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資料6

第3期中央教育審議会大学分科会
制度部会(第1回)平成18年2月15日

大学の設置等の認可申請・届出に係る手続等に関する制度改正について(案)


1.  問題事案への厳正な対応の明確化
  以下の要件のいずれかに該当する者(それと同視し得る者を含む。)からの、学校教育法(以下「法」という。)第4条に規定する大学及び高等専門学校の設置に係る認可等については、これを認めないものとする。
1  大学及び高等専門学校の設置等に係る書類等において重大な虚偽の記載等の不正行為を行ってから、相応の年数(最長5年)を経過していない者
2  法第4条第3項に規定する命令、法第15条第1項に規定する勧告等の法令上の命令、勧告等を受けた事項について改善が認められない者
3  法第15条第4項に規定する文部科学大臣が求める報告又は資料の提出等を、正当な理由なく拒否している者
4  国の補助金等の返還命令に対して不履行のある者
5  既に設置している大学の学部(短期大学、高等専門学校は学科)単位の直近の当該修業年限に相当する期間における平均入学定員超過率が1.3倍以上の者
(※  5については、現行の要件を継続)

2.  大学院等の設置の弾力化
 大学院(専門職大学院を含む。以下同じ。)、大学院の研究科、研究科の専攻の設置について、基礎となる学部等の設置から2年以上経過していることを必要とする要件を廃止する。

3.  提出期限、提出書類等の変更
(1)  大学及び高等専門学校の設置等に係る書類の提出期限について、以下のとおり変更する。
1   大学院大学(専門職大学院の大学院大学を含む。)の設置に係る認可の申請について、開設前年度の4月末とする。
2   大学院、大学院の研究科、研究科の専攻、大学の学部、学部の学科、短期大学の学科、高等専門学校の学科の設置等に係る認可の申請について、開設前年度の6月末とする9月末申請を廃止する)。
(2)  認可の申請に際しての教員審査について、申請時点での未発表論文は、原則として審査資料に含めないこととする。
(3)  その他、大学及び高等専門学校の設置等に際して提出が必要な書類について整理し、名称・種類・様式・部数等を変更する。

4.  その他関連手続の見直し・整備
(1)  法第4条第2項に規定する届出について、大学設置・学校法人審議会大学設置分科会運営委員会による事前相談を一律には行わないこととする等、手続を見直す。
(2)  文部科学大臣による大学及び高等専門学校の設置等に係る留意事項の公表及び年次計画の履行状況に関する調査の実施についての規定を明確化する。





審査スケジュールの概要


近年の9月申請に係る件数推移(案件数ベース)




11月答申の提出に当たって[大学設置・学校法人審議会会長コメント]


1  このたび、大学設置・学校法人審議会は、本年5月及び7月に諮問のあった平成18年度開設予定の公私立の大学、大学院などについて答申を行った。大学等の設置について諮問のなされたもののうち、今回認可の答申に至った案件は91件であり、それぞれ円滑かつ確実に設置計画を履行し、特色ある充実した教育研究活動を展開されることを期待したい。

2  本年度の申請の大きな特色の一つは、大学院大学関係が12件と、過去最多であったということである。このうち、今回の答申で認可となったのは7件であり、その他は、申請が取り下げられたり、当審議会において、法令・基準に適合していない、又は、更に吟味を必要とするという判断を示したりすることとなった。大学院大学に関する申請については、総じて準備不足の傾向が顕著であり、教員組織や教育課程などの内容、施設・設備などの態様の面で、大学としてふさわしくないと言わざるを得ない案件や、強い疑義の生ずる案件が見られた。

3  また、審査過程では、現在あるいは過去の申請書類について、虚偽の内容を含んでいたり、その真実性が強く疑われたりするような事例が相次いで発生したことは、大学運営に携わる者のモラルが問われる問題であると同時に、設置認可制度の根幹を揺るがす問題であり、極めて遺憾である。

4  こうした問題の背景には、各申請者において、大学間競争の激化に伴い、学生確保を急ぐ余り、申請に先立つ設置計画の検討・準備が拙速に行われていることがあるものと考えられる。質の高い大学づくりのためには、大学制度や大学改革の動向を十分に理解した上で、相応の時間をかけて基本構想を練り、これに整合した体系的な教育課程を研究し、広く適切な教員の確保を図っていくことが不可欠である。このことは、学生保護の観点からも、各申請者に対して強くお願いしたい。

5  同時に、文部科学省に対しては、適正な審査のため、当面以下のような取組の検討を期待したい。
(1)  申請者と審議会との「対話」をより深めて、補正の機会を確保するなど、審査手続の改善を図ること。特に、大学院大学の設置については、大学新設に準じた取扱いを検討すること。
(2)  虚偽申請に対するペナルティを明確化するなど再発防止策を講ずること。
(3)  設置認可後の年次計画履行状況調査の充実を図ること。

6  当審議会としては、国際通用性のある大学の質保証のため、審査に遺漏のないよう、引き続き適切に対応してまいりたい。

平成17年11月28日
  大学設置・学校法人審議会会長 永田 眞三郎


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