教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループ(第11回)議事録

1.日時

令和8年5月21日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 ※対面・Web会議の併用(傍聴はWeb上のみ) (東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループ 議論のまとめ(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

(主査)森朋子
(主査代理)浅田尚紀
(委員)笠井正俊、葛城浩一、小林浩、斎藤有吾、嶌田敏行、中村真理子、林隆之、松浦良充、溝口侑

文部科学省

安井高等教育企画課長、石橋大学振興課長、寺坂高等教育企画課高等教育政策室長、柴田国立大学法人支援課国立大学戦略室長、鈴木大学設置・評価室長

5.議事録

【森主査】  所定の時刻になりました。第11回になります教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループを開催いたします。
 御多用のところ,まずは,御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 まずは,本日の委員の出欠について御案内を申し上げます。本日は委員11名が全員出席となっております。また,本日もオブザーバーといたしまして,機関別認証評価機関の5機関に御参加いただいております。ありがとうございます。
 それでは,議事を進めたいと思います。本日は,本ワーキンググループの議論のまとめ(案)について意見交換を行ってまいります。これまで皆さんに御議論いただきまして,前回骨子として示されました方向性を,議論のまとめ(案)としてまとめさせていただいたということでございます。
 まずは事務局より,資料の御説明をお願いいたします。
【鈴木大学設置・評価室長】  大学設置・評価室長,鈴木でございます。私のほうから資料の御説明をさせていただければと思います。
 まず資料1ですが,これは,前回まで委員の皆様に,新たな制度の全体像という中で御議論いただいたところでございまして,前回の御指摘を踏まえて1点変えたところがございますので,まずそこだけ御説明させていただければと思います。
 6ページを御覧いただければと思います。前回は,学部ごとの段階別評価で「要改善」がある場合につきましては,大学全体の評価の中では,大学全体として,きちんと要改善をしなければいけない学部があるということは,その大学全体として内部質保証が図られていないというところがありますので,そこは「不適合」であるという御説明をさせていただきました。その際に,学部ごとが「要改善」という名称であるにもかかわらず,大学として「不適合」という,その言葉自体,その意味が必ずしも同じなのかどうか疑義があり,混乱を招くのではないかということで,我々といたしましては,今回,大学としての評語,全体の評語のつけ方として「適合」と「要改善」というふうにしてはどうかということを御提示させていただいたところでございます。要は,学部ごとの段階別の評価をしたとき
に,「要改善」の学部があるということは,先ほど言いましたように,大学全体の評価の内部質保証が図られていないということで,大学全体としても「要改善」という形にして,言葉自体を合わせていくということを考えているところでございます。
 ただ,前回お示しした「不適合」と「要改善」という言葉について,それぞれ発動する要件自体は変わるものではありませんので,あくまでこれまでは,大学の評価基準に適合していないから「不適合」という形で言っていましたけども,この新たな評価については,もちろん結果としては大学評価基準に適合していないので「不適合」という意味になりますけども,我々として新しい評価においては,やはり大学に要改善のアクションを起こしてもらいたいという意味で,「不適合」という言葉ではなくて,「要改善」という言葉に合わせてはどうかという御提案でございます。ここだけ1点,修正をさせていただいたところでございます。
 それを踏まえまして,今日御議論いただきたいところは,資料2を中心に御議論いただきたいと思っているところでございます。資料2につきましては,これまで御議論いただいた資料1をベースに,それを文章化した形で議論のまとめを案として提示させていただきました。これは夏の段階で,これまでの議論の整理というものを出させていただきましたけども,それをこの半年弱の中で色々いただいた御指摘を踏まえて,追記するような形でまとめさせていただいたところでございます。今回初めてでございますので,ここについては少し丁寧に御説明させていただければと思います。
 資料2でございますけども,第1部として「新たな評価」の基本的な考え方というところで,1ポツで,高等教育機関に対するこれまでの質保証の考え方と課題というものを提示させていただいたところでございます。
 上から丸の4つ目のところで,いわゆる認証評価が導入されて20年ということで,各高等教育機関における適切な自己点検・評価,実施,定着と,評価結果を活用した改善,内部質保証のシステムが進んでいると。これらはもちろん各高等教育機関の努力と認証評価機関における様々な改善や工夫で,高等教育機関の改革を支える役割を担っていたということは書かせていただいた上で,次の2ページ目でございますけども,上から2つ目の丸になりますが,今回,中教審のこれまでの答申であったりとか本ワーキングで,いろいろな方をヒアリングに呼んで意見をお聞きして,かつ委員の皆様からも議論をいただいて,今の認証評価の現状と課題ということで整理させていただいたのが丸1から丸3でございます。
 丸1につきましては,現在の認証評価が果たすべき社会的機能を再考する必要があるのではないかということで,多様な高等教育機関の目的に応じて,入学後,どの程度学生が成長させることができたのかといった付加価値こそが教育の質とし,いわゆる人口減少が進む中で,こうした教育の質の可視化をすることが非常に重要であります。そのため,学生一人一人の能力を最大限高めるという高等教育機関の本来の目的を達成するために,各機関が取り組んでいる内容とその成果を明確に提示して,社会から理解と支持を得るために,教育の質に一層重点を置いた評価手法への転換を図っていくべきではないかということ。
 3ページに行きまして,評価結果についても,関係のウェブサイトで公表されていますけども,評価機関によってそれぞれ項目や表現が異なることから,外部から分かりづらいということで,社会から十分認知されていないのではないかという課題を指摘いただいたところでございます。
 2つ目といたしましては,評価に当たって,評価者と被評価者双方の負担が重くて,なかなかインセンティブを感じづらいということで,現在,認証評価を受審するに当たって,高等教育機関の内部質保証には生かされているということかと思いますけども,一方で,細かい規程や制度の整備の有無を確認されていると,認証評価を通じて得られる具体的な効果をなかなか感じづらいということで,十分な動機づけがなされていないという指摘もございました。それが徒労感につながり,それがさらに負担感になっているという御意見をいただいたところでございます。あわせて,機関別認証評価と分野別認証評価の評価サイクルが異なるということで,評価に係る作業に重複があるということで,評価に伴う大学の負担が増加しているのではないかという御意見を課題として,2つ目でまとめたところでございます。
 3つ目は,認証評価を通じて内部質保証の意識を大学内で十分共有できていないのではないかと。もちろん認証評価によって,機関全体の改革につながった面はあるというふうに思っているところでございますけども,なかなか個々の学部・学科のレベルにおいても,学生の学びと成長に寄与するカリキュラムの改善まで至っていないのではないかという御指摘をいただいたところでございます。
 こういう課題を解決していくために,4ページでございますけども,方向性として,2ポツでございますが,1つ目は,知の総和答申において,18歳人口が2034年度までは100万人を維持しますけども,2040年度までの6年間で74万人まで急減すると,大学進学者数は3割減少するということが見込まれているところでございます。
 2つ目の丸のほうで,そういう少子化のほかにも,国際競争の激化,いわゆるAI技術のさらなる進展に伴う社会構造の変化において,まさにその変化に対して柔軟に対応して,主体的に課題解決に取り組んで,そういう新たな価値を創造できる人材をまさに高等教育機関が育成していくと,その役割は非常に大きくて,社会からも期待されているのであると。その中で高等教育機関は,学生の学修時間の増加・確保を伴う学生の主体的な学びの確立であったりとか,学生の学ぶ意欲を醸成して,その成長を後押しするように,教育の質を不断に見直して,学修者本位の教育を行うことが必要であるという必要性を記載したところでございます。
 ただ一方で,3つ目の丸でございますけれども,現状においては,高等教育機関の教育の質によって,別の社会的な評価のあり,進学先の選択が行われているか,必ずしも明らかでない状況であるということ。全国的には知名度が必ずしも高くないものの,地域の医療,福祉,産業等を支えるために教育活動に精力的に取り組んで,学生の成長を促している地方の高等教育があることは忘れてはならない中で,教育の質が社会から適切に評価される仕組みを実現して,学生や社会に広く訴求させることで,高等教育機関の自律的な改善・向上の取組を後押ししていくことが必要であろうということを方向性として掲げたところでございます。
 その中で,そういう必要性を踏まえた上で,(1)でございますけども,学修者本位の教育を引き出す評価制度の構築ということで,学生一人一人が能力を最大限高めていくために,高等教育機関における教育の質の向上を図っていくためにも,教育プログラムの成果であったり,学生自身の成長実感,ステークホルダーによる評価等を可視化することによって教育改善が進められているというところを,高等教育機関として最低限の質を保証するにとどまらず教育の質の向上を図っていくというところを,評価を通じて進めていってはどうかというのが(1)でございます。
 (2)の社会に開かれた高等教育機関の質の保証及び質の向上の実現でございますけども,高等教育機関に限らず教育活動に対しては,社会からの理解と支持を得られることが求められる中で,新たな評価結果が社会に広く認知されて活用されるべく,高等教育機関による積極的な情報公表はもとより,この新たな評価制度によって,その結果もしくは必要な情報が社会に理解しやすい形で公表される仕組みを構築してはどうか。
 3つ目の方向性としては,持続的かつ効果的な評価の実現ということで,認証評価における評価項目を,教育の質を評価するために真に必要な項目に厳選して,評価制度の抜本的な見直しを図ると。手続についてもデジタル化を進め,データプラットフォームを構築することで,評価事務の手続簡素化・効率化を図っていくと。あわせて,類似の制度がある場合については整理・統合を図っていく。この大きい3つの方向性を踏まえた上で,現行の認証評価制度の見直しの方向性を示していきたいというのが今回のワーキングでのミッションかなと思ってございます。
 なお,このワーキングにおいて,まさに学部等以下を基本的に念頭に置いて検討を行ったところでございます。もちろん大学院教育について,評価するに当たっては検討する必要があると思いますけども,まずこのワーキングにおいては,高等教育の質というところ,質の保証,評価ということを考えるのであれば,学部等以下がやはり中心であり,受益者である学生数が多いということ。あわせて大学院教育については,大学院教育の在り方とか制度について専門的に調査・審議を行う大学分科会の大学院部会というものがございますので,そちらで議論していただき,評価の視点等まとめていただき,方向性を示していただいた上で,この新たな評価の全体像に組み入れていくことにしたいということを考えているところでございます。なので,このワーキングといたしましては,学部等以下の今回の検討の結果をまずはまとめていただいて,それを踏まえた新たな評価制度の構築に大きい方向性を持って,文科省と評価機関のほうで細部を詰めていくことを取り組んでいくということを想定しているところでございます。
 その上で,第2部でございますけども,具体的な新たな評価制度の基本的な枠組みでございますが,これはこれまで議論してきたところでございますので,かいつまんで御説明させていただきますけども,まず,教育の質の評価を行うということであれば,それは学生が必要な学修成果を上げられているかという点を可視化して,教育成果が上げられているかという点に重きを置いた評価にしていくべきであるということで,3つ目の丸でございますけども,学部等は専門分野ごとに組織されて,教育内容や教育方法も専門分野によって差異,異なると。高等教育によっては学部等によって場所が異なるなど,教育研修の基本組織として学部等を単位とした教育活動が行われているのが現状であります。そのことを考えれば,学修者本位の観点に基づいて学生の教育の実態を明らかにするということは,学部等の単位で評価を行っていくことが必要であろうということ。
 次の丸でございますけども,新たな評価においては,学部等の評価と併せて,質保証の最終責任者は高等教育機関そのものでございますので,機関全体における大学の教育研究,組織運営及び施設整備の状況も確認していくということを,新たな評価の単位,対象ということで考えさせていただければというふうに思っているところでございます。
 次の2ポツ,評価の視点でございますけれども,ここにつきましては,まさに先ほど言いましたように,大学全体,高等教育機関全体を評価する項目と,学部等を評価していく項目を分けて議論してきたところでございますけども,3つ目の丸でございますが,まず評価機関が高等教育機関全体を評価する項目としては,財務状況,経営環境だけでなくて,社会からより注目されている高等教育機関として,学生への教育の実践や支援の状況,教育研究に関して,ちゃんと学部と有機的に連携が図られているかどうかというところに精選して,以下に示しているような評価基準,丸1から丸3の基準に沿って評価を行ってはどうかということを提示させていただいているところでございます。
 高等教育機関が,この機関全体の評価を通じて,上記の基準を十分満たしていないと評価機関に判断される場合については,学部等の評価を行わず,高等教育機関として自己改善を行うことが求められるだろうと。一方で,先ほども言いましたように,この丸1から丸3全て,大学全体の評価の中で確認したときには満たすけども,学部等の評価を行ったときに「要改善」の学部がある場合については,当然翻って,この機関全体で掲げた3つ目の評価基準に基づいて,きちんと内部質保証が図られていないと判断されます,そのため,評価機関においては,機関全体の評価と学部等の評価を有機的に行っていただくことを期待しているということを書かせていただいたところでございます。
 11ページでございますけども,その上で,学部等の評価というものの基本的な視点を提示させていただいておりますけれども,丸1として,行われている教育活動が法令等で求められる水準に達しているなど,適格に保証できているかという質保証の視点。丸2といたしましては,学生一人一人の能力を最大限高めるために教育活動の水準を向上させ,教育成果につながっているかという質向上の視点の2つの視点から,評価機関は評価していくということを考えております。
 その上で,ア,質保証の視点でございますけども,これについては基本的に,法令等で求められている水準を基準としているものでありますので,原則として,全ての評価機関が同一の基準に基づいて評価していくべきであろうということで,11ページ以降,これまで御議論いただいた4つの評価の基本的な方針,7つの評価基準,15の評価項目において厳格に質保証を判断いただくということを考えているところでございます。
 13ページでございますけども,今度は質向上の視点でございます。もちろん高等教育機関は多様な目的を有していることを考慮する必要がございますので,各機関が基本的には学部等ごとに,建学の精神や養成すべき人材像を踏まえてDPを定めておりますので,大学等の様々な教育活動を通じて一人一人の学生が,学位プログラムを通じて得た自らの学びの成果,学修成果の把握を踏まえて,DP(ディプロマ・ポリシー)で掲げている資質・能力を備えた学生を育成できているかどうかを教育成果として捉えまして,様々な根拠やデータを組み合わせて教育成果を明確に挙げているかを評価していくということを考えております。
 その上で,教育成果を評価する際には,次の丸でございますけども,3行目のところで,学修成果の評価は,第一義的には学生の知識や能力の表出に伴う直接評価が行われることを踏まえた上で,直接評価と間接評価の双方の観点で学修成果の可視化を行うことが求められていくと。間接評価につきましては,まさにこれから本格実施する全国学生調査において,新たな評価の趣旨に即した質問項目を設定して,その結果を評価に活用していくべきであるということでございます。まさにこの直接評価,間接評価だけではなくて,教育成果を把握するに当たっては,DPに示されている資質・能力を身につけた学生が社会や地域で貢献できているかというところ,いわゆるステークホルダーからの評価も,この新たな評価を通じて明らかにしていく必要があるだろうということを明示しているところでございます。
 次の14ページでございますけども,教育の成果といったときに,成果だけではなくて,優れた取組についても積極的に評価できる仕組みになるよう留意することが重要であるということで,今回は学部等の評価をするんですけども,これは別に学部で行われているということだけではなくて,学部間の連携の取組であったりとか教養教育など,学部等という枠を超えて行っている当該機関全体の取組であったりとか,学部等の横断の取組も重要な教育活動でありますので,DPの達成,学生の成果にどのように寄与しているかという観点から適切に評価していくべきであろうということでございます。
 次の次の丸でございますけども,この質向上につきましては,大学の自主的な取組として,国際的な評価機関による評価を実施している場合であったりとか,教育プログラム単位の国際的な認証があるという場合もあるかと思いますけども,そういうところについては国際的な評価基準に基づいて教育内容や体制が審査されますので,世界で通用する質の高い教育を提供していることの客観的な根拠になるということで,質向上の視点から評価すべきであろうということを書かせていただいたところでございます。
 この質向上の視点というところにつきましては,先ほども御説明しましたように,要は,新しい評価制度は,各教育機関が将来を見据えて養成すべき人材像を掲げて,社会にどのような人材を輩出するか,学生が在学中にDPに掲げる資質・能力を身につけていることを評価するということでございますので,まさにDPの設定が非常に重要であろうということで,14ページから15ページでございますけども,各教育機関の教育理念に基づき,学生が何を学び,どのような力を身につけることができるのか,学修成果として可視化し得るものになっているかということを改めて検討し,具体的かつ十分なものとなっているか,各高等教育機関の中で再検証をしてもらうべきであるということを書かせていただいたところでございます。
 次の16ページでございますけども,評価手続,どのように評価していくかということでございますが,現在の認証評価は「適合」「不適合」ということになってございますが,2つ目の丸でございますけども,大学をはじめとする高等教育機関の役割というのは,学生一人一人の可能性を広げて, その資質・能力を最大限伸ばすことですが,その各教育機関の教育の質によって社会的な評価や進路選択が行われているか必ずしも明らかでないという中において,教育の質を分かりやすく評価し,発信する必要性が高い。先ほどもちょっとお話ししましたけれども,規模や地域性に関わらず,丁寧に教育や学生支援を行うことを通じて,社会や地域で必要な人材を育成している高等教育機関が高く評価されることを期待しているということ。あわせて,教育の質を分かりやすく発信することによって,各高等教育機関で先進的な取組や課題を把握・共有しやすくすると。それを参考にしながら,各教育機関における自己改革・自己改善の取組を進めていくという意味で,次の丸でございますけれども,いわゆる「適合」「不適合」ということではなくて,段階別の評価結果を付すよう変更するということを記載させていただいたところでございます。
 これにつきましては,質保証の基準に達していない学部については「要改善」というものと,質保証の基準に達しているもののうち,さらに,いい取組,教育成果を挙げているものについては高く評価するということで,全体として4段階の評価とすると。その評語については,例えばということで,星のような記号の数など,高校生とか企業をはじめとして,社会にとって分かりやすいものにするよう検討するということを掲げているところでございます。
 その中で特にということで,今,資料では星3つという形で一番高く評価する,学生の成長につながる優れた取組を通じて高い教育成果を上げている学部等については,教育成果として,在学中の学生の成長度であったりとか,社会から期待される水準を超えた教育成果であったりとか,単年度ではなく継続的な教育成果を上げているという観点から,高く評価してもらうことを期待するということを書かせていただいているところでございます。先ほどもちょっと御説明しましたように,これまでは「不適合」という言葉を使っていましたけども,新たな評価においては,大学自ら改善しなければならないことを強調するため,「不適合」という言葉ではなくて,「要改善」という評定を付すこととするということを書かせていただいたところでございます。
 17ページでございますけれども,段階評価を行うに当たっては,各高等教育機関が自ら行う活動に対して自負を獲得するとともに,さらなる高みを求めて,自己改革を通じた教育の質の向上につながる評価,これは絶対評価という形でしてはどうかということを書かせていただいたところでございます。
 評価のサイクルでございますけども,評価のサイクルは,機関別認証評価は7年,分野別認証評価は5年となってございますので,今回は学部等の教育活動の評価を中心に実施するということを考えれば,分野別評価の意義や機能に近づいていくということ。高等教育機関は学位の種類,学位の分野によって様々ですけども,一例として医学部等は6年制の課程を取っていると,ほかの評価,いわゆる国立大学法人であったりとか地方公立大学法人の評価は6年であるという,ほかの評価とのバランスを踏まえて,6年間を前提に,実施する評価機関の実情も加味して検討してはどうかということを考えております。
 (3)でございます。効果的な評価手続でございますけども,ここについてはデータプラットフォームの構築をしていってはどうかということを記載しております。データプラットフォーム,これは各評価機関でそれぞれつくるのではなくて,大学における各種の学習の機会に関する情報の収集であったりとか整理とか提供を担っている独立行政法人大学改革支援・学位授与機構に設置して一元的に管理することが,管理コスト増大につながらず,よろしいのではないかということを書かせていただいたところでございます。
 このデータプラットフォームについては,受審管理機能であったりとか入力機能,閲覧・評価支援機能,データ公表機能を一元的に備えていくと。データ入力については,文科省が収集済みのデータについては一元的にデータプラットフォームに入力することで,大学の作業負担を軽減していきますし,評価においても自動計算機能や,アラートを表示する機能やAIの活用も視野に入れながら,評価者,被評価者双方の負担軽減につながる評価支援が行われることを念頭に置いてデータプラットフォームの構築を考えていきたいというところでございます。
 次の18ページでございますけども,今の認証評価においては実地調査を必ずやるということになってございますけども,新たな評価制度においても実地調査については実施することが望ましいと思います。評価機関が社会に対して丁寧な説明が求められている場合などは,実地調査において実態を確認することは必要不可欠であるということを書いた上で,その一方で,評価機関が書面審査やオンライン面談を行った上で,対面で実地調査を行う必要がないと判断する場合については,必ずしも実地調査を行わなくてもよいというような,柔軟な運用に改めるようにしていきたいと考えてございます。
 一番最後でございますけども,新たな評価制度においては大きくシステムも基準も変わっていくわけでございますので,ここについては認証評価機関や高等教育機関の協力を得ながら,試行的な評価を含めて,必要な準備が行えるように,文部科学省は必要な支援を行うことを求めていくということを書かせていただいたところでございます。
 続きまして4ポツ目,評価の主体でございますけれども,学部等で行われる教育の質を評価して,社会に対して評価結果を公表していくのであれば,専門性に近しい,つまりは同じ学位の分野でのピア・レビュー行うことを基本としたいと考えてございます。その学部等の評価において,学位の分野というものにつきましては,今の学位の種類及び分野の変更に関する基準を基に,この分野で体制を整えてもらうことを評価機関に求めていきたいと考えてございます。
 上から3つ目の丸でございますけども,評価機関がどのような評価体制を取るかについては,各評価機関の実情を踏まえた上で,学位の分野単位での評価を適正に行える体制を確保することを前提に,評価体制の具体は各評価機関に委ねたいと思いますし,文部科学省においても大学関係者に対して幅広く,この評価の業務に協力を求めるなど,必要な支援を検討すべきであるということを書かせていただいたところでございます。
 次の20ページでございます。新たな評価の主体でございますけども,これについては,高等教育の質の保証と向上に向けて,大学全体の評価と学部等の教育の質の評価を担う十分な体制を備えた機関にその役割を担ってもらうことを期待するということを考えてございます。なので,大学全体の評価及び学部の段階別評価を総合的に担う機関,総合評価機関と,特定の分野を専門的に評価する機関,特定分野評価機関を評価機関として考えているところでございまして,それを国が認証するという形にしたいと思ってございます。認証に当たっては,それぞれ役割に応じた評価を行うために必要な体制を備えているか,また,大学評価基準及び評価方法が国の示す基準・項目等に整合しているかなどについて厳格に審査していくということを書かせていただいたところでございます。
 その上で,新たな評価を行うに当たっては,仮に評価機関が複数あるということであれば,20ページの一番最後の丸でございますけども,評価の公平性を担保できるよう,評価機関間で,評価に当たり基準に照らした判断例や提出を求める資料のばらつきをなくすための調整を図っていくと,その組織の役割について明確化していくべきであるということを書かせていただいたところでございます。
 21ページでございますけども,今回,新たな評価で教育の質というものを評価していただくと,高等教育機関の中核たる教育の質を評価していくということになるのであれば,これまで以上に評価機関の評価の質の信頼性を高めていく必要がございます。現在の認証評価においても自己点検・評価を定期的に行って,その結果を公表しているところでございますけども,併せて,新しい評価において認証された評価機関に対して,文部科学大臣が,評価が適正に行われ,評価機関の適格があるかということを確認するシステムを設けていくことを考えているところでございます。
 続きまして,22ページでございます。5番の評価結果の公表・活用でございますけども,評価結果の公表につきましては,第三者評価を通じて,高等教育において学生の成長に資する取組が行われていることを明らかにし,社会からの理解を深めて支持を得ていくことがこれまで以上に必要になってくるということを考えますと,より分かりやすく,しかもアクセスしやすいものが必要であろうということで,データプラットフォームにおいて一元的に公表するとともに,公表内容のフォーマットの統一化であったりとか,情報の受け手である学生等がアクセスしやすいように,評価の具体的内容についてはポイントを分かりやすく示すようにするということを記載させていただいているところでございます。
 さらに,評価の結果の活用でございますけども,ここも我々といたしましては,各高等教育機関の改善努力を後押しできるよう,評価結果を資源配分等の国の政策に活用することを検討していきたいというふうに考えているところでございます。あわせて,良好な評価結果を受けた高等教育機関への受審期間の延長であったりとか,評価項目の軽減など評価手続の簡素化につきましては,新しい評価につきましては大きくスキームも基準も変わることになりますので,まずはそこの定着を優先すべきであるということで,実情を鑑みながら引き続き検討していってはどうかということを書かせていただいております。
 続いて,次の丸でございますけども,今後,質保証の視点で,厳格に評価機関において評価をいただくということに対して,「要改善」というものが出された学部については確実に改善が行われるよう,文科省でペナルティーを含めたその後の対応を検討していくべきであると。特に「要改善」の大学については,早期に自律的な改善を図った上で,再度評価を受審できるように求めていくということを記載させていただいたところでございます。その上で文科省は,改善状況を聴取して,取組がなされていない,不十分もしくは改善の見通しがない場合については,法令上厳しい措置を講じていくべきであるということを書かせていただいたところでございます。
 あわせて,新しい評価においては,当然,「要改善」の大学,学部等を持っている大学に対して厳しく対処していくということを先ほど書かせていただいたところでございますけども,3つ目の丸につきましては,今の認証評価制度においても「不適合」を受けている大学が存在するわけでございます。文科省としては報告資料の提出を求めて,再受審を促しているところでございますけども,「不適合」の状況が続いている大学があるという現状でございます。まさに新しい評価において,厳格な対処ということ,これから新しい評価制度の中で求めていくだけではなくて,現行の制度においても,まずこの「不適合」を受けているところに対して厳しく対応していくべきであると。この「不適合」状態が継続しているような大学等を放置することは,現在の認証評価制度のみならず,新しい評価制度に対する社会からの信頼が揺らぎかねないという危機意識を持って,まずは文部科学省においては,その解消が確認されるまでの間に新たな学部等の認可を行わないなど,現行においても厳格な対応を取るよう措置を求めるということを書かせていただいたところでございます。
 最後,24ページでございます。高等教育機関の評価でございますけども,これまでも社会から信頼を得ることを求められているという中において,大学をはじめとした高等教育機関については,この認証評価制度だけではなくて,国立大学法人評価であったりとか,いわゆる高等教育の透明性と信頼性を求めるためのいろいろな組織改革が求められているところでございます。もちろんその評価制度の趣旨は異なっているわけでございますけども,評価疲れを解消する必要もございますし,本来高等教育機関として期待される教育と研究に注力できる時間を制約することになっては本末転倒であろうということで,新たな評価制度構築に当たり,教育の質を評価するという真に必要な目的を達成することと併せて,高等教育で求められている教育に係る評価全般について見直すべきであるということで,具体的にはということで,現行の機関別認証評価と分野別認証評価については,新しい評価は大学全体の評価と学部等ごとの段階別評価を一元的に行うものになりますので,より分野別認証評価と機関別認証評価の差異がなくなっていくということでございますので,その統合を図ってはどうかと。あわせて,国立大学法人評価における現況分析につきましては,新たな評価と類似する要素が多いので,重複の解消を図るなど,そういう形を進めていくべきであるということを書かせていただいたところでございます。
 あわせて,新しい評価については,自己点検評価書と根拠資料を基本的な大学からの提出資料として,質保証の水準に疑義がある場合とか,評価結果を判断するための必要不可欠な場合を除いて,評価を受審するための追加的資料を提出させない,もしくは既存の資料の提出をもって代えるような配慮をしていくべきであるということを書いて,より評価の負担の軽減等を新しい評価のスタートの際に併せて,重複感であったりとか負担の軽減を図っていくということをここで書かせていただいたところでございます。
 以上,これまで御議論いただいた内容を踏まえて,資料1を踏まえて議論の一定のまとめということで,この資料に案としてまとめさせていただいたところでございます。よろしく御審議を賜れればと思っているところでございます。
 以上でございます。
【森主査】  ありがとうございました。これまで議論してきたものが文章化されつつあるというところだと思います。委員の先生方には早めに見ていただいております。これから意見交換の時間といたします。今回は,資料2のほう,文章化されたものを中心に見てまいりたいと思っております。1部と2部とございます。2部構成になってございますので,それぞれ時間を分けて議論いたします。
 なお,事務局からの説明もありましたように,昨年8月の中間まとめからの変更点を机上の配付資料として皆様には御提示しておりますので,そちらも御覧いただきながら御議論いただければと思います。
 まずは1部のところでございます。新たな評価の基本的な考え方ということで,なぜこういう評価を導入していくのかといったようなところの理由づけや,これまでの経緯などがまとめられてございます。まず,ここに関しまして御意見がありましたら,挙手のほうをお願いいたします。
 では,溝口委員,お願いいたします。
【溝口委員】  ちょっと皆様,お手が挙がらないようなので,基本的な言葉の確認を最初にさせていただけたらと思うんですけども,大学の掲げる教育目標ということで,「養成する人材像」という言葉と,「養成すべき人材像」という言葉がおよそ半々ぐらいで使われているのかなと思うんですが,ちょっと今調べながら聞いてたんですけど,大学ごとに,これもまた使い分けというか,どちらもあるんですけども,報告書の中では統一をしたほうがいいのかなと思って聞いておりました。大学が主語になると思うので,「養成する人材像」で統一したほうが個人的にはいいのかなと思って聞いていたんですが,この点はいかがでしょうか。
【森主査】  用語の揺れのところだと思います。本件に関していかがでしょうか。
【鈴木大学設置・評価室長】  溝口先生,御指摘ありがとうございます。おっしゃるとおり,そこはまさに大学が主体ということになるのであれば,「養成する人材像」ということかと思いますので,そこはこの後,揺れの修正はしていきたいというふうに考えているところでございます。
【森主査】  御指摘ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。
 林委員,お願いいたします。
【林委員】  ありがとうございます。第1部に関してですが,今までずっと議論してきたので,そんなに大きな異論はないんですけれども,ちょっと分かりづらいなと思っているのは,なぜ今再考する必要があるのかということが丸1,丸2,丸3と書いてあって,丸3で内部質保証の意義,意識を大学内で共有できてない,全くそのとおりだと思いますので,それは結構なんですけども,丸1のところで教育の質を可視化することが非常に重要であると書いてあって,それもそのとおりなんだけど,なぜそれを第三者評価機関が可視化しなければいけないのかと。
 つまり,別に各大学が可視化すればいいじゃないかという話になって,それをなぜ,ある種,書いてあるように,分かりやすい形で出していく必要があるかというと,やはり学生の選択に寄与するということと,それから,優れた教育に対しては国が支援をして,その教育を発展,持続させることによって質の高い人材育成に寄与していくと。後ろのほうを見れば,そういう趣旨のことは書いてあるんですよ。書いてあるんだけど,1の,特に丸1を読んでいても,認証評価が社会から十分認知されていないとか,そういうことは書いてあるんだけど,今言ったみたいな学生の選択だったり,あるいは質の高い教育のさらなる発展の支援であるとか,その辺りがちょっと読めなくて,なので,教育の質を可視化するのはいいんだけれども,そこをなぜこの新たな評価というもので,1個下のレベルまで下りて可視化していかなければいけないのかというところの説得力を出すためには,もうちょっとその辺りを書き込んでいただけるとありがたいなと思いました。
 以上です。
【森主査】  ありがとうございます。御意見ということで。
【林委員】  はい。
【森主査】  ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。また多分お気づきの点が,読めば読むほど出てくるかなとも思いますので,またお寄せいただければ。
 溝口先生,お願いいたします。
【溝口委員】  すみません,私ばかりしゃべらせていただいて。5ページの(1)のところですが,新たな評価が第一,第二,第三と並ぶ中の第二の箇所です。ここを改めて読みますと,学生が在学中にどのくらい成長したかについて,学生自身の成長実感,これは間接評価のことですよね。それから,ステークホルダーによる評価等,これは社会からの評価ということになるかと思うんですが,そうなると直接評価に関する言及というのがここに列挙されてなくて,後半読んでいくと,この3つから評価していくことが重要だというお話になると思いますので,ここは少し表現として,どのように書くかというのは案が今すぐ浮かばないんですけども,教育機関が自ら学生の成長をはかるとか把握するとか,そういった形の表現というのがここには必要になってくるのではないかというふうに思います。
 以上です。
【森主査】  ありがとうございます。この第一のところが何となく直接評価っぽいことですよね。
【鈴木大学設置・評価室長】  はい。
【森主査】  ですよね。分かりました。
 どうぞ。
【鈴木大学設置・評価室長】  おっしゃるとおり,そこがちょっと分かりづらいと言えば分かりづらいのかなと思いますので,そこは少し検討したいと思います。ありがとうございました。
【森主査】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
 溝口先生,それはお手を下げられる。
【溝口委員】  はい。失礼いたしました。
【森主査】  大丈夫ですか。
 私からも1つだけ確認です。以前は設置審や設置計画履行状況等調査との関係が示されていたと記憶していますが,今回は見当たりません。
【鈴木大学設置・評価室長】  まず,設置計画履行状況調査については,最初の1ページ目のところの設置計画履行状況調査の,質保証に寄与しているというところについては書かせていただいておりますけども,設置計画履行状況調査との連携については,今まさに改善事項であったりとか,そういうところについては新しい評価において活用することを求めているところでございますけども,そこについては,今回はあくまで新しい評価をどうしていくかというところを鑑みましたときに,まずはその履行状況,新しい評価制度そのものについての記載を書かせていただいたところでございます。
【森主査】  分かりました。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
 斎藤委員,お願いいたします。
【斎藤委員】  ありがとうございます。少し第2部のところとつながってくるので,こちらで言うべきかどうか迷ったんですが,場所が第1部ということで御質問させていただければと思うんですが,5ページの注の6です。「本ワーキンググループでは,新たな評価は」何たらかんたらと書いてあって,マイクロ・クレデンシャルの評価の在り方も必要に応じて検討するみたいな形で書いてございます。マイクロ・クレデンシャルも,もし第2部以降のところに関わってくるのであれば,ちょっとその整理は必要かなと思ったんですが,このワーキンググループではこれを必要に応じて検討するというところに関しては,すみません,まずこの書きぶりでよろしいんでしょうか。本ワーキンググループの議論のまとめである本文書において,この「(本ワーキンググループで)必要に応じて検討する」という未来形の書きぶりで。そうするのであれば,実際マイクロクレデンシャルは学修成果の可視化に関わってくるところかと思いますので,第2部で触れられているのであればまだわかるのですが。この言及をどのように考えたらいいのかというのを教えていただけますでしょうか。
【森主査】  お願いいたします。
【鈴木大学設置・評価室長】  ここにつきましては,マイクロ・クレデンシャルについては,今回は学部単位と,そういう中でのプログラム全体の評価をするということを念頭に置いて検討してきたところでございます。マイクロ・クレデンシャルにつきましては,プログラムの中の一部に対してどう扱っていくかでございますけども,そこについては,我々といたしましては,教育プログラム全体をどう評価していくかということをまず考え,教育プログラム全体を評価することをまず制度化することを最優先するということを記載させていただいたところでございます。マイクロ・クレデンシャルについては,今後,実情等に応じて,必要に応じて検討するということでございます。今回のワーキングの中では教育プログラムをどう評価していくかというところでございますので,ここについてはあくまで,こういう視点はあるよということの提起ということにとどめさせていただきたいと思っているところでございます。
【斎藤委員】  ありがとうございます。「本ワーキンググループでは」という表現でよろしいということですね。ありがとうございます。
【森主査】  ありがとうございます。よろしいでしょうか。ほか先生方,第1部のほうに関しましては,御意見。
 松浦先生,お願いいたします。
【松浦委員】  ありがとうございます。とても細かなところですけれども,3ページの丸2の1段落目の最後のほうで,「このような状況が評価業務に対して『徒労感』が生じさせ,それが『負担感』が生じているのではないか」というのは,ちょっと文言がおかしいかなというところで,それは細かな文言の話と同時に,事前にも事務局に申し上げたんですが,徒労感,負担感の解消や克服を標榜してしまうと,今度のこの新しい評価制度が本当に負担感がないか,徒労感はともかく負担感がないかどうかというのが問われてしまうので,この辺りの書きぶりは慎重にしたほうがいいのかなというふうに思いましたので,併せてそのことを指摘させていただきます。
 以上です。
【森主査】  事務局,よろしいでしょうか。御意見として。
【鈴木大学設置・評価室長】  はい。
【森主査】  ありがとうございます。学生たちに関することであれば,多分大学は疲労感も徒労感もいとわずにやるということだと思います。
 では,第1部に関しまして,一定御意見をいただきました。次に,第2部のところに入りたいと思います。
 では,第2部に関しまして,評価対象から,全部一緒に行きますかね。どうぞ御自由に御発言いただきたいと思います。時間はあと1時間ぐらいございます。どなたからでも結構でございます。
 すみません,葛城委員,嶌田委員から始めさせていただいてよろしいですか。では,嶌田委員,葛城委員,小林委員の順でお願いいたします。
【嶌田委員】  では,嶌田でございます。結局今回の評価でどのように質を見ていくかというと,やっぱりディプロマ・ポリシーといいますか,各大学が設定したディプロマ・ポリシーをもとに,こういう教育をやっていきますよというところに対して評価をしていくことなると思うのですね。その場合,ディプロマ・ポリシーの自由度みたいなものと,学位としての最低水準みたいなところをどこで両立させるのかというのがポイントなのかなと思います。どういうことかといいますと,いわゆる楽勝ディプロマ・ポリシーをつくって,「すごいです,うちは上回り過ぎちゃっています」みたいな話ですよね。そういう下品なことをする大学さんはいないとは思うんですけども,目標を評価しようと思ったときには,その目的の妥当性というのをどうやって評価するかというところが重要で,「あれ,この大学なのにこんな低い目標?」,「この大学さんだったらこんなの全然楽勝じゃん」というようなものばっかりぽんぽん出てきても,日本の教育があまりよくならないじゃないの?,という気もするので,どうすればいいのかなと思ったんですね。
 本当はそういうディプロマ・ポリシーなどをつくるとき,どうしても曖昧かつ崇高なものになってしまうことが多いのですけど,どのような学生がどのような状況になったら,このディプロマ・ポリシーを満たした・達成したとするのか。どのようなデータを取って,何を測ってディプロマ・ポリシーを見ていくのか。そういうエバリュアビリティー,つまり評価可能性みたいなものを考えていかなければいけないと思うのですね。つまり,妥当性がDPはつくってはいけませんよとか,DPの妥当性を評価機関が確認しろと言われても,「そこから確認するんですか?」みたいな話になってつらいし,それは文部科学省とどっちがやるのかな?というところもあります。
 3つのポリシーのガイドライン,平成28年に出てから多分改定されていないと思うので,今回の評価に合わせて「ディプロマ・ポリシーというのはこういう風につくっていかなければならない」「こういうところをチェックしなくてはいけない」,「こういうのが満たされていないのは駄目では」みたいなところをある程度固める,と云いますか,どこかの会議体などで議論していただかないと,結局この評価の前提が揺れてしまうのかなというところがあると思うのです。今後の検討をどうするかみたいな話になってしまうんですけど,結構ここは重要なんじゃないのかなと思いました。
【森主査】  ありがとうございます。何か事務局のほうからございますか。
【鈴木大学設置・評価室長】  御意見として。
【森主査】  そうですね。今,ディプロマ・ポリシーがとても重要なので,例えば人材育成目標,ディプロマ・ポリシー,ラーニングアウトカムズなどの系譜の中で,どう構造化していくかということですよね。ただ,それは大学の説明責任の範疇なのかなとちょっと思ったりもしますけども,そこまで文科省のほうで支援していくかどうか。
 安井課長,お願いいたします。
【安井高等教育企画課長】  企画課長でございます。御指摘ありがとうございます。先生の御指摘に十分お答えできているか分かりませんけれども,まず一つは,ディプロマ・ポリシーということ自体が,当然多様なディプロマ・ポリシーがある,あってしかるべきだという前提ではありますけれども,また同時に,大学教育として妥当な内容,水準のディプロマ・ポリシーであるということは高等教育機関として当然の前提になってくると思いますので,当然設置審査の段階で審査されているであろうことではありますけれども,その後の状況の変化で,仮に高等教育機関としてふさわしくないようなものがあれば,それ自体が質保証の観点で指摘の対象になってくるのではないかなということを最低水準確保の御指摘の点では一つ思いますのと,今回御議論いただいている全体の評価のコンセプトとして,アウトカム評価をDPとの関わりの中でやっていくということでありますけれども,そこが最終的に到達されている学生の教育水準ということに加えて,やっぱり在学中の学生の教育活動による成果の伸びという部分をできるだけ観点として入れていこうということでありますので,すごく極端な言い方ですけれども,入学した段階で既にDPが達成されているみたいな,実際にはあり得ませんけれども,そういうような極端なケースみたいなところで,じゃあDPがクリアされていたら,その段階で三つ星なんですかという,そこは御指摘頂戴していると思いますので,当然そういうケースというのはやっぱり三つ星を受けるに値しないというような審査に評価としてなろうかと思いますので,そこの伸びの部分と最終的な到達部分というのがDPとの関わりの中で総合的に評価をいただいて,最終的な御審査を頂戴するということになるのであろうと考えてございます。
【森主査】  では,林委員,関係するところで。
【林委員】  すみません,手を挙げたのは後ろのほうだったんですけど,今のに関係するコメントだったので。私も11ページを少し,今御議論いただいたところでちょっと違和感を感じていました。11ページのボックスの真ん中辺りに「学位にふさわしい資質・能力を」と書いてあるんですね。そもそも「水準」という言葉と「質」という言葉があって,特にイギリスは明確に分けて使っていて,水準は,まさに大学の学士,学士の議論であれば学士号にふさわしい水準になっているかと。それが学修成果であったり,カリキュラムがそうなっているかという話で,質は教育のやり方,マネジメント等がうまくできているかと,そういう分け方をしているんですが,そうすると11ページのボックスにある「学位にふさわしい資質・能力」は,まさにそういう意味で水準が書いてあるんだけれども,上から2行目のところを見ていると,「行われている教育活動が法令等で求められる水準に達しているなど」と書いてあって,これが一体何のことを水準と言っているのかがちょっとよく分からなくて。
 もし厳密に,今の御議論とかも踏まえながら考えれば,「教育活動・成果」くらいにしておかないと,成果の水準のところを見ておかないと質保証の視点にならないので,この文言だけじゃなくて,実際に評価が動いていくときに,評価委員にしっかりとインストラクションしなければいけないのは,よく設置審で指摘されるように,この程度の授業は高校でやる授業じゃないかという指摘だったりとか,この分野の学位を出すんだったら,このカリキュラムの科目構成では不十分ではないかとか,そういうまさに水準,この分野のこの学位の水準に適合しているのかと,その視点をしっかりと持ってこの質保証のところはきっと見ていただかないといけないので,そこはちょっと,この2行目の修正をするとともに,今後実施するときにちゃんとインストラクションしていってほしいなと思います。
 加えてですけれども,そういう視点で見ていたときに,23ページ,先ほど,よくできているところは評価負担の軽減だという話が書いてあったんだけど,もしかしたら逆かなと思っていて,よくできていないところは,もう一回,設置審と同じレベルの細かい評価を受けるようにするという,そういう仕組みに変えたほうがいいんじゃないかと。今回大変だけれども,ただ1学部が出す資料ってそんなに多くないので,そこを簡素化するというよりは,やっぱりできていないところをしっかりと見ていくという,そっちを考えたほうがいいんじゃないかなと思いました。
 以上です。
【森主査】  ありがとうございます。何か事務局から。御意見として伺う形でよろしいですか。
【鈴木大学設置・評価室長】  はい。
【森主査】  私も個人的に,いわゆる質保証がなされていない大学となった場合には,設置審,再審査が必要ではないかと思っています。先ほどの質問につながりますが,国としての一連の質保証・向上システム,つまり設置認可から認証評価まで,今,つながって見えない形になっているのが少し残念かなとは思っていますけどね。一応,意見としてお伝えいたします。
 先ほど安井課長からありましたように,取りあえず資料1の13ページの評価項目,ローマ数字1の評価基準丸2のところにありますが,これが水準かどうかというところは,すごく難しいところになるかなと。掲げている「養成する人物像」やDPのところで,「分野別参照基準や国際基準,学士力,ジェネリックスキルに関する国際基準などを踏まえているか」と書かれているというところでございます。
 ありがとうございます。
 今,少し大きな議論になりましたが,これに関しての御意見,ほかにお持ちの方,おられますでしょうか。この議論は1回終えてもよろしいですか。
 では新たに,葛城委員,お願いいたします。
【葛城委員】 まずは,今のペナルティーみたいな話の関連で一つお話ししたいんですが,やはり大学としては,インセンティブもそうなんですけど,ペナルティーがどういうものかということがやはり気になるところです。そういう観点で見てみると,「法令上の厳しい措置を」云々ということで,そこまでの表現でとどまっているので,もしかしたら,さっきの議論であったようなお話を例として少し書き込んでおくのもいいのかなと思ったところです。
 そう思った一つの理由が,下のなお書きの現在の認証評価制度で「不適合」を受けたところには新たな学部新設等の認可を実施しないなどと,こっちは具体的に書き込んであって,なお書きにしては,こっちは具体的だというところで,少しアンバランスに感じたところです。だから文脈としては,新しい評価ではこういうふうなことでペナルティーを考えていて,過去のものにも遡及して,そういうふうな態度で臨んでいく,みたいなストーリーで書いてもいいのかなと思ったというのが一つです。
 もう一つが,星の評価,星に対する,どう表現するかというところの話で,2つ星と3つ星に該当する表現は書き込んであるんですが,では,1つ星ってどういうふうに表現されるものなんだろうと思って資料1を見ても,高等教育機関として求められている水準に達している学部ということで,結局それって2つ星,3つ星までを含んだ表現になってしまうので,1つ星を表現するような表現がどこかにあってもいいのかなと思ったところです。
 以上です。
【森主査】  ありがとうございました。
 今,2点ございました。事務局,御意見ということでよろしいでしょうか。
【鈴木大学設置・評価室長】  はい。
【森主査】  ありがとうございます。
 では続きまして,小林委員,お願いいたします。
【小林委員】  ありがとうございます。
 私も2点ございまして,1点目が17ページの評価サイクルのところと,23ページの先ほどの対応のところですけれども,6年間でサイクルを回していくということに対して何か違和感があるわけではないんですが,例えば段階別評価を得たものを,例えば星であれば星を6年間そのまま継続するのか,引きずるのかということは,もう少し議論があってもいいのかなと思っております。
 例えば,今,社会変化が激しい中で,一度もらった評価を6年間変えられないのかというのも疑問があります。内部質保証の中では自立的に改善のプロセスを早く回していくことがと本来の趣旨だと思います。この23ページのところには,「要改善」になったところは,今で言う「不適合」のところは追評価とか再評価を受けるようなことはあるんですが,例えば星が一つにとどまってしまったところが,頑張って,例えば大学の中で学部間の競争等をしていきながら,切磋琢磨して,星を上げられるような取組をしていますよということであれば,これは認証評価機関の負担というものも考慮しなければいけないんですが,もうちょっと短い期間で申請するような仕組みがあってもいいのではないかというようなことが1点でございます。
 もう1点が,23ページの下の現在の「不適合」について,私も何度か申し上げていますけれども,現在でも「不適合」となってしまった大学が,大学のホームページに,それを公表しておらず,「適合」のときのものを出しているというのがございます。これは消費者保護の観点から,かなり問題だと申し上げています。これは認証評価機関が公表する義務はあるのですが,大学側がホームページに最新のものを公表しなければいけないという義務がないと伺っておりますので,そうしたことは,今回の新たな評価においても,大学側が最新の情報を公表するということをきちんと明示すべきではないかと思っております。
 以上,2点でございます。
【森主査】  ありがとうございます。
 御意見,はい,どうぞ。
【鈴木大学設置・評価室長】  ありがとうございます。
 前段の評価のサイクルのところかと思います。おっしゃるとおり,「要改善」というものに対しては,我々といたしましては,この新しい評価もそうですけれども,要は質の保証もしくは向上をどんどんサイクルを回していくことがこの新しい評価の趣旨だと考えてございます。「要改善」については,それを脱する必要性がありますので,質の保証は再度評価を受けることは,我々としては,必ずやっていただきたいと思っています。
 星1つを例えば星2つ,星3つに上げていくような再度の評価のところについては,おっしゃるとおり,どんどん質の向上を高めていくということであれば,それは望ましいところだと思います。そこはまさに,方向性としては理解いたしますし,今,小林委員もおっしゃっていただいたように,最後は評価機関とのフィージビリティーのところの話なのかなと思ってございます。ただ,その趣旨については理解いたしますし,そこをどう表記していくかは,検討させていただきたいと思ってございます。
【森主査】  ありがとうございます。
 2点目に関してはいかがでしょうか。
【鈴木大学設置・評価室長】  2点目については,「不適合」のところに対して,今の認証評価においても,「不適合」のところをまさに,新しい評価で,我々としては,厳しく「要改善」のところに対処していこうということを書いております。ただ,今の「不適合」に対しては,そのままでいいのかということになりますので,今の評価,今の制度であっても,「不適合」を受けているところに対しては,文部科学省は,そこは厳しく対応していかなければいけない。そこを改めて,今,新しい評価を検討いただいているところではありますけれども,新しい評価に切り替わる前だとしても,きっかけとして,今の状況については改善していかなければいけない,そこについては,「不適合」の大学に対して,より迫っていけるかどうかというところは,まさにおっしゃるとおり,これから検討していきたいと思いますけれども,今回は,まさにそういうところを,この報告書の中で文部科学省に求めていただくということを書かせていただいたところでございます。
【森主査】  それでは今,厳しい御意見がありましたので,また,その辺も勘案していただければと思います。ありがとうございます。
 続きまして,斎藤委員,お願いいたします。
【斎藤委員】  ありがとうございます。
 嶌田委員と林委員のお話に関連するところですけれども,先ほど林委員が質と水準の違いを御説明くださいました。水準とかに関しては目標論もすごく関わってくるところだと思うので,ディプロマ・ポリシーにひもづけたいところですけれども,ディプロマ・ポリシーに何を書けばよいかというところに関しては,どのような知識,スキル,態度みたいなものを書くのか,つまり,どのような資質,能力で構成するのかという側面と,どのようなレベルまで求めるのかという水準,その辺りも考えなければいけないかと思います。例えば学士力は,どのような知識,スキル,態度が必要なのかというのは書かれているんですけれども,どの水準までやるのかというところは,そこまでは明示されていないところかなというのが私の理解です。
 1つお伺いしたいんですけれども,学士課程水準といったときに参照できるもの,特に水準といったものを判断するときに,有効な資料とかというのはございますでしょうか。大学院設置基準では,修士レベル,博士レベルということで水準に関わる文言があるんですけれども,学士課程のところではなかなかそれが難しいなと思いまして,もし,御知見があればお伺いしたいです。
【森主査】  斎藤委員,事務局への御質問でよろしいですか,それとも,委員の先生方への呼びかけでしょうか。
【斎藤委員】  まず,事務局に伺いたいと思います。
【森主査】  ありがとうございます。いかがでしょうか。
【鈴木大学設置・評価室長】  ありがとうございます。
 学士の水準につきましては,報告書の中で説明を省きましたけれども,いわゆる評価基準項目の視点というところをさらに見ていったときに,判断例みたいな中で,例えば評価基準丸2のいわゆる学位にふさわしい資質・能力のDPが示されているかどうかというのをどうやって見るかというところでございますけど,28ページに書かせていただいておりまして,例えば学士にふさわしいか否かということ判断する際にはということで,分野別参照基準であったり国際基準,学士力やジェネリックスキルを踏まえているかどうかを確認するということで学士の水準というものを見ていただくのかなと考えているところでございます。
【森主査】  ありがとうございます。
 斎藤先生,どうぞ。
【斎藤委員】  どのような能力を書くというところに関しては参考にできる部分があると思うんですけど,どのような水準まで求めるのかというところに関してはいかがでしょうか。
【森主査】  今のところではそういったようなものが,石橋課長,いけますか。はい,お願いいたします。
【石橋大学振興課長】  斎藤先生,ありがとうございます。
 その点は,むしろ,我々からお答えするのではなくて,各学術界の中で,やはりどの水準のものが学士,修士,博士それぞれで求められるかというものをお示しいただくのが基本かなと思っております。
【斎藤委員】  ありがとうございます。
【森主査】  では,林委員,お願いいたします。
【林委員】  国内でどうかと言われるとあれですけど,一番,薄いけれども全般的に書いてあるのは,通常はナショナルクオリフィケーションフレームワーク等の中のディスクリプタで書かれているということだと思うんですけれども,ただ,それが評価で使えるレベルの詳細性があるかと言われると,ちょっと疑問だと。恐らく,学士というよりは,例えば修士,博士との違いはほかの国でもっとはっきりしていて,博士だと,やはり回答が不明瞭な課題に対してリーダーシップをとってやっていくみたいな,まず,いろいろなスキルの項目があって,それがルーブリック的に4段階で書かれていたりするので,例えば学士が高校生とどう違うかと言われると私もわからないんだけど,学士と少なくとも博士は違うというのは,ほかの国の状況を見ると,レベルの違いは書いてあって,ただ一方で,では,修士と学士,修士と博士の違いまでクリアかと言われると,よく分からないなというところはあります。そういう意味では,大学院に関しては大学院部会にお任せしますと第1部で書いてあるんだけど,実はそこをしっかりやってもらわないと,やはり水準のところは,特にジェネリックスキル的な水準ですね,博士とトランスファラブルスキルという表現ですけれども,そこをしっかりと御議論いただきたいと思っています。分野別になると,やはりまたちょっと違って,学士レベルだとこの分野のこういう知識がなければいけないと,そこはいろいろなところでクリアに書かれていると思っています。
 以上です。
【森主査】  ありがとうございます。
【斎藤委員】  ありがとうございます。
【森主査】  分野別参照基準も,コンテンツは書いてありますけど,水準は書いていないような気がするんですが,松浦先生,いかがでしょうか。
【松浦委員】  そうですね,水準までは書いていないところが多いと思います。私も全分野,目を通しているわけではないんですけれども。
【斎藤委員】  結構,まちまちです。何とかまでできると具体的な中身を書いてくれているところもあれば,そこの辺りの水準がよく分からないというところもあったりします。
【森主査】  情報提供ありがとうございました。
 ただ,設置審のときには多分,プロフェッショナルジャッジメントとかエキスパートジャッジメントでこれはちょっとという話はよく聞くと思いますけれども,それが文章化,水準化はされているわけではないという理解でよろしいですかね。ということだと思います。課題意識として挙げさせていただくということでございます。
 では次,中村委員,お願いいたします。
【中村委員】  ありがとうございます。
 私からは,質向上の視点のところについてお伺いしたいと思うんですが,10ページの真ん中ぐらいに,「DPに照らして学生が必要な学修成果を挙げられるか可視化し,教育改善へ活用できているかという点」,そして,「教育成果を挙げられているかという点を評価の中心に据え」ということで,今回のこの評価自体が教育成果を上げられているということで判断すると読めます。
 ところが,その次のページの質保証のところではそれが触れられていなくて,13ページの質向上の視点のところでまた改めて,「学生一人一人が知識・能力をどの程度身につけたかという学修成果を可視化する取組が重要」で,「可視化の取組を通じて高等教育機関はそれぞれの「教育成果」を明らかにしていくことが重要である」ということで,私も最初の頃は,「教育成果」というよりは,どちらかというと「学修成果」という言葉のほうが多かったような気がするんですが,最近の感じですと,「教育成果」が主になっているように思います。そうすると,教育成果を挙げられているかどうかということは,単に学修成果がこんなものですと把握することだけではなくて,教育プログラム評価が行われているところまでを含めないと教育成果と言えない気がするんですけど,そうしますと,星一つのところで質保証の水準に達しているというそこのところでも,最低限のプログラム評価はできていないと駄目ですよというところまで求めるのか,ちょっと厳しいのではないかなと思いながら,これを拝見しておりました。
 あと,それに関連して,45ページに飛んでしまいますけど,質向上の視点のところで,判断のポイントとして挙げられているものの中で,教育成果というところに,教育成果を示す根拠例として,直接評価とか,間接評価とか,社会での活躍を示すデータということで,これ自体は学修成果のような気がするんですね。だから,それを基にしてプログラム評価したものが教育成果だと思うので,この辺,私もどこまでを質保証で求めているのかというところは事務局にお聞きしたいなと思いながら,これを拝見しておりました。
 以上です。
【森主査】  ありがとうございます。
 用語の定義になってくるのかなと思いますけど,一応,お聞きする形でよろしいですか。お答えになられますか。
【鈴木大学設置・評価室長】  おっしゃるとおり,用語の整理なのかなと思っています。もちろん,学修成果というものは,一人一人の学生が何を学んだかという成果だと思いますけれども,それを我々としては,一人一人というよりも,むしろ教育プログラムとして,一人一人が学んだ教育成果をきちんと可視化して,それがプログラムとして,教育の成果としてどうなのかというところをまさに見ていくのが今回の評価の趣旨かなと思ってございますので,言葉の整理は我々でさせていただきたいと思ってございます。
【森主査】  中村委員,よろしいですか。
【中村委員】  はい。
【森主査】  ありがとうございます。
 では続きまして,笠井委員,お願いいたします。
【笠井委員】  ありがとうございます。
 私が今回の資料で変わったところとして気になったのが,「不適合」が「要改善」に表現が変わったところです。「適合」と「要改善」とが対応していないとか,「要改善」でないところは改善を要しないということになるのかとか,いろいろと言葉のあやみたいなところも気にはなっていたのですが,先ほどの事務局からの御説明で,改善をしてくださいよという思いを込めたということで,何となく,まあ,それもありかなと一応納得はしていたのですけれども,先ほど林委員や森主査からの御意見で,不適合ないし要改善のところというのは設置審からやり直すべきではないかという御趣旨の御発言もあって,私も実は同様のことを感じていました。実際,この評価基準や評価項目を満たしていないということになると,資料2の別添に,いろいろな具体的な評価の内容があるわけですけれども,判断例として,何々がされていない,何々になっていないとはっきり書かれていて,こうなってくると,やはり,大学として本当にこれでいいのかという評価例が並んでいるわけで,それが一つでもあった場合には,本当は設置審からやり直したほうがいいのではないかという感じがしているというところです。そこまで考えると,やはり,言葉としても「要改善」ではなくて「不適合」なのではないかという気もいたしまして,本当に「要改善」というぐらいの言葉でいいのかどうかについては,先生方にも御意見を伺いたいと思っているという意見です。
【森主査】  ありがとうございました。
 大変,重要な観点かと思います。
 本件に関しまして,ほかに御意見がある委員の方おられますでしょうか。
【小林委員】  よろしいですか。
【森主査】  はい,小林委員,お願いいたします。
【小林委員】  私もそこは気になっておりまして,「要改善」というよりも,どっちかというと「是正勧告」に近いのではないかなと感じています。今の認証機関でも「是正勧告」という言葉を使っている機関もありますので,星1つでも星2つでも改善は必要になってくる。星がないところは,やはり是正勧告というような形で勧告されていて是正が必要であると,そういった形にしたほうがいいのかなと感じております。
【森主査】  ありがとうございます。
 ほかに,本件に関しまして御意見がある委員,おられますでしょうか。今,オンラインで手が挙がっている先生方の中で,本件に関することでございますか。よろしいですか。
 事務局,今の御意見に関して,受け止める形でよろしいですか。お三方ともすごく渋い顔をしていますけど。
【鈴木大学設置・評価室長】  御意見ありがとうございます。
 前回の御指摘は,要は……。
【森主査】  逆でしたね。
【鈴木大学設置・評価室長】  ええ。学部等が要改善と言いながら,要改善の学部を有しているところに対して不適合だというところに対して,言葉の揺れを御指摘いただいたのかなと我々としては認識しているところでございます。要は用語を合わせるということかと思うんですけれども,それを「不適合」という言葉を使うのか,「要改善」という言葉に合わせるのかというところかと思います。もちろん,「不適合」という言葉に合わせるということも,よろしいかと思います。例えば学部等で,いわゆる質保証の基準を満たしていないというところはやはり不適合の学部であって,不適合の学部があるのであれば,それは不適合の大学であるという結論を出すということもあり得ると思います。
もちろん,そういう意味合いで付して,ここは用語の呼称の使い方かと思うんですけれども,それを「不適合」として世にさらすということにするのか,我々としては,新しい評価はあくまで,もちろん,できていない大学に対し厳しく対応していくということも必要ではあるんですけれども,大学全体がいい方向に改善していくことがまず今回目指すべきところなのかなと思いまして,であるならば,適合していないという結果だけではなくて,その後に通じる行為を求めるということで要改善としてはどうかという御提案でございます。確かに,別に星1つ,星2つ,星3つのところが改善を要しないかと言われると,そういうことはなくて,常に改善は求められると思うんですけれども,少なくとも,やらねばならぬところ,できていないところに対しては,そこを改善してくださいねという意味の要改善という意味でつけておりますが,そこが分かりづらいということであれば,ここは呼称の仕方かなと思いますのと,あとは,社会の受ける影響,評価機関がその評価をするときの大学が受け取る印象とか,そういうところもあるのかなと思いますので,ここはまさに評価を御担当されている先生方であったり大学の先生方から見て,どうお考えになったほうがいいのかと,そこの御意見を賜れればと思っているところでございます。
【森主査】  ありがとうございます。
 本件に関して,はい,浅田先生,お願いします。
【浅田主査代理】  前回,ここの話をした者として多少責任を感じています。前回,学部の要改善が1つでもあれば,大学が不適合でしたので,用語の整合性の話もありますねという話をしたと思うのです。学部が不適合であれば,大学は要改善かなと逆に思っているところがあって,学部が不適合だったら,先ほどから出ているように,設置審に回したらと思っているのです。
 大学に学部が1つしかなければ,大学は不適合のままですし,複数学部あって,学部の不適合が山のように出たら,大学も不適合かもしれないですけれど,1つが不適合,要するに学部として,最低基準を切っている駄目なところがあったときでも,ほかの学部がかなり頑張って,よくやっている場合。そういう大学全体を見たときに,大学として改善しなくてはいけないでしょうというメッセージはあると思っています。ただ,不適合の学部があったら,これはほっとけないので,先ほどから出ているように,設置審並みのきちんとした審査をもう一度クリアしてくださいというプロセスはあってもいいかなと思っています。
 以上です。
【森主査】  ありがとうございます。
 質保証に関しては法令適合性の部分がすごく大きいので,これを満たしていないということが一体何を意味するのかということは非常に重いかなとは思います。また,この辺も事務局で御議論いただければ。
【小林委員】  1点だけ。
【森主査】  はい,小林委員,お願いします。
【小林委員】  今,浅田先生,学部で適合していない学部があれば,大学で要改善とおっしゃったと思うんですが,学部で段階別評価を公表するというのがあったのか,大学のところについて,何かまた,表示ってされるものなんでしょうか。
【森主査】  3,2,2,バツ,バツとか,そういうことですよね。それと併せて何か。
【小林委員】  そうです。学部は出てくるのは分かったんですけれども,大学について,最初の基準をクリアするかどうかというところの前提で出ていて,例えば学部が1つ,厳しいところがあった場合に,今のお話だと,振り返ってみて,大学側が責任をもって改善してくださいという指摘になると思います。その際,学部の評価を受けた後の大学側の評価というのはそこでは出てきていないわけだと思うんですが,そこらの関係性を教えていただければと思います。
【森主査】  今の事務局のお考えではいかがでしょうか。
【鈴木大学設置・評価室長】  大学としての評価というのであれば,そこは大学としての評価と,今言ったように,要は全部適合している学部を持っているかどうかか,そういう問題のある学部があるかどうかか,もしくは,そもそも大学全体に問題があるということなのかなと思うんですけれども。
【森主査】  今のところは,その予定はないということですよね。
【鈴木大学設置・評価室長】  そうですね。
【森主査】  それに名称をつけないということですかね。
 これに関して,小林委員,何かございますか。
【小林委員】  いや,浅田先生がおっしゃったこと,リーズナブルかなと思っています。学部で改善が必要であれば,大学にフィードバックをして,大学が責任をもってそれを改善していくという形だと思うんですが,そのフィードバックの仕方をどうするか,公表の仕方をどうするかというところには検討が必要かなと思いました。
【鈴木大学設置・評価室長】  資料でいうと6ページで,大学全体として標語を付すとするのであれば,適合か要改善かという,その2つですね。なので,付すか付さないかと言われれば付されるということになるかと思うんですけれども。
【森主査】  大学として。
【小林委員】  大学として適合している。
【森主査】  適合している,それは全ての学部において,質保証がされている場合は適合されている大学ということですか。
【小林委員】  ええ,ということになります。もし一つでも要改善があるのであれば,要は適合していないので,それを要改善がある大学というか,不適合の大学と言うのかというところだと思うんですけれど。
【森主査】  皆さん,もやっとした感じをお持ちですね。
【斎藤委員】  今のに関連するところで,よろしいでしょうか。
【森主査】  はい,斎藤委員,お願いします。その次,林委員,お願いいたします。
【斎藤委員】  ありがとうございます。
 例えばプラットフォームで公開されるときは,学部ごとに星のものも出てくるかと思います。プラットフォームでユーザー側になってみると,大学全体も調べることもあれば,学部を調べることも両方ともあるのかなと。そのときに,大学全体を仮に調べるような形でそのページにいったら,適宜,要改善みたいな形で出てくるということで,例えば星の平均値とかが出てくるわけではないというような理解でよろしいでしょうか。
【鈴木大学設置・評価室長】  先生のおっしゃるとおりでございます。そこは大学全体としては,適合している大学か,要改善もしくは不適合の大学かとしか出てきません。
【斎藤委員】  はい,ありがとうございます。
【森主査】  では,林委員,お願いいたします。
【林委員】  用語の話ではなくて,大学単位の場合に,内部質保証の仕組みが優れているというようなものは,現状の認証評価だと優れた点みたいな文章で出てくるんですけど,そういうのは今は想定してないんですかね。逆に,何で質問しているかというと,よくやっている内部質保証の仕組みがあるんだったら,優れた点として出して,ほかの大学に広めていきたいという思いがあるので,何かいいのがあれば出せばいいのではないかなと思うんですが,その辺りというのは,現状は特に。
【鈴木大学設置・評価室長】  大学全体で。
【林委員】  大学全体で。
【鈴木大学設置・評価室長】  大学全体は,今の時点では,大学全体ではそういうものを想定していないと思っています。もし,そのような方が良いということであれば,ご指摘の形にしていく必要があるかと思いますけど,あくまで今回は学部の教育の質評価というところを考えてございますので,そこにより特化する形。ただ,大学全体としてきちんと法令を守っているかどうか,内部質保証の仕組みがあるかどうか,それがちゃんと回っているかどうかという最低限のところを大学全体として見て,その上で,それができているのであれば,その後,学部のほうに進むということかなと思っております。
【林委員】  今回は学部の教育成果に焦点を置いているというのは理解した上で,ただ,ずっと将来にわたってこの仕組みがあるかというと,やはりそうでない可能性もあって,国際的なこの20年の動向は,大学自身がしっかりと内部質保証でやってくださいという話だとすると,今回は学部単位の教育成果を見たとしても,やはり内部質保証がしっかりしていくように,そっちもドライブかけていったほうがいいと思うので,できれば,段階判定する必要はないと思いますけれども,優れた事例があるんだったら,出していけるような形があってもいいのではないかなとは思います。
【森主査】  ありがとうございます。
 10ページに書いてある四角囲いの大学全体の評価基準1,2,3に関しては,これは満たされているか,満たされていないかをチェックするのみで,例えば2がすごくいいよねとなっても,今のところは文章や公開化はされないと。今まで,第3期認証評価で一生懸命,大学は内部質保証をやってきたと思うんですけれども,そこはもうクリアできているだろうという判断ということですかね。
【鈴木大学設置・評価室長】  もちろん,今,内部質保証,大学全体見ていると思いますけれども,それはもちろん,適合しているところは多分できているという評価と思いますけれども,だからといって,新しい評価の中でも,そこを見ないかというと,そうではなくて,やはり大学全体として,内部質保証というシステムがあって,それがちゃんと回っているかどうかは定期的に確認していかなければいけないのではないかということで,この基準を設けていると。そこに優れたものを,評価の中に,大学全体の中に入れていくかどうかというところは,現段階ではそういうところを想定しているわけではないんですけれども,そこは議論の中で,やはりそこも求めるべきであるということであれば,そういうことの趣旨も書いた上で,新しい評価をつくるときに加味していくのかなとは思ってございます。
【森主査】  ありがとうございます。
 林委員の御指摘の中で,やはり,大学として内部質保証をどれだけしっかりやるかということが重要なので,スリースターから不適合までいっぱいあるような大学って,どうなのというところですよね。最後また,そこに返ってくるような形がいいのではないかという意見があったということはお伝えしておきます。
 安井課長,お願いいたします。
【安井高等教育企画課長】  御指摘ありがとうございました。大事な御指摘だと思います。今日,御審査いただいているこちらのまとめのペーパーも,今回の新しい制度の立案に当たって,取組ベースではなくてアウトカムベースをどういうふうに見ていって,その成果を評価という形で確認するというところの,そこが大きな制度変革のポイントでしたので,そちらを中心に書いている形になっていますけれども,実際,その評価をやっていただく中で,これは内部質保証の問題もそうでありますし,あるいは学部単位ごとのいろいろな教育関係でも,多分,グッドプラクティスと呼べるようなものなのではないかと評価機関の評価者の方々が感じられる事柄というのは,大学全体でも学部単位の問題でもいろいろ出てくると思うんですよね。そういったことをアウトカムとは違うものだけれども,やはり社会的に共有して,それを広めていくという観点から,どういう形で評価の中で取り上げて表すのかどうかという問題のことも考えないといけないという御指摘かと思いますので,また,そういったところも含めて,最終的な制度設計に当たっては,いろいろ考えていく必要があるのかなと受け止めさせていただきまして,引き続き考えていきたいと思います。ありがとうございます。
【森主査】  ありがとうございます。
 では,お待たせいたしました。松浦委員,お願いいたします。
【松浦委員】  ありがとうございます。
 3点あるのですが,手短に,できるだけ早く申し上げます。
 1つは,今までの議論とかなり関連するかと思うのですが,まさに第2部の一番最初の評価対象というところですが,ここに「評価する単位・対象はどこか」ということが書かれていて,この中身を読むと,単位と対象というのは同じ概念として捉えているのかなと思います。ただ,この単位というのが,3番目の丸のところで,「教育研究の基本組織として学部等を単位とした教育活動が行われているのが現状」と書いていて,その後の8ページから9ページにかけてのところでは,「ディプロマ・ポリシーが掲げられている単位としての学位プログラムごとに自己点検・評価を行うことを前提とするが」,しかし,「学修者により近い単位である学部等を切り口にして」と,揺れているというか,どっちなんだいというところがあるように思います。この辺り,我々もさんざん議論してきたのですが,ここで私が理解するには,評価する単位は学部なんだけれども,実は対象というのは学位プログラム,結局,ディプロマ・ポリシーに照らして評価するわけで,それの集積が基本単位としての学部,教育研究機関としての学部ということなので,そこは単位と対象というのはきちっと書き分けたほうが誤解を生まないのではないかなと思いました。これは感想というか,コメントです。なので,対象と単位ということについて,少し整理したほうがいいということが1点目。
 それから2点目は,11ページの,これも比較的前から時々指摘しているんですけれども,評価基準・評価項目のところの主語が揺れるんですよね。例えば評価基準丸1,11ページの一番下の四角ですが,「社会に分かりやすく掲げていること」となっているのに,その項目が「適切に定められ,示されている」,この「示されている」という受け身の言い方と,大学が策定,開設,授業科目を開設しているとか,配置しているとか,これ,単に表記揺れの問題かというよりは,評価主体や改善の主体がどこにあるのかという,結構,思想的な,この評価制度の基本方針による,だから,評価するのは評価者なので,評価者から見れば何とかが示されているという言い方でいいんですけれども,これを評価した結果,改善を進めるということであれば,やはり大学側あるいは学部側が何を示しているとか,示していないとか,策定しているとか,していないとかということを,その辺り,割ときちんと整理したほうがいいかなと思っています。
 それからもう一つは,かなり違う観点にもなるし,我々,これまであまり議論してこなかったことかと思うのですが,20ページの後半で,このこと自体は,「また」以降のところですね,複数の評価機関が存在しているんだけれども,基準や観点が必ずしも一致しないから,きちっとそろえましょうねということは,ずっとここで議論というか,強調してきたことだし,それから,相互の共通化できるという部分については共通化していきましょうということで,これは先ほどの徒労感,負担感に関わって,重要な新しい観点だとは思うんですが,裏返して言うと,では,どうして複数の評価機関があるのかということと,あるいは複数の評価機関があって,それを大学が選択できるということの意義をどう考えるのか。基準が各評価機関で全く同じになってしまったとしたら,どこを選んでも同じということになってしまうときに,評価機関が複数存在して,共通化,統一性というのは重要なんだけれども,多様性というものを引き続き担保するということであれば,その多様さがどこにあるのかということは,必ずしも我々,今まで議論してこなかったかなと思うし,今ここで出すのは議論を複雑にさせるかもしれないんですけれども,我々,共通化ということを基本には考えてきていますけれども,多様性というところ,あるいは選択できるというところをどう考えるのかということも少し触れておいたほうがいいかなと思いました。
 以上,3点です。
【森主査】  ありがとうございます。
 重要な御指摘,3点ございました。
 1つは,8ページのところですね。対象と単位というところに関しては,もう少し精査をお願いいたします。
 11ページからになります項目に関しても,御指摘のとおり,いつも何回か出ていたと思いますけど,主語がどうなのかというところに関しては,今,松浦委員がおっしゃったように,あくまでも大学がというところに関して評価軸を置くのがいいのではないかという御指摘がありましたので,こちらも精査のほう,よろしくお願いいたします。
 最後に,やはり若干,時間切れのところもありまして,前半にすごく時間がかかってしまいましたので,認証評価機関がどうなっていくのかということに関しては,ワーキンググループでも十分精査できなかったところもあります。大事なところとだと思いますので,多様性のところでございますね,この辺りは,事務局から何かコメントされますか。
【鈴木大学設置・評価室長】  ありがとうございます。
 新しい評価を担う評価主体というところについては,再度,これから認証をするということになりますので,その認証をする中で,どういう評価主体が出てくるかというところはまだ未知数なところはありますけれども,我々,先ほど言いました評価基準の共通化というものは図っていきつつ,仮に複数あるということになるのであれば,評価機関の違いみたいなところについては,もちろん,あくまで認証するときについては,ちゃんと評価できるかという体制と基準がきちんと則っているかどうかというところでございますので,そこにプラスアルファ,何を加味していくことを考えているか,いろいろな評価を通じながら,いろいろな支援を行うということも評価機関としてはあり得る話だと思いますので,そこは当然,評価の基準と項目については統一化を図っていきますけど,それ以外の別の取組について,そこはもちろん評価機関の中でのお考えがあると思いますので,そこの多様性はもちろん否定するものではないとは思っております。
【森主査】  ありがとうございます。
 機関別認証評価の場合,評価機関の役割として,第一義的には評価,そして改善を促すための支援のニーズにこたえていくことが想定されると思います。ただ個人的な感想としましては,評価機関は評価のみに集中するべきだと思います。必要な支援は別組織がするべきだと。そうでないと,利益相反の可能性や公平性の担保が揺るぐと思います。
 では続きまして,溝口委員,お願いいたします。
【溝口委員】  ありがとうございます。
 先ほどから議論になっていた大学全体の評価基準のところの中身ではなくて,資料のつくり方に関して少し意見というところで,資料1では,これまで大学全体の評価基準の1,2がまずは見られるところで,その上で,学部の評価を加味して,3の内部質保証は評価を改めてつけるよといったようなことがプロセスとして資料1の6ページでは書かれていた,図には示されていたかなと理解しているんですが,それが資料2の10ページになりますと,そこがうまく書き込まれていないのかなと思いまして,一番下の丸なんかを読みますと,「上記の基準を十分に満たしていない」という,「上記」が基準全部を指しているのかなとも読めますので,大学全体の評価と,その後の学部の評価と,それが終わった後の大学と学部の評価の統合みたいなところのプロセスが,もう少しきちっと説明される必要があるのかなと思っておりますというのと,もう一つ,今までこのような形で全部が1個の資料にまとまってくることがなかったので気づかなかったのですが,さらに資料1の8ページで示されています大学全体の評価基準の中の判断例がどのようなものかというのが,実は資料2のまとめの中にはなくて,学部の評価のほうですと別添という形で後ろにはついていますので,できれば,この別添の冒頭になるんですかね,資料1の8ページにありますような大学全体の評価というものがどうなっているのかというのは資料として統合する必要があるのかなと思います。意見でございます。
【森主査】  ありがとうございました。意見ということでよろしいでしょうか。
【溝口委員】  はい。
【森主査】  ありがとうございます。
 では続きまして,斎藤委員,お願いいたします。
【斎藤委員】  言葉の確認をさせていただきたいんですけれども,17ページ目にございます「絶対評価」というところ,先ほど御説明でも少し強めにお話しくださったところだと思うんですけど,「絶対評価」という概念自体,論者によって結構,いろいろな言葉遣いになっているところがございまして,この「絶対評価」というのをどのような意味で使っていらっしゃるのかをお伺いしてよろしいでしょうか。
【森主査】  ありがとうございます。
 多分,細かい話になるので,どうするべきかを先にお伝えいただければ大変ありがたく思います,斎藤委員。
【斎藤委員】  「絶対評価」という言葉を使うべきなのかどうかというところになります。
【森主査】  今の意見とすれば,使わなくても大丈夫なのではないのということですかね。
【斎藤委員】  ちょっと質問が悪かったです。なぜ,これを使う必要があるのかというところをお話しいただいて,それで納得できれば使ったほうがいいのかなとも思いますし,そうでないのであれば。
【森主査】  逆に多分,専門家でいらっしゃるので,そこはこのような形のほうがいいのではないかという御指摘をいただいたほうがいいのかなと思いますけれども,いかがでしょうか。
【斎藤委員】  ありがとうございます。私の印象としては,強いて使わなくてもいいところなのかなと思ったんですが。
【森主査】  そういうことですね。
【斎藤委員】  はい。なぜのところが重要かなと。
【森主査】  ですね。ここだけ括弧づけで書いてあるんですかね。
【鈴木大学設置・評価室長】  はい,そうです。
【斎藤委員】  はい,書いてありますね。
【森主査】  石橋課長,お願いいたします。
【石橋大学振興課長】  ありがとうございます。
 これまで,我々もよく質問されてきていたのが,1つの学位プログラムというか,同じ学位名称を持つところの学部を比べたときに,その中で,要は1から100なりという順番をつけて評価するのかということではなく,それぞれがどう頑張ってこられたかというのをDPに基づいて評価するということを絶対と相対という一般的な言い方で比べて書かせていただいておりましたけれども,そういう不安が大学会の中にはむしろあったのかなと思っておりまして,こう書くことで,逆に安心というか,誰かと比べてやるということではなくて,自分たちのDPに基づいた教育成果がきちんと評価されると理解いただいていたということでございますので,その使い方として「絶対評価」という使い方がおかしいのであれば,むしろ,こういう言葉でいいのではないかという御意見を賜れればありがたいなと思っております。
【斎藤委員】  ありがとうございます。それであれば,最初のところに書いてある「各高等教育機関の課題を追求・指摘するのではなく,絶対評価にすべきである」とつながります。「各高等教育機関の課題を追求・指摘する」のが相対評価の特徴で,「相対評価ではなく絶対評価にすべきである」というつながりだったら非常に分かるんですが,しかし「各高等教育機関の課題を追求・指摘する」というのは,相対評価の特徴であるとは言い難く,絶対評価でも相対評価でも行うことができるところかなと思います。すなわち,相対的な形ではなく,絶対的な評価を行いたいと意味ならば,そういった文章でよいのではないかなと思いました。
【森主査】  ありがとうございます。具体的なご指摘ですね。
【斎藤委員】  もう一つ,よろしいでしょうか。
【森主査】  今の点はよろしいでしょうか。
【鈴木大学設置・評価室長】  はい。
【森主査】  書きぶりの話ですので。
 もう一つ,お願いいたします。
【斎藤委員】  ありがとうございます。
 飛びまして45ページですけれども,社会での活躍を示すデータということで,就職先への調査,卒業後調査,あと,地域内進学率とあるんですけど,地域内進学率というのと社会での活躍を示すデータというところがどのように結びつくのかを教えていただけますでしょうか。
【森主査】  地域内進学率が社会での活躍を示すデータなのかどうかということだと思います。石橋課長,お願いいたします。
【石橋大学振興課長】  こちらは,現在,各地域において人材がしっかりと活躍してほしいという,別の軸の指標かもしれませんけれども,こういうことを示して,大学として,まさにその地域で定着して活躍してもらうという人材養成を掲げている場合がありますので,その場合は,こういうことも一つの例として出てき得るのではないかという考え方でございます。
【斎藤委員】  地域の就職率ではなく,地域内からいかに進学しているかという理解でよろしいでしょうか。
【石橋大学振興課長】  そういう意味では,地域内の就職率ということを言いたかったかもしれないです,それは少しずれていました,失礼しました。私の説明は地域内の就職率の話でございます。
【斎藤委員】  ありがとうございます。
 以上でございます。
【森主査】  斎藤委員,よろしいでしょうか。
【斎藤委員】  はい。
【森主査】  社会での活躍を示すということですので,この辺りも,また調整をお願いいたします。
 残り5分ぐらいになってまいりました。溝口委員も手を挙げておられるということでよろしいですかね。
【溝口委員】  失礼しました,下ろし忘れでございます。
【森主査】  承知しました。
 では,嶌田委員,お願いいたします。
【嶌田委員】  先ほど徒労感と負担感の話が出てきたので,少し補足と云いますか,徒労感って,評価作業などを頑張ったけど,期待どおりの高い評価を得られなかったなみたいな話もあるのですが,徒労感は分解すると不透明感,つまりルールなどが不明瞭な場合に生じます。不信感は,例えば,委員の先生の腹一つで,「おまえら,星1つだ」みたいな感じになっているのでは?,と現場が感じると生じると思います。評価疲れの要素である不透明感,不信感,負担感をどのように解消していくのかという制度設計をやっていかないと,結局,評価疲れの世界から抜け出せないわけですね。自戒の念というわけではないんですけど,そのあたりのところは我々も考えていかなければいけないなと思いました。また,質保証・質向上の現場の支援をどうするかという話に関してですが,例えば自己点検評価とは,自分たちがよい・悪いという判断よりも,現状を詳らかにするというのが本来の目的なのかなと思っています。自分たちは今どうなっているんだろうと。だから評価も,ジャッジというか,ゲートキーパーのように「おまえのところは駄目だ」みたいなことを判断するファンクションというよりは,支援をどうするか,ということになるのかな,と思うのです。評価機関にはいろいろな情報が集まってきて,うまくやっているやり方,ああいうのをやっていたらまずいよねというノウハウがたまっているわけですから,そういう知見をどのように現場に還元していけるのかも重要なのだと思うのです。要するに,よい評価システムを運用するには,現場の質保証・質向上に携わる方々が頑張ってもらえるように適切に支援する仕組みをつくっておかないと,単にやれというところだけではきついかなと思うので,頑張らなければいけないことが幾つかあるなと思いましたという話でございます。
 以上です。
【森主査】  ありがとうございました。
 先ほどの私の意見とはまた違う方向性ですね。その上で,今回は適合・不適合という結果ではなく,段階別評価になるのであれば,公平性が非常に重要な観点となることを共有したいと思います。これから評価と支援が同じ組織内で行われることは,利益相反の観点から非常に難しいのではないかと思っています。また,先ほど出ておりましたが,支援として私が期待するのは学協会,学術の団体です。これからは分野別質保証・向上の観点が強くなりますので,専門的な観点からサポートできるのではないかと思います。学協会にはこれから分野別参照基準の策定など加えて,分野の人材育成の観点から学士課程の支援を行っていく役割を期待します。これらの団体は,研究の切磋琢磨だけではなくて,人材育成という観点からも,活躍いただけるのではないかと思ったりしています。
 ということで,3分前でございます。本日の議題は以上になります。本日の議論のまとめ(案)につきまして,さらに御意見がある場合には,事務局にお寄せいただければと思います。
 最後に,今後のスケジュールにつきまして,事務局から御説明をお願いいたします。
【廣末大学設置・評価室室長補佐】  ありがとうございます。
 次回の会議は,5月28日木曜日を予定しております。本日いただいた御意見を踏まえまして,次回も議論のまとめ(案)につきまして御審議いただきたいと思っておりますので,本日の会議後の御意見につきましては,お忙しいところ大変恐縮でございますが,25日月曜日までに,事務局まで御提出をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
【森主査】  ありがとうございます。
 それでは,本日はこれにて閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

お問合せ先

高等教育局高等教育企画課大学設置・評価室

(高等教育局高等教育企画課大学設置・評価室)