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高等教育機関は、教育・文化、科学技術・学術、医療、産業・経済など等社会の発展の基盤として中核的な機能を有しており、社会にとって極めて重要である。 |
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高等教育の重要性にかんがみ、各国で高等教育への投資を充実しつつある。 |
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我が国においては、高等教育の費用負担はこれまでも家計に大きく依存してきた。現在では学生納付金が国際的に見てもかなり高額化しており、これ以上の家計負担となれば、個人の受益の程度との見合いで高等教育を受ける機会を断念する場合が生じ、実質的に学習機会が保障されない恐れがある。国は、学習者の教育費負担の軽減に努めるべきである。 |
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このために、高等教育への公財政支出と民間企業等からの資金の抜本的な拡充を図るとともに民間企業や個人等からの資金の積極的導入に努めることが必要である。 |
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我が国においても、欧米並みの公財政支出の実現に向けた努力をしていかねばならない。そのためには、全ての関係者が、この点について国民(=納税者)の理解を得られるよう最大限の努力をする必要がある。 |
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高等教育を受ける学生個人とともに、高等教育を受けた人材によって支えられる現在及び将来の社会もまた受益者である。このことは、高等教育がエリート段階(進学率15%未満)、マス段階(同15%以上50%未満)又はユニバーサル段階(同50%以上)のいずれにある場合でも基本的に変わるものではないと考えられる。 |
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ユニバーサル段階では、高等教育の普及によって個人が高等教育を受けたことによる収益は低下することと一般的には考えられるが、知的なネットワークの広さと質が極めて重要な意義を持つ知識基盤社会においては、質の高い労働力や研究成果の供給による利益の他に、層の厚い高等教育の存立そのものが経済社会全体の発展の基盤として不可欠の存在となるものと考えられる。
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