大学振興部会(第1回) 議事録

1.日時

令和4年6月17日(月曜日)16時~18時

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 部会長の選任等について
  2. 文理横断・文理融合教育等について
  3. その他

4.出席者

委員

(部会長)永田恭介部会長
(副部会長)吉岡知哉副部会長
(委員)越智光夫,日比谷潤子,村田治の各委員
(臨時委員)大森昭生,川嶋太津夫,小林弘祐,古沢由紀子,益戸正樹の各委員

文部科学省

(事務局)森田大臣官房審議官(高等教育局及び科学技術政策連携担当),里見大臣官房審議官(高等教育局担当),角田文部科学戦略官,森私学部長,山下高等教育企画課長,古田大学振興課長,柿澤高等教育政策室長,髙橋高等教育企画課課長補佐,岸良高等教育政策室長補佐,一色大学振興課課長補佐,保坂専門教育課課長補佐ほか

5.議事録

(1)部会長の選任等について
委員の互選により永田委員が部会長に選任された。副部会長については,永田部会長から吉岡委員が指名された。
 
(2)大学振興部会の運営について
事務局から,大学振興部会の会議の公開について資料3に基づき説明があり,原案のとおり決定された。
また,公開に関する規則に基づき,この時点から会議が公開された。
 
(ライブ配信開始)
 
【永田部会長】  それでは,公開となりました。改めて,一言御挨拶をさせていただきます。先ほど,議事公開の前に部会長として御指名をいただきましたが,今回の大学振興部会は,グランドデザインで述べてこられた中のうち,手の全くついていないと思われる部分について,具体的な施策に落とすための議論を行うということだと思います。
 質保証システム部会のほうでもグランドデザインの中でつくられてきた部分について,設置基準等の変更にまで及ぶような内容について議論をされてきました。
 今回は,文理融合まで行かなくても,文理横断といったようなものを学生たちに学ばせていくために,具体的にどうしたらいいのかというようなことから,最終的には学修の効果を測る方法にまで行きたいのですが,少なくとも学修がしやすい環境等をどのように整えていき,卒業後の資質や能力を見るところまで何とか実現するためにどうしたらいいのかについて議論いたします。
 そのような大学教育全体を見渡したときに,グランドデザインではそこまでは踏み込まず,アウトラインにとどまりましたが,少子化の中で,これから大学全体をどのようにしていくのか。人が減るということもありますが,その中で強みを生かすということも考えなければいけない。さらに,これができるような具体的な方策を考えなければいけないということで,非常にシリアスな問題も含めて,これから皆さんと議論をしなければいけないと考えております。
 ぜひとも,多士済々の方々ですから,いろいろな御意見をいただいて,大学振興部会でしっかりと成果を出していきたいと思います。御協力のほど,どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは,文部科学省からもたくさん御参加いただいておりますが,代表いたしまして,森田大臣官房審議官から御挨拶をいただきます。

【森田大臣官房審議官】  高等教育局担当審議官の森田でございます。第11期大学分科会にこのたび新たに設置されました大学振興部会の初回でございますので,事務局といたしまして,一言御挨拶申し上げます。
 先生方にはお忙しい中,既にお引き受けいただいている大学分科会に加えて,この大学振興部会の委員をお引き受けいただき,また本日御出席いただいております。感謝を申し上げます。
 既に部会長から今お話があったとおり,平成30年のグランドデザイン答申で御提言いただいた事項,各班の施策を進めておりまして,それぞれ進捗をしてきているというふうに考えております。
 その一方で,現状を踏まえ,また今後を見据えたときに残された課題として,文理横断教育・文理融合教育をどのように進めるか。出口の質保証,これを徹底するためのさらなる仕組みをどう考えるか。さらには,18歳人口の動向を踏まえて,大学の連携とか高等教育全体の規模を含めた在り方についてどう考えるか。そういった課題が残されていると考えております。
 これらの課題につきまして,今期第11期中に集中的に御検討いただくため,大学振興部会を発足することとなりました。
 先生方の忌憚のない御意見をいただきますようにお願い申し上げまして,お忙しい先生方に御協力をいただきまして恐縮でございますけども,何とぞよろしくお願い申し上げまして,初回に当たっての御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【永田部会長】  森田審議官,ありがとうございました。
 それでは早速,今日の議事に入ってまいります。この部会で大きく挙げて3つほどについて話し合うことになっていますが,その最初の問題点から,背景等を御説明いただいて,議論していきたいと思います。
 それでは,文理横断・文理融合教育等について,事務局から御説明をお願いいたします。

【柿澤高等教育政策室長】  高等教育政策室長の柿澤でございます。それでは,これから資料4,そして資料5-1,5-2に基づきまして,この審議テーマ,また論点例について御説明いたします。
 まず,資料4でございます。こちらは5月17日の大学分科会において御説明をしたものと同じものでございますけれども,大学分科会における今後の審議についてということで,この一番上のところ,2040年に向けた高等教育のグランドデザイン答申に示された方向性ということでございますけれども,ここの中で,様々な改革方策や今後の検討課題として整理された事項がございます。
 例えば,多様性と柔軟性の確保というところでは,多様な学生,多様な教員,多様で柔軟な教育プログラム,まさにこの「多様で柔軟な教育プログラム」のところにおいて,文理横断学修の幅を広げる教育の推進といったことが提言されていたところでございます。
 また,教育の質保証と情報公表というところでは,教学マネジメント指針の確立ですとか,全国学生調査の実施,また,質保証システムの見直しにつきましては,昨年度,審議まとめを行いまして,現在この設置基準の体制に向けた検討を進めているというところでございます。また,高等教育機関の規模や地域配置についての検討もあったということでございます。
 そうした中で,大学教育・経営等をめぐる現状,課題という,真ん中から下のところになりますけれども,教学マネジメント指針を踏まえた教育体制の努力を行っている大学と,改善の努力が不十分の大学とに二極化しているとの指摘もあるといったこと。
 また,中教審のみならず各種政府会議,経済界等からも,初等中等教育から高等教育に至る文理分断からの脱却,文理横断・文理融合教育やSTEAM教育等の推進も提言されているところでございます。
 これに関連しては,大学分科会のほうで,総合科学技術・イノベーション会議の合田審議官のほうからも,特に初等中等教育における文理分断に関する今後の政策等について,この政策パッケージについても説明があったところでございます。
 また,学部における社会人学生の数・割合共減少傾向,依然として18歳中心主義,学部入学する留学生も,コロナの影響もございまして伸びていないということ。また,大学の経営環境に関する悪化も懸念されるということでございます。
 こうしたことを踏まえまして,第11期中に審議を進める主な課題論点として,一番下のところに3点示しております。1つ目は,文理横断・文理融合教育,ダブルメジャー,メジャー・マイナー等による学修の幅を広げる教育の推進。初等中等教育における学びの変化や,文理分断の改善に対応した大学の在り方というところでございます。
 2点目としましては,密度の濃い主体的な学修を可能とする学修者本位の教育の実現,ディプロマ・ポリシーに定める卒業生の資質・能力を保証する「出口の質保証」の徹底。
 3点目としまして,大学の強みと特色を生かした連携・統合,再編等による地域における学修者のアクセス機会の確保や,学生保護の仕組みの整備,国公私の役割等を踏まえた高等教育の規模の在り方というところでございます。
 本日,この中の特に1つ目,(1)文理横断・文理融合教育につきまして,個別に論点例を示させていただいております。
 これからの説明につきましては,資料5-1,こちらでよりブレークダウンした論点例のほうをお示ししております。そして資料5-2のほうは,このブレークダウンした論点例に関連する参考資料を入れておりますので,この資料5-1と5-2のほうを行き来するような形での説明になりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは,資料5-1を御覧いただければと思います。
 論点例としましては,まず(1)としまして,なぜ文理横断・文理融合教育等を推進する必要があるのかということ。その下に,予測不可能な時代にあって一層必要とされる課題発見・解決力を学生が身につけるためには,文理横断的なカリキュラム,学修の幅を広げるような工夫が一層求められるのではないか。
 DXの進展により社会が転換期を迎える中,リテラシーレベルの数理・データサイエンス・AIに関する知識・技能は,文理を問わず基本的に全ての学生が身につける素養と言えるのではないかといった論点例を示しております。
 こうした論点例にも関連する資料といたしまして,この資料5-2を御覧いただければと思います。資料5-2の2ページを御覧ください。
 これまでの中央教育審議会等におきましても,様々な答申等が出ておりますけれども,ごく最近のものということで幾つか御紹介いたしますと,平成20年の「学士課程教育の構築に向けて」という学士課程答申,こちらにおきましては特に入試の関係で,大学入試の改善に関係して,文系志望者・理系志望者がそれぞれ文系科目・理系科目を十分に学ぼうとせず,学習の幅が狭く偏ってしまう懸念が指摘される。できるだけ募集単位を大くくり化することが望まれる。学部型の縦割りの壁をどのように打破するかなど,学士課程教育の改革と連動して実現される課題でもあると,こういったことが指摘されているところでございます。
 次に,こちらの5-2の3ページを御覧いただければと思います。こちらは平成30年11月のグランドデザイン答申でございます。
 グランドデザイン答申の中でも,予測不可能な時代の到来を見据えた場合,専攻分野についての専門性を有するだけでなく,思考力,判断力,俯瞰力,表現力の基盤の上に幅広い教養を身につけ,高い公共性・倫理感を保持しつつ,時代の変化に合わせて積極的に社会を支え,論理的思考力を持って社会を改善していく資質を有する人材,すなわち「21世紀型市民」が多く誕生し,変化を受容し,ジレンマを克服しつつ,さらに新しい価値を創造しながら,様々な分野で多様性を持って活躍していることが必要であるとしまして,文理横断的にこうした知識,スキル,能力を身につけることが,社会における課題の解決と,それを解決するための学問の成果の社会実装を推進する基盤となるというふうに述べられております。
 また,次の4ページでございますけれども,この中でも,多様で柔軟な教育プログラムということで,この下線部になりますが,学術研究においても産業社会においても,分野を越えた専門知の組合せが必要とされる時代であり,一般教育・共通教育においても従来の学部・研究科等の組織の枠を超えた幅広い分野から成る分野横断的なカリキュラムが必要となるとともに,専門教育においても従来の選考を超えた幅広くかつ深いレベルの教育が求められる。特に専門教育については,従来の組合せの種類が大幅に増えることを踏まえ,主専攻・副専攻制の活用など,学生の学修の幅を広げるようなカリキュラムの工夫が求められるといったことも述べられているところでございます。
 次に,資料5ページを御覧いただければと思います。こちらは関連する経済界からの提言や調査というところでございますけれども,採用と大学改革への期待に関するアンケート調査というもの,こちらは経団連のほうで今年の1月に取りまとめたものになりますけれども,大卒者に特に期待する資質・能力・知識に関連しまして,特に期待する知識として,文系・理系の枠を超えた知識・教養というものが最も多くなっているといったところがございます。
 また,資料6ページのほうになりますけれども,今後優先的に取り組むべき教育改革というところにつきましては,PBL等の充実,IT教育・AIリテラシー教育の推進,社会や企業のニーズに対応した教育プログラムの迅速な構築・充実などが挙げられているところでございます。
 また,こうした調査結果を踏まえまして,資料7ページですけれども,経団連からの提言という中でも,この一番下のところにありますが,高度専門人材の育成に向けて文理融合教育,STEAM教育,リベラル教育と専門教育を大学教育の両輪と位置づけ,双方の教育をバランスよく学修し,文理複眼の幅広い視野を獲得する必要があるといったことが述べられているところでございます。
 また,次の8ページになりますけれども,同じ提言の中で,大学における数理・データサイエンス・AI教育プログラムの充実を求める提言もされているところでございます。
 次に,資料9ページを御覧いただければと思います。こちらは経済産業省のほうの未来人材会議で出された資料でございますけれども,こちらは何かといいますと,経済産業省のほうで,デジタル化と脱炭素化の進展等を踏まえた労働需要というものを推計しておりまして,経済産業省の需要の中でも,例えば事務従事者ですとか販売従事者といったものが減少して,情報処理通信技術者ですとか開発製造技術者が増加する,そういった労働需要の推計をしておりまして,そういった労働需要の推計も踏まえて,どのような知識・技能等が求められるかということで,「56の能力等に対する需要」と。
 この56の能力というものは,もともと独立行政法人労働政策研究所研修機構の研究の中で56項目が整理をされているわけですけれども,そういったものの重要性というものが,労働需要の変化等を踏まえてどう変わっていくのかというところを見ますと,こうした,いわゆる問題発見力ですとか的確な予想,革新性,そういったものを重視,強く求められるような職種で労働需要が増加をしていくと。相対的に重要性が増していくということが推計されているというものでございます。
 そのほか資料の10ページ,11ページはデジタル人材関係,先ほどの数理・データサイエンス・AI関係の政府の重点計画等の文書でございます。
 また,資料の12ページ,企業の側でも,これはリカレント教育の需要ということではございますけれども,全ての年代を通じて,情報・数理・データサイエンス・統計等を学ぶことが期待されているというところがございます。
 次に,資料の13ページを御覧いただければと思います。これまでの資料とは少し毛色が違うものになりますけれども,現在,各大学のディプロマ・ポリシーに,この文理横断や文理融合的な部分がどのように位置づけられているかということにつきまして,これは網羅的に調べることはなかなか難しいところでございますけれども,ランダムに全国の大学30校を抽出いたしまして,ディプロマ・ポリシーについてテキストベースで見てみたというところでございます。
 そういたしますと,この30大学の中で,サンプル数としましては242件ということでございました。大学等の全体としてのディプロマ・ポリシーが6件で,人文・社会科学系96件,理工・農系65件,それ以外が81件というところでございます。
 その中で,文理横断・文理融合に関する記述等があるかというところを確認しておりますけれども,まさに文理横断とか文理融合という言葉そのものを使っているというケースもあるでしょうし,また,人文・社会科学系で自然科学等に属する内容を含めているのか,自然科学系で人文・社会科学に属するような内容を含めているのか,そういったことを確認したところでございます。
 こちらの資料の下半分,オレンジ色がバックになっているところを御覧いただければと思います。
 全体としましては,文理横断・文理融合教育等に関する記述があると見られるものは79件というところでございますが,分野ごとに見てみますと,人文・社会科学系で文理横断・文理融合等に関する記述があるものは11件ということで,11.5%ということでございました。
 一方で,理工・農系で文理横断・文理融合等に関する記述があるものは46件ということで,これは全体の7割を超えるという数字でございました。
 この理工・農系につきましては,やはり技術者,医療者としての必要な倫理ですとか,自然社会等にわたる幅広い教養を身につけるといった記述が見られたというようなところでございます。
 具体的にはということで,14ページに例を示しておりますけれども,例えば関西学院大学総合政策学部総合政策学科のディプロマ・ポリシーの中では,「自然科学・社会科学等の複数の学問分野にまたがる基礎的な知識(学際性)と問題を科学的に分析する力を身につけることで,社会や自然における複合的で複雑な諸問題を理解し,具体的な政策を構想できる能力(総合力)」というふうな記載がございます。
 また,次の武蔵野大学の工学部環境システム学科でございますが,これは自然科学系で文系的な内容,人社に関する内容も入れているというところで,文理融合カリキュラムということで,「科学的な側面だけでなく,政治・経済・哲学など様々な側面から環境を捉えなければ,理解することも問題解決も望むべくもありません。環境システム学科では,文理融合のカリキュラムを採用しています。理科系・文化系といった固定観念から脱却」するといったことが述べられております。
 また,一番下の拓殖大学の商学部経営学科におきましては,これは経営系ということで,経営・IT・流通マーケティングということでIT活用能力が位置づけられているといった例がございます。
 そうしたところが現状でございますけれども,改めまして,この資料の5-1の論点メモのほうを御覧いただければと思います。
 (2)でございます。文理横断教育・文理融合教育と一言で申しましても,やはり様々なアプローチといいますか類型があるであろうということで,これは何か学問的に,この文理横断教育・文理融合教育等の類型化で確立したものがあるということではございませんけれども,今回この大学振興部会の審議のために,便宜上ある程度の分類をして議論を進めたほうがいいのではないかということで,こちらのほうで便宜的に類型分けをしたものが,この①から⑥まででございます。
 1つ目は,①ですけれども,文理横断・文理融合教育を通じて課題解決力等を涵養することを目的とした学部・学科を設置している例ということでございます。
 また2つ目としては,文理横断・文理融合的な学問領域に基づく学部を設置しているということで,環境科学部やデータサイエンス科など。
 3つ目,③としましては,リベラルアーツ系の学部・学群等において,複数専攻,副専攻制を導入し,学際的な教育プログラムを実施している例というものを入れております。
 また④としまして,副専攻として既存学部にはない文理横断・文理融合型の教育プログラムを実施している例というものもございます。
 ⑤としまして,5-1の2枚目になりますが,一般教育・共通教育において,学部学生に対して数理・データサイエンス等に係る科目を必修としている例というものでございます。
 また⑥としまして,理工系学部において,学士課程から博士課程まで継続的・体系的なリベラルアーツ教育を展開している例というものでございます。
 これらの各例につきまして,資料5-2のほうでそれぞれ紹介をしておりますので,ごくかいつまんで御紹介したいと思います。資料5-2の16ページを御覧いただければと思います。
 まず,先ほどの,文理横断・文理融合教育を通じて課題解決力等を涵養することを目的とした学部・学科を設置している例としまして,九州大学共創学部を挙げております。
 こちらは2018年に設置された学部でございますけれども,ここの学部長メッセージというところにありますように,「共創学部が目指しているのは,学生一人一人が自分の問題意識に基づいて,文理の壁を越えて領域の異なる複数の学問分野を学び,課題を設定してその解決に自ら取り組む,新しい大学教育の実現です」というふうにされております。
 また,共創学部の教育というところでは,課題構想力,協働実践力,国際コミュニケーション力を養成すると。これらの態度・能力の修得を通じて,独創的課題解決力の取得を目指すというふうにしておりまして,次の17ページのところで,カリキュラムの全体像が示されております。
 こちらは学びのエリアということで,「人間・生命エリア」「人と社会エリア」「国家と地域エリア」「地球環境エリア」,そしてエリア横断科目といったところ。また,基幹教育として,物の見方,考え方,学び方を学んでいくといったところ。こうした教育を踏まえて,4年次には共創科目,ディグリープロジェクトに取り組んでいくというようなカリキュラムになっております。
 次に資料18ページ,同じ類型の例といたしまして,広島大学総合科学部の国際共創学科でございます。
 広島大学の総合科学部自体は1974年に設置をされた,学問分野の枠を超えた文理融合教育・研究を行う学部として設置をされたものでございますが,この国際共創学科については平成30年に設置をされた学科でございます。
 こちらも文理融合型リベラルアーツ教育ということでカリキュラムというところに書いてございますが,「国際社会の抱える様々な課題・問題やその課題の解明・解決を目指して,人文科学・社会科学・自然科学からの多様なアプローチを学ぶ文理融合型のリベラルアーツ教育を行う」というふうにしております。
 19ページに,カリキュラムの概要のほうが挙げられているところでございます。
 独自の履修計画ということで,チューターと相談の上,学生が自分に合った履修計画を立てて授業を履修していくということ。また専門科目では,「文化と観光」「平和とコミュニケーション」「環境と社会」という3つの視点を中心に学ぶという形のカリキュラムとなっております。
 次に,先ほどの類型でいいますと丸2番の文理横断・文理融合的な学問領域に基づく学部を設置している例としまして,20ページ,長崎大学の環境科学部でございます。
 こちらは平成9年に設置された学部になりますけれども,「文系・理系の両面から,環境をめぐる諸問題を多角的に捉える視座を持つ人材を育成する」ということでございまして,次のページを見ますと,21ページになりますけれども,1年次は文理融合科目ということで,環境法ですとか環境社会学,環境倫理学といった人文・社会科学系の科目から,水環境概論とか地域環境概論といったことも学んでいくと。その上で,2年次以降は環境政策コースと保全設計コースというところに分かれていくというようなつくりでございます。
 次に22ページでございますけれども,最近少し増えてきているタイプの学部ということで,滋賀大学のデータサイエンス学部でございます。「数理統計学や情報科学・情報工学を基礎とした確実なデータ分析力のみならず,社会や企業の直面する課題を発見し,データを通じて解決へと導く着眼力,構想力を養成する」ということでございます。これはデータサイエンス学ということで,こちらは経済学・工学関係というものでございますけれども,2019年に設置された学部でございます。
 また,24ページを御覧いただければと思います。こちらは同じく2019年に設置をされました,中央大学の国際情報学部というものでございます。
 こちらは法学と工学の組合せといったものになりますけれども,「文系的思考・理系的思考の枠を超え,それぞれの専門性を融合する学びにより,社会に受容される情報サービスや情報政策を実現できる人材を養成する」ということでございます。
 学部の理念として,情報の仕組みと情報の法学の融合,情報技術によるアプローチと情報を取り巻く法律ルールによるアプローチの両方があるということでございます。
 次のページを御覧いただきますと,カリキュラムの構成という中でも,ICTに関する知識や技術等の情報の仕組みや扱う情報基盤,情報に関する法律や政策等の情報の法学を扱う情報法,そして情報基盤及び情報法を融合し発展させ,より実践的なテーマを使う関連科目といったもので構成されているというものでございます。
 次に26ページ,先ほどの類型の③になりますけれども,リベラルアーツ系の学部・学群において,複数専攻,副専攻制を導入し,学際的な教育プログラムを実施している例といたしまして,ここは2つ例を入れさせていただいております。
 国際基督教大学,2年次の終わりに専門とする分野(メジャー)を決定するカリキュラムで,レイタースペシャライゼーションという考え方に立つもので,学生は1・2年時に幅広い科目で学問的基礎力を養いながら,本当に学びたいことを見つけていくというような形でございます。
 また,27ページも同じくリベラルアーツ系ということで,こちらは桜美林大学のリベラルアーツ学群というものを紹介しております。
 学生は人文・社会・自然・統合の4領域のプログラムから,メジャーと,それとは別領域に属するマイナーを必ず専攻すると。ダブルメジャーの組合せも可能ということで,メジャーとマイナーが必修となることで,1つの学問分野の知見では解決できないような課題に対し,学際的な思考で取り組むことができるとされております。
 次に④としまして,副専攻プログラムを実施している例でございます。
 ここでは昭和女子大学のデータサイエンス副専攻プログラム,こちらは2022年度,まさに今年度始まったばかりの取組になりますけれども,副専攻プログラムとして,データサイエンスコア,数理系科目群,社会学や経済学等を扱う科目,こういったもので構成をされておりまして,11単位以上の修得によって認定されるというものでございます。
 次に,同じく副専攻の取組としまして,同志社大学のサイエンスコミュニケーター養成副専攻。こちらは2016年度から始まったプログラムになりますけれども,文理横断するサイエンスコミュニケーターを育成すると。文系・理系を問わず学部生を対象とするということでございまして,こちらは募集人数が60人,20単位で認定をされるというもので,サイエンスリテラシー科目から12単位以上ですとか,コミュニケーター関連科目から8単位以上といった形で構成されているものでございます。
 次に⑤で,一般教育・共通教育において,学部学生に対して数理・データサイエンス等に係る科目を必修としている例ということで,こちらは大正大学の例でございます。
 大正大学においては,1年次・2年次で合わせて6単位を必修化するということで,こうした全学必修の取組を2021年度,昨年度から開始をしているというところでございます。
 事例の最後になりますけれども,⑥といたしまして,理工系学部において,学士課程から博士課程まで継続的・体系的なリベラルアーツ教育を展開している例としまして,東京工業大学のリベラルアーツ研究教育院を紹介しております。
 東工大は教養教育とキャリア教育に力を入れているということで,「くさび型教育」という形で,入学直後から専門科目と教養教育を織り交ぜながら学修をしていると。徐々に専門科目が増えていくけれども,卒業・修了まで継続的に教養科目群を履修するというものでございます。
 次の32ページに教育の展開例が示されておりますけれども,この東工大立志プロジェクトというところが1年目になると。これが教養教育のキーストーンとして位置づけられておりまして,ここの中で水俣病に関する学習をするといったことも非常に有名で,様々取り上げられているところかと思います。また,3・4年目では教養卒論というものもあるということでございます。
 こちらが展開の例でございますけれども,もう一度資料5-1の論点例の2枚目のほうを御覧いただければと思います。
 論点例(3)でございますけれども,我が国の大学において,文理横断・文理融合教育等が十分に進捗,発展しているとは言えない状況であるとすれば,その背景,要因は何か。
 例えば,今御紹介したような学部・学科等の設置,学生の学修の幅を広げるようなカリキュラムの工夫を進める上で,どのような課題や阻害要因があると考えられるか。
 (4)としまして,学部段階における文理横断・文理融合教育等の推進と,専門教育の高度化や大学院における研究者養成との関係をどのように考えるか。
 (5)文理横断・文理融合教育等を行う大学・学部等を積極的に評価,支援していくために,どのような取組が考えられるか。
 (6)といたしまして,文理横断・文理融合教育等の実施に当たっては,オンライン環境等も活用して,他大学・学部等と連携を図ることも有効ではないか。特に小規模の大学にあっては,大学等連携推進法人制度等の活用により,他大学とリソースを共有することも有効ではないか。
 また,(7)としまして,文理分断からの脱却,文理横断・文理融合教育等の推進という観点から,初等中等教育と高等教育との接続について,どのような取組が求められるか。大学が課題発見・課題解決力の育成等を目指した文理横断・文理融合教育等を行うに当たっては,学修・卒業に必要な能力・適性等の判定の観点から,アドミッションポリシーやこれに基づく入試科目の見直し等を含め,入学者選抜における工夫・改善を行うことも重要ではないかというところでございます。
 これらに関連しましては,資料5-2の34ページのところで学位プログラムの類型例ですとか,あるいは資料5-2の35ページで学部等連携課程の制度概要,また資料5-2の36ページでは大学等連携推進法人の認定制度といった,具体的な活用可能な制度に関する資料も入れております。
 また,資料5-2の38ページになりますけれども,入試に関する取組の事例といたしまして,ここでは文系学部における一般入試で数学を課している私立大学の例ということで,4大学の事例のほうも紹介をしております。
 最後に,資料5-2の39ページになりますけれども,こちらは入試における工夫の一例としまして,総合型選抜において,探究的な活動を通じて身につく資質・能力を評価する取組例として入れております。
 こちらは直近の大学分科会の合田審議官の説明でも多少触れられてはおりましたが,この2022年度から高等学校の新学習指導要領が全面実施となりますけれども,高等学校において,総合的な探究の時間等における問題発見,課題解決的な学習活動の充実が図られるという中で,高校生や大学生が自らの関心に基づいて,課題の発見や仮説の設定,実験・調査といった一連の課題解決・価値創造に向けたプロセスなどを学ぶ探究的な活動,これが新しい時代に求められる重要な力につながるというものでございます。そうした高校段階の探究的な活動を通じて身につく質・能力等を大学入試等で評価する取組ということで,ここでは3つの例を紹介しております。
 先ほどリベラルアーツ学群の取組を紹介しました桜美林大学の「探究入試Spiral」,また,お茶の水女子大学の「新フンボルト入試」,また島根大学の「へるん入試」といった形で,こうした総合型選抜における入試の改善・工夫というものも進んでいるところでございます。
 私からは以上でございます。

【永田部会長】  ありがとうございました。今,御説明ではこれまでいろいろなところで言われてきたことをうまくまとめていただきました。ここから我々が,今この観点で,どのように具体的にこれを現実にしていけるのか,あるいはどうしたらできるのかということを,これから議論をしていかないといけません。
 先ほど出てきたものでも,実例であったり,それからそれ以前のいろいろな政策提言であったりしたものに合わせながら行っているわけです。
 今後,このことをどのように進めていくのかということで,今日は1回目ですから,御自由に御意見をいただきたいと考えています。
 御意見をお述べになる際は,手を挙げていただくか,あるいは声を出していただいても構いません。
 村田委員,どうぞ。

【村田委員】  ありがとうございます。論点整理ありがとうございました。文理横断,あるいは文理融合,過去は文理融合と言われていたと思うんですけれども,本学でも文理横断・文理融合ということを言って,幾つかのカリキュラムをつくった経験があるんですが,基本的な問題点というか問題意識は,理系から文系への横断はできるんですけども,文系から理系への横断ができない。つまり,数学がネックになって文系から理系への横断ができないということが,非常に大きな問題なんだろうなと。
 ここにダブルメジャーだとかメジャー・マイナー,あるいはレイトスペシャライゼーションということが,恐らく文理横断をやっていく中で一つの手法としてあろうかと思いますが,それとて文系から理系,文系の学生が理系の科目に対してダブルメジャー,メジャー・マイナー,あるいはレイトスペシャライゼーションということは難しいんです。数学というものがどうしても,数Ⅲまでやっているかやっていないか,少なくとも数ⅡBまでやっているかというところがあると思います。やはり根本的にこの文理横断・文理融合の問題を,特に,理系から文系といくところに関しては,ここに今日挙がっていますような幾つかの事例で十分できると思うんですが,そうでなくて,文系から理系ということを考える場合には,やっぱり数学の入試をどうするかというところが抜本的な解決策というか,一番のネック,ボトルネックじゃないかというふうに理解しています。
 一方で,理系から文系へというところは,これは理系の学生にも文系のアントレプレナーだとかいろんな事業を,東工大さんがやっていらっしゃるような形が当然必要なんですが,文系から理系のところはやはり数学かなというのが私の印象です。
 以上です。

【永田部会長】  ありがとうございます。 益戸委員,どうぞ。

【益戸委員】  ありがとうございます。今,村田委員がおっしゃったことはまさに企業人として実感していることでして,本日の文理横断・融合という言葉遣いなのですが,そもそも民間企業ではこのような言葉遣いはしておりません。既に,理数系的な要素を抜きにしては時代に即応した仕事を継続するのは難しい状況なのだということを,まずお伝えしなければいけないと思っております。
 いかにデータを活用するかとか,新しい働き方を実現するかとか,とても重要な課題ですが,これは営業とか企画とか人事とか経理とか,企業内における全てのポジションにおいて全く同じだと思います。今やシステムをうまく使いこなせるかとか,資本効率をいかに上げるかなどは,すべての企業においても重要な経営課題となっています。
 ちょっと失礼な言い方かもしれないですが,社内で,自分は文系だからあれができない,これができない,というようなことをおっしゃる方もいます。今後,そういう数字に弱いとかシステムが苦手という方の採用は,そもそも厳しくなるのではないでしょうか。
 しかも,今は大学を卒業してから20年30年たっている方たちが中心となって働いています。とすると、 余計文系の知識だけでは仕事をこなすのが厳しいのではないかと思います。
 大学卒業の7割を占めるボリュームゾーンの方は文系だとお聞きしました。この文系と言われている学生の皆様は,企業にとってとても大切な人材です。
 特に文系の方における文理分断の状況と,それを打開するために何が必要なのかということは,この部会で本当に大切な議論のポイントになると考えます。従来から「産学連携」がありますが,これはどちらかというと研究分野に重点を置いたことだと思います。産学連携を教育の観点でも深めていく必要があると思います。
 民間側からは,教育界に対して人材育成の要望を出し続けるだけではなく,企業側もそのために何ができるのかということを知って,協力をしていかないと,この問題からは抜け切れないでしょう。
 実際問題,大きく世の中が変わる中で,企業では過去に採用した文系人材に,社内外の研修で新たな技術の活用ですとか必要な知識を身につけていただいて,何とか対応しているというのが現状です。
 そこで提案ですが、この大学振興部会の議論においては,ぜひ,ビジネス側の最前線では何が起きているのか、どういう危機感を持って,そのためにはどういう取組をしているかなどを,特に文系学生の採用が多い企業から,ここ数年の取組を聞いてみてはいかがでしょうか。
 どうしても,こういった会議の場では,文系・理系,企業の大きさ,中堅・中小,全てのことがまぜこぜになって議論されることが多いのですが、まずはそこに的を絞って,現実に起こったいろいろな問題を教えていただくということは非常に重要ではないかと思います。
 以上です。

【永田部会長】  ありがとうございます。サマリーが出たような内容でした。本当に働く側から見たときにそのような意見が出るというのは非常に重要であり,我々は意識しないといけません。
 川嶋委員,どうぞ。

【川嶋委員】  ありがとうございます。川嶋です。益戸委員から,文系・理系という概念というか,対立項は企業にはないというお話をお聞きして,文系・理系と言っているのは教育の世界の人間だけかなと,改めて認識した次第です。文系・理系というカテゴリーがどういう背景から出てきたのかというのを,しっかり考えてみる必要もあるのかと思います。
 それに関して、3,4点,私から意見を述べさせていただきたいと思います。
 1点目は,文理融合というか幅広い学修を大学で,大学院で学ぶことが重要だということですが,これまでも中央教育審議会大学分科会等で何度もその必要性が指摘されたところです。
 例えば1991年の設置基準の大綱化で,カリキュラム上の一般教育の縛りがなくなって,一気に各大学・学部での自由な設計ができるようになったときに,留意事項として教養教育の重要性も指摘されていたにもかかわらず、従来の1年半とか2年の一般教育の部分がかなり縮小されて,いわゆる専門の科目の比重や単位数が増えたという状況もあります。
 こういう状況を中央教育審議会のさまざまな答申では憂えて,先ほど学士課程答申の例も出ていましたが,その中で大くくり入試の必要性についても触れています。また,例えば2005年の高等教育の将来像答申でも,やはり各教育段階,学士・修士・博士の教育段階のそれぞれの目的を明確にすべきという提案がされて,それ以降も同じような指摘がされています。
 つまり、学士課程では教養教育を中心として,それに専門教育を付加するにしても,基礎的あるいは入門的なところにとどめて,より高度な専門教育は大学院修士課程や博士課程に移した方が良いのではという提言が繰り返されております。それがなかなか実現されていない。
 一方で,今,益戸委員のほうから産業界のお話が出ましたけれども,依然として産業界は学士卒を一括採用するという慣行が非常に強くて,いわゆる修士・博士人材の採用というのはなかなか進んでいない。ぜひ学歴プレミアムということを企業の方々には考えていただきたいというふうに思います。
 また,これは巷間,企業が大学に求めているのは役に立つ教育であるとか即戦力の学生なんだということが,とりわけ就職者が多いのは学士課程卒業生ですから,そこに向けてメッセージが発信されているというような捉え方があります。
 ところが,本日の資料を見てみますと,企業の調査によると,5ページですかね,資料5-2です。実は専門分野・専攻分野における基礎知識や専門分野というのは2位,3位で,一番期待する知識というのは文系・理系の枠を越えた知識・技能で,いわゆる幅広い教養的な知識や技能だと思うんです。それが企業からのメッセージなんです,実は。
 ところが,やはり大学側から見ると,どうしても重視するのが専門教育,専門的な知識や能力になってしまって,大学側と産業側の求める知識や能力に関するパーセプションにギャップが生じているわけです。
 この大学と産業界の必要な能力に関するギャップについて、最新の調査はまだないようですが,数年前に我々が行った調査でも,やはり大学の教員が重視する質問で,専門教育や専門教育で身につける能力を第1番目にあげているんです。
 御承知かと思うのですけれど,アメリカのAAC&Uという大学教育団体があるんですが,社会で一番役に立つ大学教育というのはリベラルエデュケーションだということを,一貫して彼らは主張しております。
 ですから,改めてリベラルエデュケーション,教養教育,特に学士課程における教養教育というものの重要性のメッセージを大学分科会から発する必要があるのではないかと思います。
 2点目は,制度上の問題だと思うんですけれども,設置審査が学部や学科単位でなされていることの影響もあります。専門学部・専門学科と言ったときの専門の中には,一つはいわゆるディシプリンという意味の専門,例えば理学とか工学とかという意味での専門があります。一方,今日御紹介があった,いわゆる課題ベースというか学際的な思考を求める専門学部,専門学科というものもあるわけです。
 しかし,設置審査が、いずれにしても学部・学科単位でなされるわけですから,どうしても大学が文理融合・文理総合教育へのニーズに対応しようとすると,新たにそのような専門学部,専門学科を設置するしかないということになっているわけです。
 例外は,隣に元学長の日比谷先生がおられますけれども,ICUはアメリカ型のレイトスペシャライゼーションで教育を行っている大学です。やはり全学的に学部・学科も越えて教養教育の横串を刺すというのは,今の設置審査の在り方とか大学教育の在り方では難しいということになるかなと思います。
 3点目は,入試の話も出てきましたけれども,結局これも設置審査の単位と同じように,やはり入試も学部・学科を中心に募集がされるために,どうしてもそれぞれの専門学部・専門学科に入って必要な学力・能力を入試で試したいという教員の要望が非常に強くて,先ほどから出ているような文系と理系という出題科目のパターンになってしまうわけです。
 そうすると,高校側の対応としては,どの専門学部,どの専門学科を目指すかによって高校2年生からコース分けをしてしまって,それぞれ,先ほどからありますように大学受験のために限られた教科・科目しか学ばなくなるわけです。
 大くくり入試の必要性が,これは先ほどもお話ししたように学士課程答申でも指摘されていますけれども,なかなか広がらない。例えば大くくり入試といって東京大学の類別入試が例に挙げられますけれども,結局,文系と理系それぞれ1類から3類に分かれていて,文系・理系をまたがった大くくり入試ではないわけです。本学でも,文学部とか工学部は学部単位で入試をやっていますけれども,結局それも文学部,工学部という専門分野の中での大くくり入試に過ぎません。
 北海道大学が総合入試というのを始めたので,同様の入試をもう少し進める必要があるのかなというふうに思います。
 そして,これまで論点でも指摘されているように,この問題の解決には単に入学してからの教育とか出口の人材像やDPで示す能力の育成だけではなく,やはり入口の入試から一体的に考えていかないと,なかなか根本的に解決にはならないと思いますので,例えば,これまで既に示されております教学マネジメント指針,これは主としてDPとかCPに関係する内容でしたので,これを改定していただいて,入口から出口まで一貫した形での教育の在り方を少し示すということが必要かと思います。それに対応する形で,3ポリシーのガイドラインですが,これもやはり見直す必要があるのではないかと思います。
 最後に,言わずもがなだとは思うのですけれども,大学振興部会なので,施策がしっかりと実施できるように,予算づけに向けてもしっかり議論していただければと思います。
 以上です。ありがとうございました。

【永田部会長】  ありがとうございます。 越智委員,どうぞ。

【越智委員】  ありがとうございます。もうかなり具体的なお話をいただいたので,私のは雑駁な意見のようになると思うんですけれども,先日の国大協でも,永田会長の下,理系女子を増やそう,あるいは,理系の比率を50%にしようということが大きな話題になっておりました。文理融合とかいう中で理系を増やそうというのも何となく違和感がちょっとあったんですけれども,先ほどから御意見がありますように,数学が基本だろうと。この文理融合を進めていくためにはですね。
 ということは,小学校の児童の頃に,例えば数学とか文系・理系という概念はないと思うんです。それは算数,国語は普通どおりやっていくわけですから,そういう文系・理系という概念はないわけですけども,高校ぐらいになると,担任の先生からも文系・理系の峻別をするような,入試を含めてそういう教員とも接するようになって,だんだんその壁が強固になっているのではないかというふうに思いますので,もともと分離したものを融合させるよりは,もともとあるものを分けないようにするということになると,やはり,中学,高校,そこの辺りに手をつけないと難しいと。
 指導要領では情報が入ってくるということになったんですけども,そういうところからスタートしないと,大学に入ってどういうふうなカリキュラムをつくっていくかが必要だと思います。もちろん,現時点でもやらないといけないんですけども,元に返ると,そこの辺りから手をつけていく。先ほどお話もありましたように,数学をどこのレベルまで学ばせて大学に送り出すのか。そういうふうなところが重要になってくるのではないのかというふうに,個人的には考えております。
 それともう1点,文理融合をやった後に,専門教育の高度化や大学院における研究者養成の関係をどのように考えるかというところがあるんですけども,学部で文理融合的なことをやって,大学院に行ったらまた専門的なというのも何かおかしなわけで,私自身はやはり大学院に進んだ後も,専門と同時に,例えば文理融合的な研究とかのつながりというようなことをやっていくべきで,大学院になったらもう,また専門だけでいいでしょうということにはならないんじゃないかというふうに考えております。

【永田部会長】  ありがとうございます。学士課程から大学院まで,同じ目線で見ていきましょうという御意見でした。
 古沢委員,どうぞ。

【古沢委員】  ありがとうございます。私も皆様から御指摘が今まであったように,文系・理系が分断されているというのは高校以前の問題が非常に大きいかなというふうに思います。
 以前に調べたことがあるんですけれど,やっぱり高校のカリキュラムが,より入試に向けて効率的なカリキュラムを選ぶ方向が非常に強まっているというのがありまして,大体高校1年生の終わりに文系・理系を選ぶというのが一番多いかなというふうに思います。
 その一方で,かつてはほぼ全員が数3まで学んでいたような公立高校が,やっぱりもっと幅広く学ぼうということで,高校3年生から文系・理系を分けるような動きも近年出てきているように思います。
 全てというのは難しいかと思うんですけれど,大体の傾向などを実態把握することも必要ではないかと思います。
 それと,一部の大学では入試で数学を課さなくても,経済学部なので入学後にかなり丁寧に指導することで,克服というか,一定程度,理系的な知識を身につけさせているところもあるかと思うんですけれど,その場合も,学生にあらかじめ入学前に告知をすることで,高校である程度きちんと学ぶということもできるのではないかと思います。
 関連して,先ほど国立大学協会の方針に言及がありましたけれど,女子に医学部以外の理系の進路をいかに示していくかというのは非常に大切なことで,女子が半分なわけですから,非常に余地があるんじゃないかと思います。
 あと,先ほど御説明があった平成20年度の中教審答申の大くくり化ですね,これはぜひまた進めていく方向で論議をしていければいいなと思います。
 以上です。

【永田部会長】  ありがとうございます。 大森委員,どうぞ。

【大森委員】  ありがとうございます。よろしくお願いします。
 先ほど益戸委員がおっしゃってくださった,産業界というか,つまり学生たちがその先どこで生きていくのか,どこで暮らしていくのかというところからバックキャストしていくというのは,やっぱりすごく大事だなというふうに感じています。
 そうしたときに,ただ,一方でというか,そうすると,全ての大学が全ての学部を教養学部にしていくというか,学際学部にしていくというか,何か,もしかするとそういうことのほうが実はいいのかなというふうにさえも思えてしまうかもしれないという気もしていて,そこがすごく悩みで,先ほど来から「専門」というところのお話があって,今までも御議論ありましたけれども,初等中等教育に責任を転嫁するのはあれなんですけど,本来はもしかすると高校までに文理,数学も文系もできていて,その上で大学で,じゃあ文学ねとか工学ねとかいう専門を。だから,ベースは既にできているということになっていれば,大学はやっぱり専門を教えていけばいいよねと。ベースができていて,あとは金棒として何を持ってもらうかというところで,専門というので行けると思うんだけども,現実はそうなっていないので,より,というところがあるような,ちょっと気はしています。
 というのは,あとは高校のカリキュラムなんですけれども,うちの大学は結構地元の高校さんの探究の学びに学生が行ったり教員が行ったりしていて,私もたくさんの高校に行っているんですけれども,探究の理系クラスと探究の文系クラスがあるんですよね。探究ってもっと総合知でやるはずだったと思ったんだけれども,既にそういうことになっているのでというところです。
 そうやって学んできた子が入ってきたときに文系からのブリッジが難しいというのは,私も専門が文学なので算数が全然できなくて,と言ったら,うちの学部長に,「いや,先生はグラフはつくれますよね」とかいう話になって。
 つまり,どこまでできていてほしいという,みんなが期待している値がちょっと幅広いんじゃないかなという感じが実はしています。1人の人がどこまで両方の知見を持っていたらいいのかなっていう目標というか,こういうことができるようになるといいよねというのがある程度まとめられると,それに向けてカリキュラムをつくっていけるかなという感じもちょっとしてはいます。
 情報のリテラシーレベルというところでいくんだということであれば,それはそれでもいいかなというふうには思っておりますけれども,それを持っていると,理系の人と協働していろいろやることができるとか,そういうことも考えられるかなと思ってということで,どういうことができるといいんだよねというところが,まとまる必要があるのかなという感じがしていますというのが1点。
 あと2点は短くですけど,事例としていろいろ出していただいて,すごく参考になります。
 今,文科省で同時に走っている事業として,知識集約型社会を支える人材育成事業というプログラムが動いていますけど,あれに採択されている大学さんも本当にすばらしい,いろんなチャレンジをされているので,いろんな事例をそこで見ていくのもいいかなと思いました。
 最後に1点,入試のお話がありました。本学も来年から数理・データサイエンス・AIを,超文系大学ですけれども10単位必修にしようといってカリキュラムを変えているんですけど,その議論のときに,私が言うんじゃなくて現場の先生たちが,「これで受験生きっと減るよね」という心配をしています。これは地方文系私学にとっては切実な問題であってというところは,一応,現場からお伝えしました。
 以上です。

【永田部会長】  ありがとうございます。私も少し意見を付け加えたいようなコメントがありましたが,そこは後にします。吉岡委員,どうぞ。

【吉岡委員】  ありがとうございます。皆さんのお話でかなりいろいろな議論が出てきていて,この方向をまとめていけばある程度まとまりができるんじゃないかと思ったのですが,あえてちょっと違う話をさせていただければと思います。
 バックキャストの議論というのは,これからの社会はこうなる,そのためにはこういう人材が必要だと。そのためにはこういう学問とか知識を身につけた人間が必要であるという,そういう組立てになると思うんですが,一方で,学修者本位ということのなかにある意味そういう面があると思うんですが,今の学生たちがどういう意識を持ってそういうものになろうとするかということがとても大事だと思うのです。
 特に学部学生というのは,そのモチベーションをどうやってつくるかという問題がないと,結局のところ,例えば文理融合が必要だといっても,これは昔から言われているわけですけれども,結局そうはいかなかったというか,そういかないわけです。
 考えてみると,つまり,どういう学生に対して何をするかという,その,どういう学生たちを我々は相手にしているのかということを,やっぱりどこかで考えておかなくてはいけないだろうというのが1点目です。
 つまり,今の学生というのは,今年卒業した学生を考えても,大体21世紀生まれの子たちがこれからは卒業していくというか,大学生になっている。もちろん,社会人のリカレントの問題はありますが,やはり大学の中心はそういう二十歳前後の学生だとすると,今の学生たちというのはどういう学生たちかというと,これは前に大学分科会でも言ったことがありますけれど,生まれてこの方,何もいいことがなかった。極端に言うと,「予測不可能な時代」というときの「予測不可能」というのは,今60代とか我々の世代だと,未来はいろいろあるけれども,いろいろ明るい未来も見えていたわけです。希望もあった。
 だけど今の学生たちにとってみると,予測不可能で何か起こったことって全部悪いことです,極端に言うと。小学校のときに東日本大震災とフクシマがあった。それから先も自然災害は続いているわけですし,グローバル化が進んだといったら国際関係がどんどん悪化していった。今度はパンデミックがあり,さらにウクライナの事件が起こってくるというような形で,経済的にもちっともよくなっていないわけです。その親の世代も,バブルは見ていますけども,それが崩壊した世代です。
 そういう学生たちを,どういう形でモチベーションをつくっていくのかということをどこかで考えていかなければならないだろうと思うというのが1点目です。
 2点目は,文系・理系ですけれども,文系の学生であっても,例えばゲームを通してプログラミングもするわけですし,ある種の関心と結びつけばいろんな力を出してくるということがある。もちろん私も,文系・理系で中学・高校の勉強の仕方とかが分かれて,入試のための中高の教育になってしまっているということは非常に困ったことだとは思いますけれども,しかし,ある種の動機づけとか方向性を持てば,学生,少なくとも二十歳前後の学生であれば,いろんな可能性が出てくるというふうには思っているというか,思いたいと思います。
 3点目は,総合知ということが言われるわけですが,この総合知というのが何なのかというのは実はあんまりイメージが湧かないのです。
 文理融合とか文理横断というのはそこそこイメージができるのですけども,それでも,これ多分,我々の中でもイメージといいますか,これが違っていると思うんです。
 私はここで何か言葉を定義すべきだということを言いたいわけではないのですが,何を議論しているのかということをある程度考えていかないと,結局言葉だけのものになってしまうというふうに思います。
 これだけ学問が複雑になって,科目でいったっていろんな科目がある中で,1人の学生があらゆる総合知を持つということは不可能なわけです。私は,取りあえずちょっと考えるということでいうと,その総合知というのは,リベラルアーツの一つの考え方だとも思いますけれども,知識の配置というか,今,自分がやっていることというのはどういうところをやっていて,どういう勉強なのかということについての大ざっぱな見取図みたいなものをどこかで教えていかないとならない。そのことはやっぱり動機づけと結びつくだろうというふうに思います。それによって,自分は何を知らないのかということも分かるし,それが結構重要ではないかと思っています。
 さらに,そのことを具体的に言うと,大学では,要するにみんなで勉強しているとか友達がいるということです。常に大事なことは,このことは自分はよく分からないけどあいつに聞けば分かるというような,そういうコミュニケーションのネットワークをつくっていく力を養うということだと思うのです。自分が分かってなくてもいい,あいつに聞けば分かるとかいうことはすごく重要なことで,それはやっぱり大学というものが持っている,教育の非常に大きな使命といいますか,役割だろうと思います。
 今は,ネットを調べればある種のそれに近いことができるわけですが,それはやっぱり情報リテラシーをきちんとしなくちゃいけないということと,同時にやはり知識というのは,一方で生身の人間の信頼関係みたいのがあって,特に若いときはそれを基礎にして身についていくわけなので,やはりそういう実際の人間関係に基づく知というものを念頭に置いていくということが必要で,それはやっぱり大学の在り方と関わっているというふうに思いました。
 先ほどの議論で,ちょっと文理融合のことでいうと,つまり1人で文理融合を,一人ひとりの学生が文理融合のカリキュラムをやるという話なのか,学部が両方をやるということなのかどうか。それから,研究者になっていく人間をイメージするのか,大部分がそうであるように企業に入っていく学生たちをイメージするのかによって,やはり違うと思うのです。両方考えなくちゃいけないんですけれども,その辺のことは考えておいたほうがいいかなというのは,私も,皆さんの意見とちょっと違うことを言っておこうと思ったので申し上げた次第です。

【永田部会長】  ありがとうございます。 日比谷委員,どうぞ。

【日比谷委員】  ありがとうございます。私は,数人前に意見発表をなさいました川嶋先生から例外的な大学と言われたところの学長でございましたので,基本的には物すごく例外的な頭になっていますし,辞めてもその頭は続いております。
 どこが例外的かというと,一つは,完全な大くくり入試です。かつ,全く理科も数学もお手上げですよという人は,ほかでどんなに点が取れても多分入れないと思いますので,物すごくやっている必要はないけれども,やっぱり一定のところまでは理科諸科目と数学を勉強していなければ入れないように,入学者選抜制度はつくってきましたし,今もそうしています。
 大くくりにして,できれば私は,学士課程は何とか学部,何とか学部に入るのではなくて,一括して学士課程に入り,その先で,学部のレベルの専門,私たちが「メジャー」と呼んでいるものですが,そのレベルでの専門というのはそれなりにあると思いますから,そこにいろんなものが用意されていることも重要だと思いますけど,入るときにやっぱり一括で入るのがいいと思います。
 先ほど大森先生のお話があって,「金棒」とおっしゃったんですけど,高校のレベルで,これはよくこのメジャー制度を導入するときに分かりやすい例として使っていたんですが,歴史を専攻したいという人がいたり,いなかったりするわけです。
 その多くの人は,歴史は暗記物だと思って―毛嫌いしているんですが,逆のケースというか,歴史は暗記物で嫌だから絶対専攻したくないと思って来た人の中に,実際に歴史をメジャーして卒業していった人って実はかなりいるんです。
 それはなぜかというと,大学に入って2つパターンがあるんです。一般教育科目で歴史を取って,いろんな原資料に触れたりとかそういうことをしているうちに,なんだ高校でやっていたのと全然違うじゃん,と思う人。
 あるいは,いろんな基礎科目を,例えば必ずそこで数学や物理の基礎科目を取らなくちゃいけないというカリキュラムにはなっていませんけども,一定,自分が最終的にメジャーすることになるものとは違う科目も取らなくてはいけないので,その一つとして歴史の基礎科目を取ると。そうすると,一般教育科目で歴史を勉強するよりももうちょっと専門的になるんですけど,そこでやっぱり資料に触れたりすると,これは高校とは全然違うぜと。
 大学では歴史を勉強しようというような人もいるので,やはり高校の段階で基礎的なところをしっかり勉強することは大事だと思いますけれども,どんなにそこでやったとしても,やっぱり大学レベルで,それぞれの分野で学ぶことはまた違うと思うので,完全に大学に入ったらもう最初から専門を決めてそこだけということには,私はならないんじゃないかなと思います。
 それで,この大くくり入試,学士課程一括というのは,ただ,私,いろいろな学長ともちろんお話ししてきましたけれども,あなたのところはそんなに人数が少ないからできるんだよ,と必ず言われました。
 非常に大規模な私立大学,この委員の中にも,今日お二人はお休みですが,現職あるいは元学長がいらっしゃいますけれども,やっぱりそういうところで一括入試するといったって,すごくそれは大変なことだと思いますけど,やっぱり入り口のことを議論してそれなりの方向性を出さないと,変わらないかなという気がしております。
 それから,最初に益戸委員からお話がありまして,大体二,三十年働いている人っておっしゃいましたよね。そうすると,さっきから話題になっていますが,日本は18歳主義ですから,大体42歳から52歳の人ということになりますよね。
 もちろん子供のいる人もいない人もいるし,若いときの子かとかいうことにもよりますけど,やっぱりその年になって自分が企業で働いていて,文系だからこれはできないとか,これとこれは勉強してくれなくちゃ困るといってどこかに行って,大変に苦労してつらいなと思っている親が,どうして子供に文系か理系かということを言うのか,私は本当に理解できないです。
 困っているんだったら困っているほど,そんなことしていては駄目だよと親は言うべきだし,仮に学校の先生がそういうふうに言う学校だったら,そういう学校に行かないように仕向けるぐらいのことをしないと,ずっとこの話は永遠に繰り返されると思います。
 ここは大学振興部会なので,世の中の親御さんの教育をするところじゃないんですけれども,やっぱりメッセージとしては,今自分がつらい人はよく考えてみようよ,ということを私は言ったほうがいいなと思います。
 以上です。

【永田部会長】  ありがとうございます。 小林委員,どうぞ。

【小林委員】  ありがとうございます。いろいろお話を伺ってみて,私も吉岡委員と同じように,文理融合とか文理横断というイメージが人それぞれ違う可能性があるので,まず共通認識を持っておく必要があるかと思います。
 川嶋委員が先ほど触れられましたけども,設置基準の大綱化が始まって,昔あった教養課程というのが,ほとんどのところの大学で専門課程が中心になってしまったということがあるんですけども,私どもの大学は理系の大学なので,いろいろディスカッションをして,1年生のリベラルアーツですか,一般教育部と言うんですけども,それは残しました。
 それは,学生それぞれいろいろな文化的な素養は,興味が違うので,幾つかの単位を取れるような形にして,それで1年生のリベラルアーツは残しているんです。
 ダブルメジャーとかマイナーとか副専攻とか,いろいろ仰々しい言葉はないにしても,そういうことを残しているということもあるんです。
 一方で,理系からすると,先ほど文理融合だと文系にして数学がハードルだという話があったんですけども,私も理系の教育をずっと受けた者としては,文系のほうがロジカルなシンキングですか,そういったものにたけていると思うんです。そういう論理的な思考というのが,文系的な論理的思考というのは理系の人はあんまりできないので,例えば社会制度をつくったり規則をつくったりというのがかなり苦手なんです。
 ですから,文系の人が数学に恐怖を持っていらっしゃると同時に,理系の人は文系的なロジカルシンキングに対して,ある程度の尊敬の念を持っているということをここで申し上げておきたいと思います。
 例えば,『理科系の作文技術』という,昔の古い学習院の先生たちがつくられた本があるんですけども,それでも,事実とそれから自分の意見,それを確実に分けて書くようにというふうな教育をされるんですけど,こういうのはむしろ文系の方のほうが得意なのかもしれません。
 ですから,1人の人が,先ほどもありましたように,全部を網羅するというのはなかなか難しいと思いますので,むしろチームワークで,その専門性を持った人たちと一緒に働くことができるという人間を育てることも大切じゃないかと思いました。
 以上です。

【永田部会長】  ありがとうございました。
 皆さん1回ずつは御発言いただきましたので,私も意見を申し上げます。
 全体を俯瞰しなければいけない立場もあるのですが,お聞きしていて,ほとんど普段から考えることばかりだったわけです。今聞いていて疑問になったのは,「文系・理系」という単語を,なぜ我々は言い続けているのかということがまず分からなくなりました。嫌な言葉だと思いました。
 初等レベル,中等レベル,高等レベルの段階は,それぞれの段階の高さのレベルの水準の学問を教えているわけで,高校でできなかったから大学で教えるということはあり得ないわけです。
 ですから,文系の子に数学を教えなければいけないと村田委員がおっしゃったのは,正しいわけで,大学に入ってから数3を教えては駄目なわけです。大学はあくまでも大学の数学を教える。そのような認識を持たなければいけない。
 大学1年生,2年生はそのレベルの各科目のレベルを習わなければいけない。それはもう日比谷委員がおっしゃったとおりです。大学院は大学院レベルを学ばなければいけないわけです。
 ですから,補完するという機能は基本的に考えてはいけなくて,元中教審会長の安西さんたちが以前の提言でおっしゃっていたとおり,高校のレベルは高校で終えなければいけないのです。大学に入ってきてから教えるようでは,いけません。全ての科目について,高校は高校レベルで完結をするというのが非常に重要だと思います。
 もう一つ思ったことは,その「文系・理系」の言葉の恐ろしさと同じように,この「一般教養」という言葉の恐ろしさを身に染みて感じたのですが,「一般教養」とは何なのか。一般教養は大学にはありません。ある科目を集めたものが教養科目というようなことと言われるかもしれませんが,大学であれば基本的には全部専門のはずです。
 同じ科目でも1年生や2年生のレベルと大学院の1年生や2年生のレベルは違います。そのような認識でいないといけない。専門の数学に行けば数3で終わりなわけがなくて,そこから大学の数学はさらに先に進んでいって,専門の数学はさらにその上に課題があります。
 その認識で見ないと,つまり「一般教養」という言葉を使うからいけなくて,一般教養というのは簡単な水準の学問ではありません。その一般教養と言っているものはハイレベルの歴史であったり,ハイレベルの『源氏物語』であったり,ハイレベルの生物学なわけです。そのレベルが,ここまで学んでいけば次の専門,いわゆる専門での生物や専門での『竹取物語』が読めるということを,準備するのがその段階です。
 しかし,専門のときは,専門の周りに,その専門を学んでいる人が,学ぶべきレベルの教養があるはずです。それを1つでも2つでも身につけていくという日々がないといけません。先ほど越智委員が大学院レベルだってあるとおっしゃっていて,当たり前だと思います。それが大学という場所ではないかと思っています。
 具体論として,アドミッションはどうするのか,初等中等とリンクしているではないのかという議論であったと思います。
 それから,最終段階では,せめて文系・理系という言い方はやめて,自分以外の他分野で遠くの分野の原理原則的なことであっても理解の基本ぐらいは知ってなければいけないだろうという意味だと思います。
 そのようなことは,学問の進行程度に合わせてついていくので,全部やれと言ったとしても,1人の人が法学も社会学も医学も工学も全部やれと言っていることではないと思います。言葉は恐ろしいものだと思いました。
 私だってずっと文系・理系という分け方で物事を考えていた部分もあったので,今日からやめようと思いましたし,一般教養ということも,IDEなどに書いていて,日本でいう「一般教養」と「ジェネラルエデュケーション」ということは違うし,「リベラルアーツ」というのはいわゆる一般教養とも違うという,そのひとつひとつの単語を安易に使うと大きな間違いが起こるのだろうと思って,言葉はもっと丁寧に使わないといけないと思いながら聞いておりました。
 そのような内容の中で分けると,初等中等と大学教育がつながるアドミッションというのは,じっくり考えなければいけないだろうということと,それから,「教養」という単語は嫌だと言いましたが,各年次においた他分野の理解とは一体何なのかということです。あえて「文系・理系」「一般教養」を使わないと今のような言い方になります。カルチャークラブではないので,何か適当に勉強してればいいというのも,間違いだということです。
 最後に,その一番大本にペアレンツがいるというところが面白くて,日比谷委員の激論は,もう益戸委員と併せて出せばそのとおりで,おかしいだろうということになります。
 なぜそのようなことが起こっているかというメカニズムを考えなければいけなくて,それは吉岡委員もおっしゃいましたが,苦労ばかりした世代の子供たちの親は苦労させたくないというところが裏目に出まして,とにかく高いレベルの手に職をつけさせれば安心みたいなことになっています。それは違うということを益戸委員が最初におっしゃっていて,現場に行くといろいろなことが分からないと言われてしまうわけです。
 つまり,家庭教育も含めての段階,小中から高等への接続の段階,それから大学の教育全体を見渡して,もう一度考え直さなければいけないことはたくさんあると思った次第です。
 自分の意見も入れましたし,全体のサマリーも少しはしてみましたが,もうひと当たりどうでしょうか。そのようなサマリーではなくて私が言いたかったのはこうだというところもあると思いますが,ぜひとも御意見を伺いたいです。次回以降,どうするのかということについても具体的に話さないといけないと思います。
 その前に,まだ言い足りない方がきっといらっしゃると思うので,いかがでしょうか。どなたでも結構です。
 どうぞ,川嶋委員。

【川嶋委員】  永田部会長の刺激的な御発言に,記憶がちょっとよみがえってきました。一般教育とか一般教養とかリベラルエデュケーションとかリベラルアーツとかという議論は,実は大綱化のときに,各大学が苦労して,それなりに整理をしてきたところなんです。
 それで,例えば私の前職であった神戸大学では,教養部をなくして委員会方式にしたのですけど,その時,専門と非専門という概念に分けて,専門だけではなくて専門以外のことを学ばせることによって,今日,議論している幅広い知識や能力が身につくことを期待して、新しい教養教育と専門教育のシステムを導入しました。また,全く専門以外の科目として,新たに総合教養的な課題,イシューベースの科目などをコア科目として履修させることによって幅広い学びを保障しようとした大学もあり,多くの大学でいろんなことを議論しました。学士課程は非専門と専門教育からなるとか,前専門と専門からなり、前者を教養教育とすれば良いのでは、とか。各大学がオールラウンドな人間を育成するにはどうしたらいいのかということに関して,非常に工夫してきたなということを今,いろいろ思い出したところです。
 それで,永田部会長がおっしゃった,大学の教育は全て専門であるということですけれども,これはアメリカではいわゆるディストリビューション、つまり配分方式という一般教育の考え方です。ジェネラルエデュケーションはディストリビューションという形で,各デパートメントが提供している入門から中級・上級までの専門分野の科目の中から,入門,中級レベル、つまり100番台、200番台の科目を均等に学ばせ,ジェネラルエデュケーションの要件とする。それによってメジャー以外の科目も履修し,幅広い知識の基盤を身につけさせる。言い換えるとある科目は、メジャーの入門科目でもあり、他のメジャーの学生にはジェネラルエデュケーションにもなっている。
 その際重要なことは,先ほど吉岡先生もおっしゃっていましたけれども,学問全体の俯瞰というか,コネクティッドネスという,知識と知識,学問と学問がどういうふうにつながっているのかということを学ばせるのが,いわゆるリベラルエデュケーション、とりわけジェネラルエデュケーション教育の狙いなんだと思います。
 だから,ぽつんぽつんぽつんと孤立した知識や分野があるのではなくて,それぞれの関係性をしっかりと学ばせるというのが、ジェネラルエデュケーションの一番重要な目的なんだというようなことも議論されている。
 ですから,そこまで遡ってここで議論するのかというのは,時間的な制約もあって難しいと思うんですけれでも,やはり改めて学士課程教育、修士・博士も含めてですけど,それぞれどういう教育であるべきかというのを考え直すいい機会に,少なくとも今日は,私にとってはそういう,考え直す,リフレクションするいい機会だったと思います。
 以上です。

【永田部会長】  ありがとうございます。全部ファンダメンタルな話をしていると,とてもではありませんが無理ですが,時々思い出さないといけないのは,我々結局,どうしたらいい方向に変えていけるかというものをここで出していかなければいけないので,それに必要であれば,ときに戻らなければいけないこともあると思います。今回はとにかく1回目なので,そのような頭に皆さん,なったというなら,それはそれでいいのではないかと思います。
 そのほか,いかがでしょうか。益戸委員がきっと手を挙げると予想しました。社会に出る人間たちのところに戻るわけです。どうぞ。

【益戸委員】  ありがとうございます。いろいろなお話を聞いて,今改めて思ったことは,大学の強みと特色を生かすということを,やはりすごく強く考えなければいけないということです。
 先ほど小林委員がおっしゃっていましたが,例えば医学部に行く学生というのは,やはり心理学をよく勉強したほうがいいと思います。医者になるための技術だけではなくて,学ばなければいけない色々な知識があると思うのです。
 ただ,一方で,医学部を出て外資系金融機関に来る方も,最近の事例ではあります。やはり自分は何をしたいかということをはっきり分かった上で大学を選ばないといけないと感じます。
 しかし,選べない人もたくさんいるわけですから,選べない人はどんな大学に行けばいいのでしょう。地域で根づくために自分はこの大学に行こうとか,やはりある程度の選択肢が分かるような大学でなければいけないのではないでしょうか。そこが強みと特色というものを生かすことだと思います。したがって、これは教学マネジメントの議論に戻るということです。
 文科省絡みの予算というと、教育と研究に幾ら使えるかという議論になりがちですが、私はアドミッションの部分であるとか,それをどうサポートしていくかというところにも,十分な予算を取り,学修者に対して分かりやすい経営をしていかなければと思います。これは国立も公立も私学についても同じではないでしょうか。
 最近,私の周りですごく驚いたことがあります。アメリカの高校に留学している日本人の方から,私に連絡がありました。自分は将来何をしたいか分からないので,大学をどこにしようかと迷い、そのためにインターンシップで企業の勉強をしたいという要望でした。
 すなわち、社会というのはどういうものかということを,高校生の段階でインターンシップを通じて理解した上で自分は何をしたいかを考えて,どこの大学に行けばいいかというアプローチをしたい, という相談でした。
 そこで私は、あなたのお友達はみんなそうなのかと尋ねたところ,多くの友人は同様に感じているとの返答でした。
 さて、現在の日本の大学と経済界との関係は,インターンシップで賃金を払うのか払わないのかとか、採用につながるのかつながらないのか、という話になりがちですが、この話を聞いて、インターンシップが重要な体験であるという再認識をいたしました。
企業も大学も原点に立ち戻って再考すべき事柄ではないでしょうか。
 以上です。

【永田部会長】  ありがとうございます。大変に,今後の議論の糧になります。
 越智委員と少しお話をしたいです。越智委員は医学だからよく御存じのとおりですが,アメリカでは4年制を出てから,4年間メディカルコースに入ります。だから,アメリカのメディカルコースはMD-PhDコースなわけです。
 日本の医学教育や厚労省の問題があるのですが,アメリカがその方法を取った理由というのは,医者になるのに,4年間だけでは勉強できなくて,結局4+4をやらなければ絶対に立派な勉強ができない。学ばなければならない内容もとても濃いので,時間が足らない。
 そのようなニーズで,日本も6年と言っていますが,その後インターンを入れて8年が当たり前になっています。要するに言いたいことは,学問というか職業というか,専門を突き詰めるとそのようになっていくという可能性をはらんでいるのではないか。
 だから,4年制というのは,学業のある分野では,初めからそうではないということを考える必要があるかもしれません。
 医学の現場で長く教育に携わっていらっしゃった越智委員は,医学はとても多くの勉強をしなければいけないという事実があるのではなないかと思うので,それをほかの分野に敷衍していたときにどのような議論が起こるのかということで,何かあれば意見をお願いしたいと思います。

【越智委員】  徐々に長くなる部分はこれはしようがないんで,人生,50年が今は100年ですから,たった4年で100年間生きていこうというのが大体そもそも間違っているので,まあ,やらないといけない。
 実際に医学に関していうと,私が学んでいた50年近く前の,今,4倍ぐらいの知識が必要とされているんですよ,国家試験に通るためだけに。
 ですから,巨人の肩の上に乗って遠くを見るというときに,もう巨人の肩に乗るのが大変なので,そこにかなりの時間をかけないと上り切れないというところがあるのです。100年あるので時間はたっぷりあるから,この考え方をどんどん,ほかの分野にも普遍していくというのも,一つの私は考えではないかと思っています。
 もう少し余裕があれば,先ほど益戸委員からございましたように,私は割とユダヤ系の友達が多いんですけど,必ず子供さんが海外に出ますよね。そして,半年とか見て帰ってくる。それから専門を選んだり大学に入ったりするようなこともありますので,もう少し,浜田総長がすすめたギャップイヤーは途中で崩れましたが,ああいうふうな仕組みの中で,社会で自分の立ち位置というのをよく見て,それから学んでいくというような方法が,やはり日本の中にないのが問題だというふうに思っております。

【永田部会長】  ありがとうございます。私は本当にたくさん勉強しなければならなくなってしまった学生たちを見てきましたが,率直に4倍はやらなければならないということです。
 全部の分野がそうだと思います。なぜかというと,全ての学問分野は進化しているので,学ばなければいけないことが増えているわけです。
 それなのに,旧態依然の4年間で集大成しなさいとなっている。もちろん,知識ではない部分の,エッセンシャルな原理原則を習っていくという分についてははいいが,さらにインターンシップをやりたい,海外にも留学をしたいとなっている。これを今までと同じタームで考えるというのは,本当に難しいことです。
 川嶋委員が最初におっしゃったように,予算にも反映させる必要がありますし,そのように考えると,4+2,あるいはもしかしたら2+4というのが普通になったとしてもおかしくないわけです。修士という言い方をしていますが,一貫的に言うと,医学は6年で足らないわけです。
 そのような時代が来るとしたら,あるいはそのぐらいの余力のあるライフスパンを持っているのであれば,二度大学に行くというのもありましたが,今現行のシステムであるとすれば,修士ぐらいまでやって当たり前という時代が,実際に来ているのではないでしょうか。文系はまだそうではないかもしれませんが。

【日比谷委員】  文系って言っちゃいけない。

【永田部会長】  そのとおりです。すみません,また文系と言ってしまいました。頭の中がまだ文系・理系で考えてしまいます。
 私は今回そのような話もしてすぐできると言えません。しかし,そのようなことまで目指していったときの,現況の我が国の教育をどうするのかという話はきちんとしなければいけないと思います。それが,文科省がお金を取ってくる種になるとも思います。
 そのように私は考えてはいます。難しいが,それぞれが,学問が成熟する,新しいものがさらに生まれる,それを学生たちがこなしながら,しかしさらに新しいものをつくるという,このプロセスの中で,そんなに容易なことではなくて,表面的に文理横断しようと言うが,その文理横断の真髄は,今のようにだんだん,それぞれがこの日本という国にふさわしい,割と教育の高いレベルの国にふさわしい高さを持った,さらにその高等教育と考えると,いろいろな学制の可能性にも鑑みる必要があるかもしれません。
 4+4だからMD-PhDコースがオートマチックにくっついています。4年制だったら,あるいは4年制だけだったらなかなかそうはいかない。アメリカで皆さん,MD-PhDコースで当たり前なのは,MDの4というのは実は大学院だからです。すでに大学は卒業していますから,当然MD-PhDコースということになっています。
 ほかの分野もそれと同じだと思います。それぞれの分野で,数理・データサイエンス・AIまで文系はやれなどと言っているわけですから,前と同じ時間で全部なんかできるわけがないです。先ほど大森委員もおっしゃいましたが,専門もできなければいけない,となったときに,本当にこれでいいのかという気がずっとしていました。
 こんな短期間に議論して4年制をやめるという問題ではないのですが,学問の深みを知れば知るほど,そのような思いになります。先ほどのインターンシップは,大賛成で,ぜひとも1回ぐらいはみんなさせたいが,行っている暇がない,4年だとあっという間に終わってしまいます。
 そのような話ができるといいなと思っています。いきなり,ある題材である委員に振るということを中央教育審議会は行わないのですが,行ってしまいました。越智委員,すみませんでした。
 私は村田委員にもスペシファイして聞きたいことがありますが,時間が来ましたので今日はやめておいて,またの機会にします。
 先生方,今日はこのぐらいでいかがでしょうか。

【日比谷委員】  1ついいですか。中身のことではなくて,これからのロードマップといいますか進め方の話なんですけれども,この手の会議は,割に前半にヒアリングにいろんな方を呼んだりしてきていると思うんです。
 この大くくりの入試を,私みたいに割と楽にできるんじゃなくて,すごく苦労してやっていますという大学の方とか,あるいは冒頭の益戸さんのお話は大変に面白かったのですが,もっと具体的に,40,50の社員のこういうところが足りないからこういう教育を受けさせているんだという方の苦労話とか,そういうのを少し聞いたほうがいいんじゃないかと思うので,外部からのヒアリングの予定についてはお考えですよね。

【永田部会長】  そのつもりです。

【柿澤高等教育政策室長】  御相談しながら,しっかりと準備を進めたいと思います。

【永田部会長】  終わりのコメントの中で皆さんに聞こうかと思っていたのですが,さすが日比谷委員です。私もそうしようとは思っていましたが,皆さんも,いかがでしょうか,ここの委員以外の方々からの現場のいろいろなことを聞いてみるというのはあったほうがいいと思います。
 そのような回を設けて,みんなで理解を深めつつ,聞きながら,頭の中でそうではないと批判などもしながら,いろいろなことを行っていきたいと思います。
 実はそれを皆さんに諮って終わろうと思ったのですが,あに図らんや出ましたので,気にかかる方々にお声をかけて,お話を聞かせていただこうと思います。
 少しだけ予定より早いですが,ここまでとさせていただきまして,次回以降の予定を,事務局からご説明いただいて終わりにしたいと思います。どうぞ。

【岸良高等教育企画課高等教育政策室室長補佐】  ありがとうございます。事務局でございます。
 本日は活発な御議論をいただきまして誠にありがとうございました。
 次回の大学振興部会は,7月11日,月曜日,16時から18時を予定しております。開催方法,場所等につきましては,追って御連絡をさせていただきます。
 なお本日,時間の都合上御発言できなかった内容等については,事務局宛てに御連絡をいただければと思います。
 以上でございます。

【永田部会長】  ありがとうございました。大変ゆったりとディスカッションできてよかったと思います。次回以降も御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それではお開きとさせていただきます。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

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