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今回の中間報告案では、認可対象が学部学科から学位に変更されているが、その場合の審査基準は現在のものを今後も維持するのか。学位を対象基準にするならば、それに相応しい基準が必要だ。「学位課程」という言葉は意味が分かりにくい。課程は教育のプロセスだが、学位課程は一定の種類の学位を授与するための教育課程という意味なのか。学位課程の定義を書き入れる等して、その意味を明確にするべきだ。工業(場)等制限区域等についてだが、撤廃するのかどうかが不明確なので、そこを明確にする必要がある。撤廃するのであれば、これまで抑制してきた医師等の養成に係る特定分野について、今後も配慮が必要かどうかを別途検討することを明記するべきだ。
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設置認可対象への審査基準は、現在のものを基本的に維持する。今後の検討により、新たに学位を対象とした基準を加える事もあり得る。工業(場)等制限区域等については、設置認可という手段での抑制方針の執行を撤廃する方向だが、その場合の問題点を別途検討する必要があると思う。学位課程と工業(場)等制限区域等に関しては、文章を分かりやすくさせていただく。
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「基本的な考え方」の(規制緩和の流れ)の3つ目の○に「国の関与は謙抑的としつつ」とあるが、この部分に関して分科会で基本的な議論がされたので、そのバックグラウンドを書いた方がよいのではないか。また、「活性化」という言葉が使われているが、「学問の自由をはじめとする自立的な学術研究、あるいは教育の自由な発展ということが排除的にならないという視点から、国の関与は謙抑的としつつ」というような書きぶりにし、謙抑的という内容を具体的にするべきだと思う。「5留意点」の最初の○について、状況整備や大学・行政等の各主体に準備のための猶予を与える必要がある。実施年度は平成16年になると思うが、実施時期を予告し、各主体に準備期間を与える必要がある。更に、「2設置認可の在り方の見直し」6つ目の○で、「大学全体の定員内の学部(特定分野の学部を除く)」とあるが、特定分野の学部については何を指すのか。8つ目の○で、国による必要な措置が講じられるようにするとあるが、設置認可の届出内容が法令に適合していない場合には、国の責任においてアフターケアとしてチェックし、アクレディテーション団体は関係しないという理解でよろしいか。
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修文については工夫させていただく。準備期間は制度導入に向けて必要だが、具体的な実施時期を明示するのは難しいかもしれない。大学等に対して事前予告を行うことは書き加えたいと思う。「特定分野」については、「2設置認可の在り方の見直し」(設置審査の取扱方針)二つ目の○のただし書きにある列挙分野である。特定分野の抑制を続けるのであれば、それが収容定員にも関わるという意味だ。また、届出内容が法令に適合しない場合は、届出を受理する国が内容確認をすることになる。
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「1基本的な考え方」(規制緩和の流れ)について、「規制緩和」を「規制改革」とする方がよいのではないか。ここでの議論は、単なる緩和ではないので大きな意味で「改革」とするべきだと思う。また、「国際化」という言葉が使われているが、内容にその具体例がない。事後チェックである第三者評価に国際的なものがあるのであれば、そういうものを例示すべきだ。「5留意点」6つ目の○に「就学機会の確保」とあるが、そのイメージがわかないので、具体例を入れると分かりやすいのではないか。
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この中間報告には「国際化」に関する方向性を入れればよいのではないか。国際化が進む現状では、国際的な大学市場や日本の大学の空洞化等が当面の問題になり得るので、この部会でもきちんと検討するべきだ。
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国際化が具体化されていないということだが、我が国の従来の組織ベースの大学設置認可を学位授与を裏付ける教育研究プログラムに対処しようとしており、それは学位の在り方を国境を超えて考えているEU等にも通じると思う。そのような国際的なコモンスタンダードにコミットする視点は国際的と言えるのではないか。
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学位課程については、ヨーロッパではエラスムス計画等があり非常に進んでいる。我が国でも、学位課程を中心に大学を考えるのであれば、国際的な学位の授受等についてしかるべき方向性を出さなければならないが、そのための議論はまだ十分になされていない。
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国際化については、この中間報告案を読む人にすぐに理解できるような表現にするべきだ。
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WTOの方で国境を越えた教育サービスを含めたサービス貿易の在り方について、議論されることになっている。今後は、我が国でもe-Learning等を通じて容易に国際的な教育サービスが流通する時代になるだろう。その中で国際的な質の保証が重要になってくるのではないか。各国の高等教育に関しての情報提供システムやネットワーク等を構築することが最低限必要になると思う。将来的には国際的に各国間で質を相互に保証していくシステムに発展していくことが期待される。現在でも、アメリカの大学と称して事実上アクレディテーションも受けていない機関が、我が国でインターネット等を通じてディグリーミルのようなことをしている状況がある。例えば、アメリカの高等教育機関で、大学としてアクレディテーションを受けていないこと等を、評価機関の同種のネットワーク等を通じて提供していく等の国際的な質の保証や情報の提供等のシステムの構築が必要ではないか。そのような提案を現在WTOの方にさせていただいている。国際的な広がりの中での質の保証の必要性についても、留意点に書き加えることを検討したい。
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文部科学省として国際的な情報収集や比較をし、UMAP等で様々に展開しているような国際的会議等を文部科学省が中心に呼びかける等するべきではないか。
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「2設置認可の在り方の見直し」(設置認可の対象)で、「学位課程」と「学位の課程」という言葉が出てくるが、これらはこれまで定義されていない言葉だ。意味を明確にしないと読む側が混乱するのではないか。また、設置認可の対象を変更するのであれば、大学の組織単位はどこまでなのかを明確にすべきだ。5つ目の○で、学位分野を整理し明確化するとあるが、誰が判断しどう考えるのかを更に議論する必要がある。6つ目の○では、学部間の定員の増減を大学に任せるとあるが、これは届出の必要があるのか。
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収容定員についてだが、同じ部分の7つ目の○にあるように、認可対象から除外する事項については原則として届出とする。学位課程は学位を授与するプログラムだが、分かりやすい書き方を工夫する。学位の分野については別途整理し、この部会でもご議論いただきたい。大学院の研究科は、4つ目の○(1)イメージ例にあるように、認可対象である。
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そのイメージ例の数は、この報告案のとおりでよいか。
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イメージ例の「経済学部の中に経済学科と経営学科がある場合」には、経営学士と経済学士の双方を出せるのか。課程で学位を出すとすると、主専攻・副専攻の問題に発展する可能性があるのか。同じ部分の(3)に「短期大学は学位授与機関ではなく、学位課程が存在しない」とある。準学士は確かに学位ではなく称号だが、国際的には学位として通用している。短期大学卒業後留学する者もいるので、将来的には学位とするように検討するべきだ。従って、ここで「学位課程が存在しない」というような断定的な表現は避けていただきたい。
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(3)の冒頭部分に「現行制度では」が入ればよいのではないか。
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現行制度では、経済学部の中に経済学科と経営学科がある場合には、それぞれ学士が出せる。学位課程を中心に考えると、今ある学位の学士を出せるようになるだろう。
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(3)の短期大学の記述については、「学科を短期大学の基本組織として当面認可の対象にする」、「短期大学における学位授与について引き続き検討」等の言葉を入れていただきたい。高等教育機関全体の中で学位を授与する機関とそうでない機関との区分はあり得るが、それを大学や短期大学等の学校種により分けるべきではない。学位課程の表現は、今のままでも一般的に分かりやすいと思う。短期大学や高等専門学校については、今後の検討により決まるという表現にするべきではないか。
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「学位」の定義は変化してきているが、この部会でその定義まで扱うのか。
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短期大学の学位や在り方は制度部会での議論を考えている。学位に関しては、大学の学部や短期大学の学科の設置認可への取扱いに影響が出る可能性があるので、慎重に検討したい。
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この部会の守備範囲は、設置認可の在り方と大学の規模ではないか。短期大学の準学士を学位に変更することについては、まだ検討していないので正面から議論した上で記述するべきだ。(3)の短期大学については、6つ目の○の後に一つの項目として入れる方が分かりやすいのではないか。(校地に係る基準の見直し)の最後の括弧書きの文章は一文なのか、二文なのかが分かりにくいので、表現を工夫するべきだ。「3第三者評価(適格認定)制度の導入」で、「国家資格の受験資格」という表現があるが「国家試験受験資格」ではないか。
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今の段階で「学位課程」と表記しなければならないのか。設置審査上の観点を明らかにするためなら、学位という表現を使えばよいのではないか。
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ご指摘のあった言葉については、誤解がないように整理したい。短期大学が学位授与機関ではない等の記述部分に関しては、削る方が理解しやすいかもしれない。
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短期大学では学科が基本組織であり、学科は認可の対象になる。それを基本としながら、4年制大学との比較で合理的であれば、届出もあり得るのではないか。
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短期大学と高等専門学校については、制度部会で議論することになっているので、将来に渡ることをここで限定的に書くのは好ましくない。結論として残らないようにするべきだ。
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「規制緩和」を「規制改革」にすべきという意見があったが、何らかの規制が残るので誤解を防ぐためにもそうするべきだと思う。工業(場)等制限区域の廃止はやむを得ないが、地域の均衡ある発展は高等教育のグランドデザインに不可欠なので、その点は明記していただきたい。校地校舎面積は、私立大学の重要な要素なので一定の基準は必要だろう。現在の状況に応じた校地校舎面積を再考するべきだ。
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「2設置認可の在り方の見直し」の4つ目の○のイメージ例に工学部の例が挙がっているが、工学は大学によっては細かく区分けして学位を出している所もあり、新たな学位が数多く出てくる可能性があるが、その辺りはどう考えているのか。
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もともとの学位が工学の場合に新しい学位を作るのであれば、そのまま工学の学位のみになるが、情報工学が当初からあり、その延長上で作るのであれば新たな学位を作り得ると思う。学位の種類をどこで限定して考えるかによるが、それについてはご議論いただきたい。
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「5留意点」の7つ目の○に「就学機会の確保」とあるが、以前使われていたセーフティーネットという言葉に比べて意味が限定されるので、表現を再考していただきたい。
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届出になるか認可になるかという問題についてだが、どちらになるかの判定はどこがするのか。文部科学省の担当窓口が判断権限を持つのか。それにはカリキュラムの専門家が関わるのか。
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届出と認可の区別として、どこにメルクマールをおくかはここでご議論いただきたい。
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学位の分野については、どういう場合が変更になるのかを明確化する必要がある。基本的には大学設置・学校法人審議会で確認してもらうことになるのではないか。
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さきほど、工学のイメージ例についての発言があったが、従来は例えば情報工学部という学部を作る場合は必ず認可になったのだが、新たな制度では既に情報工学科があって、その学位を出している場合には届出とするという例を単純に挙げただけではないか。
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学位課程という場合には、カリキュラムや教員組織等を伴っている。それが認可になるのか届出になるのかの判断は、専門家がするべきだと思う。
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従来は大学設置・学校法人審議会は、設置認可を判定する案件が上がってきた時に審査してきたが、現在では設置認可の対象とするべきかどうかもそこで事前に相談して決めるようになっている。新たな制度になっても、それを継続していくということなのだろう。学校教育法には学部の定義がない。第53条に「大学には、学部を置くことを常例とする。」とあるが、学部の定義はない。大学設置基準第3条「学部は、専攻により教育研究の必要に応じ組織されるものであって」とあり、その部分のみがキーワードになる。その判定は大学設置・学校法人審議会でせざるを得ない。第6章に「教育課程」の編成方針や卒業要件等規定されているが、「学位課程」を基本とするようになると、第6章を「学位課程」に書き換えることになるのか。それは危険だと思う。
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ここでご議論いただいているのは、正に緩和ではなく改革だ。伝統的に日本の大学は学部・学科制で来たが、筑波大学創設以降、基本的な教育組織が変わってきている。設置認可の対象かどうかは、大学設置・学校法人審議会でガイドライン等をいただくことになるのだろう。他方、質の担保も大切で、質の悪い大学にならないように、また、そうなってしまった場合にどう排除するのか。既存の大学の足を引っ張らないような仕組みをトータルに考えなくてはならない。 |