令和8年2月5日(木曜日)10時00分~12時00分
ハイブリッド(対面・Web)開催 ※傍聴はWebのみ
(分科会長)吉岡 知哉分科会長 (副分科会長)橋本 雅博副分科会長、和田 隆志副分科会長 (委員)安孫子 尋美、伊藤 公平、田中 マキ子、廣津留 すみれ、古沢 由紀子、森 朋子の各委員 (臨時委員)上田 悦子、大竹 尚登、大野 博之、大森 昭生、加藤 映子、金子 晃浩、北畑 隆生、栗本 博行、志賀 啓一、杉村 美紀、髙宮 いづみ、中村 和彦、平子 裕志、本間 敬之、益戸 正樹、松下 佳代、吉見 俊哉の各委員
(事務局)先﨑大臣官房審議官、小谷主任視学官、安井高等教育企画課長、石橋大学振興課長、松本専門教育課長、佐藤高等教育局参事官(国際担当)、寺坂高等教育政策室長、鈴木大学設置・評価室長、真保大臣官房文教施設企画・防災部整備計画室長、花田高等教育企画課課長補佐、太田高等教育政策室室長補佐ほか
【吉岡分科会長】 おはようございます。所定の時間になりましたので、中央教育審議会大学分科会第188回を開催いたします。御多忙の中、御出席いただき誠にありがとうございます。
本日も対面とウェブのハイブリッド会議として開催し、その様子をYouTubeライブ配信にて公開いたします。
それでは、事務局から連絡事項をお願いします。
【花田高等教育企画課課長補佐】 失礼いたします。本日は会議を円滑に行う観点から、御発言の際は挙手のボタンを押していただき、御指名されましたらお名前をおっしゃってから御発言ください。また、御発言の後は再度挙手のボタンを押して、表示を消していただきますようお願いいたします。
本日の会議資料は事前にメールでお送りしているとおりでございますが、会場のiPadには会議資料をチャットにてURLをお送りしてございますので、紙の資料と併せて御活用ください。
以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。
本日の審議事項として、「認証評価機関の認証」、「学部・研究科の連続性に配慮した教育課程編成の促進に関する制度改正」、「大学分科会における部会等の設置」に関する案件がございます。その後、報告事項として、「独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法に規定する助成業務の実施に関する基本的な指針案に関する意見聴取結果について」、「第1回日本成長戦略会議人材育成分科会での議論について」、「第6次国立大学法人等施設整備5か年計画、令和8年から12年度の5か年計画の策定に向けた最終報告について」、御説明いただきます。最後に、令和7年度補正予算と令和8年度予算についても御報告いただく予定です。よろしいでしょうか。
それでは、まずは、1「認証評価機関の認証について」です。特定非営利活動法人職業教育評価機構から、文部科学大臣に対して認証評価機関としての申請があったことから、中央教育審議会大学分科会にお諮りするものです。具体的な審査等については、本分科会の下の審査委員会において行っていただき、その審査結果をもって後日、本分科会で審議を行うことといたします。まずは、事務局から説明をお願いいたします。
【鈴木大学設置・評価室長】 大学設置・評価室長の鈴木でございます。資料1-1に基づきまして、御説明をいたします。
令和8年1月30日付で、特定非営利活動法人職業教育評価機構から学校教育法第110条第1項の規定に基づく認証評価機関の認証に係る申請がございましたので、文部科学大臣より中央教育審議会に諮問を行うものでございます。申請のありました職業教育評価機構の概要を資料1-1の1ページにまとめております。当該申請機関は平成16年に設立されまして、専門学校及び専門職大学等の評価及び調査研究などを実施しております。既に分野別認証評価機関として、専門職大学の1分野の認証を受けている機関でございまして、資料にありますとおり、令和6年3月29日に専門職大学の経営情報ビジネス分野について、分野別認証評価機関として認証がなされております。今回、同機構から新たに専門職大学の情報分野について、分野別認証評価機関としての認証申請があったところでございまして、周期と評価対象として想定される専門職大学は資料の下段に記載のあるとおりでございます。
裏面に行きまして、今後の手続につきましては、これらの申請内容を大学分科会の下に設置しております認証評価機関の認証に関する審査委員会において、専門的な調査審議を行うこととし、結果を取りまとめた上で、本年6月末以降に大学分科会へ報告いただく予定でございます。
説明は以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございました。
今の説明に対して御質問、御意見のある方は御発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。では、認証に至るまでまだ少し先がございますけれども、よろしくお願いいたします。
それでは、本申請に係る審査については、審査委員会へ付託するということにいたしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、2「学部・研究科の連続性に配慮した教育課程編成の促進に係る制度改正について」です。まずは、事務局から説明をお願いいたします。
【石橋大学振興課長】 失礼いたします。大学振興課長でございます。資料2-1を用いて御説明をさせていただきたいと思います。
学部・研究科の連続性に配慮した教育課程編成の促進については、大学分科会でも第186回において御審議をいただき、ありがとうございました。いただいた主な御意見について、まず、資料2-1でまとめさせていただいておりますけれども、主な観点としては、3点あったかと思っておりまして、まず、いわゆる3つの方針を学士課程、修士課程、博士課程で一つにまとめて策定することは適切ではないのではないかという御意見。それから、連続課程特例認定制度について、認定に当たりまして、修業年限の短縮により修士の学位の価値の低下につながらないよう、適切な学習時間や教育課程の体系性の確保、また、学士課程終了後の進路変更等、学生のニーズに柔軟に対応できる課程とすることや、学生の履修支援、終了後のキャリアパスの整備とそういった学生に対する適切な配慮の必要性ということについて御意見をいただいたところでございます。まず、連続課程の編成に係る御意見につきましては御指摘のとおりでございまして、前回の審議会の仕様上の説明が不十分であった点がございます。大変失礼いたしました。その点、改めて御説明をさせていただければと思っております。
資料の2-1の5ページ以降が前回、大学分科会でもお示しした資料になりますけれども、特にその次の6ページを御覧いただければと思います。赤枠に囲みましたところが変更点でございまして、3つの方針についての扱いについて、赤枠の中で整理をさせていただいて、結果的に、その下の図でも明確にしておりますけれども、当然3つの課程を一緒につくるということではなくて、まず、それぞれの方針をそれぞれの課程でつくっていただくということの前提の上に、大学の実情に応じて学部・修士等の学位プログラムの連続課程についても、その単位で策定可能ということを、策定単位の選択肢を広げるという形で整理をさせていただきました。
6ページの赤枠のとおり、その旨の説明を加えさせていただいておりますけれども、7ページ目に、また、新たな資料も追加いたしまして、これで整理をさせていただいております。今後の制度を運用していくに当たって、大学の皆様に誤解が生じないよう丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。また、連続課程特例認定制度についていただいた御意見につきましては、認定制度の審査基準や認定要件等について、今後、大学分科会の下に新たに設置予定の有識者委員会において審議いただいた上で策定したいと思っておりまして、分科会でいただいた御意見についても、その点をきちんと配慮した上で厳正な審査の過程で確認をさせていただき、認定の可否を判断できるように、特に実施要項等においても明記したいと考えております。
そのまま12ページを御覧いただければと思いますけれども、パブリックコメントをかけておりました12月15日から1月15日の1か月間でございまして、14件御意見をいただきました。いただいた御意見は、大学分科会でいただいた御意見と大分似通うところが多くございましたので、これらにつきましては、先ほど申し上げたように、審査等について、きちんとその中で反映させていただければと思っております。
20ページからが実際の省令告示の改正案となりますけれども、これは先日、大学分科会でお示ししたものから、技術的な修正はございますけども、それ以上の変更ございませんので、ほぼ同様のものと扱っていただければと思います。
資料の2-2、2-3に諮問文、答申案、それぞれを御用意させていただきました。今、御説明させていただいた点で御了承いただけるようでしたら、御審議をいただきまして、お認めいただいた場合には、2月中の施行に向けて準備を進めてまいりたいと思っております。その後、委員会等も開かせていただいて、実際の審査に入らせていただければと思っております。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【吉岡分科会長】 ありがとうございました。
今の説明に対して御質問、御意見のある方は御発言をお願いいたします。大竹委員、お願いいたします。
【大竹委員】 ありがとうございます。東京科学大学の大竹でございます。御説明いただきまして、また、御意見を紹介いただきまして、ありがとうございました。特に資料の参考資料になっておりますところ、9ページ、10ページ、11ページですか、非常に分かりやすい図でございますし、選択肢を広げるという御説明は納得感の高いところかと思います。恐らく、前回も議論になったかもしれませんけれども、我々、柔軟性というのが一つのキーワードになるのかなと思っておりまして、学部、大学院、博士も含めて、いかに縦方向という年次方向の柔軟性というのを高めていくのか、それぞれの学生に対して適切な柔軟性というのを担保するというのがこの案だとすると、これはすばらしいことだと思います。
付言しますと、もう一つ、恐らく今、求められている柔軟性というのは、分野の柔軟性と、これもあるかなと思います。学部のところで工学をやっているという中で、ずっと工学でいくというやり方もありますし、横方向に柔軟性を広げて経営に広がるとか、あるいはAIに広げるとか、そういった柔軟性を担保するような縦横方向の柔軟性と、これが一つの方向なのかなと、この資料を拝見して思ったところでございます。
以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。ほかに何か御意見ございますでしょうか。杉村委員、どうぞ。
【杉村委員】 ありがとうございます。杉村と申します。御説明ありがとうございました。今、大竹委員からもおっしゃっていただきましたとおり、非常に柔軟性のある、また具体的な図を図示していただいたことで、ディプロマポリシーを柔軟につくり変えていけるということはよく分かりました。
1点、コメントでございますが、こうした柔軟な制度が入ってくると、これを運用する大学のなかには、柔軟なカリキュラムを設定する大学が増えてくると思いますが、一方で修士課程を修了した人材が修士学位を持って社会に出た時に、企業側が、修士学位を持った方たちと、今までどおり学士を持って就職に入ってくる方たちの対応をどのように考えられるかという点が、この制度の成否を分ける大きなポイントになると思います。現状でも、学生たちの中には、大学院に進学して修士を取りたいけれど、学士でまずは就職して、そして、その後でまた学び直しをするといった例がみられます。一方、企業側が採用してくださる人材にどういう期待を持ってくださっているかという点で、学士をもって入社した人材をあらためて鍛え直すというような考えもまだあるように思いますので、ぜひ制度の柔軟な運用とともに、産業界にもこの制度の利点を御説明いただけるとよいのではないかと思いました。
以上でございます。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。オンラインの安孫子委員、お願いいたします。
【安孫子委員】 ありがとうございます。やはり企業が欲しい学生の質は、未知の課題に対して仮説を立てて実験し、検証するプロセスを学んできてほしいという強い思いがあります。正解のない問いへの対応というのが、今まさに企業が直面している課題になりますので、そこで従来のような一般教養としてのリベラルアーツではなく、専門知識を社会課題に接続するためのリベラルアーツへと、再定義しなければいけないと問題意識を持つとともに、この制度改定に際して、気になりますのが入試制度になります。どうしても大学に入ってからの学び方が変わっても、大学に入るまでの知識の与え方が変わらなければ、企業が求める人材輩出にはなかなかなっていかないというところを懸念するところであります。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。本間委員、お願いします。
【本間委員】 早稲田大学の本間でございます。御説明ありがとうございました。資料、参考の9ページ、10ページ、皆様おっしゃられるように、非常に分かりやすくしていただきまして、大変クリアになったかと思います。
それで、今の先生方も言われたように、学部と修士で多様性のところというのが重要だと思いますので、実際に制度設計して、この後、いわゆる認定とか認可とかそういうプロセスに入っていくときに、そこは柔軟な形で申請ができる、なおかつ申請の仕方というか、そこが非常に複雑にならない、多様なパスウェイがあると、それを全部書き込んだりするとなかなか大変ですので、そこはかなり審査のところで工夫が必要になるかと思いましたのが1点でございます。
あと、もう1点は、例えば8ページのところもそうですし、もともとの制度がそうですけれども、要は修士を1年に短縮するということで、トータルで5年ということなのですけれども、今、安孫子委員も言われたように課題の発見解決能力ですとか、そういう力というのは、どちらかというと、学部というよりも修士で身につけるというような観点からいきますと、4プラス1だと、何か修士が端折られるというか、軽くなってしまうというようなメッセージになってしまうといけませんので、そこのところは、そちらにむしろ重きを置くのだというような形の見せ方にするのが重要かと思いました。
以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。ほかに御意見ございますでしょうか。今の件で事務局、何かありますか。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございます。どの意見も今後の審査において非常に重要な観点を言っていただけたと思っておりますので、しっかりとそこを注力しながら見ていきたいと思っておりますけども、杉村委員おっしゃっていただいたように、企業にこういう新しい仕組みをきちっと説明をしていくこと、また、受け入れていただけるようにしていくことも重要でございますし、入試という接続のタイミングでは高校側ともよく連携をして、こういうコース、こういうプログラムに入って来ていただくというところをどう接続の段階で見ていくのかと、これも大学側がしっかりと提案してくださると思うのですけども、どういうところを高校にも広げてお話ししていくかというところも見させていただければと思っております。
いずれにしても、いただいた御意見をきちんと審査の過程で反映させていただきたいと思っております。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。学修者本位ということでいうならば、学生の選択肢が狭まるのではなくて、むしろ広がっていく、いろいろ横展開もできるという、そういうところをどのように入れるかというのはすごく重要なことだと思いました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これは大学設置基準の改正に係る事項ですので、これを大学分科会の議決をもって中央教育審議会の議決とするということになっておりますので、議決を行います。
事務局は定足数について報告をお願いいたします。
【花田高等教育企画課課長補佐】 失礼いたします。大学分科会の委員及び臨時委員の数は32名であり、現在25名に御出席いただいておりますので、中央審議会令第8条第1項に定める過半数を満たしております。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。それでは、お諮りいたします。先ほどの内容について御了解いただくことでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。
それでは、当該諮問については、これを適当と認め、文部科学大臣に対し、答申することといたします。今後の取扱いは、私に一任していただければと考えております。どうもありがとうございました。
続いて、3の「第13期大学分科会における部会等の設置について」です。事務局から説明をお願いいたします。
【石橋大学振興課長】 失礼いたします。資料の3を御覧いただければと思います。第13期大学分科会には、ここに掲げられている部会等が設置されておりますけれども、5番目、そして次のページの6番目のところについて、追加させていただきたいと思っておりまして、お諮りするものでございます。
まず、教育課程等特例制度等運営委員会が5番目にございますけれども、現時点では大学設置基準等の事項に関して、先導的なことをやりたいという場合に、設置基準によらなくていいということを審査していただくための仕組みとして、この運営委員会を設けております。ここに既にお認めいただいて1月1日から施行されております、地域における高等教育機会の確保に資する取組、いわゆるアクセスを確保する特例についても、ここで審査いただければと思いまして、所掌事務の追加ということをお願いできればと思っております。
次のページは6番目で、今まさにお認めいただきました連続課程特例制度運営委員会についても、この形の委員会を設けまして審査をさせていただければと思っておりまして、新たな委員会を設置するということをお認めいただければと思っております。
御説明は以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございました。
今の説明に対して御質問、御意見のある方は御発言をお願いいたします。よろしいですね。ありがとうございました。
教育課程等特例制度等運営委員会の所掌の変更及び連続課程特別制度運営委員会の設置ということですけれども、これについてお認めいただいたということでよろしいですね。これで、ということにいたします。では、今後、両部会において特例の認定に係る審査等を行っていくということになりますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、4の「独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法に規定する助成業務の実施に関する基本的な指針の意見聴取結果について」です。いわゆる大学・高専成長分野転換支援基金の基本的な支援については、委員の皆様に書面にて意見聴取を行ったところです。御協力いただきありがとうございました。その結果について、事務局より報告をお願いいたします。
【松本専門教育課長】 御説明いたします。独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法に規定する助成業務の実施に関する基本的な指針の見直しに関する意見聴取結果についてでございます。
こちらの事業でございますけれども、令和4年度の補正予算で基金を造成以降、大学・高専機能強化支援事業、いわゆる成長分野転換基金として進めているところでございます。こちらの基金はNIADに造成をしております。令和7年度の補正予算におきまして、新たに200億円の積み増しを行ったこと、また、成長戦略につきまして、内閣で新たな方針も打ち出されているといったことを踏まえて、これらを踏まえて、基金の助成業務の実施する上での大臣の定める基本的な指針を見直すこととしたというものでございます。
これに関して、昨年12月15日から12月19日の間で皆様方に意見聴取のお願いをいたしました。各委員からいただいた御意見については、こちらに書いてあります以下のとおりでございまして、御覧いただければと思います。これらにつきましては、お示しした改定案に既にその趣旨の多くを盛り込んでおり、また、それが難しかったものについても、今後策定する公募要領等において、可能な限り御意見の趣旨を反映する方針でございます。
御説明は以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございました。
今の説明に対して御質問のある方は御発言いただければと思います。皆様の御意見をいただいたもののまとめという形になっておりますが、何か追加でとか、あるいは、このまとめとは、また違うことを言いたいということがあれば御発言いただければと思います。田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 田中でございます。よろしくお願いいたします。
委員の意見の中にも出ておりますけれども、この基金がパワーアップしまして、人件費等々にも使えるというところで、大学、高専等々においては使い勝手がよくなるというか、積極的にトライしていこうというところで機運が高まると思うのですけども、なかなか実際に運営してみますと、定員が埋まらないとか、あとは、教える側の教員の不足というところで難航しているのが実態です。NIADでは、こうした目標的な数値に至らないところにおいては、指導助言というところで努力もされているのですけれども、なかなか現場を見ますと、構造的な課題もあって、人がいない、なかなか公募がうまくいかないというところがあります。現在、学習指導要領が変わっていこうとしていますので、文系、理系という考え方を一掃していこうというところで、こういう新たな情報等々の時代の流れにも沿った教育課程が編成されようとしています。しかしながら、実際に中学校や高校の子供さんというのは、理系、文系というのを目指して、1年、2年、3年の受験というようにつながっていっていますので、どうしても現場と先行的な政策にはタイムラグが生じるように思います。そこをうまく埋めていかないと、あるいは、もう少し積極的な広報というのでしょうか、そういったところをしていかないと、なかなか定員割れとか、あるいは、企業からのリスキリングで、そういった実務家教員を目指そうとか、こういったところが難しくなるかと思いますので、もう少し広報的なところで、これからの新たな教育というか、時代の流れに沿った進み方という点について、もう少しパワーアップした広報が行えたらいいのかなと思いまして、発言させていただきました。
以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。オンライン参加の先生方、よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、委員からの意見を踏まえて、公募手続を進めていただくようにお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。
続きまして、5の「第1回日本成長戦略会議人材育成分科会での議論について」です。事務局から説明をお願いいたします。
【寺坂高等教育政策室長】 そうしましたら、資料5を御覧いただければと思います。
現在、政府全体の動きといたしまして、官民連携の戦略的投資を促進して世界共通の課題解決に資する製品、サービス、インフラを提供することによって、さらなる我が国経済の成長を実現するための成長戦略の取りまとめに向けた議論が進められているところでございます。
資料5の1ページでございますけれども、その検討体制をお示ししてございまして、一番上に日本成長戦略会議というものがございます。その下の左側にございますように、17の戦略分野における危機管理投資、成長投資の促進に向けた議論を実施するということを行いつつ、右側でございますけれども、分野横断的な課題についても議論を実施するということにしてございまして、丸2番のところにございますように、人材育成についても位置づけてございます。こちらの人材育成については、文部科学大臣を責任大臣といたしまして、人材育成分科会という形で議論を進めることとされてございます。第1回の会議を1月26日に開催したところでございまして、高校教育の改革と連続性を持った高等教育の改革について議論を行ったというところでございます。
2ページでございますけれども、分科会には、こちらの2ページに記載の有識者の方々に御参加をいただきましたほか、経済産業省等の関係府省にも御参画をいただいて議論を実施したところでございます。第1回の会議におきましては、高校教育改革の検討状況について報告をした後、経済産業省から2040年における全国と地域別の就業構造の推計について報告をいただきました。その後、高等教育改革に向けた検討資料について御説明をした上で、有識者の先生方から御意見いただいたというところでございます。
こちら、高等教育改革の関係の資料について、6ページ以降でお示しをしてございます。人口減少や産業構造の大きな変化に高等教育システムが柔軟に対応していくということのために、まずは理工の高校のデジタル系人材の育成に関しまして、資料の8ページにございますような理工農系への進学に関する高校、大学教育のシステムのミスマッチがあるということ、また、その改善に向けて、9ページにあるように文理分断の改善に取り組んでいくというような必要があるということでございます。
また、その際に10ページでございますけれども、こちらにお示しをしてございますような大都市圏の大規模校に入学定員が集中をしており、これは上の第1世代大学と書いてあるところでございますけれども、それらの大学においては理系比率が比較的低いことや、下側にございますような比較的新しい時期に創設された大学におきましては、地方の立地、また、小規模であるといったような特徴、また、理系比率の高さなどの特徴が見られるといったような構造を放置したまま少子化が進行していくということになりますと、社会の需要とのギャップがさらに拡大していくということを御説明してございます。
また、資料の11ページでございますけれども、高等教育の質の向上に関しまして、学習の質の量や密度に関する課題ということが挙げられるということでございます。これも前回、大学分科会でも御説明をいたしました全国学生調査のデータ等を活用して御紹介したところでございますけれども、そうした課題があるということと、あとはそれぞれの大学に入学した後、学生が質の高い学習を行って必要な能力を身につけることが重要であるといったようなことについても御紹介したところでございます。
そうした課題に対応していくために、現在の取組の状況といたしまして、13ページのところでございますけれども、成長分野への学部転換や教育の質の向上に向けた取組といたしまして、本日も先ほど大学分科会での意見聴取の結果、御紹介いたしました成長分野転換基金等の取組を進めているといったところについて御説明したというところでございます。
さらに、地域産業や社会基盤を支える人材を各地域で育成するための仕組みの構築等に関しまして、資料の15ページにございますように、大学の立地の大都市圏への集中でございますとか、あと16ページの大学進学時の都市圏への流入超過の状況といったような状況、また、17ページでございますけれども、そうした都市圏への流入超過等々が進んだ結果、2040年においては生活維持サービスの充足状況に非常に課題が表れるといったようなシミュレーション等の結果もお示しをしながら、地域構想推進プラットフォームの構築に向けた取組を進めているということを御説明してございます。
これらを受けまして、有識者の方々からいただいた主な御意見については、資料戻りますけれども、3ページ以降のところで主な御意見をまとめさせていただいてございます。まず、3ページの理工農・デジタル系の人材育成に関してでございますけれども、AI時代に必要なものは好奇心であり、大学よりも前の段階、小中高等学校から好奇心を育てることが重要であるといったような御意見でございますとか、理系、文系と分けて話をすることの難しさについて、また、誰もが学びたいことを学べる環境整備でございますとか、理系に進む女性を増やすための体験やロールモデルの重要性、また、科学技術が牽引する社会で必要な能力に関する指摘もいただきました。そのほか理系に進学した場合の社会経済的なメリットを可視化していくということの重要性でございますとか、大都市圏で育成する理系人材を地方に戻すシステムの必要性といったところについても御指摘をいただいたというところでございます。
また、4ページに地域を支える人材育成に関する御意見について、まとめさせていただいてございますけれども、こちらにつきましては、これからの地方を維持成長させるための地方大学の存在が不可欠であるといったようなことや、首都圏の大学のダウンサイジングや地方移転、サテライトキャンパスのような取組が避けられないというような御意見もいただいたところでございます。また、規模の縮小と質の向上、アクセスの確保を進める省庁横断の取組についても御意見いただきました。さらに、地域構想推進プラットフォームに関しましては、地域の高等教育の将来像を産学官で共有することでございますとか、働く現場の声を取り入れることといったようなことの御意見をいただいたところでございます。また、地域に居住をしながら、産業課題を自らの課題として研究するようなスタイルのレジデント型研究というスタイルの有効性などについても御意見いただいたというところでございます。
さらに、5ページでございますけれども、こちらは高等教育の質向上等に関する御意見というところでございます。こちらの教育の質が選抜制や知名度とは別軸でありまして、学修成果の可視化などを通じた質保証が重要であるといったこと、また、規模が今後縮小していくときに、質の低下ではなくて質の向上につなげていくということが必要であるといったこと、また、トップ層の大学のみならず、中間層の大学への支援の重要性でありますとか、社会人を受け入れる大学院の強化、理系、文系関係なく学びの本質を問うことの重要性や教える人材の確保、また、リスキリング等の役割といったようなところについても御意見をいただいたところでございます。
こちらの人材育成分科会でございますけれども、今後、リスキリングでございますとか科学技術人材など、テーマごとに議論する回を月に1回程度、開催をいたしまして、4月から5月頃に人材育成改革ビジョンとして取りまとめを行っていくということを想定しているところでございまして、高等教育につきましても、26日に開催した人材育成分科会の御意見等も踏まえながら、今後さらに検討を進めてこのビジョンの中に盛り込んでいくということを予定しているところでございます。
説明は以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございました。
ただいまの報告につきまして、御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。伊藤委員、参加されていたので、どうぞ。
【伊藤委員】 伊藤公平です。私もこの委員の1人として、3分間以内の発言をその日は許されていまして、3分間の発言の中の2つばかり、好奇心と、それからトップ大学だけのみならず、中間層もというのをここに取り上げていただきありがとうございました。
もう、今のAIで若者たちは一気に変わっています。そして、4年前、アメリカには情報系に進む学生が物すごく増えたのですけども、今はもう彼ら、彼女たちが完全な就職難に陥っています。というのは、もうAIがコーディングを全部できるようになってしまい、中途半端なプログラムは要らないということになり、本来であれば、情報系に進んでいるのだから数学ができるので、相当ないろいろなことで活躍できるはずなのですけども、そういう状況になっていくということで、今、成長分野への転換ということはもちろんうたわれてはいるのですけども、実際に本当に必要なのは、恐らくエヌビディアのようなデバイスをつくるようなところまでやるような、先ほど大竹委員が理系を徹底した上で、横が大切だとおっしゃいましたけども、まさにそういうところが必要になると。国立大学は今、国立大学に通っている学生は全体の18%、旧帝大では、そのうちの7割ぐらいが理系だと思うのですけども、全体でも、東京科学大学も含めて相当理系が多くても、これ以上なかなか国立では理系が増やせないので、私立に理系を増やすという今、転換、成長分野ということが行われているわけですけども、そこの、いわゆる新しく理系を始めるところで、情報系ならまだしも、電気工学とか機械工学といったものまで手を伸ばす予算はなかなか今の私立大学を見ているとないというのが現状なので、成長分野の理系の単位、理系の学位というものに対して、さらにどこまで踏み込んで本当の成長を目指すために、日本として我々が立ち入っていくのかというのはとても大きな課題だと思います。
中途半端な形でやって、結局、理系を増やしましたといっても、実は4年前にアメリカがやったことをまねしていて、下手したらそのまま失敗に終わりかねないというところもあるので、ここの覚悟が必要だと思います。好奇心と私が申し上げたのは、要は小中高から相当好奇心を育てないと、AIはただのタイムパフォーマンス、コストパフォーマンス、要はショートカットの道具として使っている限り、人間はどんどん、どんどん退化していくということであります。
最近、問題が起きたらしいです。吉見委員が、自己のAIと戦うという非常に面白い本を書かれていて、御自分のAIを作って、自分の今までの著書とか全部読み込まされて、これは好奇心がないとできないことですよね。社会学者がそこまでやるというのは。その中において、今のAIの限界というのも随分我々に見せてくださいましたし、でも、そういう面白いことをやるんだったらいいのだけども、そうじゃないただのショートカットだけに使うということになると、日本は駄目になっていく。おさるのジョージ、人まね子ザル、これ、ちょっと変なことをやっちゃって、黄色い帽子のおじさんに守られながら、英語ではCurious Georgeなんですよね。だから、要は好奇心を持った成長の仕方というのはちょっと変なこともするのだけど、それを大人たちが見守りながら、高校生ぐらいまで来たら、今度はもっと大学の本物にも触れさせてあげたい。そもそも大学に入ってから、自分の専門を決めながら、総合教育科目と言われても、それは何のために役に立つ、その厚みが分からない人が結構今、多くなっているのですけども、PISAの、要は数学力とか国語力、15歳の国語力というと、日本はもう相当高いわけですから、それだったら16歳ぐらいからもっと社会科学も、法学ももう少し、昔の旧制高等学校というと叱られるのですけど、エリートに戻るのかと言われるのですけど、でも、本物にみんな触れるようにして、そして、どうやって自分が社会の役に立ちたいのか、これ日本財団の社会に貢献したいかという18歳のアンケートでは、日本はもうビリ中のビリです。でも社会貢献だけでなくても、何か自分は数学が好きだから数学に行ってみようとか、でも数学の本物に高校で触れていないと本当に数学が好きなのかどうかも分からない。大学受験のための数学だけやっていたらなかなか難しい。そこら辺の考え方を転換しないまま、みんな理系に進みなさいというのはなかなか難しいのではないかというのは、私が最近特に考えていることで、場合によっては高大連携ではなくて、高大一貫校というようなものをつくるようなことも必要なのではないかと私は思っているぐらいであります。
今回、大学院までのプログラム、5年間というのができましたけれど、それも大竹委員が指摘していただいたように、楽するためではなくて、さらに勉強時間を延ばすための仕組みであって、何とか修士まで進むための仕組みであって、でも、それと一緒にもっと早くから本物に触れる仕組みというと、例えば高大連携じゃなくて、もう一貫校です。そういうのまで考えるような仕組みが必要なのではないかと私は今、考えているところでございます。
長くなりましたが、以上です。3分以上話させてもらう機会をいただき、ありがとうございました。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。今日は少し時間の余裕がありますので。というと長くなっちゃいそうですが、益戸委員、お願いします。
【益戸委員】 ありがとうございます。今回の日本の成長戦略会議の中で、人材育成分科会ができたということは大変すばらしいことですし、そこに至る文部科学省の皆さんの努力に心から感謝したいと思います。かつ、この分科会の仲間が委員会の中に入っているということも大変心強いと思っておりますので、どうぞどんどん発言をお願いしたいと思います。
さて、つい知の総和答申と言ってしまいますが、その後に、教育システムの再構築という言葉もついています。今まさに時代が大きく変わろうとしているところです。私は民間企業にいて、時代が変わろうとしているときにマネジメントが一番注意しなければいけないことは、自分たちは強いのかとか賢いのかということではなくて、進化することができるのかということを考えることが一番重要だという事を経験してまいりました。まさに今、そのときだと思います。
資料5の人材育成システム改革推進タスクフォースの主な意見という4ページ、丸2地域を支える人材育成という部分で、少し引っかかりがあったので、意見を述べさせて頂きます。1行目の右側、人口減少の防波堤となる役割を地方大学が担う、これは違うのではないでしょうか。地域というのは日本各地、雪が多いところもあれば、暑いところもあれば、それぞれの地域がそれぞれの課題を考えて、どういう未来をつくっていくのかということを考えなければいけない。しかし、今まではそこまでの深い地域構想議論は必要なかった。しかし、今後加速する人口減少によって地域が消滅するかもしれない訳ですから、長い目でみたプラン作りなくして存続可能性は低い訳です。その構想に基づく人材育成が必要です。そこで地域構想推進プラットフォームにもしっかり予算がついたのではないでしょうか。
行政と経済界と高等教育機関、しっかり議論をして、どんな未来をつくるのかというためのことを議論した上での人材育成を行わなければ、まさに今、伊藤委員がおっしゃったようなことが起こるわけですよね。今、アメリカでは東海岸や西海岸に企業が集中していましたが、それが崩れてきました。従来、日本では企業が地方に進出するときの最大の理由は、賃金が安い人材を求めることが多かったと思います。しかし、その地域の未来構想があり、それに見合う企業が求めるレベルの人材がいれば、企業が進出するのは当たり前ですし、町がどんどん出来上がっていく事は自然です。
このプロセスが大きな再構築なのだと思いますが、しっかりした地域構想をなくしていくと、何か弱いもの、小さいところがなくなって大きいところが残る、首都圏の大きな大学が残るのか、地方の小さい大学が残るのかまたは4年制の大学なのか、専門学校なのか、高等専門学校なのかだけの話になってしまいます。
地方大学だけでは、大都市圏への人口流出は止まりません。この地域を支える人材育成は、ミクロの議論ばかりではなくて、マクロの議論をしっかりした上で、細かい施策の議論を出していくプロセスをお願いしたいと思います。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。続いて、平子委員、お願いします。
【平子委員】 益戸委員がおっしゃったことと同じようなことを述べますが、その前に先ほどの2つ目のテーマの連続課程の中で、杉村委員が企業側の対応が大事だというご指摘がありました。まさにそのとおりで、日本の企業は今、これまでの考え方から転換している途上にあると考えています。まだ道半ばではありますが、これまでのメンバーシップ型の雇用からジョブ型雇用が少しずつ進んでいく流れになってきていて、それに伴い求められる人材も明確になってきていると。とすれば、連続課程で卒業された学生の能力がしっかりと生かされる社会になってくるだろうと期待を持っているところです。
そこでこのテーマなのですが、地方創生という観点で、先ほど益戸委員がおっしゃったように、地方大学が防波堤になるという考え方はやはり違うと思います。むしろ大事なことは、地方に必要とされる人材が行きたくなるという仕組みをつくっていかなければならないということだと思います。地方において人口が減少していくことは明らかで、それによって地方における固有の課題があるはずです。その固有の課題を地方自治体と、そこにある企業等とが明らかにして、その課題解決のためにどのような人材が必要なのかということを明示していかないと人は来ないと思います。あなたの力が必要なのだと、こういうメッセージを学生側に伝えることによって、学生もそこに行って頑張ってみようかなと思うのではないでしょうか。
ですから、まず、地方自治体の自助努力が必要で、そこに公助、共助が関係してくると考えますと、無理やり地方に人を行かせるというのではなくて、自ら行きたくなるような仕組みを地方自治体と企業と大学が一緒になって考えていくことが今、求められているのではないかと考えます。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。では、橋本会長、よろしくお願いします。
【橋本副分科会長】 私も地域の大学についてコメントします。今回、地域構想推進プラットフォーム等構築推進事業に予算が計上され、10件のモデル事業を推進するということは非常に大きな前進であり、とてもよいことだと思っています。これについては、県単位でスタートするのかなと漠然とイメージしていましたが、今、益戸委員や平子委員のお話にあったように、県だけで完結する問題ではないものもいっぱいあります。地域の人材育成を考えたときには企業も関わってきますし、県境を越えた広域の様々な課題や問題についてどう対応するかということに必ず発展してくると思います。資源の適正配置とか、あるいは高度専門人材の育成という観点からすれば、大学の在り方も含めて、県境を越えた、いわゆる本当の意味での地域という考え方が大事かと思いますので、ぜひモデル事業を発展させるに当たっては、そういった視点も入れていただいて、進めていただくことが大事かと思います。
もう1点はミクロの話ですけども、地域の大学では、幼稚園や保育園の先生、学校の先生、あるいは看護師や介護職といったいわゆるエッセンシャルワーカーの方、その地域に根差して仕事をしていくという方を多く輩出されている学校がたくさんあると思います。しかし、どうしても人口減少という問題の中で、そうした教育機関が撤退あるいは縮小を余儀なくされたときにどうするかという問題も、一定程度考えなきゃいけないと思います。セーフティーネットみたいな話なのですけども、その地域に必要な人材を養成する機関が消滅してしまう場合には、例えば国公立の大学にそういった方を養成する仕組みを移すとか、あるいは、必要な職能人材を育成するための支援制度的な措置をつくるとか、ミクロの話ですけども、そういった手当ても必要なのではないかと思います。また、こうしたことは地域構想推進プラットフォームにおいても論点のひとつになると思っていますので、ぜひその辺りも意識をした議論をお願いしたいと思います。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。では、この会議に参加された大森委員、お願いします。
【大森委員】 大森でございます。ありがとうございます。3分で語らせていただいたわけですけれども、私は地方大学の立場からということで、すみません、私自身が防波堤という言葉を使った記憶はないのですけれども、ただ、現実問題として、地方に大学があることによって、そこに、つまりこの地域にいたいのに、大学がなくなるといられなくなるということがあるということが現実にあって、この地域で頑張りたいという子がそこで学べる環境というのは、結果として、それが地元の定着につながっているということはあるかなと思っています。
大学の役目というのは、防波堤としての役目というだけを捉えると、それはちょっと違うかなとは思っておりますけれども、地方からの立場で、先ほど成長分野転換基金のところでお話しするかどうか、でも、この制度自体には賛成なので、特に疑義があるわけではないのだけれどもと思いながら悩んだところではあるんです。田中委員もおっしゃっていただいたところではあるのですけど、これから大規模な転換が進んでいくといったときに、これまでずっと議論してきた東京への大学の定員規模の一極集中ということが、理系分野でも進んでいくということの危機感というのはあるのではないかとは思っているところです。
ただ、日本全体を見たときには、数でいうと、そこを変えていかないと、なかなか世界に伍していく理系人材の育成に追いつかないという、そこのことは十分承知をしながら、今まで議論してきたこととの整合性みたいなものというのは、頭の中には置いておかなきゃいけないのかとは感じているところです。同時に、成長分野転換基金の制度について議論をしていた何年か前のときですけれども、みんながこぞって転換をしていくといったときには、これまでもそういう分野が、社会が必要だよねというので、大学は、そういう分野をつくりましょうといって、わーっとつくってという分野があったと思うのですけど、結果として定員を埋められなくなってきていてということがやはり起こっていると。この分野もそうなる可能性はあるのではないかというところです。
それでもいいのだと、いいのだというか、それを許容しつつ、やっていきましょうということなのですかという御質問を私、したことが数年前あったのですけど、そこはしーんということで、そうなった場合の対応も見えてきていないと。何となくタイムラグがあって、社会の大人たちが求めている人材と、子供たち、高校生が行きたいと思っている方向にまだそこが耕し切れていないので、今どんどん地方を含めて理系転換が進んでいるのですけれども、多分これから少ししんどくなるところが出てくるのだろうなと。そこに表現があれですけど、追い打ちをかけるように大規模転換ということが起こってくると、よりそっちに集中していくというようなことも起こる可能性というのは頭の中に置いておいて、それでも頑張って転換しているところをどう支えるかみたいなことが必要だと。
それから、今でもなされていますけれども、東京の中心部において、その分野をやっていくといったときには、これは人材育成分科会での意見の中にも出ているのですけど、地方の大学と組んだりして、地方の大学とか地方での学びというものを支援をしていくということも含めて、首都圏の大学にそういう分野をということになってきていますので、そういった地方において、そこに転換まではなかなか難しいのだけれども、そういう学びをしなきゃという、まさにプラットフォームの中で議論があったようなときに、首都圏の大学と地方の大学が手を組んで、首都圏で転換したところが地方の学びを支えるというような、そういう意識というのも持っていっていただけると、何ならばこれを出すのであれば、それが条件というぐらいにしてもらってもいいと地方の立場では思っているところです。
デジタル人材は何も東京だけで必要なのではなくて、むしろ地方のIT企業のみならず、一般の企業の中でのDX人材不足というのは相当にありますので、そこに人材を供給していくといったときに、今までの経験でも東京に行ってしまうとそこまで戻ってこないということがありますので、それぞれの地方においてもデジタル人材、成長分野人材、ちゃんと育てられるようなことの維持をし続けるという意識を我々は持っていく必要があるのかなと思っています。
すみません、地方の大学であり、地方の人であるというポジショントークでございましたけれども、そんなことを意識してお話をさせていただきました。以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございました。上田委員、お願いします。
【上田委員】 ありがとうございます。上田です。委員の先生方のお話に比べて少し小さな意見になるかもしれませんが3点、意見を述べさせていただきたいと思います。
人材育成分科会の主な意見を拝読させていただきまして、まずは一番以降のデジタル系人材育成のところで女子中高生、女性の大学の理工農系の進学が非常にまだまだ少なくてということがありました。これ、私は本当に大分前から、女子中高生の理系進路選択というようなことで、皆さん本当に一生懸命になってやっておられているのですけども、それでもこれかというような、数値の傾きが全然上がらないというのは何でやろうというような、やり方が間違っているのかとか、どうしてこんなに伸びないのだろうとか最近思うところがございます。
私は高専に行っているのですけども、高専では、理工農系でも、建築と化学・生物の分野では非常に女子学生が多くて、クラスの半分ぐらいの女子学生がいるところもあるのですが、よくあります機電系、土木系というところはなかなか伸びなくて、これまでの取組の方向がこれまでと同じで本当にいいのか、それからアクセルの踏み方というのが今の方法で正しいのかというのは、少し検証しながら変えていく必要があるのかと感じております。また、もちろん今までやってきた、こつこつと裾野を広げ、ロールモデルを示していくというやり方を否定するものではありませんし、これは必要だと思うのですけども、ここに意見もありますが、ステレオタイプ、そういうものもどうやったら変えていけるのかということを真剣にもっと考えないと、具体的に動いていかないといけないなと思っております。
また、2点目は地域での人材育成についてですが、これも女子中・高生、女子が理工農系になかなか進まないというのと同じで、保護者ですとか生徒たちが持つ従前のイメージにとらわれてどうしても、地方からやはり大学は東京に行きたいとか、有名で名前の聞いたところに行きたいというようなことがまだ多いのかなと感じております。中学校、高等学校の教員と大学の教員がもう少しつながって、今でもつながっておられる方も多いのですけども、もっとつながって、小さいときから大学に出入りするようなことがあるというのがいいのかなと感じております。
一方で、そればかりすることによって大学の教員が本来、自分の大学の教育というのが少しおろそかになってはいけませんので、この辺りも考えていかないといけないと思っています。今、子供たちというのは、割と大きなところで自由に学びをするというのが得意な子もいるのですけど、自分のほうを向いてもらいたいという子供たちも多いので、そういう小さな、細やかな教育ができるというような大学、そういうところも必要なのかなと感じております。
最後に、教育の高等教育の質向上のところなのですが、これもすみません、高専の話を申し上げるのですけども、高専の教員、なかなか教員の採用が難しいというところ、それから、高専の場合は実際、研究者が教員になることが多いのですけども、研究できると思ってくると、職場では、割と人材育成をすごく頑張ってくださいというようなことを言われて、イメージと違ったということで、特に研究をしたい若手教員が、定着がなかなかしないというようなこともあります。今回、こうやって成長戦略会議で人材育成というテーマが挙げられるということで、教える人材、人を育てることの活動を、もっと高等教育の教員として評価することが大事だと今、感じているところです。
3点、意見を申し上げさせていただきました。ありがとうございました。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。安孫子委員、お願いします。
【安孫子委員】 AIは、この数年で、定型的で効率主義的な分野はほとんど代替してきているという現状です。その中で、人としての価値はますます学んだ専門性を使っていかに未知の課題に立ち向かっていくかというクリエイティビティな価値創出力、これを強化すべきだと見ています。地方大学がこれまでの入試制度によって培われた良いという基準の呪縛から解き放たれて、考える力と応用する力、さらに実践する力、リベラルアーツとアントレプレナーシップを武器に、地域からイノベーションを起こす場へと変革し、その地域の産業と連携していく未来をつくっていくのがよいと考えます。そういうことで、企業は大学教育を信頼し、そして投資をする条件になっていくのではないかなと考えました。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。森委員、お願いします。
【森委員】 ありがとうございます。まず、進学率が60%、そして大学が820ぐらいある中で、グランドデザインをつくっていこうという取組に関しては大変すばらしいことだと思っております。その中で、私がいろいろな各国のデータとかも見ながら思うのは、先ほどの5年一貫といったようなストレートをもっともっと効率化するというのはすばらしいことだと思う一方で、寄り道にあるような様々な人材を掘り起こしていく、こういったシステムが必要なのかなと思っております。
そういう意味では、丸3の高等教育の質向上等にありましたように、先ほど伊藤委員がおっしゃったボリュームゾーンということが非常に重要かと思っておりまして、ボリュームゾーンが、単独でボリュームゾーンで人材育成するというよりも、この子たちが例えば研究大学院に進学するとか、あとは都会の子たちが地方の大学に進学するとか、あとリカレント、今、全然進んでいないのが非常に大きな掘り起こしの弊害になっているかなと思いますので、そういったような観点ももっともっと書き込まれていたらいいなと思ったりしております。
あとは、1番のところの人材育成というのはすごく大事ではあるのですけれども、人社系って全く書かなくていいのかというのは気になるところで、こういったような理工農のデジタル系人材というよりも、こういうことが分かっている人社系の人たちというのが非常に社会実装では必要なわけなので、先ほどの大竹委員おっしゃいましたように、横展開のところもしっかりと考えた構想になっているとうれしいと思いました。
以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。金子委員、お願いします。
【金子委員】 ありがとうございます。連合で副会長を務めています、金子です。成長戦略人材育成分科会には連合のメンバーも入っておりますので、少し重複するところがあるかもしれませんが、働く側の立場から少し意見を申し上げたいと思います。
全体として、理系人材、または地域を支える人材の育成に力を入れていこうという方向については、賛同する立場であります。その上で3点申し上げます。
1点目は地域人材についてですけれども、先ほど来ありましたように、地方大学は私も防波堤ではないと思うのですけれども、地域構想推進プラットフォームのもと、そこに魅力ある大学があり、産業との連関がうまくいけば、おのずと人が集まる、そういったことをそれぞれの地域で工夫しながらやっていくということが重要だと思います。そういったことが実現し、発展していくということは働く者にとってもメリットがあるということだと思っていますので、そういった取組には引き続き期待をしたいと思っています。国においては、プラットフォームのスキームの中にぜひ我々のような労働組合も加えていただいて、実践的な取組をしていただけるようになればいいかなとも思っております。
それと、理系人材についてです。これも先ほど御意見があったと思うのですが、理数を学ぶ子を増やすということが大事でありまして、その中でも女性の理系進学者を増やすということも重要かと思っています。ロールモデルとなる女性教員を増やしていくとか、主な意見にもありましたけれども、女性は理系に向かないという偏見だとかアンコンシャスバイアスを打破していくといったことも社会的な取組として、していくべきだろうと思います。
それと、これは意見に入っていなかったのですけれども、科学技術分野において、多くの研究者が不安定雇用や低所得で、成り手不足というのも懸念されている実態があると思っています。短期的成果を追求する研究者が増えていくと、基礎研究力が低下していくのだろうとも考えております。そういった意味で、科学技術人材の育成に取り組む際は、高等教育の構造改革だけではなく、今申し上げた高い処遇と安定したポストで研究できる環境を整えていくということも重要かと思っていますので、その点もぜひよろしくお願いします。
そして、3点目は誰もが学ぶための環境づくりという観点で申し上げます。報告にもありましたように、高等教育機関というのは、労働者の学び直しにも重要な役割を果たしていると思っています。社会人の学びの障壁となっているのは、もう率直に言って時間と費用になります。人材開発支援助成金の拡充だとか、仕事と両立できるカリキュラム編成や、また、サテライト講座の整備など、具体的な取組をお願いしたいと思っています。
そして、最後に、この観点で教育費について触れさせていただきます。これも主な意見になかったのですけれど、優れた人材を多く育てるために、誰もが学びたいことを学べるようにするという必要性が社会的にあるのだろうと思っています。そのためには、高等教育の学費の無償化といったものが必要でありますし、また、それが実現するまでは学費の低額化や奨学金の充実等を図っていただきたいと思っております。
以上になります。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。吉見委員、お願いします。
【吉見委員】 ありがとうございます。先程、伊藤委員から大変重要な問題提起がございましたので、それを補完する意味で一言発言をさせていただきたいと存じます。
本日の会議の最初のほうで、安孫子委員から企業は未知の課題に対し、仮説を立て、検証し、実践してみる若い人材を本当に求めているのだというお話がございました。そのとおりだと私も思うのですけれども、しかし、現在の高等教育の現場では、それとは真逆のことが劇的なスピードで起きています。つまり、何かというと、AIです。AIがこの1年で物すごい勢いで学生たちの間に浸透しました。AIは与えられた課題に対して瞬時に、しかも極めて良質な文章で、良質なレポートや論文を書くことができる、実際に、書いてくれています。これは、この1年間の劇的な変化です。その結果、全国の大学で相当数といいますか、圧倒的多数と言っていいと思いますけども、学生たちが日常的にAIを使ってレポートを書いたり論文を書いたり、学習課題に答えたりするようになりました。
この現実が何を意味するかというと、思考が検索に取って代わられるということです。つまり、考えるということが、劇的なスピードで全国の大学生たちの間でキャンセルされているというのが今、大学で起こっている現実なのです。別の言い方をすれば、学生たちの間でAI認知症と私は呼んでいますけども、若年性AI認知症が広がっています。認知症にかかった人は自分が認知症になっているということが分かりません。分からないから気がつかないわけです。表面的には、以前よりもずっといいレポートや文章を出力できるようになっているから、自分は知的に向上していると思い込む。しかし、本当はむしろ逆のことが起きていきます。どんどん、どんどんAI認知症が広がっていくと何が起こるかというと、10年、20年単位で、学生たちの脳はとんでもなく劣化していきます。もっと違う言い方をすれば、彼らはどんどん機械の奴隷になっていきます。そうした未来の現実がはっきり今、見えてきたのが、この1年ぐらいの大きな変化だと思います。
しかも、具合の悪いことに、AIチェッカーなるものは全く役に立ちません。私が1990年代、もう三、四十年前に書いた文章をAIチェッカーに入れてみたら、この文章は47%の確率でAIによって書かれていますと答えてくれました。うそです。つまり、ある文章が自力で書かれたものなのか、AIに書いてもらったものなのかを、私たちは正確には判別できないのです。こうした中で、多くの現場の先生方は、AI社会の中で高等教育をいかに維持していくかを真剣に考え始めています。何人かの先生はもうITをやめようと。だから紙とペンに戻ると言っている方が多いです。この気分は、私も切実に分かるのですけれども、それだけじゃ解決つかないだろうとも私は思うので、一体どういうことが高等教育全体のシステムとして、AI社会の中で可能なのかを政策的に考えるべき局面に入っています。現状からして、明らかにAIを使いこなす能力を育てるというだけではまるで不十分だということです。AIは現在、教育にとって可能性であるという以上に大きなリスクです。
AIを使いこなしながらもAIと闘うというか、私は「闘う」という言葉をあえて使いましたけれども、しかし、AIを使いこなすという以上に、むしろAIの出力を批判したり、それからAIを論理的にノックアウトしたり、あるいはAIにはできないことをちゃんと考えていくだけの知性を育てる仕組みが高等教育の中には絶対に必要なのだということを、文部科学省からはっきり言っていくべきだと私は思います。
先ほど、学生たちの奴隷化という、機械に対する奴隷化という未来が非常にはっきりした姿で今、目の前で見え始めているということを申し上げました。今、高等教育の現場では、みんながそれを切実に感じていると思います。その向こうに奴隷ではなくて、機械への従属から自由になる知力が必要です。リベラルアーツというのは自由の地ということです。人間の知性は、効率化の技術ではなく、自由への技芸なのです。つまり、奴隷化するのではなくて、自由を獲得するための学びが大学において、いかに可能なのかということは、この会議においても極めて重要な課題というか、テーマなのではないかと思います。人材育成というのは、機械にタイパよく従う奴隷をつくるのが目的ではありません。AI人材の育成という産業界が望んでいる人材育成像では、そこのところがしばしば死角になっています。しかし実は、それはそもそも人材育成ではないのです。そうではなく、自由な人をつくるのが人材育成ですから、そういう作業というものが、AI社会の中で、喫緊に必要になってくるのではないかということを申し上げたいと思いました。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。杉村委員、お願いします。
【杉村委員】 二度目の発言をお許しいただき、ありがとうございます。少し違った視点になるかと思いますが、1点申し上げたいと思います。
今回示されている今後の人材育成システム改革に向けて目指すべき方向性という資料の中に、目指す社会と高等教育の果たす役割ということが掲げられています。いずれも、とても大事なテーマですけども、ちょうど7ページのところになるでしょうか。そこに、一つは高等教育システムの機能強化と一人一人の多様な幸せ、もう一つが大学とのイノベーション創出等と併せて、世界最先端の分野やグローバルな競争環境でということが書かれています。日本の成長の意味をどう捉えるかということですけれども、日本の中での地域の発展については先ほどからたくさん議論がある一方で、日本が今、置かれている世界的なポジショニングというのもまた重要だと思います。目前の課題は少子高齢化の中で、いかに日本の産業を活性化するかというところが大事ですけれども、これからの時代、世界の中でどういう位置づけを日本が取っていくか。もう少し言うと、世界の基準に追いつけ、追い越せというのが今までの日本の進み方だったと思うのですが、これからは世界の枠組みづくりの中に入り、意見を述べたり交渉ができるような人材が大事になってくるのではないかと考えます。
その意味では、先ほども企業の立場から、あるいは今ちょうど吉見先生からも出されたように、いかにAIを使いこなすか、あるいは問題を発見したり、想像的思考や、さらに一般的によく言われる批判的思考力、あるいはコミュニケーション力といったコンピテンシーについても、育てるべき人材像の議論に加えていただけるとよいのではないかと思います。必要とされる具体的な成長分野が掲げられ、そこから逆算してどういう施策が必要かという議論も必要ですが、一方で、根本に立ち返り、高等教育が育てるべきコンピテンシーや知性を多角的にとらえ、そこから考えていくことも必要ではないかと思います。今日の議事にも出ていますが、先ほどの学部と研究科の連続性の問題、あるいは大学改革支援・学位授与機構法に関する改革でも、文理融合という観点が多く出ており、このことは教育・研究の在り方や人材育成を多角的にとらえることと関連します。しかし、どういったことをすれば文理融合になるのか。あるいは、どういうカリキュラムや、どういう単位の認め方や、あるいは学部編成、大学院の編成がそうしたコンピテンシーを育てることになるかというところに少し立ち返って考えていくことも大事かと思いました。
以上でございます。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。栗本委員、お願いします。
【栗本委員】 ありがとうございます。栗本です。少子化時代、そしてAI時代における成長戦略に向けた人材育成について、お取りまとめいただきまして、ありがとうございます。
先ほど大森委員のコメントにもありました地方大学の役割が、地域密着による経済振興という枠組みのみで1くくりにされないように御配慮いただければと思います。このラベリングは少し単純化が過ぎると考えております。なぜなら、地方大学の果たし得る役割は多様でございまして、例えば、英語による学位課程の提供や、比較的安価な生活コストを提供することで国内外の生徒の学習機会へのアクセス性を高め、戦略的に価値提案することが可能なためです。知の総和答申のいわゆるアクセスの確保、これは必ずしも距離的な、もしくは時間的な、経済的な概念のみならず、言語的なアクセス性の悪さを改善するというのも知の総和答申の趣旨に即しうると私は捉えております。実際、世界にはなぜその場所に?と思われる地域に所在しながらも、特色ある教育研究によって高い評価を受けている高等教育機関が多数存在します。国内でも尖った教育制度と教育内容で、国際的に活躍する人材の育成に貢献している地方大学は少なからず存在することについても光が当たるとよろしいのではないでしょうか。
あと、もう1点、これは先ほどのAIに関する話題に対する一つの情報提供となりますが、ハーバードビジネススクールが今年度からDSAILという科目を必須科目に設定しました。1学年900人全員が履修する科目に、従来のマーケティングやリーダーシップ、ファイナンスに加えて、Data Science and AI for Leadersという科目が設定されました。その担当教員と会話したときの内容です。確かに今、AIを使うことはチーティングと捉えられる傾向にありますが、以前はグーグル検索もそうでした。ただ、もっと昔を振り返ると、エクセルの使用もチーティングと言われた時代があったのです。そう考えると、時代とともにこういった新しい技術を、リーダーも正面から捉えて、マネージできるようにしていく教育が必要です。一方で、教室内においては面白いことをされておりまして、一切のデジタルデバイスが電源オフ、スマートフォンもタブレットもPCもオフで授業の議論に参加しなければならないのです。事前の課題予習においては、様々な手段を使ってもよい様ですが、授業の中においては真剣勝負で、自分の発言は自分の頭を使って生成する。これが彼らのポリシーであることに非常に感銘を受けまして、ぜひ本学のビジネススクールでも同様の形で運営したく、学内でポリシーを策定しているところです。
したがって、議論の中に、AI時代のカリキュラムが、それぞれの専門性の中でどのように対応できるのか、そういった議論が各大学であると良いと思いますし、文部科学省の成長戦略の中においても、高等教育がどのように対応すべきか、その様な議論があってもよいのではないかと考えております。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。古沢委員、お願いします。
【古沢委員】 ありがとうございます。先ほど大森委員が大人が求める人材と高校生の意識とのギャップがあると御指摘されて、本当にそうだなというように日頃感じているのですけれど、改めて高等教育の質向上について考えると、初等中等教育との接続というのは大きな課題だと思います。そこには高校の進路指導が大きく関わっていて、今も高1の秋に文理選択をしなければならないというケースが多くて、大学入試での効率性を考えると、特に首都圏では理系を忌避する傾向がいまだにあるのかなと思っています。もう少し幅広い科目分野の基礎力を確保する方向で、入試の在り方を考えていくことも必要ではないかと思います。
その上で、大学教育に対して、高校時代から視野を広げていく必要性があると思います。地方の大学についても、実はこれ関連していまして、今、私立大学を公立化するケースが相次いでいると思うのですけれど、人気が公立化によって出るのはいいのですが、急速に地元からの進学率や就職率が低下する現象がどこでも起きていまして、地域枠を設けても埋まらないという状況です。いろいろな課題はあると思うのですけれど、そこには高大接続の在り方とか、高校の進路指導の在り方というのも密接に関わっている指摘もありまして、そこも考えていく必要があると思います。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。和田委員、お願いします。
【和田副分科会長】 和田でございます。ありがとうございます。成長戦略において、人材育成分科会が分野横断という形で進められているのは大変すばらしいことだと思います。先ほどから議論がございますように、AIは大変進化しています。こういった時代だからこそ、逆に人でしかできないこと、あるいは人ならではのことに価値があるのではないかとつくづく思っています。もちろんすぐに正解があるわけではありません。ただ、社会とのつながりの中で考え続けるということは重要だと思います。この時代に考え続ける、あるいは正解のない時間を持てるというのは一つの価値なのかなと逆に思っています。
この時代ですと、人の成長を支える哲学とか、あるいは倫理とか、こういった知恵みたいなことがどうしても必要だと思います。そのためにも、一つの分野だけではなくて、分野の流動性、学ぶときの流動性であったり、あるいは選択の多様性というところを意識して進めていくということが重要だと思っています。この分野融合、分野横断に関しては多分いろいろな軸があると思います。例えば成長軸を考えますと、小学校、中学校、初等中等教育から高等教育につながります。こういったリテラシーを含めた一貫した人材育成というところも意識して議論が進めばと思っています。
以上です。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。北畑委員、お願いします。
【北畑委員】 知の総和答申は、2040年代の高度人材の需給バランスという議論から始まりました。事務系が30万人、要らなくなって、それで情報技術者が物すごく足りないということだったのですが、伊藤委員や吉見委員の話にあったように、実はこの一、二年で、その前提が随分崩れているのではないかと思います。生成AIの進歩で要らなくなる情報人材がいるということです。学生が敏感に受け止めていまして、経営学部系の学生の憧れの職業は外資系のコンサルティング会社だったのですが、希望が減っているのです。一つは、コンサルの事務系の仕事がAIの活用によって情報系に変わるというのですけど、実はスキップされて、情報系の職場でもなくて、生成AIの職場になってしまった。学生はそっちは駄目かなということで今、公務員希望が増えているんです。アナログの世界のほうが安心だということです。
それから、もう一つの前提は、地域別の分析無しで全国マクロ分析で進めてきたものですから、これからの大学は地方の文系の私学の危機だと考えたのですけれども、生成AIが始まると、東京の事務系のほうがより深刻ではないかと思います。生成AIで置き換わっているのは事務職でも高度な分野です。つまり、東京に集中している本社機能が最も生成AIに変わるのです。そうすると、東京の文系の大学の就職先が東京で大幅に減って、むしろそういう需要は比較的地方にあるということになる。次回は地域別に需給分析されるという話がありましたので、そこに期待をしています。地方大学の新しい在り方というのもあるのかなと思います。東京に本社機能が集中していますけど、地方は本社機能がそれほどないわけです。営業や工場の管理の割合が多く、生成AIに多分置き換わらない、人間の職場が残る分野が東京よりは比率として多いのではないか。これ仮説なのですけど、実際の現場の意見を聞いてもらったり、分析をしてもらわないと正しいかどうかわかりませんが。今までの前提や大きな方針を少し柔軟に変えておかないと、間違えたということになる可能性があるのではないかなと思いました。
専門職大学コンソーシアムの我田引水ですけれども、ボリュームゾーンの情報人材で、地方の事務系、地方支社系の事業に関わるところのレベルは、先ほど益戸委員がおっしゃった専門学校、高専だけじゃなくて専門職大学の出番でもありますので、ぜひ御注目いただきたい。専門職大学は地方で育てて地方で就職する率が高いのです。そのポイントは、600時間の企業内実習なのです。学生は地元の中小企業に行くと、こんな面白い会社があるのだと。別に親を泣かせて東京に行かなくても、ここでそこそこの職業があるということで、随分地元就職が進んでいるのです。専門学校もそういうところがあるので、ボリュームゾーンのこれからの事務系か情報系かよく分からないところで、AIの分かる事務職を実践的教育で育てるという大学の需要、あるいは専門学校の需要があると思います。
変なことを申し上げましたけれど、御検討いただければと思います。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。中村委員、お願いします。
【中村委員】 中村です。ありがとうございます。文系を理系に変えていくという大学の仕組みがあるのですけども、それを実行するには結構時間がかかるのです。先ほどからお話に出ているように、地方も含めて社会課題は、文系と理系のどちらかに固まるわけではないのです。そのことから、文系の中でもしっかり、例えば数学とかデータサイエンスとかAI、AIリテラシーとかというものを学べる環境が必要であり、この仕組みは、結構早めにできると思うのです。ですから、そういった仕組みをつくっていただきたいということと、そこに向けてお話が出ているように、小さな子供の頃からそういった課題に興味を持って自分の進路を考えるという意味でいうと、小中の段階では、例えば総合的な学習の時間、高校では探求科、大学ではPBLという学習がある程度、一貫して行われていくということが大事でして、ぜひ高度改革のネクストも含めた、今回の改革の中でそういった子供たちの課題を捉えて学ぶ力をぜひ養成していただきたいというのが1点です。
2点目は、ここでお話ししている対象に、我々が考えていることをもっと知ってもらうことが必要だと思います。例えば地域構想推進プラットフォームにしても、高等教育、大学、それから、産業界、金融界、マスコミとか、自治体です。実際にそこに住んでいる住民は、そのことがなかなか理解できていないというのを実感しています。例えば、甲府の中にまちなかエリアプラットフォームという本当に甲府の住民、特に若手の住民で、小さい商店等をやっている人たちが集まって、甲府を愛するためにみんなで活動しようとしている団体があります。その方々にこの間、話をしたら、そんなことは何も知らないと。つまり、地方の中でそういった活動をしている人々にさえ全く知らされていないということを実感しました。ですから、なかなか難しいと思うのですけど、例えばマスコミを通じて、全国的な発信をするとか、あるいは、市町村とか県の広報紙みたいなのがありますので、そこにどんどん掲載していくとか、何か地域の方に、我々が考えていることを知ってもらうような仕組みをつくることが非常に大事だと思いました。
以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。松下委員、お願いします。
【松下委員】 ありがとうございます。私は、3点申し上げたいことがあります。
1点目は、先ほど来、出ている地域を支える人材育成ということなのですが、理系人材ということを合わせて考えたときに、後藤委員は、高専から出ておられるのですけれど、まさに高専はそういう教育機関だと思うのです。ほとんどの都道府県に高専があり、そして、北海道などは一つの道で複数ありますよね。そして、5年一貫で理系人材の養成をしているわけですよね。
先ほど、伊藤委員が高大一貫校というお話をされましたけれども、まさに高専というのは、高大、大は2年間ですけれども、高大一貫の高等教育機関であるわけですよね。私は高専の存在価値というのは、もう皆さんよく承認されているところだと思うのですが、もっと高めてもいいんじゃないかと。先ほど地域を支える人材育成というときに、地方大学というように、大学という言葉が必ずついているんですが、地方の高等教育機関ということで考えますと、高専も含めて地域人材を育てていくということが非常に重要なのではないかと思います。
でも、高専生も大学に転入したりする場合は、大抵は首都圏の有名な理系の大学や学部に来る場合が多いので、どのようにすれば地域で育てた人材が、また、一旦首都圏に行っても、さらにまた地域に好循環していくような、そういう流れができるのかな、その辺りは考えないといけないと思います。いずれにせよ、地方大学だけじゃなくて地方の高等教育機関全体を活用していくということを考えるべきではないかと。そのモデルとして高専があるのではないかと思いました。
2点目ですが、先ほど森委員が人社系のことももっと考えてほしいということをおっしゃいました。今回の人材育成の分科会の議論の内容を見ていますと、ほとんどが経済面での人材育成に偏っていると思います。現在の世界の状況を見ていますと、例えばアメリカも為政者を選ぶ、人々の民主主義社会をつくっていくという、そういう力、リテラシーを育てていくというのは非常に重要なのではないかと思っています。もちろん産業界との連携で、経済面での人材を育成していくというのは大きな課題ではありますけれども、それと併せて、政治面、自分たちの市民社会を担っていく人材をどのように育てていくのかということも非常に大きな課題であり、そこのところでは人社系の出番でもあるのかと思っています。
3点目ですが、AIの問題は先ほど吉見委員がおっしゃったとおり、本当に大学教員はみんな危機感を持っていると思います。このままだとどんどん人間の知性が衰えていくのではないかということです。かつては、インターネット検索でコピペが問題になりましたけれども、コピペの場合はまだ編集するという作業、課題に合わせて文章をつくるとかいうようなところが残っていたのですが、AIはそこまでなくしてしまいましたので、非常に大きな問題であると思います。でも、AIはデジタル世界でしか答えてくれない、知性を働かさないわけですよね。よく今、言われているのが記号接地、つまり記号、デジタルと現実をどう結びつけるかということです。そこでも地域の価値というのは非常にあるのではないかと思います。日本は課題先進国とよく言われますけれど、とりわけ地方にもたくさんの課題があるわけですよね。そういう地域、地方の課題に取り組む、それはデジタルの世界だけではとどまらず、そこに足を運んでフィールドワークをするといったようなことも含めてですけども、その中で、デジタルの世界とアナログの世界、あるいは本当の現実の問題とを結びつけていく、そういうことができる、それができないとAIには勝てない。まさにAIと戦う際には、そういったところにもっと力を入れていく必要があると思います。
その際に、例えば首都圏、都市部の大学と地方の大学がもっと連携してやっていける部分もあるのではないかなとも考えております。先ほど栗本委員が、ハーバードビジネススクールでIT端末をオフにするとおっしゃいました。そこまで行っているのだなと思いました。これは大学だけの問題、あるいは大学院だけの問題ではなくて、小中高大、大学院をつないで課題になることだと思うのです。スウェーデンなんかはデジタル端末をできるだけ使わせないというようなことをやっていますし、オーストラリアも規制をかけたりしていますよね。日本の小中高では、今、GIGAスクールということで、端末をどんどん入れるという方向で進んできて、非常に普及しましたが、アナログとデジタル、サイバーとフィジカル、そこをどう組み合わせるのが良いのか。端末を全く使わせないという時間も必要なのではないかと思っています。ですので、栗本委員がおっしゃった、あるいは吉見委員がおっしゃったことは、これはもう小中高大、大学院をつないで考えないといけない課題なのではないかと思いました。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。髙宮委員、お願いします。
【髙宮委員】 ありがとうございます。このたび日本成長戦略会議の中で明確にするべきテーマが明示され、さらに人材育成ということが分野横断的課題の中に組み込まれたことによって、高等教育を含む教育について、ここで議論するチャンスができたのは非常によかったと思っております。
他方で、一つだけコメントがございます。何人かの委員の方が言及したことでもございますが、このような成長分野の分析と、そこに横断的課題の対応という形でディスカッションされますと、多分人材育成を含めた対応はかなりソリューションに偏ってしまうようなディスカッションになる確率が高いかと思います。もう既に日本の教育と人材の話の中で、理工農デジタルの人材が圧倒的に今後不足するのだということで、本日の会議にもあったように、いろいろ補助金をつけてここを強化するということをしてまいりました。しかしながら、そのソリューションだけで教育を語ってしまうことには、何人かの御指摘ございましたように危険があって、一つは人社系のこともちゃんと考えておくことを重視する、カウンターパート的にちゃんと入れておく必要があると思っています。
それというのも世の中、非常にスピーディーに変わっていきますし、今の若者、学生は今後、彼らの人生を人生100年として長期的に歩んでいく、そういう存在です。私たちはそのことも含めて、基本的な教育をおろそかにするべきではなく、ソリューションだけに偏らないようにというように議論をぜひとも導いていただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。加藤委員、お願いします。
【加藤委員】 加藤です。3点、私も申し上げたいのですけれども、まず、今回のいろいろな資料の中に、高度グローバル人材のことを含めていただきたいと思いました。それから、AIのことも、AIと教育ということもこの会議の中で話し合うべきことではないかと思って、吉見委員の本も私のブックリストの中に入っております。自分自身も春学期、本学英語で専門課程を教えていますので、英語でショートタイムペーパーを2本、それからファイナルペーパーを1本、ショートのほうは手書き、それこそ紙とペンでやりました。紙とペンでデバイスを使わないでやる。どのような英語力を持っているのか、ライティングスキルを持っているのかというのを見たかったのでやったのですけど、字が読みにくい。手書きの字が読みにくいし、留学生の字だから独特のものがあるので、私、AIは読むのかなと思って、手書きを文字化できるのかと思って、AIに放り込んだら見事に、ほぼ100%完璧に出ました。
ですから、そういう技術まで来ているというところと、それから私ども、短期大学を持っておりますし、日本私立短期大学協会の理事もしておりますので、そこの中で一言、短期大学の立場で言わせていただくと、先ほど地方のエッセンシャルワーカーの話が出ておりましたけれども、公立、あるいは、大学の中に新たに保育課であるとか、そういうところを入れられると、地方の短期大学が大変苦労するという状況が起こってきているということ。それは学生が取られるだけではなくて、教員の流動にもなってしまうということがあるので、そこだけは御留意いただきたいと思っております。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。益戸委員、少し手短に。
【益戸委員】 私はUiPathの特別顧問をお引き受けしています。UiPathはもともとはRPA、ロボティクス・プロセス・オートメーションのソフトウエアの会社でしたが、今やAIエージェントの会社です。AIの捉え方というのはいろいろありますが、RPA同様、AIを使い、いかに作業効率、資本効率を上げるかという、要するに人間がわざわざやらなくても良い仕事を代わりにやってもらおうという置き換えです。アメリカではすごい勢いでAIを使って作業効率アップがはかられています。
一方で、AIの研究をしたり、新しい分野でどんな使い方をしたりするかの研究も非常に大切です。日本では両方ともにまだまだの現状の様です。欧米はすごい勢いで伸びています。
今、加藤委員がおっしゃったように、人間が読みづらい字を読んでしまうレベルまで来ています。AIの捉え方を、アカデミアの皆さんが捉えるAIと、実業界で捉えるAIの感覚と
いうのは少し違うと思いますので、今後の議論の中においては、もう少し情報をインプ
ットしたほうが良いのではないかという印象がありました。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。大竹委員、お願いします。
【大竹委員】 ありがとうございます。ショートでまいります。AI時代、吉見委員のおっしゃるとおりで、AI時代において、これからはどういう人材を輩出していくのかと、これは非常に大きな命題だと私も捉えました。その中で、冒頭に伊藤委員からお話があったとおり、どのような人材を我々は選択していくのか、育てていくのかというところは、今まさに決める非常に重要な時期になると認識しました。
それを考えるときに恐らく、今日伺っていて、一つは、理系で高度人材を育てると、これも一つある。その中でリベラルアーツも大切だという議論は重要だったと思います。もう一つは、恐らく今、人文学・社会科学系は私はチャンスだと思っていて、人文学・社会科学にどのような理系的なエッセンス、これを入れるか、そこから輩出される人材はもはやエンジニアとか、そういった言葉では呼べない新しいタイプの人材なのではないかというように、私はむしろ期待しています。AIと戦うというお話もありました。AIと一緒に協調して何かをつくっていくとすると、そういった人材の方が活躍するという世界になるのかと思います。それを考えるについて、いろいろ御議論がありました。根本的に必要な知、あるいは能力というお話もあり、また、日本の、あるいは人の成長を支える多様性という和田委員のお話もありました。人文系のソリューションじゃない部分と、これを大切するというのも本当におっしゃるとおりですし、高度グローバル人材というのもその中に入ると思うのですよね。ぜひ、新しい目指すべき、あるいは目指したい人材像というのを、こういった会、あるいは、先ほどの分科会も含めて議論していけると、次につながるのではないかと思った次第でございます。ありがとうございます。
【吉岡分科会長】 伊藤委員、短くお願いします。
【伊藤委員】 AIと戦うというのは本当に大切なことだと私、思っています。ただ、その戦い方なんです。私はテニスが大好きなので、テニスというのは強い相手と戦わなきゃいけない。強い相手というのは、本当に強い相手が実力を発揮してくれなきゃいけない。それが多分、益戸委員のおっしゃっていた最高のAIプラットフォームと、戦わなければいけない。その上で、最終的には相手にポイントを取られることもあるけども、結果的には勝ち続けるのが人間側でなければいけないことは、恐らく吉見委員の本からも読んで、こういうことなんだなというのはすごく思ったことでありますし、AIがもっともっと強くなって、要は将棋の藤井名人とか、まさにそれをやっているわけですよね。結局、端末がオフになったときの勝負で勝つわけですけども、その端末がオフになっているときの人がどこまで、結局AIと闘っている結果として強くなっているかといっても、最後は人間が中心だと。
それは多分、それほど世界が目指していない方向性だと思うので、その中において、人文社会科学というのは、まさに今、大竹委員がおっしゃったようにチャンスがますます出てくるのだと思っているということだけ、最後のところで述べさせていただきます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。大変重要な議論に入り、これから議論が始まるというところにたどり着いたような気がしますけれども、すみません、私も一言だけ。
一つは皆さんの中で既に御意見があったと思いますが、資料5のところで気になるのは、例えば、8ページ、9ページ、10ページぐらいのところで議論されている、書かれていることって、非常に昔ながらの文系、理系という話の枠です。大学分科会でずっと前からやってきたのは文系、理系という、極端に言えばその言葉を使わないで議論ができるかという話をしていた割には、これも完全に文系、理系で分かれていて、かつ学部進学の話でできている。実は文系学部と言っても人文と社会では全然違うし、文と言われても全然違う。理系の理工農といいますが、それぞれ違うし、工の中も物すごく違っていて、仕組みも違うし、今や教育方法が全然違っている。今日の議論ですごく大切なのは、そういう議論の底にある、つまり人材という言い方をしてもいいですけど、どういう教育をしていくのかということから考えなくちゃいけないということだと思うのです。学生だとか、あるいは生徒が人間としてどのように成長していって社会を構成していけるかということの基本的な知の在り方というものを考えるというのが多分一番重要で、その部分を分科会では考えていく必要があるだろうと思いました。
もう1点は、2040年ってもうすぐそこなのですよね。グランドデザイン答申は18年でしたか。だから、もう8年たっていて、極端に言うと、まだあそこが基礎になって議論していますけれども、もう既に、AIを見るまでもなく物すごく世の中が変化していて、14年後にどうしましょうというのでは、あまりに視野が近過ぎる、短すぎるというのが思うところです。しかも、学部転換とかということに限ったとしても、前の情報関係のときもそうでしたし、それから、その前で言うと、看護とか介護のときもそうでしたけれど、教える人をどうやってつくっていくかという問題が物すごく大きくて、今ここで、きちんとしたことを教えて次のステップに進んでいくような教育をする人材の育成システムがまだできていない。その上、大学院進学者が少ない。そういう非常に危機的な状況だということを今日の議論を伺いながら思いました。
この議論、本当はもっとずっと深めていかなくてはいけないところだと思いますが、まとめようもないというか、まとめてもしようがないので、事務局でこれを今後、受け止めていただければと思います。
一言、和田委員、どうぞ。
【和田副分科会長】 時間がないところ、恐れ入ります。本当に今、お話しされたように文系、理系と分けることの意味というのが本当にあるのかという議論はそのとおりだと思います。ここで理工農デジタル系人材、あるいは人文社会系の人材というのがありました。ほかに恐らく分野横断的なところを考えますと、医療、福祉、保健、こういった分野もあります。俎上に上がるかは別として、分野横断という人材育成の中ではそういった分野も含めた議論が進めばいいかと思います。
以上です。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。多分、まだ議論する時間があると言ったら幾らでも議論が進みそうなのですが、時間のこともあります。というか、実は、この質疑応答は10分程度というくくりだったのですが、既に1時間以上やっているのではないかと思いますので、次に進みたいと思います。
6の「第6次国立大学法人等施設整備5か年計画策定に向けた最終報告について」です。事務局から説明をお願いします。
【真保整備計画室長】 お世話になっております。文教施設企画・防災部計画課で整備計画室長をしております、真保でございます。本日は御説明の機会をいただきまして、ありがとうございます。私たち施設部計画課では国立大学法人等の施設整備を担当しております。お手元の資料6を用いて御説明をさせていただければと思います。
まず、経緯でございますけれども、国立大学法人等の施設整備につきましては、遡ること平成13年に当時の科学技術基本計画と連動する形で5か年計画を策定いたしまして、以降、同計画と連動して5年ごとに更新を行うことによって、これまで整備を進めております。現行の第5次5か年計画でございますが、期間が令和3年度から7年度となっておりまして、今年度が最終年度となります。そのため、次期計画の策定に向け、施設部の中に調査研究協力者会議を設けまして、大阪大学の前総長であられます、西尾章治郎先生を主査といたしまして、約1年半にわたり、議論をいただいてまいりました。昨年の12月26日に最終報告書をおまとめいただきましたので、概要資料を用いて簡単に御報告をさせていただくという趣旨でございます。
まず、資料の右下の番号の1ページ目でございます。左上、国立大学等施設の現状について、昭和40年代から50年代に整備した膨大な施設の更新時期が到来しておりまして、その更新が十分に進んでいないという状況がございます。老朽改善を図っていくことと同時に、施設の機能をしっかりと強化していくということも必要でございますので、こうしたことを前提として、第6次5か年計画の目指すべき姿として、2つの方向性が提言をされているところです。
1つ目は、イノベーション・コモンズの実装化という考え方でございます。大学におきましては、様々な共創活動が行われているところだとは思いますけれども、施設をその拠点としてしっかりと活用していこうという考え方になります。これによって地域課題の解決、または新産業の創出などにつなげていきまして、その成果を地域に還元していく、こういったことが提言をされているところです。また、経済安全保障の観点からは、研究インテグリティ、研究セキュリティの確保に留意した環境整備にも言及されているところです。
2つ目が地域の防災拠点の推進という考え方になります。能登半島地震や熊本地震、東日本大震災、こういった震災においての避難者の受入れ実績が示しますとおり、国立大学法人等の施設は地域の公共財であるということが言えると思います。これを受けまして、報告書では、学内の構成員のみならず、地域の避難所等としての利用も念頭にした耐災害性の強化を掲げているところです。こうした機能強化を実現する手段としては、戦略的リノベーションという改修手法を用いていくことについても言及をされているところです。これは設計上の工夫などによって、耐災害性の確保と教育研究機能の強化を同時に実現する大規模改修のことを言いますけれども、原則として、保有面積を増加させていくような新増築ではなく、こういった改修手法を用いて目指すべき姿を実現していこうという方向性が示されているところでございます。
次に、資料の2ページ目を御覧いただければと思います。こちらは、次期計画期間における整備目標を示したものでございます。5年間として、全体で818万平米、総額1兆4,542億円という試算が提言されているところです。多様な財源を含むとありますけれども、これは国の施設整備費補助金のみならず、他省庁の補助金、財政融資資金、大学の自己資金、寄附金等も含めた試算とはなっておりますけれども、そうであったとしても、かなり大規模な整備量になっているというところでございます。この整備面積の大部分は、老朽改善整備に充てることが想定されています。ここでのポイントは、長寿命化ライフサイクルへの転換というところになります。従来は、経年60年程度で改築を行うというような考え方で整理がされておりましたけれども、物理的に外壁や屋上防水などの建物の性能を維持する性能維持改修というような手法を中心に、施設を80年から100年程度、活用することを目指していくということを打ち出すとともに、これによってトータルコストの削減、経費の平準化を図りながら老朽改善を加速化させようということを考えているところでございます。
また、各国立大学法人等の状況に応じ、施設整備の範囲、内容についてメリハリづけを行っていくとともに、老朽化した施設の一定割合については取壊しを想定することについても言及をされているところです。また、機能別の施設について、整備目標を数値の形で定めているのは附属病院施設のみになりますが、報告書本体では、附属学校、大学共同利用機関法人、国立高専専門学校といった施設種においても、施設整備の際の機能強化の方向性について言及しております。
最後に、これらの取組の推進方策として、国及び国立大学法人等が取り組むべき事項と、自治体や産業界に期待する事項についても提言をいただいているところでございます。左側から国の予算の安定的な確保、そして、国立大学法人等も含めた施設整備に係る財源の多様化、長寿命化のライフサイクルへの転換等を推進するための全学的見地からの施設マネジメントの推進、多様なステークホルダーと国立大学との日常的な連携等について言及をされているところでございます。
資料の3ページ目、4ページ目については、イノベーション・コモンズの概念や共創拠点の実装化に係る取組事例について、参考までに添付をさせていただいたものですので、本日は説明を割愛させていただきます。
今後の予定といたしましては、この最終報告書の要点を凝縮する形で、文部科学省として、おおむね年度末をめどに次期5か年計画を策定することを予定しております。
以上、御報告いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。何かぜひという御質問、御意見ありましたらと思いますが、よろしいでしょうか。
続いて、令和7年度補正予算と令和8年度予算について、事務局から報告をお願いします。
【寺坂高等教育政策室長】 そうしましたら、令和7年度補正予算、8年度政府予算案についてでございます。参考資料の1-1と1-2を使って、御説明を簡単にさせていただきます。
まず、補正予算ですけれども、参考資料の1-1でございまして、強い経済の基盤となる人への投資に向けまして、物価、人件費の上昇等を踏まえた国立大学の経営研究基盤維持等のために、運営費交付金の措置や教育研究設備等に対する支援ということで、486億円を計上してございます。また、その下にございますけれども、大学病院の経営危機に対しまして、経営環境の改善に資する教育研究基盤の充実を図るために、教育研究の質向上に必要となる経費といたしまして、349億円を計上しているところでございます。
また、本日の議題にもございましたけれども、将来の社会産業構造変化を踏まえて高校教育改革とも連動いたしまして、文理分断からの脱却を図るための取組といたしまして、成長分野の転換基金につきまして、支援メニューの見直しを行ってこれまでの基金残高を活用しながら、今回の補正予算におきまして、200億円、措置をいたしまして、合わせて1,000億円規模で理工デジタル系の人材育成を推進していくための予算を計上したというところでございます。このほかの実践的、総合的な技術者を養成する国立高専の機能強化に資する設備整備等の支援でございますとか、あとは私立学校における産業人材育成機能の強化等の取組のための予算というところも計上しているところでございます。
2ページ目でございますけれども、経済的な支援に関しまして、奨学金等の業務システムの改修のための経費のほか、中教審のワーキンググループの議論も踏まえまして、新たな大学等評価のためのデータプラットフォームの制度設計を行うための経費というものについても計上させていただいてございます。このほか、多様で優秀な外国人留学生の受入れ継続でございますが、防災・減災、国土強靱化の推進の対応、また、国立大学の附属学校における1人1台端末の整備といったところを補正で計上してございます。
また、参考資料1-2でございますけれども、令和8年度の政府予算案につきまして、こちらも物価高、人件費の上昇等の継続の中で、卓越した研究力の強化等を推進するために、基盤的な経費であります運営費交付金、私学助成につきまして、各機関が引き続き教育研究活動を着実に実施するための予算というものを計上してございます。
また、知の総和答申を踏まえまして、本日も御意見いただきました地域構想推進プラットフォームの構築のための予算を計上しているほか、専門人材の育成に向けまして、大学院の教育改革や産業界と連携したデジタル人材、半導体の人材育成といったところ、また、高度医療人材の養成等の必要な予算というものを計上しているところでございます。さらに、我が国の学生の海外派遣の拡大でございますとか優秀な外国人留学生の戦略的な受け入れ、また、その基盤となる大学の国際化を推進するための経費というところも計上しているところでございます。
最後に、高等教育段階の修学支援につきましても、大学に進学する意思のある学生が経済的な理由によって進学を断念することのないような、引き続き着実な支援ができるように、必要な費用を計上しているという状況でございます。
簡単ではございますけれども、予算の状況でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございます。よろしいでしょうか。何か御質問等ありましたら、また個別に事務局にお問合せいただければと思います。
今日は時間が余りすぎるのではないかということをむしろ心配していたのですが、とんでもなかったです。かつ、本来ならもう1巡か、2巡ぐらいしたら議論が深まると思うのですけれども、そういうこともできませんので、本日の議題、以上ということでございます。
次回の開催日程等、事務局からお願いいたします。
【花田高等教育企画課課長補佐】 本日は活発な御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
次回の分科会につきましては、改めて日程調整の上、御連絡差し上げます。本日、御発言できなかった内容がございましたら、事務局まで御連絡ください。
以上でございます。
【吉岡分科会長】 ありがとうございました。それでは、本日の議事を終了いたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
高等教育局高等教育企画課高等教育政策室