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私立短期大学を中心とした評価を行うという説明はあったが、公立も視野に入れているのではないか。
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現在の会員は私立短期大学だけで構成しているが、認証を受けた後は、公立短期大学の評価も行う。従って、公私立ともに認証評価を行う予定である。
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不適格になった会員短期大学はその会員資格を失うのか。
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それはない。
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不適格になった会員にはどのように対応するのか。
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第一には評価結果が不適格であることを公表する。次に次回の評価までに中身を向上していただくような様々な支援を行っていきたいと考えている。短期大学基準協会が会員制を採用するのは、関係者が一丸になって評価文化を育てていくことが今の短期大学にとって大事であるから。もう一つ、財政的な基盤の確保という理由もある。
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今のところ任意団体であるが、財団法人化をするのか。
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現在は任意団体であるが、認証を受けたら直ぐに財団法人の許可申請を行いたいと考えている。
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会員校は定員が300人以下の場合は1人、それを上回る場合は2人、評価員を出すことになっているが、評価員の養成についてはどう対処するのか。
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当面は評価員候補者に研修を行っていきたいと考えている。17年度の評価のために、12月1日には評価員候補者の研修を早速行いたい。それから評価員の研修も行っていきたい。評価チームは大体5人の評価員で構成されるが、それぞれに評価責任者を設定している。管理運営や財務の評価も行うので、それを行う方の研修もやっていきたいと考えている。
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短期大学基準協会の会員の中から全部評価員を出し、評価を行うのか。
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基本はそうである。
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高等教育全体、社会全体としての評価はどのように行うのか。
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評価員は短期大学関係者に加えて学識経験者等の参加も考えている。また、第三者評価委員会あるいは理事会には外部の方にも入ってもらうことになる。
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短期大学の課程は2年であり、評価を7年待っていると相当大きな変化があると思うが、その点についてどのように考えているのか。また今の御時世、不適格となった短期大学は消滅するのではないかと思うが、改善を促すというのであれば、もっと早い段階で取り掛かる必要があるのではないか。
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認証評価制度は平成16年度から導入され、各短期大学は7年以内ごとに評価を受けることが義務付けられている。7年の間には短期大学の情勢、高等教育全体の情勢が変わると思われるため、評価システムを常に見直すなどの対応を考えている。 |
【独立行政法人 大学評価・学位授与機構からの説明及び質疑応答】
独立行政法人大学評価・学位授与機構では平成12年度から試行的に評価を行ってきた。その経験を生かして、この度申請を行った。大学と短期大学の2つの機関別評価に申請を行ったが、評価基準の構想や評価方法は基本的に同じなので、前者を中心に説明を行いたい。資料は黄封筒に入っているものを主に使う。
認証評価の目的として3点挙げてある。具体的には

我が国の大学の教育研究活動等の質を保証すること、

評価結果を各大学にフィードバックすることにより、その教育研究活動等の改善に役立てること、

大学の教育研究活動等の状況を明らかにし、それを社会にわかりやすく示すことにより、大学の運営等について広く理解が得られるよう支援・促進すること、である。
その目的を踏まえて基本的な方針として6点を挙げてある。具体的には

大学評価基準に基づく評価、

教育活動を中心とした評価、

各大学の個性の伸長に資する評価、

自己評価に基づく評価、

ピア・レビューを中心とした評価、

透明性の高い開かれた評価、であるが、

は質の保証の観点から教育活動を中心に評価を行うというものである。

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は今回の申請に当たり、基本的な方針に加えた。
評価の実施体制については、大学機関別認証評価委員会あるいは短期大学機関別認証評価委員会を組織して実施に当たることにしている。これらの委員会は既に立ち上げてある。
評価の実施方法等であるが、具体的な大学評価基準について説明したい。教育活動を中心として大学の総合的な状況を評価するために11の基準を定めている。例えば基準1「大学の目的」では目的が明確に定められているか、学校教育法で定められた大学の目的に適合しているか、大学の構成員に周知されているか、あるいは社会に広く公表されているかといったことを挙げてある。
これら11の基準は各大学に必須の基準として設けてあるが、この他に大学の希望により選択的に実施する選択的評価基準を設定しており、各大学の希望になるべく沿えるように工夫してある。当面は「正規課程の学生以外に対する教育サービスの状況」を選択的評価基準として実施を予定している。「研究目的の達成状況」については実施体制が整った段階で行うこととしており、早ければ18年度からの実施を目指して現在検討を進めている。
2頁の頭に「各基準ごとに、基準を設定した意義・背景を説明する『趣旨』を記載するとともに、その内容に即して教育活動等の状況を分析するための『基本的な観点』を設けており」とあるが、これについては申請書類を御覧いただきたい。例えば9、10頁では「教育内容及び方法」について、課程ごとの大学評価基準の後に、その基準を設定した「趣旨」と自己評価に当たっての「基本的な観点」を記述している。評価対象大学にはこれらの趣旨や基本的な観点を踏まえて大学の状況を分析・整理していただきたい。なお、各大学の特色・個性を生かした評価も重要な方針であり、それぞれの目的に照らし、独自の観点を設定した上で自己評価を行うことも可能なシステムを採用している。
評価のプロセスとしては次の通り。まず上述の形で各大学に自己評価をしていただき、その状況を踏まえた上で11の基準について、各々を満たしているかどうかを理由とともに判断する。次に11の基準全てを満たしている場合に機構の大学評価基準を満たしていると判断し、評価報告書により公表する。なお基準を満たしているかどうかの判断に加え、基準を満たしているもののうち優れているもの及び改善の必要が認められるものについては、その旨を併せて指摘することにしている。選択的評価基準については満たしているかどうかではなく、当該大学としての達成状況等を分析してその内容を公表する。
評価方法は自己評価書に基づく書面調査と訪問調査である。
認証評価の特色である追評価については、大学の教育研究活動等の改善に役立てる観点から、大学評価基準を満たしていないと判断された大学にはその意向に基づき、満たしていないと判断された基準に限定して評価実施年度の翌年度または翌々年度に追評価を行うことにしている。その際には評価後に行われた改善に向けた取り組みと前回の結果を合わせて評価を行う。
短期大学については、基本的な枠組み及び評価方法等に大きな違いはない。短期大学評価基準5「教育内容及び方法」の構成が違うのは課程の編成が違うので当然のことであるが、併せて「趣旨」や「基本的な観点」にも違いがある。
以上で概略の説明を終わるが、宜しくお願いしたい。
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大学、短期大学両方の申請を出しているが、評価項目はほとんど同じに思える。両者は多少、教育目標が違うと思うが、その点についてどう考えているか。
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実際の評価に当たっては、基準1において個々の大学の目的を示した上で、基準2以降においてそれぞれの目的を踏まえながら各基準に挙げている事柄について分析するため、それぞれの機関としての個性が反映された形となるよう配慮している。
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評価の目的の中には評価結果をフィードバックすることで各大学の教育研究活動等の改善に役立てるということがあるが、責任ある組織運営システムの確立という観点から学長が学部及び研究科の状況を把握するシステムについてはどのような評価を行うのか、説明をお願いしたい。
また、教育研究組織の構成の機能面からの見直し、改組転換についてはどのように評価されるのか。さらに「教育の質の向上及び改善のためのシステム」では、成績評価基準や単位認定などについて内容や質をどのように評価されるのか。
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学長のリーダシップを含めた責任ある組織運営システムの確立については、具体的に基準の11の管理運営において、「管理運営体制が機能しているか」「各構成員の責務と権限が明確になっているか」を評価することにしている。その辺りを含め、大学の管理運営が適正に、各大学の目的目標達成のために行われているかどうかを見ることで十分に判断しうると思っている。特に大学評価基準は大学全体としての教育研究等の状況について評価を行うわけであり、管理運営が十分でない特定の研究科等があれば、大学全体の管理運営に響いてくるものと考えている。今御指摘いただいた点は基準の適用に当たって十分考慮すべきものと考えている。
教育研究組織の問題及び成績評価基準については、例えば、基準9「教育の質の向上及び大学全体の取組み」の中で、大学全体の取り組みについて、問題点等も含め十分分析しうる仕組みになっていると理解している。御指摘いただいた点については、実際の評価に当たり基準を適用していく中で、大事なポイントとしていきたい。
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「教育内容及び方法」、「教育の成果」の評価のところで大学全体としての状況について評価を行うことになっているが、学部・研究科ごとの評価と大学全体としての評価の関係を教えていただきたい。大学全体として基準を満たしているが、ある学部・研究科は基準を満たしていないということもありうるのか。その辺りの評価結果の表し方も含めて教えていただきたい。
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これについては基準を設定すると同時に委員会の中で検討を進めている段階である。現段階の考え方ではあるが、各大学に大学全体の活動の基礎としての学部・研究科等の取り組みについて十分把握し、それを分析するよう求めていくことになろうかと思う。
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研究科や学部別の評価をするのではなく、あくまでもそれらを踏まえて大学全体としての評価を行うということで良いのか。
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これについては試行評価の中で全学的な評価経験があり、その経験を踏まえて行っていく。具体的には評価方法を詰めていく中で考えてまいりたい。またそれが各大学に十分伝わるように努めてまいりたい。 |