令和8年6月11日(木曜日)16時00分~18時00分
ハイブリッド(対面・Web)開催 ※傍聴はWebのみ
(分科会長)吉岡 知哉分科会長 (副分科会長)橋本 雅博副分科会長、和田 隆志副分科会長 (委員)安孫子 尋美、伊藤 公平、田中 マキ子、冨永 悌二、廣津留 すみれ、古沢 由紀子、森 朋子、両角 亜希子、山口 祥義の各委員 (臨時委員)上田 悦子、大竹 尚登、多 忠貴、大野 博之、大森 昭生、小野 悠、加藤 映子、北畑 隆生、栗本 博行、志賀 啓一、杉村 美紀、髙宮 いづみ、中村 和彦、濱中 淳子、平子 裕志、本間 敬之、益戸 正樹、松下 佳代、吉見 俊哉の各委員
(事務局)合田高等教育局長、森友私学部長、安井高等教育企画課長、石橋大学振興課長、佐藤高等教育局参事官(国際担当)、黒沼私学行政課長、奥科学技術・学術政策局人材政策課長、寺坂高等教育政策室長、鈴木大学設置・評価室長、宮沢医学教育課課長補佐、平尾高等教育企画課課長補佐、山上高等教育政策室室長補佐ほか
【吉岡分科会長】 それでは、所定の時刻になりましたので、中央教育審議会大学分科会第190回を開催いたします。御多忙の中、御出席いただき誠にありがとうございます。
本日も対面とウェブのハイブリッド会議として開催し、その様子をYouTubeライブ配信にて公開いたします。
それでは、事務局から連絡事項をお願いいたします。
【平尾高等教育企画課課長補佐】 会議を円滑に行う観点から、御発言の際は挙手のボタンを押していただき、指名されましたらお名前をおっしゃってから御発言いただきますようお願いします。また、御発言後は再度挙手のボタンを押して、表示を消していただくようにお願いいたします。
本日の会議資料は事前にメールでお送りしているとおりでございますが、会場のiPadには本日の会議資料をチャットにてURLをお送りしておりますので、紙の資料と併せて御活用ください。
事務局からは以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。本日の審議事項として、大学設置基準の一部改正に関する案件がございます。その後、報告事項として3件ございまして、教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループ議論のまとめについて、大学の量的規模適正化総合施策及び高校から大学・大学院等を通した人材育成システム改革ビジョンについて、今後の科学技術人材に関する基本政策について、御説明いただきます。
大変盛りだくさんですので、御発言をされるときには、要領よく、それから結構テーマが重なっておりますので、適宜御判断いただいて発言いただければと思います。
それでは、まずは、1の「医学部臨時定員の措置延長に伴う大学設置基準等の改正について」です。事務局より説明をお願いいたします。
【宮沢医学教育課課長補佐】 医学教育課の宮沢でございます。よろしくお願いいたします。
「医学部臨時定員の措置延長に伴う大学設置基準等の改正について」ということで、こちら、例年御審議いただいている案件になります。
資料1ポツの「これまでの経緯」について、医学部の定員はこれまで医師の需給の観点から抑制という方針を取ってきておりますが、医師の偏在などが顕在化してきたことを踏まえ、地域の医師確保などの観点からこれまで臨時的な増員の措置を講じてきたところです。
具体的には3ポツにグラフを載せておりますが、こちらの赤色の部分と緑色の部分がそれぞれ地域枠と研究医枠による増員分となっております。
具体的な内容は2ポツにございます。まず(1)として地域枠という臨時的な増員の仕組みがございまして、こちらは地域医療に従事する意思を持った方を対象とした募集枠を設置し、卒業後に一定期間、特定の地域で医療に従事することを要件とした枠を設定するということを条件に臨時的に定員を認めているものになります。
加えて(2)として研究医枠があり、大学と大学院で一貫して研究医養成に取り組まれている大学に各大学3人まで、臨時的に定員を認めているものになります。
厚生労働省の検討会での議論を踏まえ、令和9年度についてもこれらの措置を延長することが方針として決まっております。こちらの臨時的な措置の延長に伴い、4ポツにありますように、大学設置基準等の所要の改正が必要になってまいりますので、その点において皆様にお諮りするものです。具体的な改正内容としては、例えば学則変更の期間に関する特例措置の延長等、技術的な内容となっております。
私からは以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございました。今の説明について御質問、御意見のある方、御発言をお願いいたします。
よろしいでしょうか。既に資料を御覧になっているかと思いますけれども。オンラインのほうもよろしいですね。
それでは、大学設置基準の改正に係る事項は、大学分科会の議決をもって中央教育審議会の議決とすることとされておりますので、議決を行いたいと思います。
事務局、定足数について報告をお願いいたします。
【平尾高等教育企画課課長補佐】 大学分科会の委員及び臨時委員は32名でありまして、現在、29名の御出席をいただいておりますので、中央教育審議会令第8条1項に定める過半数を満たしております。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。それでは、お諮りいたします。
先ほどの内容について御了解いただくということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【吉岡分科会長】 それでは、異議ないということで認めていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、当該諮問については、これを適当と認め、文部科学大臣に対し答申することといたします。今後の取扱いは一任していただければと思います。よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
それでは、続いて、「(2)教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループ 議論のまとめ」についてです。こちらは昨年5月より御議論いただいていたものですが、先日取りまとまった議論のまとめについて御説明いただきます。
教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループの主査を務めていらっしゃる森委員より一言いただいた上で事務局より説明をお願いしたいと思います。
それでは、森委員、お願いいたします。
【森委員】 ありがとうございます。このたび、ワーキンググループの主査を拝命いたしました森でございます。この1年間でございますが、まず、大きな労力と時間を割いていただきまして、本当に深い議論ができましたこと、ワーキンググループの先生方に御礼を申し上げます。
そして、大学の役割ってそもそも何という根本的なところから議論が始まりましたので、多岐にわたって非常に膨大な議論を取りまとめていただきました事務局にも御礼を申し上げたいと思います。
今回のこの新しい評価でございますが、著しい人口減少の中で、人材育成という社会的機能に注目をし、大学の役割を明快にしていこうと、こういったような動きの一歩でございます。これまでも、小さな大学でありながらも非常にすばらしい教育をやっているところが地方でもたくさんあると思います。そういったようなものをしっかりと明示し、社会的に発信できるという大きなチャンスでもあると思っておりますので、どうぞ中身を御精査いただきまして、御審議のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
【鈴木大学設置・評価室長】 大学設置・評価室長の鈴木でございます。私のほうから資料2-1と2-2を御説明いたしますけども、概要を中心に御説明させていただきたいと思います。
新たな評価の在り方ワーキングの議論の状況につきましては、昨年9月に中間まとめを御説明させていただきましたけれども、先月末に、先ほど森委員からありましたように、この議論のまとめとして資料のように取りまとめたところでございますので、御説明させていただきたいと思います。
まず、議論のまとめの射程でございますけども、小さく※で書かせていただいたところでございますが、高等教育において最も学生数の多い学部等以下、大学、短大、高専を想定して、まずは議論をしてきたところでございます。
研究科、いわゆる法科大学院含めて、そこの評価の在り方につきましては、別途、大学院の教育の在り方、法科大学院の教育の在り方を検討する部会がございますので、そこでの検討状況を踏まえながら、今回お示しする新しい評価書の中に組み入れていくということを想定しているところでございます。
資料2-1の1ページ目でございますけれども、まず第1部として、「新たな評価の基本的な考え方」でございます。左のほうでございますが、認証評価の現状ということで、認証評価、制度開始から20年経過しているわけでございますけども、各評価機関、各高等教育機関の努力等によって、内部質保証システムの導入が進んだという成果があったところでございます。
その一方で、現状の認証評価につきましては、内部質保証システムが機能しているかというところを主に確認いただいているところでございますけれども、今、社会が期待しているところは、入学後、どの程度、学生を成長させることができたのかという教育の質を第三者かつ専門家の評価を通じて可視化していくというところではないかということ。
また、認証評価機関は複数ある中で、それぞれの評価基準を定めて行っているところでございますけれども、評価結果を社会に十分認知するためにも、評価の客観性・公平性というところをより高めていくことが必要ではないかということ。
法令適合性などを丁寧に評価機関の方々、確認いただいたところでございますけれども、確認事項が非常に多くて、それに注力してしまっているという中で、評価する側、評価を受ける側も、評価の意義やインセンティブを感じられづらく、徒労感というものがあるのではないかということ。
内部質保証システムの構築ということ、それが機能しているかどうかというところは、非常に今の認証評価は寄与しているところと考えているところでございますけれども、もちろん一部のところでカリキュラムの改善までつながっているところもあるかもしれませんが、なかなか全ての大学、高等教育機関がそこまで至ってないのではないかと指摘されたところでございます。
その上で、右側でございますけれども、高等教育機関を取り巻く社会の状況等につきまして、刻一刻と変化している中で、知の総和答申でも指摘されましたが、急速な少子化というものがこれから到来することは確実ございまして、これまで以上に学生一人一人の能力を最大限高めていくためにも、教育研究の質保証・向上を通じて高等教育の機能強化、教育の質の不断の見直しが求められているところでございます。
ただ、そうであるならば、高等教育機関は、教育の質によって評価されるべきであるところでございますけれども、現在の高等教育機関の社会的評価、いわゆる進学先の選択は必ずしも教育の質とは関係ないところで行われているのではないかということ。それによって、なかなか全国的に知名度は必ずしも高くないものの、地域の医療・福祉・産業を支えるべく、教育活動を非常に丁寧に取り組んで学生の成長を促している高等教育機関も存在するわけですけども、なかなかそこに光が当たってないという状況でございます。
まさに少子化が進む中において、このように学生の成長のために丁寧に教育活動に取り組んでいる高等教育機関に引き続き人材育成を担ってもらいたいと考えておりますので、まさに高等教育機関の教育の質が社会から適切に評価される仕組みを実現して、学生とか社会に広く訴求することで、高等教育機関は内部質保証と外部の視点から改善・向上を促していくことが必要ということがワーキングで議論されたところでございます。
その上で、新たな評価制度に向けた改革の方向性ということで3点指摘されております。
1つ目は、いわゆる「学修者本位の教育を引き出す評価制度の構築」ということで、いわゆる法令適合性とか内部質保証システムが機能しているかどうかを確認することは確かに引き続き必要だと考えておりますけれども、これからは学生が在学中にどれぐらい成長したかについて学生一人一人が知識・能力をどの程度身につけることができたかという学修成果、学生自身の成長実感、あとはステークホルダー、社会による評価を可視化して、それがきちんと教育改善につながっているかという観点から評価していくべきであるということ。
ということであるならば、教育について最低限の質保証のみならず、一人一人の学生を成長させるために教育水準を向上させるような質向上につながるサイクルを評価していくことが必要であるということ。
2つ目につきましては、社会に開かれた高等教育の質の保証及び質向上の実現ということで、高等教育が自ら行う教育活動に対して社会からの理解と支持を得るためには新たな評価結果その他の必要な情報が社会に理解されやすい形で公表される仕組みが必要であるということ。
3つ目は、持続可能な効果的な評価の実現ということで、徒労感、負担感というところにつきましては、教育の質の向上を図るために、真に必要な項目を厳選するとともに、評価に関するデータを一元的に収集・整理するデータプラットフォームを構築することで、いわゆる徒労感の解消のための評価制度の抜本的な見直しを図っていくこと。
この3本の柱で改革の方向性で示した考え方を踏まえて、検討した新たな評価制度の基本的な枠組みは2ページ以降となっているところでございます。
2ページを御覧いただければと思いますけれども、まず評価の対象でございますが、質の保証の責任は一義的には機関全体にあることは変わりありませんので、高等教育機関全体として質保証の責任を果たしているかどうかというところは引き続き評価していくと。
一方で、先ほども言いましたような教育の質の評価にシフトしていくということであれば、より学修者に近い単位である学部等を切り口にして高等教育機関における教育活動を評価していくということを考えているところでございます。
次に、評価の視点でございますけども、高等教育機関全体の質保証につきましては、矢羽根の1つ目でございますが、全学的な調整・支援が適切に行われているか、点検・評価、改善がきちんとなされているかという、内部質保証が図られていれるかという点に厳選して、その上で、学部等の評価をメインに据えて、以下の2点の視点から評価を行うということを示したところでございます。
1つ目は、質保証の視点として、法令等で求められている数字に達しているかどうかを評価していくということでございます。
2つ目につきましては、質向上の視点として、学生一人一人の能力を最大限高めるために教育水準を向上させ、教育成果を明確に上げているかどうかというところを評価していくということでございます。
質保証の視点につきましては、下の下線にありますように、15の評価項目に沿って水準に達しているかを厳格に判断していくということになります。評価の基準、項目につきましては、報告書の10ページ以降にございますので、御覧いただければと思います。
質向上の視点につきましては、高等教育の様々な教育活動、要は、取組とディプロマ・ポリシーに掲げる教育、資質・能力を備えた学生を育成できるかという教育成果を評価していくこととしたいと考えております。
この教育成果というものは、教員による直接評価といわゆる学生の間接評価と社会からの評価を、それぞれの状況を各高等教育機関に挙証いただいて、総合的に勘案して評価していくということを考えております。
新たな評価を行うに当たっては、質向上の視点の中でも、ディプロマ・ポリシーに掲げる資質・能力を学生が身につけているかということをきちんと明示していただく必要がございますので、各高等教育機関は、適切なディプロマ・ポリシーになっているかどうかを、新たな評価開始を契機に再検証すべきであるということを指摘させていただいたところでございます。
3番目の評価の手続でございますけども、これまでの偏差値のような社会一般で活用されてきた評価ではなくて、各高等教育機関の教育の質を分かりやすく発信するということ。各高等教育機関の先進的な取組の共有を通じた自己改善の促進につなげるために4段階の段階別評価を導入することとしております。
先ほど説明した質保証の視点で評価基準を仮に達していないということであれば、一番左の要是正となりまして、その上で、質保証の視点を全てクリアした上で、質向上の視点で取組と成果を上げているところに対して段階別に評価をしていくということを考えてございます。
続きまして、評価のサイクルでございますけども、現在、機関別認証評価は7年、分野別は5年ということで、この新しい評価につきましては、学部等の教育活動の評価を中心に実施していくということを考えますと、現在の分野別評価の意義、機能に近づいていくということになります。併せて、高等教育機関については、学位の種類とか、学位の分野によって、修了年限、様々ございますけども、医学分野等は6年課程を取っているということがございます。国立大学法人など、ほかの評価とのバランスを踏まえまして、評価のサイクルは6年を前提にしたいということを考えているところでございます。
この上で掲げている灰色の要是正の評価を受けた高等教育機関については、6年のサイクルの中を待たずして可及的速やかに自律的な改善を図った上で再度評価を実施することが求めていきたいと考えているところでございます。
次、3ページでございますけども、評価を実施するに当たっては、より効果的・効率的に評価を実施していくために、データプラットフォームを独立行政法人大学改革支援・学位授与機構に設置したいと考えているところでございます。
これによりまして、例えば、全国学生調査の結果など文部科学省が実施している調査については、文部科学省が一元的に入力すると。それによって高等教育機関の入力の負担の軽減を図っていくということであったりとか、いわゆるデータ閲覧・評価支援機能として、例えばST比のような定量的な確認を自動計算機能で代替したりとか、定性的な内容についても、不足している情報に対してアラートを表示するなど、いわゆるAIの活用も含めて、必要な情報を整理、確認することができる、整理することで、評価者が確認できることを焦点化して、負担を軽減化し、本来評価者が見ていただきたい点に注力できるようにしていきたいということを考えているところでございます。
あわせて、評価に当たって、現在の評価においては実施調査を必ず行わなければならないということになってございますけども、もちろん実地調査を実施することにつきましては、このワーキングの中でもございましたが、対面で実施することを必ずしも行わなくていいというように柔軟な対応を運用可とすることを指摘しているところでございます。
続きまして、4番目の評価の主体でございます。学部等の教育の質を評価するということになりますと、同じ学位の分野によるピア・レビューを基本として、そのための体制を評価機関に準備いただくということを求めていきたいと考えております。
もちろん昨今においては、複数の学問分野をまたぐ分野横断型の学部等も増えておりますので、その際には学部等が持つ学問分野に照らして、ここに掲げているいわゆる1から21の学問分野の学位の分野の専門家が協働して評価に当たるように体制の構築を求めていただきたい、求めていきたいと考えているところでございます。
さらに評価の主体につきましては、いわゆる高等教育機関全体の評価及び学部等の段階別を総合的に担う機関、総合評価機関のほかに、今も医学分野であれば医学の教育について評価して改善を促しているJACME(日本医学教育評価機構)のような機関がございますので、まさに特定分野を専門的に評価する機関を並行的に設けて、学部等の評価をトータルで行っていくこととしていきたいと考えているところでございます。
あわせて、評価機関が複数存在するような場合につきましては、評価の公平性を担保できるように、評価に当たり、基準に照らす判断、資料等を評価機関間のばらつきをなくすための調整組織及びその役割の明確化を図っていくこととしたいと思います。
あわせて、これから高等教育機関の中核である教育の質を評価するということになりますので、これまで以上に評価機関には評価の質の信頼性を高めていただく必要がございます。
したがいまして、評価機関に対して、認証を与えた後も、文部科学大臣が評価が適正に行われているかという確認するシステムを設けることとしております。
5番目の評価結果の公表・活用でございます。どのようにその公表結果を活用するかでございますけども、これにつきましては、評価結果をデータプラットフォームにおいて一元的に公表し、公表内容とかフォーマットを統一することを考えてございます。情報の受け手である学生や企業等がアクセスしやすいように検索機能を設けたり、評価結果を分かりやすく具体的な内容について示すことを求めていきたいと考えてございます。
さらに評価の結果については、資源配分等、国の政策に活用することも検討するとともに、先ほど言いました質保証ができてないという要是正機関については、改善が行われるよう、文部科学省において厳格な対応を行うことを記載させていただいているところでございます。
最後、6番目でございますけども、持続的な高等教育の評価の転換ということでございますが、現在、認証評価は機関別と分野別の評価が実施されておりますけども、この新しい評価につきましては、機関だけでなくて学部まで見ていくということになりますので、機関別評価と分野別評価の意義、機能が類似してまいります。そのため、新しい評価制度導入を機に、機関別認証評価と分野別認証評価を統合、一元化を図ることとしたいと考えているところでございます。併せて、国立大学法人における例えば現況分析のような類似の内容を確認しているものについては、新しい評価導入を期に重複解消を図ることとしたいと考えているところでございます。
続きまして4ページは、これまで御説明した内容をフローチャートにしたものでございますので、適宜御参照いただければ幸いでございます。
私からの説明は以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございました。今の説明に対して御質問、御意見のある方、発言をお願いいたします。発言ボタンを押していただければと思います。
まず、志賀委員からお願いいたします。
【志賀委員】 ありがとうございます。森先生をはじめとする委員の皆様、そして文部科学省の皆様、本当にお疲れさまでございました。私も外野の別のところではいろいろ申し上げて、大変失礼しました。やっぱり幾つか気になるので、質問と御意見をさせていただきたいと思います。
まず、本文のほう、資料2-2のほうを私、中心にいろいろお伺いしたいのですが、まず1ページ目から4ページの第1部の前提課題ですね。何々ではないかという表現ばかりで、個人の意見の羅列なので、もうちょっと中身と表現を、私の意見も含めて精査してくださいと最初に言ったのですが、これは報告書なので、ちょっとしようがないので、方向性の確認だけお伺いします。
3ページの丸囲み数字2の部分、ここは負担が今重いという課題が書いています。4ページの丸囲み数字3の部分、こっちは教員の意識共有ができていないという課題があります。これは実際評価をしてきた者としては、実質、基本、二律背反しているものでありまして、両立は多分厳しいかと思います。報告文全体を見ると、丸囲み数字2の負担軽減を目指すほうが比重が重くて、意識共有については、内部質保証の意識共有ではなくて、学部の理解の意識共有といったような表現がありますが、そういうふうにシフトしているように見えますが、やっぱり文章から察するに、今後、評価の負担軽減が主になってくるように思えますが、その方向でよろしいでしょうか。まずは1点質問です。
【吉岡分科会長】 最初に申し上げましたように、非常に論点が今日は多いので、事務局にはまとめてお答えいただければと思いますが。
【志賀委員】 分かりました。じゃあ、後ほど確認。その前提で次の意見も言おうと思ったのですが、じゃあ、次の話をします。
【吉岡分科会長】 どうぞ。
【志賀委員】 25ページ以降の参考資料を見ますと、これらの基準というのは今の評価機関ならどこでもやっていることでありまして、大変配慮していただいたと思います。このチェックまでなら現行評価機関の延長で実現可能ではあると思うのですが、やっぱりここまで聞いても、分野別でなおかつ段階的な評価となると、評価に書いてある星3の学生の成長につながる優れた取組を通じて高い教育成果を上げるとは何ぞやというところで、本当に公平性が担保できるか不安があります。これだと、まず分野を超えた公平性担保というのは多分不可能かと思います。例えば最先端の研究分野と地域社会の人材不足を解決する分野というのはそもそも指標が異なるので、つまり、やるとしたら同じ分野で相対的な段階的評価をするしかなくなるかと推察されます。
では、同じ分野で評価するとして、例えば、短期大学に多いのは、保育、福祉とエッセンシャルワーカーを育成する学校のDP(ディプロマ・ポリシー)を見ると、大体表現こそ違いますが、エッセンシャルワーカーの資格等の取得を目指してそれに必要な知識と技能を身につけるというDP(ディプロマ・ポリシー)があります。これは低い水準なのか、高い水準なのか、皆さんどうお考えでしょうか。それがいいか悪いか誰が判断するのか。人材不足の分野では粛々とその人材を出すということで、就職率が高ければ星3というのもあるかもしれませんけれども、じゃあ、国家資格の合格率が低いところは駄目か。そういうふうなのも、でも出していればいいのではないか、そういう判断指標も理不尽になってしまいますし、じゃあ、高度な人材を出しています、でも合格率低いですというところは高くするのか、低くなるのか、そのライン引きを誰が判断するのかと。資料を見ますと、そういった指標、判断要素はいっぱい書いてあるのですが、これらの基準としてどう設定するかというのが書いておらず、実現可能かという疑問が残ります。
ですので、当然このような意見というのはワーキンググループあるいは部会で出てきたと思いますが、そこではどんな議論が行われたのか。そして、それに対してどのような対策を検討しているのか、今後の展望をお聞かせいただきたいというのが2点。
最後に、評価機関との兼ね合いもありますが、本日は報告書が出たということですが、今言ったような具体的なところも決まっておりませんし、議論と実施のスケジュールについて、別の会議では2030年が最短でできそうですって言っていましたが、今、認証評価機関は第4評価期に入って6年から7年後に新たな基準になるかと思われますが、それに合わせるのか、それともそういうことは無視して押し進めるのか、終着点について腹案や意見があったらお伺いしたいと思います。
以上3点、失礼いたしました。よろしくお願いします。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。それでは、益戸委員、お願いいたします。
【益戸委員】 ありがとうございます。ワーキンググループでの御議論、知の総和答申
に基づいた形で進めていただいて大変ありがたいと思っております。お疲れ様でした。
ワーキンググループでの議論で3つ質問がございます。
まず学部単位で評価するというのは非常に良いことだと思いますが、一方で大学経営という観点から質問させて頂きます。今や6年あれば、世の中が大きく変わってしまう時代です。その過程において何が起こっているかなどをキャッチアップする為に社会との例えば人材交流のようなことは議論にでましたか。教職員の方の民間企業や行政機関への人材交流によってそのスピード感や何が起こっているのかをはっきり実感する事が出来ます。人材交流というのは経営上非常に大切なことだと思っています。
次に、今年3月に経済産業省の産業構造審議会で数字が発表されておりますが、俗に言われているホワイトカラー、事務職というのは今後437万人余ると言われています。大学における職員、教職員というのもホワイトカラーのカテゴリーだとすると余る側になるのではないかという心配をしています。社会人の学び直しを高等教育機関で請け負う議論をしてきましたが、大学の教職員の学び直しという議論というのは出たのでしょうか。この点も非常に大切な点ではないかと思います。
最後に、私も審査などに関わったことがありますが大変ですよね。評価本文や資料はなるべく少なくしたほうが良いと感じました。かつての金融庁と金融機関の関係というのは、まさに検査疲れみたいなことがあって、お互いに協力してシンプルな形で進めていった歴史があります。今は、金融検査・監督基本方針が策定されて、画一的な対症療法的検査から対話中心のモニタリングへ移行しています。例えば内部監査の有効利用ですが、監事は、国立大学だと文部科学大臣の任命です。私学の場合は理事会の承認ですね。民間における監査役というのは株主総会で株主の承認を得て決定されるものですから、極めて重い責任があります。したがって、大学、高等教育機関における内部監査の結果も重視するアプローチもあるのではないかと考えます。
以上3点についてワーキングでの御議論いかがかなと思いました。以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。それでは、吉見委員、お願いします。
【吉見委員】 ありがとうございます。ワーキングの皆様、大変すばらしいまとめを本当にお疲れさまでございました。
まず、私はこの議論のまとめに強く賛同したいと思います。何よりもこの中で最も重要なことは、ここに書かれておりますように、大学、学部の教育に対する評価として、入学後にどの程度学生を成長させることができたのかということをきちんと評価していくという、この点がやっぱり今の大学、高等教育にとって最も重要なことですし、ここが非常にできていないことなのだと思います。できていないがゆえに現実にはどうなっているかというと、大学選択において圧倒的に河合塾をはじめとする受験産業が出してくる偏差値によってほとんどが決まってしまっている。これが実態でございます。これでは大学でいかにすばらしい教育プログラムを組もうが、教育実践をしようが、ほとんどの学生、父母の関心は偏差値の高い大学、学部に向かい、学生の志向や適性、大学でどんな教育をしているかとはつながっていかないわけですね。結局、受験勉強の甲斐あって偏差値の高い大学に合格した。あとは卒業できればいいということになる。偏差値の高い大学、学部を卒業することが学生たちと親たちの目標になっているのがこの日本の現実であり、これを変えない限り、高等教育に未来はないのだと思います。
これを変えていくには、まさにここに書いてあるように、入学後の伸びしろの部分を評価するんだという体制をちゃんと評価軸としてつくること、これを明確に出されているということは私は大変賛同したいと思います。
その上で、文章のほうをもっと強力に説得力あるものにできるのではないか。先ほど益戸委員もおっしゃったように、この方針は、知の総和答申と対応しているわけですね。知の総和答申で、日本は人口減少する。だから、知の総和を上げるためには質を向上させなければならない。その方法は何かという話だったわけです。今回の議論の方向性は、あの答申へのひとつの答えですね。そこをもっと強調してもいいのではないか。もうちょっと知の総和答申とこの議論のまとめの関係性、答申から必然的にこの方針で出てくるという論理的な道筋を強調してもいいのではないかと思いました。
だからこそ、これは機関単位では駄目で、学部単位の評価にならなくてはいけない。私も実感としてそう思います。現在、ほとんどの大規模大学では教学はやっぱり大学単位ではなく学部単位でやっているのであって、大学全体といっても教育のやり方は学部ごとに多くはばらばらです。ですから、大学の実態に即せば、学部単位で評価することが必要です。だからこそ、データプラットフォームが必要だということも必然的に出てくるはずですね。すべてが、かなり必然的に出てくるのではないかと思います。
そうすると、公表・活用の部分で、ポジティブな公表・活用というか、例えば3つ星とか2つ星がついたら、資源配分という面でも、文部科学省としてちゃんとそういう学部に対して資源配分をしていくというような、あるいは公表についても、受験産業も含め、こういう実践に対して全国の高校生に対してアピールしていくというような積極的な公表や活用の方針を、文部科学省として出していくべきではないかと思います。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。事務局よろしいでしょうか、こういう感じで進めていって。では、多委員お願いします。
【多委員】 ありがとうございます。まずもってこのたびの取りまとめに際しまして御尽力をいただきました森委員はじめ、ワーキンググループの皆様、また事務局の皆様に御礼を申し上げます。ありがとうございました。
その上で、1点だけ質問をさせていただきたいと思います。概要のほうを拝読いたしますと、新たな評価の在り方として、機関別認証評価と分野別認証評価の統合を図ることで、持続可能な高等教育の評価へ転換していくという旨が記されておりますが、この統合に当たって、機関別と分野別の評価のバランス、割合、こういったものを現状でどう考えているのかということについてお聞きしたいと思います。
例えば、専門職大学においてはそれぞれの学位プログラムはもとより、例えば産業界との連携の機能、また、実務家教員の配置、あるいは臨地実務実習の実施といった専門職大学固有の設置基準に基づきまして、業種や職種ごとに評価する必要性があることから、分野別認証評価が重要視され義務化に至ったわけであります。
こうしたことから、専門職大学においては、従来の分野別認証評価の実施によって、実践的な職業教育の質というものを担保して、ひいてはさきの知の総和答申において専門職大学の役割として示されました成長が見込まれる分野で、また複雑化する地域課題の解決をリードしていく、実践力や創造力を兼ね備えた専門職業人の育成を実現に導くものと考えております。
こうしたことを踏まえまして、新たな評価の在り方として、機関別と分野別の評価のバランスをどう考えていらっしゃるのか。全て一律なのか、あるいは学校種別にバランスを変えていくのか。こうしたことについて現時点での文部科学省のお考えを御教示いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。濱中委員、お願いします。
【濱中委員】 ワーキンググループの皆様、そして文部科学省の皆様、取りまとめにかかった皆様に感謝申し上げます。先日、質向上・質保証システム部会でも発言をさせていただいた内容ですが、制度の実効性という観点から、改めて1点申し上げたいと思います。学部等の単位で教育の質を見ていく方向性自体は重要だと考えております。ただし、新たな評価制度を設計するのであれば、理念や評価の観点だけでなく、制度が実際に運用可能なのかどうかを示す数字というものが必要だと考えております。評価の対象となる学部等が全国で何単位あるのか、6年周期であれば年間何件の評価が発生するのか、何人の評価者が必要で、その評価者を本当に確保できるのか、さらに、標準作業時間、謝金、業務軽減、事務局支援をどう設計するのか。ここが見えないままでは、制度の実現可能性を判断することは難しいと思います。学部等の単位の評価は、専門分野の教員であれば誰でもできるようなものではありません。教育課程、学修成果、内部質保証、組織運営を読み解き、教育成果が個別教員の努力によるものなのか、組織的・継続的な仕組みによるものなのかを判断する必要があります。これは、非常に高度な専門的労働です。その点で、評価者の待遇を曖昧にしたまま制度を拡張することには、慎重であるべきです。
書類の読み込み、評価表の作成、訪問調査、合議、報告書の確認まで含めれば、評価には相当な時間と専門性を要します。それを大学教員の善意や、事実上の持ち出し労働に依存してよいのかという点は、慎重に考える必要があります。専門的な判断を求めるのであれば、それにふさわしい処遇、業務軽減、事務局支援を制度として用意する必要があります。これは現在の大学教員の負担の問題にはとどまりません。今、制度をつくるということは、その制度を次の世代の研究者、大学教員に引き渡すということでもあります。これは単なる負担軽減の話ではなく、今後の若い研究者や、大学教員に何を本来の仕事として担わせ、どのような処遇の下で、何に貴重な時間を使わせるのかという問題です。数字と資源の裏づけがなければ、評価は形式化するか、一部の善意ある人に過重な負担が集中することになります。評価制度の実効性は、評価される側だけではなく、評価する側の専門性、時間、処遇によって支えられています。次の世代に持続可能な評価制度として引き渡すためにも、この点を大学分科会として確認しておく必要があると思います。よろしくお願いいたします。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。それでは、橋本委員、お願いします。
【橋本副分科会長】 まず、ワーキンググループの皆さんに感謝申し上げたいと思います。大変多角的な観点から御検討いただいたと思います。
評価結果の発信に関して2点ほど、評価結果を活用する側の観点からちょっと申し上げたいのですが、1つは、一般の高校生や保護者が、自分がどこの大学が合っているかとか、どんなことが期待できるかということを判断するための材料のひとつだと思いますので、一定の共通の視点、フォーマットで、具体的には学修成果とか、学生の成長実感、あるいはキャリア形成といったもので評価を見ていくという、そういう視点が必要です。
もう一方で気になるのは、大学が持っている多様性とか独自性についてどう評価するかという点です。今、実際に研究大学や地域産業人材の育成に注力している大学、専門職大学、あるいはリベラルアーツを頑張っている大学など、いろんな特色のある大学がありますので、一定の共通指標によって一覧性や比較性を確保しつつも、そういった大学の独自の教育理念、特色ある教育、地域との関係などを、学生の成長事例なども含めて、主体的に大学が発信できる余地を残していくことも大事かなと思います。
民間においても比較サイトというものがあるわけですけども、やはり利用者というのは一定の基準で比較しつつも、最終的には企業や店舗の特徴とか強みに魅力を感じて選択をしています。そのため、共通指標は入り口として重要ですけども、一方で決定要因としての独自性を提供していく、そういった評価も必要かなと思います。
それともう1点は、プラットフォームのことなんですけども、社会に分かりやすく説明するためにプラットフォームをつくるということは大事なことだと思います。ただ、今、こういったプラットフォームというのは随分進化をしていますし、日々どんどん新しいものへと変わっていっています。また、AI技術がさらに進化して求められるデータなどはこれからも変化していきますから、情報の見せ方なども大きく変わっていくと思います。そういう意味では利用開始時点で完成形を目指すというのはあまり実効性のあるものではなく、やはり走りながら考えていくというか、実際の利用状況とか利用者の声をしっかり聞き取りながらアジャイルに中身を変えていくという、こういう姿勢は絶対必要かなと思います。
我々、企業の人間としては、ホームページをはじめとして様々に情報発信をしておりますが、一番大事なことは、使う側が見やすいか、あるいは探しやすいかという点です。情報の発信側が何を載せたいか、何を伝えたいかということではなく、情報の受け手側が何を知りたいか、あるいはどんなふうに見えているかという、いわゆるユーザーインターフェースとか、ユーザーエクスペリエンスという観点で発信をしないと見てくれないわけです。そういう意味では、このプラットフォームも、単なる大学案内ということではなくて、教育成果とか特色を社会にしっかりと発信して大学自身が理解と信頼を深めるためのコミュニケーションの基盤としてどうそれを使っていくかという、こういう基本的な考え方が大事かと思います。
そういう意味では、今回の制度改革というのは、評価の見直しという、そういう問題だけではなくて、大学教育に対する社会の理解と信頼を高めていくという試みだと理解していますので、プラットフォームにつきましても、ぜひ、開始後も継続的にブラッシュアップを目指すと、こういう方針で臨んでいただきたいなと思います。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。大森委員、お願いします。
【大森委員】 ありがとうございます。皆さん、こんにちは。今日、教育の現場を見たいということでオランダに来ていまして、オンラインで失礼いたします。すいません。
方向性、本当にすばらしくて、やっとここに来たという。学生の成長ということに視点を当てるということ、新しい大学への国民を巻き込んだ見方というものがここから生まれていくことに本当に期待をしているところで、本当にワーキンググループの皆さん、ありがとうございます。
私から3点ですけれども、細かい表現も含めてなのですが、1つは学部ごとにというのは、これやっぱり学位プログラムが日本の場合、多くの場合、学部に置かれているということが、なので、学部単位だと思うので、今日御説明の中で、学生に近い単位なのでという御説明があったのですが、というよりは、やっぱり学位、我々はDP(ディプロマ・ポリシー)を達成できるかということに4年間注力していくんだということから踏まえると、そういう表現のほうがよりいいのかなと思ったということが1点です。
それから、もう1点は、教学マネジメント指針の下で我々これまで教育改革をやってきましたし、PDCAを回してきたと理解しています。そことの整合性みたいなことでいうと、本文を読むと非常に丁寧に書かれているのですが、概要になったときに、学修成果という言葉は使われずに教育成果で統一がされているというところ。でもやっぱり学修者主体の学びということは、学修成果ということが非常に重視されていいのかなと思っているので、その辺、誤解なきよう、概要をまとめる、概要ってやっぱりすごく影響力があるので、というところと、表現の中に教員による直接評価と学生による間接評価とあったのですが、これ直接評価と間接評価は、評価者が誰かに依存するのではなくて、その評価の在り方に依存すると理解していますので、これも各大学が誤解をしてしまいかねないので、エビデンスとちゃんと基準があって評価をしていくことが直接評価なのであってというところをきちんと分かりやすく、教員がやればいいんだというふうになるのではなくてというところを大事にしていただけるとありがたいなと思いました。
3点目です。21の学問分野でというところも、参考資料を拝見すると、例えば学際学部に対しても非常に配慮のある表現になっていって、分かりはいいのですが、もう少し議論を進めていただく必要があるのかなとは正直思っているところです。やっぱり1つのディシプリンでやっている学部と複数の学問分野が混合している学部とで、あるいは研究主体の大学、どっちがいい悪いじゃなくて、人材育成を主力に置いている大学とで、同じ学問分野であってもやっぱりカリキュラムも違うし、目指すところが違うという中で、あまりアカデミック、何ていうか、学びということにフォーカスしてきているのに、この学問分野が出てきたことによってちょっとアカデミックに引っ張り、アカデミックが悪いわけじゃないのですが、引っ張り戻されるというか、そうならないようなことというのをちゃんと評価者の研修含めてやっていかないといけないのかな。アカデミズム至上主義みたいなものに戻っていかないようにしなきゃいけないなと思っているところです。
それと、学問分野で見ていったときに、設置のときに付された幾つかの学問分野で見るとしたときに、かなり古い段階で学部を設置しているような学部もたくさんあると、当時そういう発想になくて、複数分野入っていても1つしか分野は付されてないみたいなケースもあって、現状の、つまり申告して、うちはこの分野で見てもらいたいと申告するのか。何か申請書に、古い申請書に書かれている分野で見てもらうのかみたいなテクニカルなところも御検討いただけるといいのかなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。
上田委員、お願いします。
【上田委員】 ありがとうございます。ワーキンググループの皆さん、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。本当に教育成果を、質の保証の観点から評価の対象になると。そして公開されるということは本当に期待が持てるような提案だと思いました。
1点コメントと1点質問がございます。まずコメントのほうですけども、やはりデータプラットフォームが私は本当に物すごく設置が期待できるところだなと思っております。やはりこれがうまいこと動いて、一度入力すると、あとは例えば学校の自己点検のタイミングで更新するというようなことを繰り返していくことで、例えば徒労感も減ったりとか、更新の経緯が教育システムの改善のエビデンスにもなるというような効果も図られるかなと思います。このデータプラットフォームが、評価だけではなく、各大学、各高等教育機関で活用できるようなプラットフォームになればいいと考えております。
1点質問ですが、私ども高専のような学部がない小さな高等教育機関での新たな評価の対象単位というのは学科という認識でいいのか、ということが質問でございます。
以上になります。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。平子委員、お願いします。
【平子委員】 ありがとうございます。まずワーキンググループの皆さん、大変お疲れさまでした。私は「知の総和」答申にも関わったこともありまして、まさに1人当たりの知の総和をどうやって伸ばしていくのか、これが日本の未来を左右すると思っておりますので、今回、その根幹であります質の保証と向上についての具体策をこのような形でまとめていただき、大きく賛同するものです。
先ほど橋本委員がおっしゃっていたとおりですが、アウトプットを誰が使うのかということは非常に重要なポイントだと思っています。特に、入り口としての大学を受験しようとする学生あるいはそのご両親による利用はもちろんのこと、出口としての企業や団体組織が、大学教育を受けた人材をどう活用していくのかにうまくつながらないと1人当たりの知の総和は増えていかないと思います。そのような狙いのための学部単位の評価であり、直接評価、間接評価、社会からの評価の、組合せによる総合評価だと理解しています。
そのような大きな車輪をまずは回し始めることが大事だと思います。
一方で、仕組みが複雑化すればするほど評価が難しくなることにも同意します。ですので、この大きな車輪を回すために活用していくべきものはデータプラットフォームであり、 AIの活用も今後視野に入れるべきだと思います。AIを実用化するためにはまだ多くの問題がありますが、短い期間でこれだけ進化していますので、2030年を1つの起点とするのであれば、公正な、信頼に足る評価のためにどういう形で活用するのか、考慮する余地があるのではないでしょうか。そこも含めて大きな車輪の第一歩を回していただきたいと思います。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。山口委員、お願いします。
【山口委員】 皆さん、お疲れさまです。佐賀県知事の山口祥義です。私からは2点申し上げたいと思います。
1点目は、念押しみたいな形になるわけですけれども、伝統的な構成の学部だけではなくて、今後出てくる新しい形の学部にも対応した評価方法を考えていただきたいということです。文理融合だったり、学際教育だったり、リベラルアーツだったり、そういったものを重視する学部が近年増加しております。こうした学部をピア・レビューする際には、異なる学問領域の複数の研究者がチェックするということになるんでしょうけれども、関係する複数の分野の観点から評価するというだけではこれらの新たな学びへの挑戦を適切に評価できるのかと心配になります。
複数の学問領域を混ぜた側の学部側の意図、真意を評価者側も理解した上で評価することが大切であると思っています。例えて言いますと、おいしいピザを作ったのに、評価するほうは、ハムとかオニオンの個別の評価だったり、切り方だったり、これ全体で食べているとこんなにおいしいのになって、そんなふうに思ったりされないように、難しいですけどね、評価するというのは。ただ、そういう観点ってとても大事だろうと思っております。
2点目は問題提起です。地方大学は地域構想推進プラットフォーム、佐賀県でもやっていますけれども、産業界、医療、福祉界と意思疎通して、地域で求められる人材を育成することを目指しております。それが適切に評価される仕組みであるべきというものです。
地域で求められる人材というのは、その地域ごとのニーズや課題によって様々です。そして養成する人材像というのは地域によっても異なっています。全国知事会で知事同士で話しても全くそれぞれ様相が違うので、それを何となく一律的にやられると、分かってほしいなという気持ちになると思います。
評価機関、ピア・レビュー側については、全国一律の物差しということになるのかもしれませんけれども、そこの問題点というのをしっかりと意識してもらいたいと思います。評価側、評価者が地域の事情に精通しているわけではないことですから、地方大学の養成する人材像と評価者側が重視するポイントにずれが生じるのではないかなと懸念しております。
ということで、まとめて申し上げますと、新たな学部形態、そしてそれぞれの地方における取組を適切に評価していくという観点からもさらなる御検討をお願いします。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。栗本委員、お願いします。
【栗本委員】 栗本です。ありがとうございます。森委員はじめ、事務方の鈴木様、ワーキンググループでの取りまとめありがとうございます。
第一印象としまして、新たな評価に質保証と質向上の2つの要素が盛り込まれている点が大変すばらしいと感じました。強く賛同したいと思います。単に設置基準を満たしているか?という点検作業にとどまらず、教育課程が前回評価からどう改善したのか?といった伸びしろを問い、質向上を促す問いかけを評価項目として盛り込むことが特に重要だと考えております。
その上で、国内外の認証評価の委員としての経験を踏まえて3点ほどコメントさせてください。
1点目はソーシャルインパクトの観点です。学習環境の質向上の観点として、学生の成長を促す産学連携や国際連携といった外部との接点を整備して、社会的に影響を与える教育を実施する戦略的な取組に光が当たるとよいのではないでしょうか。内部の教育資源も大切ですが、外部との接点をどのように活用して教育を提供しているのか、といった視点も重要ではないでしょうか。質問項目の例示でも良いと思います。
2点目は、他の委員が御指摘された評価体制についてです。国内には400種類以上の学部が存在するため、機関認証からプログラム認証に変化するにあたり、評価員の確保が課題になると思います。
したがって、基礎的な質保証の点検項目については、例えばですが、チェックリスト方式を組み合わせて簡素化する手法を取り入れることも御検討されてはいかがでしょうか。欧州の国際認証でも採用されており、御検討されるとよいのではないかと思います。また学位の種類に関しても、
文部科学省が定める21種類の学位領域に対して、国内では700種類以上の学位が存在します。しかもその7割は1つの大学でしか使われていないオリジナル学位です。1つの大学にしか存在しない学位をどう評価したらよいのか、審査員も戸惑うのではないでしょうか。今回の新たな評価が過度に細分化された学部名や学位名を大学が主体的に見直すきっかけとなればと考えております。
3点目は今回まだ議論中かと思われますが、大学院研究科の取扱いです。学士課程のみの教育機関よりも、修士課程さらに博士課程まで設置する研究機関としての色彩が強い場合には、研究指導体制に関するより高めのボールを審査員が投げられるようにすべきではないでしょうか。博士課程を設置する研究機関の質保証に違和感を覚えても、質向上に向けた提言を出せないという、もどかしい場面を何度か経験したことがあります。
したがって、ある程度高いボールを投げられるようにするのも1つの質保証の観点でよろしいのではないでしょうか。
森先生、ぜひ今後も新たな制度設計よろしくお願いいたします。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。北畑委員、お願いします。
【北畑委員】 ワーキンググループの大変立派な成果を評価したいと思います。大げさに言えば、戦後80年、新制大学以来の大改革につながるのではないかなと期待をいたしておりまして、大賛成をしたいと思います。
それで、いろいろ課題があることは各委員おっしゃったとおりだと思うのですが、橋本委員も言われたように、走りながら検討するということにならざるを得ないし、それでいいんだろうと私は思います。そして、大学の中だけで議論していると利害調整その他大変なことになると思うんですけれども、ステークホルダーですね、入り口は大学受験生、高校、高校生の保護者、それから出口のほうの産業界、に丁寧な説明をして賛同に回ってもらうということが必要だと思いました。
2020年の大学入試改革のとき、私が中学、高校の校長、理事長をやっていた時期でありまして、アクティブラーニングの実施などの準備をしていたのですが、最後の段階の政治判断で、採点の公平性が確保できないという理由で頓挫をしてしまって、ほとんど実現しなかった。今回はとにかく大改革ですから、スタートすることが重要なので、スタートはソフトランディングでいいと思います。
具体的に言いますと、星2つと星3つを区別する判断基準というのは難しいし、あまり杓子定規にやると、大学関係者の抵抗が物すごく大きくなると思います。公認会計士の質向上という観点から金融庁が監査法人の5段階評価をやっているのですが、5点取っている監査法人はゼロです。みんながまだ改革の余地があるということになっています。私は星3つはスタート段階ゼロでもいいと思います。金、銀、鋼と最初の段階で言われたときにこれは大変だなと思いました。金メダルが3割、銀メダルが3割、銅メダルが3割、くず鉄が1割では、大騒ぎになってしまうと思いました。
勝手なイメージですが、星の配分ですね。文部科学省もまだ考えてないとおっしゃるかもしれませんが、星3つが1割、星2つが1割、星1つが7割、ゼロが1割と。そんなところでスタートするのがいいんじゃないでしょうか。場合によっては初年度はみんな星1つ。その後、皆さんの納得が得られる事例が出てくれば、これは確かに星2つだなとか、星3つだなという前例、相場感が出てきてから、星1つの大学の評価が上がっていくというような運用でも良いと思います。妥協のし過ぎかもしれませんけれども、とにかくスタートさせるためのソフトランディングの知恵をお願いしたい。入口と出口のステークホルダーに応援をしてもらうこと、ソフトランディングをすること、走りながら徐々に改善していくということでいいと思います。とにかくこの制度を実現していただきたいというのが私の意見でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。あと、古沢委員、松下委員、髙宮委員の3名が残っておりますので、まず古沢委員、お願いします。
【古沢委員】 ありがとうございます。私も入学後の成長にスポットを当てるというのは非常にいい取組で、機能すれば本当に大きな変革につながると思います。橋本委員も御指摘されていましたけれど、大学の外から見ると、大学の教育とか質というのは分かりづらい面がありまして、例えばパンフレットを読んでいても、いろんな取組が紹介されていても、それがどのくらいの学生を対象にしているのかとか、どのぐらい実施されているのかって分かりづらい面があると思います。いろいろ判断のポイントとして、この資料のまとめの47ページに判断のポイントというのがありますけれども、直接評価をしっかりやっていただくのは当然として、間接評価で全国学生調査とか就職先への調査などが挙げられていて、ぜひそういう視点も生かしていただきたいと思います。現状、全国学生調査、実施状況は大学に委ねられている面があると思うのですが、規模とか方式もまちまちなので、もしこういう正式な評価に使われる場合は、一定の基準を示していただいて実施を徹底していただくと非常に有効ではないかと思います。
学生に聞く場合も、抽象的な満足度ではやはり説得力には欠けると思うので、できるだけ具体的な教育の質が分かるような評価の軸というのも設定していただきたいと思います。例えば、少人数教育、少人数の授業がどのぐらいされているかとか、ゼミの設置状況とか、あるいは最近フィールドワークや実習をやる大学も増えていますけど、そういった経験や留学、教員との、あるいは学生同士の意見交換がどのぐらい行われているかとか、そういうことが分かれば、外から受験したいとか、保護者などにとっても役に立つのではないかと思います。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。松下委員、お願いします。
【松下委員】 お取りまとめありがとうございました。この4月に財政制度等審議会財政制度分科会が2040年までに私立大学を250校削減するという案を出して、社会、そして特に大学関係者に大きな衝撃を与えました。それに対して文部科学省もすぐに見解を示されましたけれども、この新たな評価というのは、教育の質の高い大学が生き残れるようにする、そのための仕組みであろうと考えています。そういった点からみれば意味のある制度だと思いますが、なかなかまだこのことが理解されてないように思います。
ただ、実施においては、幾つかこれから考えていただかないといけないところがあるかなと思います。先ほど濱中委員がおっしゃったリソースのことはもちろんのことなんですが、それ以外のことでいくつか簡単に申し上げたいと思います。
1つは、やはり4段階評価いうことで、段階別評価の結果が非常に重要になるということです。特にこれの結果を資源配分にも結びつけられるということになりますと、非常に大学にとってクリティカルになる。その場合に、学問分野や大学のタイプを超えて、4段階で評価するということは非常に難しいであろうと思います。評価基準をどう設定するか、そして、評価基準、評価の結果が違ったときに、それをどう調整、モデレーションするか、あるいは評価基準合わせ、キャリブレーションをどう行うかということですね。その辺りのことをこれから詰めていかないといけないかなと思います。
2点目に、古沢委員もおっしゃった全国学生調査の件ですが、全国学生調査は幾つかの実態を聞くような項目、そして、○○力というふうなものに関するような自己の獲得感、成長感を尋ねるような項目といったように幾つかのタイプの項目が入っています。特に○○力をどのぐらい身につけたかということに関する項目は、間接評価になっている点に注意が必要です。先ほど大森委員がおっしゃったとおりで、間接評価というのは、教育の質を示すデータとしては限界があるというのが評価関係者ではかなり言われているところです。成長すると自分に対する評価が厳しくなって、力は向上していても逆に評価が下がることもあります。ですので、やはり直接評価と間接評価をうまく組み合わせていただくことが不可欠だと思います。
昨年、試行調査の結果が公表されまして、非常にインパクトがありました。ただそのとき回収率がばらばらだったり、誤差がかなり大きいのに小数点以下第3位まで順位づけがされていたり、そういったちょっと統計的に見てどうなのかなと思われる公表の仕方になっていたように思います。
ですので、今回公表されるときは、その辺りのことをしっかり吟味されてから公表されるようにということをお願いしたいと思います。
3点目は、要是正の扱いです。先ほど要是正になった場合は改善を促して、また改めて評価をするというお話でした。学部単位ですが、機関として改めて評価をされるということですね。その辺りのことを、何回まで改善が認められるのかとか、これからさらに明確化していただかないと非常に不安に陥るところも多いんじゃないかなと思います。
4点目は、これまで全く出てこなかったことなんですけれども、通信制大学の扱いはどうなるのかということももし考えておられたら、回答をお願いします。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。髙宮委員、お願いします。
【髙宮委員】 ありがとうございます。まず最初におまとめくださったワーキンググループの方々と文部科学省の方々、労作を誠にありがとうございました。非常に分かりやすく簡潔にまとめられて論点も絞れてきたように思っております。
2点ほど質問がございます。1つは、やはり濱中委員もおっしゃっていたのですが、これにかかる労力とコストの問題でして、例えば今回の改正の問題点にも徒労感という言葉が出ておりましたけれども、実際にはその背景には非常に大きな労力を費やして認証評価に対応しているという気持ちが大学や教員の中にあったのではないかと思います。
今回、非常に内容、優れた案がたくさん盛り込まれておりますけれども、やはり学部別の評価のようなものも組み込まれたり、その他いろいろな観点が組み込まれることによって大きく労力とコストがかかるのではないかと予想されます。もしもそのコストをあまり上げずにこれだけのことをやろうと思った場合に教員負担が大きくなるわけで、それはともするとほかの通常の教育活動や研究活動に大きな負荷になってしまうという結果はこれまでも十分教員は感じてきたのではないかと思います。
そこで、かつての知の総和答申の最後の頃にも経済的な評価はしてみようよという項目が入っていたと思いますから、これを実行に移す前に果たしてどこまでやった場合にどのぐらいのコストレイバーがかかるのかということ、それにどのくらいかける全体的な価値があるのかということをあらかじめ見積もっていただけたらなと思ったんですけれども、それに関する何かしら目安はお持ちかどうか、1つ質問させていただきたいと思っております。
2点目の質問は、端的に申しますと、やっぱり相対と絶対の問題、評価の問題ということになりますでしょうか。先ほどから出てきましたように、今回の評価の案の最大のポイントの1つが、学生目線から、学生がどのくらい入学したときから卒業するまでに成長できたのかということを積極的に評価しようということでありまして、これは実に今までにはっきりしなかったすばらしい評価軸であると思っております。
他方、これは非常に相対的な評価でして、個別の事情もいっぱい関わってくるものではないかと思います。
他方で、先ほど大森委員も指摘なさいましたように、片やではもっと全国的一律な評価であるとかアカデミズム的な評価というのも考慮せずにはいられない部分というのも学部別評価の中には恐らく含まれてきますので、こうした全体評価、絶対評価と、非常にここで重視していくべきとされている成長、どのぐらい成長したかという評価について、どんなふうにすり合わせていくというアイデアをお持ちなのかというのをちょっとお伺いしたいと思いました。
非常に優れたアイデアとしてデータプラットフォームが述べられておりましたので、ここでの表現方法等々も含めまして御教示いただけましたら幸いです。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。いろいろな御意見、御質問ありましたけれども、重なっている部分もあると思いますので、それでは事務局のほうからまとめて御発言いただければと思います。
【鈴木大学設置・評価室長】 闊達な御意見、御質問ありがとうございます。まず、多くの委員の先生から御質問のありました負担について御説明をさせていただきます。もちろん大学全体から学部単位まで評価をしていくということになりますので、その中で当然レイヤーを下げているわけでございますので、そこの負担をどう考えていくのかということは非常に重要だと考えてございます。我々といたしましても、もちろんワーキングの中でも、いわゆる学部・学科、研究科の数を当然横目に置きながら議論をしてきたところでございまして、その中で、負担をどう効果的・効率的に評価を回していくかという中で、1つは、まず評価の項目について、教育の質というところに精選を図っていくということが1つ。
2つ目が、評価のいわゆる合理的に回していくためにも、やっぱりプラットフォームを構築して、そこのいわゆる評価者が本当に評価に必要なところを見ていくということをしていくというのが2つ。
評価者をどう確保していくのかというところについては、そこについては、我々も必ずしも評価機関に委ねるだけではなくて、文部科学省のほうも公正・公平な評価をするために、評価者をどう考えていくべきか、そこはまさに評価機関と一緒になって考えていく必要があるだろうと考えているところでございます。
ですので、もちろん今いただいた御懸念等、重々、ワーキングの中でも議論してきましたので、そこについてはそれを踏まえた上での制度設計を構築していきたいと考えてございます。
2つ目は、いわゆる各大学、短期大学、それぞれ機能、役割がそれぞれ違うのではないかという中で、それをどう評価していくんだということを御指摘あったかと思います。それにつきましては、我々といたしましては、教育成果を図っていくという中で、いわゆる各大学、短期大学が掲げるディプロマ・ポリシーに沿った資質・能力を身につけているかどうかというところをまさに評価していくということを考えています。
なので、ディプロマ・ポリシーというのは、各大学で地域の声とか聞きながら構成しているものだと我々認識しておりますので、地域の中で求められる人材像を加味した上でディプロマ・ポリシーを定めるわけであると認識しております。まさにそういう地域の声を聞きながら、求められている役割を掲げたディプロマ・ポリシーをちゃんと達成できているかどうかというところを我々としては評価をしていきたいと考えております。
なので、必ずしも我々としましては、全て大学が紋切り型で全て同じと考えていなくて、当然大学の多様性を加味した上で、我々としてはこの評価を実施していきたいと考えているところでございます。
あわせて、益戸委員のほうからは大学の教員の学び直しの話があったかと思いますけども、これについては、いわゆる教育の質のところの保証のところで、まさに教員の状況についても評価していくということで、その中で、教員が常に新しい知識、いわゆる知見等を学んでいくというところも含めて評価をしていくことが必要だなと思ってございますので、そういうところを評価の項目としては加えているところでございます。
あわせて、さっき内部監査のレポートを利用するということについても、基本的には我々、大学については、自己点検評価を踏まえた上で評価をしていくということを想定してございますので、まさに大学で自己点検をして、それを評価項目、基準、質向上の視点できちんと明示していただいた上でそれを新しい評価で評価していくということを我々としては考えているところでございます。
あわせて、評価結果の公表につきましては、もちろん我々としてももうちょっとどういうふうに評価結果を公表していくことが社会に対してポジティブなのかというところもあるかと思いますので、そこについては引き続き検討してまいりたいと思ってございます。
あわせて、機関別認証評価と専門、分野別認証評価のバランスでございますけども、まさに今、専門職大学、専門職大学院については、分野別認証評価と機関別認証評価、両方受けているわけでございますので、今回、分野別認証評価で見ている教育という実践のところをまさに機関別の中でも見て、学部の中で見ていくというものでございますので、その解消という意味で、まさに両方、今見ているものを1つにしていくということで我々としては考えているところでございます。
あわせて、いろいろ間接評価と直接評価の言葉の使い方につきましては、そこについては改めて、大学評価機関に対して、きちんと整理した上で伝えていきたいと思ってございますし、あとは、学問分野につきましても、当然これまでの学問分野だけでなく学科、学位の分野という中で、それぞれ新しいものもあれば、当然これまでどおりのものもある中で、我々といたしましては、ここに書いてある21の分野をちゃんと学位、それぞれ今の学部・学科について、学位の分野をきちんと割り振った上で評価をしていくということを考えてございます。
そもそも大学を設置するに当たっては、自分たちの学部というものがどの学位の分野に属しているかということを明確にして審査してございます。いまだ振られてないものにつきましても、きちんとこの後、割り振った上で、学位の分野にのっとった形での評価をしていきたいと考えているところでございます。
あわせて高専につきましては、学科で評価するのかということにつきましては、まさにおっしゃるとおりで学科で評価していきますし、あと、併せて通信制大学につきましては、ここについてもまさに新しい評価の中で評価をしていくと考えているところでございます。そこについては、通信制の中の当然学部等があれば、その学部ごとに評価をしていくということを我々としては考えているところでございます。
あわせて段階別の評価につきましては、段階別のつけ方、目線合わせについては我々は必要だと思ってございます。この報告書の中でも、評価機関が仮に複数ある場合につきましては、まず評価の前にきちんと基準と方向性について目線合わせをした上で評価をしていくという調整組織を設けたいと考えているところでございます。
最後、志賀委員から、これをいつスタートするのかというところでございますけども、ここについては、我々といたしましては想定しているのは2030年を目途にこの評価制度をスタートさせたいと思っているところでございます。2035年にいわゆる高等教育に入学する数がこれから急激に減っていく時期が訪れます。その中で、まさに2035年をターゲットイヤーとして、それまでに新しい評価で教育の質をきちんと可視化していくということが必要なのではないかと思っているところでございます。
そう考えますと、2030年にスタートすれば2035年度に評価結果が出そろうということでございますので、まさに人口減少の中で、新しい評価の中の1サイクルを回した上で、新しい学生が、学生や社会が大学に対して、教育の質が高いのはどこかということを可視化した中で、高等教育を展開していきたいと考えているところでございます。
ちょっと漏れているかもしれませんけども、私からは以上です。
【石橋大学振興課長】 続けてよろしいですか。申し訳ございません。今鈴木が説明した部分以外のところについてフォローさせていただきます。
まず大学院に関しましては、和田副分科会長言ってくださっていますけれども、大学院部会のほうで一旦議論をスタートさせていただいております。これに関しましては、一旦大学院部会は議論を終わっておりますので、これをまた評価のワーキングのほうで議論を続けて整理を続けていきたいと考えております。
あと、全国学生調査についてもコメントいただきましてありがとうございました。おっしゃるとおり非常に大事でございまして、現在92%の大学が参加してくださっているという状況でございますけども、実際これを間接評価の一環として使っていくことを準備していきたいと思いますので、そのときには各大学がこれを使って新たな評価に参加していただくという形でしていきたいなと思っております。
私からの追加は以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございました。分科会長からもお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
グランドデザイン答申から知の総和答申へとかけて、ずっと大きく2つの流れがあって、1つは学修者本位ということと、もう一つは学位プログラムという観点だったと思います。両方合わせて、単に結果だけではなくてプロセスを見ていこうというのが非常に大きな視点だったと思っています。それがようやく具体的な形を取ってきつつあるので、いろいろと確かに難しいところあると思いますけれども、調整しながら進めていっていただければと思います。ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
それでは、次に進めたいと思います。続いて、「(3)大学の量的規模適正化総合施策及び高校から大学・大学院等を通した人材育成システム改革ビジョン」についてです。事務局、説明をお願いいたします。
【寺坂高等教育政策室長】 高等教育政策室長の寺坂でございます。資料3に基づいて御説明させていただきます。
本年2月の大学分科会におきまして、現内閣で検討を進めております日本成長戦略に関しまして、文部科学大臣が主査を務めて、関係省庁と連携をして議論を進める人材育成分科会の検討状況について御報告したところでございます。
その後検討を進めまして、高等教育に関しまして、大学の規模適正化と機能強化を一体的に進めるための施策を講じることとし、またその内容も踏まえまして、4月に人材育成分科会として、人材育成システム改革ビジョンとして取りまとめを行っておりますので、報告をさせていただきます。
まず、大学の規模適正化と機能強化の一体的な実施につきまして、2ページから御覧いただければと思います。2月に御説明した内容も一部含まれてございますけれども、我が国の高等教育の現状と課題といたしまして、上のグラフにございますように、義務教育修了段階までに培う科学的・数学的なリテラシーが国際的にもトップレベルである一方、高校、大学、大学院とそのポテンシャルを生かし切れておらず、高校段階において早期に文理に分かれて、高校生全体の約半分が普通科文系となってございまして、その後、理数科目から離れてしまうという状況になってございます。また、大学・大学院と理工系を選択する数も先細っておりまして、特に女性においてそのギャップが大きい状況ということになってございます。
また、下のグラフでございますけれども、社会における人材需要とのミスマッチというところで見ますと、2040年にはAI・ロボット等の利活用を担う人材、また現場人材が大幅に不足をする一方で、事務職が大きな余剰となるということが推計されてございます。
また、学歴というところで御覧いただきますと、専門高校、高専、大卒・院卒理系の不足が見込まれる一方、普通科高校、大卒・院卒文系の余剰などのミスマッチが生じるということが見込まれているということでございます。
このような状況を改善するために、3ページの左側にございますように、学生数が減少する中でも、理系のシェアを増大することを目指して取組を進めていくこととしてございますが、そのためには、右側にございますような高等教育の構造に着目する必要があると考えてございます。こちらも2月に御紹介をしてございますけれども、大学校設立時期に応じてグループ分けをしたものでございますけれども、1959年までに設立をされた第1世代大学において、私学について見てみますと、理系の割合がほかの世代に比べて低いという状況、また学生の多くが大都市圏に所在をし、女子学生の割合も比較的低いという状況になってございます。
一方で比較的新しい時期に設立をされた第4世代大学、第3世代大学等を見ますと、理系の割合が高く、大都市圏以外の学生の割合、また女子学生の割合も高いという状況になってございます。
このまま何もせずに2040年に向けて学生が3割減少するということになった場合に、均等に各世代の大学の定員が減少するというよりは、むしろ経営状況の厳しい地方大学が撤退するリスクが高いという状況になってしまうということを踏まえる必要がございます。
さらに4ページでございますけれども、地域別の視点で見た場合に、各地域によって不足する人材の規模は必ずしも同じというわけではございませんで、地域別の状況を踏まえて対応する必要があるという状況になってございます。
加えて5ページにございますように、大学進学時に東京を中心に大都市圏への流入超過が起きておりまして、人口減少と相まって地域の大学の状況は非常に厳しいということが見込まれてございます。
5ページ右側の表については、その一例として東北大学の研究者の先生が分析をされたデータを載せてございますけれども、青森県におきましては、県内の大学への入学者が3,000人から2040年には2,000人を切るということでございまして、推計Ⅱのところにございますように、黄色の学部までが全て定員充足率が半分になるほどのインパクトが見込まれているという状況でございまして、この中でいかに地域を支える人材を確保していくかということが大きな課題になってくるということでございます。
このような状況を変えていくためには、6ページにございますように大学のみを変えるということではなくて、高校教育改革と大学教育改革を一体的に進めるということが必要になってございます。高校教育段階において理数を中心に学ぶ生徒の確保でありますとか、専門高校の機能強化、多様な学びの確保を進めるとともに、大学におきましても、大都市の私立大学の理工農・デジタル系の重視や、人文・社会系のST比改善等を通じた教育の質の向上、公立高専の設置促進や、地域に不可欠な人材の育成・確保を知事と学長が協議、実行するためのプラットフォームの構築等に取り組むこととしてございます。
さらに今後の急速な人口減少が私立大学の経営に与える影響は大きい状況でございまして、7ページの下のグラフにございますように、一定の仮定の下で、赤色とオレンジ色の部分でございますけれども、経営状況が厳しくなると予測される大学の数が2035年度以降急速に増えることが見込まれてございます。
この時期までに施策を講じなければ大学の閉鎖などが相次いで社会全体に悪影響を及ぼすおそれもあることから、8ページにございますように、2026年度、今年度から5年間を第Ⅰ期、その次を第Ⅱ期といたしまして、大学の量的規模適正化総合施策を講ずることとしてございます。
内容については、丸囲み数字2の部分に記載してございますけれども、先ほどの高校・大学一体的な改革のところに記載した内容と呼応するような各県の医療、福祉、産業、インフラ等を支える人材を確保する上で必要な高校・大学の在り方・規模の把握と、それに基づく分野・地域のリバランス、また大都市圏の大規模私学の理工、デジタル系への展開、また、人社系のダウンサイジング、理数併修による教育の質向上を位置づけてございますし、9ページにございますように、私立大学につきましては、経営体力がある段階での円滑な撤退の慫慂を行う、また国立大学につきましては、2028年から始まる第5期の中期目標期間に向け、理数・デジタル分野の強化でありますとか、学部から大学院へのシフトなど、各大学の構想の質を向上させていくということ。また、私立大学から公立大学への安易な転換が起こらないようにガイドラインを策定していくということ。さらに、一番下にございますように、専門高校と短期大学また大学等の教育課程の連携などによりまして、地域の実情に応じた社会人も含めた学びの機会の提供などに取り組むこととしてございます。
これらの内容につきましては、10ページ、11ページにございますように、今年度から計画期間が開始をいたします科学技術・イノベーション基本計画にも位置づけて政府全体の方針として進めていくこととしてございます。
こうした内容も踏まえまして、4月の人材育成分科会におきまして、15ページから概要を付けておりますけれども、「高校から大学・大学院等を通した人材育成システム改革ビジョン」として取りまとめを行ってございます。
15ページにはこれまで先ほど御説明申し上げたような課題を位置づけてございまして、こうした課題意識の下に、16ページにございますけれども、下側の丸囲み数字2の四角囲みにございますように、高校教育改革と連動した高等教育改革といたしまして、理工・デジタル系人材育成の強化、人社系の教育の質向上、海外留学など、国内外の多様性の中で価値を創造する人材育成の強化、また、地域を支える人材の育成、高等教育へのアクセス確保、高専の設置促進でございますとか、あと右側3番の四角囲みにあるリスキリングなど、量的規模適正化総合施策とも軌を一にした内容を位置づけたところでございます。
加えて17ページにございますように、新技術の研究及び社会実装を担う科学技術人材の育成でありますとか、産業イノベーションを牽引する研究大学群の形成などについてもこのビジョンで盛り込んだところでございます。
今後、このビジョンを踏まえまして、骨太の方針などとともに、日本成長戦略を政府全体の戦略として取りまとめをして各施策に反映していくこととしてございます。
説明は以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。この件につきましては、3回前でしたか、書面による意見聴取のところとかなりの部分が重なっていると思いますので、そのことを踏まえて、今、ぜひという御意見があれば御発言いただきたいと思いますが、もう4人手が挙がりました。では、志賀委員からお願いします。
【志賀委員】 時間がないので手短に申し上げます。まず、2点質問、1点意見です。まずお伺いしたいのは、1ページ目の、2ページ目か、経済産業省の指標というのは、医療、福祉、教員を含めた公務員といった企業でない職種を含まれる数字なのか、含まれるとしたらどこに分類されているのか教えていただきたい。質問を全部まとめてであるのであれば、仮にこの中に入ってないのであれば、3ページのところで福祉系とかが減らさないって書いてくださっておりますけど、教育とかは人社系なので、今後これらの就労人口も含めて、総合的にいなくてはならない分野の育成というものを安易に減らすのではなく、ちゃんと調査した上で比率を見直していただきたいということが1点質問です。
それから次に、経済産業省のこの数字って結構見るので、元ネタを調べてみますと、さらに業種ごとに分かれると、何と情報通信業という職種は余剰であるというふうな結果が出ています。2022年現在なので、ちょっと違いますけど。
つまり、我々は、今、理工系の推進ということで結構データサイエンスとか、それからデジタル分野と言っていますけど、その人材というのはもしかして余剰で、実際に必要なのは、もっと現場で機械を操作したり設計したりメンテナンスをしたりするような人材のほうが必要なのに、それについてはあんまり深く議論していなかったような気がします。
ですので、今後はこういった、一口に理系と言ってもいっぱいあるので、細かな分野を精査して、その学部の比重を高めることについて検討していく予定があるかどうかというのが2点目の質問です。
それから最後に、これは意見なので回答不要ですけれども、この資料の中で、地域の医療、福祉、産業、インフラの維持に不可欠な質の高い人材の安定的な養成、体制等の確保とあるので、これはぜひ進めていただきたい一方で、それに関して、結構産官学連携というものが強調されているんですけれども、大変言いづらいのですが、短絡的に何でもかんでも地域連携となるのは、ぜひ具体的施策においては御留意いただきたい。なぜかというと、エッセンシャルワーカー等資格を有する分野によっては、実習先であり就職先である分野、職種とは綿密な連携は必要不可欠でも、必ずしも地域連携の必要というのが感じられない職種もあります。そういった資格を取るのは過密なスケジュール編成において非常に負担がかかるということもあります。
何でこんなことを言うかというと、実は今年の私学助成においても、そういったエッセンシャルワーカーへの重点支援というのがあって、もらえると思っていたら、その要件の中で地域構想推進プラットフォームへの参画状況というのが要件に入っていまして、ほかの要件も検討しているって、私学助成課に言ったら、言っていただいたのでまあいいやとなったんですけれども、必ずしもそういったエッセンシャルワーカーを育成しているところが地域連携とかまでするとすごい負担になる場合があります。そうすると地道に地域貢献している大学が不利益になってしまう可能性もあるので、様々なそういった施策においてはいろいろな配慮をしていただきたいと思いますので、ぜひそこはよろしくお願いしたいと思います。
以上です。すいません、失礼しました。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。杉村委員、お願いします。
【杉村委員】 ありがとうございます。まず質保証・質向上システム部会の皆様にお礼を申し上げたいと思います。そのことと併せてですが、私からは、今の議題について2点申し上げたいと思います。
1点目は、高校との接続において人材育成を考えることの重要性です。学修者の視点に立つと、高校・大学は制度としては一見違うように見えますけれども、しかしながら、学び手にすると、ずっと学んできた、そして蓄えた力を高等教育としての大学につなげていくという意味では、ここは必ず連動して考えるべき点であると思います。先ほどの質保証・質向上の観点とも関連しますが、現在行われている中等教育における教育実践の価値をいま一度見直すことが肝要です。例えば探求学習ですとか総合的な学習の時間では、先ほどの質保証・質向上で求めているコンピテンシーやスキルも取り込んだ形でいろいろな教育実践がすでに行われていますので、そういったことをぜひこの高大連携のところでつなげていくことができれば良いと思いました。
それから2点目は、グローバル化、国際化との関連です。今回の資料の16ページにも、先ほど御説明いただいたとおり、高校教育改革と連動した海外留学や、地域探究など国内外の多様性の中でという文言を入れていただいています。これから日本を支えていく、あるいは経済成長を支えていくときに大変重要になってくるのが、国際通用性あるいは海外の教育システムとどう対峙していろんな力を発揮していくかという点であり、国内のバランスを取ることとともに、大変重要な観点であると考えます。
資料の23ページにある改革の方向性というところには、「成長力=労働量×人材力」となっている絵が載っていますが、その中に、まさに現場対応力とか問題設定力、判断力、社会実装力、キャリアオーナーシップ、構想力、そして新たな価値を生み出す力と文理融合に加えて世界で戦う力というのが入っています。今後は、この点をどう考えるかが大切なポイントになってくるように思います。
昨年、日本では、いわゆる国家枠組み資格、ナショナル・クオリフィケーショイン・フレームワークというのがつくられました。これは中等教育から高等教育、大学院まで貫くフレームワークですけど、海外ではそれを他国の枠組みと連動させて、自分の国で取った学位や資格がどのように国際通用性があるかということにも議論が及んでいます。
さらに、海外では、近年、学校で学んだことだけではなくて、就業経験を学位に換算していくということを始めている国もあります。具体的にはフランスや韓国やマレーシアですけれども、就労経験を、社会人のリスキリングのときに、どのように学位に置き換えて読み替え、さらに上の学位を目指すかといったような枠組みづくりも始まっています。こうしたことをふまえ、国際社会と対峙していくときの対応を考えていく必要があると思いました。
その意味では、高校というふうにここでは出てきていますけども、今は中高一貫校もありますし、それから高校を卒業してすぐ海外の大学を目指していく学生たちも以前に比べたらはるかに多くなってきているように思います。日本の大学と海外の大学との制度の間でも、それぞれの互換性をふまえたフレームワークを考えていく必要があるように思いました。
高専が最近学位として、高専の学位を認めることになったのはとても意義深い変化だと思いますが、そのこともまた、国家枠組み資格と連動させると非常に分かりやすく透明性の高い学位システムになっていくと思います。高校というよりもむしろ中等教育との連動性という意味で人材育成のスキームを考えることが必要ではないかと考えます。
以上でございます。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。今7人手を挙げていらして、その後もう一つ議題がございますので、手短にお願いいたします。平子委員、お願いします。
【平子委員】 簡潔に申し上げます。今杉村委員の指摘された23ページのこの絵なんですけど、文理融合という言葉が入っています。私が言いたいことは、いつまで文と理を分けるのかということです。これ、もうそろそろやめたほうがいいのではないかと。冒頭に経済産業省の挙げた需給ミスマッチの数字がありましたが、これもある意味では、このときの前提条件を基に2040年を推計していて、ただ、今はどんどん状況は変わっていて、先ほどちょっと私も発言したAIなんかもどんどん変わっている中で、これを絶対とするわけにはいかない状況になると早晩なると思います。ですから、文が悪くて理がいいというような、こういう概念が通用するというのはかなり危険だと思いまして、そういった意味からすると、AIの進展によって、逆にデータサイエンスの辺りがどんどん進展化してくると、また違う需給バランスになってくるし、AIロボットが発達すると、今度はまた違う絵が描かれるような気がしがしますので、あまり固定的にここを考えてしまうと、2030年以降使い物にならないようなものになってしまうということが一番怖いので、この辺のところは、一番言いたかったことは、文と理をいつまで使い分けるのかということです。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。安孫子委員、お願いします。
【安孫子委員】 私からは質を評価するための仕組みの観点で1つ意見を申し上げたいと思います。先ほどの評価制度のときも同様なのですが、学生数の減少を踏まえて、一人一人の支援の充実と質向上が示されており、これは大変重要な視点だと感じています。
一方で、議論が何を学ぶかというハウに重点を置いているように見えて、AIが代替していく大きなパラダイムシフトの時代の中で、どのような人間を育てるのかという根本的な問いについては、もう少し踏み込まなければ難しい質の評価改革に到達しないのではないかと感じています。
本日、別のセミナーで大企業の人事責任者の方々と意見交換をする機会がありましたが、そこで繰り返しおっしゃっておられたのは、制度は変えたが、企業文化は変わらないという言葉でした。評価制度や人事制度を大きく変えても、それを現場でどう運用し文化として根づかせるか、ここがとても難しく重要であると共通した意見を持っておられました。これは大学改革においても同様ではないかと考えます。制度設計だけではなく、各大学のスペシャルティーを支える運用や組織文化の変革まで視野に入れた議論が必要だと考えました。
また、企業では、AIやデジタル技術の進展によって、今までは統括したマスの対応をしていたことから、一人一人パーソナルな顧客ニーズを把握して、個別に対応することが競争力の源泉になっております。教育においても、質向上をして、自己成長の目標を達成するためには、運用上の仕組みが大きく改革されなければ駄目だなと感じます。企業がワン・オン・ワンを組織運営の基盤としているように、大学においても、難しい問題ではありますが、個別指導や伴走型の学習支援などをAIや仕組みを使って組織的に解決していくことが大切であると考えました。
それぞれの大学教育の独自性を尊重しながらも、社会と大学が対話を重ねてどのような人間を育てたいのかという人材像、これを共有して、制度改革だけじゃなくて、運用と文化変革まで含めたガバナンスの在り方を検討していただきたいと考えました。そしてその先に多分どんな人材育成と自己成長を目指す大学なのかということが明確になり、そこを目指す学生の意識改革につながるのではないかと感じました。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。吉見委員、お願いします。
【吉見委員】 ありがとうございます。先ほどの報告に対して私は強く賛同したいと申し上げさせていただきましたけれども、残念ながら、今の御説明に対し、私は強く疑問を呈したいと思います。以下の3点です。
第1点ですが、理系ならばいいのかという問題があるんですね。細かい統計データがすでに出ているはずですが、2000年代以降、工学部卒の学生たちで、工学部で学んだ専門と就職後の職場がまるで対応しない率はどんどんどんどん増えています。ですから、理系の人材育成を増やしていったとしても、それは大学で学んだことが、就職後に生かされない割合がますます増えていくだけになると私は思います。
第2に、先ほど平子委員もおっしゃったことですけれども、そもそも文系、理系という区分そのものが、中身のない固定観念で、完全に時代遅れだということです。単純過ぎるんですよ。建築学は理系か文系か、地理学はどちらか、人類額はどうか、農学、環境学、経済学等々、どちらかに分類すると、まったくその学問の本質を捉えそこないます。ですから、この時代遅れの二項対立を前提にした様々な統計データとか議論というのは、私は非常に疑問があります。とりわけ今回3ページに出ている少子化に対応するための高校、大学における文理分断の改善イメージ、これは全然、賛成できません。
そうではなくて、私はむしろ数学のできる文系、それから人文的な知性のある理系が必要なのであって、文理の分断線を最初から引いちゃって、理系を増やそうという議論は根本が間違っています。そういう議論には、強く疑義を呈したいと思います。
3番目ですが、必要なのは、私は文理複眼だと言っているのですけれども、文理融合でもいいのですが、文理融合なり文理複眼という、これがますます重要になってくると。それは一体何なのかというと、例えば地域だとか、それから医療、福祉の現場ですとか、防災とか、リスクマネジメントですとか、国際地球規模の問題とか、そういう具体的なフィールドがあるわけですね。具体的なフィールドに対して文系の知性と理系の知性を総合していくような知性が必要なのであって、これはますます21世紀に必要になってくる。こういうふうな実践的に知的な人材をどうやって日本から高等教育の中で生み出していくのかということは、新たな人材育成のイメージとして出されるべきであって、理系を強くすればいい、その数を増やせばいいというような話では根本的にないと私は思います。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。栗本委員、お願いします。
【栗本委員】 ありがとうございます。寺坂室長、お取りまとめいただきありがとうございます。
理数系人材を増加させながら量的規模の適正化を図るという目標設定は、人口減への対策として説得力のあるものと受け止めております。その上で、何人かの委員が御指摘された雇用需給のミスマッチについては、その背後に文系理系という視点以外に、人材育成のリードタイムという視点もありますので、コメントいたします。
人材育成の反応が遅れる原因の一つに、私たち大学が学部・学科単位の入学試験を行っていることがあげられますか。この入試制度の下では、高校1年次の後半で文理を選択せざるを得ない状況を促してしまいます。そして、高校2年生次から大学卒業まで約6年間のリードタイムが生まれてしまうわけです。すると、雇用市場からAI人材やデータサイエンス人材が必要だと申請を受けても、人材育成に6年間以上かかってしまい、6年後は雇用市場そのものが変化しています。
したがって、 1つの案として4年間の学士課程を例えば前期と後期に分けて、前期では文理を分けない、いわゆるリベラルアーツ教育を行い、学修者が雇用市場の変化や自身の適性を踏まえて、後期の3年次以降で専攻を選択する、米国で一般的なレイトスペシャリゼーションを促進すれば、需給ギャップの圧縮が可能になると考えます。
また入学者選抜において、学部ではなく大学を選択する方式を許容すれば、文理という不毛な二項対立が解決されるとともに、高等学校での教育課程の自由度も高まり、専攻選択のミスマッチの軽減も期待できると考えています。
加えて文系理系選択には、授業料という価格メカニズムの視点も存在します。専攻間で授業料に差のない国立大学では、理系の在籍者が過半数だと思います。一方で理系の授業料が3割ほど高い私立大学では、理系の在籍者の比率は小さくなる傾向が見られます。
先ほど申し上げたレイトスペシャリゼーションが一般的な米国の私大では、専攻による授業料の差は小さく、学生が支払っているのは特定分野の教育コストというよりも当該大学の教育全体へのアクセス権という整理がなされています。
もう一つだけ申し上げると、入学段階で学部・学科単位の定員管理というのは、大学に定員という既得権を守る動機を与えてしまいます。学部ごとの縦割り型の入試構造を見直すことは、定員の適正化にも、最適化にもつながってくるものと考えています。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。本間委員、お願いします。
【本間委員】 今回の理工のデジタル系を増やしてというところ、恐らく6ページのところにアドバンスト・エッセンシャルワーカーというキーワードがございますけれども、エンジニアリングですとかデジタルの分野で、そういうアドバンスト、あるいはシニアなアドバンスト・エッセンシャルワーカーが大量に必要になってくるであろうというようなところから来ているのだと思われまして、そういう意味でいうと、先ほどの3ページの数万人ですとか10万人の桁でという議論ということになるだろうと思います。その中で、文系の方から減らしていくということで、それはそういうところの人材が必要であるというところは理解できるのですけども、先ほど吉見委員がおっしゃられたように、やはり実際の社会課題の解決ということを考えますと、技術だけでは済まなくて、私自身も化学専門ですけども、我々のところでも、特に博士人材でも、いわゆる専門の博士課程としての能力だけではなくて、プラスアルファ人文社会系の力も身につけさせるようなプログラムもつくっております。それが積み重なってきて、技術で勝ってビジネスで負けるということからの脱却につながると思います。特に今、国際標準みたいなのを取るということが非常に重要ですが、そういうところは、社会科学系の素養がないとなかなか世界では太刀打ちできなくなってきているのが実情でございます。
ですから、そういう意味でいうと、理工系の人間にそういうところを身につけさせるというのも同様ですけれども、逆に始めから人文社会科学系の学生さんにそういうような素養をプラスアルファするという、そちらのアプローチも同様に、同時にやっていくことが重要であると考えております。
あとプラスアルファで、高校との接続がありましたけども、これもやはり若いうちからそういうところを素養を伸ばしていくというのが重要で、以前もここでも議論があったと思いますけれども、新しい学習指導要領で能力のある子はどんどん伸ばしていくという方針があったと思いますけども、それは特に理工系の場合には顕著だと思いますが、逆に人文社会系でもそういうところというのはあると思いますので、そこをうまく組み合せて展開していくというのが非常に重要だと思っております。
以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。廣津留委員、お願いします。
【廣津留委員】 ありがとうございます。言いたいことは大体ほかの委員の皆さんが言ってくださいましたので、簡潔になのですけれども、私が大学院時代に音楽大学に行っていたのですが、そのときにすごくバイオリンの上手な生徒がいて、何をしているか、何時間練習しているのですかと聞いたら、毎日美術館に行ってセントラルパークを歩くようにしていますという回答が返ってきたことがありました。そのときにやっぱり狭い部屋で、特にジュリアードの場合は窓もない部屋でみんな練習していたのですけれども、狭いところで1種類のスキルをただただ磨くことではやっぱりプロにはなれなくて、いろいろな幅広い視野を入れることでやっとイノベーションが起きる人材が、起こせる人材が育つと私は信じています。
なので、ここで数字にこだわって理系人材を増やそうというよりも、今後、イノベーションを起こせる人材を増やしたいのであれば、まず高校までの過程で、教室の中のどういうふうな教育の在り方を運営するのかというのもありますし、文理関係なく、高校までのカリキュラムであらゆる解が存在する問いに対して1つしか解がないような教育をやってしまうとなかなかリスクを取れる人材も育たなくなってしまうと思いますので、理系の数にこだわるというよりも、安孫子委員もおっしゃったように、どういう人材が欲しいのかというところにこだわって設計していただきたいなという思いです。
以上です。
【吉岡分科会長】 山口委員、お願いします。
【山口委員】 簡単に申し上げると、まず全体としては、廣津留委員の意見に賛成なんですけれども、時代は大きく変わっているので、柔軟性と修正力が大事だと思っています。ですので、前も言いましたけれども、中教審なんかも、あんまり微に入り細に入り細かいことを規定するのではなくて、大きな方針と、それといろんな人たちに気づきを与えるような、そんな形でやってほしいなと。そうしないと修正できないので、細かくやられると。という大きな方針。
それからもう1点は、これも毎回言っていますけど、地方こそ大学の役割、機能が重要であります。佐賀県も、県がイニシアティブを取って、大学、産業界などとともに、地域構想プラットフォーム、SIGMAというのをこの4月に設立して、みんなで地域全体を支えていこうという取組をしています。
そういった連携と、あとは、これは文部科学省には感謝しているのは、総合教育会議ってとても生きています。小中高大連携していく中で、僕らと教育委員会がフリートーキングで話せるようになりました。これは県によっても運用が違うと思うのですけれども、都道府県側のほうにしっかり当てて、そこにしっかり教育の面でも仕事をさせるということはとても大事なことだと思いますので、改めて、それと、ちょっと時間がないので言いませんけれども、国の安全保障上、食やエネルギーだとか、様々な経済安全保障もありますけども、そうした中でもしっかりと地方というもの、そしてそこに知の拠点を設けていくということも大切にしていただきたいと申し上げておきたいと思います。
【吉岡分科会長】 ありがとうございました。では、濱中委員、お願いします。
【濱中委員】 ありがとうございます。今回のビジョンは、政府全体の成長戦略、そして17の戦略分野における人材需要を踏まえて、それを高校教育、高等教育、リスキリング、研究人材育成など、文教政策の側から具体化しようとしているものだと理解しています。その方向性自体は、大変重要だと思っています。
確認したいのは、成長戦略側で示される人材需要と教育政策との接続が、どのように担保されるのかという点です。教育は、生徒や学生、そして教師たちの期待を形成します。この分野が必要になる、あるいは地域を支える人材として教育を位置づけ、プログラムを整備するのであれば、その学びの先にどのような進路や職業的接続があるのかについても、一定程度の見通しが必要です。もちろん、資料では人材需要の推計やミスマッチの状況も示されていますが、私がこの点を申し上げるのは、労働市場や働き方に関する研究を見る限り、雇用の側も新しい仕事やキャリア機会を十分に創出できているわけではないという実態があるからです。
そうである以上、教育機関は、人材を育てれば自動的に人材不足が解決する、あるいは、ここで示されている領域を学べばキャリアが保証されるかのような構図として、教育機関や学修者に受け止められてしまうことには、慎重であるべきだと思います。
文部科学省が雇用そのものをつくるわけではありませんが、人材育成政策を実効性のあるものにするためには、教育側だけが人材不足の解決責任を過剰に引き受けることがないように、この案件については、特に関係省庁、自治体、産業界との接続の具体像を、もう少し見えるようにしていただく必要があると思い、発言いたしました。よろしくお願いいたします。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。既に18時をちょっと回ってしまいましたが、それでは、今の意見、質問を踏まえまして、合田局長、御発言いただければと思います。よろしくお願いします。
【合田高等教育局長】 大変貴重な意見をいただきまして、ありがとうございます。大学の機能強化のプランは私の責任で出しましたので、私も先生方の御意見をしっかり受け止めさせていただきたいと思っております。
特に経済産業省の出した産業構造予測2040というのは、今のトレンドを真っすぐ持っていくとこうなるというよりも、日本の生産年齢人口が減る中で、製造業にしても、それからエッセンシャルサービスにしても、それから通信業にしても、AXやDXによって生産性を高めていくことによって生産年齢人口が減るけれども、日本としては成長していくというようなことを考えたときに、こういうイメージができるというものでありますし、先ほど来話がありましたように、AIがどれだけ労働に影響するかというのは、経済産業省も何度か見直してこの推計を出しているところでございます。
私どもはこれを1つの下敷きにして今の議論をさせていただいておりますが、お話がございました文系、理系という大正7年に旧制の高等学校令が、高等学校高等科を分かちて文科及び理科とすということを定めたことを淵源とする、国際的にも極めてまれな、そして先ほど来話がございましたように、率直に申し上げても時代を終えた、何の意味もない文系、理系というのは、我々、乗り越えたいと思っておりますし、初等中等教育局が出しました高校教育改革のグランドデザイン、そのことは明記をされております。
ただ、1点だけ申し上げるとすれば、今、目の前に、先ほど栗本先生からお話がございましたように、高校の予備校化がもう40年近く続いておりまして、高校1年生の夏に文系を選ぶと理数科目から離れるということになっていまして、我々は文理分断の構造は絶対に脱却したいと思っております。デジタル化の中で、先ほど来お話がありましたように、デジタル時代だからこそ人間は何かとか、デジタル時代だからこそデモクラシーとはどうあるべきかというのはすごく重要な議論ですので、我々、人文学、社会科学か不要だとか要らないとかというつもりは一切ございません。
ただ、先ほど来申し上げているように、高校1年生で数学Ⅰを選んだら、急に難しくなっているし、進度も速くなったからといって、何となく文系に行って、それが5割もいて、大学に行ったら、失礼だけれども、先ほど来話があっております全国学生調査でも最も学習時間が少ないのは社会科学系でございます。それがボリュームゾーンですから、この構造というのは変えていく必要があると思ってございます。
先生方から御覧なるとちょっとぎょっとするようなデータあったかもしれませんけども、我々は、今目の前にある、端的に申し上げれば文系偏差値を中心としたこの構造を変えていった上で文理分断からの脱却をしていくということを端的に示すためにも、今、文系が、高校生の半分が文系、そして率直に申し上げますと神奈川県も東京都も生徒数はともに9割が普通科。要するに、専門高校がほとんどボリュームレス、ボリュームとしてはないというような状況をやはり変えていく必要があるという議論をさせていただく中でこのような資料を作らせていただきましたが、今日、先生からいただいた御意見は大変本質的で重要な御指摘だと思いますので、我々、それはしっかり踏まえて政策を前に進めていきたいと思っています。
ゆめゆめ私どもがいわゆる土機電化と言われる今のままの教育を是として、工学部等を増やせば何とかなるなどと思っているわけでは全然ないということだけはぜひ御理解をいただければと思っています。今日の御意見をしっかり踏まえて、また政策を展開していきます。
手短でございますが、以上でございます。
【吉岡分科会長】 合田局長、ありがとうございました。
先ほども言いましたが、既に18時を回っておりますけれども、もう一つ議案といいますか、報告が残っております。この点につきましては、今までの議論は非常に重要な議論を続けているのでちょっとやめるわけにいかないと思いますので、少し延びましたけれども、議論させていただきました。それで、事務局とも相談いたしましたが、4の「新しい時代の科学技術人材に関する基本政策(案)」についてということで報告をいただいて、基本的にはそこで、どうしてもという意見があればお聞きしますけれど、基本的には事務局の説明ということにさせていただきたいと思います。
では事務局、お願いいたします。
【奥人材政策課長】 ありがとうございます。人材政策課の奥と申します。簡潔に御説明させていただきます。
科学技術・学術審議会の人材委員会で今後の科学技術人材政策の在り方というのをこの1年半にわたって議論させていただきました。和田先生に主査代理を務めていただいています。
ポイント、5ページ目をおめくりいただければと思います。この基本政策、全体として科学技術とか人材というのが今後のイノベーション政策を進めていく上での基盤だということで、人材を中心に据えた政策の立案が大事だということが基本的な考え方として挙げています。当面5年程度の間に重点的に推進すべき取組というのをまとめたものというのがこの御報告になっています。
アスタリスクのところにあるように、科学技術人材に関しては、自然科学分野のみならず、人文社会系も含むということで広めに科学技術人材というのを定義させていただきました。
左下、3つ、基本方針というのを挙げています。1つは人材を資本として考えて人的な資本投資を抜本的に拡充しようということ。2つ目として、科学技術人材は、研究者、技術者、高度専門人材、いろんな人材がいますが、こうした人たちが社会の多様な場で活躍できる環境をつくってあげようということ。3つ目として、人は1人で育つわけではありませんので、大学あるいは研究機関といった組織の役割が大事だということを3つ横串的なテーマとして置いています。
その上で、右側、今回、政策を全体3つの柱として整理をしました。丸囲み数字1は、研究者、技術者、技術職員といったいわゆる職種別の人材育成を進めていくということ。丸囲み数字2として、初等中等教育から高等教育、さらに社会教育に至るまで教育段階別の人材育成を進めていくということ。丸囲み数字3として、こうした人材に関わるような制度・システム改革を一体的に進めるということで整理をしています。
次、6ページ目が1つ目の柱の職種別の人材育成になります。左上が研究者、右上が技術者、そして3ポツとして高度専門人材という形で3つ柱立てをしています。研究者に関しては、基盤的経費、競争的資金の質的・量的な充実・確保はもとより、特に重要な科学技術・産業分野において研究開発、人材育成を一体的に進める新しい資金的な枠組みをつくるということとか、丸囲み数字2のところで、競争的資金制度の改革の一環として、研究費の中で、特に直接経費において人件費の支出割合を高める。それによって、(2)のところにありますが、安定したポストを確保するということを挙げています。
また、(4)のところで、研究開発マネジメント人材、技術職員といった体制整備であるとか、先端研究施設・設備の共用・高度化、あるいはAI for Scienceといった取組を充実強化するということを挙げています。
また、右上の2ポツ、技術者に関しては、(2)の丸囲み数字2になりますが、大学における技術職員の育成・確保ということで、技術職員の人事制度に関するガイドラインというのは今回初めてつくらさせていただきました。いわゆる機関対象向けの競争的資金のある種要件として課すとともに、国立大学の次の中期計画等でこれを参考にしていただきたいと考えています。
また3ポツ、高度専門人材で、ここ、特にURAをはじめとする研究開発マネジメント人材等に特化して施策を盛り込んでいます。これも同じように人事制度のガイドラインをつくり、体制整備の事業をつくり、あるいは競争的資金の中でこうした体制整備を要件化するということも併せて挙げさせていただいています。
続いて、次の7ページ目の教育段階別の人材育成になりますが、1ポツの大学・大学院に関しては、特に(1)で博士後期課程学生に対する経済支援、それと多様な場での活躍促進というのを挙げています。DC(特別研究員)については20年ぶりに単価の引上げをやらせていただきました。またSPRING(次世代研究者挑戦的研究研究プログラム)については、日本人、留学生、社会人と差異化を図ることで支援内容の充実を図っていくと。さらに博士後期課程学生について、RA、研究者としての雇用を促進するというのも挙げさせていただいています。
また、右側2ポツ目、初等中等教育に関しては、STELLA(次世代科学技術チャレンジプログラム)というプログラムがありますが、大学において小中高等学校の児童生徒に対して高度な教育活動、研究活動に参画をさせるような事業を拡大をしていくであるとか、スーパーサイエンスハイスクールについても大学との連携強化を図っていくということを挙げています。
また3つ目、次世代コミュニケーションのところでは、特に先端技術分野とELSI(倫理的・法的・社会的課題)の融合領域に関して重点的な支援をしていこうということで、まさに自然科学分野と人文社会系分野の融合を促進しようということを挙げています。
また、最後、緑のところで、制度・システム改革のところでは、特に若手研究者の活躍を促進するために、若手段階で実績を上げられるような研究費あるいは研究環境の整備をしていく、あるいは海外から優秀な研究者を招聘するための取組を拡大していくということを挙げています。
最後、2ポツのところで研究セキュリティー、インテグリティーに加えて、ELSIに関しては、基本的に全ての研究者が身につけるべき共通的な規範だと思っていますので、ここの教育活動を拡大するということを挙げさせていただいています。
こうした内容をさらに後ろのほうでざっと詳細に書かせていただいているのと、あと別途4-2のところで本文も配らせていただいています。全体で100ページぐらいになりますので、また後ほど御参照いただければありがたいと思っています。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。それでは、主査代理を務めていらっしゃる和田委員、お願いします。
【和田副分科会長】 分科会長の前にコメントさせていただき恐れ入ります。
奥課長、取りまとめありがとうございました。
また、将来を見据えた人材を中心に据えているという内容は、とても良いと思います。これらの政策により育成された人材が今後社会でどう活躍していくかを示すことはとても重要だと思います。先ほどのワーキンググループの中でも、入学後の伸びしろという言葉がございました。あわせて大学院部会でも大学院の評価が進んでいます。先ほど石橋課長からもコメントいただきまして、ありがとうございます。
その中で、修了した後の進展度という点がやはり重要なのではないかという議論がされています。大変難しいものの、修了してからの進展度、言葉を変えますと、社会での活躍ということをどのように見ていくのか。これを見ることによって、学生あるいはステークホルダー、社会に向けてよいメッセージが出せるのではないかということを議論しています。今後これらを踏まえて、社会にも納得されやすくなると考えておりますので、引き続き御指導いただければと思います。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
今の議論もそうですけれども、ずっと今日の議論、どれも大変大切な議論でしたので、ちょっと時間がオーバーし、最後のところは議論する時間がなくなってしまいましたけれども、非常に重要な御意見をたくさんいただいたと思います。
我々はやっぱり教育の立場でいうと、学生をどうやって育てていくのか、学生がどう成長していくのかというのが多分一番重要なことで、かつそれは、今の世の中、学生から見た場合のキャリアパスというのが将来の非常に見にくい時代になっているので、そういう時代であるけれども、自立する力というものをどうやって育てるかというのが非常に大きなテーマだろうと考えているところです。
今日、報告された幾つものまとめ、ビジョン等は非常に重要ですので、また今後の議論の中で振り返りながら先に進めていくことができればと思っております。
事務局よろしいでしょうか、こういう形で。
それでは、本日の議題は以上となります。
非常に長くなってしまって申し訳ございませんでした。
最後に次回の開催日程について説明をお願いします。
【平尾高等教育企画課課長補佐】 次回の日程につきましては、改めて御連絡を差し上げます。本日御発言できなかった内容等ございましたら事務局まで御連絡くださいませ。
以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。大変遅くなってしまいましたが、本日の議事、終了いたします。どうもありがとうございました。オンラインの皆様、ありがとうございました。
―― 了 ――
高等教育局高等教育企画課高等教育政策室