大学分科会(第160回) 議事録

1.日時

令和3年4月28日(水曜日)10時~12時

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 分科会長の選任等について
  2. 大学分科会の運営について
  3. 認証評価機関の認証について
  4. 第10期大学分科会の審議の状況について
  5. 第11期大学分科会の審議事項等について
  6. その他

4.出席者

委員

(分科会長)永田恭介分科会長
(副分科会長)村田治,渡邉光一郎の各副分科会長
(委員)後藤景子,日比谷潤子,湊長博,吉岡知哉の各委員
(臨時委員)相原道子,麻生隆史,安部恵美子,大野英男,大森昭生,川嶋太津夫,小林弘祐,小林雅之,清水一彦,清家篤,髙倉明,髙宮いづみ,千葉茂,長谷川眞理子,古沢由紀子,益戸正樹,松下佳代,吉見俊哉の各委員

文部科学省

(事務局)伯井高等教育局長,森私学部長,森田大臣官房審議官(高等教育局及び科学技術政策連携担当),川中大臣官房審議官(高等教育局担当),笠原大臣官房文教施設企画・防災部技術参事官,淵上高等教育企画課長,斉藤産業連携・地域支援課長,西村整備計画室長,髙橋高等教育企画課課長補佐,堀家高等教育政策室室長補佐 他

5.議事録

(1)分科会長の選任等について
中央教育審議会令に基づき,委員の互選により永田委員が分科会長に選任された。
副分科会長については,永田分科会長から渡邉委員及び村田委員が指名された。

(2)大学分科会の運営について
永田分科会長から,大学分科会の会議及び会議資料の公開並びに審議参加の制限等について説明があり,資料2の原案のとおり決定された。

(3)認証評価機関の認証について
第157回大学分科会(令和2年11月5日)において,文部科学大臣から諮問がなされた一般社団法人専門職高等教育質保証機構からの申請に関する「第10期大学分科会認証評価機関の認証に関する審査委員会」における審議経過について,座長(第10期当時)の川嶋臨時委員から資料3-1に基づき報告があった。
その後,審議を行い,資料3-2の原案のとおり答申することが可決された。
また、中央教育審議会大学分科会運営規則に基づき,この時点から会議が公開された。

【永田分科会長】 それでは,第11期の大学分科会初回の開催に当たりまして,一言御挨拶を申し上げます。
もう既に御承知かと思いますけれども,大学分科会は,もともと大学審議会として独立にスタートしたものでありまして,これが途中から中央教育審議会の大学分科会に再編されたものです。そういう意味合いからも,とりわけ大学の教育研究あるいは社会貢献に関して,それを取り巻く状況を勘案しながら,未来の大学づくりに一歩ずつ貢献をしてきた分科会であります。
このたびは,第9期,第10期にまとめられましたグランドデザイン答申並びに教育と研究を両輪とする高等教育の在り方,これらを基に,そこから新たに沸き上がってきた問題等にフォーカスしながら議論を進めていきたいと思います。
具体的には,一つは地方大学の問題であり,そこで魅力ある地方大学づくりに向けた議論を行いたいというのが第1点。
当然その中で出てくると思いますが,このニューノーマルにおける大学教育と教職員の在り方という問題についても多分議論されることになると考えています。
この地方大学の問題は,一般的に言われる地方創生という観点で見るだけではなくて,デジタルトランスフォーメーションの観点から見たときに必然的な議題であるというふうに考えています。デジタルトランスフォーメーションの恩恵を受けて,時間や空間的な距離を隔てていても積極的に議論ができる場が持てるようになったこの時代において,我々は教育や研究においても,その価値をうまく利用していかなければいけないだろうと思っています。
地方に関しては,正にその恩恵を受ける対象になるべきものだと思っておりますし,それ以上に,地方における大学の役割というのは,もともと正にその地域における中核的なものだったと思っております。地域においての,もちろん科学技術の振興はそうですが,初等中等教育の教育に関する部分,それから医療に関する部分,あるいは産業や経済に関わる部分,もっと言えば,文化に関わる部分,こういったものに関して中心的な役割を持つのが大学だと認識をしております。
また,一極集中が進み過ぎている日本において,このデジタルトランスフォーメーションが進む中で,分散型社会の実現が求められているという側面もあります。国をよりレジリエントにするという観点からは,このコロナウイルスで東京から離脱する人たちが今増えていますけれども,そういった積極的な意味で,各地方がそれぞれの役割を担って国を支えていくという分散型社会が実現することが重要です。その中で各地域に,地方にあって,中核をなすのは大学だと考えています。
そういう観点から,広く地域の問題だけではなくて,世界的な視野から考えて,また,我が国の将来像を考えた中で,魅力ある地方,地域の大学振興ということを,是非とも皆さんと語り合っていきたいと思います。
是非とも,第11期,よろしくお願いを申し上げます。
以上です。ありがとうございます。
続きまして,伯井高等教育局長からも御挨拶いただきます。

【伯井高等教育局長】 文部科学省の伯井でございます。中央教育審議会大学分科会第160回,今回は第11期の大学分科会の初回でございます。開催に当たりまして,一言御挨拶申し上げます。
まずもって皆様には,第11期の中央教育審議会大学分科会委員をお引き受けいただきまして,大変御多用の中,本日も御出席いただきまして,ありがとうございます。心より感謝申し上げます。
大学分科会は,大学等における教育の振興に関する重要事項を調査審議することを主な所掌としており,第10期には,永田分科会長の下,平成30年11月に答申を頂きました2040年に向けた高等教育のグランドデザインに基づき,「教学マネジメント指針」や「地域連携プラットフォーム構築に関するガイドライン」の策定,「教育と研究を両輪とする高等教育の在り方」などについて,審議をおまとめいただきました。
そして,先生方,第11期の任期に当たるこの2年間は,永田分科会長も先ほどおっしゃいましたが,昨今の新型コロナウイルス感染症の影響,あるいはデジタルトランスフォーメーションの進展などにより,世界規模でニューノーマルにおける高等教育の在り方の確立が求められていく,正に変化の時代に当たるというふうに認識しております。
そうした中にあって,本大学分科会におきましては,我が国の地域分散型社会の形成に向けた地域経済・社会を支える基盤としての魅力ある地方大学の在り方とその振興方策、その中で,大学による地域振興をどう考えれば良いのかといったことも議論に含まれてくると思われます。そうした地方大学の振興方策や,これからの時代に即した質保証システムの在り方,これは正にニューノーマル時代における大学教育,研究の展開の在り方,あるいは国際交流をどのように進めていくのかといったこと,その質保証のシステムをどのように時代にマッチさせていくかということにつきまして,先生方から大局的かつ多角的な観点で,自由かっ達に御審議いただくことをお願いしたいと考えております。
どうかいろいろな審議が行われるよう,我々事務局としても万全を尽くしていきたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げたいと思います。私からの挨拶とさせていただきます。

【永田分科会長】 伯井局長,どうもありがとうございました。
実は,通常では各委員の方々に自己紹介をしていただくのですが,オンラインで初回でもございますので,皆様お一人ひとりから意見を述べていただこうと考えております。後ほど御意見を頂くときに自己紹介を兼ねて御意見を賜れればと思っております。
その御意見を頂くに当たりまして,二つ重要なことを最初に御説明いたします。
一つは,第10期の前期の大学分科会の審議状況について御説明しておきたいと思います。
淵上課長,資料4をお願いいたします。

【淵上高等教育企画課長】 高等教育企画課の淵上でございます。資料4に基づきまして,第10期での御審議の状況について御報告を申し上げます。
この資料4は,この3月に中央教育審議会の総会でお配りして御報告をした内容になっております。
まず,第10期における審議実績といたしまして,大学分科会といたしましては,先ほど分科会長からもお話がありました教育と研究を両輪とする高等教育の在り方について,令和3年2月に報告をおまとめいただいております。
また,地域連携プラットフォーム構築に関するガイドラインということで,平成30年のグランドデザイン答申を踏まえまして,地域連携プラットフォーム構築ガイドラインを,昨年の10月に,御審議をおまとめいただいております。
それから,大学等連携推進法人の制度につきまして,これは大学の設置者が異なる大学についても連携推進法人という枠組みで新たな連携ができる,また,教学の仕組みももう少し緩和できる,こういった仕組みを設けていただくものでございますが,これも制度化について御審議いただきました。
2ページ目でございますが,これも先ほどお話がございました魅力ある地方大学の在り方についてということで,昨年の骨太や,まち・ひと・しごとの方針を踏まえまして,魅力ある地方大学について,高等教育行政に関する見地から御審議いただきました。まずもって急ぎの事項といたしまして,地方国立大学の特例的な定員増についてのお考えを取りまとめていただいております。
質保証システム部会におきましては,質保証システム全体を通じた考え方や,質が保証されている大学とはどういうものかということにつきまして,主に関係団体からのヒアリングを実施し,全体的な考え方について御審議いただいております。
大学院部会におきましては,大学院制度と教育の在り方についてということで,2040年を見据えた大学院教育のあるべき姿の審議まとめを踏まえまして,大学院教育の体質改善のための三つのポリシーに関する法令改正などについて御質疑いただいております。
3ページ目でございます。
教学マネジメント特別委員会におきましては,これもグランドデザイン答申を踏まえまして,学位プログラムごとに,三つのポリシーに基づいた教学マネジメントを確立するために必要と考えられる取組などにつきまして指針を取りまとめていただいております。
法科大学院等特別委員会におきましては,法科大学院制度改革を踏まえた教育の充実についてということで,198回国会で成立をした法科大学院関連法を踏まえた5年一貫教育制度の詳細ですとか,認証評価充実の方向性,定量的な数値目標,カリキュラム工夫例などについて御審議いただきました。
また,法学未修者教育の充実についてということで,法科大学院の相互の協働や,キャリアパスの多様化などについて御議論いただき,議論のまとめを取りまとめていただいたところでございます。
認証評価機関の認証に関する審査委員会では,機関別認証評価機関の認証について,また分野別について,それぞれ御審議いただき,認証が適当との御判断も頂いているところでございます。
4ページ目でございますけれども,認証評価機関が行う自己点検・評価に係るヒアリングということで,それぞれの認証評価機関が自ら自己点検・評価をしていただいたもの,八つの機関から提出いただきました自己点検・評価書についての御確認も行っていただいたということでございます。
その他,高等教育全般についての御審議や,大学設置基準等の改正に関する御審議など,改正についての随時の答申を行っていただいたというのが第10期の状況でございまして,続いて5ページは,今期に審議することが考えられる事項ということで,魅力ある地方大学の在り方,質保証システムの見直し,大学院制度と教育の在り方,法科大学院について,それから認証評価機関ということで,今年の3月の総会で,この引継ぎも含めて御報告させていただいたという状況でございます。
今期に審議することが考えられる事項につきましては,後ほどまた資料5で詳しく御説明させていただきます。
第10期の審議状況は以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございました。
ただいま御説明いただいた概要について御質問はございますでしょうか。ここは御意見というよりは,過去のことなので御質問に特化したいと思いますが,いかがでしょうか。
当然またこの第11期の,これからこちらから御提案申し上げる審議事項などのところで,今後,話していかなければいけないことはフォーカスされると思います。
よろしいですか。
ありがとうございます。また何かあればお申し出いただければ,その都度,御説明申し上げます。
それでは,続けて第11期の大学分科会の審議事項についてということで,これも淵上課長,お願いいたします。

【淵上高等教育企画課長】 それでは,今期,第11期の大学分科会における部会の設置等につきまして,御説明をさせていただきます。資料5でございます。
今期も前期に引き続きまして,この四つの部会等を設置させていただきたいと考えております。
一つ目は,質保証システム部会ということで,所掌事務は,設置基準,設置認可審査,認証評価制度及び情報公表の在り方等を一体とした質保証システムの見直しについて専門的な調査審議を行うというものでございます。
二つ目は,大学院部会ということで,大学制度と教育の在り方(研究との連携を含む)について専門的な調査審議を行う。
三つ目は,法科大学院等特別委員会ということで,法科大学院教育の改善等について専門的な調査審議を行う。
四つ目は,認証評価機関の認証に関する審査委員会ということで,学校教育法第112条の規定に基づき,大学分科会が認証評価機関の認証に係る審査等を行うのに先立ちまして専門的な調査審議を行うということでございます。
また,引き続きまして,2ページ目以降を御説明させていただきます。
第11期分科会における主な検討事項ということで,分科会本体と,今,御提案申し上げております部会等での予定の審議として考えられる事項でございます。
まず,大学分科会本体でございますけれども,平成30年に取りまとめいただいております「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」がございます。これは総合的に多岐にわたる答申でございます。様々な方策も御提言いただいておりますので,それの進捗につきまして御確認いただくということで,フォローアップなどを御検討いただいてはいかがかというのが1点目でございます。
二つ目は,「教育と研究を両輪とする高等教育の在り方について(審議まとめ)」,先ほど,この2月におまとめいただいたと御報告申し上げましたが,これを踏まえたニューノーマルにおける大学教育と教職員の在り方。
また,後ほど御説明いたしますけれども,教育再生実行会議の方でも,今後のニューノーマルにおける大学教育の在り方を御審議いただいておりますので,それも踏まえた,この大学分科会としての今後の大学教育の在り方といったものを御審議いただいてはいかがかというのが2点目。
それから,前期からの引継ぎでございますけれども,魅力ある地方大学の在り方ということで,先ほど,分科会長からお話もございました様々な社会変革の中で,また,コロナ禍を踏まえて我が国の国の在り方として,一極集中から多極分散型あるいは多極連携型社会の構築という中で,地方大学が地域を活性化するために,あるいは,様々な知の創出機関として,それぞれの地域でどのような位置づけを果たしていく必要があるのか,どのような役割を担うことが期待されるのか,また,その支援方策はどういうことかといったようなことを御審議いただいてはいかがかということでございます。
それから,質保証システム部会でございますけれども,設置基準,入り口の審査から,認証評価制度,情報公表の在り方など,全一貫のシステムを通して,質保証システムをどのように考えていくべきかということの見直しについて御審議いただければということでございます。当然,ニューノーマルにおける大学教育の質保証の在り方ということを視野に入れながら御審議いただくことになろうかというふうに思います。
大学院部会におきましては,第10期の御審議を踏まえた省令改正の検討ということで,具体的には,履修証明プログラムの単位認定化について御審議いただいたところでございますので,そういったものの具体的な省令化,そういったものの最終的な検討ですとか,ウィズコロナ,ポストコロナ社会も見据えた大学における教育研究の在り方,あるいは,博士課程修了者のキャリアパスの拡大といったことを御審議いただいてはいかがかということでございます。
法科大学院等特別委員会におきましては,先ほどの第10期の議論のまとめを踏まえた未修者教育のさらなる充実の方策ですとか,五年一貫教育の着実な実施に向けた検討。
また,認証評価機関の認証に関する審査委員会では,随時,申請のあります機関の認証に関する調査審議を行っていただく,こういったことで御審議,御検討いただいてはいかがかと考えております。
御検討いただくに当たりまして,関係する他の委員会,審議会等の状況がございますので,それも併せて簡単に御報告をさせていただきます。
3ページからは,教育再生実行会議に関することでございます。
教育再生実行会議で,現在,議論が進められておりますけれども,具体的な審議事項としては,4ページ目にございますポストコロナ期における新たな学びの在り方についてということで,5ページにございます初等中等教育ワーキンググループと高等教育ワーキンググループを設けて議論が行われてきております。
委員の構成としては,6ページ,7ページにあるとおりでございます。
具体的な今の審議の状況でございますが,13ページ,参考1-5というページを御覧いただきますと,高等教育ワーキンググループにおける主な意見の整理というのが,本年2月時点のものでございます。ニューノーマルにおける大学の姿といたしまして,大学の在り方ですとか,沿革オンライン教育について御審議を深めていただいておりますし,めくっていただきまして,15ページにまいりますと,デジタル化への対応ということで,学務等のデジタル化,人材育成といった御議論。また,教学の改善,質保証,教育成果の測定といったような論点の御議論。
16ページにまいりまして,入試,定員管理から,学生への支援といったようなことに関する御議論。
また,17ページからは,グローバルな目線での新たな高等教育戦略ということで,留学生の獲得,質の向上に関する論点,18ページ以降は,日本人学生の留学についての御議論。
19ページからは,学事歴,修業年限の多様化・柔軟化についての論点が出てきています。
21ページは,この国際化のもう一つの視点として,ジョイント・ディグリーの在り方についての御意見もございます。
三つ目として,社会との接続の在り方ということで,就職の関係と,めくっていただいて,22ページのリカレント教育というものが御審議いただいております。
最後,四つ目として,施設設備の在り方ということで,現在,最終的な提言に向けての御審議の詰めが行われているという状況でございます。
これが今の教育再生実行会議の議論の状況でございます。
科学技術の関係でいきますと,参考2-1にございます我が国の科学技術行政体制ということで,内閣府に総合科学技術イノベーション会議が設けられておりまして,ここで様々な基本方針,基本計画の策定,提示などが行われているところでございます。
24ページがCSTIの委員の名簿になりますけれども,直近の動きといたしましては,25ページにございます科学技術・イノベーション基本計画というものが,この3月に閣議決定されております。第6期の科学技術計画ということでございますけれども,これは科学技術基本法の改正を受けまして,今期からは,「科学技術・イノベーション基本計画」としてまとめられることになったものでございます。
中段にございます我が国が目指す社会(Society5.0)の時代における社会の在り方ということで,「国民の安全と安心を確保する持続可能で強靭な社会」ですとか,「一人ひとりの多様な幸せ(well-being)が実現できる社会」,こういう社会を目指すこととして,Society5.0の実現に必要なものの政策として,一番下にございます幾つかの政策が提言されているということでございます。
大きく三つの項目について取りまとめられておりますけれども,「国民の安全と安心を確保する持続可能で強靭な社会への変革」という観点,二つ目が「知のフロンティアを開拓し活動の源泉となる研究力の強化」という観点,ここに,(3)で大学改革の促進と戦略的経営に向けた機能拡張といったような御提言もあるということでございます。
最後の三つ目は,「一人ひとりの多様な幸せと課題への挑戦を実現する教育・人材育成」といったこともまとめられているところでございます。
続きまして,26ページが,今の基本計画でも少し述べられておりましたけれども,世界と伍(ご)する研究大学を目指すための大学改革ということで,様々な大学改革があるわけでございますけれども,特にこのページでございますと,真ん中の段にございます10兆円規模の大学ファンドの創設ということでございます。これを創設いたしまして,我が国の研究力を更に高めていこうということが,今,目指されているわけでございます。
27ページが,この10兆円ファンドの創設に関する基本的な枠組みでございます。この国会で法律を改正いたしまして,この枠組みを創設することになっておりますけれども,左側の基本的枠組みにございますように,科学技術振興機構(JST)に大学ファンドを設置するということ。そして,運用益を活用して,将来の研究基盤への長期安定投資を実現すること。また,参画大学は,世界トップ研究大学にふさわしい制度改革,大学改革,資金拠出にコミットするといったようなことが基本的な枠組みとして決まっているということでございます。現在,4.5兆円という段階からスタートして,早期に10兆円規模の運用元本を形成していこうという動きでございます。
28ページ目が,具体の方向のスケジュールになっております。
29ページ以降は,地方大学の振興策についての関係の議論の御報告でございます。
29ページは,昨年の骨太や,まち・ひと・しごとの基本方針について,地方創生の必要性,あるいは地方創生に係る大学の知の創出といったことが述べられているところでございます。
これを踏まえまして,31ページ,先ほど少し御報告申し上げましたけれども,第10期,前期の中央教育審議会大学分科会として,魅力ある地方大学の実現に資する地方国立大学の特例的な定員増についてということで審議をおまとめいただいております。
この中では,四角の中の2行目にございますように,極めて限定的かつ特例的に定員増を認めるということも地方大学の振興方策の一つとなり得るということで,限定的,特例的に認める場合の留意点,どういうことに気をつけながら進めていかないといけないのかということをおまとめいただいたものになってございます。
一つ目は,地方創生に資する取組であるということで,他の大学の模範となるような意義のある取組であるということや,丸にございます緊密な連携が図られている,地域連携プラットフォームを通じた連携などが行われていること,地域における雇用創出・産業創出・リカレント教育の取組,又は,中長期的なKPIが設定されていること,こういった地域としっかりタッグを組んで本気で地方創生につながっていく場合に,限定的,特例的,また模範的なものについて定員を認めていこうということが提言されております。
一番下の今後に向けてということでございますけれども,魅力ある地方大学づくりは国立大学のみで成立するわけではないと,公私立大学を含めて,それぞれの高等教育機関が持つ特色と強みを最大限に生かして,地域における高等教育の在り方を再構築していくことが求められており,中教審大学分科会においては,引き続き魅力ある地方大学づくりをテーマとして議論を継続し,魅力ある地方大学を実現するための様々な支援方策等について議論を深めていく予定と。その際,魅力ある地方大学の実現と,各大学における質保証の取組は表裏一体のものであって,各地域において必要とされる大学とはどのようなものであるのかについて引き続き議論するということになっておりますので,これを踏まえて第11期でも御議論を深めていただければというふうに考えているところでございます。
私の方からは以上でございますけれども,この地方大学の関係につきましては,更に省内で研究振興のためのタスクフォースの動きもございますので,これは担当課から加えて御報告をさせていただきます。

【斉藤産業連携・地域支援課長】 41ページを御覧ください。産業連携・地域支援課長の斉藤でございます。こちらはタスクフォースについての御報告です。科学技術・イノベーション政策全般の文科省幹部,局長級,文科審による会議が設置されていまして,その下のタスクフォースということで設置されているものでございます。
下を見ていただきますと,検討体制ということで,大学関係ですので高等局はもちろんのこと,施設関係や地域の人材関係,科学技術の中でも研究基盤,附置研,基礎研究,産学連携,関係課が全て入っている形になっており,これらのメンバーが集まって既に3回検討しており,今日ちょうど4回目が開かれるという状況でございます。
上に戻っていただきまして,検討の目的としましては,先ほども御紹介がありましたトップ大学,世界に伍(ご)する大学向けの10兆円の大学ファンドが創設され,トップ大学に関する支援の道筋が一定程度ついたのではないかという認識の下,それらトップ大学のみならず,それ以外の大学の研究開発力を抜本的に強化していく必要がありますし,大学はそれぞれ多様でございますので,その規模,機能や立地に応じて期待される役割を明確にしながら在り方を考えようという位置づけでございます。
先ほど,永田先生の方から地方大学の役割は幅広いという御指摘がございましたので,研究振興タスクフォースということですけども,研究のことだけをやっているというよりは,それに関連する人材育成や社会貢献など,関連のものも含めて幅広い視野で検討しようということで検討を始めたものでございます。
次のページを御覧いただきますと,先ほども御紹介が一部ありましたが,地方大学振興に関しまして,過去,グランドデザインの答申や地域連携プラットフォーム,連携法人といった様々なものがございます。内閣のまち・ひと・しごとなど,他省庁でも関連のものがございますが,これらを概観してみますと,魅力的な特色を持つ大学づくりを目指すべきという方向性が示されているというふうに認識しておりますけれども,実際は個々のそれらを狙った事業が,文科省のみならず,他省庁も含めて,ばらばらに実施されているというのが実態というふうに思っておりまして,それら特色を出し切っていただくために,どういう支援の仕方があり得るのかということを幅広い俯瞰的な視点で検討しようということで進めてきております。
43ページですが,それら大学の特徴を一層強く出していただくという観点でいきますと,一つは,特定の研究分野で国際的に優れた研究力を有するものをどのように支援するかという切り口がございますし,もう一つは,地方大の自治体や産業界とともに,地域課題の解決や地域経済発展に貢献する大学の在り方はどうなのかということを認識して,それらを応援していくこと,どのようにそれらを評価して,主体的にそれらの特色を伸ばしていただくための支援策を考えていく必要があるのではないかというような議論を進めております。
最後,44ページで,今までのところの議論のポイント,長期的な方向性ということで,まだ検討中のものでございますが,先ほどの自らの強みを生かした,特色を生かした取組が進むように促すために,従来の縦割りではなくて,施策を一体的に講じることが必要ではないかという論点。
さらには,個々の大学のみの改革では限界もあるので,大学間の連携や競争を促すような仕組みをどのように考えるかという観点。それにも関連しまして,支援事業の横串を通すような仕組みをどのように考えるかということですし,競争的資金と基盤的経費という関連でいきますと,基盤的経費についても,地域ならではの取組や社会貢献を支援・評価する仕組みを導入したらどうかというような議論が出ております。
さらには,各種支援事業がばらばらございますので,大学がワンストップで質問や相談をできるような情報の提供体制の仕組みや,大学間で情報格差を解消するような仕組みをいろいろ考えたいと思っておりますし,大学側から見て分かりやすい仕組みを考えていく必要があるだろうというふうに思っております。
これらは中長期的にあるべき議論ということで,先ほども御説明がありました10兆円ファンドの運用益が出始める頃までにはしっかり考えないといけないという観点のものと,一方で,議論した上で,この夏の予算要求などで,短期的にも動けるものは動いていこうということで,今,鋭意検討を進めているという状況でございます。
報告は以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございました。
第10期から引きずって第11期に主に議論すべきポイントについての御説明でした。
ここからは委員の先生方に,自己紹介を兼ねて,この第11期の取組についてそれぞれの所感等を述べていただければと思っております。
手を挙げて順番にというのは,全員だとなかなかこちらも指名しづらいので,皆様のお手元に出欠表あるいはメンバー表があると思うのですが,あいうえお順になっておりますのでこれに従ってお願いをしようかと思います。
そうなると,実は今日御欠席がありまして,最初に後藤委員からということになりますが,自己紹介と,今申し上げた幾つかのテーマについての所感をどうぞお述べいただきたいと思います。人数から考えまして,1人2分程度でございます。
それでは,後藤先生,どうぞ。

【後藤委員】 奈良高専校長の後藤と申します。
国立高専からの参加でございます。国立高専は現在51高専で,来年度,60周年を迎えようとしています。
今日の説明と関連したところで,御存じのように,技術者人材の育成と,地方産業への貢献という2本柱で,現在,工学系人材の12%を輩出しております。教育と研究の両輪という観点では,高専は教育に軸足を置いております。質保証という観点では,卒業生の質保証,つまり,教員が何を教えたかではなく,学生が何を身につけたかということに重点を置いております。
それと関連して,高専教育のモデルコアカリキュラムを10年程かけて作成し,現在実施して,PDCAを回しながら教育改善に取り組んでいます。
今日のお話を聞いていますと,やはり難しいのは,大学と言ってもいろいろありまして,全ての大学を対象にした議論というのはなかなか困難で,大学の規模や特質を考慮した議論が必要かと思います。
教育と研究の両輪という意味では,世界トップレベルの研究大学では研究に軸足を置いていただかないといけないのですが,全体の大学を見て,私は大学教員として長年勤務していましたので,やはり研究至上主義に対する教員の意識改革ということが必要かと思います。教育に関する評価ができていないこともあろうかと思っております。その辺りが一番根っこのところではないかと思っています。
地方創生という観点では,地方大学にもやはりいろいろな大学があるということと,あと,入り口と出口です。入学者と卒業者が地方で閉じていない大学も結構あるかと思いますので,なかなか地方大学というのは幅が広くて,一緒に扱いにくいというところがあるかと思います。いろいろな問題があるかと思い,今の御説明を聞いておりました。
以上です。

【永田分科会長】 どうもありがとうございます。
日比谷委員,どうぞ。

【日比谷委員】 2番に来ると思っていなかったのでございますが,日比谷潤子でございます。
私は,多分,大学分科会が今期で4期目になるかと思いますが,本日いろいろ御説明がありましたグランドデザイン答申,教学マネジメント指針の審議,そして取りまとめに関わってまいりました。
それから,先ほど教育再生実行会議高等教育ワーキンググループからの御報告もあったのですが,あちらにも昨年の9月から入ることになりまして,この間,様々な立場で質保証に関わってきたというふうに考えております。
それで,コロナになりまして,ニューノーマルという言葉が今日も何回か聞かれたところですけれども,特に教学マネジメント指針に関しましては,今日,この名簿を頂きお名前を見ましたら,マネジメント指針の委員会で御一緒していた方々が大変に多いと。私,数えてみたのですが,今日御欠席の方も含め,全30名中7名が委員会にいらっしゃった方で,ほぼ4分の1ということでございます。大変に白熱した議論を皆さんしてくださいまして,私としては,座長としてよいものが取りまとめられたと自負しているところですけれども,やはりニューノーマルになっても基本的な質保証は変わらないという観点と,とにかくオンライン授業が昨年本当に強制的に進みましたが,いろいろな観点から精査が必要なことは非常に多いと思っております。ハイブリッドの新しい方向へ進んでいくという道,これはもう引き返すことのないことだとは思いますけれども,これからの新しい質保証の在り方について,設置基準をどうするかというようなことも含めて,今期,皆様と議論できればと思います。
ちょうど2分でございます。ありがとうございました。

【永田分科会長】 測っていただいてありがとうございます。設置基準の問題も含まれていると思うので,これからの設置基準についてもどうぞ御議論ください。
次に,湊委員,どうぞ。

【湊委員】 京都大学の湊でございます。30秒ぐらいで収めたいと思っています。
第10期は,主に大学院部会で少しお手伝いをさせていただきました。基本的には,日本の大学院の教育課程あるいは学位人材の処遇などは,必ずしもまだグローバルスタンダードという状況には至っていないように思われる。とりわけ学位人材の社会的な評価,キャリアパスの形成,それから,博士課程の学生支援の問題等々,かなり深刻な問題が山積していると思っております。そういう観点で少しお手伝いをさせていただければ有り難いと思っております。
以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
次は村岡委員です。今日御欠席ですが,実はペーパーを頂いておりますので,事務局に読んでいただくことにいたします

【髙橋高等教育企画課課長補佐】 代読させていただきます。山口県知事,村岡嗣政委員のコメントとしていただいております。
今期の分科会では,魅力ある地方大学の在り方やニューノーマルにおける大学教育の在り方などについて検討を行うこととされている。地方においては,人口減少や少子高齢化が急速に進み大きな課題となっているが,地方創生を進めていく上で,大学は欠くことのできない重要なパートナーとなっている。このため,本県においては,昨年8月,県内の全大学,短期大学で構成する大学リーグ山口について,全高等専門学校,経済団体,産業支援機関等の参画を得て,地域連携プラットフォームとして再構築したところであり,若者の県内定着などの取組を一層強化することとしている。
また,私は,全国知事会のデジタル社会推進本部長を務めているが,コロナの危機に直面する中,大学においては急速にオンライン授業が取り入れられており,今後は,リカレント教育や国際交流など,活用の幅が更に広がっていくとともに,オンライン授業での大学間連携も進んでいくものと思われる。デジタル化は,コロナの時代にあっても,今までよりも豊かで安心安全に暮らすことができる社会をつくり上げていく上で,その原動力となるものであり,本県では,社会全体のデジタル化に向けた取組を強力に進めることとしているが,大学に期待する役割も大きい。全国知事会での取組なども踏まえ,都道府県知事の立場から,当分科会の審議に貢献できればと考えている。
以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
それでは,吉岡委員,よろしくお願いいたします。

【吉岡委員】 吉岡です。昨年発足しました質保証システム部会の座長をお引受けしております。この部会は,もちろん例のグランドデザイン答申, 及びそれを含む分科会でのあらゆる議論を具体化する道筋を考えるという部会であると認識しております。折しも, 昨年ということは今までお話に出てきましたようにコロナ禍のど真ん中ということで,初めはもちろんオンライン化をどうするかということが,多分どの大学でも中心だったと思いますが,それに伴って,やはり大学というものが何なのかというようなかなり根本的な問題に突き当たったのだと思っています。
例えば,単位とは何か,卒業認定をどうするのか,何年間大学にいたらいいのかということも,コロナの関係で考えざるを得なくなった。施設という物的条件も,考え方がオンラインを中心に考えていくと変わってくる。それから,学生数,いわゆるST比のような,学生数や教員数の考え方というものも,当然影響を受けてくるというわけで,これは以前からの課題であったわけですけれども,やはりコロナで一気に前景化したというふうに思っております。
そういう意味で,高等教育の在り方全般に関わる議論がこれから必要になってくるということで,部会の方ではいろいろな具体的な問題が出てくると思いますので,それをこの分科会の方にもフィードバックして,皆様のお知恵を拝借しながら,今後どうしていくかということを考えていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
それでは,渡邉会長,どうぞ。

【渡邉委員】 どうもありがとうございます。私は,企業人として,中教審等に関わらせていただいています。その意味で,私の使命は,産官学の相互理解の下に未来指向型の共通認識をつくって,新しい時代に対応する人づくりに貢献することにあるのだろうと考えています。
この第11期の取組は,まず地方大学については,冒頭に分科会長からご説明いただいたとおりだと思いました。魅力ある地方大学の在り方や,地域連携プラットフォーム構築のガイドライン形成等は国家課題であり,今までも議論を積み重ねてきていますので,これからもテーマとして進めていくことは大変重要だと考えます。
資料31ページの一番後の今後に向けての記述は非常に重要であり,書いていただいた「魅力ある地方大学の実現と各大学における質保証の取組は表裏一体」という点が,本質的な指摘だと思います。大学自身による内部質保証という考え方から,多様なステークホルダー,エンゲージメント型質保証へという議論がほかでもされていますが,特に地方大学にはこの視点が今までは非常に弱かったのだろうと思います。したがって,質保証の視点は,これからますます重要になるのだろうと考えます。
基本的な考え方を否定しているわけではないのですが,現在の質保証の仕組みは大学の自主性や自立性に基づいた自己改善を促進するものであることは間違いないものの,産業界や社会から見ると,どうしてもブラックボックス化しているように感じます。そうした不透明性は,実は地方大学などにも非常に優れた研究やシーズがあっても,それがなかなか外部から認知されないということにつながっていると思います。
したがって,各大学は研究の充実をさらに進めていくために,優れた研究やシーズをどう社会に知っていただくのかという視点で,ステークホルダーと対話を進めていく必要があるわけです。ステークホルダーとの間のエンゲージメントというのは,こうしたことではないかと思います。それが産業界や地域との協働によるプログラムの作成,あるいはCSTIの方々が指摘しているような大学等による多様なカリキュラム,プログラムの提供にもつながるでしょう。
それから産業界から見ると,これから雇用制度も変わりますし,リカレント教育などにも非常に期待感を持っています。しかし,それは質保証の在り方といったベースの部分が固まってこそできることだと思いますので,是非そういった視点を含めた議論を進めていただけたらと思います。ありがとうございました。

【永田分科会長】 ありがとうございました。
ここから臨時委員ですが,古沢委員が急きょ退出をしなければいけないということなので,先に御意見を頂きたいと思います。
それでは,古沢委員,どうぞ。

【古沢委員】 すみません。御配慮いただいてありがとうございます。古沢でございます。よろしくお願いいたします。
前期,質保証部会に参加させていただきまして,引き続き,やはり社会からも関心が高いですし,重要なテーマだと思っております。特にコロナの感染状況が引き続き厳しい中,改めて大学の在り方が問われていると思いますが,オンラインの急速な普及で,学生の学修状況の把握であるとか,課題の提出,教師のやり取りなど,今まで日本の大学でやっぱり課題とされてきたことが急速に充実してきている面もあるのではないかと,学生からはきついという声も出ていて,ただ,やはり授業以外の学修時間の充実というのはずっと課題だったので,これは好機と言えるのではないかと思います。
その一方で,学生というか保護者は特にそうかもしれませんが,対面授業のニーズというのは大変高いものがありまして,オンラインを活用して,少人数なども含めて,よりよい対面授業の在り方というのはやはり考えていかなければいけないと思います。
関連して,質保証に関連して,定員管理というテーマがあると思うのですけれども,入試とも関連して難しいことではありますが,今,やはり問い直さなければいけない時期に来ているかと思います。
以上です。どうもありがとうございました。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
それでは,相原委員,どうぞ。

【相原委員】 相原でございます。サテライトオフィスに来ましたらビデオがつながらなくなっておりまして,本日は申し訳ありませんが,声だけで失礼させていただきます。
私,学長になってまだ2年目でして,医学部の出身ですけれども,その前は附属病院長を4年ほどやっておりました。今回,中央教育審議会の臨時委員に初めて加えていただきましたが,その前の国の審議会関係では,医学部関係のものに少し出ておりました。
このメンバーを見ますと,公立大学はほとんど入っておりませんので,私の役目としましては,公立大学の視点から意見を述べさせていただくことかとも思っております。
魅力ある地方大学というのは,このデジタル化,そしてリモート化が進んだ時代には,地方にとどまらず,当然社会につながる地方大学ということを考えていかなければいけないと思っていますので,これから先生方の御意見を聞きながら,勉強させていただきながら,頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
麻生委員,どうぞ。

【麻生委員】 山口短期大学の麻生でございます。よろしくお願いいたします。
私からは,短大についてです。まず,短大の特色として,地方に多く点在している学校が多いということと,地方で卒業してきた高校生が短大に来て,そのまま地方で就職するというところが特徴的です。
今回,魅力ある地方大学の在り方の中で,前期中教審でも議論されました内容は,大学や大学院の視点が多くあるのですが,全国に約300ある短期大学の視点を多く入れていただいた上で,第11期で御審議いただければと思っております。
加えまして,グランドデザイン答申のときに,短期大学の制度上の問題や短期大学の在り方についても今後検討が必要であるという記述がありますので,これをそろそろ深掘りしていただきたいと思っております。短期の高等教育機関でありますけれども,地方に貢献し,日本の高等教育に寄与しているという短期大学の視点を今後是非入れた上で,魅力ある地方大学の在り方等の議論をしていただきたいと,私からお願い申し上げます。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
安部委員,どうぞ。

【安部委員】 ありがとうございます。日本で一番西にある私立の短期大学である長崎短期大学の安部でございます。
先ほど,永田会長の御挨拶にありましたように,このデジタルトランスフォーメーションの進歩の恩恵を受けて,私のような地方からの委員でもオンタイムでこのような会議に参加できますことは,大変革だと思いますし,すばらしいことだと思います。
しかし,地方というのはとても大変で,人口減少,高齢化,地域経済が縮小しています。そういう大都市圏から遠く離れた高等教育機関の教育に携わっている私から,この大学分科会に二つ意見を述べさせていただきます。
第1点は,今後も大学が地方に存続して,地域の活性化のために,人材養成とか,地域産業のイノベーション創出に本気で取り組んでいくための体制を整えていくことは本当に不可欠なことだと日々思っております。第10期では,地域連携プラットフォーム構築のガイドラインや,大学連携推進法人や地域イノベーション創出のための国立大学の特例的定員増についての議論がなされて,それに参加させていただいたところですが,今後も地方創生のために,地方の大学の結びつきを強めて,それを実質的に機能させるための制度改革や政策誘導の展開が待たれていると思います。地方にある大学は,国公立,私立を問わず,そして大学,短期大学等の学校種を問わず,地域を基盤とする高等教育機関として,地方の衰退を食い止めるための防波堤の役割をこれからも積極的に担うべきと考えております。
各高等教育機関の特性に応じた地域と連携した活動を展開している地方の大学は,最近は増えてきておりますが,特に,先ほど麻生先生からもありましたが,私ども短期の高等教育機関は,諸外国ではコミュニティの人々のための職業に直結する実践的な教育を行う機関として機能しております。日本の今後の地方短期大学も,遠隔配信授業などを適切に使用して,コミュニティの人々のキャリア形成やキャリアアップ,キャリアチェンジのための教育を担う生涯学習機関としての役割を強化していきたいと考えております。
次に,高等教育機関としての短期大学ですが,今の短期大学は,学生の動向から見ますと,受験勉強を余り経験していない学力的には中位層をボリュームゾーンとしながらも,多様な学力層の,また四大生よりも家庭の経済状況が厳しい学生が多いのが特徴であります。彼らに合致する専門教育の内容,方法をめぐっては,大学教育の多様化と質保証の両立にどのように向き合うのかが短期大学の課題と認識しております。
また,在学中の生活支援,キャリア支援などについても,四大生とは異なる部分があるように感じているところです。高等教育の機会均等と,高等教育の質保証について,今後も短大関係者としてからの意見を述べていきたいと思います。
以上です。

【永田分科会長】 安部先生,ありがとうございました。
今,大切なことを思い出させていただきました。この中央教育審議会は,こういうフィロソフィーを話し合う場所でもあるのですが,最終的には,予算に影響をさせたり,あるいは,規則,法令,法律を改定することによって,システムとして全体を動かすために議論をするということなので,最終的にはそこにつながるような議論にしなければいけません。そのことを,今,安部先生から思い起こさせていただきました。
それでは,続きまして,大野委員,どうぞ。

【大野委員】 東北大学の大野です。今期より参加させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
コロナによって世界の高等教育が曲がり角を迎えることになりました。オンラインの活用もそうですし,卓越した学生の獲得競争も新たな局面に入ったと考えています。
その意味で,質保証システムの見直しは極めて重要だと考えています。設置基準,設置認可や定員の考え方を,Society5.0にふさわしい多様な学生,多様な大学に対応したものに変えていくことが求められています。
設置認可は,新たな大学を設置する際の質保証として大変重要な役割をし,そして機能もしていると思います。
一方で,確立された大学が,その教育内容を,時代に合わせて,あるいは国際情勢に合わせて変えていくには,これまでのプロセスや定員の考え方は,やや重過ぎる面があるのではないかと感じています。
一つの例を今日は挙げさせていただきます。真(しん)にグローバルな大学であれば,このコロナ禍にある中でも、優秀な学生を確保するため、タイムリーに国際情勢を見ながらトランスフォーメーションしています。研究大学である私たちは,卓越した留学生に入ってきてもらっていますが,例えばその数は学部レベルで2%です。定員管理もあるので,その数を増やすことができません。本来ですと,10%から20%の水準を確保し,日本人の学生が留学生とともに切磋琢磨して成長するグローバルな環境を(迅速にトランスフォーメーションして)学生諸君に提供しなければならないと考えています。そういう意味で,留学生を卓越だということを担保した上で,定員の外枠にすべきだということを各所で主張しているところです。
いずれにせよ,高等教育は世界的な視野,そして変化する部分に関してはスピードが必要です。我が国の高等教育の振興に向けて皆さんと審議していければと思っていますので,どうぞよろしくお願いいたします。
私からは以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
次に,大森委員,お願いいたします。

【大森委員】 よろしくお願いします。群馬県の共愛学園前橋国際大学の大森と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
この4月から,地域連携プラットフォームの取組の延長線上の展開として短期大学を他の法人さんから移管されて運営することにもなりましたので,麻生先生,安部先生には御指導いただければというふうに思っております。よろしくお願いします。
私は,今現在は質保証システム部会に参加させていただいております。また,この間,教学マネジメントや,あるいは教職課程の新しい基準,中教審ではないですけれども,知識集約型社会の方の委員などもさせていただいております。
そういった中で,多くの大学さんが本当に魅力的なチャレンジをされていることを知る機会に恵まれているのですけれども,やっぱり先般おまとめいただいたあのグランドデザイン答申は,本当に大きな柱になっているというふうに感じています。特に,学修者本位の学びへの転換ということを明確に打ち出していただいたこと,多様性をキーワードにしていただいたことは大きかったというふうに思っています。
大学はそもそも学生のためにあるわけですから,大学が教育機関として本腰を入れ始めたら,これは後押ししていかなければいけないというのは,先ほどの高専の後藤先生のお考えにかなり私も近いところを思っております。
それから,大学の在り方,外形はもちろんですが,目的や使命も多様になっていて,やっぱり一律に大学を論じることが,そろそろ難しくなってきているということは感じざるを得ないと思っているところです。
今期も,永田先生に御説明いただいたとおり,地方大学に光を当てていただけるということはとても有り難いと思っています。今,地方で学んでいる学生たちは,都会に行けないから仕方なく地方というよりも,選んでそこで学んでいるという様子がうかがえるようになってきています。地方で頑張っている学生たちに自信を与えることが我々大人の役割,そんなふうにも思っています。
あと,大学の数から見ると,本学のような地方小規模大学が,ある意味,メジャーであるというふうにも自負しているので,そこが元気でないと大学の大半が元気ではないということになってしまいますので,内閣官房の魅力ある地方大学の方の会議も,私,参加をしておりますので,しっかりと議論させていただければと思っております。
大学にはできないことが山のようにあるので,それを地域と社会と一緒に若者を育てるということ,一方ではまだまだできることもあるので,チャレンジを皆さんと一緒にできればなというふうに自分にも言い聞かせながら議論に参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
川嶋委員,どうぞ。

【川嶋委員】 大阪大学の川嶋です。
各委員がお話しされたことに共通しているのですが,もうオールドノーマルといいますか,これまでのコロナ禍以前の大学や教育の在り方に戻ることはやめて,新しい大学教育の在り方,あるいは我々の日常生活の在り方に向かって改革を進めていかなければいけないというのが大前提だろうと思います。
その中で今回気づいたことですけれども,一つは,この大学分科会で,実はICTの教育の活用の議論が3年前にされておりました。そこでは主としてMOOCsをどうやるかということがテーマになっていたのですが,ICT日常の教育活動への導入というのは,それ以来なかなか進んでいなかったのですが,今回一気にICTの活用が進んだところです。
ただ,その中で,現在の制度あるいは大学教育の現状の中に大きな課題があるということも浮かび上がってきたかと思います。
その一つの例を挙げると,学生の履修科目数が多過ぎる。したがって,それぞれの授業科目で課題がたくさん出されたために,学生がアップアップしてしまった。それから,教員の方も,担当する授業科目が多過ぎるため,授業の準備をするのが大変だった。これは結局,その授業科目,カリキュラムが過重な状態になっているということで,履修し過ぎる,授業負担が多過ぎる,授業科目が多過ぎるというこの三つの「過ぎる」を,きちんと今後整理して,最適な深い学びに導くようなシステムに変えていくことが必要であるということです。
もう1点は,今回,ICTを活用することによって,各大学では学生の学修のログが膨大に蓄積されていると思いますが、これを分析することによって,これまでなかなか難しかった学修成果や教育成果の可視化というものがデータに基づいて可能になるということも考えられます。
ただし,その際,個人情報の扱い方については,注意深く対応せざるを得ませんけれども,こういう学修データ,学生個人のデータを,今後,大学教育や社会に対する情報発信の一つのツールとして使う際に,国としても,改めて個人情報データの活用の仕方についても一定の指針を示していただきたいというふうに思っています。
以上です。ありがとうございました。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
次に,小林弘祐委員,どうぞ。

【小林(弘)委員】 学校法人北里研究所,それから北里大学の小林弘祐と申します。よろしくお願いします。
この大学分科会に参加するのは初めてですけれども,文科省関係では,大学入試の在り方検討会議に私大協の団体代表として参加しておりまして,川嶋委員とか益戸委員は非常になじみの深いメンバーでございます。検討会議では失礼なこともいろいろお話しさせていただいたかもしれませんけれども,私立大学というのはかなりダイバーシティがありまして,国公立中心の話になると,割と均質的な話で済むのですが,私立大学が入ると,かなり違ってくるということをまず御理解いただきたいと思います。
もう一つは,大学設置・学校法人審議会の学校法人分科会にも所属しておりまして,特に地方大学に現地に行って面談などをすると,かなり厳しい状況というのが身に染みてよく分かります。
例えば,理事長の退職給与とか,給与の規定がないのでおかしいというので聞くと,ほとんど給料なしでやっている,ボランティアでやっているということがありまして,さらに監事は無償でやっているとか,かなり厳しい状況がよく伝わってきます。私は,私大協の副代表という立場でもあるのですが,いろいろな学校からの意見,現場の意見を吸い上げてお話しできると思いますので,そういう立場でまず参画させていただきます。
特に今,地方大学は国立大学の定員増に対して物すごく心配しておりますので,その辺についても意見をさせていただければと思っています。以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
小林先生,よろしくお願いします。

【小林(雅)委員】 桜美林大学の小林雅之と申します。
私は,中教審については,2012年の質的転換答申以来,大学分科会あるいは大学教育部会という形で関わってまいりました。できるだけ重複を避けて申し上げたかったのですが,先ほど,大森委員が言われる学修者本位の教育への転換ということについては,先ほど来の事務局の資料を見ていると,余り出てこなかったので,やはりこれは一番重要な点なので,是非確認しておきたいと思います。
そういう大きな転換の中で,いろいろな質保証でありますとか,情報公表でありますとか,認証評価でありますとか,そういう問題が出てきているということをまず確認しておきたいと思います。
ただ,認証評価については,私,こちらの先ほどありました審査委員会の委員もしているのですが,この在り方についても是非議論する必要があるかと思っています。今のような認証評価の在り方でよろしいのかどうかということです。ただ,この辺りは質保証システム部会でも議論されると思いますので,そちらの方の議論を見ていきたいというふうには思っております。
多くの方から,コロナ後の大学教育をどうするかということで,これについては,もう重複を避けますが,一つ申し上げたいのは,前回の答申,あるいはまとめの中でも,TAの活用とか,IRの活用ということを申し上げて,相当中に入れていただきましたが,今回,オンラインになりますので,そちらの方の支援ということもかなり問題になってくると思います。この辺りについても,質保証システム部会でも結構ですので議論をしていただければと思います。
大学設置基準あるいは通信教育設置基準については,もう質保証システム部会で議論されると思いますが,今までの議論で,質保証システム部会の議論が余りまだこちらの方に伝わってきておりません。この点は,吉岡先生にもお願いしたいのですが,将来構想部会のときには,大学分科会と合同でやったというようなこともかつてありまして,これは永田先生にお願いすることになると思うのですが,人数が多くなるので少々難しいかもしれませんが,重要な問題ですので,質保証システム部会と大学分科会の合同というのも考えていただいてもいいのではないかと思っています。
それから,前回の大学分科会の最後に,大学の財政支援,財政基盤の強化が重要だということを申し上げて,これは地方大学の振興とも関わっているわけですけれども,私は特に修学支援の新制度と関わって,私学助成の在り方とか,授業料減免の在り方とか,様々な問題が,大学の財務についても新しい問題が出てきていますので,これは是非何らかの形で取り上げていただければと思っています。
もう1点だけ申し上げたいのですが,これも大学分科会の最後のときに申し上げましたけれども,中間組織の在り方について議論していただきたいということで,これは,永田先生が先ほど制度をつくるのがこの審議会の仕事だとおっしゃったと思いますけれども,より大きく,広く言えばインフラの整備ということです。それをやらないと,なかなか大学が単独でやろうとしても今は難しいような状況になってきていますので,ここでどういうようなインフラ整備ができるか,それを制度,法律にどういうふうに結びつけていくことができるかというようなことを,エビデンスを求めながらやっていきたいと思っています。以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
清水委員,どうぞ。

【清水委員】 清水です。教育学専攻で,この3月までは山梨県立大学にいました。4月から山梨大学の方へ移りまして,設置者を超えて地方創生に取り組んでいきたいと思っています。
大学の制度については,戦前のヨーロッパ型の大学制度が60年以上続いて,戦後は70年を超える年月のアメリカ型の制度です。そういう意味では,これからは日本型の大学制度をつくっていくべきではないかと私は考えております。
キーワードは,大学と社会とのつながり,これを重視すべきであって,今,高大接続と言われていますけれども,高・大・社です,高・大・社接続の時代で,日本型の大学システムをつくるべきであると日頃から感じております。
その際,問題になってくる具体的な制度は,卒業制度です。卒業制度の見直しをそろそろしてもいいのではないかと思います。グランドデザインで言われた質と多様性の観点から,卒業制度の見直し,具体的には,卒業制度は修業年限と修得単位数から成っているのですが,修業年限の弾力化と単位累積加算制度の確立です。
もう一つは,修得単位数の見直しです。これは,学部,大学院,両方にわたって行うべきです。それによって将来のリカレント教育の制度設計とか,あるいは世界的なグローバル人材の育成という目標が達成されるというふうに考えております。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。含蓄のある御提案でした。
清家委員,どうぞ。

【清家委員】 ありがとうございます。私は,日本私立学校振興・共済事業団理事長として本分科会に招集されていると思っておりますので,その立場で短くコメントさせていただきます。
申すまでもないことですけれども,私立大学等の私立学校は,高等教育の普及であるとか,多様な人材の育成という観点で極めて重要な役割を果たしております。
また,各私立大学あるいは私立学校は,それぞれ建学の精神に基づいて,個性豊かな教育を自主的に行っているところでございます。本分科会における検討に当たっては,いずれの審議事項におきましても,こうした私立学校の役割や特性を十分に踏まえた議論をお願いしたいと思っております。
例えば,先ほど来,話題になってございますが,今期の本分科会の主な審議事項の一つとなっております魅力ある地方大学の在り方に関連する議論の中では,これまで地方の国立大学の定員増を認めることなどについて提言が取りまとめられようとしていると承知しておりますけれども,これらの施策の実施や,あるいは今後の新たな施策の検討に当たっては,国立大学だけではなく,私立大学や私立短期大学も含めて,魅力ある地方大学をつくるという観点に立ったバランスの取れた検討をお願いしたいと思います。これは先ほど小林弘祐委員も御指摘になった点でもございまして,私も全く同感でございます。
具体的には,地方国立大学の定員増については,真(しん)に地方創生に資する特例的なものに限定するとともに,私立大学あるいは私立短期大学も含めた地方大学の活性化の推進に資する方策,例えば,国公私立大学が連携して地域の活性化に貢献するための方策といったことの検討もお願いしたいと思っております。
また,私立大学,私立短期大学の魅力の向上を図る上で,その教育研究の推進に不可欠な私立大学等経常費補助の確保,特に一般補助の充実の必要性についても十分踏まえた御検討をお願いしたいと思います。
いずれにしましても,今期のアジェンダはいずれも重要な審議事項ばかりだと思いますので,私としても,私学の立場から発言し,本分科会の議論に貢献させていただければと考えているところでございます。ありがとうございました。

【永田分科会長】 清家先生,ありがとうございました。
続きまして,髙倉委員,どうぞ。

【髙倉委員】 自動車総連の髙倉です。引き続き,よろしくお願い申し上げます。
コロナ禍により,我々労働界でもテレワークが進んでいるが,それができないエッセンシャルワーカーなども,様々な面での格差が広がってきていると実感をしている。
そうした中で,経済状況が急変した学生に対する学びの継続のための給付型奨学金や授業料減免,これらの支援により多くの学生が救われた。もしこうした施策がなければ,多くの学生が退学されたのではないだろうか。貸与型奨学金に対する負担軽減策を含めて,これらの支援策が大きな成果を上げたことを評価するとともに,施策の推進に携われた方々に改めて敬意を表したい。
今後についても,継続的な学びの基盤を整備する必要があると考える。具体的に申し上げると,高等教育の無償化の拡大に向けた奨学金制度の一層の拡充,卒業後拠出金制度の導入も含めた負担軽減に資する施策の検討も必要ではないか。
また,対面授業とオンライン授業の併用において,オンライン中心となった場合の心のケアも含めた検証を行い,今後につなげていただきたい。
先ほど申し上げた経済的な支援については,留学生も含めアルバイトもできない状況が続いていることから,継続したサポートを強力に求めていきたい。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
続きまして,髙宮委員,どうぞ。

【髙宮委員】 ありがとうございます。近畿大学の高宮でございます。前回第10期に臨時委員を務めさせていただき,このたびは第11期,継続させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
これまで委員の方々から大分重要な御意見が出てまいりましたので,私がここで重視したいことを手短に述べて終わらせていただきたいと思います。
まず,今後についてですけれども,どのような学生を育てるかという観点から申しまして,アフターコロナというよりは,Society5.0で活躍できる人材というところに焦点を当てていきたいと思っております。
そして第11期では,グランドデザインのフォローアップの項目が目的の一つに挙げられておりましたけれども,その中でリベラルアーツが重視されていて,イノベーションを生み出す人材が求められているという,この発想について,もう一度,何かしら具体的なことが御審議いただけると幸いと思います。学生は,やはり何らか,現在ある状況から自由になってこそ初めていろいろ社会にイノベーションを起こせるのではないかと考えられるからでございます。
もう一つ,グランドデザインの中では,ダイバーシティの言葉が大変多く使われていて,今後の教育には,ダイバーシティがいろいろなところで重視されていることが確実でございます。そのとき,今後の例えば大学設置基準や,質保証のシステムにおいて,大きく急激な変化があった場合に,いかにスピーディーにそれに対応できるフレームワークをつくっておくかということがとても重要なのではないかと考えております。余りにも枠組みが硬直し過ぎて動けないような状況というのはこれまで結構あったと思いますけれども,今後一層大きな改革に対応できるフレームワークができることが望ましいと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
それでは,千葉委員,どうぞ。

【千葉委員】 ありがとうございます。私どもの学園は,東京工科大学と,日本工学院という専門学校を運営しておりますが,今回の私の参加の立場は,全国専修学校各種学校総連合会の副会長として,ここに参加させていただいているというふうに考えております。前々期は臨時委員をさせていただいたのですけれども,今回戻ってまいりまして,今回魅力ある地方大学の在り方についてということがテーマの一つとして上がっておりますが,このテーマも,これが誰のためのそういう検討なのか,また,何のための検討なのか,また,現在ある魅力を更に伸ばしていくのか,ない魅力をこれに付け加えていくのか,こういうような原点に少し立ち返ってスタートするべきではないかというふうに思いました。
もう一つは,やはり学ぶ側の立場に立った視点でこれを考えるべきであろうというふうに思っておりまして,地方への貢献ということを考えたときには,学生を中心として,今,テーマに上がっている国立大学を含めた大学,高専,短大,専門学校,また,企業や労働者,こういったものを,学生を中心に置いて,どういうことをしていくことがその貢献につながるのかということを考えるべきではないかというふうに思いました。
また,地方の大学ということを考えたときには,あるいは地方の高等教育機関ということを考えたときには,大都市とは違った,よりフレキシビリティーを持った考え方をしなければいけないということと,やはりその小さなコミュニティということになりますので,それぞれの教育機関,企業が連携をしたコミュニティの中で問題解決をしていくというようなことが重要ではないかというふうに思っております。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
長谷川委員,どうぞ。

【長谷川委員】 長谷川です。前期の第10期のときに臨時委員を務めまして,今回もまたよろしくお願いいたします。
いろいろこれまでの課題をどうやって変えていこうかということを考えてみると,高度成長期以後の割と短い期間の間に非常に強固につくられてしまった日本社会の価値観ですか,例えば,ダイバーシティというよりは,横並び傾向が強かったとか,都市の方がいいとか,偏差値だけで大学を見る一元尺度の考えとか,そういうようなことがすごく固まって,縦割りがあり,旧態依然のジェンダー感がありとかというふうに,そういうすごく固まってきたものというのが綻びてきていると思います。ただし,こういうことは,プレーヤーであるいろいろな人たちが,みんなそういうふうに思っていると,なかなかそれを変えることができない。この一つの状態に陥っているのを変えるのに一番いいのは外圧です。私は,コロナは一つの外圧だと思います。それから,先ほど永田会長がおっしゃったように,この分科会の役割が,予算配分とか制度設計とかを変えていくことだとすると,正に我々は外圧を及ぼすことができるということでしょう。長年というか,戦後つくられてきた一つのこびりついたような日本の価値観,人生観みたいなものを,ここで多様性とか一元尺度ではなく考えようとか,そういうことに変えて,世の中を変えていくという,それをやっていくべきだと思いました。よろしくお願いいたします。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
益戸委員,どうぞ。

【益戸委員】 益戸です。どうぞよろしくお願いします。
前期に引き続き臨時委員を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は,民間からの委員ですから,自らの経済界での経験に基づいて意見を述べさせていただくことが重要だと思っております。
若干,バックグラウンドについて振り返らせていただきます。40年間,日本の金融機関と外資系証券におり、市場運用,資金調達,M&Aなどの投資銀行業務を経験して参りました。2018年のグランドデザイン答申の議論に、委員として参加させていただいて,正に学び直し,リカレントに目覚め、金融界からIT企業にへ転身いたしました。UiPath株式会社は、2005年にルーマニア・ブカレストで起業されたRPA(Robotic Process Automation)のソフトウエア会社です。現在、日本法人の特別顧問を務めております。
私達は、将来を予測しながら教育を議論します。すでに何人かの委員の方々からのご発言がありましたが,明らかにコロナ感染によって社会生活様式が変わりつつあります。
欧米と日本の違いも鮮明になりました。この変化に照準を定めて議論していかないといけないと考えます。
そして,改革や新たに物事を進めていくためには,どうしても新規資金が必要ですから,文部科学省として,国全体として,今までの資金配分で良かったのかということにも触れていかなければいけないと思います。
私は,ずっと東京在住でしたが,直近の9年間で、沖縄,関西圏を経験して東京に戻ってまいりました。又、熊本県の肥後銀行の社外取締役を務めておりますので,月に1回は熊本,福岡を訪問します。
その経験によれば、首都圏での議論とそれ以外の地域での議論の違いも十分経験してまいりました。その点においても忌たんのない意見を述べさせて頂きたいと思っております。
今期もどうぞよろしくお願いいたします。

【永田分科会長】 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
松下委員,どうぞ。

【松下委員】 京都大学高等教育研究開発推進センターの松下佳代と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私は,先ほど日比谷先生がおっしゃった教学マネジメント特別委員会の委員を務めておりました。それから,今期は初等中等教育分科会教育課程部会の委員も務めておりまして,実は今日,同時にそちらの会議も行われているということです。
私は,専門が教育方法学ということで,主に能力,学修,評価といったことをテーマにしてまいりました。
現在は,所属するセンターの仕事として,大学教育あるいは大学院教育をメインにしておりますけれども,もともとは初等中等教育も研究しておりましたので,先ほど清水先生がおっしゃった高大接続なども非常に関心のあるところです。
昨年度,2020年度は,正にニューノーマルというか,コロナ対応ということで,私たちのセンターの仕事としても,京都大学の中でオンライン授業あるいはハイブリッド型授業の実施についてサポートを行ってきました。この1年間で,先生方も非常にうまく対応されるようになってきたと思います。
ただ一方で,コロナ後ということを見据えたときに,ハイブリッド型授業というのは本当になかなか難しいところです。多分それは,授業を変えるというだけではなくて,先ほど来,何人かの方がおっしゃってきましたけれども,大学というものがそもそもどういう場所なのか,学修にとって大学の価値がどこにあるのかが問われてきているからだと思います。また,留学といったことについても,外国に行けない状況の中で,外国の方々とどういうふうなコミュニケーション,コラボレーションを行っていくのかを考えるということも必要になってくると思います。
それから,これまで余り皆さんおっしゃらなかったことで,今申し上げた大学の存在価値との関係で言いますと,やはり大学というところは,正課の授業ももちろんとても重要ですけれども,それ以外の準正課活動とか,課外活動とか,そういったところで学生を伸ばしていくというところが非常に大きくあります。その辺りも含めて,学生が4年間あるいは6年間でどういうふうに成長していくのか,それをどういうふうに支援していくのかということを私は一番考えたいというふうに思っています。
もう1点だけ,先ほど永田会長がおっしゃった法令の改革,改正ということで言いますと,やはり自分にとって一番関心があるところは,大学設置基準の見直しというところです。単位制度の問題というのは以前からずっともう20年以上言われてきていますけれども,時間と成績評価で単位を捉えるという現在の制度の中で,特に時間というところが,オンライン授業とかハイブリッド型授業になってくると変わってきますので,その上でどういうふうに学生の学修成果を把握し,質を保証していくのかということを考えていきたいというふうに思っております。
以上です。

【永田分科会長】 ありがとうございました。
それでは,最後ですが,吉見委員,どうぞ。

【吉見委員】 東京大学の吉見でございます。こちらの大学分科会は,グランドデザイン答申のときから加わらせていただきまして,日比谷先生が座長をされた教学マネジメント部会,それから吉岡先生が座長をされた質保証部会にも参加させていただきました。
先ほど,大森先生,小林先生もおっしゃいましたけれども,グランドデザイン答申の中で,学修者本位の教育への転換ということを正面に打ち出したことは,高等教育改革の今後にとって極めて重要なことだと思っております。私は,この学修者本位の教育の非常に重要な一丁目一番地は,やはり学生の履修科目数の半減あるいは大幅削減することだと言ってきました。そのことも含め,学修者本位の教育の意味が,本当に今,全国の大学運営者や教員に十分浸透しているのかというと,まだまだ不十分です。
他方,研究と教育の両輪ということでが,言うまでもなく,この研究と教育の両輪というのは,19世紀のフンボルト理念から発しているわけですね。しかし,私は,21世紀の大学には,先ほど清水先生もおっしゃっていましたが,研究と教育の両輪だけでは不十分だと思います。もう一つ,第3の柱として,社会的実践があるわけです。教育と研究と社会的実践のトライアッドな構造をどう作っていくかが,これからの高等教育にとって極めて重要なことです。
このとき,3番目のこの分科会のテーマである地方の問題,これが重要になってきます。今の日本社会の苦境,地方の疲弊,そして東京一極集中は,この社会の未来を決めるほど根本的な問題になっている。かつての幕末であれば,地方に藩校があり,塾があり,それらを侍や脱藩志士たちが移動していた。これが明治維新を可能にしていった面があるわけです。
1990年代以降,日本の衰退あるいは日本社会の劣化をもたらしていった一番大きな原因は,縦割り,たこつぼ,サイロ・エフェクト,部分最適ばかりやって全体が横につながっていかないというこの社会の根本的な水平性の欠如にあったと思います。
ですから,高等教育においても,大学を風通しよくすること,水平的な流動性を拡大することが極めて重要です。そのためにどうすればいいかというと,学生や教員が,自分の所属する学部や大学にずっと囲い込まれるのではなく,地方と東京,あるいは主要都市の間で水平的に移動していく,そういう学生や教員が流動していく仕組みをどういうつくっていくのかということが,地方の大学と東京等の大学の両方が相乗的に活性化していくときの極めて重要なポイントなのだと思っている次第です。
以上で終わらせていただきます。

【永田分科会長】 ありがとうございました。
村田委員どうぞ。

【村田委員】 関西学院大学の村田でございます。ちょうど前々期のときから関わらせていただいておりまして,私からは2点,手短にお話しいたします。
一つは,皆さんおっしゃっていましたように,DXあるいはSociety5.0を目指した形で,特に質保証部会を含めて,この大学分科会へも,設置基準についてどうするか,やっぱり本格的に考えていかないといけない。先ほど松下先生もおっしゃいましたように,単位の問題というのは少しこれから本格的に考えていかないといけない。例えば,テレワークがありますが,なかなか日本はテレワークがいかない。これは労働基準法によって,時間単位で管理されているからです。単位制もこれは時間単位です。ところが一方で,本学の学生もそうですが,2時間の授業を,オンデマンドだったら早回しで1時間で聞いてしまう学生もいたりして,いかに効率的に学ぶかということ,単位制,時間で管理するということ自体をどう考えるかということをやっぱり考えていかないといけない。更に授業の在り方,科目数の在り方,教員と学生の比率,ST比率等々も,いろいろなことを根本的にこれからSociety5.0に向かって抜本的に考えていかないといけないのかなというのが1点目です。
2点目,これは余り誰もおっしゃらなかったのですが,大学院部会にも関わらせていただいており,いろいろな議論をしているところで,理系,文系,それから,特にMBAを含めた専門職,これをちゃんと分けて議論をしていかないといけない。理系の場合は活性化というような問題,文系の場合は修士課程の学生が少ないといった問題。さらに,アカデミックな課程だけれども,企業と大学院教育とのマッチング,50%以上が四年制大学に行っているわけですから,リカレントと考えた場合に,もはや大学ではなく大学院のレベルで考えなければいけないのと,それから,大学院教育で,これは矢野先生などの学び習慣仮説ですが,大学院で深く学んだ学生が,より社会でも深く学んでいく。ここの学びの深さみたいなものが今の日本の企業の,ある意味で生産性が上がっていない部分とどう関係があるか,そんなことも含めて,大学院と企業とのマッチングをこれから考えていく必要もあると考えています。
私からは以上です。ありがとうございました。

【永田分科会長】 ありがとうございました。
皆さんから御意見を頂きました。大変様々な御意見があったと思います。このまま放置しておいては,多分,次回,皆さんとお会いしてもまた同じことになるので,事務局とうまくツリーをつくって,話す順番,あるいは話すフォーカスは何かということを決めながら御相談を申し上げたいと思います。
また,今日は初めてでしたので,自己紹介を兼ねた順番でしたが,実際には,議論に議論を重ねるように仕組んでいきたいと思っております。
お聞きした中で,どうやら先ほど資料5でお示ししましたこの分科会と同時に成り立ちます部会を設置させていただくべきというふうに考えますので,資料5のように部会等を設置させていただきます。よろしいでしょうか。

  (「異議なし」の声あり)

【永田分科会長】 先生方には,いろいろなところに分属して御活躍いただくことになります。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
ここまでで議事は終わりなのですが,文部科学省の方から報告事項がありますので,極めて簡潔に御説明を頂きたいと思います。これは「第5次国立大学法人等施設整備5か年画」についてということですが,西村さん,どうぞ。

【西村整備計画室長】 それでは,時間も迫っておりますので,ごく簡単に御説明させていただきます。資料6-1でございます。
この国立大学の5か年計画でございますが,これまでも科学技術基本計画と連動いたしまして,こちらは文部科学省として5か年計画を策定し,計画的な整備を進めてきているということでございます。今般,第6期となる科学技術・イノベーション基本計画が3月に閣議決定されておりますので,これを受ける形で,この計画を策定したというものでございます。
それでは,資料6-1に沿って御説明させていただきますが,まず1枚目でございます。
まず,基本的な考え方といたしまして,今後の国立大学等に求められる役割をまとめてございます。教育研究の機能強化と,地域・社会・世界への一層の貢献ということと併せまして,今後は共創の拠点になることが求められているというふうにまとめてございます。
それを受ける形で,今後の施設整備の方向性といたしまして,正に共創の拠点としてしっかり役割を果たすことができるように,キャンパス環境についても,共創拠点,これをイノベーション・コモンズというふうに銘打ちまして,このような姿へと転換していくことが必要であろうというようなことにしてございます。この共創の拠点として,教育研究の機能強化はもちろん,産業界,あるいは地方公共団体との共創の場をしっかりと整備していきたいというふうに考えてございます。
今後の取組といたしましては,そこに書いてあるとおりでございますが,国立大学法人等を最大限活用していきたいということと,本日も様々議論になっておりますが,デジタルトランスフォーメーションの加速化を始め,社会情勢の変化に速やかに対応していきたいということでございます。
それと併せまして,老朽改善整備をしっかりしていきたいということと,あとは,こちらも議論が出ておりますが,しっかりとオンラインと対面の双方のメリットを生かした効果的なハイブリッドに対応していけるような施設整備でありますとか,あるいは国土強靭化,カーボンニュートラルに向けた取組,それからダイバーシティに配慮したような施設整備というものもしっかり進めていきたいと考えてございます。
2ページ目でございます。
この5か年計画のポイントは,整備面積等を掲げているところでございますが,記載のとおりでございます。しっかりと整備を進めていきたいと考えてございます。
実施方針といたしましては,こういった施設整備を未来への投資というふうに捉えて,文部科学省,国立大学法人と連携しながらしっかり進めていきたいと考えてございます。
最後,3枚目は,イノベーション・コモンズのイメージというふうにつけてございます。あらゆる分野,あらゆる場面,あらゆるプレーヤーが,共に創造活動を展開できるような共創の拠点にという形で,しっかり進めていきたいというふうに考えてございます。
私の方からは以上でございます。

【永田分科会長】 ありがとうございます。
御質問等あるかもしれませんが,次回以降にさせていただきたいと思います。
これで今日は終わりですが,皆さんのお手元に参考資料2があると思います。面白い取組もたくさん書いてありますので,今後,地域,地方の話をするときの参考にしていただければと思います。
それでは,時間も参りましたので,ここまでとさせていただきます。先ほど申し上げたように,いろいろな意見,いろいろな視点が述べられましたので,うまくヒエラルキーをつくって議論できるように,こちらの方で努力させていただきます。
次回の日程等を含めて,事務連絡をお願いいたします。

【髙橋高等教育企画課課長補佐】 本日は,活発な御議論を頂き,ありがとうございました。次回は6月8日火曜日の10時からを予定しております。開催の方法等については,また改めて御連絡させていただきます。
以上でございます。

【永田分科会長】 それでは,会議を閉じさせていただきますが,何か付け加えるものがあればお聞きしますが,よろしいですか。
それでは,コロナ禍,大変な中,オンラインではありますが,御参加いただきまして,誠にありがとうございます。これから2年弱,どうぞよろしくお願いいたします。
それでは,お開きにさせていただきます。

―― 了 ――

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