令和6年10月16日(水曜日)10時00分~12時00分
Web会議
(分科会長・部会長)永田恭介分科会長・部会長
(副分科会長)村田治副分科会長、吉岡知哉副分科会長
(副部会長)大森昭生副部会長
(委員)熊平美香、後藤景子、橋本雅博、古沢由紀子、湊長博の各委員
(臨時委員)麻生隆史、多忠貴、大野英男、小林弘祐、志賀啓一、須賀晃一、髙宮いづみ、田中マキ子、曄道佳明、濱中淳子、平子裕志、福原紀彦、益戸正樹、松下佳代、森朋子、両角亜希子、和田隆志、伊藤公平、大野博之、小林浩、中村和彦、堀有喜衣、松塚ゆかりの各委員
(事務局)伊藤高等教育局長、浅野私学部長、森友大臣官房審議官、奥野大臣官房審議官、松坂文部科学戦略官、吉田高等教育企画課長、石橋大学教育・入試課長、佐藤参事官(国際担当)、三木私学行政課長、板倉私学助成課長、錦私学部参事官(学校法人担当)、中安生涯学習推進課長、髙見高等教育政策室長、佐藤高等教育修学支援室長、邉田国立大学戦略室長、保坂留学生交流室長、篠原私学経営支援企画室長、米原専修学校教育振興室長、氏原大臣官房文教施設企画・防災部計画課企画官、花田高等教育企画課課長補佐、疋田高等教育政策室室長補佐、阿久津高等教育政策室室長補佐、濱中国立教育政策研究所高等教育研究部長ほか
【永田分科会長】 おはようございます。
第179回の大学分科会と、第11回の高等教育の在り方に関する特別部会の合同会議を始めさせていただきます。
オンラインの方がいらっしゃいますので、マイクを使って御発言いただくことと、オンラインの方々は自由に意見が述べられる状況で御出席いただいているとりかいしています。
それでは、連絡事項を事務局からお願いいたします。
【花田高等教育企画課課長補佐】 失礼いたします。本日はハイブリッド会議及びライブ配信を円滑に行う観点から、御発言の際は挙手ボタンを押していただき、分科会長から指名されましたらお名前をおっしゃってから御発言ください。また、御発言後は再度挙手のボタンを押して表示を消していただきますようお願いいたします。また、発言時以外はマイクをミュートにしていただくなど、御配慮いただきますと幸いでございます。
本日の会議資料は、事前にメールでお送りしているとおりでございますが、会場のiPadには、本日の会議資料をチャットにてURLをお送りしてございますので、紙の資料と併せて御活用ください。
事務局からは以上でございます。
【永田分科会長】 ありがとうございます。本日のアジェンダを見ていただきますと、(1)、(2)、(3)とそこにある内容の審議、それから(4)にあります今後の高等教育の在り方、ここにたくさんの時間を割きたいので、迅速に進めていきたいと思っております。
それでは、最初に(1)学校教育法施行規則の改正等についてです。事務局から御説明願います。
【石橋大学教育・入試課長】 失礼いたします。議題1の学校教育法施行規則の改正等について御説明いたします。資料1を御覧いただければと思います。
このたび、認証評価機関の認証の申請及び届出に係る手続ルールを整備するため、施行規則を改正するとともに、認証評価機関の認証の申請及び届出に係る手続等に関する規則というものを新たに制定したいというふうに考えております。
背景といたしましては、認証評価機関の認証の申請及び届出に係る書類について、法令上必ずしも明確でない部分がございまして、それが長らく運用によって補完されてきた経緯があります。
ここできちんと手続について法令上整理、明確化を図り、申請される方の予見可能性及び行政手続の適正性を一層担保する必要があることから、冒頭申し上げたとおり、必要な規則の改正及び制定を行いたいということでございます。
具体的な内容につきましては、改正等の概要を御覧いただければと思いますが、様式を定める、また申請の期間というものを明示することに加えて、いつまでに認証するか否かの判断に係る終期を示し、その結果の通知に係る規定を設けます。また、認証評価に係る活動に対して留意事項があった場合には、その内容をきちんと認証評価機関に通知することを規定するとともに、もし何か留意事項の履行状況について疑義があるということがありましたら、報告または資料の提出を求めることができると、このようなことを規定したいというふうに考えております。
なお、法の定めがなく、その必要性が薄いと思われる役員の氏名の変更については、今回の規則改正を機に、届出・官報公示の対象から外すことにしたいというふうに考えております。
今後のスケジュールとしましては、本日御審議いただいた上で、10月下旬頃からパブリックコメントを実施し、その後、所要の手続を経た上で交付したいと考えておりまして、施行は令和7年4月1日を想定しております。
御説明、以上でございます。よろしくお願いいたします。
【永田分科会長】 ありがとうございます。裏面のほうを御覧になると、改正前と改正後というのは分かりやすいと思いますが、いかがでしょうか、御意見を伺います。
【小林(弘)委員】 北里の小林ですけど、よろしいですか。
【永田分科会長】 どうぞ。
【小林(弘)委員】 ちょっと質問ですけど、申請と届出の期間が前々年度の1月または前年度の6月となっていて、6月もオーケーになっているのですけども、変更の届出は4月から6月の間なので、6月に届けた人は届出ができない、変更ができないという理解でよろしいですか。
【石橋大学教育・入試課長】 少々お待ちください。ありがとうございます。この変更の届出が、新たに規定される届出期間を超えてしまった場合というふうに理解したのですが、その場合は随時文部科学省のほうに御相談いただければと思います。実際の変更の届出は、この期間で届け出ていただきたいというふうに思っております。小林先生、よろしゅうございますでしょうか。
【小林(弘)委員】 分かりにくいので、分かりやすいように書いていただければ。
【石橋大学教育・入試課長】 ありがとうございます。
【永田分科会長】 そのほかいかがでしょうか。パブコメに回った後また戻ってくると思います。パブコメに回してもらうということで、御了解いただいたということにさせていただきます。ありがとうございました。
次は、専修学校専攻科修了者に大学院入学資格を付与するということについてです。これも事務局のほうから御説明願います。
【中安生涯学習推進課長】 お時間をいただきまして、ありがとうございます。総合教育政策局でございます。お手元、資料2を御覧いただければと思います。
1つ目の矢羽根でございますが、専修学校の専攻科でございますが、令和6年6月14日に公布されました「学校教育法の一部を改正する法律」によりまして、特定専門課程、具体的には下の点線枠囲みに書いておりますけれども、2年以上、単位数換算で62単位以上の課程を置く専修学校には、専攻科を置くことができるようになるという改正が行われております。
専攻科の設置自体は2つ目の矢羽根でございますけども、専門学校の設置が所轄庁である都道府県の届出により行うことができるというふうにする予定でございまして、他の学校種と同様、専攻科の設置に係る教員要件や卒業要件等について特別、個別の規定は設けないということを考えてございます。
次の青いブルーのところですけども、こちらの適格専攻科、今申し上げた専攻科よりも限定したものになりますけども、一定の基準を満たす4年生以上の専修学校の専門課程の修了者には、現在、大学院入学資格が認められてございます。このことを踏まえまして、文部科学大臣の指定する同様の基準を満たす専攻科、これを仮に適格専攻科と呼ばせていただいておりますけども、その修了者について大学入学資格を付与することを考えられないかということでございます。
指定の基準については、詳細、次ページに書かせていただいております。次ページでございますけども、左半分と右半分に分かれておりまして、左半分が現在修了者に大学院入学資格の付与が認められる専修学校専門課程の指定がございまして、修業年限が4年であること、授業時数、単位数換算で124単位以上であること、体系的に教育課程が編成されていること、試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていることの4つが要件とされております。
今回御提案しますのが右半分でございまして、修了者に大学院入学資格付与を認める専修学校の適格専攻科の条件の案でございますけども、基本的には左側で現行で4年制に認められているものと同じ内容を考えております。1つ目でございますけども、修業年限が通算4年以上であること。2つ目でありますけども、総単位数が通算して124単位でなること。3つ目ですけども、専門課程と専攻科において、体系的な教育課程を編成していること。4つ目の試験の話については、今回の学校教育法の改正で、全ての専門学校、専門課程に単位制が導入されるという方向でございますので、あえてここには記載をしませんけども、内容としては同様というふうに考えてございます。
3月12日の分科会で御説明させていただいたときに、4つ御指摘をいただいたというふうに考えてございます。1つ目ですけども、適格専攻科の認定対象について、特にここで第3号という形で体系的な教育課程の編成とありますけども、若干なし崩し的に拡大するおそれがあるのではないか、範囲を限定すべきではないかとの御指摘をいただきました。
こちらですけども、その資料の2に書いておりますが、原則として国家資格に係る規定等に基づき、専門課程と専攻科において教育課程を編成していることの体系性が確保されるというもののみを認定の対象とするということを考えておりまして、実施要項等において具体的な国家資格名を限定列挙するということを考えております。
事務的な話になりますけど、各省庁とも協議をさせていただいて、現時点で3つの国家資格、記載の3つの資格を想定しておりまして、全国で40から50の専攻科が想定される状況でございます。
それから、適格専攻科を置く専修学校の教育の質の保証について、大学院入学資格を認めるのであれば、改正法では外部の評価は努力義務になっているのですけども、教育の質を確保すべきであって、認証評価やそれに準ずる第三者評価を義務づけるべきではないかという御指摘があります。こちらですけども、限定列挙したこととの関係性でまず申し上げますと、国家資格の養成施設については、資格の所管省庁において定期監査など、教育の質の保証に向けた必要な取組がなされております。
これに加えて、学校教育制度のほうでも、法律で新たに専門学校に義務づけられた、努力義務の形で求められることになった外部の識見を有する者による評価について、適格専攻科を置く専門専修学校については努力義務ではなく、義務的な対応を求めていくということを検討したいと思ってございまして、総合教育政策局のほうに、平成24年から専修学校の質保証有識者会議というのを置いておりますけども、今回の学校教育法施行の8年4月1日までには、その方針を示す予定とさせていただきたいというふうに考えてございます。
また、3つ目ですけど、適格専攻科の定員についてどうするのかという御指摘をいただきました。専門課程は上下の関係にあるわけだから、専門課程の人数を絞るのかという御指摘がございました。適格専攻科ですけども、当該専攻科を置く専修学校からだけではなくてほかの学校からの進学も想定されるので、適格専攻科の定員を専門課程より少なくするという限定をかけることは想定しておりません。
他方、こちらは大学院ではありませんので、兼務のようなものを認める必要性もありませんので、適格専攻科に専任の教員を置くことなど、専門課程と同等の設置基準を満たしていることを求める予定でございます。
最後、こういうことをするのだったら専門学校を国の所管にすべきじゃないかという御指摘もございました。専門学校の制度全体に関わる話なので、大きな話になり、なのでそこまでちょっといきなり踏み込むということができないわけですが、少なくとも今回の適格専攻科については県任せではなく、国で、国と申しますのは総合教育政策局の専各室になりますけども、これまで4年制の専門課程の大学院入学資格の付与の課程の認定を行っておりますが、そこでしっかりと質の保証を確認していくことと考えさせていただきたいと思っております。
説明は以上になります。ありがとうございました。
【永田分科会長】 ありがとうございます。一定の要件を満たす専修学校の専攻科の修了者に大学院入学資格を付与するということです。御意見、御質問をお受けいたします。志賀委員、どうぞ。
【志賀委員】 ありがとうございます。3月にたくさん意見を述べたので、今説明を受けた上で見解を述べさせていただきます。
結論としては、口頭での説明はありましたけれども、これらについて文言として記載していないので、これだけでは到底容認できないという見解は変わりません。まず、機関別認証評価の義務づけをすべきじゃないかという意見に対しまして、先ほど国家資格等である所轄庁があるから大丈夫という、文部科学省のプライドのかけらもない答弁が出てきたのは非常に残念です。文部科学省が定める学士課程と、ほかの省庁が定める高度な資格というのは要件や趣旨が違うのに、これらが同等でそれが教育的に体系的に整っていると判断するというのはどうかと。
確かに私は資格のことを考えてほしいという意見を別の議案で言ってきましたけども、それは学位を資格の資格要件に入れるとか、教育課程と連動することによって効率化をお願いしたのであって、このようなカウンターといいますか、こういう論理展開を食らうとは思っていませんでした。
また、当たり前のように、1ページ目のところ、「一定の基準を満たす4年制以上の専修学校専門課程の修了者には大学院入学資格が認められること踏まえ」と記載されているのですが、これを含めて見直してはどうかという意見を言ったのに、もうそれは別にしなくていいというふうな形で、それに合わせるみたいな対応になっているのが違和感があります。そもそも大学では事前規制型から事後チェック型へと転換が図られて、もうかれこれ20年、認証評価が続いているわけです。さっきの高度資格も含めて事前規制にすぎなくて、事後チェックということを同様の措置を大学院進学という選択がある学校は捉えるべきことを20年近くにわたってやっていなかったというわけであります。
にもかかわらず努力義務は課されるものの、また、今後義務化を検討するといったようなものもそれがまだ文言として反映されていないのは残念であります。
それともう一つは、これは関係ない話かもしれませんけど、3月の会議で、この際だから入試で専門学校が青田刈りしているのも解消したらどうかということに対して、高校卒業資格のところが変わるからという何だかよく分からない説明で終わりまして、今日も説明がありません。これは高大接続政策に関することで、あのとき私は文部科学省の方々から、大学は入試が変わるというだけではありません。教育課程も高校と大学と連携しながら考えてくださいねとさんざん言われました。そのときの専門学校の立場はどうだったか私もよく分かりません。
その高大接続についてそんなには参画していない専門学校が、大学院入学という接続に関してはこのように認められるというのも、どうかというところに思います。6月入試をしていて、つまり2年までの成績でしか入学を認めていない学校もあるのに、それらの改善のないまま、こういうことが行われているというのも違和感があります。
ほかにも前回言いませんでしたけど、例えば修学支援の不公平とか、いろいろなところが、高等教育機関として大学と専門学校が同じような立場にあるという学校教育法の改正が行われていっているのに、それらの解消が行われないまま、ただ大学院入学だけを認めるというのは、既存の4年制の専門学校も含めて再検討をしていただきたいというふうに思っています。
今日は、資料では502学科が認定されていると書いていますが、これホームページ調べると、過去、文部科学省のものを見ると、大学院入学を認められているのは過去延べで1,000以上ぐらいあるのですよ。その中で約半数が大学入学資格を取ったけど、やめているという学校があります。しかもこれ見てみると、手で数えたので多少ミスあるかもしれませんけど、書面上は1か月でやめている学校が49ありました。つまり、例えば平成18年3月1日に文部科学省が認めて、平成18年3月31日までに当該課程を修了したものに限ると書いてあるのが、そういうふうに書いているのが49校ある。もうこの価値観自体がちょっと信じられなくて、大学って改組するときとか、まず継続性ってすごく言われるじゃないですか。ずっと続くのか、財務上大丈夫なのか、ニーズがあるのかって。その後、完成年度まで4年間ずっと運営状況を報告しなくちゃいけないじゃないですか。
そして、何か留意事項があったら、全世界にインターネットでさらされる。でも、一方で専門学校は、1か月でやめているといいますか、多分内々定していて1年でやめるというふうなところというのを、もう機械的に認めているということが実態として分かる。大体4年以内にやめているのがもうほぼ大部分を占めているというのがあります。
これってステークホルダーたる高校生がどう思うか。自分のところ認められるという、その情報発信しているかどうかというのも知りませんけれども、それを分からないまま、やっぱり大学院入学資格がなくなりましたというふうになっているのか、その実態とかも何も説明がないまま、本日、併せてこの専攻課程も同じように認めますと言われても、正直納得できないです。
改めていろいろ意見を申し上げましたけど、まとめると。法令では努力義務ですけど、やはり大学院入学資格を持つ学校は、既存の4年制の専門学校も含めて、機関別認証評価を義務づけることを何らかの書面で付議とか何かするようなことをしていただくこと、合計9年ぐらいありますので、猶予がありますので、それができなければ大学院入学資格を取り消すぐらいの方針を出していただきたいというのが1点。
それから、このような形であればやっぱり大学入学資格を持つ学校は、大臣賞活動まではしないまでも申請先はやっぱ高等教育局の設置係とか、何かそういう同じようなラインのところで受け付けて、同じような形で審査をしていただきたい。これも含めて所轄部署の統一化とルールの統一化、運用の統一化をしていただきたいというのが1点。
この2点の記載は何らかしていただかなくては、私はこれはちょっと反対、この中教審は決議しないと聞いたのでどう処理するか私も分かりませんけど、賛成29反対1であっても一向に構わんのですけれども、私としては、それぐらい容認できないという認識です。逆でもいいですよ、このような案でいいのだったら大学のほうは機関別認証評価を廃止して、所轄を都道府県にして、そういうふうにしていただけたらいいかと思います。
でも、そうすると中教審のこれまでの議論が大体ひっくり返ってしまいますので、筋が通らないと思いますが、前回も申し上げましたが、これまで大学と専門学校はそれぞれの特徴を持ってすみ分けてきたのに、そのすみ分けを今回の法令改正で大分なくしていこうということなら、こういったダブルスタンダードはやめてくださいというふうな趣旨のことを申し上げました。
以上2点、何らかの形で書類というか、議事録に残すというのもありますけれども、ホームページも誰もそんな議事録なんか見やしないので、やっぱりちゃんと今後の説明資料に反映していただきたいというのが私のお願いです。
私から以上です。
【永田分科会長】 ありがとうございます。麻生委員、どうぞ。
【麻生委員】 ありがとうございます。こちらに関しましては、私も、事前に確認はしております。学校教育法第1条及び108条に規定されています短期大学との競合があります。2年制の短期大学に専攻科は置くことができ、3年生にも1年の専攻科を置くことができます。実際に短期大学においては、専攻科を置いているところでも、学位授与機構の認定を受けなければなりません。なぜならば学士の学位を与えるからだという視点があるということです。
今回の、専門学校は学位課程ではない学校種ですので、過去から2年生の専門学校においては専門士という称号が与えられ、4年制の専門学校には高度専門士という称号が与えられているという経緯があります。それで、これを考えますと短期大学の学位授与機構の認定を受けていない専攻科の卒業生には、大学院の受験資格が今現在与えられていません。これは、高等教育局並びに大学分科会の議論になると思いますが、専門学校の専攻科の大学院入学資格が実現するに当たっては、短期大学と専門学校のバランスを高等教育局で考えていただきたいということが私の第一のお願いでございます。
もう一つは確認ですが、この適格専攻科の修了者においては、私が申し上げました4年生と同等の高度専門士の称号を与えるのかどうかというのは明記されておりません。これについてお答えいただきたいと思います。
最後に1点、資料の裏のページに専門課程と専攻科の関係が書いてあり、分野を限定するということですが、例えば適格専攻科を修了なさった方が大学院を行きたいというときに、大学院の行き先の分野の制限はないのかということの質問です。同じ分野の専門学校の2年課程から専攻科を修了し、大学院の入学資格を得て、その先の大学院の行き先というのはどの分野でもいいのかということの確認でございます。
以上、よろしくお願いいたします。
【永田分科会長】 ありがとうございます。名称と大学院の行き先は今答えていただけると思うので、事務局、どうぞ。
【中安生涯学習推進課長】 ありがとうございます。高度専門士の称号についても付与するということを総合教育政策局として考えております。記載が十分できておらずすみませんでした。
【石橋大学教育・入試課長】 大学院入学資格についてのことですので、高等教育局から御説明いたしますと、大学院入学資格の場合は、これは全て一緒だと思いますが、特に行き先が限定されるものではないというふうに思っております。
【永田分科会長】 回答はそうで、議論はまた少しさせていただくとして、先に手の挙がっている多委員、どうぞ。
【多委員】 ありがとうございます。専門学校の卒業者の大学院入学資格付与についてでございますが、こちらはまず遡ってみますと、平成17年の9月に行われた学校教育法の施行細則一部改正と、省令の改正によって制度化されたわけでありますが、この発端となったのは、平成17年の1月に中教審から答申がなされた我が国の高等教育の将来像でありました。そしてこの中には、一定の要件を満たすと認められた専門学校を卒業した者に対して、大学院への入学資格を付与することが適切であるというふうに明記されたわけです。これを遡って覆すというのは、一体どういう意味があるのかということを私は考えなければいけないと思います。
そして、この一定の要件というのは、「修業年限が4年以上」というところから始まって、「授業時数が3,400単位時間、124単位以上」、「体系的に教育課程が編成されている」、「試験等によって成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っている」ということを指しているわけでございます。
このたびの「特定専門課程と合わせて体系的で一貫性のある教育が行われる適格専攻科」については、既に大学院への入学資格が付与されている4年制課程と同水準の教育の質が、制度的に担保されているということを大前提として、大学院への入学資格が付与されることは、私は適当であると考えているところです。
その上で、適格専攻科における外部評価の取組についてですが、先ほど文部科学省のほうからも説明が少しありましたけれども、その必要性については、さきの専修学校の質の保証・向上に関する調査研究協力者会議において議論がなされておりますので、異存はないわけですが、一方で、現状において、専門学校の第三者評価機関というのは数が極めて限定的であるという課題があります。
令和8年度以降、適格専攻科を設置する専門学校がどれくらいになるのか、これが非常に見えない中でありますので、軽々に論じることはできないわけでありますが、外部評価を適格専攻科に取り入れるということであるとすれば、専門学校の第三者評価機関の数が極めて限定的であるという現況に対して、今後、文部科学省はどのようにお考えかというところについて御意見をお聞かせいただきたいと思います。
私からは以上です。ありがとうございます。
【永田分科会長】 ありがとうございます。事務方から何かございますか。
【中安生涯学習推進課長】 ありがとうございます。まず、志賀委員からの御質問も含めてお答えをさせていただければと思いますけども、志賀委員、幾つか意見をおっしゃって最後大きく2つにまとめていただいたと思います。
まず、書面で、大学院入学資格を認めるようなところについては、口頭での説明だけでなく何らかの形でというふうにおっしゃっていただいたと思いますけども、第三者評価というか、認証評価あるいはそれに類する評価を入れていくべきじゃないか、それをはっきり書くべきじゃないかというふうにおっしゃっていただきました。
今、多先生からお話がありましたとおり、ちょっとそのどこまで評価機関がここから育つかということも含めて、それは実務的なことも含めて検討していかないといけないと思っていますけども、総合教育政策局におきます有識者会議において、基本的には何らかの形でそういう評価を入れていくという方向性を具体的に御議論いただく予定をしております。
そのことは何らかの形でもってお示しします。また高等教育局と、さっき専各室でというふうにちょっと私が申し上げたことが誤解をはらんでしまったと思うのですけども、大学入学資格の認定付与に当たって、ちゃんと高等教育局と連携をとるべきではないかという御指摘については、実はその4年制についてもそうさせていただいておりますので、この新しい仕組みを進めるに当たってもそのようにさせていただく所存です。ありがとうございます。
【永田分科会長】 そのほかいかがですか。志賀委員のご意見は根本的な意見としてお聞きしています。益戸委員、どうぞ。
【益戸委員】 ありがとうございます。益戸です。細かい話はともかく大枠での意見を述べさせて頂きます。
部会での議論の中で、私なりに大切な議論であると思うことはいくつかありますが、この改定に関連する事を上げると学修者目線で教育の質、学修者の質を上げていく点。それから高大接続、高等教育への入り口である大学入試やその入試の在り方をどうするかという点です。
高校での勉強すなわち、受験対策で文理融合がゆがめられてしまう問題など、入試対策で将来展望がはっきりしない早い段階で勉強していく方向が決まってしまうと、今の制度ではそのままずっと行かなければいけないということが多いのではないでしょうか。
このルール変更は、何らかの理由で大学に行かなかった、短大に行かなかった、専門学校を選んだ皆さんがいろいろと試行錯誤、努力をした結果、違うステップに進んでいこうとする選択肢を後押しする話ではないかと思います。もちろん大学院は誰でも受け入れるというわけではありませんから、しっかりした基準をクリア―して大学院に進学する事になります。大学院側もしっかり勉強する方を選ぶはずです。やる気のある学修者にとってはその後の人生の選択肢が幅広に末広がりになるという良い改定だと思います。もう少し細かいことを議論いただいて実現して良いと考えます。以上です。
【永田分科会長】 ありがとうございます。そのほかよろしいでしょうか。
もめたので、私のほうから提案せざるを得ないのですが、私自身もこれを見たときに少しショックなことがありました。先ほど志賀委員がおっしゃったことについて言葉を変えると学校任せ、自治体任せ、所管官庁が違うところ任せでできてしまうのです。これはやはり気にかかります。それはそれでそういう学校があるのは事実です。今、益戸委員がおっしゃったように、勉強するチャンスを増やすのは当然だろうとは思います。そうするとやらなければいけないことは書いてほしいとかいろいろおっしゃいましたが、努力義務ではなくて、やはり質の保証を求めるものを、枠組みを例えば認証評価や第三者評価がマストになるような仕組みをつくりますということを行わないといけないと思います。
そうすることで、今、出てきた問題は、かなりの部分がカバーされるのではないかと思うのです。もちろん制度上、文部科学省が設置に関わった大学ではない、学校ではないということは残ってしまいますが、質の中身がきちんと保証されていくということであれば、かなりの部分がカバーされるだろうと思います。私の結論としては、前向きに考えるが、質保証を義務化する。その内容は、認証評価などの第三者評価を必ず入れるということを今はできないので、その仕組みをつくらないといけないと思うのです。それと併せて可能になると思うのです。
ですから、今日のところは意見もたくさん出てきたので、可能性を広げるという意味では前向きに行くが、必要な要件を議事録に残すだけではなくて、きちんとその枠組みをつくっていただくということで前に進めて、それができたときにまた議論ができると思うので、いかがでしょうか。
ということで、お伺いした意見を入れているので、アブ蜂取らずにはならないようにしたいのですが、私も少し気になります。私も初めから何で他省庁のものをオーケーにしているのかと思ったのですが、時代も変わってきているので、文部科学省の権限を残さないといけないということでいかがでしょうか。
【中安生涯学習推進課長】 ありがとうございます。基本的には少しお時間をいただきながら並行して、そういう形で進めさせていただければというふうに思っています。4年制が既に認められているというところが少しありますので、そこの部分はちょっと言い方は申し訳ないのですが、走らせつつ、少し並行してという形を専攻科についても認めていただければ、その方向で、総合教育政策局のほうの会議でしっかりと議論させていただいて、また御報告させていただければというふうに思っています。
【永田分科会長】 令和8年4月以降なので、それまでに認証評価をまた先で受けなければいけない、その手前でも設置審とは言いませんが、認証評価の事前調査みたいなものはやっていただきたいと思いますし、そういう仕組みを少し皆さんで相談して、また、タスクフォースが必要ならつくっていただきたいと思います。それでもう一度議論すれば、いかがでしょうかということです。どうでしょうか。
【志賀委員】 爆弾を落とした立場なので、そのような方向をさせていただくのであれば私は異論ありません。それも、1年半後の法令の適用から始めて認証評価は今大学のほう7年に1回となっていますので、9年半の間でそのようなシステムができて、そこまでで受審して適格を受けるような形であれば、それは現行の大学の認証評価と同じですので、そこら辺につきましては、やはり先ほど言ったような資格というか、事前審査ではなくて事後チェックというところをフラットに、ダブルスタンダードでないようにしていただけるのであれば、それは9年半かけても別に構いませんので、ぜひそこは進めていただければと思います。
以上です。
【永田分科会長】 ありがとうございます。事前審査も行うようにと言っているのですが、それは認証評価とは別です。しかし、そういう枠組みをつくらないと、何を行っていいかまだ決まらないでしょうから、その仕組みづくりは早急に取りかかっていただいて、認証評価そのものは今言われたように年限が関わるのでその後でいいと思います。その前にこの最低限チェックするべきものはチェックして先へ進んだらいいのではないか、私の提案でこれを認めていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。その方向で文部科学省、よろしくお願いいたします。
続きまして、3番目のGlobal×Innovation人材育成フォーラム中間まとめについて、事務局から御報告お願いします。
【佐藤参事官】 高等教育局の国際担当参事官です。
資料3のほうを御覧いただければと思います。本日、留学生交流、いわゆる留学生のモビリティについての御報告、情報共有ということになります。
1ページ目ですけれども、G7富山・金沢教育大臣会合におきまして、人的交流をコロナ禍以上に拡大させるですとか、それから、教育未来創造会議の第二次提言において、インバウンド40万人、それからアウトバウンド50万人にすると、そういった数値目標が掲げられている中で、特に停滞する日本人学生の留学というものの機運を醸成するために、御覧いただいているような有識者会議を設立して、計4回御議論いただきました。
こちらにいらっしゃる伊藤委員、吉岡委員にも御参加いただきまして、ありがとうございます。
2ページ目を御覧いただきますと、そちらの中間まとめの内容が書かれているのですけれども、大きく分けまして留学機会の提供、経済的支援、体制・環境整備、留学の機運醸成ということについて御議論いただきまして、例えば国費による奨学金は単価の見直しと充実が必須であるとか、全学生が留学する前提の教育を大学は展開して、留年や休学することなく留学できる環境を実現するべきであるとか、そういったお話もいただいたのですが、その中でも派遣と受入れを両輪として、留学生モビリティの向上を推進するというふうなことがうたわれております。
この留学生モビリティの推進という点につきましては、3ページ御覧いただければと思いますけれども、非常にこの国際はやればやるほど手間とコストのかかるものというのが実態になっておりまして、大学における人的なリソース、それから財政的なリソースというのが非常に負担が重くなってくると。
やればやるほど、職員1人当たりの負担というのも増えてくるというふうな状況でございますし、また、この下のほうにざっと書かせていただいておりますけれども、入り口のところから派遣するまでだけを見ても相当な作業というのが発生するわけでございます。これは受入れも同様でございます。
こういった、この手間という意味では4ページ目御覧いただきますと、例えばですけれども、昨年度で終了しましたスーパーグローバル大学創成支援事業ですけれども、これ37校採択しまして、10年間で計483億円で支援してきたものになります。日本に今810ぐらい大学があると思いますけれども、この37大学で現時点で受入れの41%、それから送り出しの33.7%を占めているということで、要はこういう、コスト手間のかかる部分について体制を持っている、体制をそろえくることができた大学というのがかなり結果を出しているというふうなことが分かるかと思います。
5ページ目御覧いただきますと例えばこれは一例ですけれども、九州大学においてはこの下のほうを御覧いただきますと、留学生の支援事業基金ですとか、適切な在籍管理ですとか、それからこの法務統括室というのをつくって、研究インテグリティの強化を図るとか、こういったことをしっかりとやって進めていただいていますし、6ページ目を御覧いただきますと、芝浦工業大学の例ですけれども、この下のグラフにあるように、過去12年でインバウンドが13倍、アウトバウンドが8倍という中で、さらにこの持続可能な運営体制の構築をするために、このメリットベースの奨学金というものに今切替えようとしていたり、輸出管理の体制ですとか在籍管理というのを徹底して進めてきていただいているわけです。
7ページ目を御覧いただきますと、まさにこの留学生の在籍管理についてですけれども、特別部会のほうでも、この人口減少期において留学生と社会人というのが非常にこれからのキーになるというお話が多々あったかと思います。多様な学生の受入れを促進すべきだという観点でこの留学生で出ているわけですけれども、ちょっと思い出していただければと思いますけれども、少し前に、所在不明者や所在不明を理由とした除籍者が多く発生したという例がございました。
こういったことを受けて文部科学省と法務省のほうで協力しまして、今、留学生制度全体の信頼、信用を維持して、外国人留学生の受入れを推進するというふうなことで、この在籍管理の徹底というのを進めてきております。この表をちょっと見ていただくと、具体的にはですけれども、毎月大学から定期報告というものをいただいて、その在籍の管理状況を確認しております。この定期報告の中で、それぞれの大学の全留学生に対する退学者等の割合の人数の割合が5%を超える場合、在籍管理非適正という状態にあるとしまして、改善指導対象校として指定するというふうな制度がもう今始まっております。
これが今後3年間、3年連続で改善指導対象校として指定した暁には、在籍管理非適正校というふうに指定させていただくことになっておりまして、この旨を出入国在留管理庁のほうに文部科学省のほうから通告するというふうなことになるわけですけれども、この通告を受けてどういったことが起こるかというと、いわゆる在留資格、留学という資格が大学に対してはもう当面その間は付与されないというふうな今制度で運用が始まっているという状況でございますので、留学生というのはぜひ積極的に受け入れていただきたいと思っているわけですけれども、併せて、この留学生制度全体の信頼、信用というのを維持するためにも、しっかりと体制を持って、しっかりと管理していただきたいというふうな趣旨でございます。
最後になりますけれども、8ページを御覧いただきますと、もう一点、こちらは研究力の関係でございますけれども、外為法に基づく安全保障貿易管理という徹底を私どもも推進しております。真ん中のところ見ていただきますと大学に求められる主な取組として、組織体制の整備・運用、技術の提供や機器等の輸出の確認手続、研究者・留学生等の出入国等における確認手続というものを徹底していただくようにお願いしてきておりまして、最後9ページですけれども、この右側を御覧いただきますと、輸出管理担当部署を設置していただいている大学の割合と、それから、関係規定の策定をしていただいている大学の割合が、ここに記されているとおり国立大学は100%になっておりますけれども、公立大学及び私立大学においてはまだ一部の大学において担当部署がなかったり、関係規定が制定されていないということもございますので、ぜひこういったことを進めていただければと思います。
ちなみに今回の最後のアンケートの対象ですけれども、国立大学及び医歯薬理工農、それから、情報獣医系学部を持つ公私立大学の336校を対象にしているわけですけれども、基本的にこういった技術、研究技術というものを持ち得る大学においては、こういった安全保障貿易管理というのも徹底していただければと思います。いずれにしましても、留学生交流は非常に大事ですし、人口減少期において多様な学生層を受け入れていくというのは、日本のこの共生社会の実現という意味でも極めて重要な事項であると思いますけれども、こういった在籍管理とか安全保障貿易管理というのを合わせてしっかりと進めていただきたいという趣旨で、今回お時間いただきました。ありがとうございます。
【永田分科会長】 ありがとうございます。最初のほうで、グローバル化には金がかかる、時間がかかる、そのとおりだと思います。後半部分はグローバル化に伴ってリスクも背負っています、これを認識してくださいということです。我が国、リスク管理は遅れている部分があるのですが、とりわけて、我々アカデミアにおいては極力これをしっかりと理解して、対応しなければという、そういうことだったと思います。
それでは、御質問あればお受けいたします。大森委員、どうぞ。
【大森委員】 大森です。ありがとうございます。御説明ありがとうございます。
3ページと7ページ関連して、特別部会でも継続して議論していくということになってくると思うのですけど、外国人留学生の受け入れ、本当にこれ大変で、コストが、労力コストも含めて、金銭コストだけじゃなくてかかる。本学でもかつて1割強ぐらい留学生がいた頃に、もう担当者は夢に出てくるという感じでおりまして、アルバイト管理もしっかりしなきゃいけないということです。それで入り口をかなり厳しくしていったら、ちょっと残念ながら今留学生少なくなっちゃっているのですけれども、来ている学生はかなりしっかり学んでいい成績を収めているなと思います。
この在籍管理、あんまり厳しくはしてほしくないというのも本音ではあるのですけれども、ここでしっかりやっていただかないと留学生全体にあるいは大学全体に悪いイメージがついてしまうことと、これ以上厳しくされると本当に困るというところも出てくるので、ここは在籍管理について今日御説明いただきましたけど、しっかりとみんなでやっていこうということを確認できるとありがたいと思いますし、そのためにはやっぱりコストもかかるということをまた理解していただいて、留学生の受入れに対してどういう支援ができるのかというのも、今後財政のほうで検討いただければありがたいと思います。ありがとうございました。
【永田分科会長】 ありがとうございます。湊委員、どうぞ。
【湊委員】 ありがとうございます。ただいま提示された留学生問題についてですが、これまで留学生の数を増やしましょうという施策には相応の理由があってそれは御説明のとおりで、数値目標もしばしば使われてきたわけです。
今日はその中でも最後の課題として、在籍管理やセキュリティシステムをもっと強化しましょうという話ですが、それはその通りですけれども、やはり大事なのはそのプロセスであって、留学生をどういうふうに考えるかという議論が必要で、単に数を増やすということではなくて、どのようにして彼らをインクルージョンしていくかということ、もっと言えばビロンギング(帰属意識)までいかに持っていくかというプロセスを大学がどういう形で表現できるかだろうと思うのです。それには当然、学業やカリキュラムも大きく関わってきます。
留学生は異なるカルチャーを持つ国々から来るわけですから、生活上、あえて経済的な事項を含めないとしても、様々な生活支援、指導は当然必要になります。中でも特に大事なのは、やはりメンタル面のサポートだろうと思います。本学では現在3,000名弱の留学生が在籍していますけれども、いわゆるメンタル面を含む相談、コンサルテーションの類を含めた相談の割合は、日本人の在学生でも増えていますが、留学生はそれに倍する形で非常に増えているのが現状です。
これは当然支援を強化していかないと、留学生のインクルージョンやビロンギング、つまり自分はこの大学に属するという意識性を担保するのは非常に難しいということに他なりません。
このような一連の事項を我々が進めていかなければなりませんが、そのためには今お話があったように人的リソースを含めた大学のキャパシティということが問題になります。だから、各大学が持つキャパシティの中で、どれくらいきちんとした支援ができるか、またそれを強化するためにはどれくらい大学のリソースを、これは人的リソースを含めてですけれども、増やしていかねばならないかという計算を、各大学が責任を持って着実に行わないといけないわけです。
その上で、インクルージョンやビロンギングを進めるには、私たちの若い頃のように、留学生に対して日本でよく勉強されましたね、そのあとは母国へ帰って活躍してくださいね、ということではなくて、留学先である日本でも、彼らがそういう意識性の中でキャリアパスをしっかり積んでいけるような形でのメンタル面の意識づけとそれに見合う支援も当然必要になってくるのだろうと思うのです。
本学でも留学生が3,000名弱となると、先ほどありました在籍確認ができないというケースも正直言ってございます。確かに在籍管理であれ、セキュリティのシステムであれ、そういったプロセスはボトムラインとして、当然エッセンシャルであると思います。しかし、これらをやれば全てがうまくいくということではなく、そういうボトムラインの施策の上で、我々は、どのようにすれば留学生が日本の中でインクルーズされ、ビロンギングしていく意識性を持っていくことができるか、そして、将来的にもし彼らが日本でキャリアパスを望むのであれば、その道筋をどのようにつくっていくかということを認識する必要があり、そのシステムをつくらないといけないでしょう。そのためには、各大学はどれくらいのキャパシティを持っているのか、そしてもし留学生をもっと増やそうとすれば、どれくらいのさらなる投資が必要になるのかということを計算した上で進めていかないといけないでしょう。ここが単なる数のゲームになってしまうと、先ほど指摘があったような出口戦略の中で事態が複雑化してしまうことにもなり兼ねないので、各大学がこの趣旨を十分に理解できるように文部科学省でも周知徹底を図っていただきたい、そしてそれに応じた提案や、その意識性を反映した要求を文部科学省が評価して、それらに応分の支援をするという形をとっていただければありがたいと思っています。
私からは以上です。
【永田分科会長】 ありがとうございます。曄道委員、どうぞ。
【曄道委員】 ありがとうございます。フォーラムで御議論いただいた内容を御紹介いただいたわけですが、内容について異論があるわけでは全くございません。ただ、やはり留学というテーマを議論する際に、学生の移動ということはもちろんでありますけれども、やはりそれを実現、高く実現していくためには、日本の高等教育に対する世界からの信頼、この獲得というものがまだまだ課題としてあるのではないかなというふうに思います。その信頼の獲得のためには恐らく教育の内容、あるいは研究力、それから教育力、さらに研究者の交流であるとか、そういったことがやはり土壌としてしっかり行われていないと、学生だけが移動するということは実現できないです。
さらに、今、湊先生が御指摘になられたように、日本の社会に対して海外から来た学生たちがどう定着を図る可能性があるのかとか、そういったことへの配慮も併せて議論が進んでいくことが望ましいというふうに考えます。
その中で、もう既に8ページ、9ページで御指摘をいただいているのですけれども、国際情勢の複雑化の中で、この安全保障貿易管理等の徹底は、先ほど申し上げたその信頼を得るということに対して非常に大きな意味を今持っているあるいは持ちつつあるというふうに思います。主要な国の海外の大学との国際共同研究を行う際に、我が国の大学の中で、この安全保障貿易管理がどのように体制としてとられているか、適切な対応がとられているかといったようなことも求められる昨今でありますので、文部科学省等、国の機関との大学との連携の中で、やはり大学が当事者意識を持った危機感で、これに主体的に取り組んでいく必要があると思いますし、当事者意識を持つということに関して、まだまだ文部科学省あるいは他の省庁と大学との間でのやり取りというものも進んでいくべきではないかなというふうに感じております。
以上でございます。
【永田分科会長】 ありがとうございます。お三方、手が挙がっています。
このグローバル化の内容というのは、次の高等教育の在り方の中でも必ず出てくるので、ここは申し訳ありませんが、短めにお願いします。これから議論する高等教育の在り方のほうは変えられるので、そちらのほうでご発言いただけるといいと思います。
それでは、熊平委員、麻生委員、和田委員の順番に簡潔にお願いいたします。
【熊平委員】 ありがとうございます。熊平です。3点ございます。
まず一つは、質の高い留学生を確保することの重要性については、国全体として取り組むべきではないかということが1点。また、もちろん留学生が増えることで学生の学びがグローバル化することはすばらしいことではありますが、それ以外にも留学生が卒業後に日本の企業で、あるいは日本の社会の中で活躍し、日本のグローバル化を支援してくれる人材になる、あるいは日本を理解しているリーダーとして世界で活躍してくれることが、重要だと思います。このような留学生の卒業後の姿を踏まえた上で、戦略的に留学生の受け入れについて考えるべきではないかと思います。
また、留学生受け入れの体制や運営についても既にベストプラクティスとして紹介されている大学がありますが、これから始めるという大学が、もっと身近に実践事例から学べるような環境も、国として支援していくとよいのではないかと思いました。
以上です。
【永田分科会長】 ありがとうございます。麻生委員、どうぞ。
【麻生委員】 簡単に申し上げます。7ページの外国人留学生の在籍管理についての2番目のスキームのところに、大学等と書いてあり、学校教育法第1条に規定する大学及び高等専門学校であり、先ほど永田分科会長が高等教育の議論にも関係するとおっしゃいましたので、ここになぜ専門学校もしくは各種学校が入っていないのか、もし入っているのならば同じような取扱いをされるのかについての確認です。
以上です。
【永田分科会長】 今すぐにはデータないのでしょうが、大変大切な御指摘かと思います。佐藤参事官、何かデータはありますか。
【佐藤参事官】 今すぐ確認して。
【永田分科会長】 次回以降にします。大変重要な御指摘です。和田委員、どうぞ。
【和田委員】 ありがとうございます。留学生からの視点というところも少し必要だと思います。つまり留学生の満足度という点が一つ必要なのだと思います。どうしても我々は受け入れるアカデミアとしての立場から考えてしまいますので、相手にとってどういう満足度があるのか、例えば事務組織の英語化であったり、キャンパスライフでの充実度、そういった視点も今後入れていく必要があるのではないかと思いました。
以上です。
【永田分科会長】 ありがとうございます。多分、次の話題の中でも絶対また出てくるのではないかと思います。グローバル化に関してはいろいろな御意見が今後も出ると思います。佐藤参事官、どうぞ。
【佐藤参事官】 先ほどの御質問についての回答になります。専門学校に関しては基本的に都道府県管轄ということになりますので、今般のこの制度に関しては法務省と文部科学省の協力ということで、専門学校は対象にはなっておりません。
【永田分科会長】 今回の調査ではなくて今後そういうところにも調査を入れていかないといけないと思います。最後のところの安全保障のところです。基本的には、我々は我々と信義を同じくするところと共同研究をやっているわけですが、そこからはじかれない内容にしないといけないということです。つまり、そちらの安全保障に合っていない場合は、あなたと共同研究を行いませんと言われかねないわけです。こちらの事情ではなくて、グローバルステージでのスタンダードに合わせていかないといけないということを忘れないようにしないといけないし、アカデミアとしては、ジオポリティクス対アカデミアの、特に日本のアカデミアのリテラシーの問題なのです。あまり詳細は述べませんが、そういうようなものを乗り越えないと、幾ら外形的にこういう管理を行っても多分擦り抜けます。
根本的に我々は、日本のアカデミアはこういうことで教育や研究を行っていますというコンテキストに乗らない可能性はあるわけです。そこは安全保障管理を幾らしても乗らないので、例えば人質をとられましたみたいなことになったら、何を行っても無理なわけです。
よくよく考えないといけなくいと思います。言葉を変えれば、我々のグローバル化に向けて、日本の教育や研究というものを身につけた人たちが、高いレベルの科学研究、技術研究のリテラシーを持てるようにならないといけません。それがジオポリティクスを凌駕できるかどうかは疑問ですが、それを目指さないといけないだろうと思います。よろしいでしょうか。
今後の高等教育の在り方についての議論をさせていただきたいと思います。特別部会の委員は、1か月に1回か2回は熱く議論しています。今日、大学分科会で御意見を伺おうというわけです。
大きく分けて2つ御意見をいただきたいのですが、1つ目は、中間まとめで述べている質と規模とアクセスという観点からの御意見をいただきたいです。こうしたら質が高まりますとか、こうすれば規模というものの制限がかかりますとか、アクセスには絶対この観点を忘れてはいけませんというようなことです。
それからもう一つは、これは残った時間で議論をすることになってしまうと思いますが、機関別、設置者別の在り方についてということです。それから、高等教育の改革を支える環境です。とりわけて、どういう支援を入れていかないといけないのかということについて、御意見いただければと思います。
先に資料の御説明をお願いいたします。
【髙見高等教育政策室長】 お手元の資料4-1を御覧ください。
8月に取りまとめていただきました中間まとめ以降、特別部会におきまして、2回にわたり10の関係団体と2名の有識者からヒアリングを行ってまいりました。これらの団体・関係者ヒアリングを踏まえまして、中間まとめに記載がなかった、あるいは記載が十分でなかった点について、事務局において追加論点として整理したものがこちらの資料となっております。
まず1点目、1ポツでございますが、高等教育を取り巻く状況といたしましては、重要分野の人材育成、あるいは人口減少によって生じる空き空間の有効活用、専攻分野における男女別進学率の格差を追加論点として掲げております。
また、2ポツ、今後の高等教育の目指すべき姿として、供給者目線ではなく、学生の視点に立ったビジョンの提示。ウェルビーイングの向上を論点として追加しています。
さらに3ポツ、今後の高等教育政策の方向性と具体的方策、この中で(1)教育研究の「質」の更なる高度化と書いておりますが、学習者本位の教育の実現に向けた設置基準や設置審査、評価制度の在り方、通信教育や遠隔教育における質の確保策を掲げております。四角の枠内については、後ほど説明いたします。
2ページ目を御覧ください。教育研究の「質」の更なる高度化の続きとしましては、大学入学者選抜の在り方、あるいは先ほど来も議論になりましたが、留学生や社会人などの多様な学生の受入れ、また、大学院教育、研究力の強化などを掲げております。
さらに、2ページ目の下段のほうからですけれども、(2)高等教育全体の「規模」の適正化といたしまして、将来的な規模の提示、大学連携推進法人の仕組みの見直し、研究型大学の大学院へのシフトなど、(3)高等教育への「アクセス」確保として、協議体の在り方や具体的方策、地方公共団体における高等教育への関与の在り方や関係省庁間での連携の在り方、地方大学振興のための支援方策や教員確保方策等について、追加の論点として掲げております。
4ポツ以降については、後半で説明いたします。
続いて、資料4-2を御覧いただければと存じます。特別部会の議論と並行いたしまして、大学分科会の下に設けられています大学院部会、こちら、本日御参加の湊委員、村田委員、須賀委員、濱中委員、和田委員にも参画いただいておりますが、こちらにおきましても、このたびの中間まとめについて御意見をいただいております。その中でいただいた意見の主なものをまとめたのが資料4-2となっております。
特にポイントだけ申し上げますが、1ページの1つ目の丸にあるとおり、学士課程から博士課程までの同じ大学で学ぶ学生ばかりになることは望ましくなく、学生の流動性の確保に留意する必要があること。
また、3つ目の丸にあるとおり、大学は、研究活動や博士論文の執筆の過程で専門知識に加えて汎用的能力などの様々な能力を育成し、社会へ送り出すことが重要だという認識を持つ必要があること。
また、5つ目の丸にあるとおり、研究大学は大学院大学のような形で特化し、学部は他の大学で支えるといった発想の転換が必要であること。
さらに、資料4-2の3ページ目ですが、一番下の丸にあるとおり、教育研究の国際化や産学連携等の組織間連携を進めていく上で、UEAのような教育の専門家や、URAのような研究開発マネジメント人材、事務組織の役割が重要であることなどの意見もいただいているところです。今後の答申に向けての審議に当たりまして、こういった点もぜひ御参照いただければと存じます。
大変恐縮でございますが、資料4-1の1ページ目に戻っていただければと存じます。このような議論を踏まえつつですけれども、本日は資料4-1の下段の四角の枠内にあるとおり、特に御議論いただきたいポイントとしまして、大学設置基準、設置認可審査、設置計画履行等状況調査、認証評価、情報公表の見直しの在り方について、深掘りした御議論をいただければと存じます。
論点としましては、1つ目のポツにありますとおり、教育、研究の質を一層高めていくための仕組みの在り方、従来の定員中心の質の管理から教育の質の管理への転換を図っていくことが論点になり得るのではないかと考えております。
また、2つ目のポツにございますとおり、転編入学や転学部、あるいはレイトスペシャライゼーション、さらには大学間の連携を進めるための定員管理の在り方をどのように考えるのか。
さらに、3つ目のポツにございますとおり、規模の適正化を図りつつ、新たな分野の学部設置等の新陳代謝を図っていくための設置認可審査をどのように考えていくべきか、さらに、学生、入学希望者、社会へ向けた情報公表の在り方をどう考えるか、こういった視点を明示させていただいておりますので、ぜひ、この後の御審議において、このようなポイントを中心に御議論いただければと存じます。
また、枠の中の参考ということで、関係資料集ということで数字を書いておりますが、こちらについては、本日お配りしている資料の参考資料2と連動しておりますので、適宜、御参照いただきながら御意見等いただければと存じます。
私からの説明は以上です。
【永田分科会長】 御説明どおりです。先に質、規模、アクセスについて御意見いただきたいのです。皆さんの頭をリフレッシュするために、2040年の充足率、これは進学率を今よりも数%上げて計算し直して、それから留学生も入れて、75%になります。全部の大学の今現在の定員割るそのときの進学率を全部上げて計算し直すと、2040年は75%になります。これは変えようがない事実でありまして、学生が4分の3になるということです。ですから、4分の1分は埋まらないのです。というのが2040年の数字的なバックグラウンドです。前に計算したときは、大学進学率の向上はあまり含めないで計算していました。山梨の例を出していただきましたが、10%ぐらい進学率を上げて考えても、80%ぐらいになるというシミュレーションもいただいています。これを何とかしなければいけません。明日のことではなく、そのための明日のことであれば御意見を伺いますが、75%になった日にいきなり変えようとしても改革に10年ぐらいかかるので大学は変われません。ですから、この質と規模とアクセスは、2040年のことを考えて御意見をいただきたいと思います。どなたでも結構です。よろしくお願いします。
村田委員、どうぞ。
【村田副分科会長】 ありがとうございます。まず、先ほど、髙見さんからおっしゃっていただいた、今日特に御議論いただきたい点についてお話しさせていただいて、それから今ございました質、アクセス、それからサイズについて少しお話をさせていただきます。
まず、設置基準、それから設置認可審査、設置計画履行調査、ACですね、評価制度について、あるいは情報公表についてなのですが、たまたま大学基準協会のお仕事もしておりましたので、そのことも踏まえて少しお話をさせていただきますと、今一番大きいのは、これ大綱化のときに、いわゆる事前審査を緩やかに、しかし、事後審査を厳しくというのが基本的な方針だとは思います。つまり、認証評価をちゃんとしていきましょうということになっているのですが、残念ながら認証評価、御存じのように、極めて最低基準を満たす形でしか認証評価は行われておりません。さらに、今、分科会長である永田先生もそうですが、私も大学基準協会で仕事をしておりましたけども、認証評価機関によってかなり基準がばらばらでございます。御記憶の方もいらっしゃるかと思いますが、ある認証評価機関を設置するときに、適格・不適格を判定しないというような議論もあったりいたしました。認証評価機関が適格判定をしないなんていうのはあり得ないということで、適格を判定する形になりました。
そういう意味では、少し認証評価機関の間にばらつきがあるということを私は従来からずっと申し上げておりまして、やはり認証評価機関のメタ評価機関をつくり、国際的に通用する認証評価機関であるということをしていくことが、まず基本的に重要であろうと。その上で、先ほど申し上げましたように、最低基準を認証で評価しているわけですけれども、そうではなくて、認証評価の中でそれぞれの大学の特徴、例えば今、大学基準協会では、ある項目については、A評価である、B評価であるというようなことを今公表するようにしております。そうでないと、全くその大学の特徴が分からないということだと思うのです。
同時に、これもポートレートがありますけども、恐らく、保護者、高校生、ほとんど見ていないと思うのです。各大学が出しているものですし、各大学団体が出しているものですから、言ってみれば、手前みそでやっているわけなのですが、その点、認証評価機関がちゃんと認証評価をした上で、A、B、Cといったような項目ごとの評価をつけて、それを公表すると。情報公表というのは、やはり客観的な情報が意味を持つわけで、そういった形にしていくことが必要なのだろうと。そうすることによって、いわゆる偏差値的なものではなくて、本当の大学の教育の質というところが、これから求められる質というところが情報として出ていくのではないかという意味では、情報公表というのもやはり認証評価機関がやっていく。しかしながら、その認証評価機関がばらばらでは困るわけで、メタ評価をしていくということが必要なのだろうなというのを思います。
それがまず1つ、今日、髙見さんからいただいた宿題かと思うのですが、もう1点、永田分科会長から、サイズ、アクセス、それからクオリティーについてなのですが、恐らくサイズとアクセスにつきましては、地方と都心との差がありまして、その差をどうするか。特にアクセスの問題は、地方の学生は、やりたい学問がなかなか地方の大学にはないというような問題で、アクセスとそれからサイズの問題、これはある意味、トレードオフの問題が起こってくるとは思うのですが、もう一点、実はこれまでサイズを考えたときに、どうしても入り口のところでどうするかという議論があったのですが、ちょっと極端な、非常に極端なといいましょうか、爆弾発言とまではいかないと思うのですが、クオリティーを考えたときに、今まさにここにいろんな形で認証評価も含めて、この30年間、それこそ大学教育の質をどうして上げるべきかということをいろんな議論がなされてきました。
例えば、内部質保証をどうしていくのだとか、手法的なことがなされてきたと思うのですが、教育の質を上げる、あるいは一番の問題は、学習時間が足らない。圧倒的にアメリカ、欧米に比べて学習時間が足らない。これをどうするかという一言に尽きると思うのです。じゃあ、学習時間をどうやって伸ばしたらいいかというと、いろんなことを今大学がしようとしているのですが、コロナのときは伸びたのですが、元に戻るとまた学習時間も短くなる。じゃあ、どうするか。しかも18歳人口が減っていくというときに、アメリカの学生がどうして勉強するかというと、入るのは易しいのだけど出るのが厳しいから勉強せざるを得ない。ここに尽きると思うのですね。そうしますと、前回あるところで私は、思い切って、全ての大学の入学定員を75%というような発言をしたのですが、むしろ卒業の定員を10%、90%しか卒業させない。そこに競争、大学に入ってからの競争、勉強による競争を入れることによって、まさにサイズの問題とクオリティーの問題を同時に解決していく、そういうような工夫。本当に学習時間をどう上げていくかということ、そのこととサイズをどう考えるかという抜本的なこと。これはずっと考えてきて、できなかった。学習時間をどうして上げるかというときに、一つの大学で、うちの大学は厳しくします。10%は留年させます。相対評価でいきますと言っても、絶対その大学には学生は来ません。しんどいわけですから。ですから、全ての大学がそういう形になっていくという大きな方向転換でもしない限り、日本の学生の勉強時間が増えないのではないかなというのは、現場をずっと担ってきた身としても思っていますし、そのことがサイズの問題を解決する一つの手がかりになるのではないかと、そんなふうに思っております。
私から以上でございます。
【永田分科会長】 とても斬新でした。
大森委員、どうぞ。
【大森委員】 ありがとうございます。大森です。今回の答申の一つというか、知の総和ということをずっと議論してきている中で、教育の質の向上ということ、高度化なり向上ということ、これ考えてみると、今まで私たちは2012年ぐらいに質転換答申というところからあって、それからグランドデザインで質保証という話になって、だから質転換、質保証と来て、次いよいよ質向上だという、この流れとして非常にいいというか、そうだよねと。今までベースをつくってきたのだからということで、少子化の話とも絡むのだけれども、そもそもというところでは、その流れが非常によくできてくるのではないかなというふうに思っています。
もう一回、多分、今、村田先生がおっしゃったことと絡むのですけれども、前に質保証システム部会が立ち上がって、設置基準の見直し等々も行ってきたのですけど、そういったことの研究をもう一回して、質保証システム全体をもう一回、この10年で考えなきゃいけないのではないかなというふうにも考えているところです。そこは多分、教育の在り方とか、学部教育って何なのか、大学院教育って何なのかってずっと議論してきたことをもう一回まとめ直さないと、今、設置審でやっている審査と中教審で議論してきた、例えば分野融合みたいな話とか、ちょっとずれが来ていたり、それから、今、学生の学びを向上させるのは、一人一人の先生というよりは、カリキュラムとしてDPに向かう教学マネジメントをしっかりやることによって成長させているのだけど、何となくイメージですけど、設置審では一人一人の先生がどうなのかということを見ていくような、チームとしてというか、あるいはカリキュラムとして学生を育てられるかという観点に、つまり、設置審査の厳格化というよりも実質化ということですね。そういう方向に向かっていかなきゃいけないだろうという。それによって新陳代謝もしっかりとできるような形にしていくということが必要だなというふうに考えています。これ、今日、明日できる話ではないのだけれども、ある程度の時間を取ってやらなきゃいけないのではないかなと感じています。
それから、定員管理に関しては、やっぱり厳格にというか、100%ぴったりを目指していくということが必要になってくるかなと思うのですけど、どこかだけたくさん採ってということのないように。そうすると、必ず100パーを下回るという形になるので、ここに関しては定員充足という概念を、どこからが充足している、100パーを超えたら充足なのですよね、今。だけれども、それだと100パーぴったりに学生をそろえるということは無理なので、例えば、分からないですけど、9割以上なのかは、定員充足しているのだという認知をしていくというようなことが必要かなと思っています。
アクセスに関しては、自治体との関係をもう一回つくり直さなきゃいけないというのは、これからもちょっと議論していかなきゃいけないと思っているところです。
あと、支援に関しては、かなり具体的に計算を今度始めるというか、本当にその教育にどのぐらいかかるかって、例えばアカデミック・アドバイジングであるとか、それからカリキュラム・コーディネーターだとか、あるいはFDだとか、SA、TAの育成とか、本当にやらなきゃいけないことまだまだいっぱいあるのだけど、本当に今の学費では基準の先生を雇うのでぎりぎりですよね。高度化していこうといったときには、もっとこれぐらいかかるというのをちょっと計算してみて、そこからバックキャストする必要があるなという感じがしています。
以上です。ありがとうございます。
【永田分科会長】 ありがとうございます。大野委員、どうぞ。
【大野委員】 大野です。ありがとうございます。少し逆説的ですけれども、私は定員管理の弾力的な運用が必要なのかなと思っています。入学定員というのは、収容定員、一時的なものになると思いますけれども、出口における質保証であったり、あるいは学習者本位の教育の実現であったり、例えば転編入ですとか、レイトスペシャリゼーションとか、それらを実装していくとどうしても修業年限が増加しますので、それをきちんと反映する我々の質保証に合った形の境界条件として定員が必要だなと。もちろん、入学者に関しては別な考え方になると思いますけれども、入学した人たちを丁寧に教育していくという意味で、一つの考え方として必要なのではないかと思います。
2番目が、情報公開の在り方については、先ほど大学ポートレートのお話も出ましたけれども、あそこを見ますと大学のホームページに飛ばされるようなことがほとんどであります。大学間の横断的な比較ができない。これは大きな問題であります。また、今日は御説明、多分そこまで行かないのだと思いますけれども、全国学生調査の結果を公表すべきだと思っています。さらに、既に今御発言がありましたけれども、認証評価機関の結果について、これも公表すべきだと。つまり、公開することによって、いかに高等教育がきちんと社会と向き合って、自分たちが社会に見せるべきものを見せているのだというところがないと、やはりこの少子化のときに、高等教育に対する信頼というものが見えてこないし醸成できないと思います。
最後ですけれども、学費の問題、そのとおりだと思います。先ほど留学生に関して、手間とコストがかかるということがございました。それを誰がどのように負担するのかと。学費に対してもどれだけの負担を、留学生だったら割と分かりやすいところではあると思いますけれども、負担をするのかということの議論も必要かと思います。やるべきことはたくさんあるのですけれども、それを実際に実装できるのかできないのかということは、やはりお金の問題を避けて通れませんので、それをどのように実装していくのかということは、我々が考えていくべきことの一つだと思います。
以上です。ありがとうございました。
【永田分科会長】 ありがとうございます。
現在、お手が7人、8人挙がっておりまして、お一人、できれば2.5分ぐらいで意見を述べていただきたいと思います。後藤委員、どうぞ。
【後藤委員】 ありがとうございます。全体の網羅的な話になりますが、まず、適正規模に関する具体案が必要になってくるかと思います。全体の2割程度ではありますが、国立大学の学部の収容定員の削減というか、定員管理運用でもやれると思いますが、必要かなと思います。勉学意欲とか基礎学力の水準を一定に保つためとか、学びの支援や学生生活など、様々な学生サービスの質向上を図るという観点からも必要だと思います。現実的な対応として、授業料の値上げ、それから小規模化する国立大学の再編・統合も視野に入れていく必要があると思います。
次に、国立大学の大学院ですが、収容定員の増加、特に研究大学の大学院重点化をさらに推進する。そのときに学部からの接続性強化、15歳からの高等教育機関である高専からの進学や大学間での移動も含めて、高度専門人材育成を行っていくということ。そのことが大学の研究力強化、クオリティーにつながっていくかと思います。
さらに、専門性だけではなくて、大学連携による共同教育で視野を広げて汎用的能力を高めるということも重要になると思います。社会全体で博士人材の受入れを拡大し、専門性のみならず課題発見、解決力、現場対応力等を身につけた人材の実績で給与体系を設定する、この好循環を引き起こすということが重要だと思います。
また、大学院への進学を推進するために、大学院生の特性や専門性を生かした活用と一定の収入確保が必要だと思います。そのことが経験を積んでキャリア形成につながっていくと思います。勉学意欲が極めて高く実績のある大学院生の早期修了も、もう少し推進する必要があると思います。
以上が国立大学ですが、私立大学に関しては、大規模私立大学と地方の小規模私立大学を少し分けて議論する必要があるかなと思います。公立大学は急増しており、設置認可のところの課題があるかなと思います。特に公立大学の役割をもう少し明確化する必要もあるかと思います。
以上です。
【永田分科会長】 今の、議事録に箇条書すると良いです。大体の課題が出てきていました。
須賀委員、どうぞ。
【須賀委員】 須賀でございます。よろしくお願いします。私からは規模の適正化に関して、少しお話をさせていただければと思います。
75%に減るということは、これ、放っておいて解決できる話ではないので、恐らく需給のバランスを国全体として図っていくという強硬な手段を取らざるを得ないのではないかと思います。私は決して管理がいいというふうに思っているわけではないのですが、社会状況に応じてこのような事態に陥った以上は、何らかの強硬的な手段が必要だろう。これ、国全体として75%を実現しても、全くこれを全て一律にやってしまえば、多分、地方は疲弊してしまいますし、我々にとって必要な人材を輩出することができなくなってしまうとので、全くその後のほうは、規模の適正化を行いながら、どういう形で管理するかという管理の主体の話になるのだろうと思います。全体は文部科学省で構わないと思うのですが、地域の発展は地域でやらなければいけないので、地域の大学のコンソーシアムのような発想もあったかと思いますが、そういうところがどのような機能で適正化が図れるかということをもう少し真剣に考えていただく必要がある。
それぞれの大学にある科目で必要な人間を置くということで、例えば地域に5つあれば、5人同じようなことを教えている人がいる。でも、地域の人口が減ってくれば、その地域にはそういう科目を教える人は1人でいいとか2人でいいとかになるはずなので、連携を進めればいろんな形で適正化が図れていくだろう。一つの大学の中でやろうとするから無理があるので、そうではないような仕組みを考えていただく。公立化すれば私立が温存できるというようなお話は、結局のところ、授業料が安くなったから人が流れるだけのことで、全体としてはほとんど役に立たない話なのではないかというふうにも思えます。ということで、地域で一体どういうふうな協力関係を教育、研究で結ぶことができるかという話を、それぞれの学校が持っている機能を最大限に果たすような形で進めていただくのがよろしいのではないかということです。
このようなお話をする理由の一つが、今は出口のところで新陳代謝と言っていながら、退出を促すというようなことにはなっていない。認証評価をやっても、どういうところに問題がありますから、そこを改善してくださいねという改善のことが出てくるだけで、「はい、あなたは失格です。退出してください」とは言われないのですね。
その一方で、入り口のほうでは、最低基準を満たすと認可されるという形になっています。これでやってしまうと、これから先も減ることはないわけです。先ほどの留学の話の中では、留学生と社会人で減ってきた穴を埋めるというような発想がどこかにあるので、これは相当に危険な方向に行っているのではないかという感じもします。こういう事後的なチェックでやっていきましょうというのは、もううまく機能していないということを前提として、需給のバランスは国が責任を持って果たすということを大条件にして考え直してみてはいかがでしょうかというのが、取りあえず申し上げたいことです。
私からは以上です。
【永田分科会長】 ありがとうございます。
今日の発言は、特別部会では妙にいろいろしんしゃくしてなかなか出ない意見を、明快に具体案で皆さん述べているというところがすばらしいと思います。
古沢委員、どうぞ。
【古沢委員】 ありがとうございます。まず、先ほど、特に議論をいただきたいということで挙げられた設置認可について申し上げますと、中間まとめで厳格化が打ち出されたところですけれども、既に実際はかなり厳しく見る方向になっているという話は聞くところです。規模の適正化ももちろん必要なのですが、その中でやはり新陳代謝も確保しなければいけないということを考えますと、今の設置認可のスケジュールとか時期がこれでいいのかということは疑問を持っています。
というのは、現状では、時代の変化に対応して迅速に進めるという改組転換を促すメリットはあると思うのですけれど、新規参入の法人からすると、認可の可否も分からず、設備の整備を並行して進めなければいけないという矛盾というのはもちろんありますし、それから、どんどん早期化する大学入試に対応が今のスケジュールだとどうしても遅れて、初年度学生が確保しづらくて、その後の経営にも響くという話をよく聞いているところです。時期、スケジュールの問題は、きちんと審査するということも含めて、もう一度見直してもいいのではないかと思っています。
それから、大学の質の問題ですけれど、これはやはり大学入試の見直しというのは避けて通れないのではないかと思います。今、早期化と申し上げましたけれど、基礎的な学力を何らかの統一的な方法でチェックする仕組みというのは、やはりあったほうがいいのではないかと思います。その一方で、高大接続という観点から今、高校の成績というのも非常に重要視されているのですけれど、その高校の成績評価の在り方も現状のままでいいのかというのが今後の検討課題であるかと思います。
以上です。
【永田分科会長】 ありがとうございます。
小林委員、どうぞ。
【小林(弘)委員】 ありがとうございます。あまり時間がないので、サイズの問題だけに限って発言させていただきます。
参考資料1の(1)-1-4(PDFの8ページ)で18歳人口の将来推計というのが出ているのですけども、御存じのように、将来推計の中で一番人口推計が正しいと言われていて、特に18歳、ゼロ歳児が18歳になる生存率は99.6%なので、今生まれた子供たちがほぼ全員18年後には18歳になると考えてもよろしいと思います。そうすると、18歳人口を見ると、ここ数年は逆に増えているのですが、それからなだらかに減少して、2035年ぐらいからがくっと減っていくので、それまでは、大学にとってはあまりインパクトを感じていないのですね。10年後のことというのは、先のことで、特に今の経営者も10年後には皆いなくなってしまうので、それほど大きく感じていないのが現状ではないかと思います。
それで、一方で私立大学の数は、実際には増えているのです。この同じ参考資料1の(2)-2-4(PDF72ページ)を見ますと、私立大学は少しずつ増えていっているのですね。そこで須賀委員もおっしゃるように、設置認可が甘過ぎるのではないかというお話もあるのですけど、私は学校法人審査会、村田先生もそうですけど、学校法人分科会にも所属しており、設置認可の際に学生確保の見通しという証拠書類を出していただくのですけども、学生確保は大丈夫だと思われていたものが、実際に蓋を開けてみたらアフターケアで20%ぐらいしか学生を集められていないという現状があって、委員はみな驚愕したわけです。それで特別部会を組織して検討を加え、去年、かなり厳密なマーケティングをしないと通さないよというメッセージを出していたと思います。したがって、これからはそのような学生確保の見通しが甘い学校は大分減るのではないかというふうに私は予想しておりまして、事前チェックも機能するのではないかというふうに感じているところです。
今まで、大綱化で事前チェックをしながら事後チェックに重点を置くという、このスタンスで長い間動いているのですけど、それが、ほころびがあるところはそれなりに修正すればいいかと思っていますけども、ただ、事後チェックでは、不適格でも撤退にはならないのですね。文部科学大臣から是正勧告が出るかもしれませんけれども、やめなさいというところは、法令違反がない限りはできない仕組みになっているかと思いますので、撤退命令ができないところの問題かと思います。
ちょっと長くなるので、この辺でやめておきます。どうも失礼します。
【永田分科会長】 ありがとうございます。つまり、当事者に意識がないというのを申し上げて、だから大学改革するのに10年ぐらいかかるから、もうそろそろですと言っているわけです。がくんと減るのはそのとおりです。だから言えるのではないかと思っています。ここにいる人たちはもう10年後いないのであれば、改革案をどんどんおっしゃっていただいて結構なのではないかと思うのです。設置のほうについてはたくさん意見が出ているので、集中的に審議をしないといけないと思います。
濱中委員、どうぞ。
【濱中委員】 濱中でございます。簡単に2点ほど申し上げます。
まず1点目として、先ほど大学院部会の議論についても御紹介いただきましたけれども、学部と大学院の連携という視点をより積極的に取り入れていただければと考えております。学生の学習の充実という点に関しましては、やはりどれだけ教育的サポートができるかということが最も大事になってくると思うのですが、その場合、もちろん、ST比が大事になるのですが、同時にTAの役割も重要になってくるはずです。先ほど村田先生からアメリカの話が出ましたが、アメリカの大学教育の特徴の一つはTAにあるかと思われます。TAがかなりの部分、学部教育を支えています。こうした観点から、教員の充実を検討してほしいということも声を大にして申し上げたいところではありますが、同時に大学院の充実、大学院の規模、それを組み込みながら学部教育の質を検討するという視点が、特に人文社会系では大事になってくるのではないかと考えております。
いま一つなのですけれども、今度は大学教育の標準化という視点についてです。これまでの改革の議論というのは、基本的に各大学の個性とか特徴とかオリジナリティーということを重要視しながら進んできたと理解しています。その側面も大事なのですけれども、ただ、これだけの数の大学があると、たとえ個性に基づいた広報、評価結果が提示されたとしても、社会や高校生や企業はどこをどう見ればいいのか分からないという状況に陥ってしまうようにも思われます。
大学で学ぶこと、ひいては大学院で学ぶことのある程度の標準化という視点は、社会人の学び直しの促進という観点からも検討すべきではないかと考えています。分かりやすさがないところに需要、特に社会人の需要というのは起きにくいと考えられます。こうした視点についてもちょっと御検討いただければなというふうに思いながら手を挙げました。よろしくお願いいたします。
【永田分科会長】 ありがとうございます。
髙宮委員、どうぞ。
【髙宮委員】 ありがとうございます。髙宮です。先ほどからいろいろお話を伺って、まず、部会長からは、いずれ75%までに学生数が減るという、知っていることですけど、改めて耳にするとショッキングな数値を伺い、須賀委員がおっしゃっておりましたように、今後、ある程度の基準を決めて国として定員管理をしていく必要があるということは全く痛感しております。それから、その際に地方がやはり主体となって守るべき部分というのを積極的に各地方で決めていただく最低限のことが必要だろうということも、これも私もそのように考えます。
他方で、それで管理の中の範囲で全部がコントロールできるかというと、そうでもないところが確実にたくさん出るというのも認識しておいたほうがいいとも思いました。と申しますのも、このところ、デジタルとグリーンを中心として理系人材の育成を掲げていろいろ認可を進めてきた結果、定員がそちらで増えた部分というのもたくさんあるかと思います。片や少子化が進む一方で、違う分野を膨張させたことによる定員の増加は同時に起こっておりますので、これは望ましい方向でもありますが、副作用としては、学部の変遷、学科の変遷、専門分野の変遷というものがそれに伴ってくるので、完全コントロールというよりも、新陳代謝と先ほど古沢さんがおっしゃいましたけれども、そのような観点からの移行も念頭に置いてしたほうがよろしいのではないかと感じている次第です。
それから、先ほど村田副部会長からたくさんお話がありましたけれども、今回の資料4-1を拝見して、外部からのある程度の意見を聞くと、かなり大学教育の本質的な問題を再考しなければいけないという状況になっていることにも気がつかされました。これは村田先生がおっしゃいましたように、学生、勉強しないではないかと。日本の高等教育の問題の一つであると思いますが、これは今の定員管理の仕組みが、入った人たちをそのままキープして出すような形になっており、私立大学としては不可を出して厳しくするということが非常に経営と矛盾する結果になると。ましてや現在のような非常に大学間の競争が厳しい状況においては、そのようなお互いに緩くして人員を集めなければいけない経営状況に追い込まれるところができているのではないかと思います。これは非常に大学教育の根本的問題として既に認識されておりましたが、今の定員管理の考え方の中に、むしろ出口の管理、厳しくして何割か落としたとしても、質を確保するという今後の明確な思想が盛り込まれたほうがよいと思いまして、ここで定員管理の話をさせていただきました。
それから、もう一点は入試のことでございますけれども、ただいま多くの大学がユニークな学生を採るということも目標に掲げて、それぞれかなり入学の試験づくり等々に労力を割いております。例えば3科目入試であるとか、あるいは2科目入試とか、絞った中でこれが行われてしまってきていることについては、リベラルアーツ的な多角的な視点を持っている学生を育てる上では非常に不利だということも分かっております。入試制度改革についても、一大学ではできない部分が多いということを念頭に置いて、もう少し共通化等々が図られるとよろしいのではないかと思います。
以上です。どうもありがとうございました。
【永田分科会長】 ありがとうございました。
松下委員、どうぞ。
【松下委員】 森委員の順番ではないですか、先に。
【永田分科会長】 いや、お話ください。
【松下委員】 いいですか。すみません。ありがとうございます。
先ほど村田委員がおっしゃったこと、また今、髙宮委員も引用されたのですけれども、学生が学ぶ仕組みをどうつくるかということについてです。先ほどは相対評価で1割ぐらいは卒業させないという、かなり大胆な案を出されました。例えば、アメリカのロースクールは、相対評価を取り入れているということでよく知られているのですけれども、あれは合否は絶対評価であって、合格者の中の成績のところでのみ相対評価を取り入れているわけです。全体に相対評価を入れてあまりに不合格者が出る、しかもそれは中身にかかわらず、そういうふうに数値設定をしておくというのは、やはりかなり問題があるのではないかなというふうに思います。今までも言われてきたことですけども、やり方としては、明確に評価基準を設定して、合否判定の合否のそこの基準ですね、それが明確で、そして、そこに到達するための様々な課題が出され、それに対して学生が応えていく。そういうふうにして学生に力をつけつつ、出口のところでしっかり質を保証していくということが正攻法であり、やっぱりこれしかないのではないかと私自身は思っております。
また、今日の資料の4-1の1ページのところで、入学段階における合格難易度による大学評価から、出口段階における学生の能力の伸び等による大学評価へ転換すると書かれていますが、これはもっともなことだと思います。学生自身が個人内評価でどういうふうに成長しているのかというのを感じつつ、そして大学評価としては、付加価値分析みたいなことになるのかと思いますが、そういう形での評価というのは重要だと思っております。ただ、この後、今日、もう審議される時間があるかどうか分かりませんけども、全国学生調査のような間接評価、つまり質問紙で、学生が自己報告で答える、そういう評価だけでは、付加価値分析というのは難しいのではないかなというふうにも思っております。
以上です。
【永田分科会長】 ありがとうございます。おっしゃるとおりですが、村田委員は、規模を制限するために活用しようとおっしゃっただけなので、多分お分かりにはなっていると思います。
森委員、どうぞ。
【森委員】 ありがとうございます。時間がない中で、私からも2点でございます。
まず、最初に、これまでお話ししてきた、「学ぶ人材をどうやって増やしていくか」ということで、本日も適格専攻科からの大学院進学や、リカレント、留学生の増加などいろいろご提案があったところです。しかし現状、リカレントはなかなか進んでいないという事実、あとは、18歳人口の中でハイエンド人材を育成をする大学とボリュームゾーンの人材を育成する大学のところで大きく大学の質が変わってきてしまっている事実を考慮しなければならないと思っています。特に入試のところですね。ボリュームゾーンのほうは、もう年内入試に大きくシフトしましたので、そういう意味では、高大接続で高校生は高3の12月から大学の学びの先取りのような活動も入ってくるので、そもそも高校と大学の接続のところもハイエンド人材とボリュームゾーン人材の大学では大きく違ってきています。これを同じ大学ということでくくって議論するには、もう私は限界があるというふうに思っています。よって、緩やかな機能分化的な話をそろそろ持ち出さないといけないのではないかなというところでございます。
その話の中では、先ほど、研究大学が大学院に特化したらいいのではないかとか、そういうところもちろんそうですし、このボリュームゾーンというのは、私とすれば米英でいうリベラルアーツカレッジのような役割を持っているので、さっきの適格専攻科と同様の理由で、18歳ではなかなか伸び切らなかった学生たちが、そこでレイトスペシャライゼーションで伸びてほかの大学院に進学する、そういったような道をつくっていく必要があると思っています。
次に、これは認証評価の話です。今、私自身、現在、認証評価、設置審、ACに関わっている身としましては、大学評価がうまくいっていないという印象があります。特に、先ほど須賀先生もおっしゃいましたけれども、認証評価機関において評価基準に大きな差があって、なぜかACはなかなか卒業できないけれども、認証評価は適合みたいなパターンも出てきているということなのですね。そういう意味では、先ほどメタ評価の話が出てまいりましたけど、これは村田先生のお話だと思うのですが、大学同士のピアレビューでは限界があると強く感じています。以上から、日本の教育政策においては入り口が国として文部科学省がしっかりと認可をするシステムということであれば、やはり出口も私は国が責任を持つべきだと思います。そうでないと退出のルールやシステムの構築は難しいと思います。
以上でございます。
【永田分科会長】 ありがとうございます。
橋本委員、どうぞ。
【橋本委員】 ありがとうございます。橋本です。先ほどお話が出たのですけども、今後、留学生や社会人学生の増加というものは一定程度はあると思うのですが、その一方でわが国の人口減少を考えれば、今の高等教育機関全てが現状のまま存続するということは恐らく無理だと思います。こうした事業環境の中で、大学という特殊性の下で現実的な打開策、つまり、規模の問題としてその打開策をどう考えるかということなのですが、1つは、既にその実例は幾つかありますけども、選択と集中、強みを発揮する分野に集中して大学の独自性を発揮して、例えば地域の大学であったとしても、全国から求心性を持って学生を集めてこられる大学に生まれ変わっていくというのが一つの方法かなと思います。ただ、これは口で言うのは簡単ですが実現するのはなかなか難しい。そしてもう一つが、規模の拡大であり、これは経営として安定的な規模まで統合を進めるということです。いずれの選択肢を取るにしても、多くの地域で、その地域の人口規模に合った大学の定員規模の合計数に将来的には収れんしていくものと思っています。
ここから先は、論点整理の3ページのところに及んでしまうので、ややフライング気味ですけれども、申し上げたいと思います。ビジネスの世界では、地域人口の減少に伴って事業の再編が行われています。例えば、地銀のように再編を契機に経営基盤を強化して、それぞれが持つリソースを掛け合わせることで顧客へのさらなるサービスの拡充につなげていくという事例がございます。地銀の再編の場合は、合併あるいは持ち株会社化などの形態があって、その多くの場合、まずは事務部門、あるいはシステム部門など共通化できる部分を統合してコストを削減し、そうした取組みを進める中で融合を図りながらお互いの理解を徐々に深めていくというやり方を採用しました。
大学の場合、それぞれが建学の精神、あるいは歴史を抱えておられますので、地銀と同じようにやれるかどうかは分からないのですけども、一つの先例として参考にはなると思います。自前主義を脱却して、よりよい教育を提供するために、ほかの大学のリソースを存分に活用するという考え方に転換すれば、教育の質を高めていくことも可能だと思います。その場合に、まずは事務部門、あるいはシステム部門、あるいは教養科目の共通化などを図っていって、先の統合を見据えながら検討していくということになると考えております。既に再編・統合にチャレンジした大学もございますので、そうした先行事例も参考になると思います。
先ほど須賀委員から設置基準の話がございましたけれども、設置基準に基づく大学等の設置が、これまである意味で国の主導で行われたのであれば、こうした再編統合の動きについても、一定程度国あるいは地方公共団体が関与しないと進まないのではないかと思っています。もちろん健全な危機意識の下で前向きに検討する大学や自治体はあると思いますけれども、一定の指針あるいは経済的援助を手当てすることによって取組みを促進していかなければ、2040年ということを考えるとなかなか難しいのではないかと思っています。
私からは以上でございます。
【永田分科会長】 ありがとうございます。
時間がかなり迫りました。まだ議題が残っているのですが、1つは、今日絶対できないことになっているので飛ばします。熊平委員と田中委員、ここまでとさせていただきます。伊藤委員もずっと手を挙げられているのですが、特別部会の委員だったので控えていただきました。
熊平委員、どうぞ。
【熊平委員】 ありがとうございます。大学のグランドデザインを考えるという観点から、2つ重要なことがあるのではないかと思います。1つは、学生が大学に何を求めるかということ、そしてもう一つは、社会が学問と研究の多様性をどのように担保していくことが大切なのかということです。その観点から、可能であれば以下の情報がいただけないでしょうか。国公立、私立全ての大学に関して現状の定員充足率に関する情報。また、学部単位で、学部ごとに見ていくことも大事なのではないかと思います。そういった情報が既に文部科学省にはあるのではないかと思いますが、情報を開示していただくことは可能かということをお伺いしたいです。
以上です。
【永田分科会長】 後で答えられるなら答えます。
田中委員、どうぞ。
【田中委員】 田中でございます。先ほどの橋本委員と同じことになるのかもしれませんが、もしも75%にするとするなら、どのように対応するかとしたときに、入学で絞るのか、大学自体の数をというようなコントロールなのかということの場合、公立大学の立場としては、やはり公共政策、地方創生のために出来上がっている大学もたくさんございます。そういったことから、単科大学であっても数が増えていくという歴史的な流れから、国立大学の数を今抜いているということでございます。例えばの例として、看護系の単科大学は、60%、70%、地域の人材として輩出し就職させ、地域の医療を担う人材養成をしているのですね。そうしたときに、一律にコントロールということが行われるとなると、地方行政あるいは地域医療が成り立って行かなくなるという心配が予想されます。このような事から、コントロールということになれば、その指標の中に国公私立というだけではなく、地域の指数、地域の状況をどのように組み込めるかというような観点も入れてもらって、適正な運営ということでの高等教育という在り方を考えていただけたらというふうに思った次第でございます。
【永田分科会長】 大変重要な観点です。ありがとうございます。
もうあと7分ぐらいです。次回のために一応申し上げておくと、これから30分間かけてお聞きする予定だったのが、機関別・設置者別の在り方と、高等教育の改革を支える財務的な基盤をどうするかという問題です。それは特別部会でたたき台をつくって、またお示しして皆さんに議論いただくことにします。伊藤先生、二、三分なら取れると思うのですが、どうぞ。ずっと手を挙げられていて、無視したわけではありません。
【伊藤委員】 一応、特別部会にもしんしゃくしない意見があるということだけはお伝えしようと思ったのですけども、短く言うと、知の総和をどうするかというときに、やはり相当大胆なことをやらなければいけないということで、例えば明治の末期、例えば1910年ぐらい、そのとき国立で帝国大学、大学として明治政府から認められていたのは、東大と京大と東北大学と九州大学しかなかったわけです。私立もあるわけですけども、大学部という形で実際には認められていなかった。
でも、そのときに一番大きな違いは、帝国大学は中学卒業した後に3年間高等学校教育があり、その後、4年間大学部ということで、7年間、中学卒業した後、教育をしっかりと取ったわけです。それに対して、例えば慶應義塾とかは、中卒の後、1年半ぐらいの予科で、あと3年で大学出られるということで、4.5年、5年ぐらいが大体そもそものやり方だったわけです。そこで東京大学が最初できたときに、慶應の予算の30倍運営予算がついて、そして教員の給料も10倍ぐらいだったのですけど、それだけの予算をつけて何をやったかというと、それだけの教育改革を一気に進めて、それによって私立大学も当然のことながら、その高等教育の新たなレベルに向かって自分たちもレベルを上げなきゃいけないということを国立大学が引っ張っていってくれたということがあるわけです。
ということで、今やはり国立大学をどうするかといったときに、先ほど5年間教育とか、私、最初から主張しているのですけども、勉強するためには、海外では大卒というのが、今や昔の高卒の感覚になっている。大学院卒じゃないと高等教育のレベルじゃないのだということをある程度自覚して、だからこそ国立大学にそれなりの予算を投下して、だから教育を全く上のレベルまで、次元まで持っていくような教育改革をしてほしい。それに対して様々な私立大学も、ボリュームゾーンというのはあまりにも大切なので、ボリュームゾーンという意味では、私立大学、専門学校、短期大学、高専、いろいろあるわけですけども、そこがしっかりと自分たちの立場を考えてやっていく。
ただ、そのときに、国立大学と私立大学とかいろいろ分けるのは、設置者別に分けるべきではなくて、機能別に分けるべきだと思うのです。ですから、そこら辺のところの機能別に分けて、そして皆が高い方向に進んでいくということがポイントなのかというふうに思っているということで、そこら辺のめり張りのついた大胆な改革をやらなきゃいけないですし、そのときに入試というのも当然問題になります。ボリュームゾーンになると、偏差値で細かく分かれていると、自分は偏差値幾つだということで、ずっとそれを一生引きずることにもなるので、そこら辺のことになると、例えば大学入学共通テストを12月開催にして、それが例えば、最低の学力をはかるものであって、それが入学試験ではないわけですね。そういったようなことをやっていくとか、また私、国立大学の学費、150万円って随分いろいろ言われていますけども、それは何を言っているかというと、設置者を補助するのではなくて、個人補助に移していくべきじゃないかというのが私の意見であって、ですから、例えば国立大学150万円の学費にしては、もっと、先ほど言ったように国立大学らしいお金の投下はプラスアルファでされるわけですけども、でも個人補助という意味では、例えばマイナンバーカードとかを使えば、この学生は30万円毎年どの大学に入っても入ります。そして卒業した後にこういう稼ぎがあるのだったら、その分返してくださいといったデジタル化でしっかりやっていけば、例えば150万円であっても、払えない人にはしっかりとお金をぽんと落ちるような形で、誰でも行ける人にとっては行けるようなシステムをつくっていって、そのような中で、先ほど皆さんがおっしゃっているような、地方においても協力ができるし、また、いろんな意味で正しい競争があって、正しい競争があるおかげで、結果的には淘汰される大学はされていくというような、ある意味、あまりにも管理下のない、規制緩和の方向で、でも皆が絶対に伸びていく方向を考えるべきじゃないかというのが私が主張しているところでございますけども、以上でございます。ありがとうございました。
【永田分科会長】 ありがとうございます。後半部分は、具体的な経済のお話に入っていましたが、前半部分は大学の特別分科会のほうでは言っていて、国家観を持たないとこの話は絶対進められません。我が国の高等教育、全部どうするのか。小、中、高、大、院まで全部考えないと駄目だと話しているわけなので、それを今主張していただいたと思います。
ほかにも意見がおありになると思います。大変申し訳ないのですが、事務局のほうに要点をお伝えいただければと思います。
最後に、どうしても御紹介したいのが、全国学生調査を行いましたので、それについて簡単に御紹介するのと、先ほどの麻生委員の御質問に若干答える形の資料について、併せてお願いいたします。
【髙見高等教育政策室長】 それでは、お手元の資料5を御覧ください。文部科学省では2018年に出されましたグランドデザイン答申を踏まえまして、国として全国共通の質問項目により、学生目線からの大学教育や学びの実態を把握するための調査を実施することとし、これまで3回の試行実施を重ねてきておりました。本年秋には第4回目の試行調査、来年度より本格実施を行うこととしております。来年度の本格実施に向けまして、別途設けられている有識者会議におきまして、全国学生調査本格実施の実施方針、資料5ですが、こちらを取りまとめましたので報告します。
1ページ目の1ポツ、基本方針にあるとおり、1から4までの活用を目的とすることを明示した上で、2ポツ、調査対象については、参加意向のあった大学・短期大学の2年生、最終学年生としております。
また、3ポツにあるとおり、来年度以降、原則として毎年度実施すること。
また、次のページ、4ポツにありますが、文部科学省が実施する調査と参加大学が実施している学生調査のいずれかを選択可能であることとしたこと。
さらに5ポツにあるとおり、質問項目は当面、原則として変更しないこと。
また、6ポツですが、調査結果の取扱いとしまして、国は肯定的な回答割合が高い大学・短期大学のポジティブリスト等を公表すること、各大学は調査結果について自ら積極的な発信に努めることを示すとともに、3ページ、4ページにあるとおり、各大学向けのチラシを作成し、周知を図っているところです。文部科学省としては、全国学生調査の趣旨を大学等の関係者の方々に御理解いただき、より多くの大学・短期大学に参加いただけるよう、引き続き努めてまいりたいと考えております。
併せて、先ほど熊平委員から御質問あった学部単位の定員充足率の件については、また次回以降、もしくは別途、整理の上、改めて御説明したいと思います。
【中安生涯学習推進課長】 すみません、先ほどは失礼いたしました。
専門学校における留学生の管理でございますけども、平成30年から令和元年に発生した事案に対応する形で、出入国管理庁とも協議をしながら対応を進めております。専修学校、各種学校は都道府県設置認可ですので、直接の指導監督は都道府県が行う。その在籍管理も所轄庁である都道府県に御判断いただきながら行っていただく。そこまでは出入国管理庁との関係でもすり合わせながら進めておるわけでございます。専門学校特有のことで申し上げますと、入学時の日本語要件というのをもう少しきっちり見るべきじゃないかという話を出入国管理庁からいただいておりまして、その部分については、入学要件の、詳細は省きますけど厳格化、さらには、専ら日本語教育を受けようとしているように見えるのではないかというところについては、今後、在留資格が認められない可能性がありますよというガイドラインの策定等を現在進めておりまして、関係省庁と連携しながら対応を進めさせていただいております。
以上になります。
【永田分科会長】 状況は分かりました。安全保障管理については、もっともっと調べながら御指導いただければと思います。
すみません、少し長くなりました。今後の予定等、事務局からどうぞ。
【花田高等教育企画課課長補佐】 本日も活発な議論をいただきまして、誠にありがとうございます。
次回の大学分科会及び特別部会につきましては、日程、実施方法等は改めてお知らせいたします。
本日、時間の都合で御発言できなかった内容がございましたら、事務局まで御連絡ください。
以上でございます。
【永田分科会長】
本格的な秋、冬に向かうような感じがようやくしてきました。体に気をつけられまして、またお会いしたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
── 了 ──
高等教育局高等教育企画課高等教育政策室