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資料2
中央教育審議会大学分科会
大学の教員組織の在り方に
関する検討委員会(第12回)
平成17年1月13日

「新職」等の定め方について

1.「新職」の学校教育法上の定め方について

A案  現行の助手の職務内容のみを改正し、自ら教育研究を行うことを加える。

【利点】  職名が現行どおりであることから学内規則の改正等の負担が少ない。

【問題点】  制度改正の趣旨が理解されにくい。
   職務内容が広がることにより、助手の職の位置付けの曖昧さかえって拡大するおそれがある。

B案  学校教育法上は、教員を置くことのみを定めるか、又は教授、准教授その他の教員を置くことのみを定め、「新職」については法令上定めない。(大学の判断で置くことができる「その他必要な職」の一つとして、各大学の判断に委ねる。)

【利点】  各分野や各大学によって多様である実態を反映したものである。

【問題点】  大学制度としての共通性が失われ、国際的な通用性や信頼性に支障が生じるおそれがあるとともに、教員資格等の制度上の位置付けが曖昧なものになる。

C案  (「審議の中間的な整理」の考え方)学校教育法上、教授、准教授等と同様に、「新職」の具体的な職名及び職務内容を定める。

【利点】  大学制度としての共通性が担保でき、国際的な通用性や信頼性を確保できるとともに、教員資格等の制度上の位置付けが明確なものとなる。

【問題点】  新しい名称について定着する期間が必要。
   各大学において学内規則の改正等の負担が生じる。

2.「新職」の具体的な名称を検討する際の留意点について

.大学の教員組織の一員として自ら教育研究を行うことを主たる職務とする若手教員の位置付けに相応しており、将来、教授等になることが期待される大学教員の第一段階の職であることが理解され易いこと。

.現行の学校教育法上の各職の定着度や知名度、運用の実態等を勘案したものであり、社会的な混乱や大学現場における混乱を招かないよう配慮したものであること。

.国語的・文化的な観点から、できる限り自然な名称であること。

.国際的な通用性の観点からみて説明し易いものであること。

 制度改正に当たっては、法制度上の観点からの整理が必要。

3.「新職」の具体的な名称について

.「教授」の二文字を使用するもの (例)「助教授」、「教授補」等

 若手教員の位置付けを表していることや国際的通用性の観点からは有力な案の一つであるが、現在の職制が定着していることから混乱が生じることが懸念され、特に、助手全体の6割を占める医学や歯学の分野では、現在、教授、助教授、(常勤)講師、助手の職制が定着していることから強い反発が予想される。

.「講師」の二文字を使用するもの (例)「准講師」、「講師補」、「特任講師」等

 若手教員の位置付けを表していることや現在の職制へもたらす混乱は少ないと考えられるが、学校教育法上の「講師」は、「教授又は助教授の職務に準ずる職務に従事する」とされており、教授、助教授、助手とは別系統の位置付けであるため、「講師」を基にした名称は法制度上整理が困難。

 現在の「講師」が極めて多様な形で運用されており、また、講師が配置されていない大学も多数存在するため、その運用に支障が生じると考えられる。

.新しい名称を使用するもの (例)「助教」(注釈1)、「学手」(注釈2)、「准師」(注釈3)等

 新しい名称であることから、当初、違和感があり定着に時間がかかることが懸念されるが、現在の大学教員の職制にもたらす混乱が少ないことや、講師制度へもたらす影響は少ないと考えられる。

注釈1  (「(新)助手」を「助手」とした場合、「助教」と「助手」となり)大学教員の職の改編としてバランスが取り易いこと、明治期に実際に教授や講師とともに助教の職が置かれていたことを踏まえたもの(中国の大学の職制は教授、副教授、講師、助教の4段階)。

注釈2  新造語として考えられる例であり、「学術」に携わる人という意味の新造語。(「(新)助手」を「助手」とした場合、「学手」と「助手」となり)大学教員の職の改編としてバランスがとりやすい。

注釈3  新造語として考えられる例であり、大学の教師(教授、准教授、(講師))に準じた職という意味の新造語。

4.「(新)助手」の具体的な名称について

A案  現行の助手という職名は維持し、職務内容を「教育研究活動の補助」に変更する。

【利点】  現在の助手のうち、教育研究の補助を主たる職務としている者については、継続的・安定的な位置付けを確保することができる。

【問題点】  現在の「助手」という職名が残ることにより、制度改正を行い新しい職制を設けた趣旨が不明瞭となるおそれがある。

B案  現行の助手の職名及び職務内容をともに変更する。(職務内容は「教育研究活動の補助」に変更。)

【利点】  現在の「助手」という職名が残らないことにより、制度改正を行い新しい職制を設けた趣旨がより明確となる。

【問題点】  現在の助手のうち、教育研究の補助を主たる職務としている者についても名称のみは変更することとなり、混乱を招くおそれがある。
   新しい名称として適切なものを見出し難い。


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