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資料3
【教育方法、修了要件について】
 
   現在、専門大学院における修了要件の一つとして、「特定の課題についての研究の成果の審査」に合格することが原則として求められているが、実態として、修士論文に近い形のものが課されている現状が見受けられる。
   また、大学院の教育は、「授業科目の授業及び学位論文の作成等に対する指導(研究指導)」によって行うものとされているが、上記の状況を受け、専門大学院における研究指導が論文指導と同じ様な形で行われているのではないかとの指摘がある。
   これらを踏まえ、専門大学院1年制を導入するにあたり、「特定の課題についての研究の成果」の在り方や「研究指導」の在り方についてどのように考えるべきか。
 
 
<参考>
 
◆大学院設置基準−抜粋−
 
(授業及び研究指導)
   第十一条    大学院の教育は、授業科目の授業及び学位論文の作成等に対する指導(以下「研究指導」という。)によつて行うものとする。
  
◆従来型の大学院修士課程及び専門大学院の修了要件
 
1 従来型の大学院修士課程
<原則> 「30単位以上修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、当該大学院の行う修士論文の審査及び試験に合格すること」
<例外> 当該修士課程の目的に応じ適当と認められるときは、特定の課題についての研究の成果の審査をもって修士論文の審査に代えることができる。
 
2 専門大学院
<原則> 「30単位以上修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、当該大学院の行う特定課題についての研究の成果の審査及び試験に合格すること」
<例外> 当該修士課程の目的に応じ適当と認められるときは、修士論文の審査をもって特定課題についての研究の審査に代えることができる。
 
◆各専門大学院における「特定の課題についての研究の成果」の具体的な取扱いについて
 
*専門大学院においては修了者が出ていないため、現在予定されている取扱いである。
大学院・研究科・専攻 「特定の課題についての研究の成果」の具体的な取扱い
一橋大学大学院
 
国際企業戦略研究科
経営・金融専攻
「実践的なトピックを扱う特定課題に近い修士論文」
 
   従来型の論文に比べ、企業が直面している最先端の問題に対して現実的な解決策を構築するという点で研究スタンスが異なる。
研究を進めるプロセス及び提出されるレポートの分量は従来型の論文に匹敵。
京都大学大学院
 
医学研究科
社会健康医学系専攻
「課題研究」
 
   卒業研究テーマ毎に最も適切な研究室に配属し、研究アイデアから研究手順の作成、データ収集・解析、結果の考察、プレゼンテーションまでを実際に経験させ、実践的教育も含む履修についての研究成果の発表に対する審査を行う。
九州大学大学院
 
医学系教育部
医療経営・管理学専攻
「選択した研究課題について研究の成果」
 
   事例研究法及び研究法の授業科目の履修と並行し研究計画を作成。指導教官の下でデータの収集・解析・考察を行い、研究成果報告書草稿をまとめ、研究発表会を通じさらに内容を高めたのち、研究成果報告書を提出。書面審査及び口頭試問。
青山学院大学大学院
 
国際マネジメント研究科
国際マネジメント専攻
「特定課題論文」
 
   論文に近い形のペーパーを提出させ審査。このため、研究指導も従来の論文指導に近い形。

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