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【別紙1】


○ 我が国の高等教育の将来像(答申)(教員組織関係抜粋)

第3章  新時代における高等教育機関の在り方
  1  各高等教育機関の教育・研究の質の向上に関する考え方
(1) 大学
(ウ) 教員組織

 大学が、人材育成と学術研究の両面において、本来の使命と役割をより積極的かつ効果的に果たしていくためには、常に教員組織の在り方が最も適切なものとなるよう努力していくことが必要である。現行制度では、大学教員の基本的な職として、教育・研究を主たる職務とする職である教授及び助教授とともに、主たる職務が教育・研究か教育・研究の補助かが必ずしも明(りょう)でない助手の職が定められている。今後はこれを見直し、教育・研究を主たる職務とする職としては、教授、准教授のほかに新しい職として「助教」を設けて3種類とするとともに、助手は、教育・研究の補助を主たる職務とする職として定めることが適当である。また、大学設置基準の講座制や学科目制に関する規定を削除して、教員組織の基本となる一般的な在り方を規定し、具体的な教員組織の編制は、各大学が自ら教育・研究の実施上の責任を明らかにしつつ、より自由に設計できるようにすべきである。

 大学が、人材育成と学術研究の両面において、本来の使命と役割をより積極的かつ効果的に果たしていくためには、常に教員組織の在り方が最も適切なものとなるよう努力していくことが必要である。特に、今日、若手教員が自らの資質・能力を十分に発揮して活躍できるよう、助教授・助手の位置付けの見直しを図る必要があること等が指摘されている。
 現行制度では、大学教員の基本的な職として、教育・研究を主たる職務とする教授及び助教授の2種類の職とともに、教育・研究を主たる職務とするか教育・研究の補助を主たる職務とするかが必ずしも明(りょう)でない助手の職が定められている。
 このうち、現行の助教授の職は、職名や職務内容が実態にそぐわない等の指摘や国際的通用性の観点を踏まえて廃止し、「学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」ことを主たる職務とする「准教授」を設けることが適当である。
 また、現行の助手については、教員組織における位置付けが曖昧(あいまい)で、実際に担っている職務も多様であることから、将来の大学教員等を志す者にとってキャリア・パスの第1段階となる職が明らかになるよう、自ら教育・研究を行うことを主たる職務とする新しい職を設けるとともに、助手は、教育・研究の補助を主たる職務とする職として定めることが適当である。
 新しい職の名称については、大学の教員組織の一員として自ら教育・研究を行うことを主たる職務とする若手教員の位置付けに相応していること、現行の学校教育法上の各職の定着度や知名度、運用の実態等を踏まえたものであること、国語的・文化的な観点からできる限り自然な名称であること、国際的な通用性の観点からも説明しやすいものであること等に十分留意することが必要であり、これらを総合的に勘案すると、「助教」という名称が最も適当と考えられる。
 これらの措置により、今後の大学教員の基本的な職としては、教育・研究を主たる職務とする職として教授、准教授及び助教の3種類を、教育・研究の補助を主たる職務とする職として助手を定めることとすることが適当である。
 なお、准教授、助教及び助手は、基本的には、大学に置かなければならない職としつつ、各大学の方針や各分野の実情等によっては、置かないことができることとすることが適当である。
 また、准教授や助教を新設する場合も、大学には、大学院学生等への教育、教育課程の編成、入学者選抜、診療等、大学が組織として決定した方針等に従い、各教員の役割分担及び連携の下、組織的に行わなければならない職務が存在する。こうした職務の遂行について支障が生じないよう、大学設置基準等に各教員の役割分担及び連携の組織的な体制が確保され、かつ、責任の所在が明確であるよう教員組織を編制するものとする旨を規定すべきである。
 各大学が、教育・研究の実施の責任を自ら明らかにしつつ、具体的な教員組織の編制をより自由に設計することができるよう、講座制又は学科目制を基本原則とする現在の大学設置基準の規定を削除し、教員組織の基本となる一般的な在り方として、教育・研究上の目的を達成するために必要な教員を置き、主たる授業科目は原則として専任の教授又は准教授が担当することや、各教員の役割分担及び連携の組織的な体制の確保等に関する規定を定めるべきである。
 上記の制度改正が円滑に、かつ、実効性をもって機能するためには、各大学が制度改正の趣旨を生かして積極的に取り組むことが必要である。各大学において真摯な検討と取組が行われ、教育・研究が一層活性化することが期待される。また、助教等若手教員の活躍を通じた教育・研究の活性化を促すための支援措置の充実を図っていくことが求められる。
 高等専門学校の教員組織に関しても、大学の教員組織に関する見直しの趣旨が該当するものについては、同様に見直しを図ることが適当である。


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