米国連邦教育長官諮問委員会報告書 |
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「高等教育の将来に関する連邦教育長官諮問委員会」が,2006年9月19日,最終答申となる報告書『リーダーシップが試されるとき−高等教育の将来像を描く−』を発表。 |
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同委員会は州立テキサス大学システムの元総長を議長として,民間団体や経済界の代表,研究者等19名から構成。 |
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報告書は,アクセス,経費と学費負担,奨学金,学習,透明性とアカウンタビリティ,革新の6領域における検討結果と改善への提言を掲載。 |
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提言の主な内容は次のとおり。
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アクセス
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州のハイスクール修了基準と大学や企業の期待との間の整合性の確保 |
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教育上恵まれない条件の下にある児童・生徒の大学進学準備と継続的な在学を支援する大学等の取組に対する州によるインセンティブの提供 |
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経費と学費負担
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大学運営における経費管理の改善に向けた新たな業績評価指標の開発 |
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転学生に対する障壁を取り除くことによる1人当たりの経費を削減 |
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経費削減に向けた連邦及び州政府による技術普及の支援 |
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ハイスクールにおける大学の科目履修の振興 |
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各大学における規則制定の負担軽減に対する政府の支援 |
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奨学金
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学生の必要度に応じた奨学金の増大と現行の連邦奨学金制度の根本的な再編 |
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連邦奨学金の申請方法の簡素化 |
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学習
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教育の質を改善し,革新を促すためのアカウンタビリティに関する仕組みの導入 |
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大学等における新しい教育理論やカリキュラム,テクノロジーの導入振興 |
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透明性とアカウンタビリティ
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(学生の学力の伸び等の)「付加価値」を重視した学習の評価 |
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大学の経費や学生の学習の成果等に関する情報の共有 |
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革新
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大学における継続的な革新と質の向上を目指す文化形成の振興 |
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生涯学習に向けた国家戦略の開発 |
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連邦教育省の行動計画 |
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上記委員会の報告書を受け,連邦教育省は,2006年9月26日,提言の実現に向けた行動計画「高等教育改革アクションプラン:アクセスのし易さ,学費負担の軽減及びアカウンタビリティの改善に向けて」を発表。 |
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同計画は,アクセス,学費負担,アカウンタビリティの3点について具体的な取組方針を提示。 |
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提示された取組方針の内容は次のとおり。
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アクセス
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初等中等教育における大学教育への準備を強化するとともに,ハイスクールのカリキュラムの基準と大学の期待とを調整 |
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「落ちこぼれを作らないための初等中等教育法」の方針をハイスクールまで拡大 |
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大学教育や就職への準備状況を推計できるように全国学力調査(NAEP)を再設計 |
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成人の識字問題に対する関心の喚起 |
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成人の識字に関する連邦の研究計画を策定 |
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学費負担
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連邦奨学金の申請手続きの簡素化に向けて所得や税金に関する既存データを活用 |
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ハイスクールの生徒に対する奨学金の受給見積額の通知の早期化 |
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連邦奨学金制度における経済的必要度に応じた援助に対する資金の投入 |
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第三者機関による連邦奨学金制度の運営に関するレビュー |
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革新的な取組や生産性の向上に向けた中等後教育改善基金(FIPSE)の活性化 |
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関係機関による大学に関するデータの年次報告の提出の振興 |
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アカウンタビリティ
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既存の州高等教育情報システムの活用とリンクの推進 |
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学生の学習成果に関するデータ収集等に関する州や機関のインセンティブの調査 |
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アクレディテーション団体の代表を招集し,審査基準における成果の重視を提言 |
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利用者が関心に応じて比較,評価が可能な連邦教育省の大学検索サイトの構築 |
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