質向上・質保証システム部会(第6回)議事録

1.日時

令和7年11月18日(火曜日)14時00分~16時00分

2.場所

WEB会議

3.議題

  1. 専門的な職業人材・技術者の養成を担う高等教育機関の質向上・質保証について
  2. 大学通信教育について
  3. 学部・研究科の連続性に配慮した教育課程編成の促進について
  4. その他

4.出席者

委員

(部会長)伊藤公平部会長
(副部会長)森朋子副部会長
(臨時委員)浅田 尚紀、太田 寛行、大野 博之、小林 浩、田中 正弘、濱中 淳子、林 隆之、平子 裕志、松居 辰則、松浦 良充、松尾 太加志、松下 佳代の各委員

文部科学省

(事務局)合田高等教育局長、小林私学部長、先﨑大臣官房審議官、安井高等教育企画課長、石橋大学振興課長、佐藤高等教育局参事官(国際担当)、中安生涯学習推進課長、寺坂高等教育政策室長、鈴木大学設置・評価室長、遠藤専門職大学院室長、米原専修学校教育振興室長、花田高等教育企画課課長補佐、太田高等教育政策室室長補佐ほか

5.議事録

【伊藤部会長】  所定の時刻になりましたので、第6回質向上・質保証システム部会を開催いたします。
 本日も対面とウェブのハイブリッドで開催をいたします。では、ライブ配信で公開しますが、その準備はよろしいでしょうか。では、ただいまからライブ配信開始ということで、公開ということで、事務局から連絡事項をお願いいたします。
【花田高等教育企画課課長補佐】  失礼します。本日は、会議を円滑に行う観点から、御発言の際は挙手のボタンを押していただき、御指名されましたらお名前をおっしゃってから御発言ください。また、御発言の後は、再度挙手のボタンを押して表示を消していただきますようお願いします。
 本日の会議資料は、事前にメールでお送りしているとおりでございますが、会場のiPadにも本日の会議資料をチャットにてURLをお送りしてございますので、併せて御活用ください。
 以上でございます。
【伊藤部会長】  では、議事に入ります。まずは、議題1、専門的な職業人材・技術者の養成を担う高等教育機関の質向上・質保証についてです。
 本日は関係団体からヒアリングをさせていただきます。各団体の皆様におかれましては、まずは、御多忙中にもかかわらず御足労いただき、ありがとうございました。各団体におかれましては、各機関における最低限守るべき質保証と資質向上に関わる取組について区別して御説明いただけますと幸いです。
 まず最初は、専門職大学コンソーシアム、北畑会長から御発表をお願いいたします。
【北畑会長】  専門職大学コンソーシアム会長の北畑でございます。本日は説明の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 資料の1-1を御覧ください。専門職大学は、平成28年の中央教育審議会答申に基づき創設された新しい大学制度で、現在24の大学があります。その特色は、成長分野での人材育成、実践的教育研究、就職に強い大学、この3点でございます。
 情報通信、観光、健康ヘルスケアなどの成長分野は、高度人材が大量に不足しており、既存の大学による人材育成だけでは十分とは言えません。また、専門職大学は、スタートアップ、ファッション、クールジャパン、コンテンツといった新たな成長分野にも積極的に学部・学科を設置し、実践的な人材育成に取り組んでおります。
 専門職大学の特徴は、教育研究の手法が実践的教育であるということであります。具体的には、少人数クラス、実務家教員、長期の企業内実習が制度化されております。授業は原則40人以下の少人数クラスであり、学生数に比較して教員の数が多く、親身に指導する体制になっております。大教室での一方的な講義ではなく、質疑応答が中心であり、演習・実習と密接に連携し、学生一人一人に伴走する双方向型の授業が中心であり、これは学修効果の向上につながっております。
 2ページを御覧ください。専門職大学は、教員の40%以上が企業などで勤務経験のある実務家教員であります。学生にとっては、産業界の最新の動向を踏まえた産業の実態や課題を知り、現場での体験を踏まえたリアルな授業を受けることで、明確な職業意識を持って勉学に取り組むきっかけとなっております。
 最大の特徴は、4年間で600時間以上の企業内実習が教育課程の必修科目として設定されていることであります。既存の大学でもインターンシップを導入する大学はありますが、その大半が2週間未満で、専門大学の600時間という臨地実務実習とは量的にも質的にも圧倒的な差があります。早い段階でこのような経験をすることで、学生は自分の適性や能力を自覚し、明確な職業選びをすることで、卒業後の不本意な転職の防止につながります。
 一般的に多くの大学生は、研究活動そのものよりは、将来の仕事に役立つ専門的知識や技術を修得したいという希望があります。専門職大学の強みは、学びと職業の接続が明確であり、学生が即戦力として評価される教育の仕組みを有している点にあります。具体的には、先ほど申し上げました3点の実践的教育の特色のほか、教育課程連携協議会を設置して、産業界なども含めた外部有識者の意見を取り入れながら、教育内容の充実と改善に取り組んでいること、臨地実務実習を通じて常に企業のニーズを把握していることが就職に強い大学となっている理由かと思います。
 3ページを御覧ください。部会では、大学教育研究全体の質向上を目指して、大学の教育力や学生の成長度合いを評価する指標づくりに取り組んでおられると聞いております。大学の多様性や独自性に配慮しながら、公平で適切な仕組みづくりに取り組んでおられることに敬意を表します。
 専門職大学は教育の質保証と質の向上を図るため、大学自らが教育目標や学修成果を検証する自己点検・評価を実施し、PDCAサイクルに基づいて課題の把握と組織的な改善を継続的、循環的に進めております。新たな認証評価制度は、専門職大学がPDCAサイクルに基づいて教育の質保証と質の向上を図る上で極めて重要な役割を果たすものと考えております。
 専門職大学がその特色である実践的教育により学生を大きく成長させ、不断の改善と質の向上を図っていること、その教育力は積極的に評価されるべきものと考えます。新たな指標づくりが専門職大学の特色を踏まえた公平で納得感のあるものになることを心より期待いたします。
 以上でございます。
【伊藤部会長】  どうもありがとうございました。まとめて最後に、御発表をあと3名の方にしていただいた後、質疑応答をしたいと思います。
 次は、日本私立短期大学協会、麻生会長から御発表お願いいたします。
【麻生会長】  ありがとうございます。本日は発言させていただく機会をいただきまして、感謝申し上げます。私は日本私立短期大学協会の会長の麻生隆史と申します。
 それでは、資料1-2を御覧になって、1枚めくっていただければと思います。ページ数2と書いてあるところですが、私立短期大学における現状をまずお知りおきいただきたいと思いまして用意いたしました。1番目に、大都市以外の中小都市に多く短期大学は設置しているということでございます。2番目は、自県内の入学就職率が高いというのが特色でございます。ここは4年制大学と大きく違っているところでございます。それから3番目、就職率が高く、6割以上の学生が国家資格・免許を有する専門職者として社会で活躍しております。このグラフを見ていただきますと、特に専門的・技術的職業従事者が61.2%ということが見て分かると思います。その中で、特に幼稚園教諭、保育士、栄養士、その他看護人材、介護人材等も含めて社会に貢献しているということになります。よって、教育による地方貢献を通して地域振興に寄与して、全ての国民に高等教育を受けることができる場を提供していると考えております。
 それでは、3ページを御覧ください。私立短期大学の質の保証並びに向上についてでございます。まず、大前提としまして、文部科学大臣による大臣所轄大学ですので、設置認可を受けております。専門教育のみならず、教養教育も重視した教育内容となっており、また、設備等に関しましても図書館や体育施設も充実した環境でありまして、ゼミナールやサークル活動も活発に行われております。
 そのほかに、設置認可の後にアフターケアがありますが、その後、今議論していらっしゃる最中とは思いますが、学校教育法109条で定められています認証評価を当初から受審をしております。これは機関別認証評価ですので、7年に1回となります。
 最後に、先ほど申しましたように国家資格・免許をたくさん取るという観点から、国家資格・免許を出している機関からの様々なチェックが入ります。この部分が60%を超えているということは、例えば教育職員免許法や保育士養成施設等の関係で様々なチェックが定期的に行われているということが現状でございます。
 それでは、4ページを御覧ください。これは具体的な取組を挙げております。まず、第1点目は、4ページの最初ですが、短期大学間の相互評価を実施しております。これについては、具体的な内容については、大学・短期大学基準協会がそのデータを公表しておりますが、自主的な外部評価とピアレビューの重要性により、また、分野等を考慮したペアリングなどによって相互の外部評価を行っております。
 2番目は、複数短期大学によるプラットフォームの取組です。近隣に所在する複数の短期大学が保有する教育資源を活用して、地域社会やニーズに対応した柔軟な教育課程等をそれぞれの大学で構築し、教育の質向上、学生募集の拡充、経営の効率化を推進するという取組です。
 最後のページでございます。5ページ目、県内の短期大学がアセスメントテストを共同実施しております。これは、ここに書いてあるとおり、同一分野のものがお互いにアセスメントチェックをしているということでございます。2番目、企業の採用担当者等を招聘したフォーラムを実施しております。最後に、実習先機関との連携により教育内容の充実を図っております。
 このようなことを多く実施することによって教育の質を担保していると考えておりますことを皆様方にお示ししたいと思います。
 以上で短期大学の説明とさせていただきます。ありがとうございます。
【伊藤部会長】  どうもありがとうございました。続きまして、国立高等専門学校機構、谷口理事長から御発表をお願いいたします。
【谷口理事長】  説明の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 1-3を見てください。その2ページ目で簡単に御説明させていただきます。私は国立の高等専門学校で、北海道から沖縄まで51ございます。キャンパスは55あるのですけれども。そのほかに私立が4つ、公立が3つ、合わせてプラス7あって、高専と名のつくのは日本には全部で58ございますということで、今、高専は国立が数の上でメインですので、国立の高専について御説明させていただきます。
 高専というのは、日本の普通の学校の制度の複線型だと御理解いただいたらいいと思います。中学校を出た高校生になる年代から入学しますが、高等教育機関という位置づけになっています。ですから、大学と同じような取扱いというふうに御理解いただいたらいいと思います。15歳から5年一貫で教育をさせていただくということがありますから、言わば大学入学試験の入試の勉強をする時間が本当に教育に使えるということがあります。私どもは、高専5年間で普通の大学の4年の工学部を出たぐらいの力はつけるよという目標で、全部で5年間やりますけれども、中学校段階ですから、高校の初期の段階から大学の卒業の段階ぐらいまでのレベルをぎゅっと5年間で詰め込んで教育をさせていただいて、それぐらいの力を持った人を卒業させます。
 さらに2年間の専攻科がありまして、専攻科を出ると、言わば大学院を卒業したぐらいの力をつけるよという、そういう目標の中でしっかりと頑張らせていただいているということがございます。
 産業界とも連携を非常に密にやりまして、いろいろな時代の要請、産業構造の変化、そういうものにも対応できるような、高等教育機関として高度な専門知識を与える。それから、昔、六十数年前に高校がひとクラス55人ぐらいのときに高専は40人でつくったということもありまして、一人一人を大事に育てますよ、一人一人の特性を見て大事に育てますよというのも一つの特徴にさせていただいて、いろいろなキャリアパスが当然あります。必要に応じて、高専を出て、年齢に合うような大学に3年次編入もできますし、専攻科を出たら大学院にも編入できますし、いろいろな形で年齢に合った対応が全部できるようになっているということがあります。
 専門教育をメインにしてきましたから、もしかしたら一般教養は若干少なかったところがあるのですけれども、最近はアントレプレナーシップなども育てないといけないということもありまして、専門教育以外にちゃんとした語学とか一般教養についてもしっかりやらせていただいて、アートの部分もしっかりやらせていただいています。そして、学生は地域のために、あるいは日本の将来のために頑張れるような、また産業界で活躍できるように、もし必要な産業がなかったら自分で創るんだよという、そういう教育の仕方をさせていただいています。
 今、幸いなことに海外で高専をつくるという話が非常に盛んになりまして、ちょっと前のTICADなんかでも、今度アフリカにつくる。もうアフリカのエジプトはつくりましたけれども、そういうような形になって国際的にもKOSENというのが広がりつつある。ということは、きちんと教育の質保証をしないといけないということがありまして、インターナショナルスタンダードをしっかりとつくらせていただいて、それにしっかり通るような内容にまで質保証も含めてやらせていただいているということがあります。
 地域の発展にも貢献します、そして世界につながりますよということで、外国に行ったら、病気になったら病院のお医者さんにお世話になるでしょうという話をして、社会だって、人が困ったら困るし、社会が発展しなかったら困るでしょう。だから、KOSENは、社会の発展、人を幸せにするような社会のお医者さんをつくっていると思ってください、その代わりちょっと厳しいところもありますよと、そういうことで御理解をいただきたい。そうすると、うちの子をきちんと教育して欲しいと言われるようになる。タイで高専をつくったときには、学生は100倍の競争率で入ってきました。ハンダづけを教えたら、「うちの子に何てことをやらせるんだ」というような話もありましたけれども、ハンダづけが分からない人に回路の設計なんかをされても、そのような人の言うことは現場の方々はみんな聞かないと。そういう形で育てていますよということを御理解いただければと思います。あとたくさん書いていますけれども、そういう基本的なところを御理解いただければ、高専というのはちょっと特徴のある学校かなというふうに御理解いただけるかと思います。
 以上です。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。続きまして、全国専修学校各種学校総連合会、原田事務局長から御発表をお願いいたします。
【原田事務局長】  全国専修学校各種学校総連合会事務局長の原田と申します。本日はこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、私のほうから、資料1-4ということで資料を御用意させていただきました。18ページ物の資料となります。ページ数が多い割に、目新しいお話が特段あるわけではありませんが、今回専門学校の特徴とボリューム感のようなものが整理できましたので、短い時間の中でお伝えできればなと考えております。
 では、表紙をおめくりいただいて、表紙の目次の部分を御覧ください。概要、実績、調査・研究、今後に向けてというところでまとめてございます。
 まず、1ページ目に入ります。専門学校の制度の概要というところです。法律や設置基準、各認定において職業教育の実践性が重視された制度設計になっています。専門学校は専修学校制度の1課程であり、設置基準上で年間800単位時間以上が必要とされています。専門学校は来年度から学校教育法の改正で単位制に移行することになっておりますが、多くの学校は必修科目が多いことと、指定養成施設の指定を受けていることを考えると、来年度以降も実態として800時間以上が確保されることになるでしょう。また、単位計算方法につきましては、大学は15から45時間の間でフレキシブルに単位を付与できる仕組みになっておりますけれども、専門学校は、実習系のものに関しては必ず30時間以上やらなければいけない、つまり、実践性を保つために制度の縛りがあります。ただ、その縛りによって、実践的な能力を培うカリキュラムが編成をされ、それが例えば職業実践専門課程といった職業教育を重視した制度設計を通じていろいろな振興が図られているところでございます。
 続きまして、2ページ目に入ります。専修学校の8分野です。既に御覧になっている方も多いと思いますけれども、専修学校は8分野ありまして、専門的な知識・技能、国家資格を含めた多様な資格取得が可能となっております。その1例をここに掲載をさせてございます。国家資格はもちろんですが、専門学校の特徴として、民間の検定試験なども使って少しずつ成功体験を積ませて学生のレベルを引き上げていくという、きめ細かい取組がなされております。主に2年から3年といった大学と比べて修業年限が短い中でしっかりとレベルを引き上げるための教育が行われているところでございます。
 4ページ目、こちらは、学校数、生徒数、卒業者数というところで、大体56万人の学生数がいて、年間22万人近くの学生が世に輩出をされているというところでございます。
 続きまして、5ページ目、「実績」で見る専門学校ということで、受入れと送り出しの部分です。高等教育機関の進学率といたしましては、現在4人に1人が専門学校に進学をしており、進学先として定着していることがわかります。
 6ページ目を御覧ください。これは都道府県の高校生の進学率というところで、かなりの割合で専門学校への進学率が多いというところです。
 7ページ目、社会人と留学生の受入れにつきましては、多くの社会人・留学生の受入れで学び直しや教育の国際化に寄与しています。
 8ページ目、ここは、地域への貢献度というところです。都道府県認可の学校ということで地元の期待が高く、地方の教育資源としての特性が強いというところがございます。学生の在籍率が高いこと、また、地元への就職率につきましては、大学は約4割なのに対して、専門学校は7割近くが地元に就職して貢献をしているというところです。つまり、地域行政が支援をすれば、ちゃんと地元に残って納税というかたちで果実を受け取れるという仕組みになっています。
 続きまして、10ページ目を御覧ください。国家資格の部分です。専門学校は30以上の指定養成施設となっておりますけれども、当然国家資格であれば、合格者が社会に技術者として輩出されているというところです。今回お示ししたのは1例でございますけれども、厚生労働省の6年度の国家資格の合格者の中でかなりの割合を専門学校生が担っているというところです。専門学校がなくなってしまうと、地域、また、各分野の人材供給に支障が出ると考えておりまして、各学校はその責任の下、人材供給に努めているというところでございます。
 11ページ目は分野別の就職状況でございますので、御覧いただければと思います。
 12ページから15ページ目につきましては、「調査・研究」で見る専門学校というところで、委託事業を含め様々な形で調査・研究が行われており、統計実績では計り知れない専門学校の教育の実態が明らかになっておりますので、御覧をいただければと思います。専門学校生が学校で学んだことが本当に社会に出てすぐに役に立つとか、最初の3年目ぐらいまでの間に即戦力となっているという実態がこちらのほうで見てとれると思いますので、ぜひ御覧いただければなと思います。
 飛びまして、最後の18ページ目でございます。専門学校の今後の質保証に向けてというところで、共通認識と2つの柱と。共通認識というのは、全ての学校は、学生のために教育の質保証、健全な学校運営に取り組んでいるということが本質であるというところです。
 また、質保証につきましては、制度、決められたことに対してしっかり対応していくということと、自主的な取組をとにかく進めていくと。学教法が8年度から施行になりますので、その中で質保証の関係で大学と同等の項目での自己点検評価の義務化、外部評価の努力義務化が入ってきますので、そちらにつきましても実態を伴ったものとしてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 また、職業実践専門課程につきましては、高等教育における職業教育の在り方を制度的に可視化した初めての制度、それが専門学校の中で出来たと考えておりますので、この仕組みをより実質化させるための取組を進めるとともに、振興できるように、国のほうとも協力をして進めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 私の説明は以上となります。御清聴ありがとうございました。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。それぞれの関係団体の皆様が丁寧な資料を作成していただき、ありがとうございました。すみません、先ほど谷口理事長の発表を途中で切ってしまったような感じですけれども、7ページ目や9ページ目に質保証のことを少し書いていただいているので、そこのところだけ、せっかくの機会ですので。例えばモデルコアカリキュラムによる質保証及び国際標準による質保証という9ページ目、恐らくそこがお話しされたかったのかなと思って、恐縮でございますけれども、お願いできますか。
【谷口理事長】  高等教育ですから、学習指導要領というのは細かいところは決められていない。だけども、さっき申し上げたように、中学校を卒業した人が来ますから、高校生の段階で来ますから、やっぱりきちんとした教育内容にしていないといけないということがあって、我々としては、モデルコアカリキュラムという形で、これだけはきちんと教えないといけないよという基本のところはきちんと決めさせていただいています。そして、学生が理解できるだけじゃなくて、その学生が説明できるように教えないと駄目ですよと、そういう形で教育の基本のところ、基礎から応用のところに当たるところはきちんと教えるのですよという、そういう質保証をしっかりとつけて、きちんと説明できないと駄目で、試験ができただけじゃ駄目ですよという、そういう質保証の仕方をさせていただいています。
 それを外国にも適用させていただいて、外国でKOSENという名前を使うなら、この水準ですよというような形を取らせていただいています。高専は就職が非常にいいですから、そういう意味では外国が今、アジアの国をはじめとして、アフリカの国々が高専のようなものをつくりたいと言われるということがあって、中身まできちんと我々も一緒になって見ますよという形を取らせています。高校レベルは当然だけども、大学の専門課程の卒業ぐらいのレベルまではきちんと教えますよということを説明しながら、結構、だから、詰め込みという形になるところもあるけれども、実験とか実習とかを3割から4割入れさせていただいて、物が作れる、触って何かができる、そこまで質保証をしますよという形を取らせていただいています。外国の場合には座学で教えるのはやるけれども、実験とか実習とかは避けようとする傾向がありますから、それは駄目ですよという話をさせていただいているというところです。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。では、30分ほど時間を取りまして、委員の皆様からの御意見や質問を受けたいと思います。どなたからでも結構ですので、挙手ボタンでお願いいたします。
 林委員、お願いします。
【林委員】  皆様方、御説明ありがとうございました。それぞれの機関の御説明を非常に興味深くお聞きしました。
 私のほうからは、日本私立短期大学協会様のほうに御質問をさせていただきたいと思います。非常に興味深くお聞きしたのが、短期大学相互評価を実施しているということと、それからアセスメントテストを共同実施しているというところを、非常に重要な取組かなと思ってお聞きしていました。特にまず相互評価のところは、大学のほうも大学基準協会のほうが昔からそういう相互評価という理念でやっていたと認識していますが、やはり海外等を見ても同種の大学が共に相互に評価をし合うというのが一番教育の質を高めるためにはいい取組ということでやっているところもあると理解しています。
 まず、お聞きしたいのは、この取組を基準協会に加盟されている短大が全部やっていらっしゃるのかということと、同じようにアセスメントテストも、どの程度これが、何大学が参加してとか、どの程度行われているのかということを少し具体的に御説明いただければと思います。お願いします。
【麻生会長】  御質問いただきまして、ありがとうございました。
 まず、最初の相互評価につきましては、認証評価義務化前は大体、50組100校ぐらいがやっておりました。それから、認証評価が義務化後は92組184校で、これは累計になります。例えば工業系の短期大学で新潟工業短期大学と中日本自動車短期大学等、それから愛知文教女子短期大学と聖母短期大学等、同じような分野のところで認証ができる前からそういったものを基盤としてやっておりました。これが相互評価でございます。なお、その評価の結果については、各学校のホームページ、それから大学・短期大学基準協会において公表しております。
 2番目のアセスメントテストなんですが、これは大野委員が関わっておられまして、埼玉県私立短期大学協会で取り組んでいらっしゃいます。これは保育に関するアセスメントテストで、実際は令和7年から実施をしております。私が直接確認したわけじゃありませんが、埼玉県の保育系の7校のうち、そのうちの6校が実施していると聞いております。まだこれは始まったばかりでございますので、その成果については、この取組がどのようになっているかというアセスメントの結果については詳しくありませんので、できましたら大野先生に聞いていただくのがいいかと思います。それとともに、栄養士・調理系は今後、全国規模で実施するという話も聞いております。
 大野先生、もしよろしかったらお願いいたします。
【大野委員】  ありがとうございます。埼玉県では、かねてより保育分野について定量的に学生の学修成果を測る仕組みがありませんでした。栄養士には実力認定試験というのがありまして、管理栄養士の国試に準ずるといいますか、先生方が集まって全国的にそういう試験を実施しています。それぞれ質の高い教育を展開していると自負している短期大学ですが、定量的なものがないのでやろうということで、議論を経て今年の総会で承認されて今年度実施ということです。
 11校あるうちの7校が保育分野ということですが、各短期大学が一番心配したのは、結果の公表です。結果を公表するということは入れ込んでいるんですけれども、どういう形で公表するのかというのは、直接いろいろな影響があるものですから、それぞれ疑問を持っている短期大学もいらっしゃいます。しかしいろいろな分野について、どこの分野が強いのか、どこの分野にどうてこ入れをしていく必要があるのか、そういったことを不断にチェックしていくことによって質向上につながっていくと考えて導入しました。
 以上です。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。では、松浦委員、よろしくお願いします。
【松浦委員】  ありがとうございます。各団体様から、日頃私などは不勉強だったことがよく理解できまして、ありがとうございます。私からは専門学校について伺いたいことがございます。
 最初の1ページ目のところに単位制への移行ということが書かれております。単位制に移行することの意図といいますか趣旨が何なのかということをひとつ教えていただきたいです。
 それから、専門学校のみ単位制、年間31単位以上ということで、その上で専門士、高度専門士はそれぞれ2年以上、4年以上ということでいくと、いわゆる大学・短期大学の124ということを意識されているのかなと思うのですけれども、この場合、このいわゆる1単位は、大学の場合は今単位の実質化ということで、教室内の学修時間と教室外の学修時間ということで両方で設定されているわけですけれども、その辺りのところは大学と同じような計算方法というか設定方法でお考えになっているのか、単位制のことについて伺えればと思います。よろしくお願いします。
【原田事務局長】  ありがとうございます。まず、単位制に関しては、もともと専門学校は授業時数制で、単位制も選べる制度設計になっていたんですけれども、8年度から学校教育法の改正ということで、専門学校だけが完全に単位制になります。今回の法改正の意図として大学との制度的整合性を図る措置というところも含めまして、高等教育としてふさわしい制度の形にしていただいたと理解をしております。専門学校は授業時数制でしたが、もちろん大学、ほかの高等教育機関含めて単位制ということになっておりますので、そこに合わせるというところになりました。
 それで今回、授業時数制から単位制にするにあたり考え方を転換するというところで、授業時数制というのは、言ってみれば履修主義、何時間やればオーケーだよというところと、単位制というのは修得主義ということで、つまり、何ができるようになって単位を与えますよというところで、修了の考え方そのものが変わったということになろうかなと思います。
 ただ、実は専門学校は、先ほど御紹介したとおり、検定試験の合格、国家資格の合格、就職、就職後の活躍というところで学修成果に関してはちゃんと出してきたという実績がございますので、そこに制度が追いついたというか、ぴったりはまるような形で8年度から改正をしていただいたというところです。つまり、実態は変わらず、修了の考え方が変わったというところが言えるかなと思います。
 それで、単位の計算方法なんですけれども、先ほどお話を触れたとおり、45時間が基本的には単位の換算になります。ただ、令和4年の設置基準の改正で大学は15から45時間の間で割とフレキシブルに出せるという形になっていますが、そのときにも専修学校の設置基準をどうするかというお話があったんですが、そのとき変えませんでした。それはなぜかというと、やっぱり実践的な職業教育ということを考えたときに、実習部分に関しては、多少厳しくとも30時間、一定のボリュームは必ずやらなければいけない、たたき込む時間というのは必ず確保しようというところで変えなかったというところが大学とは少し違うところになろうかなと思います。
 それで、称号のところにつきましてもお話が出ましたけれども、ここについても、御理解いただいているとおり、ほかの高等教育機関と同じように31単位というのがベースで、かける修業年限というところになっています。2年制の専門士は、62単位以上の専門学校に関しては今まで認定という形だったんですけれども、8年度からは学士同様に卒業と同時に出していただける形になりました。高度専門士も学士同様に124単位ということになっております。今回の改正で大きいなと思ったのは、高等専門士に関しては大学院入学資格の付与されたところでないと出ないという形になりました。今まで実は高度専門士と大学院入学資格は別々の認定制度となっていました。ただ、それが一体になることによって、称号の付与と課程修了の考え方が分かりやすくなったということと、出口についての通路が一つになったというところで、非常に見える化をしていただいたというところと、レベルがはっきりしたというところになろうかなと思います。
 ここにちょっと書かせていただいたんですけれども、大学改革支援・学位授与機構が日本の教育資格の枠組みというところをちゃんと整理をいただいて、専門士は短期大学士、準学士と同様に、高度専門士は大学と同じレベルに設定していただきましたので、先ほど申し上げましたけれども、称号が法律的に認められた以上、実質化に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
【松浦委員】  ありがとうございました。
【伊藤部会長】  松居委員、お願いいたします。
【松居委員】  どうもありがとうございました。高等専門学校について少し教えていただきたいのですが、私は前任の大学でも高専出身の編入学生とか、専攻科からの大学院の進学の非常に優秀な学生諸君と一緒に研究させていただいた経験があって、非常に優れた教育をされておられるということを実感している一方で、今、私どもは、社会人といいますか通信教育課程を持っていまして、そこにやはり過去高専を出ましたという方がいらっしゃるのですが、実はその逆の方々も結構多くて、かなり高専の規模は大きいですので、かなり学生諸君の基礎学力というかそういった志向性に関しても相当バンド幅があるのではないかと思うのですが、そういったものをどういうふうにしてある一定程度のレベルに引き上げていかれるのかという教育システム、この質保証につながる教育システムなんかはどんなふうな工夫をされているのか、その実態にすごく興味を持ったところです。
【谷口理事長】  ありがとうございます。できる子はほっておいても全然問題ない。1割の、下と言うとおかしいですけれども、十分な理解ができていない子たちにどうやってやる気を起こさせてという課題があります。残念ながら入学時点で十分な教育ができていないような場合もあるんですね。でも、そういう子を入れた以上はやっぱり責任がありますから、その子たちはかなり補習といいますか、時間外に単位とか全く関係ないところで、先生方がかなり頑張ってくれます。先生方だけではとてもできないから、上の学年の学生も一緒になってやってという、そういうシステムを必ずつくります。そうしないと、あるレベルまで上がってこないと、数学とかができなかったら、それ以上のことはできません、残念ながら。ですから、いわゆる学力が足りない子についてはかなりエネルギーを使います。入れた以上は責任があるんだからって、それをかなりやらせていただきます。そうしない限り、高専の学びになかなかついていけない。
 それでも、やっぱりスピードが速いですから、5年で言わば7年分ぐらいの内容をやってしまいますから、その分がちょっとついてこられない子がやっぱり時々、ゼロではなく出てしまうということがあります。ほかの分野に進路変更する方もいらっしゃるし、いろいろなことに対して、全部ケアをするという形を取らせていただきながら、ちゃんと責任を持つという形をとっています。かなりそこの部分は大変で、それは昔に比べて大変さが増えてきたなというのはある。だけども、頑張るしかないと思ってやらせていただいています。
【松居委員】  目に見えない努力がたくさんあるのだなということがよく分かりました。ありがとうございます。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。では、大野委員、お願いいたします。
【大野委員】  ありがとうございます。全専各連の方にお伺いしたいと思います。説明ありがとうございました。
 2つあるんですけれども、最終ページの改正学教法への対応のところでございます。そこで2つですけれども、まず、1つ目は、3番目の丸ですけれども、自己点検評価の義務化、そして俗に言う第三者評価の努力義務化ということで道が開かれたわけですが、この努力義務化を義務化にするステップといいますか、タイムラインといいますか、どのようにお考えになっているかというのを、連合会としてのお考えを聞かせていただければありがたいというのが1点です。
 もう1点、関連するようですけれども、最後の丸のところで、制度改正が8年度から施行されるわけですけれども、改正の理念を理解し、実態を伴う対応していく、これはある意味でいうとマストだと思いますが、努力義務の間、質的なものをどう担保するというふうにお考えなのか教えていただきたいと思います。
 以上です。
【原田事務局長】  御質問ありがとうございます。お話があったとおりで、8年度から専門学校も第三者評価が努力義務化という形で導入をされます。これは団体としては前向きに捉えています。今まで学校関係者評価が努力義務化だったんですけれども、高等教育機関ということで第三者評価が努力義務化になったというところです。今、努力義務化から義務化になるというところのお話なんですけれども、これについてはもう既に国のほうで示されたものがありまして、専門学校は約3,000校近くありますので、それがいきなり全部義務化というのはなかなか現実的なお話ではない。
 ただ、大学と同等の制度的効果が発生しているような課程を持っている学校については義務化をしていくという方向が出されております。先ほど制度のお話の中で認定制度のお話がありましたけれども、外国人留学生キャリア形成促進プログラムという認定を受けている学校が今、大体二百数十校あるんですけれども、そこは卒業後に大学と同じように技術・人文知識・国際業務の就労のときの就職分野に関して柔軟運用されているというところの効果が得られています。
 また、先ほど申し上げた高等専門士、つまり、大学院入学資格が取れる課程については、今300校程度ありますけれども、それに関しては義務化をしなければいけないというところで、義務化されるところは実はもう決まっているというところです。ですので、3,000校とまでは言いませんけれども、五、六百校に義務化がされますので、ちゃんとそこはやっていただくような形で環境整備をしていかなければいけないというところです。
 専門学校の今回の第三者評価につきましては、大学の認証評価と違う形になっています。一定の要件を満たした評価者の方であれば、外部評価者としてやっていただけるというところです。ただ、そのときにまず大事なことというのは、今回、専門学校が10年ぶりに学校評価のガイドラインが改正されました。それは、専門学校の教育内容がよりフォーカスされるような点検項目に焦点化したものになっています。まず大事なことは第三者評価も大事なんですけれども、大学と同等の項目での自己点検評価の報告書を学校のほうでしっかりとつくっていただくというところが大事になろうかなと思います。
 その自己点検評価を見る評価者の選定に対しては、学校のほうで慎重かつ厳重に行っていただくということになろうかと思います。幅広い方々が評価者になれるということはありますが、なるべく評価の知見を持った方、その分野に精通した方、そういった方を学校側で選んでいただいて、自己点検評価をちゃんと見ていただくということになろうかなと思います。
 今後、質という部分については、正直、始めてみないと分からないところがあります。ただ、今回の第三者評価が入ったことによって、専門学校の質保証のトータルシステムが出来たと考えます。認可、認定制度、第三者評価というのが一応制度として一連の流れとして出来たというところになりますので、この第三者評価をより実質化させるためには、学校側がしっかりと自己点検評価をつくって、評価者を選んで、その結果を地域行政の方にも見ていただく、一般公開するというところもありますので、そこでの評価に対する評価をちゃんと受け止めて、より質の高い評価ができるような環境を整えていきたいと考えております。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。今4名の方々が挙手されていますので、4名の方々に続けて質問していただいて、まとめて後でお答えいただくということでよろしいでしょうか。
 ではまず、太田委員、お願いいたします。
【太田委員】  高専のモデルコアカリキュラムについてですが、とても、勉強不足で申し訳ない。これは、全国の高専が議論しながらつくり上げたものだと思いますが、ディプロマ・ポリシーがあって、それに基づいてどうカリキュラム・ポリシーをつくるという、そういうようなステップを追いながら議論されて、つくり上げてきたものでしょうか。もう一つ、専門職のほうの大学で企業内実習というのをどういうふうに企業と連携しながら行っているかです。教育だと思うので、単純に作業とかそういう話ではないと思うので、その辺をどういうふうにマッチングして議論してつくったか、その2つでございます。
【伊藤部会長】  ありがとうございます。では、平子委員、お願いします。
【平子委員】  ありがとうございます。私も高専に質問があるのですが、これからの課題の一つとして、理論だけではなくて実践の能力を高めていくために、企業、産業界との連携について書かれているのですが、AIの進化によって企業側のニーズが変化してきている中で、高専が実践としての教育にどのようにキャッチアップしていっているのか、その仕組みを、あるいは、今後の考え方をお聞かせください。
 以上です。
【伊藤部会長】  続きまして、濱中委員、お願いします。
【濱中委員】  濱中でございます。ありがとうございました。
 私からの質問は極めてコンパクトで、こちらは中央教育審議会という場ですので、制度面での議論がもっとも重要になってくると考えているのですが、こと質の向上・質保証に関しては、とくに現場の運用における厳しさ、悩ましさが課題になってくると理解しております。
 お聞きしたいのは、4人の御報告者のどなたにというわけではないのですけれども、質向上・質保証にあたって困難だと感じている点がどこにあるのかという点です。その共有が、今後の制度改善につながっていく上で重要になると思います。よろしくお願いいたします。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。では、松下委員、お願いします。
【松下委員】  御報告ありがとうございました。私のほうは、高専と専門職大学についてそれぞれ質問したいことがございます。
 まず、高専についてですけれども、高専は非常に優れた教育を行っていらっしゃるということは私もいろいろなところで見聞きしていますし、高専出身の学生からも聞いております。その上で伺いたいことが2点あります。一つは、モデルコアカリキュラムを使っておられるということなんですけれども、例えば医学教育などでは、大体3分の2くらいがモデルコアカリキュラムでカバーされていて、残り3分の1ぐらいは各大学の自由裁量に任されているということなんですが、高専の場合はどうなんでしょうか。これが1点目です。
 2点目は、中学校卒業から高校3年間と大学の2年間に対応するような5年間の一貫教育をやっていらっしゃるわけですけれども、中学校を卒業したところで進路選択をするということで、その後、進路変更をしたくなるような生徒、学生もいるのではないかと思うんですが、それに対してはどういうふうに対応されているのかということを伺いたく思います。
 もう一つ、専門職大学のほうに伺いたいんですが、先日、専門職大学の質保証では認証評価機関がまだ十分機能していないところもあるので、第三者評価で補っているということを伺いました。認証評価と第三者評価の違いなどお感じになっているところがありましたらお聞かせください。よろしくお願いします。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。では、順番に、専門職大学の北畑会長から、2つありました、企業内実習がどういう位置づけかということと、いわゆる認証評価と第三者評価の違いということでよろしくお願いします。
【北畑会長】  それでは、最初のほうですけれども、企業に出してそのままというわけではありません。受入れ企業と事前に教員が打合せをいたします。それでどういう対応をしてもらいたいかという希望も言いまして、納得の上で人を出します。それから、私ども開志専門職大学の例でいうと、1週間に1度は教員が指導員として現場に行きます。それから、1週間に1回大学に戻って学生に報告させる、そういうプロセスをつくっています。最後に、1年に一度ですけれども、報告会をやりまして、受入れ企業の方に来ていただいて、その前で学生にプレゼンをさせます。そんなことをやっていまして、それを繰り返していきます。
 その過程で学生はすごく成長する、教育の成果が上がるというんですが、まず1番目はマナーですね。最初は混乱したんですけれども、まず遅刻をしてくる、それから挨拶ができない、電話の応対ができない、こういうことで苦情が来ます。こういう失敗を学生のうちに経験しておくことは、学生の成長にいい効果を持っております。
 2番目はそういう過程で職業意識を持ってくる。働くということはどういうことかを考えるようになる。従業員と机を並べてやるわけですから、そこではプレゼンが必要だとか、コミュニケーション能力を持たないと通用しない。それから、そういう過程で自分の能力に気づくんですね。自分にこういう能力があったとか、頑張らなきゃいけないということになります。現場で失敗をして、大学に戻ってまた勉強し直して、こういう繰り返しをやっていくというのは非常に優れた制度だと思います。
 それから、この過程でスキルが身についてまいります。情報学部の学生が、中小企業に派遣されて、「ホームページ作ってくれませんか」といきなり言われるんですね。これはいいほうの話ですけれども、やってみたら採用されたというわけです。中小企業ですから、お金がかけられないので、学生にやってもらったらただということがあるんでしょうけれども、この学生はすごい自信を持って、社会に出ていくための実践ができたという効果がございます。そんな仕組みで600時間というのは大切に、いろいろな先生方の工夫をしながら、学生の教育に、成長力の向上につながるいい制度だと私は思っております。
 それから、もう一つ認証評価について、開志専門職大学でいいますと、最初に設立された事業創造学部と情報学部は認証機関の設立が間に合いませんでした。それで法律上の代替措置として第三者認証をやりました。それから、3つ目のアニメ・マンガ学部は、1年遅れだったものですから、間に合いましたので、認証機関の評価を受けました。
 基本的に差はありません。第三者評価のほうは、大学が自分でつくるので、そこで認証評価機関ならどういう評価を受けるかという勉強をして同じようなものにする。内容も同じですし、プロセスも同じようにしたので、私どもとしてはそこに大きな違いはないと思います。ただ、自分でやりますので、事務局は大変だとかそういうことはありますけれども、逆に言えば、地元の産業界の人に1人入ってもらうとかそういう工夫は独自でできますので、これはメリットだと思いました。基本的には第三者評価でも、機関による評価でも差はないようにできると思っております。
【伊藤部会長】  もう一つありました。質向上・質保証に向けて困難に感じていらっしゃることという質問がありました。
【北畑会長】  困難ということはそれほど、質保証で困難というふうには考えておりませんでして……。
【伊藤部会長】  御自分の専門職大学の中で、質を保証するとか質を向上させるというプロセスにおいて何か困難に感じていることがありますかという質問が。
【北畑会長】  今のところ困難は感じておりません。専門職大学コンソーシアムで認証評価についてアンケートを取ったんですが、基本的には評価機関の評価は前向きに皆さん捉えておられます。一つは、気づかなかったことに気づく。それから、これを受けるということで、学内がぴしっとする。
 あえて言えば、非常に業務量が多くなって、現場の先生がパンクしているというところはあります。それから、やっぱり分野別と機関別と両方を受けるんですけれども、重複がありまして、同じことを聞かれるというところが疲労感みたいなのがあります。それから、専門職大学は小さな大学が多いので、認証の費用が高い。マンモス大学であれば大した金額じゃないのかもしれませんが、私どもは全て満たしても900人ぐらいの定員ですから、それが3つに分かれて、機関別と分野別で2回ずつ評価を受けるので、その都度二百数十万のお金を払うというのは、こんなこと文句を言ってはいけないのかもしれませんが、できれば安くしていただけたらありがたい。それから、重複を外していただければ、認証機関の方の負担も減るはずなので、これは分科会でも議論していただいていますけれども、共通事項は別途やっていただいて、重複を避けていただければと思います。
【伊藤部会長】  分かりました。同じく困難に感じている点というのを、日本私立短期大学協会の麻生会長。
【麻生会長】  先ほど濱中委員から御質問がありました、運用における悩ましさを含め、これからの向上ということも含めて考えますと、大体、短期大学の認証評価は普通の大学と同じように受けていますが、やっぱり一番大事なのは、学修成果を見るということと、それをいかにフィードバックしてより一層の質向上にしていくかというのがポイントだと思います。
 機関別認証評価ですので、7年に1回、それから定期的には法令に基づいて自己点検評価をやることが義務化されておりますので、不断なる自己点検を各短期大学はやっております。認証評価の年の前の年の作業量が大変多くなります。ただ、それで評価の結果が公表され、適格もしくは適合ということになったときに、自分たちが掲げた中長期目標を含めたものが達成できているか、できていないか、場合によってはそのアセスメントにつながっていくんですけれども、こういったものの仕組みが、今クール第4クールになっていくに当たり、もう少し現場に優しくなり、評価する側はピアレビューの精神で評価しておりますので、こういったものがうまく潤滑油を入れたような形でうまく回っていくのが一番いいと思います。ややもしますと、ここが、評価をした、評価が終わった、これでおしまいということにならないようにするべきで、ここには必ずPDCAサイクルを含めたフィードバックが必要であります。ただし、実現する場合現場は大変であるというような印象を持っております。これが運用における悩ましさでございます。
 以上です。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。高専機構に対しては5つ質問ありましたので、ちょっと簡潔にお願いしたいんですけれども、ほかのところでやっているディプロマ・ポリシー的なものが用意されているかということと、企業ニーズが変わる中においてどうやってキャッチアップするかということと、モデルコアカリキュラムとそれから各校の自由度の割合と、それから途中で進路変更を希望する人が出たときどうするかということと、困難でございます。よろしくお願いいたします。
【谷口理事長】  困難なことからご説明します。困難なのは、世の中どんどん変わりますから、新しいものが要求されるスピードが全然今までと違って速いです。ですから、簡単ではない。それで、こういう力を持った人とか言われても、何をもって測ったらいいのかというのが必ずしも明らかじゃないんです。だから、それを、これができたからできましたよというのが何か分かるような指標みたいのがあるとすごく分かりやすいんですけれども、指標みたいなものは必ずしもないですよね。自主的に何かやる人が欲しいとかとよく言われます、企業からは。だけど、どういう人だったらその力があるというのかというのがかなり難しい。一般的に、中身をどう評価するかということを例えば例を1つ2つ書いていただいて、こういうことで測ってくださいねとなっていると圧倒的に簡単ですけれども、言われることはどんどん変化しています。毎月企業の方ともお話しする機会がありますし。
 高専は、コンテストというのを上手に使って世の中が求めるものをそこで吸収するということが非常に多いです。ですから、コンテストで何かうまくいかなかったら、それに関連する部分の力がないなという話に皆さんも気がつきますから、それに対処することでできるようになっていくんです。この前の日曜日にはロボコンがありました。ロボコンのテーマだって毎年毎年変わってきます。そういうものに対応できるかどうかでもって我々は測らせていただいています。
 それと、何かあったら手を挙げるか、自主的に何かやろうとするかという、そういうところで判断せていただいていますけれども、チャレンジ精神や能力についてその辺をどう評価したらいいか。AIをもちろんみんな授業などにも取り入れて、AIの基礎のところの教育をやっていますけれども、それをどうほかの分野と組み合わせるかというようなところは必ずしも明らかになっていない。そういうものを自主的に自分たちで考えながらやるということには、コンテストが物すごく役に立ちます。コンテストに勝つためにはこれができないと勝てませんから、それは物すごく役に立つんですけれども、それでもって、この人はAIを十分に使いこなす力があるよというふうに言うのかどうかというのはかなり難しいです。
 必要な能力やその測定法が分かったことについてはモデルコアカリキュラムの中にちゃんと入れていきます。こういう授業をやって、こういうことを教えて、ちゃんとこういう方法で測りなさいということは、やれることについては全部モデルコアカリキュラムの中に入れますけれども、どうやってその能力を評価するのが良いかというのが分からないというのがかなりあるということが我々にとっては一番困難だと考えています。
 それから、進路変更はもちろんあって良いわけで、そんなものは当然あります。でも、1割、2割の方は、自分が本当に若いときから、こんなのをやりたいと決めている人も一方ではいます。だけど、やっぱりやってみたらうまくいかないという人は必ずいます。その人たちを、ちゃんと指導して、どういうふうに進んで行けるかというのをよく親御さん等を含めてお話をさせていただいて、進路を決めさせていただくということをやらせてもらっています。それしかないんですよね、現実にね。選んだ分野が向いてなかったら、あんまり無理してやってもうまくできませんから、そこら辺は学生の立場に立ってやらせていただいていますということです。
 それから、高専でいろいろなことができるのは、5年間あって、さっきも言いましたけれども、受験勉強の時間がないからです。ですから、いろいろな実験とか実習とかコンテストとかいろいろなことができる。その時間が使えるというのがすごく有利に働いているなというか、学生にとっていろいろなことをチャレンジできる理由ですね。だから、企業のほうに行ってインターンシップやるとかそういうことも含めて、普通ではなかなかその時間が取れないことができるのが高専です。さっき言われたように、カリキュラムの3分の2はモデルで基本的なところをちゃんとやってくださいという規定をします。残り3分の1は、各学校の特徴を出さないといけない。それぞれの学校の自分たちの目標みたいなものがありますから、それはやっぱり大事にしなさいと申し上げています。みんな同じことをやる金太郎飴では駄目ですから、それぞれ特徴を持ちなさいというふうになっていますので、3分の1は自分たちの得意なところ、自分たち地域にとって必要なこと、それをやれるような形になっているのがモデルコアカリキュラムです。さらにそれにプラスというのもつけてその時代の社会に合った形でやらせていただきます。モデルコアカリキュラム、全てこれで全部同じようにやりなさいとは言いません。全部の学校は3分の2は基本のところですから同じですよと言いますけれども、3分の1は自由にやるところが当然あってよろしい。そうしないと、各学校が金太郎飴になっちゃいますから、それじゃ駄目ですよというふうに申し上げています。
【伊藤部会長】  最後の太田委員からの質問ですが、ディプロマ・ポリシーでしたっけ。太田委員、私の説明もし間違っていたら……。
【太田委員】  そのとおりです。モデルカリキュラムは、コアの3分の2と、各校固有の3分の1で構成されているとのことですが、そのコアの部分にはディプロマ・ポリシーという部分があると思うので、それをどういうふうに議論して策定したのでしょうか。
【谷口理事長】  それはそれぞれの学校と話をしますし、各学校が本部と話をしながら、あるいはブロック(地域)の中で話をしながら決めていきます。だから、微妙なところは当然違います。各学校によって、そこの学校のやり方があるし、伝統的なものもありますから。そこはある種はフレキシブルに進めていただきながら、だけど、これだけのことは最低限やらないといけないと言うところだけは守らせていただきます。だけど、3分の1の自由なところがあるから、そこを上手に使ってくださいという形で進めてもらっています。
【太田委員】  各高専では、それぞれ独自のディプロマ・ポリシーを持っているということですね。
【谷口理事長】  あります。もちろん持っています。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。では最後に、専修学校専門課程における、いわゆる質保証とそれから質向上に関する何か困難さがあればということでお願いいたします。
【原田事務局長】  ありがとうございます。困難なことはたくさんありますけれども、今思いつくところをお話しさせていただくと、これからのことを考えたときに、まず第三者評価はしっかりやっていきたいと思いますけれども、評価疲れにならないようにしたいなと思っています。評価疲れがないところでしっかりとした評価を行うということが必要かなと思っています。
 もう一つは、さっきの第三者評価の実態化というところにも通ずるところがあるかと思うんですけれども、悩ましいのは、教職員の方々の能力育成機会の確保というのが非常に重要かなと思っています。質保証は結局、学校が組織的に取り組むというところに行き着くと考えます。そのエンジンはやっぱり教職員の方々だと思うんです。教育制度はやっぱりどんどん変わっていきますので、それに対応していける人材をつくっていかなければいけないといったときに、やっぱり研修の機会とかそういったものを確保していく必要があるかなと思います。専門学校の場合、教職員といわれるように色々な業務を兼務されている方が多いので、少ない人数の中でちゃんと能力を伸ばしていただいて、制度に対応できる学校をどうやってつくっていくかということが今後の課題かなと考えております。
 以上です。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。以上が議題1ですけれども、活発な議論、そして何よりも丁寧な発表を御用意いただき、ありがとうございました。
 では続きまして、議題2、大学通信教育についてです。まずは、私立大学通信教育協会、高橋理事長から発表をお願いいたします。15分ほどでお願いいたします。
【高橋理事長】  ありがとうございます。お手元、資料2といたしまして、本日のパワポ型の資料を提示しております。また、参考資料として、行いました意向調査の集計結果、こちらも参考に出しておりますけれども、こちらはどちらかというと後ほど御覧くださいのような形で、主要なところはこれからお話をします。
 また、お手元資料2の2ページに目次を書きましたけれども、時間の都合もありますので、昨年、先行する部会のほうでも規模・アクセス・質というテーマで今の実態等を御報告させていただきましたが、この部分は最新のデータを提示するという形ですので、特徴的なところのみのお話に限定させていただき、また、2のところの支援のスタイル、そして3の大学連携協力、これを新しいテーマというかこの場で問題提起、御審議等いただきたいという形で資料を準備してまいりました。
 また、実態に即してということでは、意向調査、各大学の学長・部長等による意向ではございますけれども、もっとリアルにということで、実践事例ということで13の大学から頂戴いたしましたので、こういったところも併せて見ていただければと思います。
 さて、1の規模・アクセス・質の順でお話をさせていただきます。お手元資料2の5ページからは、大学の通信教育、1950年に6大学からスタートしてからの設置認可を得た大学の一覧表をつけております。こちらは6ページの1994年からほぼ毎年、大学、大学院、短大も含めまして設置の申請が行われ認可されているという、近年に至る状況をデータにしました。
 また、7ページは、大学学部のほうの人数の拡大ということで、実を言いますと2005年で一度ピークを迎えて減少傾向にはあったのですけれども、コロナ禍を通じて増加傾向に再び転じてこの2025年段階に至っております。通学と対比すると通信の学生の人数というのは7.2%、1割には満たないけれどもという状態、こんな形で推移をしているかと思います。
 続きまして、8ページ、先ほど短大のお話がございましたが、通信の短大も1994年で一度ピークを迎えて減少傾向にはあるのですけれども、今も堅調に維持をしていて、対通学比では24%という人数となっております。
 また、9ページは大学院の新しい制度で修士、博士、専門職とあるわけですが、こちらは増えた状態で維持されてはいるんですけれども、対通学比では1.4%と少数になっているという実態がございます。
 さて、10ページでは年齢別の状況。高齢者学生が増えてきたということと、近年では、通信制高校の増大も含めまして、18歳から通信にまず最初に入るという学生たちの増加が見えているという形になります。
 職業については、非常に多様でございまして、これが11ページ。
 そして12ページでは、こちらはちょっと説明をさせていただきますけれども、本当に多様な学生たちが入学・編入学の段階でいらっしゃいます。高校卒業で大学に入る、四大に入るというのは標準パターンなわけですが、これは3割にすぎません。それ以外は、本日前半お話をいただいたような短大、専門学校等の、さらに4年制大学も含めて3割を占めるという形で、多様な経歴を持ってのリカレント教育だということ、これが大学通信教育の大きな特徴になっているかと思います。
 また、データのほう、アクセスという点では、15ページ、16ページに、通信制の大学はどうしても大規模校が多いですので、首都圏及び関西の京都・大阪に集中する傾向があることと、一方、利便性という点では本当にどんな地域でも大学生たちの入学があるという状態、これを示しました。
 また、このフォローといたしましては、17ページにあるように地方でスクーリングをしたり、あるいは地方で厳密な成績評価のための単位修得試験を行ったりという状況、これを示しました。今、こういったことも含めてメディア授業での展開ということがさらに進んでいるというのが今日の状況です。
 さらに、アクセスに関する経済的要素といたしましては、18ページにあるように、同一の学位あるいは同一の学部・学科でも1割から2割程度で低廉な学費ということを私立大学の自助努力でもって行っていることや、あるいは19ページにあります修学支援の新制度のほうにも通信教育を入れていただいたり、伝統的に日本学生支援機構のほうでも貸与の奨学金の対象としたり、あるいは旧郵政省の段階から今の民営化後も含めて4種郵便という形で法的に安い通信費になっているということは、感謝を込めてお話をしたいと思います。
 もちろん、実際のところでは、新制度のほうは、18歳基準だから、肝腎の多数派のリカレントの学生たちが対象にならなかったり、あるいは日本学生支援機構のところは、昭和の時代のスクーリングを受けていることが通信の学生としての定義になってしまいますので、メディア授業・遠隔授業の受講者たちは排除されてしまうという悲しい現実が今も続いているということは、その学生たちからの声も含めて申し上げざるを得ないところでございます。
 続きましてのところ、質の維持・向上という点では21ページで、同一のところであれば当然、通信も通学も同一の学力、同一の学位となっていきますし、一方、誰でも入れるという、入学試験をしないほうが多数派というかほとんどでございますので、そうなったときのアドミッション・ポリシーのオープンな性格と、そうするとカリキュラムのところでいかなる工夫をしていくかということ、厳しい成績評価のことも含めまして課題になっていくということになります。また、広がりを持つためには、この間の大学通信教育設置基準等の改正の中でも、メディア授業のみがICT活用ではなくて、放送授業も、そして通信授業も含めて活用していくという、実態に合わせての法令改正をいただいたことについては感謝を持っておるところでございます。
 以上のような形で、大学通信教育としての同一のディプロマ・学位等を授与していくのにふさわしい質の維持・向上ということ、また、資料では24ページ、25ページに、今も申しましたメディア授業受講者あるいは開講数等が広がり、学生たちからも支持されている状況を示しました。
 また、私ども私立大学通信教育協会での自助努力としては、設置基準が独自にあるわけですけれども、さらにガイドラインを制定して、様々な情報の公開・公表や認証評価への対応も含めて、定めていく努力していくものも含めてオープンにしている形でございます。
 27ページには、今現在、この11月現在もさらなるガイドラインの改正に向けて、教育支援体制の整備だとか、あるいは障害のある学生たちへの様々な情報提供ということ、こういったことも含めて今現在も検討を続けている、このような形でございます。
 さて、以上のような形で1のところを非常にはしょりながらですがお話をしましたけれども、課題としての学生ニーズに対応する多様な支援スタイルということを29ページから述べております。
 30ページにありますのは、昨年文部科学省のほうで通信教育を対象にして実態調査をしていただきました。このときに、指導補助者という項目について、いない大学、大学院などではどうしても人数の規模も含めて少なくなるんですが、全体でもいない大学が多くいるということについて注目もされた次第です。
 ただ、各大学での質の維持・向上、さらには学生へのきめ細やかなサービスとなったときには様々な方式があるよねということが話題になりましたので、このことを今年の夏、6・7月に意向調査の形で実態と今後の努力目標も含めて聞いたもの、これは参考資料になっているのが全体でございますけれども、31ページ、32ページと進んでまいります。
 32ページにありますように、通信教育も大学の中で独自の研究室や研究室の専任スタッフ、助手等を置く場合、これも3割程度ですが、今も活躍をしています。また、新しいTA・学習アドバイザーは、少数といえどもこれも3割見られるという形になります。
 ただ一方で、大半の大学でとなったときには、非常勤講師を1つの大人数の科目に対してきめ細かに、あるいは複数担当してもらうことによって、質の維持・向上を努力していく傾向や、あと、通信ではやはりルールだとか明確さが求められますので、いわゆるアドバイスをするというよりは、これはこうだよ、君のレポートは今遅れているんだよという、そういったこともきちっと正確に伝えられる教務担当の事務系職員、こういった専任者の任用が非常に求められているところ、実態としても進んでいるところがあります。もちろん本部会でも事例が報告されたアカデミック・アドバイザー、こういった形のものも兼任者型のものも含めて設置されている例が多く出てきますし、また、今後も努力したいという形にはなろうかと思います。
 以上5つの項目に分けたものを、34ページでは、どんな形かなということでポイント型分析で見たとき一番傾向が強いものは、やはり通信の場合は、教務担当の事務系職員の役割、これは教員に比してもやはり大きな比重を通学と比べても持ちます。ちなみに、私は武蔵野美術大学という大学で両方の課程を教えておりますけれども、卒業式になると、通信の学生たちはまず教務担当の職員に挨拶に行ってお礼を言うという、ちょっと何となく羨ましいなと思うぐらいのこと、そういった自分自身の体験とこの全国データは相応しているものでございます。また、それぞれのところの大学ごとの回答の状況を見ると、やはり1つの大学で二、三の方式を同時に用いているなということも見てとることができました。
 以上のような形で、指導補助者の充実とともに、学生たちのニーズに即応する責任ある職員や、あるいは先生たちが直接添削指導等に当たるという、この辺りの状況についても、今後の支援スタイルとしてより一層充実が求められるのではないかと思っております。
 お手元36ページでは、様々な学生はといったものをモデル化してあえて説明をさせていただいております。今やはり注目されているのは、18歳でまず最初の大学が通信制の大学である。ケースによっては通信制の高校を卒業してという人たち。まずは大学を卒業したい。そうすると、これはやはり丁寧なメンタルなことも含めてのアドバイスとなっていきます。
 それと、もう大学は大昔に、あるいは昔の制度はねという中高年、とりわけ高齢者層、教養や第2の社会参加、セカンドキャリアという人たちがいる。これは通信の大きな特徴です。また、一番大きな層というのは現職の社会人、さらに言うと、今現在だと、大学やさらに幾つもの専門機関での教育を受けている人たち、こういった高度なニーズにも通信は対応しなければいけない。こういった部分を考えたときに、支援スタイルが多様になるということの必然性があるのではないかと考えている次第でございます。
 さて、3つ目の課題、大学連携協力の展開ということについて申し上げます。39ページにございますように、今年2月の中央教育審議会の「知の総和」答申でも、大学連携の推進、放送大学も私立大学もということを強調していただきました。また、このための概算要求も公表されていて、また、私ども私立大学通信教育協会でも、様々な分野にわたる連携協力、通信制ではない様々な高等教育機関も含めて、放送大学も含めてということを文字どおり話合いを進めておるところでございます。
 こういったモデルについて、40ページに示しました。もう既に中央教育審議会の中では、来年1月1日に向けて、地域高等教育機会確保特例認定大学等という、そんなシステムが新たに提起されていることについては、非常に即効性や持続性のあるものとして高く評価を申し上げたいと思います。ただ、私どもとしては、もともと地域の大学や高等教育機関とは連携をしてきたという実績がございます。こう考えたときには、やはりニーズとしては、全部というよりは、この科目を通信単位互換できないか、あるいは卒業生で実はこういったケースがあって大学間連携できないか、こういった相談が多数あります。
 例えば41ページにも述べましたように、4年制をモデルにして考えるならば、その中で資格養成をしていくとしたら、地域でなければできない実技・実習や、あるいは特色のある大学の建学の精神に基づいたこと、こういったことをもともとの形でしながら、大胆に通信教育課程での資格・免許に関わる部分、これを取り入れていただくことによって、地域における様々な人材、とりわけ社会福祉や教育の人材養成について、遠く離れた通信制の大学が寄与できるのではないかという期待を持っておる次第でございます。
 こういったところにつきましては、既に42ページにあるパブリックコメントで出しましたけれども、いわゆる制度の話だけではなくて、本当に多様な広がりということを今後連携の中でしていくことによって、全国規模で展開していく必要があるのではないかと考えています。
 さて、時間との関係でさらにはしょりますけれども、43ページにございます13からの大学の実践事例を、簡単にですが、ぜひとも注目していただきたいので申し上げたいと思います。
 44ページ、1つ目に述べましたのが日本大学。こちらでは、通学も就職支援の手厚さということで評価されていますが、通信でもこの実績を生かして、とりわけ若年者へのファーストキャリアに、最初の通信卒業で就職する人たちのニーズに非常に高く応えております。
 また、玉川大学は教員養成での実績が長い間ある大学であるわけですが、1950年以来取り組んでおられるわけですけれども、ここではメディアを使ってのオンラインでの教員養成、こういったところをしていくとともに、常時監視型のオンライン科目試験と言うと何となく強圧的に聞こえますけれども、質保証のためには、本人がちゃんと答えているんだよということ、こういったことを徹底することによって、オンラインの質保証、学力の保証ということに結びつけています。
 ちなみに、この部分の先行事例としては、46ページにある3番、創価大学の2018年、コロナ禍前から導入されたオンラインというか、顔認証システムも含めてのシステムや個別のスタッフによる確認なども含めてのシステムで、こういった形で自宅でも職場でも大学の教室にいるような環境を授業でも試験でも実現できる、このような取組がございます。
 4番目の産業能率大学は、就職支援やキャリア取得支援のところを、むしろ学生たちが学び合う学生会の設立を支援したり、あと、48ページでは京都芸術大学。先ほども言いましたけれども、スタッフたちの充実というよりは、非常勤の先生方の、名前が出て指導に直接当たる専門家の方々がチームを組んで、質保証を担当する非常勤も置いて、かつ添削担当もいて、そして専任がきちっと責任を持っていくという、こういうチーム型にすることによる質保証も注目すべき事例ではないかと思います。
 さらに、教員養成では実績のある聖徳大学、特に図書館司書課程では、オンライン型で実施することを実現したり、7番目にございます日本福祉大学は、障害のある当事者学生たちが社会福祉の専門資格を取るということにチャレンジをしています。こういった大学では、こういった場合にはこういうフォローができるよ、事例はこうなるよという形も含めて丁寧な説明・相談をオープンにして、非常に事例として各大学の参考になっております。
 8番、私のおります武蔵野美術大学での、これは文字どおり、古いスタイルの助手、業務補助、職員を中心にしてデジタルデータを作ることによって、添削支援、継続的な教育ができる事例とか、あと、9番、早稲田大学、先生方もいらっしゃいますけれども、こちら早稲田大学としては、通信に取り組んだのは制度上は2003年と早い段階なんですが、早稲田大学の若手の大学院修了者たちの人材を生かして、教育コーチという形で専門性のある形での教育サポートを実現している事例。
 また、10番、ZEN大学におきましては、新しい大学ですけれども、クラス・コーチ、アカデミック・アドバイザー、キャリア・アドバイザーということでサポートスタッフを明確に3つに分けていく形でもって、安心のできるサポート体制を充実している様子を紹介しております。
 また、11番、放送大学は、全国全ての都道府県に学習センターが実現しました。これを維持することによって、個別の相談を対面で行ったり、もちろんそこでスクーリングをしたりということが実現しています。さらに、現在の大学連携ではこういったことをさらに様々な地域のコンソーシアムや大学通信教育とも連携しながらということを相談している最中ということになります。
 あと、連携協力の実例といたしましては、佛教大学において17の大学と教員免許状という部分についてプログラムを組んでいる事例や、あるいは13番目、星槎大学では、専門学校等も含めまして130の教育機関と様々な連携協定を持つことによって、広がりのある連携協力を実現している様子、このようなことを示している次第でございます。
 ちょっと15分を超えてしまったかもしれませんけれども、以上のような形で、はしょりながらですけれどもお話をさせていただきました。ぜひとも御質問、御提言等よろしくお願い申し上げます。
【伊藤部会長】  大変丁寧な資料作成、御発表ありがとうございました。今から15分ちょっと質疑応答をしたいと思いますけれども、委員の方、いかがでしょうか。
 では、小林委員、お願いします。
【小林委員】  高橋理事長、大変丁寧な御説明ありがとうございました。いわゆる学びにおける新たな手段ということで多様な価値を提供されていると思います。通信教育課程は戦後に出来た、お話のように、いつでもどこでも安価で、いつまででも学べるという社会人に向けたシステムで、入り口というよりは、出口における質保証を多分いち早くやられていたシステムだと考えています。
 その中で、先ほどお話があったとおり、若干若年層が増えてきていて、これまでのいわゆる目的意識を持った社会人が学ぶというのとはちょっと違った方々も増えていて、全体で7%ぐらいが今通信教育というお話でしたけれども、今高校でいくと、290万人通学がいて、29万人通信制がいるということで、大体10人に1人が通信制になっている中で、今いろいろな対応をされていることと思います。
 我々はシステムとして質保証を考えていかなければいけないといったときに、定員充足の考え方とか、4年間での卒業率というのが通学制と全く異なる状況だと思います。ここについて、これからまだ通信教育課程は、先ほどのお話ではどんどん増えていくことだと想定されるんですが、そのときのシステムとしての質保証というのを高橋理事長はどのようにお考えになられているかというのを教えいただければと思います。
【高橋理事長】  非常に貴重な質問ありがとうございます。1950年の制度上の発足以来、4年制の大学を4年間で卒業する人は少数派です。ちなみに、この辺りデータをどう開示するかというのも認証評価も含めて各大学の取組があるわけなんですけれども、ありていに言うと、出口が大切、つまり、その大学を卒業することや目的とする資格取得ということに特化していきますので、ありていに言うと、途中で断念していくケースももちろん出るし、あるいはそれが長期にわたって4年、5年。例えば私のおります大学も含めて多くの大学は、在学年限が10年、10年まではいられますよ、11年目もどうぞ再入学してくださいという形でやって、実際そういった形で、忙しい社会人だけれども、初めて卒業に、あるいは資格の取得に至りましたという人たちがたくさんいます。一言で言うと、小林委員の御理解いただいたように出口質保証、そのための各段階での質保証が一番重要でないかと思います。
 ただ、同時に、小林委員が言ってくださったように、若年層にとっては、4年間で卒業したいねという人たちがいることも事実で、実は私はそういった学生たちからも体験談を幾つも聞いているんですが、本当にフルタイム学生に近い形でレポートに取り組んで、変な話、これはちょっと微妙な話かもしれませんけれども、いろいろな人たちの教えを請うて、だからこそ、そういったのはレポート作成のときに手伝ってもらうのはいいけれども、基本的に試験は厳密にやるからねという前提にもなっていくわけですが、そんな形でフルタイムに近い形で4年間卒業を目指すという若年層の人たちがいるし、制度上それが本来じゃないかという言い方もあってもいいと思うんです。
 そのために大学として何がしていけるかと考えたときには、やはりそういった学生たちにアドバイスをしたり、厳しさを伝えたり、あるいは卒業の段階での様々な就職についての情報を提供したり、通学と同じような形もしていかないといけない。その一方のところで、やはり質保証のところ、全員が入学できるというのが標準システムですから、ここのところでいかなる厳しさなり、あるいは厳密な成績評価なり、あるいは段階ごとの様々なチェックなりをしていく。これはやはり厳しさも含めて教えていくのが私は大学教育だと考えておりますので、やはりそういったところでは教員、職員、サポートスタッフも含めてのトータルな体制、それが各大学の専門性に応じてというのが必要になってくるんだなというふうに、経験的にもあるいは各大学の様子を見ても感じておる次第でございます。
【小林委員】  ありがとうございます。
【伊藤部会長】  では、太田委員、お願いします。
【太田委員】  どうも説明ありがとうございました。大学を含めて学校は、恐らく仲間をどうやってつくれるかというところがポイントだと思っています。学生に話を聞くと、自分の存在価値とは何だろう?というようなすごい質問をするんですね。自問しているのです。その答えが出るのは、一つは内定を取ったとき。それは社会が認めてくれたと思ったときのようです。その意味で、通信制の場合、対面とか、仲間をつくる場、を設定することで、御苦労されていることはありますか?産能大の場合は、学生会の活動を積極的につくっているようなので、やっぱりそういう仕組みが必要なのかなと思っています。その辺をちょっとお聞かせいただければ。
【高橋理事長】  貴重な質問ありがとうございます。お考えのように、各大学では学生会、学生サークル等、普通の大学はどこでも通学ではやっているじゃないかという話ですが、これを積極的にシステムとして認定して支援するという形で取り組んでおります。ただ、実際のところでいうと、それだけでフォローできる学生が圧倒的多数とは言えません。
 実を言いますと、先ほどメディア授業の支持率が、大学生、通信では一番高くなったという近年の傾向を申し上げたんですが、それまではスクーリングでした。一番いいのは通信制でスクーリングがと言われると何となく否定されたような気がするんですが、その場で学生たちがクラスの仲間、年齢が違っても、地域が違っても、会って話をして、教え合いっこをする、あるいは交流をしていく、あるいは「あの先生の授業難しいね」なんていうことを交換するという、通学では誰でもやっていることがスクーリングでできて、これを様々な属性の学生たちが同じ教室でやっていけるという部分が一番大きいのかなと思います。ただ、こうなったときに、スクーリングはメディア授業に置き換えてとなると、メディア授業も交流等は促進しますけれども、限界があるねという批判もあるでしょうし、もちろんスクーリングも、通信制であるがゆえに30単位だねというふうな制度上のこともあります。
 それを補うためにはやはり、実を言うと、ちょっと不思議な言い方になるかもしれませんが、教員が添削指導をするときに、これにいかに血を通わせるか。人格的な指導、人格を否定するような書き方はいけませんけれども、励ますように書いていけるか、こういった形で教員と学生との人間関係も成長を促進する要素かなと思っています。実際のところ、私自身も、通信の学生のほうが名前を覚えている比率が高いんです。何でかというと、癖のあるレポートが出てきた、ちょっと厳しいこと言って反発が来たなんてあると、これはやはりその学生のことをずっと見ていきたいなと思う。こういった人間と人間の関係はとても大切なのかなとも思う次第でございます。
 以上です。
【伊藤部会長】  では、松浦委員、お願いします。
【松浦委員】  詳しい御説明ありがとうございました。慶應義塾も協会には大変お世話になっておりまして、この制度がスタートしたときから通信教育課程を持っております。新しい時代になって様々、通信教育課程の課題も明らかになってきたと思うのですが、私も自分の所属していた学部が通信教育課程を持っていますし、今、法人でも通信教育の担当になっていて改めて思うのですが、やはり非常に根本的な問題として、通学課程と通信課程の同等に扱う部分と差異がある部分をどういうふうに考えていけばいいのか。私どもの学部でも、基本的には専任教員は通学も通信も両方担当するということになっていますけれども、教育の実態はかなり違ってきます。
 そして、この部会に関わって一つ御意見を伺いたいのは、認証評価等の評価の場面で、通学課程と通信教育課程、今は基本的には認証評価のときは同じカテゴリーで扱われています。実際には非常に異なる状況にあるものを、通信教育課程の場合は通信教育課程独自の何か評価の仕組みを考えるべきなのか、いや、あくまで……、私ども、卒業証書は全く同じものを出すということをずっと大切にしてきていましたので、そこは学位プログラムということで考えれば、同じ学位を出しているんだから評価のプロセスも分けるべきではない。その辺り非常に悩んでいるものですから、ぜひアドバイスをいただければと思います。
【高橋理事長】  ありがとうございます。ずばり認証評価の話についてというと、私は現行制度、法令上は大学通信教育設置基準や短期大学通信教育の設置基準、または併せ制定されている大学院の中の通信の部分が関連しているというふうに書いてはあるんですが、批判じみて聞こえるかもしれませんが、直接言っていることなのであえて申し上げますと、認証評価団体のところでどこまで細かく専門性や、あるいは特性を評価する形で評価基準を持って評価していただいているかについては若干の疑問を持っております。これはスタート段階から申し上げておる次第です。これは実を言うとスタート段階より前でして、中央教育審議会のある部会に私の先代の理事長が呼ばれて、通信教育協会、通信の評価団体、これを立ち上げる準備をしてはどうですかという話が、実を言うと、本当にそのための基本金の積立てまでした経緯がございました。
 つまり、何が言いたいかというと、システムの部分、教育のところも、通信だから見られる通信の、それこそ話題になりました相互評価的な見方というのができる。ただ、今現在の状況でいうと、まさに慶應義塾もそうだと思うんですけれども、通学のレベルで維持しているものを通信のところでも同時に維持をしている。だから、プラスアルファという形でもって評価されている部分、これはやはり不十分な形になるし、もちろん通信単独の大学もありますので、こういったことも含めて認証評価のところも含めて、一つの基準の見直しなり努力なりが必要なのかなということは感じる次第です。その意味で、協会ではガイドラインを制定して、そういった評価団体にもこれはぜひとも御参考にしてくださいということを提言申し上げているという次第でございます。
 以上です。
【伊藤部会長】  では、森副部会長、お願いします。
【森副部会長】  まず、高橋先生、大変御丁寧な説明ありがとうございました。また、ICTが発展したときに、本当にいろいろな方に学びの場を提供しているということ、そして丁寧にサポートされているということに関しましては、本当に頭が下がる思いでございます。
 その中で私自身は、若年層のニーズが増えているということに関しては、今後さらに発展すべきであると思っておりますが、その一方で、これは多分事務局に質問かなと思うんですけれども……。
【伊藤部会長】  どうぞ。
【森副部会長】  この同一学位というのが少し気になるんですよね。通信は通学制とは違う、大変豊かな、違う目標を持っているような気がしてしまいます。当然ながら目標が違えば評価の方法も違ってまいりますので、それぞれ独自性があり、学習者がそれにそって進路を選べるところがいいのではないかなと思うのですが、この状況を事務局のほうはどのように考えておられるかお聞かせください。
 2点目は、留学生の割合等、もし分かりましたらお教えいただきたいと思います。この2点でございます。
【伊藤部会長】  では、まずは高橋理事長から、同一の学位というところをお願いいたします。
【高橋理事長】  私は、これはもう長年にわたる質保証の基本だと思っています。何ができるようになる、あるいは何が専門資格としてという形で、どの大学も同一課程であるからこそ見られるものですし、そのことを学生たちも希望して社会の中で活躍しておりますので、それぞれ専門の分野における様々な学位、学位に相当するものというのはこれは促進されるべきですけれども、通信においては同一の学位、分野も含めてという形でもっての質保証と社会的な通用力、こういったものが学生たちのニーズであるとともに大学教育における基本であると私は認識しております。
 あと、2つ目の質問の留学生ですが、外務省のほうは通信教育の留学は認めておりません、当初から今に至るまで。そうは言っても先ほどの統計にあるように、外国にいる学生たち、実は日本人の海外駐在員の人たちも含めて、かつもともと外国にいて通信がもう学べる形に今のメディア重視ではなってきましたから、これは各大学とも積極的に推進はしたいと思っているんだけれども、それが千、万の単位かと言われると、残念ながらまだそこまでは普及していない。ただ、可能性として今後の日本の大学教育をアジアの、世界のというふうに展開していく。やはり今は駐在している方々の日本人学生のフォローが中心にはなっておりますが、今後どんどんと広がっていくという形で期待はしておるという形でございます。
 以上です。
【伊藤部会長】  よろしいですか。
【森副部会長】  事務局から聞かせていただきたい。
【伊藤部会長】  では、事務局のほうから。
【石橋大学振興課長】  ありがとうございます。大学振興課長でございます。今、高橋理事長からもお話がありましたとおり、今、通信と通学で学んでいただく者の修了要件は変わっておりませんので、同じ学位というふうに扱わせていただいているというのが事務局の現時点での見解でございます。
【森副部会長】  御説明のところはよく分かりました。教育学的に言えば、目標、方法、評価が一体化されるという理論がある中で、方法が違うのに同じ目標が達成できるということはちょっと何かピンとこないこともあります。
 もう一つ、やはりディプロマ・ポリシーが、知識だけのところではなくて、コンピテンシーベースになってきている中で、これまで推奨されてきたアクティブラーニングなどとどう整合性を取ったらいいのかなというのがちょっと今、私の中ではもやもやしているところなので、その辺りお伺いしました。ありがとうございました。
【伊藤部会長】  ただ、多くの学位記には、通信課程というふうに記されているものだと私は理解しているんですが、それはもう全くない?
【森副部会長】  ないと思います。
【伊藤部会長】  それがない。通信課程と書かれていないということで同一の学位ということですかね。
【高橋理事長】  大学によって違いがありますけれども、多くの場合は通学も通信も同一の課程。学びのスタイルと入学のスタイルは違うんですけれども、成績判定等はその大学が行ったものですから。あと、学位については、私も教育の歴史教育学が専門なので申し上げますと、日本の中で誤解されているのがあって、学位というものは、どんな学位でもその大学が授与するものだから、当然学位の中には、A大学が授与した、B大学の博士号という形で表示するときも表示する形で学位規則等には定めてありますので、やはり究極的に言うと、その大学の責任、その大学のディプロマ・ポリシー、これが一番重要なものではないかと考えております。
【伊藤部会長】  ありがとうございました。特にこれ以上の今挙手されている方がいらっしゃいませんので、第2の議題はここまでとさせていただきます。高橋理事長、どうもありがとうございました。
 続きまして、議題3、学部・研究科の連続性に配慮した教育課程編成の促進についてです。大学振興課の石橋課長から説明をお願いいたします。
【石橋大学振興課長】  ありがとうございます。資料3を御覧いただければと思います。10月8日の当部会において東京大学のヒアリングをしました上で、学士、学部と研究科の連続性に配慮した教育課程の議論については一度御議論をいただきました。その後、11月12日の大学院部会でも同様の議論をさせていただきまして、13日に大学分科会を経て、今、パブリックコメントを開始したという状況でございますが、そのときにこの経緯についてその際はまだ具体的な部分を御説明できなかったところがありますので、今日簡単に御説明をさせていただきます。
 見ていただきますと、これは大学院の設置基準のほうの特例的な部分がございますので、まず大学院の目的を書かせていただいておりますが、また、3ページ目には学部と大学院の連携に関するこれまでの議論を触れさせていただいております。
 今回、4ページ目で基本的な考え方の整理をさせていただいておりますけれども、やはり数理・データサイエンス・AIを適切に利活用するなど、専門知そのもの深掘りに加えてこういうことをやっていくということで、総合知をもって社会課題を解決できる人材の輩出が求められているということでございます。これまではどちらかというと同一学位レベルの連携は進めてまいりましたけれども、上位学位レベルとの連続性の向上を図る一般的な制度は、実は工学分野で平成30年に導入されたもの以外はないということでございますので、今回こういう制度的なものを整えていきたいというのが趣旨でございます。
 次のページに、5ページ目でございますけれども、具体的に改正の内容ということでございます。一つは、大学設置基準、また大学院設置基準に、学部における教育及び大学院の研究科における教育の連続性に配慮した教育課程を編成することを明記するということと、3つのポリシーに関しましても、大学の実情に応じて教育課程を編成する学部及び大学院を1つの単位として策定可能とするということで、これはあくまでも策定可能ですので、大学の実情に応じてやっていただければということで考えているところでございます。
 また、めくっていただきまして次のページ、6ページ目でございますけれども、特例の要件。東京大学からお話がありましたように修業年限5年ということを考えた場合には、右側の特例の効果でございますけれども、例えば学部4年と修士1年、それから学部4年の先取りで修士の単位を取っていただくことで修士1年と、このようなことを可能にするということを文部科学大臣の認定、この前提には中央教育審議会での御審査を経てできるようにしたいと考えております。
 また、今回の左側の要件の丸の2つ目でございますけれども、他の大学との間で連続課程を編成するというような場合につきましては、この場合は大学等連携推進法人とか、例えば名古屋と岐阜のように1つの法人の中で大学が連携できているという、そのような場合に限るということで始めさせていただければと思っております。
 公布の日は令和8年3月を予定しておりまして、すみません、先ほどパブリックコメントと申し上げましたけれども、それはまだ今後の予定でございますけれども、今回部会でお認めいただきましたら、議論を先に進めていけるかと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【伊藤部会長】  ただいまの説明に対して質問、コメントをお持ちの委員の方々いらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。
 小林委員。
【小林委員】  今でも、先ほど、以前、松浦先生のほうからあった慶應義塾大学や、一橋大学など、もう既に5年間一貫でやられているところはあると思うんですが、これになると何が変わるのでしょうか。
【伊藤部会長】  では、事務局からお願いします。
【石橋大学振興課長】  ありがとうございます。今、慶應義塾大学等でやっていただいているのは、個人に着目して、その成績が優秀であれば、そのような早期修了を認めるという仕組み、もしくは社会人の方に関しましては修士が1年ということが認められております。このたびは、その方個人に着目するのではなく、一つのプログラムとして学士・修士の一貫のものをおつくりいただいて、特例的に5年ということも認められるというふうな制度として整えたいということでございます。
【伊藤部会長】  ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 どうぞ、浅田委員、お願いします。
【浅田委員】  先ほどの説明の中で、平成30年に工学分野で先行して導入されているとのお話だったのですが、今回の制度改正はこれと同じような枠組みなのですか。それとも、全く新しい枠組みなのでしょうか。
【石橋大学振興課長】  枠組みとしては、今、工学教育の部分は別途設置基準の中にもう書かれているんですけれども、それとは別に条文をつくるということで考えております。
【伊藤部会長】  よろしいですか。
【浅田委員】  はい。
【伊藤部会長】  ほかにはいかがでしょうか。松下委員、お願いします。
【松下委員】  これは、先日の大学分科会で議論した内容とどういうふうに違っているのか、私がもしかしたら聞き落としていたかもしれませんけれども、ご説明をお願いします。
【石橋大学振興課長】  松下委員、大学分科会で御説明したものと変わってはおりません。
【松下委員】  私は、大学分科会とこの部会との関係というのは、下のこの部会で議論して、それを大学分科会でまた議論するんだと思っていたんですけれども、今回は並行して議論しているということですかね。
 私の意見は前回大学分科会で申し上げたので、またここで繰り返すのはどうかなと思いますけれども、こういう場合どうしたらいいんですか。
【石橋大学振興課長】  松下委員、ありがとうございます。大学分科会でいただいた御意見は、3ポリのところだったと思います。それは私が御説明申し上げたとおり、すみません、全部がそうなるということではなくて、例えば東大のように学士・修士を一貫として考えたときにポリシーを1つにしたほうが整理しやすいというふうなお考えの大学の御提案もありましたので、それを可能にさせていただいたということでございまして、全ての連続課程においてこのように3ポリを合わせていただくということではないということで御理解いただければと思って先日は発言させていただいたところでございます。
 大学分科会でも当然議論を13日にさせていただいたところではあるんですけれども、前回の部会ではまだ、東京大学のヒアリングの後、私たちはイメージとしてしかお示しできておりませんでしたので、再度部会でも、このような方向で進めたいということで御報告させていただいたところでございます。
【松下委員】  分かりました。ただ、私は、9年間を1つの3ポリでまとめるというのは、特例であっても認めてよいのかということについて疑問を持っております。前回言ったとおりなんですけれども、流動性ということも考えると、途中で進路変更したくなったときにどうするのかといったようなことも考えた上で、3ポリの連続性は持たせるようにするというのがよいのではないかということです。それは特例であろうとそうでなかろうと同じ意見を持っております。
 以上です。
【伊藤部会長】  事務局、どうぞ。
【石橋大学振興課長】  松下委員、ありがとうございます。御指摘の点は非常に大切なことかと思っております。そのため、特例の委員会においてこのような3ポリをもし1つにするという御提案があった場合に、それがまさに途中で学位を頂けるような状況になっているのか等も確認をしながら特例を認めていくというふうにしたいと思いますので、そこは留意しながら対応させていただければと思っております。
【松下委員】  ありがとうございました。
【伊藤部会長】  今、松下委員が指摘してくださったのは5ページのところであって、5ページの右のところは、あくまでも一例であって、特例としてこのようなことを認めることもあり得るということでありまして、基本的には左側の図がある意味普通のものであってということで、事務局よろしいでしょうか。
【石橋大学振興課長】  ありがとうございます。
【伊藤部会長】  ここのところはそういうことで、随分これは実は大学分科会のほうでも議論があったところでありまして、ということで今の石橋課長から説明のとおりになっているということであります。これを認めるところが相当にそれも踏まえて議論した上で、もし左側がよければ左側ということになるということでよろしいでしょうかね、事務局。
【森副部会長】  すみません、先によろしいですか。
【伊藤部会長】  どうぞ。
【森副部会長】  まず、御説明ありがとうございます。今、松下委員のお話がありましたように、大学分科会でも結構意見が出たところで、この5ページの下のところがさもこっちというふうに見えるので、この図の変更が若干あったらいいかなと思います。改正前、改正後と書かれてしまっているところを、一事例ぐらいにしていただいたら分かりやすいかなと思いました。
 以上でございます。
【伊藤部会長】  どうぞ、浅田委員、お願いします。
【浅田委員】  すみません、今の5ページの図で、AP、CP、DPが一貫して9年間続くということは分かったのですが、先ほどのように途中でドロップアウトする学生がいたときに、学士はいつもらえて、修士はいつもらえるのかという、その辺の制度設計はどうなるのですか。
【伊藤部会長】  その辺がもう議論が随分大学分科会であったということでございますので、そこら辺のところも含めて回答いただいていたんですよね。
【石橋大学振興課長】  ありがとうございます。御指摘のとおり、例えば学士の4年のところで124単位がそろった学生が、その後の修士課程に進まないという何かしらの御事情があった場合には、そのタイミングで学士の学位が授与できると。要は、124単位という修了要件が終わったタイミングでというふうに我々としては考えております。
【浅田委員】  その場合、学士修了のDPはどれを使うのですか。
【石橋大学振興課長】  おっしゃっていただいたように、3ポリをもし一緒にした場合には、恐らくマスター、修士課程の学位が出たときのDPとして設定されていると思いますけれども、その際には、どのような形で学士号を出されるのかというのも併せて確認をさせていただくという形で特例の運用をさせていただければと思っております。
【浅田委員】  結構難しいなと思ったのは、DPとCPの一貫性の話がありますよね。途中でドロップアウトしたときのDPとCPはどうなるのかとかいう話とか、その辺の制度設計を丁寧にしていただかないとなかなか難しいかなと思いました。
【伊藤部会長】  よろしいですか。
【石橋大学振興課長】  ありがとうございます。今、資料をあまり変えていないと申し上げたんですけれども、5ページ目の※の最後の2つ目を大学分科会からは追加させていただいておりました。3つの方針については、学位プログラムごとの策定を基本とすることが望ましい一方で、もしこれとは別につくりたいということであれば、このような策定単位の選択肢を広げるものであるということは加えさせていただいておりますので、このような形で我々としても今いただいているいろいろな御意見については留意した形で特例の審査をさせていただければと思っております。
【伊藤部会長】  明確な説明ありがとうございました。ということで、ただいまの議論は以上にさせていただきたいと思います。
 本日発表全体を通じた意見、次回以降の部会で議論すべき事項、もし10秒ほどでお話しできる方がいらっしゃればお受けしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。特にありませんようでしたら、本日の議題は以上となります。
 最後に、次回の開催日程について事務局からお願いいたします。
【花田高等教育企画課課長補佐】  失礼いたします。本日は、活発な御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
 次回の部会は、12月23日火曜日15時からハイブリッド形式での開催を予定しております。
 本日御発言できなかった内容がございましたら、事務局まで御連絡ください。
 以上でございます。
【伊藤部会長】  以上にて本日の部会を終了させていただきます。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

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