令和8年6月29日(月曜日)10時00分~12時00分
WEB会議
(部会長)伊藤公平部会長
(副部会長)森朋子副部会長
(臨時委員)浅田 尚紀、太田 寛行、大野 博之、小林 浩、田中 正弘、濱中 淳子、林 隆之、日吉 亨、平子 裕志、松居 辰則、松浦 良充、松尾 太加志の各委員
(事務局)合田高等教育局長、森友私学部長、先﨑大臣官房審議官、安井高等教育企画課長、石橋大学振興課長、寺坂高等教育政策室長、鈴木大学設置・評価室長、平尾高等教育企画課課長補佐、山上高等教育政策室室長補佐ほか
【伊藤部会長】 所定の時刻になりましたので、第10回質向上・質保証システム部会を開催いたします。
本日も、対面とウェブのハイブリッド会議として開催し、その様子はYouTubeライブ配信にて公開します。会議資料、音声などの準備はよろしいでしょうか。
では、事務局から連絡事項をお願いいたします。
【平尾高等教育企画課課長補佐】 会議を円滑に行う観点から、御発言の際は挙手のボタンを押していただき、指名されましたらお名前をおっしゃってから御発言ください。また、御発言後は再度挙手のボタンを押して表示を消していただくようお願いいたします。
本日の会議資料は事前にメールでお送りしているとおりでございますが、念のため本日の会議資料をチャットにてURLをお送りしておりますので御活用ください。
以上でございます。
【伊藤部会長】 では、議事に入ります。議題の第1、「新たな評価」を踏まえた質保証の在り方についてです。最初に事務局より説明をしていただき、その後、質疑応答、意見交換に移りたいと思います。
では、事務局の方、よろしくお願いします。
【鈴木大学設置・評価室長】 大学設置・評価室の鈴木でございます。よろしくお願いします。資料1を使って御説明させていただきます。
新たな評価制度につきましては前回御議論いただきまして、今回御議論いただきたいのは、そういう評価を通じて、いわゆる質保証システムがきちんと担保できていない大学に対してどう対処していくべきなのかいうところを御議論させていただければと思います。
質保証システムというのは、先生方重々御承知だと思いますけど、学位の信頼性の担保であったりとか、教育の継続的な改善、あとは学生や社会からの社会的信用の維持・獲得ということから必要ということで、それがきちんと果たされていない大学に対してどう対処していくかというところを今日御議論いただければと思います。
まず、2ページを御覧いただければと思いますが、現在の高等教育の質保証システムの全体像を御説明させていただきます。まずは始まりのところは設置認可審査がありまして、その後、完成年度まで設置計画履行状況等調査をした上で、その後完成した後、認証評価に引き継がれていくということになっているところでございます。評価の主体も、いわゆる大学設置・学校法人審議会から認証評価に至るまでということで、ピアの視点から見ていただいているというふうに考えてございます。設置認可審査のところの留意事項についてはアフターケアのほうに引き継がれますし、いわゆるアフターケアのところで是正、または改善事項がありましたら、そこは認証評価に引き継がれているという形で、現在の質保証システムが担保されているということでございます。
このシステムの中で課題がある大学に対してどう対処していくべきかということでございますけれども、3ページでございますが、これまで2040年に向けた高等教育のグランドデザイン答申の指摘を踏まえまして、令和2年に学校教育法の改正をしているところでございます。
1つ目は、法令で評価基準に適合しているか否かということ認定を行うということで、法令上不適合というものをここで初めて明記したところでございます。併せて大学等においては、教育研究水準の向上に努めることという努力義務が課されたところでございまして、3つ目は、いわゆる不適合の大学に対して、報告または資料の提出を文部科学大臣から求めるという法改正して措置がなされているところでございます。
あわせて御参考でございますけれども、この法案の審議に当たっては、下にありますように、いわゆる認証評価の結果につきましては、行政処分または直接的な資源配分に結びつける仕組みになってないという答弁がなされているところでございます。ここにつきましては、現在の認証評価制度につきましては、評価機関独自の定める評価基準で行っているということで、直接的に活用することは困難だという答弁がなされていたところでございます。
その上で、4ページ目でございますけれども、今現在のいわゆる認証評価の状況を御説明させていただければと思います。今、第3サイクルで不適合を受けた大学が16校、そのうち令和2年の学校教育法改正によって法令的に不適合というふうに指定されたところが15校ございます。うち、再(追)評価を受審して適合の評価を受けたのは4校ということでございますので、残りの大学、高等教育機関におかれては、まだ不適合の状況が続いているということでございます。こういうまさに不適合が継続している大学について、高等教育の質保証を徹底するために速やかな指摘事項の改善を行って、きちんと再評価を受審して適合を受けるよう促すことが必要であろうと。これまで以上に厳格措置を図ることが必要であろうということ。さらに、改善を促しても改善しない大学、併せて法令に違反している大学に対しては、その対応手段、手続のフローを明確にして厳格に対処していくことによって、高等教育の質保証の実効性を確保する必要があるということを考えております。
その上で、5ページでございますけれども、前回御議論いただきましたワーキングの議論のまとめにおいて、これは新しい評価においての手段として書いてあるところでございますけれども、具体的な対応方策として、大きく4つ記載させていただいているところでございます。
1つは資源配分の活用の検討ということでございます。新しい評価の実施に当たっては、質保証の視点から、基準・項目の共通化を図る、質向上の視点からは観点を調整するということで、基準についてある程度統一性を持てるということで、評価結果を資源配分等の政策に活用することも検討してはどうかということが言われているところでございます。
あわせて、改善が図られるまでの申請処分の資格停止・保留、改善実施状況のモニタリングと社会への開示の強化、それでも改善しない場合についての国からの是正指導ということで、具体的な対応方策が、前回のワーキングの議論のまとめで示されているところでございます。
この指摘されたことを踏まえまして、事務局としてどういうふうに、まさに高等教育の質保証システムを担保するかというところが6ページでございまして、資源配分につきましては、我々事務局のほうで政府として、文部科学省として検討していきますけれども、それ以外のところにつきまして、「要是正」機関への対応として1から3が考えられるのではないかというふうに考えてございます。
1つ目は、改善が図られるまでの申請処分の資格停止・保留ということで、いわゆる大学教育再生戦略推進費の申請資格の停止、いわゆる補助事業の資格の停止を図っていくということ。2つ目につきましては、新たな大学等の設置について改善が認められない、適合状態になっていない限りは不認可とするような措置を取るということが考えられないかということ。
2つ目、改善実施状況のモニタリング・社会への開示の強化ということで、要是正状態が続く間につきましては、文部科学省における報告・資料提出だけではなくて、必要に応じて面接、現地調査の実施を通じたモニタリングを継続していくべきではないかということでございます。現在は法令上、文部科学省は不適合の機関に対しては報告・資料の提出を求めるということになってございまして、一度求めてその提出を見た上で、我々としては改善の指導をしていくわけでございますけれども、今の現状としては、報告・提出を求めた上でその1回だけで終わっているところでございますけれども、それを要は、「要是正」機関がその状態を脱却するまで報告書の提出の要請を継続していくということと、いわゆる報告・資料の提出だけではなくて、面接とか現地調査を実施することで、より状況の把握を努めていくということを今後はしていくべきではないかということを、ここで書かせていただいたところでございます。
あわせて、左側の2の2つ目の丸でございますけれども、「要是正」機関につきましては、評価計画、評価結果、改善計画、改善状況を社会に公表することを義務づけていくということを考えております。
3の国からの是正指導でございますけれども、要是正状態につきましては継続的な改善指導、再評価受審を指導するとともに、法令違反に対しては、学校教育法第15条によって厳格な対応を求めていくということを考えているところでございます。
それをフローにしたのが右側でございまして、先ほど言いましたように、評価機関から評価結果を受けた後、文部科学省としては「要是正」機関の状況について、報告・資料提出を求めて改善状況を確認いたします。必要に応じて面接、現地調査を実施することを通じて状況の把握をした上で、再評価を受審するよう改善指導します。これまでは1回だけでしたけれども、左側で示したように、「要是正」機関から脱却するまでの間、報告・資料提出の要請を継続していくということを考えてございます。
こういう中で、法令違反がある場合につきましては、右側でございますけれども、厳格に対応していくということでございますが、まさに今でも第15条自体は規定上ございますので、もちろんこういう措置を取ることはできるわけでございますけれども、文部科学省として、こういう場合については直ちに措置をするということを、今回新たに明示させていただきたいというふうに考えているところでございます。
1つ目は、重大な法令違反と即時是正が必要な場合と、法令違反状態が放置されて改善の見込みがない状態については、直ちに学校教育法第15条1項に基づく勧告、2項に基づく変更命令、3項に基づく廃止命令ということを、設置審(大学設置・学校法人審議会)の審議を経て実施していくということを考えてございます。
一方で、法令違反とは言えないのですけれども要是正、今で言えば不適合の大学につきましては、左側のフローに戻りますけれども、引き続き報告・資料の提出の要請を継続していき、再評価を受審するよう、改善の指導をしていきます。それでも改善の指導に従わないということにつきましては、文部科学省のほうから社会に、改善指導に従わない大学、高等教育機関として公表することも検討していきたいというふうに考えているところでございます。
私のほうの説明は以上でございます。
【伊藤部会長】 ありがとうございました。基本的にはワーキングの提言、議論に基づき、今回6ページに示すように、要は評価機関から文部科学省が完全に引き取り、そして報告・資料提出に基づく指導、それから、最悪の場合は廃止命令まで全て文部科学省で行うということだということですが、これに関しまして、特にワーキングの方々も、もともと議論された内容に基づき、このような文部科学省の提案が出てきていますので、議論いただければと思います。
どなたからでも結構です。よろしくお願いします。松尾委員、お願いします。
【松尾委員】 どうも御説明ありがとうございます。ちょっと私が十分に理解できてないところかもしれないのでけれども、「要是正」機関への対応のところで、申請処分の資格停止・保留というのがありまして、新たな学部等の設置について認められないと。気になるのは、前回も少しそれに関連することで質問させていただいたのですが、大学として、あまり学生が集まらない学部を閉じて新たな学部を新設しようとしたときに、そのタイミングとして、ちょうどこの認証評価を受けざるを得ない。そうしたときに、募集停止を考えようとしている学部が適合とならないことがある。そうなると、大学全体として要是正、不適合となるということになると、新たな学部等の設置が難しくなってしまう可能性があるのではないかと思うのです。その辺りの、タイミングが悪いということだけになってしまうのか、そこは何らかの猶予といいますか、その辺りに関しては何か具体的にこういう形でやっていくとかいうものがあれば教えていただきたいんですけど、よろしくお願いします。
【鈴木大学設置・評価室長】 松尾先生、ありがとうございます。
まず、「要是正」機関につきましては、不適合でもいいのですけれども、新たな学部の設置の改善が認められない場合は、いわゆる適合状態にならない限りは不認可とするということでございますけれども、もちろん先ほど先生がおっしゃったように、大学、いわゆる学部の募集停止をしていくということについては、もちろんそこについては不適合であったとしても、それはそのまま認めるわけでございますけれども、今回我々としては、いわゆる改善が図られるまでに資格停止を求めるということは、新しい学部とか学部の改編とかをするのであれば、大学、学部が、きちんと改善のいわゆる適合の状態を取った上で図るべきであるということからこのような措置を提案しているところでございまして、そうであるならば、まず、不適合の状態が続いている、そこについては新しい改編等は認めないということを考えているところでございます。
ただ一方で、規模を縮小するとかということであれば、そこについては認めていくこともあり得るのではないかと考えているところでございます。
【松尾委員】 一般的かどうか分かりませんけれども、特定の学部の分野で、もうあまり学生が集まりそうにないと、そのために恐らく認証評価を受けたときに学生が集まってないだとか、そういった点から不適合になる可能性があるわけですけれども、そこを募集停止にして新たな学部の新設を考えているときに、募集を停止したいと考えている学部についてもきちんと適合を受けなきゃいけないということになると、大学としてなかなか改編をしづらいような状態になる可能性があるのではないかという懸念なんです。
これが実は認証評価を受けるタイミングによって変わってくるわけで、まだ受けなくていい段階であればそこで改編ができるんでしょうけど、ちょうど改編をしようとしているときに認証評価を受けなきゃいけない、そして少し学生が集まってないところが不適合になってしまう、そうすると改編が永遠にできなくなってしまう可能性があるんじゃないかと思うんです。大学が改善を目指そうとしているときに、それが足かせになるような形ではまずいんじゃないかというところがあるので、そこを少し御検討いただきたいということでございます。
【鈴木大学設置・評価室長】 すみません、1点補足をさせていただければと思うんですけれども、多分今の認証評価の不適合といったときに、いわゆる学生の充足率というところで不適合になっているということがあり得るのではないか、そういう懸念もあり得るのではないかということで、松尾先生の御意見なのかなと思っております。ただ、新しい評価制度につきましては、あくまで教育の質というところで評価をしていくということを考えているところでございまして、これまでに定員充足率をもって不適合とか、そういうことは現時点において、新しい評価の中では考えてないということでございます。ですので、きちんとそこは教育の質というものがちゃんと担保されているのであれば、そこはたとえ定員を満たしてなくても、今後は適合になり得るということを我々としては想定していますので、仮に学生が集まらないのでなかなか適合という認定が受けられなくなって、それによっていわゆる新しいサイクルに回せないのではないかという御懸念は、新しい評価制度においてはなくなるのではないかというふうに思っているところでございます。
【松尾委員】 分かりました。ありがとうございました。
【伊藤部会長】 林委員、お願いします。
【林委員】 林でございます。私はワーキングに出ていますが、ワーキングの中でも、そこまでここについて合意が取れたとは思ってなくて、いろんな意見がまだあったように記憶しています。私自身は、プロセス、プロシージャーをもう少しシンプルにはっきりさせたほうがいいというふうに思っているところです。
今、何がはっきりしてないかというと、まず、今の認証評価機関というか第三者評価機関の再評価というのを一体いつまで受けて、何回も受けても駄目だったらどうなるのかよく分からないというのがまず1点。それから、文部科学省が報告・資料提出の要請をしていくと言っているんですけれども、それが一体どんな報告で、どんな資料提出であって、新たな評価とどういう関係にあるのかがよく分からないというのが2点目。それから、法令違反がある場合に設置審のほうに行くと言っているんですが、ここもちょっとよく分からなくて、法令違反というのがやはり設置基準、数で見られるところもあれば、やはりもうちょっと質的なところもあって、実際に設置審は本当に各分野の専門家の先生方が、その分野におけるクオリティーという立場からしっかりと見て設置認可をしているわけですが、もしこの法令違反が仮に定量的なところだけとかに限定されるのであれば、今の設置審のレベルよりもかなり緩い形でのハードルになってしまう可能性があるというのが3つ目です。ですので、ちょっと今の案を見ていても、そんなによく分からないなというところがあります。
もっとシンプルにしたほうがいいというのが私の意見でして、新たな評価、第三者評価機関がやる評価というのは、どこまでいったって設置認可権限はないので、大学は評価を受けることが義務であり、それを認定するように向上に努めるという努力義務くらいがあって、それ以上のものはないので。さらに新たな評価、皆さん大変だ大変だと言いますけれども、そうは言っても設置審と比べれば非常に薄い評価なんです。ですので、あくまでもこれは問題があるかないかのスクリーニングレベルのものでしかなくて。ですので、例えばですよ、1回受けて要是正が出たら、翌年、あるいは2年以内にもう1回受けると。それで駄目なのであれば、もう1回設置審の審査に行けばいいと私は思っています。それが一番今の構造を使っていてシンプルであって、いつまでも再評価を延々と繰り返すということはなくなりますし、それから、法令違反であるかどうかという話も、もう1回設置審を受けるのであれば、新しく学部、あるいは大学自体を新設しようとする人と公平に評価がされるわけですので、既にあるものが少し緩い評価になるということはありませんから、しっかりとそこで設置審で受ければいいと思います。
先ほどの松尾委員の御質問にあったような、新学部をつくれるかつくれないのかというのも、もし設置審にかけるのであれば、新学部をつくるというのも普通に設置審にかければいいだけの話であるので、もうちょっとそういうふうにプロセスを、今の枠組みをしっかり使いながらシンプルに、外から見ても非常によく分かる形にしたほうがいいんじゃないかというのが私の意見でございます。
以上です。
【伊藤部会長】 何かこの点に関しまして、事務局はいかがですか。
【鈴木大学設置・評価室長】 ありがとうございます。まず、報告・資料の提出はどのようなことをやっているかといいますのは、今の現状で御説明いたしますと、評価機関のほうで不適合となった、いわゆる是正的な理由と、あとは改善すべきであるという事由について、高等教育機関がどう対応しているのか、また、今後どう対応するのかを確認をしているところで、そのための資料の提出を求めているというのが現状でございます。
その上で、どのくらいの回数というところでございますけれども、我々といたしましては、もちろんすぐにでも再評価を受審して適合の認定を受けていただくということが、非常に重要なことだと思います。それを何年何回というところをどうお示していくのかというところでございますけれども、もちろん適合、不適合、是正の事由については様々だと思います。もちろん簡単に改善できるものもあれば、非常に大がかりに改善の期間が必要な場合もあり得るというふうに考えてございます。ですので、我々といたしましては、報告・資料の提出の中で、いつまでにどう改善するのかという、より具体的に求めていくことが必要なのではないかというふうに思っています。
その上で、それでもできない場合につきまして、どう対処していくかというところですけれども、もちろん設置審にかけるということもあり得るのかもしれませんけど、まずは法令違反があるかどうかというところを見た上で、15条のほうで設置審にかけていくという案で我々のほうでお示ししたところでございますけれども、より具体的に、こういうところもかけたほうがいいのではないかという、もし御意見があるのであれば、そういうのを踏まえながら、また考えていきたいというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
【伊藤部会長】 どうぞ。
【安井高等教育企画課長】 ありがとうございます。高等教育企画課長でございます。ちょっと補足させていただきますけれども、先ほど林先生からお尋ねをいただきました、6ページの法令違反というものが、定量的なもの、質的なもの、どちらかというような御趣旨のお尋ねがあったかと思いますけれども、そこは当然両方を指しているという前提だと考えております。設置審査のときに、設置審のほうで申請されている案件の法令適合性ということの御審査をいただいているわけでございますけれども、それは定量的な基準ももちろんですし、定性的な、質的な基準の適合性ということも御審査いただいているわけでございまして、法令ということについては質的なものも当然含んでいるという前提でございます。
また、もちろん評価の枠組みが、法的に位置づけをして受審を求めているわけでございますし、その結果が要是正ということであれば、当然やっぱり改善に向けた再受審ということも必要であろうということで、こういうサイクルも整理しているわけでございますけれども、資料6ページのこの流れも見ていただきますと、そこは再度の評価の受審というようなことを待たずに、ケース・バイ・ケースになろうかと思いますけれども、重大な案件については文部科学省のほうで、この右側の流れということに移っていくというようなところもダイレクトに矢印が出ているところもありますので、そこは案件の状況に応じて、御懸念いただいている迅速な対応ということも考えられるところだと思います。
また、学校教育法第15条に基づいた勧告ですとか変更命令ということにつきましては、これは文部科学省が行う際、必ず設置審の審議を経てということが法律上求められているところでございまして、先生のほうから御指摘いただいた設置審の再度の審査ということが、こういうところで実質、御指摘いただいたような状況ということになってくるのかなというふうにも考えているところでございます。
以上です。
【伊藤部会長】 どうぞ。
【林委員】 ありがとうございます。私がちょっとシンプルじゃないと言ったのは、例えば、今御説明いただいたように、文部科学省が報告・資料提出の要請を行うというのが、ある種、今まで新たな評価であったり設置審だったりというプロセスに追加で、正直外からはよく見えないようなプロセスがここに追加されているように思っていて、別にこれが例えば、再評価を1回であるとか2回であるとか、それを受けて駄目だった、そうするのであれば、新たな評価という枠組みだけというか、それをうまく使っていけるわけですけれども、文部科学省のほうでそれとは別のものとして報告・資料提出の要請の継続をしていくというのが、この紙だけを見ていると、新たな評価とは別に、一体何をしていくのかというのがよく分からないというところがあります。それプラス、同じように、法令違反も今御説明いただいたように、定量、定性というのも分かって、重大なものがあったら即時というのも分かるのですが、でも、それをどうやって文部科学省の中で仕分して、非常によくあると思うのが、設置審を通った後に、大分年限がたつとカリキュラムを変えてしまって、教員の構成も大きく変わってしまって、これが本当に教育の質が担保されている、設置審を通常なら通るか分からないような状態なっているみたいなものがあったときに、それをどういうプロセスで文部科学省のほうで判断するかというのが、しっかりやっていらっしゃるとは思うんですけれども、外から見たときに、何かそこで追加のプロセスが入っていて、それが非常に不透明に見えています。ですので、そうであるのであれば、もっと今ある枠組みの中にもっとシンプルに入れ込めないだろうかというのが私の意見でございます。
以上です。
【伊藤部会長】 では、今のは御意見として頂戴するということでよろしいですか。
では、日吉委員、お願いします。
【日吉委員】 ありがとうございます。本当に丁寧な御説明ありがとうございました。私から1点、できる範囲で教えていただければという点がございます。
それは現在、今、適合認定を受けていない大学というのが幾つかあるという御説明をいただきましたが、ちょっと私も大学評価というのは詳しいわけではないのでよく分からないところは多々あるのですが、報告とか資料を求められているというところに関して、常識的に考えるとかなり強い指導を受けているのかなというふうには理解するところなのですが、そういった報告や資料を求められているにも関わらず、改善が進んでないという状況がちょっといま一つ理解ができないところがあって、そこのところがなぜなのかというところを掘り下げてみないとなかなか本質が見えてこないのかなというところが何となく印象的に思っておりまして。例えば、今、何大学かそういう認定を受けている大学の中で、報告書を求められているにもかかわらず改善が進まないというのは、一体どのような理由でそうなっているのかというところを、少し差し支えない範囲で教えていただければと思うんですけれども。よろしくお願いします。
【鈴木大学設置・評価室長】 ありがとうございます。まず、報告と資料の提出ですけれども、当然不適合の大学からは、こういうふうに改善をしますと、こういうふうに改善しましたという報告が基本的には上がってきます。その上で、我々といたしましては、その状況というか報告を見て、当該大学が報告に記載された方向性を踏まえた上で、いわゆる再評価を受審するようということで指導しているところでございます。ですので、我々として報告の中では、基本的にはこういうふうにやります、こういうふうに改善しますということは明示いただいているところではございますけれども、それがきちんと最後まで捕捉できている状態ではないということが1つ。その上で、要は報告を求めた後は各大学の自主的な判断に委ねていますので、大学がその状況に応じて再評価を受審するかどうかというところが各大学の判断ということでございまして、そこを彼らは改善をしているというふうにした上で、受審すれば問題はないんですけれども、改善をします、していますといった上で、そのままずっと続いてしまっているところが1つ課題なのかなというふうに思っているところでございます。
【日吉委員】 ありがとうございます。ちょっと感想めいた話になるかもしれませんけれども、そこのところが結局、なぜそこに見解の相違みたいなものが生まれるのかというところが1つポイントなのかもしれないんですけれども、御提案のお話ですと、勧告とか命令とかそういったちょっと強い言葉が並んでいますけれども、場合によってはそこに何か支援とか助言とか援助というか、そういったものが含まれる余地があるのかどうなのかなというようなところも少し感じたところであります。
以上、感想であります。以上です。
【伊藤部会長】 では、森副部会長、お願いします。
【森副部会長】 森でございます。感想ということで、意見ということでお受けいただければと思いますが、私個人としても、先ほどの林委員の御発言には強く賛同をいたします。ワーキンググループの中でも出ていたんですけれども、要是正になった後のフローがちょっと分からないと。そこがブラックボックスになっている限り、納得感がなかなか得られないのではないかということで、今回非常に一歩進んだ形で出てきたのかなというふうに思いまして、そこに関しては非常に高く評価をさせていただくところでございますけれども、このシステムの話に関しましては、まだ少し議論の余地があるのかなと思ったのは、2ページの図でございます。
私、これすごくいいなと思っているのですが、今回6ページのところに「設置審の審議を経て」というところがございましたので、認証評価で、そこからこぼれていくようなものはもう一度設置認可に戻るという循環の図が必要なのではないかなと個人的には思っているということでございます。
また、設置認可のほうでございますけれども、簡単に言えば、PDCAというところで言えばPとDについて審査を行うということですので、本当にその結果、学生が伸びたかという観点はそこには入っていないということになりますと、もしこれを設置認可のほうに付与するということであれば、設置認可のほうの議論も進めていかなければならない。つまり、PDCAのCとAのところに関しても盛り込んでいかなければならないことになるのではないかなというふうに感じております。
いずれにせよ林委員のおっしゃるとおり、認証評価に関してはここまで、ここから先はもう一度設置認可といったような役割分担を明示化することが必要なのではないかなというふうに感じたところでございます。
以上でございます。
【伊藤部会長】 この点に関して、林委員と森副部会長に確認なんですけど、要は設置認可に移ったときに、まだ学生が4年間いるので、それでだんだんと、どの時点で設置認可を受けるのか。まず、廃止にして、それから設置認可を受け直すのか、それとも学生がいるときから設置認可を受けて、設置認可でオーケーだったら、結局なくならないまま設置が継続で認められると、そういう意見ですかね、林委員も森副部会長も。
【林委員】 はい。
【森副部会長】 はい。
【伊藤部会長】 一応私の確認でした。
この考えに関して、この考え方の問題点というのは、何か事務局としてはあるんでしょうか。今後、継続議論ということになると思うんですけど。継続議論でよろしいですか、それとも。
【鈴木大学設置・評価室長】 ありがとうございます。どういうふうに設置審を絡めていくのかというところは、1つ議論なのかなというふうに思ってございます。そもそも設置審の役割というのは、あくまで大学の設置認可に当たっての審査をすると。その設置計画の妥当性を判断するということが設置審の役割になってございますので、設置審をさらに権限を拡大していくということも、これをもし仮に実現していくとなればあり得るのかなというふうに思ってございます。ですので、そこについては、また議論が必要なのかなというふうに思っているところでございます。
【伊藤部会長】 では、松居委員、お願いします。
【松居委員】 今の議論とも多少関連するのかなと思っています。やはり認証評価をどうするかという議論と、設置認可の仕組みをどうするかというのは切り離せないというふうに思っていまして、例えば、認証評価の段階で定員割れが続いているじゃないかというふうな議論は、定員割れ自体は法令違反じゃないというふうに認識はしているのですが、やはりいろいろな教育研究の質に関わる、一番定員が充足しないというのは大きな問題になってくるので、そこって大きな問題であるというふうに認識しています。
定員割れに関しては、設置認可のときには、例えば新学部をつくるときにはどれぐらい入学者が見込めるのかというふうな一応エビデンスを出してもらうんですけど、そのエビデンスは、ちょっと言葉を選ばないといけないのですが、どれぐらい信憑性があるものなのかというのはよく分からないという経験が私はちょっとありまして、結局それは出されたものは信じざるを得ないみたいな形で通ってしまっているので、だから、その段階で、どう言ったらいいんでしょうね、本当にそれが見込めるのかというふうなことを、例えばもっと厳しく、方法論は分かりませんよ、方法論は分からないんですけれども、そこのところはやっぱり厳しく審査をしておかないと、やっぱり採れなかったよねということになると、また認証評価で引っかかってしまうというふうなことになるので、やはり設置認可のところのやり方と、それから、認証評価のやり方というのはちょっとセットで考えていかないと、認証評価のところだけでいくらよくしようとしても、やっぱり入り口のところでそもそもそれはあり得なかったよねみたいな議論になりかねないと思うんですよね。だから、その辺りはいかがでしょうかということです。
以上です。
【伊藤部会長】 形式的には全て整っているので設置認可されてしまうと。それで設置審に行っていいんだろうかというような、そこら辺のところも含めてですよね。
【松居委員】 はい。
【伊藤部会長】 提案している人はちょっと違うほうなので。その辺のところは、これも議論をしていくということで、今、御意見としていただきたいと思います。
【松居委員】 ありがとうございます。
【伊藤部会長】 では、浅田委員、お願いします。
【浅田委員】 1点質問というか、確認させてください。3ページの一番下に政府参考人答弁というのが出ていて、認証機関が独自に評価基準を決めているので、評価結果を資源配分に直接活用することは困難というのが当時の説明ですが、今回、5ページのところで、資源配分への活用ということが出ています。これは、大きく方針が変わったのですよね。つまり、従来の認証評価というのは、第三者機関が複数あって、それぞれが基準を決めて独自に審査しているので、国が直接そこに関与するものではなく、あくまで自主的、自律的に大学が向上し、認証機関が審査するという、そういう前提でした。今回大きくパラダイムが変わって、設置認可は国の管理下にあって、その後、いわゆる事前審査から事後チェックへの流れで、事後チェックが今回強化されて、新たな評価制度も国の管理下に入ると考えていいわけですよね。審査基準は統一しているわけだし、資源配分にも使うわけだし。
そうすると、先ほどから出ている、林委員や森副部会長のお話と私も同じ考えなのですが、設置審査と言うから設置後に使うことが変になるのですけど、要するに事後審査ですよね。今回の新たな評価において、要是正でさらに厳密な審査が必要なものは、今の設置認可と同等の仕組みをそのまま使えばいいということです。設置審もピアレビューをやっていますし、各専門委員会で。林委員が言われたように、今回の新たな評価制度では、負荷の軽減とかいろいろ言っていますから、かなり軽量化した表面的なものとして評価がなされることになり、深い評価、厳密な評価というのは、とてもそこまで手は回らないわけですから、やはり設置認可とほぼ同等の体制で、国のほうできちんと見るという仕組みを今回入れていただくと、質保証、質向上は大きく改善されるといいますか、変わっていくのじゃないかなと思いました。
以上です。
【伊藤部会長】 では、これも御意見として伺ったということで、太田委員、お願いします。
【太田委員】 林委員、それから、森副部会長のいろいろな御提案から始まって、2ページ目の図の理解、浅田委員が1つ御提案されたと思いますが、設置認可の審査と認証評価。この2ページの図ですと、認証評価というのはやっぱり大学、学部の中でちゃんと内部質保証の仕組みができているかどうか、それが動いているかどうかということを多分焦点に当てていると思います。設置認可のところでどこまで内部質保証のことまで網羅しているかどうかというあたりで、その関係づけということになるのだと思います。
森副部会長が、戻るようなサイクル的なことを図の中に入れたらどうかということの御提案は、やっぱりこの点に関しては、この部会ではっきりとどういうような、それぞれ2つの、第1弾、第2弾とありますけれども、そういうところを整理する必要はあるかなと思いました。これはコメントですけれども、やっぱり認証評価で何を見ているかというところは、もう一度確認したいなというふうに思っています。
以上です。
【伊藤部会長】 では、松浦委員、お願いします。
【松浦委員】 ありがとうございます。私もワーキングに参加していたのですが、今日の議論でワーキングの議論をもう一度振り返ると、やはり認証評価ないしは認証評価機関の位置づけというのを、必ずしも新しい評価制度の中で明確に議論してこられてなかったのかなというふうに振り返って思いました。
ここまでの議論で、2ページの資料でいうと、設置認可審査と、それから履行状況、そして認証評価で、駄目な場合、もう一度設置審に帰っていくということで、ここの連動性を高めるということは非常に重要ではあるとは思います。しかし一方で、それならば今、浅田委員がおっしゃったような形でもしも考えていくとすると、認証評価機関も1つでいいということになっていってしまう。それでいいんだろうかということは一方であって、認証評価機関を1つにするのか、今までと同じにするのかということは必ずしもきちんと議論してきていなかった。私もワーキングで一度申し上げたんですけれども、この辺り、きちっと連動性を高めていくのは重要なんだけれども、依然として議論の前提としては、複数の認証評価機関が、基準は1つにできるだけ共通化していくということだけれども、しかし、認証評価を行う機関は複数ある、あるいは複数あるから、ある意味多様な選択ができるんだという、そもそもの認証評価の出発時の考え方というものが全くなくなってしまうのか、それとも認証評価の場合には、ある程度の多様性、柔軟性というようなものを前提に評価していくのかということによって今日の議論ってかなり変わってくると思うので、認証評価機関の在り方というところを、やっぱりどこかできちっと論点として議論していく必要があるかなと思いました。
これも感想といいますか意見です。
【伊藤部会長】 意見は出尽くしたように思われます。今、挙手されている方はいらっしゃいません。
要是正、または法令的に問題があるといったときに、それが場合によっては無限ループに入って、また認証されて、そしてまた同じところに行ってとぐるぐるぐるぐる回ることを避けるべく、文部科学省がこのように今回、責任を持つというような形が提案されたというのが私の理解ではあるんですけれども、先ほどの松居委員の話にもありましたし、どういう形で評価機関と認証機関の関係を考えていくのかとかいったことがあって初めて、多分林委員や森副部会長から始まった、認証のほうに持っていくということが適切なのかどうかということが見えてくるんだというふうに思います。
事務局、今の議論の内容はこんなようなところですけれども、継続審議ということにしますか。よろしいですかね、継続審議ということで。
では、本件、様々な意見をいただきましたので、継続的に審議していくということにいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、議題の第2、新たなデータプラットフォームにおける情報公表についてです。これもまず、事務局から説明いただいた後、質疑応答、意見交換に移りたいと思います。
【寺坂高等教育政策室長】 それでは、資料2に基づきまして御説明させていただきます。高等教育政策室長の寺坂でございます。
こちらは新たなデータプラットフォームにおける情報公表ということでございまして、これまで新たな評価の在り方のワーキンググループ、また、この質向上・質保証システム部会におきましても、新たな評価に関しまして御議論いただいてきているところでございますけれども、その評価結果につきましては、社会にしっかり理解を得るためにもしっかり公表していくべきであるということを御議論いただいているところかと思ってございます。
資料2の2ページのところに新たな評価の在り方ワーキンググループの議論のまとめを抜粋させていただいてございますけれども、評価結果の公表・活用というところにもございますように、この評価に関するデータプラットフォームを設けるということで、評価結果についても、同プラットフォームにおいて一元的に公表していくこと、また、学生等が必要な情報に到達しやすくするために、様々な要素でソート・検索できるような機能を持たせるということでございますとか、公表内容のフォーマットに統一性を持たせるということ、評価の具体的な内容については、ポイントを分かりやすく示すといったようなこともおまとめをいただいてございます。また、あわせまして、所在地、授与される学位等々の学部等に関する基本的な情報を付記して、学生の進路選択等にも活用しやすくするということについても記載をいただいてございます。
次の丸のところでございますけれども、評価結果の公表の際には、各高等教育機関の個性・特色の明確化を図って、その多様性を明らかにするように配慮することが必要であるということでございます。また、加えまして、「知の総和答申」、昨年2月にまとめていただいてございますけれども、こちらに関しましては、情報公表ということで、設置者別ではない新たなデータプラットフォームの構築が提言されてございまして、評価結果を他の情報公表事項とどのように組み合わせて公表するかについても併せて検討するということを取りまとめいただいてございます。
その下に、参考までに知の総和答申での情報公表関係の記載をさせていただいてございまして、大学ポートレートで培ってきた実践や知見を生かしながら、高等教育機関を横断的に比較する観点から、新たなプラットフォームを構築していくということが御提言されてございます。
こうした取組等々、これまでの議論も踏まえまして、一番下のところにございますけれども、新たな評価制度を効果的に機能させるためにも、各高等教育機関において、「教育の質」の向上につなげていくための優れた取組でありますとか成果を積極的に公表していくということが重要になってまいりますし、それに加えまして、今回資料として御用意いたしておりますけれども、共通の仕組みで評価結果や学部等に関する基本的な情報を公表するということを組み合わせていくという形にすることで、学修者本位の高等教育改革につなげていくということが必要ではないかということで、2ページをまとめてございます。
3ページでございますけれども、現状の共通の仕組みによる情報公表ということでございまして、大学の教育活動の状況を発信する仕組みということで、大学ポートレートがございます。こちら資料をおめくりいただくと、9ページ以降のところに大学ポートレートに関する参考資料を載せさせていただいてございまして、例えば、10ページは国公立版ということでございますけれども、どういった画面で情報公表しているかということをお載せしてございますし、その次、11ページ、12ページのところで具体的にどういった項目を公表しているかというところも載せさせていただいてございます。
こういったような形で、これまで情報公表、教育情報発信をしてきたということでございますが、3ページのところに戻りますけれども、課題として書かせていただいてございますように、国公立版と私学版ということで情報を提供するプラットフォームが異なっているということで、必要な情報を容易に入手できないということがございます。
また、その下の丸でございますけれども、大学の教育研究の質に関わる重要な情報が必ずしも分かりやすく示されていないという課題もございまして、そうしたところを踏まえ、また、先ほどのこれまでの議論というところも踏まえまして、3ページの右下のところにございますように、新たなデータプラットフォームということで、新たな評価のデータベースの情報公表機能という形で、その評価結果でありますとか公表可能な情報を公表していくための機能を持たせるという形で、一体的にプラットフォームを構築していくということをイメージしてございます。
その下に書いてございますけれども、ポートレートからこちらに発展的に取組を移行させていくということを考えてございまして、そのために、大学の負担軽減の観点等から、円滑な移行方法でありますとか、ポートレート参画大学等にどういった形で御協力いただくかというところについては、更に検討を進めていくということが必要だというふうに考えてございます。
その次、4ページのところでございますけれども、こちらが評価結果を含め基本的な情報を合わせた形でどのように公表をしていくかというところにつきまして、イメージの案を作らせていただいてございます。本日、こういった形でやっていきますということを決めるということではございませんで、どういった項目が必要かというようなところも含め、本日は御意見をいただければということで考えてございます。
左側のところが、設置者横断で比較可能なページということでございます。そのイメージでして、大学の基本的な情報を載せながら、評価結果についても載せていくことをしてはどうかということでございまして、その他学生の進路選択に役立つというふうに考えられる項目について、比較可能なページということである程度、一定程度簡素化した形で載せる必要があるかと思っておりますけれども、そうした形で載せるところを作っていくとともに、個別の大学、学部ごとの更に詳細な情報が必要、それを見たいという形で学生の皆さん等がお感じになった場合には、右側の個別詳細ページというところに飛べるというような形で考えたらどうかということで、右側を御用意しているということでございます。
こちら右側につきましても、基本情報でありますとか、ディプロマポリシーでありますとか、評価に関する情報についても、具体的な内容等も含めた詳細の情報が見られるようにしていくということでございます。また、学修に関する情報でございますとか、学生に関する情報、また、入学者選抜や卒業後の状況等、取得可能な資格でありますとか、学費・経済的支援等に関する情報ということで、これはイメージということで、一旦こういった形が考えられるのではないかということで載せさせていただいているところでございます。
右側の上のところに書いてございますけれども、最新の情報を提供するという観点から、こういった内容については、随時更新を可能とするということをさせていただきつつ、下側の米印のところにもございますけれども、入力内容の確認、チェック等につきましては、AI等も活用しながら、なるべく負担を軽減する形で情報入力ができるようにするというようなことも併せて、このプラットフォームをまとめていく際には検討させていただきたいというふうに考えているところでございます。
あと、参考資料のところで13ページ以降のところに、海外の情報公表サイトということで、各国がどのような形で公表しているかということも参考までに載せさせていただいておりますので、適宜御参照いただければと考えてございます。
事務局からの説明は以上でございます。
【伊藤部会長】 ありがとうございました。
先ほどの、前回の議論で松尾委員が最初に指摘されたように、実は、要はこの評価というのは6年間で五月雨式に行われていくので、どのタイミングでどの大学が評価を受けて、そのときに公表されてというのが徐々に出ていくみたいな形になるので、そして、ある時点でデータが公表されて、それが更新できないと、例えばそれもよくないので、それを既に更新できるようにするというのが最後のポイントでありました。
また、参考資料の13ページという、先ほど紹介いただいたんですけれども、IPEDS(Integrated Postsecondary Education Data System(中等後教育総合データシステム))というのは、これは国の機関がやっているわけですかね。国の機関が。
【寺坂高等教育政策室長】 はい、そうです。
【伊藤部会長】 国の機関がこんなようなことを出しているというようなことで、そういったことを文部科学省として、また、知の総和答申でそのような議論があったので、これを検討したいということかと思います。評価結果に対する公表の仕方、それから参考資料13ページみたいな形のそれとは別にそのようなデータ公開をすることについて議論いただきたいということでございます。よろしくお願いいたします。小林委員、お願いします。
【小林委員】 御説明ありがとうございました。
今、事例で示していただいたような図ですけれども、公表のフォーマットですが、これは各大学の学部の情報画面になると思います。その前段階で検索の画面があると思います。ぜひ、これが各大学の学部だけが見られるのではなくて、比較検討ができるようなフォーマットにしてほしいと思います。1大学だけ見るのではなくて、やはり横並びで受験生などは見るということになりますので、それが比較検討しやすい形に表示されるようにしていただければというふうに思っております。
もう一点が、これは国が情報提供するということになると思いますが、いろいろな大学が、今、競争的資金とかを獲得していると思います。例えば、「スーパーグローバル大学」ですとか、「私立大学研究部ブランディング事業」「卓越大学院」など国の競争的資金で獲得しているもの、そういったものがどのようなものがあるのか。大学が採択されている国の事業ですね。そういったものが、大学のところに表示されるような形で見られると、良いと思います。私たちは取材をするためにいろいろ調べるのですが、外から見るとそれがなかなか分からないのです。各大学が個性や強み、特徴を活かして、教育の質を高めるためにどのような努力をしているのかが反映されていると思いますので、そういったところの方向性も見えると思います。国としても、各大学の質を高めるために予算を付けて取り組んでいるものだと思いますので、ここで見られると良いと思います。
以上2点、意見でございます。
以上でございます。
【伊藤部会長】 まず、意見ということで、次に、濱中委員、お願いいたします。
【濱中委員】 濱中でございます。取りまとめ、御検討ありがとうございました。情報公表について、利用者側の具体的な使われ方という観点から確認させていただければというふうに思っております。
今回の資料では、Univ-mapによって評価結果や学部等の基本情報を一元的に公表して、学生等が必要な情報に到達しやすいようにソートや検索できると、今、小林委員もおっしゃっていましたが、そういう方向になっているかと思います。また、所在地、授与学位、養成する人材像、DP、そういったものも併記して、学生の進路選択にも活用しやすくなるというような方向を示されていらっしゃいます。
公表イメージも示していらっしゃって、成長実感とか、仕事につながる知識・スキルの自己評価だったりとか、平均学修時間だったりとか、ST比、初年度費用、進路状況、そういったものが並んでいるかと思います。
この方向性自体はとても意味があることだと思っております。今までなかったものができるということはとてもすばらしいことだと思っております。現在は国公立版と私学版で情報提供のプラットフォームが異なっていますので、必要な情報を容易に入手できないという課題がずっと残っておりまして、学修成果や、学位プログラムの情報、認証評価結果などが分かりやすく示されていないというような問題意識もとても理解できます。
ただ、気になっているのは、こういった情報が実際にどう使われるのかという点です。資料上は学生が進路選択に活用するというふうにあるんですけれども、具体的に誰がどの場面で何を判断するために使うのかがちょっとまだ見えにくいというところが私の質問の中心のところにございます。
例えばですけれども、学生もそうですし、多分、きっと保護者も使うと思うんです。もし私が保護者だったらどう使うかということを率直に考えますと、かなり生々しい使われ方が想定されるというようなことをちょっと思うわけです。
例えばですけれども、子供が法学部を志望していて、これも例ですが、大手私大の法学部のどこに行くかで迷っているというような、そういった場面はきっとありますよね。親としては、もはや偏差値とか知名度だけで決めていいのかということは、何となくそうではないだろうというような感覚も育っているかもしれません。そういった場合に、学費に見合うのかとか、通学時間はどうかとか、学生支援は手厚いのかとか、進路はどうかとか、資格や公務員試験への支援はどうなのかとか、そういったことが気になってくるんだと思うんです。
そのときに、Univ-mapに学費とか、進路状況とか、ST比とか、成長実感とか、評価結果とか、学修時間などが並んでいたときに、まずそれを見ると思うんです。それを見るんですけれども、きっと、複雑過ぎて手に負えないというふうになったときに、次に何をするかといったら、多分AIに読み込ませると思うんです。例えば、5つの法学部を学費、通学時間、進路、学生支援、教育の手厚さで比較してくださいみたいな感じでAIに投げるとか、この授業料でどの程度の教育環境が得られるのかを比較してくださいといった、そういった聞き方をしてくるような気がするんです。これかなり現実的な使い方だと思います。
ちょっと例は違うんですけれども、例えばプリンターを買うときに、価格、印刷速度、インク代、スキャン機能、Wi-Fi対応を見て、この値段でこれぐらいできるなら納得できるとか、そういった使われ方になっていくような気がするんですよね。もちろん大学はプリンターではないので、それに、何といっても教育の成果は、本人の努力もありますし、入学時の学生層だったりとか友人関係、ゼミ、そして教員との出会いだったりとか、本当にいろいろなものに左右されますから、そんな単純な話ではないというのは重々承知しております。
でも、家庭にとって大学進学というのはとても大きな支出になります。授業料、入学金、場合によっては一人暮らしの費用もかかってきます。そうなると、保護者というのは、この費用でどれぐらいの教育環境、進路可能性があるのかと考えるのはごく自然な発想だと思うんです。
Univ-mapの情報は、意図しているかどうかに関わらず、そうした費用対効果とかリスクの確認の材料として使われるというような可能性が多分にあるのではないかなというふうに思います。その場合、制度側がランキングを意識していない、そして作っていないとしても、きっと利用者がAIを介して事実上の物差しを作ってしまうと思うんです。しかも、その物差しは、どの項目をどれだけ重く見たのか、あるいは、欠損値をどう扱ったのかとか、学生層や分野の違いをどう考慮したのかとか、そういったものが不透明なまま、きっと分からないまま、A大学は学生支援でやや有利とか、B大学は費用対効果が高いとか、そういった形で使われるように思うんです。
ここで心配なのは、情報公表が安心材料になるだけでなくて、不安を増幅させるような可能性もあるのではないかということです。はっきり言って、親とか学生は比較をするためにも見るんですけれども、安心したくてこの情報を見るというところがあるような気がするんです。そういったところで、例えば、数値が並んでしまうと、学生の成長実感が数ポイント低いとか、ST比がほんのちょっと大きいとか、評価コメントに改善課題があるとか、そういった関係者であればごく小さな違いというふうに分かるようなことでも、きっと大きく見えてしまうような気がするんです。A大学かB大学かのように、実際には公表情報だけで決定的な差がつかない場合でも、AIがもっともらしい比較をつくってしまえば、そこに差があるように見えてしまうような気がするんです。
ですので、私が確認したいのは、Univ-mapをどのように使ってほしいと想定しているのかということです。ワーキンググループや事務局の皆さんの中では、こうした具体的な利用場面についてどこまで議論されているのかということを教えていただきたいと思いました。例えば、保護者が複数大学を比較する場面とか、費用と進路情報を組み合わせて見る場合に、AIに評価結果を読み込ませて比較させる場面だったりとか、高校教員が生徒に助言する場面だったりとか、一体具体的にどのような使われ方を想定していのか。
情報を出すこと自体には非常に意味があると思っています。しかも、公的で定義が明確な情報でなければ、AIとか民間サービス、偏差値、口コミ、広告、印象、そういったものがいろいろ社会の中に出回りますし、その意味では、Univ-mapのような公的情報基盤はとても大事ですし、必要だと思います。ただ、情報を公表すれば、あとは利用者がうまく使うだろうという設計では、AI時代には少し弱いのではないかというふうに思いました。
申し上げたいのは、民間の発想をそのまま行政に持ち込むべきということではなくて、ただ、商品やサービスの開発であれば、かなり早い段階で、誰が使うのかとか、どの場面で使うのかとか、何に迷っているのかとか、使った後にどういう判断とか行動が起きるのかということを具体的に考えると思うんです。
いわゆるペルソナとか利用場面の設計ですけれども、もちろん行政の情報公表というのは商品開発とは違うんですが、そのあたりについて、どの程度検討されていて、どういう利用場面が望ましいというふうに考えていらっしゃるのかということをちょっと教えていただきたいなと思いました。よろしくお願いいたします。
【伊藤部会長】 手が挙がっている方が多いので、このまま全体を回していきたいと思います。順番がちょっと違うんですが、今、ワーキンググループの部会長の森さんから。
【森副部会長】 今の濱中委員に関しまして、データプラットフォームの公表に関しましては、ワーキンググループの中で議論していない。というよりも、こちらのシステム部会の話題になりますので、ぜひぜひ皆様から御意見をいただきたいということでございます。
【伊藤部会長】 平子委員、お願いいたします。
【平子委員】 ありがとうございます。今の濱中委員のおっしゃった通りで、結局ユーザーインターフェースの作り込みによって、全く出された情報の世間の受け止めや価値は変わるということだと思います。
私はこの部会でかつてよりAIの効用について語ってきておりますが、AIこそこれから先、ユーザーインターフェースの柔軟性という意味では効果があるのではないかと。高校生や家族の方などユーザーは使っていく内に質問がだんだんとピンポイントになっていく傾向があります。例えば、複数の大学を学部レベルの特定項目について比較したい場合など、ピンポイントの質問に対して瞬時に答えが出せるということがAIの最大の特徴だと思います。
ただ、誤った情報は出せません。今回のこのプラットフォームに対応したAIを作り込むことが肝要です。誤った情報を出さないことを前提にAIがサポートする仕組みをつくれば、ユーザーインターフェースは大幅に向上すると思いますので、ぜひこの方向でやっていただきたいと思います。
以上です。
【伊藤部会長】 では、浅田委員、お願いします。
【浅田委員】 1点、私はまだ理解がついていっていない言葉の定義ですけれども。3ページの右下に、新たなデータプラットフォームというのが大きく囲ってあって、その中に新評価データベース(仮称)とUniv-map(仮称)というのがあるので、新たなデータプラットフォームというのは全部を飲み込んだもので、その中に、評価にだけ使うデータが入った新評価データベースがあって、そこから評価結果が入力されたものがUniv-mapに行って、Univ-mapは対外的に公表するポータルサイトとして機能しているという、言葉の定義というか、階層というのはそれで理解でよろしいですか。
【寺坂高等教育政策室長】 基本的にはそのとおりかと思いますけれども、評価の中でも学部に関する基本的な情報というのが入ってくる可能性は当然ございますので、そうしたもので情報公表にも活用できるものについては、情報公表のUniv-mapのほうにデータが使われるということでございます。
【浅田委員】 ということは、評価に使うデータの中で、Univ-mapには流れない、オープンにならないデータがあるという理解ですね。
【寺坂高等教育政策室長】 はい。
【浅田委員】 分かりました。
それで、Univ-mapに関してですけれども、大学ポートレートははっきり言って失敗していると私は思うのです。それはなぜかというと、サプライサイドの都合で決めてしまったからです。今回はそれを大きく変えて、ユーザーサイドのものに変えようと、大きく転換しようとしています。しかも、データは公的に確認されたものがUniv-mapに載り、それはオープンになっている。
先ほど御指摘がありましたように、AIの時代は、要するに、何でもできるわけです。データがあれば。結局、データをどういうふうに利用するかは利用者の価値観で決まるので、これは止められないと思っています。だから、基本的には、誰がどう使うかというのはある意味で何でもありの時代に入っているので、それは制限不可能だと思っています。
オープンになったデータというのは、どんどん活用されて意味があると思っているのです。ただ、できるだけ適正に使ってほしいというのであれば、それと、AIがちょっと怪しいよねというのだったら、以前林委員が提案されたと思うのですけれど、APIを公開して、自由にデータを自分で組み立ててできるようなものにしておけば、例えば、意欲ある人がそういうものを組み合わせた便利なユーザーインターフェースは作れるだろうと思っています。
先ほどから受験生とか受験生の親が主に使うだろうという話をしていますけれど、これが非常に便利になったら、多分在学している学生も見たいと思うのです。我が大学の教育の質はどうなのと。もっとちゃんとしてよねと大学に要求したっていいわけです。だから、そういう意味で、これはもしかすると大きな意識転換になるし、また、大学自身もこれを見て、我が大学をもっとこうしようということに使えるかもしれない。
今の大学ポートレートはそういうものになっていないです。だから、今回大きく転換してユーザーサイドに行ったときに、見る側の価値で物事を決めたいわけです。つまり、お仕着せのものではないものを求めているユーザーを想定するならば、はっきり言って、あらゆるランキングが出てくると思います。ただ、それに耐え得るような大学をこれからつくりましょうというメッセージかなというふうに私は思っています。
以上です。
【伊藤部会長】 では、松浦委員、お願いします。
【松浦委員】 私自身は、今までも申し上げてきたように、こうやってデータを集約して、全部じゃないにしても、それをきちっと評価に活用していくということは重要だともちろん考えているんですが、2つの点を申し上げたいと思います。
1つは、今、浅田委員がおっしゃったような、大学ポートレートがうまくいっていないとしたら、それはなぜなのかという検証というか。浅田委員がおっしゃったことは1つの大きなポイントだと思うんですが。そこをやらないとまた同じようなことになるんじゃないのか。
例えば、私学版がどうして私学事業団(日本私立学校振興・共済事業団)のほうになったのかとかその辺り、もしもプラットフォームをそろえるということであれば、システム改修で済むわけだし、私学事業団のやっていることをNIAD(大学改革支援・学位授与機構)に持っていけばいいだけなので、そこはそれこそデータに基づいた分析が必要なのかなと思っています。だから、Univ-mapをポートレートとは違うものとして設計し提供するんだということをもっと、それこそ新しい評価制度とともにやるんだという新しさをぜひ主張していただきたいと思うのが1つ。
もう一点は、アメリカの例が出ていますけれども、NCES(National Center for Education Statistics)の統計というのは教育学者はいつも大変活用して、歴史統計も含めて非常に活用のしがいがあるんですが、今回のUniv-mapは高等教育ということで設計されているわけですけれども、文部科学省全体が教育統計を一体どういうふうにこれから扱っていくのか。今は、学校基本調査等を文部科学省のサイトで見て、また総務省に飛ばされてというような、教育統計だけじゃなくて、政府全体の統計の在り方のきちんとした設計の下に教育統計の扱いがあり、その教育統計の扱いの中で高等教育をどうするか。
我々も実は高校のそういうデータを見たいというニーズはあるんです。大学側から。高校だけじゃなくて、中等教育機関あるいは初等教育機関の。ですので、これはやっぱり、今、きちっと教育統計や教育に係るデータを、少なくとも文部科学省のほうで、教育段階を超えて全体的な設計をやる一環として、このUniv-mapを考えていただきたいと思っています。
以上です。
【伊藤部会長】 田中委員、お願いします。
【田中委員】 イギリスやアメリカなどのアングロ・サクソン系の大学情報サイトで最も注目される情報は、就職後の平均収入です。これはバリュー・フォー・マネーという表現で、高い学費を投資とみなし、どれくらいのリターンが将来的に見込めそうかという、大学進学を決める重要な判断要素だと多くの高校生や保護者に考えられているからです。
就職後の平均収入のデータを掲載することは、大学にとっては毒にも薬にもなると予想されますし、掲載すれば多くの人の興味・関心を引くと思われますが、日本の新たなデータプラットフォームに就職後の平均収入を掲載する計画はございますでしょうか。
私からは以上です。
【伊藤部会長】 林委員、お願いいたします。
【林委員】 3点。
まず、1点目ですが、浅田委員が先ほど御言及いただいたように、私はAPIとかをしっかりと利用すべきだと思っています。私自身、前の大学ポートレートの立ち上げのときに関わっていましたので、正直、官製のこういうデータベースを作って、ユーザーにフレンドリーなインターフェースをちゃんとデザインもしっかりして作るというのは結構限界があると思っていて、官製でやるというのは、しっかりとした情報を持って問題がないみたいなものは作れるんだけれども、本当に学生が大学あるいは学部の選定をするときに使えるようなユーザーフレンドリーなものが作れるかというと、やっぱりちょっと違うなと思っています。
さらに、このデータには入らないんですけれども、恐らく学生は、実際に自分が入ったらどういう学修経験ができるのか、そして、卒業後どういうところに就職して、あるいは社会に出ていけるのかと、そこで、ロールモデルみたいなケース、例えばこんな人がいますよとか、そういうのがきっと響くんじゃないかなと思うんですけれども。
そういう話はきっとこのデータベースに入らなくて、いろいろな個別の大学あるいは受験産業等を含めたメディアがそういうのはとても得意だと思いますので、そういう既存のメディア、あるいは、例えばデータであるんだったら、本当にデータサイエンスを学んでいる学生とかに使わせて、面白いサイトを作らせてもいいと思いますし、APIでしっかりとした情報を提供して、外部のそういうインターフェースを作る能力をうまく活用するようなことを考えたほうがいいというのがまず1点目でございます。
2点目は、そうであっても、もちろん官製のインターフェースも作るんだけれども、それだと学生に注目してもらうにはどうしたらいいかなと思ったときに、イギリスは、さっきもDiscover Uniの話がありましたけれども、あるいは、その前のときからですが、各大学のコースのホームページに、どこかにDiscover Uniの結果のバナーというか、ウィジェットというか、をつけることが求められていて、今、幾つかの大学を見たら確かについていて、学生のアンケートの結果みたいなものが入っているわけです。
そういうふうに各大学のホームページとかにこのデータがしっかりと、義務にできるのかどうか分かりませんけれども、提示できるようになっていれば、学生もおのずと目に入ってくるようになってくるので、そういうことも考えたらどうかというのが2点目です。
それから、3点目ですが、ポートレートの本当に立ち上げのときに議論しても全くできなかったのが、ここを情報のワンストップの仕組みにできないかということで、特に文部科学省とか役所から来る調査ものを全て、例えば、このデータベースを介して調査を出すみたいなことをして、全てのデータがここに一元的に集約されるようにできないかと思っています。
ポートレートを立ち上げたときも、本当にいろいろな大学から、役所あるいは民間から調査が多過ぎて困るという話を、もう十何年前ですけれども、そのときからもう既にいただいていて、恐らく今も状況は変わっていないと思いますので、しっかりとこういうワンストップの仕組みをつくって、そこで、質の担保されたデータは、公開できるものは公開してあるという状態をつくったほうが、大学にとっても負担が下がると思いますので、そこも、もし今回そこに再チャレンジというか、検討ができるのであれば、ぜひ検討していただければと思います。
以上です。
【伊藤部会長】 森副部会長、お願いします。
【森副部会長】 ありがとうございます。単なる思いつきなんですけれども、先ほどお話がありましたように、チャットボットの内製化といったようなものをぜひ御検討いただきたいと思います。
最近、大学業界でも、学生とともに、一緒にチャットボットを内製化すると。つまり、今、林委員がおっしゃったように、データだけ公開して、外でいろいろなことをしていただくということももちろんありだと思うんですけれども、私たちがこう使ってほしいとか、こういうふうな思いで私たちはこれを作っていますよということは、内製化することによって、そこに入れることができる。
今の高校生の、これは日吉先生にまたお聞きしたいところなんですが、本当にAIをよく使いますので、AIが全くないデータベースを見るということがなかなか難しいのではないかと思っています。ですので、チャットボットを立ち上げて、チャットボットに関しましては、使う高校生や見る社会人の方々、あとは大学人も含めてプロジェクトを立ち上げて、そこの内容を考えていくというのが1つ提案でございます。
【伊藤部会長】 太田委員、お願いします。
【太田委員】 今回のデータプラットフォームの恐らく一番のエッセンスは、認証評価の結果をどういうふうにうまくこの中で表現するかということと、それから、全国学生調査、学生側のそういう意見をどういうふうにこの中に反映させていくかということではないかなと私は思っています。
特にユーザー側、高校生なりからすれば、どうしても学生調査のあたりのデータというのはかなり気になるはずで、そういうところの要素が加わるということは非常にフレンドリーだろうなというふうに思っています。
以前大学で調べたデータですけれども、大学に入って、将来に関する悩み、不安を持つ学生は半分を超えるんですね。学年進行でそれが解消されるかというと、決してそうではなく、やっぱり悩みながらずっと卒業まで迎えていくという、そういう学生が多いと思います。そういうように常に将来とかそういうことに、何か自分が見いだせるような情報とか、そういったものを提供できるかどうか。
さっき田中委員が、卒業後どれだけ稼げるかということも確かにあるのですが、アングロ・サクソン系では。しかし、まだ日本はそこまでいっていないかもしれない。それ以前に、なりたい自分は何なのかということを大学にいる間に模索していると思います。そういったことが少しでも、こうなれば何とかできるのではないだろうかとか、そういうような情報提供につながるような仕組みであれば、受験生たちは本当にこれを、親の視点はまた見る観点が違いますから、有用になるのではないかと思っております。
以上です。
【伊藤部会長】 濱中委員、お願いします。
【濱中委員】 ありがとうございます。
先ほどから、官製サイトをユーザーフレンドリーにするのは難しいという御意見があり、これは大変ごもっともだと思います。一方で、チャットボットを内製するという御提案も示唆的だと思いました。実際に官製サイトを使いやすくするのはとても難しいので、チャットボットという提案が出てくるのはとてもよく分かるんですが、その代わり、もしチャットボットを導入するのであれば、なおさら、この新しいシステムが何のための情報提供なのかということを詰めておく必要があると思うんです。
高校生や保護者が使うようになると、先ほど私がちょっと言ったプリンターの例に近いように、複数の大学を比較して、どちらがお得か、どちらが自分にとってよい選択かといったか聞き方が中心になってくるような気がするんです。
そうすると、チャットボットには、利用者から助言に近い返事が期待されることになります。ただ、おそらくそこは制度側が想定している役割とは少し違うのではないか、というようにも思うわけです。なので、そういうことを考えると、チャットボットに一体どういう機能を持たせるのか、どこまで答えさせ、どこから先は答えさせないのかという線引きについて、情報公表の在り方と同時に、このシステムの狙いに照らして詰めていく必要がより強くあるのではないかと考えます。
コメントです。
【伊藤部会長】 ほかいかがでしょうか。よろしいですかね。
では、事務局にお返しする前に、私からも一言意見を述べさせていただきますけれども。
まず、ここの部会は質向上・質保証システム部会ということで、学生サービス部会ではないので、我々がデータ等を公表するときには、質向上とかに大学がつながる、これを公表、このデータをもっとよくしようというためにやるのか、または、先ほどの高校生が、または社会人でもいいです。大学を比較するときに、サービスとして分かりやすくするということを議論しているのか、この2点によって全然考え方が違うと思うんです。
ですから、何を想定しているのかという前提をまずここの部会で議論するには相当考えなければいけないということが、私が最初にこれを聞いたときの違和感は、これみんな、全ての大学を向上させるためにデータを公開させるんですねということから、時々、高校生にとって分かりにくいとかそういう話になってくるので、そこがまず私の最初のつまずいた点であります。
相当これから評価システムが変わっていって、質保証と質向上の両方を追うということで、やることがたくさんあります。そして、もし今の意見どおり学部ごとに評価されていくということになると、当然、毎回の認証評価では学部ごとのデータは上がってくるので、プラスの仕事はそれほどないという前提があったとしてもですよ、でも、学部ごとの評価になっていくときに重要になるのが、大学全体のパンフレットとか、要は毎年の事業報告書。私立学校法も変わって、改正私立学校法によって、今度は監事がしっかりと事業評価書も監査する形でまとまる形になりました。ですから、今までのただ好きなようなパンフレットじゃなくて、これは完全な、正式な文書として毎年の事業報告書が位置付けられました。
さらに、大学によっては、統合レポートといった、様々なステークホルダーに向けて、今度は自分たちの大学全体の取組を分かりやすく紹介するようなことも毎年行っています。これらの毎年の取組が今度の評価を受けるときに、学部ごとの評価に対して、大学全体はこれを行っています、それに対して我々学部はこういうことを行っていますという2階建ての構造で評価が行われることになるので、今後大学は、この1階部分、つまり、学部部門じゃなくて大学全体の部分の事業報告書と、また、場合によっては統合レポートといったようなものを工夫して毎年作っていくことになるので。
ここのところが結構力を入れて、実はここら辺の比較というのも、AIに放り込むだけで各大学の特徴というのが保護者とか高校生というのは分かりやすく見られるようになっていくんじゃないかと私は思っているところなので。大学にどこに力を入れてもらうべきなのかということを考えたときに、まず、事業報告書というのは相当力を入れていくことになるので、ここのところを我々の部会としては、もう議論したことですけれども、ここのところが重要になってくる。
さらに、データを公表するといったときには、林委員とか、まず最初に浅田委員がおっしゃったんですね。もう今、データ公表サイトは、統合的にデータを公表してくれるサイトが、Kaggleとかいろいろあります。例えば、平均寿命の国別の比較をしようというと、WHOもやっていますけれども、Kaggleに行けば様々な種類のデータがあって、それで、平均寿命のデータを何も見ずに、ClaudeだとかChatGPTとかGeminiに放り込むだけで平均寿命の国別のチャートが出てきて、喫煙率に対してどう平均寿命が変化するかとか、出生時の胎児の死亡率に対してどう平均寿命が変化するかとか、何も考えずにAIがどんどんそういうのを出してきてくれます。
ですから、AI時代に対して、どういうデータを提供するか、それをどういうふうに料理するのかというのも、何も考えずにAIに放り込む人がこれから出てくる時代になっていくので、それに対して、どういう目的にして、ここの部会としてデータを公表していくのか、大学の質向上のためにデータを公表していくのか、それとも、ただ単にサービスとして、高校生に対するサービスとしてデータを公開していくのか。高校生へのサービスだったら、様々な民間企業がやってくれるというのが私の予想ですので、そこら辺のところも含めて議論をしていかなければいけないんじゃないかなというふうに思っているところであります。
もうやることは、これから大学は、それなりに新しいシステムに対してあるので、更にこれもこれもと言ってやることを増やしていくのは、質向上・質保証の観点から外れるときには注意が必要だというのが私の考えであります。
ということで、事務局、皆さん、たくさんの意見やコメントが出てきたところですけれども、全体に対して何かコメントがあれば、よろしくお願いいたします。
【寺坂高等教育政策室長】 非常に多面的な御意見ありがとうございます。
本日いただいた御意見を踏まえまして、どういった形でこのデータプラットフォームの公表という機能を持たせていくのかというところは、考え方を含めてよく整理をさせていただければと思ってございます。その上で、今日いただいた中で、御質問いただいた部分について、今回答できる範囲で御回答させていただこうと思います。
濱中先生からございました、どういった場面での利用というところを議論してきたのかというところがございました。新たな評価ワーキンググループに関しましては、森先生に御発言いただいたところでございますけれども、もう一つ加えて申し上げるならば、知の総和答申のところでどう記載されているかというところかと思ってございまして、この中では、教育研究の質の高度化に向けた取組というのが社会全体から理解が得られなくなってしまうというところがあるので、まず、適切な情報発信というところが非常に重要であるという文脈で書かれているというところが1つあったのと、加えて、こういったデータを発信していくということであれば、学生、進学を希望する方々にとって有用な形で活用されるようにしていくことが必要であるということも答申の中では書かれているというところでございますので、そういったところをこの案をつくった段階では念頭に置きながら、一旦、おまとめさせていただいたということでございます。本日の意見も踏まえて、また整理をしたいと思ってございます。
あと、田中委員から、卒業後の年収について掲載をするかどうかというところを御質問いただいていたかと思ってございますけれども、現時点におきましては、収入の地域間の格差をどのように考えていくのかということもございますし、また、実態面からしましても、データをどのように把握できるのか、各大学でも、卒業者に対するアンケート調査等を実施しているところもあれば、そうではないところもあると思いますし、その回答の状況でありますとか把握の単位というところも様々かなというふうに思ってございますので。
そうした中で、現時点で、卒業後の収入というところを掲載していくというところはなかなか難しい面もあるのではないかなというふうに考えてございます。
また、ここもこういった形でどういった項目を入れるかというところは、伊藤部会長も御指摘いただいたように、どういった考え方で公表をしていくのかというところの議論とも関連するかと思いますので、また、引き続きよく検討させていただければと思ってございます。
一旦、以上でございます。
【伊藤部会長】 最初の小林委員の様々などのような事業を獲得しているかが分かりにくいというのは、私もそうなんだと少し驚いたところでありますが、その辺はいかがですか。
【寺坂高等教育政策室長】 現時点でそこを入れるかどうかというところまで検討が至っていないというところが現状ではございますけれども、事業自体も、例えば、個人、研究者に対して研究支援をしていくというようなものもあれば、機関に対して支援をしていくというような様々な事業もございますので、どういったところまでをまとめて出せるのかというところでございますとか、あとは、支援機関も様々ある中で、どこまでの形で更新をかけていくのかですとか、そういったところももし掲載するとなれば検討が必要かなと思っておりますので、またそこも改めまして、どういった形でできるかどうかも含めて検討させていただきたいと思います。
【伊藤部会長】 どうぞ。
【石橋大学振興課長】 大学振興課長の石橋です。補足でございます。
実は昨年度まで、私のほうでこのプラットフォームの関係は少し整理させていただいておりまして、今年度から寺坂室長のほうにお渡ししたという経緯もありまして、これまで私たちの整理の中の議論を少しお伝えできればというふうに思っております。
伊藤部会長がおっしゃってくださったように、質向上という観点は非常に重要ということでございまして、そのときに、質向上していくときに何が必要かということで、社会に対して大学というものがしっかりと教育研究そして社会貢献しているということをどう発信していくかというところと、それがフィードバックされて更に質向上につながると、そういうサイクルかなというふうに思っております。
そのときに、ここでは学修者それから高校生という言葉が出てきておりますけれども、社会のステークホルダーの大きなところでございますので、その方々にとってどういうデータが有用かというところはずっと議論をしてきたところで、それが公的なプラットフォームであるということが、データの信憑性というか、そのデータが正しいものであるということを保証できるのではないかなというふうに思っております。
一方で、どうそれを世の中に表し伝えていくのかというところに関しまして、先生方御案内のとおり、多くの民間の企業が非常に分かりやすいサイトを運営してくださっておりますので、そこは協力体制を、協働ですね、協働、協力をしていくということが重要かなというふうに思っておりますので。公表していくデータの信憑性、それから何を公表すべきかということを、また引き続き、先生方の今日の御議論も踏まえて整理させていただければと思っております。
以上でございます。
【伊藤部会長】 そうですね。大学の場合は、20年後振り返ってみて、この大学に行ってよかったと思えることが結構重要なことで、実際に受けている授業が楽だったらよかったというのだと困るわけであるので、その辺のとこのバランスというのが非常に重要なところで。
そこら辺のところも、サービス向上と今おっしゃいましたけれども、そのサービスというのが、結局我々サービス業ではないので、そこのところが一番の、20年後、あの大学行ってよかった、あの大学に行けばよかった、こういうことも勉強すればよかったと、結局、その人の人生の幸せにつながっているかどうかというのが本当の評価になるので、その辺のところをどう表していくかということが本当の意味での大学の質向上につながるので、厳しくすればするほど、そのときの評価は下がる可能性もあります。そこら辺のバランスをどういうふうに考えていくかというのが結構重要なんじゃないかなというふうに思います。
ほかにはよろしいでしょうか。ありがとうございました。田中さん、どうぞ。
【田中委員】 先ほどの教育の質の向上という観点から、データをどこまでいただけるのかという点について御質問したいと思います。
例えば、各大学のIRer(インスティトゥーショナル・リサーチャー)であったり、あるいは高等教育論の研究者であったりが、ローデータをくれとは言いませんけれども、エクセルなどでまとめられた一括したデータをいただくことが可能なのかどうか。また、可能であれば、学生もデータをいただければ望ましいと思われます。サイトに掲載されているデータだけでは学生は深い調査ができませんので、それらの点についてどのようにお考えか、御質問したいと思います。
【寺坂高等教育政策室長】 ありがとうございます。本日も、APIの活用等によってデータをどういった形で利用できるようにしていくかということの重要性も御指摘をいただきましたので、現時点でどこまで、データの公表する項目によって出せるデータ、出せないデータというところも出てくる可能性もございますので、その全体の中で整理をしながら、どういった形で外向けにデータ公表できるのかというようなところも併せて検討していきたいと思ってございます。ありがとうございます。
【伊藤部会長】 よろしいでしょうか。本日予定した議題は以上となります。
最後に、次回の開催日程について、事務局からよろしくお願いします。
【平尾高等教育企画課課長補佐】 本日は御活発な議論いただきまして、誠にありがとうございました。
次回の部会の日程につきましては、また後日お知らせいたします。本日、御発言できなかった内容等ございましたら、事務局まで御連絡ください。
以上です。
【伊藤部会長】 以上をもちまして、閉会といたします。本日はどうもありがとうございました。
―― 了 ――