こうした点はどのくらい御議論があったかというのを教えていただきたく思います。
最後に3点目ですが,現在,国際社会では,1966年にユネスコ総会で採択された教員の地位に関する勧告,あるいは1997年にユネスコ総会で採択された高等教育教員の地位に関する勧告の改訂作業が行われていると承知しております。そのなかでは,労働者としての教師としての位置づけ,あるいは専門職としての教師という位置づけといった観点が議論されているかと思いますが,教員養成部会のほうでそれらに関する御議論がどのくらいあったかということを教えていただきたく思います。
以上3点でございます。ありがとうございました。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。大森委員,お願いします。
【大森委員】ありがとうございます。私からも3点お話ししたいと思います。
今回,質と量ということで,量の部分,あるいは教職課程の持続可能性を担保するという観点から,養成機関の立場でまず申し上げたいと思います。いろいろな工夫によって教職課程設置の養成機関としての負荷,あるいは学生にとっては履修の負荷が軽減されるということ,軽減と質というのは,ちゃんと質は高めなければいけないのですけれども,そういうことに期待して今回は賛同しているところです。
一方で,今回の様々な見直しによって再課程認定が生じていくかなと思っています。その際,大学の教職課程の教員構成とか,あるいは教員の研究業績などについて現行の認定を受けた体制で十分に対応できるものにしていただかないと,またさらに教職課程設置を断念する大学も出かねないと思いますので,その辺りは十分に留意をいただければと思っているところです。
例えば本学でも前回の再課程認定で情報の免許の認定を諦めたのです。実際には採用が県教委でもないので採用実績がなかなかないけれども,免許を持ってほかの教科で先生になっていったりということが期待されていたわけですけれども,採用実績がないということで駄目じゃないかみたいなこともあったと思います。ですので,非常にもったいないことをしたというか,今,非常に少ない分野なのでということです。開放制の学部のカリキュラム構成とか,それから教員養成の教員の構成に制限を受けるというようなことから,断念せざるを得ない大学もあるのかなと思っています。
同じことが,実地視察の強化というふうな文言も書かれているのですけれども,これも実地視察は大学にとって物理的にも精神的にも大きな負荷がかかるものです。何か非常に厳しい雰囲気の中で行われていくのですけれども,やはり教職課程を設置してくれている大学に伴走支援をするというスタンスでこれからやっていっていただけるといいのかなと。特に希少教科の免許などを出している大学さんは本当に一生懸命やっていただいているのではないかと思いますので,そういう観点が必要かと思います。
二つ目,CBTの導入についてです。導入のそのものについては,採用試験の一次試験との連動等も踏まえて賛同をするものです。案に記載していただいているように,教職課程の目的はCBTの結果確保とならないということに留意するというのは本当にそのとおりだと思っていて,それをしっかりと意識しながら進めていきたいと思います。
我々はいい先生を育てるために授業しているのであって,テスト勉強を授業の中で一生懸命やるみたいなことになっては絶対いけないと思っています。今でも教職の履修カルテを確認しながら,自分の弱みや不足している知識を補うために,4年時に教職実践演習を置いているわけです。それを各大学はしっかりやられていると思うのですけれども,この確認の一つのツールとしてCBTが活用されていくみたいな理解を私はしていますけれども,そのことでよろしいでしょうかということです。
最後,3番目です。大学連携について。これは地域大学振興に関する有識者会議の座長として申し上げますけれども,述べられているように,現在,地域構想推進プラットフォームの推進や,あるいは地域アクセス特例による設置基準の緩和の可能性がある制度設置などがされています。教員養成は,特にさっき申し上げた希少免許などにおいて様々な大学がその役割を担っているわけですけれども,今後2040年に向けて各大学に教職課程を維持する余力がなくなる可能性は危惧されるところです。その中にあって,連携推進法人などで連携開設科目を活用していったり,あるいは基幹教員制度によるクロスアポイントなどで互いに協力しながら,幼稚園教諭も含めて何とか教員養成機能を地域の中で維持していかなければいけないと思っています。現在も可能なわけですけれども,その要件を緩和して,よりその取組を促進することをしていただきたい。
また,記載にあるとおり,やはり地方における教員養成の核は国立大学の教員養成学部でありますけれども,国立大学だけでは地域で必要な教員を十分に養成できないというのも事実であります。国立大学のリーダーシップとリソースの共有は必須であることから,しっかりとそのことを維持して,国立大学が主体となってそのような連携体制を構築していただくように,国立大学任せになるのではなくて,文部科学省としても財政面も含めてしっかりとバックアップをしていただければと思っています。地域で本当に教員養成はこれから大きな課題になっていくと思いますので,その体制をしっかり取れればなと思っているところです。
 以上です。ありがとうございました。
【吉岡分科会長】それでは,廣津留委員,お願いします。
【廣津留委員】ありがとうございます。私からもコメントと質問1点です。
資料3-1にあるように子供たちの主体的な学びの支援・伴走への教師の役割の転換というふうにありますけれども,これまでよりなお一層ディスカッション,例えばファシリテーション力の必要性とか,これまでよりも一層リアルな学びの意義を引き出すような力が教員に必要になってくると思うのですけれども,そしてそれを加味した教職課程のカリキュラムづくりが進んでいると思います。教育ファシリテーションコースという課程もあるとかという話を聞きます。
その上で私の質問は,教職課程から免許状の取得までと,採用試験の接続についてです。今回の資料ですと,どちらかというと前者に重きが置かれているように思うのですけれども,採用試験のデザインについても恐らく今後10年,20年を見据えると,同じ例えばマークシートとか模擬授業だけでは測れないような力が必要になってきて,恐らくそれを育てていると思うのですけれども,それを文部科学省として変えていくような方針を出していくのかどうか。もちろん自治体によるというところはあると思うのですけれども,そういう御議論があるのかどうかをお伺いできればなと思います。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。安孫子委員,お願いします。
【安孫子委員】ありがとうございます。量の確保と質の確保という整理については,大変重要だと思います。一方,企業で長く人材育成と組織運営に携わってきた立場から,1点気になることがありますので申し上げます。
質の高い人材を確保して,その専門性を高めても,その方々が本来担うべき仕事に時間を使えなければ,結果として質も量も確保できないと考えます。仕事を足していくだけではなく,何をやめるのか何を標準化,効率化するのか,何をAIに代替させるのか,そして組織再編として何を専門職に分業するのかという仕事そのものの再設計が必要だと考えます。
したがって,優秀な教員の量の確保,質の確保に併せて,教職員が専門性を発揮するために欠かせない業務改革,生産性向上という視点を実行方策としてもう少し明確に位置づけてはいかがかと思いましたので,意見を申し上げます。
 以上です。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。和田委員,お願いします。
【和田副分科会長】ありがとうございます。御丁寧に御説明いただきまして,ありがとうございました。いずれも重要な取組かと思います。3つほどコメントしたいと思います。
1つ目が,探究学習など研究の要素についてでございます。探究学習など研究の面白さを児童生徒に伝えていき,生涯にわたって学び続ける力の涵養につなげる,その取組はとても大切だと思います。そのためにも,御説明にありました,大学院修了者の教師へのルートの考慮ということも重要だと思います。さらに,教員の皆様も研究の機会を御一緒できるのではないかと感じております。教職大学院や修士・博士課程などの大学院などを含めて,リスキリングあるいはリカレント教育につながる機会が増えることが望ましいと思います。
2つ目は,学校教育の質の向上の件でございます。算数や理科等のスペシャリストとの合同チームで学校教育の質を向上する取組というのは,選択肢が広がると思います。一つの方向性だと感じます。専門性や多様性の観点からも,高専の卒業生にルートを広げることに関しても賛同いたします。この多様な専門性という観点からは,算数・理科等だけでいいのか。例えば国語の力もかなり基本になってくるのではないかと私は感じております。さらなる質の向上につながる議論が必要ではないかと感じました。
3つ目は,連携についてです。教員養成も,大学連携などで地域・広域の観点から連携を図ることが望まれる時代にもう既になってきていると感じております。少子化が進む中,その地域や広域を俯瞰して全体像を把握する。先ほどポートフォリオという言葉もございました。全体像を把握した上で,リソースの共有化などをすることが,今後ますます重要になってくると感じております。
 以上でございます。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】それでは,中村委員,お願いします。
【中村委員】中村でございます。私は,教員養成学部を持つ地方の公立大学という立場と,自分の専門は教育学ですので,その立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
これからの教員養成では、やはり連携していくということは非常に大事だと思っています。そのときに,連携の仕方が幾つかあります。一つは,学内での他学部との連携を教育学部が中心になって進めていくというやり方もあるでしょうし,一方で,大学等連携推進法人は主には地域で行われていますので,そういった地域の中の大学間連携の方法もあるでしょう。教員養成というのは,大学としては教員の人材をかなり要します。ですので,そういったところをできるだけ連携をしながら,ある意味,質の高さを求めながら効率的にやっていくということも大事だと思います。
さらには,地域・都道府県の枠を超えた連携。これは主に教員養成学部になると思います。あるいは,単科の教員養成大学,こういったところをハブにしながら,そういった連携も今後必要になってくると思っています。
もうすぐ国立大学は第5期の中目・中計が始まりますので,そこにしっかり教員養成に関して,連携といったところをしっかり記載していくというところで目標を定めてやっていくことが大事だと思っています。昔から教員に関しては,養成と採用と研修の一体化と言われている中で,なかなか今までうまくいってなかった部分もあるのですけれども,こういった形で今回連携をしながらそこの担保をしていくということも大事だと思っています。
国立大学協会の中にタスクフォースが幾つか出来ていまして,その中の地方創生のタスクフォースあるいは教育連携のタスクフォース,その中でもこの教員養成に関しましてできるだけ連携をしながらやっていこうというところも今検討中でございますので,またその結果等をお話ししながらやっていきたいと思っています。
最後に,地方はエッセンシャルワーカーが非常に大事になってきます。経済産業省も出していますけれども,やはり独自に都道府県,あるいは都道府県の中でも,都市部とか,あるいは山間部とかの人材,特に教員人材の必要性が今後問われてきますので,そこをしっかりデータを用いながら,こういったエッセンシャルワーカーを確保していかなないといけないと思います。
 ほどもお話が出ていましたけれども,教員養成はやはり丁寧にやることが非常に大事でして,丁寧の中には,養成だけではなくて,先ほどお話ししましたようにやはり採用と研修の一体化ですね。そういう意味でいうと,CBTを利用するというのは一つのやり方かもしれません。やはりその部分をいわゆる地域の中でしっかり教員を育てていくこと、教員も教員になってから育っていきますので,そこを大事にしていく必要があるでしょう。つまり,教員のモチベーションを高めたり,教師になりたいとか,教師を続けたいとかいう人材を多く輩出したりといった,教員養成をしていくべきであると思っております。
以上でございます。
【吉岡分科会長】では,栗本委員,お願いします。
【栗本委員】ありがとうございます。持続可能な教職免許制度とはいかにあるべきか,という点についてコメントをさせてください。
御存じのとおり,教員免許には,普通免許状,特別免許状,そして臨時免許状が存在いたしますが,普通免許状以外は都道府県の枠の中で運用されています。したがって,仮に東京都の教育委員会が発行した特別免許状は他の都道府県では効力を発揮せず教えることができません。したがって,地域間での通用性が限定的な状況になっていると思います。ここはまず運用面で着手すべき課題ではないでしょうか。運転免許で例えると,東京都で発行された免許証では神奈川県で運転できない,そんな状況になっていると思います。
また,特別免許状の発行基準も,都道府県が独自に要件や条件を課していることもあるようで,優れた専門知識や豊かな社会経験を持つ社会人を広く登用する,という本制度の趣旨を十分に反映できていない側面があります。ぜひとも適格性の認定において明確な基準を再度提示していただきたいと思います。
とはいえ,これまでの文部科学省からの働きかけが功を奏して,特別免許状の発行数は年々増えてきていると理解しております。それでも,教員免許状全体のまだ1%未満ですので教員免許状全体のポートフォリオを維持するためにも,実需に即した柔軟な運用を促していただければと思います。
従来,教員採用は免許を持つ者の中から人材を選抜するという手法を前提にしていました。しかしながら,絶対数が今後不足してくるという状況を考えますと,特別免許状等の運用で間口を広げて,その後に現場という修羅場で教員を育てていくというアプローチも,教員養成という意味で重要な鍵だと認識しております。
間口を広げると質が落ちるのではないかという懸念もありますが,ある程度数を確保することも教育の現場を維持する上で重要であります。現場という修羅場で優秀な社会人を教師に育てる,そういったアプローチも御検討されてはいかがでしょうか。以上でございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。森委員,お願いします。
【森委員】ありがとうございます。違ったら申し訳ありませんけれども,この中で私が唯一小学校校長の経験があるのではないかと思っております。幼稚園の園長も2年間させていただきました。そのときに,大学と大きく違うのは,先生方個人個人で質保証を行っているという現状だと思っております。私はこれを大変問題視しておりまして,結果としては,担任ガチャが起きるということでございます。そういう意味ではやはり組織としての質保証が重要で,それが学校レベルなのか都道府県レベルなのかといったようなところに関しては非常に関心が高いです。名人芸またはビリーフといったようなものが非常に重要な小学校で,やはり多様な社会人の方が入りにくい背景が非常に強いと思っております。ですので,ここに関しましては,より学校としての組織性を高めるような措置をお願いしたいと思っております。
そして,2点目の意見でございますけれども,CBTに関することでございます。今現在私は大学のほうで,ディプロマポリシーに即して質保証を行いましょうという話をしてございます。たとえ国試があるところであっても,採用試験何名合格がいわゆる大学の教育力ではないという話をしている中で,やはり一方で国として保証していくものがあるということに関しては,このCBT導入といったようなものは必要ではないかなと思っております。
ただ,これが,やはりお話がありましたように,ただ点数化されているところだけを見るということではなくて,必要なのは,しっかりとフィードバックしていくことなのかなと思っておりますので,ぜひ大学の課程の改善ということに関しましても,フィードバックといったようなものに関してはしっかりと行っていただきたいと思いました。
 以上でございます。
【吉岡分科会長】では,志賀委員,お願いします。
【志賀委員】ありがとうございます。私は過去に,第185回ですかね,中教審で,これとは別なのですけれども,初等中等教育における教育課程の基準等の在り方に関する検討状況等の報告で,非常に多様な教員の養成を求めていて,これは大丈夫かというふうな趣旨の発言をいたしました。今回はあくまで教職課程の整備ということで論点は少しずれるのですけれども,では,どこまで現場の負担軽減になっているかということにつきましては,せいぜい小学校の科目ごとの専門にするとかそういうことで,現場の職務に関してどこまで配慮した内容かなということについては,ちょっと大丈夫かなという気はいたします。
結局,教職課程においては,授業の内容についての科目が非常に多くて,あと,教育原理とか法制度とかいろいろなものの科目が多くて,それはそれで質の担保は結構なのですけれども,一方で学校の現場の業務としては,やはり生徒指導,生活指導といったところがメインとなって,その中で取りあえず間口は広げて量を確保して,その中で職に就きながら研修を重ねていって専修免許というふうなのは,生徒指導等の負担を軽減してくれないと誰もやりたがらないし,なりたがらなくて,将来的には質の高い教員が育成できないのではないかなと思います。
併せて,本来これとは別案件なのかもしれませんけれども,では,専修免許を持った人は,処遇改善が行われたり,校長になる道が開けて,平教員のまま楽なままいくのか,校長になるのかみたいなルートも含めてちゃんと整備しないと,これで成り手が多くなるかといったら私は非常に不安になります。ですので,教職課程の分科会としては,議論しづらいかもしれませんけれども,もう少し,現場の状況,教員の職務が今どういう割合であるのかということを考慮するような検討もしていただきたいと思います。
私も風のうわさに聞きますと,この部会ですか,その手前のワーキンググループでは,やはり教育について高い理想も人文教育学者の方々がその話をされて,現場の現実としては非常に厳しいような内容になっているというふうな話も聞いたりしますので,総合的な判断を文部科学省のほうでもしていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。
 細かいことはほかの皆様が言いましたので,省略します。以上です。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。では,益戸委員,お願いします。
【益戸委員】ありがとうございます。この方向観について反対するつもりは全くありません。しかし、厳しいだけではと感じましたので一言意見を申し上げます。
企業において採用人材のレベルアップや会社全体の人材のレベルアップを図る時、高い目標を掲げることは言うまでもありません。しかし、一方で,どうやったら計画通りに行くかの方法,処遇はこれでいいのか,人事評価はこれでいいのか,個人個人の将来目指
す方向はどう提示するかなどをセットで考えていかないと人事政策はうまくいきません。
現状、教師の成り手不足が深刻化し,採用倍率の低下ということがはっきりしています。
それの対応策として、働き方改革が出てきていますが、日本における働き改革の為のAx化は、欧米に比べて大きく遅れています。例えば、AIエージェントを導入すると人間の目では、半分まちがっていた判定の誤差率が一気に10%以下になる様な仕事もあります。
将来、教育界の働き方改革で、単純な採点はAIエージェントの仕事となるなど色々な事が起こってくるのではないでしょうか。残念ながら日本は,AIエージェントをきっちり使っているところまでは行っていません。ですから,その状況をもしっかり議論に入れた上で,どういう処遇改善をしていけばいいかの議論はどうしても必要です。そうでないと応募倍率上昇にはつながらないと感じました。
以上です。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。髙宮委員,お願いします。
【髙宮委員】御指名ありがとうございます。3点ほど質問とコメントがございます。まず,今回,質と量の向上を目指してかなり大きな改革になりそうで,非常によい結果が出ることを期待させられるような内容になっていると思います。おまとめありがとうございました。その上で,3つの質問とコメントがあります。
まず最初は,ここである教職課程と専門性とのバランスの問題です。教職,教員になるための特殊な勉強と,ほかの分野の専門分野に関する勉強のバランスをどんなふうに取っていくのかは,かなり実際に大学で教職免許を取る学生にとっては関心事項であるかと思います。ここでコアカリキュラムの導入というような言葉があって,ある程度効率化して教職科目をよりよく学べるようにしようという試みが見られそうですので,今後もしかしてどういうような比率で学生が専門科目と教職科目を勉強していくのが望ましいとお考えか,その辺のバランスをお教えいただきたいと思います。
それから,先ほどから,いろいろな方が免許を取得できるようにして,専門の特殊免許を取った方をどんどん導入していこうというお考えだそうですけれども,そちらにつきましても,どの程度のバランス感覚で教職重視の場合と特殊免許の方のバランスをイメージなさっているかちょっとお教えいただけると幸いです。
それから2番目に,今回,大学内と大学間の連携をもっと進めるという言葉が出てまいりました。非常に喜ばしいのではないかと思います。たしか前回の再課程認定のときは反対に,各学部あるいは学科ごとに独立して授業を持つようにぐらいの分かれることのほうにシフトしていたかと思います。むしろこちらの連携のほうに行くことによって,大分取得しやすさが,大学組織にとってはうまく仕組みづくりができる方向に行くのかなと思って非常に歓迎しておりますが,反対にどのぐらいのところまで連携を許容するとお考えなのか質問させていただきたいと思った次第です。
3番目はコメントです。教員が確かに今,量が足りないということが話題になっていることはよく承知しております。私が学生を担当している場合に,入学時において実は教員に潜在的になりたいという学生はかなり毎年多いです。それが何かの理由で,でも,免許を取らないとか,ならないとかというふうになってくるのですけれども,その一つの理由は,これはよく言われていることですが,教職課程を取るための単位を取ることの負荷があるのですが,もう一つもっと最近になって顕著になったのは,あんなに大変な仕事は自分にはできないという意味で教員を諦めて,最初から教職課程を取らない方向に行く学生がここ10年余りは増えていると思います。
要するに,働き方改革が進んで,教員というのが本当に自分が本来やりたいと思ったような理想の職業として働けない現状が解決されない限り,なかなかなりたい人が増えないというのが現状ではないかと感じられます。ぜひこのことにつきましては,厳しいいろいろなルールをつくってよき教員が出来るようにするというだけではなくて,やはり魅力ある職場づくりが一緒だというのは益戸委員がおっしゃったところだと思いますので,私もさらにこれを最後に強調して終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
【吉岡分科会長】ありがとうございました。田中委員,お願いします。
【田中委員】田中でございます。検討メンバーの一員として,コメントというか少しお話をしたいと思いました。
今回の改正につきましては,現場の先生方がいかにしたら辞められないか,せっかく取られた資格やキャリアをどうやったら継続できるのかというところで,まず,教えること,教職ということに魅力を感じてもらわないといけない。そして,それに魅力を感じるためにはどうするかというと,自分の強みを持つことが魅力にもなるし,困ったことが起こったとき,嫌なことが起こったときのストッパーというのですかね,いや,もっと頑張ろうとか,これこれがあるからやっていけるというふうになるために,強み・専門性に関わる内容にこだわって教職課程の再編を検討したところが大筋でございます。
これまでの科目,単位数も少し減らすと同時に,もう少し柔軟性のあるというところで,強み・専門性に関わる内容というところが,大体52とか55の単位のうちの20単位というところで強み・専門性に関わる内容の学修という単位の切り出しにして今のところではまとめ案としては提案されているかと思います。こういったところは,強み・専門性に関わる内容を各大学が,今から大学の中でもいろいろな工夫があるかと思いますけれども,各大学の独自性とか強みとリンクできるように,A大学の教職課程で学んだ私はこんな強みがある,あるいは自分の興味・関心でここは一生懸命時間をかけてやった,そういう強みが,先生方を辞めさせない,あるいは学び続ける先生として子供たちの前に立てる,教職としてやっていけるということになるのではないかというのが主の趣旨だったと思います。
連携ということにおいては,教育の基本に関わる科目とか,教育原理とか,あるいは生徒指導とかという話が出ましたけれども,そういったところは共通で大体同じような内容で教育できるのではないかというところで,大学間の連携とか,あるいはオンデマンドも今,世の中には進歩しておりますので,そういったところで単位を重ねていただいてというところで,スリム化あるいは内容の厳選を図りながら,強みを生み出すための時間数を切り出し,単位数を切り出し,特徴的な,これからの社会の多様性に,子供たちの多様性あるいは大学の多様性,そこに教員の多様性に対応でき,学び続ける,辞めないというところでつくられた内容であるというところを、確認いただけたらと思いまして,発言させていただきました。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。ちょっと時間が迫っております。古沢委員,お願いします。
【古沢委員】手短に申し上げます。私も今回の改革は教員の成り手と教員免許取得者の方の裾野を広げるということにあると承知していまして,非常に意義があると思います。その一方で,先ほど大森先生もおっしゃっていましたけれども,地方では,全国的な教員志望者の激減の中で,既存の教員養成課程を維持できないような状況になっていると思います。ぜひとも今回裾野を広げるだけでなくて国公私立大学の教職課程の規模とか質が細らないような支援も必要だと思います。
それから,CBTについても,質保証という観点から出てきた話で,学生にとって一律なハードルになることはないとは思うのですけれど,やはり各大学であくまで目安として柔軟な扱いができるようにすることが大切ではないかと思います。
以上です。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。北畑委員,お願いします。
【北畑委員】英語教育の課程のところでネィティブの先生を中学・高校の現場に入れると,教員免許を持ってないので,正規の授業にならない。正規の授業にするためには,ALTとかいいましたけれども,補助教員としてネィティブを入れて,その代わりに英語の免許を持っている日本人を陪席させる必要があるという問題がありました。教職になりたい人が少なくなってくるなら,もうネィティブはそのまま日本語の試験を受けなくても教員免許を出すという制度にしたらいいのではないかなと思います。
これから問題になるのは,高校・中学でスタートアップ教育と情報通信教育をやらなくてはいけない。これは産業界に人材がいるのですね。高校の先生はもうこれは対応できないと言っているので,だから,工学部,情報学部を出た人には教員免許をできるだけ在学中に取るように勧めてはどうでしょうか。企業を辞めたらどこかで教えたいと,給料が安くてもという人は産業界にたくさんいるのです。そのときに教員免許がネックになるのではもったいないので,そういうことをぜひ考えていただきたいなと思います。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。濱中委員,お願いします。
【濱中委員】今回,大学内,そして大学間連携を促進して,教職課程を全学的な体制で実施する方向が示されています。また,本文もざっと見たところ,教職課程の質保証は,高等教育全体の質保証とも連動して検討すると書かれています。一方でこの大学分科会では,新たな評価制度について,学部を基本的な単位として考える議論が進んでいます。教育の実施単位が学部を超えていく一方で,評価の単位が学部になっていくという,この点を今後どのように整理していくのかという観点について,もしお伺いできればというか,今後の議論になるのであれば,またその際に教えていただきたいと思いました。
特に複数の学部や大学が共同で教育を担った場合に,その教育成果とか改善責任,最終的な責任をどの単位で捉えることを想定されているのかということに関して,コメントとして残しておきたいと思いました。よろしくお願いいたします。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。では,以上の御意見,御質問を踏まえて,事務局からお願いします。
【大根田教員免許・研修企画室長】ありがとうございます。非常に多くの御意見,御質問をいただきましたので,まず,質問に関してお答えをさせていただければと思います。
教員としての質保証の観点,多様な専門性があるということとともに,教職としての能力をどう両立させていくかという点の御質問もいただいていたかと思います。今回の教員養成部会での御議論では,様々な専門性を生かしながらも,教職としてのコアの部分は共通で学んでくるというところが御議論であったと認識しております。強み・専門性に関しましても,学位課程の中でどういった強み・専門性を身につけていくかということだけでなく,それを教職とどうリンクしてくるかと。これまでも大学における教員養成であるということはあったわけでございますけれども,改めて学位課程を通じて身につけてくる強み・専門性ということを教職にどうリンクしてくるかということを改めて位置づけていく必要があるというものが今回の強み・専門性というふうな定義であるというふうな御議論であったと感じております。
大学内・大学間連携の関係でございます。これまではどちらかといいますと,大学設置基準等に上乗せする形で教職課程認定基準の要件が課されておりました。そういった中で,なかなか大学内・大学間連携を進めていきにくかったところもあろうかと思っております。そこを今回大学設置基準に合わせていくということでございますので,特例の利用も含めてこれからそれを促進していくと。
特に複数の委員からも御意見をいただきましたけれども,もうすぐ特に国立大学においては中期目標・中期計画の策定が迫っておりますので,その中でこの審議のまとめであるところの大学内・大学外連携をどうやって果たしていくのか,国立大学が私立大学等と一緒に果たしていくのか,地域の教員養成を持続可能な形でやっていくかというところを改めて考えていくというところは,文部科学省も大学と一緒に考えていきたいと思っているところでございます。
学び手として教員のエージェンシーに係るところでございますけれども,この点は,まさに今回,これまではどちらかというとスタンプラリーのような形で教職課程を学んできたところを,いかに学び手側である教師が学生側としてカリキュラムをデザインしていくか,学び続ける存在として学び続けるということを学ぶべきかというところをしっかりと位置づけていく必要があるだろうという御指摘もいただいております。これを教職課程全体を負う形で位置づけていくということについても御提案をいただいておりますので,教職課程の今後の省令等の設計においてもそこを踏まえていきたいと考えております。
地位に関する勧告自体についての御意見・御議論はなかったと記憶しておりますけれども,より教員についての職の魅力,自由度を高めていくという観点で,これまで以上に休業ができ,多様な研究や活動もできるような,そういった設計をしていくべきではないかという御提案もいただいているところでございます。
また,複数御意見をいただいているところでございますが,教員免許の見直しだけで質と量の確保ができるというものではないというところについては,教員養成部会でも繰り返し御意見をいただいているところでございます。勤務環境の改善,処遇の改善等も全てパッケージで合わせて引き続きやっていかないと目的は達成できないだろうというところを,改めて今日の御意見も踏まえて対応していきたいと考えているところでございます。
また,採用でございますけれども,今回一次試験については共同化が進んでいくわけでございますが,その趣旨としてやはり,特に採用する側においては,二次試験,例えば人物に関するところ等も含めて,特別選考もでございますが,そこにより重点を置いていただきたいという趣旨でもございます。そこと併せて進めていく必要があるだろうと考えております。
入職時点で必要な能力,これについては現場からも,教職課程を経た学生が入職時点で少なくとも現場できちんと働ける状態に教職課程を通じてしてほしいという御意見は複数いただいているところでございます。一方で,教職入職時点で全ての能力を100%身につけるということも難しいであろうと。であるからこそ,学び続ける教師として,教師になった後もその能力を伸ばし続けられる,そういった教員をつくっていくということ。一方で,先ほど生徒指導等の御意見もいただきましたが,そういったところ,入職時点で身につけておくべき能力をしっかりと身につけられるような,そういった教職課程の在り方ということも改めて考えていかなきゃならないと感じております。
評価の在り方については,まさに高等教育のほうで進んでいる議論とともに,これからの教職課程の自己点検評価の在り方も併せて在り方を考えていかなければいけないと考えておりますので,そこはしっかりと連携して議論を進めていきたいと考えております。
雑駁ではございますけれども,いただいた御質問に関しては以上でございます。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。個々様々な議論が出されていたと思うので,その辺を受け止めてというか,今後ともまとめていっていただければと思っています。
ありがとうございます。それでは,以上で教職関係のことはここまでということにさせていただきたいと思います。
それでは続きまして,令和9年度の概算要求について,事務局から報告をいただきたいと思います。時間が押してしまいましたが,よろしくお願いします。
【春山高等教育企画課長】失礼いたします。高等教育企画課長の春山のほうから御説明させていただきます。資料は参考資料1ということで,A3と,それから後ろに何枚かの資料がついている,こちらをお手元に御用意いただければと思います。
先日,8月の末日に文部科学省から財務省に概算要求をしております内容の概要です。この資料の一番上に書いてありますけれども,強靱な高等教育への転換に挑戦する10の重点施策ということで,主要な10個の施策を一つの絵にまとめたものになっております。大きくは,一番左にございますけれども,まずは18歳人口減少による大学の規模適正化ということで,先ほどポートフォリオという御議論もございましたけれども,これらの施策は全てこの我が国の高等教育が直面する大きな課題から出てきているもので,大きく一つの施策群として捉えるべきものと考えております。
上の箱の2つ目の四角に「具体的には」と書いてありますけれども,今申し上げたような人口減少による大学の規模適正化ということと,丸2といたしまして,分野・地域のリバランス,それから日本成長戦略を政府のほうで定めておりますけれども,こうした17分野を牽引する人材育成のための機能強化ということを,高校から大学院まで,またそれからさらに出口の社会,産業社会というところまで一貫した形での見通しを持った改革のための重点施策ということでございます。
現在の人口減少という状況を前提として,何も手を打たずに今のまま進んだとすると,知名度とか入学者選抜性が必ずしも高くないけれども,人材養成等を通じて地域から本当に必要とされているという大学,こうしたところに人口減少の影響がまさに直撃するという問題意識を持っております。
4つ横の箱がございますけれども,ちょっと順不同で恐縮でございますが,上から3つ目の「地域の維持に不可欠な」というところを御覧いただければと思います。ここで緑色で書いてあるものが一個の事業で,それぞれ事業ごとにA4の資料でそれぞれ1枚ずつ資料がついているので,こちらは後で御覧いただければと思います。丸5といたしまして,これは今年度,既に20地域を地域プラットフォームとして採択させていただきました。各地域それぞれの社会がどうあるべきか,産業はどうあるべきかということを,知事や産業界,それから大学が中心となって考え,そこからバックキャストしてその地域の人材育成がどうあるべきかということを考えていただくということですが,これを来年度さらに増やして40地域に拡大し,また、そのプラットフォーム形成に上乗せする二階建ての部分として,そこからさらに進んで大学の連携や,あるいは再編・統合,また、高大一貫の連続取組を御支援できるような予算を考えております。
その横,丸6でございます。特にその中でも分野で見ていくと,やはり看護師や医師といった医療系人材の偏在が問題として顕在化しております。こうしたところへ地域枠の設定をもって地域への定着に取り組むといった大学に対する支援として,これは厚生労働省と連携しながら新規の要求ということで考えているところです。
そしてその1つ上の箱に行っていただきまして,一方,先ほど申し上げた知名度とか入学者選抜性とか高いところ,先ほどポートフォリオの中で中高生のキャリアの見通しというお話もございましたけれども,やはりこの教育の仕組みやシステムを検討していくときに,学生の進学動向や保護者の動向を踏まえることが非常に重要だと思っております。その際,知名度や入学者選抜性が高い大学へどうしても偏りがちになる傾向もあるところ,そうした大学も含めて,成長分野への転換,理系への転換ということを進めていただくため,丸3といたしまして,11の伝統的大規模大学と書いてありますが,これも文部科学省が言うまでもなくそれぞれお考えいただいているところでございまして,そうした取組への御支援とか,具体的な例として書いておりますが,愛媛大学の造船への御支援など17分野に対する人材育成に対する支援とか,公立高専の新設も具体的に声が上がっていますので,こうしたものを御支援していく成長基金をさらなる積み増しということ。
それから,丸4といたしましては,こうした学部段階での教育を大学院にシームレスにつないでいくということで,戦略17分野の基礎となる5学問領域で大学院をネットワーク化し,また,修士に対する経済的支援も含めまして,大学院教育の質的転換ということも要求させていただいています。
それから,その上に行っていただきまして,知的修羅場という非常に目を引くワードを使っておりますけれども,端的に申し上げれば,高等教育を受ける中で,いろいろなディシプリンと個々の事象の矛盾とか,1つのディシプリンの中での具体的な事例の矛盾とか,この解決をギリギリと求められる場面を繰り返し行うような教育の実践を知的修羅場という言葉で表しています。そうした体験を繰り返し重ねていくことによって,自分で頭で考え判断し,その結果の責任を引き受ける基礎を養うということ。18歳人口が減少する中,一人一人の力が非常に重要になるということで,今,全国に2,700学部がございまして,その中でST比が1.25以上というのが八百数十学部あるというところを,これを1年間で100学部,3年間で300学部,こうした密度の濃い教育を行うということの御支援をできればということです。
それから,丸2といたしまして,AX実装人材育成と。これはモデル事業でございますけれども,ジェネラリスト育成とかプロフェッショナルレベルの育成というものを文理を超えてAIを使いこなしていく人材を育てるための,そのモデルをつくるための事業ということです。
それから一番下に行っていただきまして,これらを支える基盤的経費ということで,7が国立大学運営費交付金,8が高専の運営費交付金,それから9が私学助成ということです。これはまずいずれにしても,今,人件費・物価高騰という状況でございます。これが各大学の取組を直撃しております。こうしたところは,上の3つの柱をやる上でも大前提となるものだということで,こうしたものの充実とか,それから成長分野に対応するような,組織体制や設備整備というようなものは,今回投資枠ということで政府の予算要求の仕組みが変わっておりますけれども,その投資枠での要求ということでさせていただいており,私学助成につきましては,書いておりますとおり,メリとハリということで,定員未充足に対する減額措置,それからST比の高い大学の減額措置というものと,一方でこうした記載の理工系・デジタル系の支援,それから地域を支える人材育成の支援の充実ということを併せて行っております。
それから,丸10といたしまして,大学病院の機能のリバランスということで,教育研究と診療のバランスが,今,教育研究のほうが35.5というような状況になっているところ,これを診療と教育研究のバランスをリバランスしていって50:50程度に戻すために,人件費に限らず必要な設備も整備していくということで,大学病院の教育研究機能を強化するということで考えています。
あとそれから,欄外に書いてありますが,物価高騰の中でも奨学金,これを充実していくということで,これも事項要求としてさせていただいております。
最後に右肩のほうで,今年度の予算と比べまして131.4%ということで,先ほど申し上げたとおり今回の要求は投資枠というシーリングのない新しい要求の仕方になっております。我々もなかなかどういう姿の要求になるのかというのは見えておりませんが,年末に向けてこれを確実に確保していきたいと思っています。
説明は以上でございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。ということで,これは文部科学省に頑張っていただきたいということでございます。
以上をもちまして,本日の議題は終了ということになります。
最後に,次回の開催日程等について事務局から説明をお願いいたします。
【平尾高等教育企画課課長補佐】本日は,活発な御議論をいただきまして,誠にありがとうございました。
次回の分科会については,改めて日程調整の上,御連絡を差し上げます。
本日御発言できなかった内容がございましたら,事務局まで御連絡ください。
以上でございます。
【吉岡分科会長】ありがとうございます。それでは,本日の議事を終了いたします。どうも皆様,ありがとうございました。
 
―― 了 ――

お問合せ先

高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)