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教学マネジメント特別委員会(第12回) 議事録

1.日時

令和元年12月17日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館13階 13F1~3会議室

3.議題

  1. 教学マネジメントに係る指針及び学修成果の可視化等について
  2. その他

4.出席者

委員

(座長)日比谷潤子座長
(副座長)小林雅之副座長
(臨時委員)浅野茂、大森昭生、沖裕貴、川並弘純、小林浩、佐藤東洋士、佐藤浩章、清水一彦、伹野茂、林隆之、深堀聰子、益戸正樹、松下佳代、溝上慎一、森朋子、吉見俊哉の各臨時委員

文部科学省

(事務局)玉上大臣官房審議官(高等教育局担当)、牛尾高等教育企画課長、平野大学改革推進室長 他

5.議事録

【日比谷座長】 おはようございます。所定の時刻を1分ぐらい過ぎておりますけれども,そろいましたので,第12回の教学マネジメント特別委員会を開催いたします。御多忙の中,皆様御出席ありがとうございます。
 本日は両角委員が御欠席です。
 それでは,事務局から配付資料の確認をお願いします。
【平野大学改革推進室長】 失礼いたします。机上の議事次第を配付しております資料,参考資料のとおりでございます。基礎資料の方はタブレットに入ってございますので,抜けなどがある場合には事務局までお声掛けをお願いします。
【日比谷座長】 ありがとうございます。
 本日は,教学マネジメント特別委員会の最終回となります。何回もお話ししておりますように,ここで取りまとめてまいりました教学マネジメント指針(案)が付いておりますが,これはこの後,大学分科会に上げまして,そこで議論を進めるという,そういう順番になっております。つきましては,本日はこの委員会としての指針(案)の取りまとめに向けての議論をお願いいたします。
 本日は,まず,前回の御議論も含めた指針(案)についての議論の時間を取ります。その後,最終回でもございますので,既にお願いしておりますけれども,委員の皆様には3分間で,この委員会全体についての御感想ですとか今後への期待,御意見等,お言葉を頂ければと思います。
それでは,早速ですが,指針(案),一部修正したところございますので,事務局から説明をお願いいたします。大体20分程度でお願いします。
【平野大学改革推進室長】 資料の方を説明させていただきます。資料1は前回の御意見でございますので,省略させていただきます。
 資料の2が教学マネジメント指針(案)でございます。1枚めくっていただきますと目次がございます。今日は別紙として配っているものもございますけれども,いわゆる別紙1の資料から別紙3の資料,また,教学マネジメント指針の概要,要旨,用語集,こういったものも別途資料としてお配りしていますが,最終的にはこれも全て指針(案)に取り込まれるという形になるわけでありますが,今日は別に配付をしております。
 まず,資料2-1から説明をさせていただきます。修正点に絞って簡単に説明をさせていただきます。
 2ページ目は誤字の修正でございます。
 4ページ目も定義の言葉というものの付け替えでございます。
 5ページでございます。5ページについては,この指針について,大学の学士課程と,これと共通性が高い短期大学士の課程ということを念頭に作成しているという整理でございます。ほかのいわゆる課程でありますとか学校種というところについては,教学マネジメントの確立が求められているところについて異なるところがないとしていたわけでありますが,ここはもうちょっと書き方を変えて,教学マネジメントの確立が共通の課題であることは論を待たない。したがって,それぞれのミッションに基づき独自性を発揮しつつも教学マネジメント確立にしっかり取り組むことが期待されるという形で書かせていただいております。
 7ページでございます。7ページ,主要な修正は箱の中の3でございます。3の部分につきましては,学修成果,また教育成果という言葉が出てくるわけでありますけれども,このもともとの定義というものがいわゆる3の学修成果・教育成果の把握・可視化まで出てこないという構造になっていて,若干説明不足のところがございましたので,こちらの方に定義を付け替えさせていただいております。
 8ページでございます。8ページにつきましても,4の箱書き,これは先ほどの定義の付け替えを反映したものでございます。8ページの下の方,全般でございますが,個々の授業科目レベルとしていたところは授業科目レベルということに統一をしております。また,PDCAとの関係について触れたところでございますが,それぞれPとDに関係する,1がP,2がPとDという形で関係すると言っていたわけでありますが,3の部分についてはCということでありますけれども,4の部分のFD,SDという部分については,Aに関係する部分も有するということで,直接関わっている度合いの違いというもので表現を書き分けさせていただいてございます。
 9ページでございます。学長のリーダーシップについて触れている部分でございますが,全学的なしっかり視点の下で教職員一人一人の能力,意欲を引き出すということに加えて,学長には学内や学外の資源というものを最適にどう利活用していくのか,こういうことが構想されるという資源配分の観点を追記させていただいてございます。
 続きまして12ページでございます。12から13ページでございますけれども,ここはいわゆる大学全体レベルで学修目標というものが3つの方針を通じて適切に設定されているかどうかということを,大学としても確認しましょうという記載でございました。ただ,これまでの記載ですと,いわゆる学位プログラムレベルで責任を持って取り組むべきことも,また,大学全体レベルで重ねて行っているかのように見えるといったような御指摘もございました。ここについてはあくまで各学位プログラムがしっかりとプロセスを踏んでいるかどうかを中心として確認するという形でレベルの書き分けをさせていただいてございます。
 13ページの下の部分でございます。学修目標というものに照らして,大学が学修成果・教育成果というものをどのように評価するかといったときに,いわゆる客観的にと言われると,そこはそれでちょっと難しい部分があるのではないかといった御指摘もございました。ここは定量的に,又は定性的な根拠に基づいてというような表現にさせていただいてございます。
 14ページにつきましては,前の12ページ,13ページで書いた大学全体との関係の整合性を取るための修正でございます。
 16ページをごらんください。16ページにつきましても,ここは教育,授業科目・教育課程の編成・実施という観点から,大学全体レベルでしっかりと点検評価等を行うということでございます。ここも先ほどと同様でありまして,学位プログラムレベルでしっかりとしたプロセスが踏まれているかどうかを確認するという形で,レベルの間の整理をさせていただいてございます。
 17ページでございます。体系的な教育課程の編成というところでございますけれども,カリキュラムの体系性の確認とか履修順序の確認といった内容が書かれている部分でございますけれども,大学全体としての3つの方針や教育理念に基づき実施されるような全学共通教育,このようなものも学位プログラムの学修目標を達成する上でしっかりと取り込んで考えていく必要があるということについて述べているものでございます。
 18ページでございます。18ページの3つ目の丸でございます。シラバスについてでございます。ここの部分,シラバスについては,個々の教員というものがもちろん策定するということが主として想定されるという部分でございますが,学位プログラムレベルにおいて,しっかりとその部分を,項目が満たされているかとか,ディプロマ・ポリシーと到達目標の関係というところについては確認する必要があると書いていたわけでありますが,確認というと,これはさらっと流れてしまうというような御意見もあるところでありまして,ここは検証という形でしっかり学位プログラムレベルで取り組むべきことというものを強めに書かせていただきました。
 19ページから21ページにかけては少し修正が多い部分でございます。この授業科目レベルどういう部分について記載が少し薄いといったような御指摘が前回の会議でもございました。
 19ページの部分でございます。前述のとおりという部分でございますが,卒業認定・学位授与の方針に定められた学修目標を達成するために編成された教育課程を構成する個々の授業科目には,学修目標の達成に向けて担うべき役割がある。したがって,個々の授業科目の到達目標は,いわゆるディプロマ・ポリシーに定められた学修目標をさらに具体化する観点から何を学び,身に付けることができるのかを意識して設定される必要があると述べた後に,授業科目というものが45時間の学修をもって構成されて,講義,演習,実験,実習その他について時間を確保する必要があるということ。また,個々の授業科目を担当する教員が,授業時間と事前事後学修が45時間に相当するように設計することが求められるという設計原理について触れたところでございます。
 その上で,20ページ行っていただきまして,順番的に,シラバスの前にいわゆるアクティブ・ラーニングの話とかICTの活用といった話があったのですが,重要性に鑑みまして,これは最後の方に移しまして,シラバスについて触れるのを先にしているということでございます。
 シラバスについても,内容,いわゆるポツでぶら下げているところについては,例えば講義と授業というものが揺らいでいるであるとか,そういったところについて文言を整理させていただいたところでございます。
また,事前学修,事後学修の内容について盛り込む必要があるとした上で,その必要な時間の目安というものについては,これを示すことも考えられるという形で,21ページにかけて整理をしております。
 また,各授業科目を担当する教員が,授業科目の到達目標が達成されるようにシラバスの内容に依拠しつつ,各回の授業を適切に設定し,実施することが求められるという基本的な原理を書かせていただいております。
 続きまして,3の学修成果・教育成果の把握・可視化でございます。23ページでございます。ここは学修成果把握・可視化の限界というところについて触れた丸でございますけれども,いわゆるコスト軽減という観点から,高等教育に関する既存の調査等というものを学修成果・教育成果の把握・可視化において活用するといった視点を加えさせていただきました。また,注釈の方に具体的な例というのを書かせていただいてございます。
 25ページでございます。これ別表の方にも関わってまいりますけれども,大きく2つ修正をしてございます。1つは,もともと(1)番の基本的な情報収集可能という中で,各授業科目における到達目標の達成状況と書かせていただいている中に,※として,いわゆるアセスメント科目に相当するものというものを含めさせていただいていたのですが,この部分というのは,今,取り組める大学というのはそれほど多いわけではない,分野という問題もあるということから,(2)番の一番初めという形で移させていただいて,いわゆる通常の各授業科目における到達目標の達成状況と,また,(2)の方というのはディプロマ・ポリシーに定められた特定の資質・能力を直接的に評価できる授業科目というものを分けさせていただいてございます。また,学修時間につきましては,いわゆるアウトカムという,ほかのものに比べて少し性質が違うのではないかといったような御指摘もございますので,この部分については学修時間を最後に持っていくという修正をさせていただいてございます。
 27ページでございます。それぞれ,この(1)番に掲げられている情報は基本的な情報であるということが法令などにおいて想定される情報でございます。一方で,ここの学生の成長実感・満足度といったものの性格については,もう少し追記する必要があるのではないかということで考えたところでございます。この学生の成長実感・満足度については,学生がみずから目標を明確に意識しつつ,主体的に学修に取り組み,みずからその成果を適切に評価し,学びに踏み出していく自律的な学修者となること,これが1ページの一番初めに書かれていることでございますけども,このような学修者になることが求められていることに踏まえると,各大学においてこういう学生の成長実感・満足度というものは収集することが考えられる情報だというような説明を追記させていただいてございます。
 28ページでございます。学修時間につきましては先ほどの順番の付け替えに合わせて場所を変えているということでございます。また,前回,大森委員からも御意見を頂いたところでございますけれども,3つ目,消された後でいいますと2つ目の丸にありますけれども,学修ポートフォリオに蓄積された学修成果・教育成果に関する情報をエビデンスとして用いて,卒業認定・学位授与の方針に定められた資質・能力の習得状況を評価することも考えられるとした上で,じゃ,その評価するやり方として何が考えられるのかというところについては,注釈において,ディプロマ・,ポリシーに定められた資質・能力を測定するためのルーブリックを作成した上で,そのエビデンスを用いて直接評価するということも考えられるということで追記をさせていただいてございます。
 29ページの上でございます。29ページの上の部分につきましては,これはあくまで例示であって,この情報に限らず,自主的な情報の策定・開発ということを進めていくのだと。これは全てではなく,各大学のしっかりと特性に応じたものの可視化の在り方というのがあるんだということを触れてございます。
 29ページの授業科目レベルでございます。ここは個々の学生に対する評価という部分でございますので,先ほどの客観的な評価ということの修正と用語を合わせて定量的・定性的な根拠に基づいた厳格な成績評価というような表現,また,客観的にという部分,下のポツの部分を入れ替えてございます。
 一番下の丸でございますけれども,ここは成績の分布というものを踏まえて,授業の内容であるとか到達目標の水準というものを変えていく必要があるという部分でございます。ここは余り,こういうふうな結果になったらこうなるべきだという決め付けはすることではないのではないかといった御意見も頂いているところでございます。
 ここはまず,一番頭で成績評価結果の分布も踏まえた個々の授業改善も必要なのだということをまず申し上げた上で,例えばということで,こういうものやこういうものなど個別具体の実情に応じて様々な対応策を考える必要があるのだということで,ここはあくまで例示なのだと。あくまで考えるべきことは,個々の授業改善というものを分布を踏まえて考えていくんだよということを触れているわけでございます。
 また,到達目標というものについては,しっかりとディプロマ・ポリシーに定められた学修目標の達成に向けて担うべき役割があるということで,個々の教員が勝手に上げ下げというものではなくて,ディプロマ・ポリシーの学修目標というものの関係をしっかり考えろということを書いてございます。
 続きまして32ページ,このあたり,全般的に用語のぶれがあった部分は資質・能力にしているところでございます。
 34ページ,ここちょっとテクニカルなのですが,FDの企画,立案,実施に必要な能力を身に付けた教職員(ファカルティ・ディベロッパー)と言っていた,これの言葉,実は後ろに2か所しか出てこないので,略称を置くということがテクニカルには必要ないわけでありますので,ここは後ろの部分を全部ファカルティ・ディベロッパーに入れ替えているという形の修正をしてございます。
 続きまして,情報公表の部分は,修正は本文上はほとんど大きなところはございません。
 45ページでございます。ここ「おわりに」ということで,今後作成予定とさせていただいておりましたが,これまでの議論を踏まえて追記をさせていただいてございます。
 ここは読み上げさせていただきます。
 「はじめに」においても強調したとおり,学修者本位の教育の実現は,既存のシステムを前提とした「供給者目線」を脱却し,「学修者目線」で教育を捉え直すという根本的かつ包括的な変化を各大学に求めている。このため,学修者本位の教育の実現に向けた教学マネジメントの確立も,各大学において短期的に完全な形で実現されることは想定できず,関係者により安定的・継続的に取り組まれることにより実現されるものであることは改めて強調しておきたい。
また,教学マネジメントの確立を図る上では,各大学の固有の事情に応じ克服すべきガバナンス上の課題も多いものと考えられる。本指針では基本的に大学ガバナンスの在り方について直接触れないこととしているが,「はじめに」では教学マネジメントの確立に向けた取組を進めていく上で最低限意識する必要があるものとして,学長のリーダーシップや学長補佐体制の重要性について既に触れたところである。さらに,教学マネジメントの確立に向けた取組を安定的・継続的に行う観点から付言すれば,大学として,特定の個人のみに依存するのではなく,関係者の主体性に基づく参画を広く得ることを目指していくことも重要である。
 このため,学長は,大学内において,学部長等や一人一人の教職員の意見に耳を傾け,教学マネジメントの確立に向けた丁寧なコミュニケーションを行うこと,学部・学科等においても,同様のコミュニケーションが教職員間で活発に行われる環境を醸成することが期待される。また,大学全体の教育理念,特に私立大学にあっては建学の精神を教育において実現するという視点から,教学マネジメントの重要性を学内において問い直し共有するというプロセスも,各大学の独自性を生かした取組を継続的に実現していくために重要であると考えられる。
さらに,大学内のみならず,国際社会や地域社会,産業界等教育と密接な関係にある存在,大学に対して期待を持つ社会一般と積極的に連携を図ることで,その協力を継続的に獲得していくことが,教学マネジメントの確立に向けた取組を安定的・継続的に行うための重要な条件となることも論をまたない。
 教学マネジメントの確立に向けた取組の過程では,成果のみならず課題が明らかとなることも容易に想定される。課題が明らかになったとしても,各大学が真摯に教学マネジメントの確立に取り組み続けること自体を肯定的に捉え,長期的な視点でその取組を評価することが,各大学における教学マネジメントの確立を安定的・継続的に図る上で大きな後押しとなる。学修者本位の教育を広く社会において実現するためにも,このことについて本指針を参照する大学内外の関係者に理解をいただくことを期待する。
 今後到来する予測困難な時代にあっては,大学を巡る環境も大きく変化していくことが考えられる。また,本指針も契機として,各大学において,教学マネジメントの確立に向けた優れた取組が実施され,成果の蓄積も進んでいくことが期待される。まずは,各大学自身がこうした優れた取組や成果の蓄積を継続的にフォローアップしてゆくことが重要である。さらに,こうした環境の変化や成果の蓄積に対応し,将来,本指針の内容もさらに充実したものとすることが求められることになるであろう。中央教育審議会及び文部科学省においても,各大学の取組を丁寧にフォローアップしつつ,適切なタイミングで本指針の充実を図るための検討を行うことが必要である。という形で締めさせていただいてございます。
 その後ろの部分は,開催の審議経過,また委員名簿を付けさせていただいてございます。
 資料2-1は以上です。
 資料2-2でございます。資料2-2以降は,左方の部分に,この資料が一体この本文のどこにひも付いているのであるかということをはっきりと分かるようにさせていただきました。資料の2-2,最終的には別紙1になるものでございますが,これは3関係ということでございます。修正は1か所,この青い個々の資質・能力のエビデンスとなる情報の下の部分に,スペースの関係で小さくて恐縮ですけれども,学修ポートフォリオに蓄積された学修成果・教育成果に関する情報エビデンスとして用いて,卒業認定・学位授与の方針に定められた資質・能力の習得状況を評価することも考えられるという形で,ポートフォリオについてこの表上,触れさせていただいているところでございます。
 資料2-3と2-4は,いわゆる学修成果の把握・可視化に関する別紙2と情報公表についての別紙3でございます。左上にそれぞれローマ数字を出していただいて,関係性を明らかにしたところでございます。
 資料の2-3,別紙2の方でございますけれども,こちらの頭の四角書きの部分については,先ほど来御説明しているポートフォリオの関係,これを用いて,このエビデンスを用いて評価するという趣旨を加えさせていただいてございます。
 中身についてでございます。先ほど申し上げたように,順番を変えるであるとか,また,いわゆるアセスメント科目を外出しするとかといったところの修正をさせていただいてございますが,資料の2-4の方,いわゆる別紙3の方については,いわゆるこの公表の意義のあたり,把握・可視化の意義のあたりが,両方ペーパーがある中で表現が似たような部分があったり,逆に同じことを言っているけど,違うことを書いていたりといったところについて,改めて整理をさせていただいてございます。
 基本的には,別紙2という,いわゆる学修成果・教育成果を把握・可視化する観点の情報というものの全てを公表するわけではありませんので,5の別紙3の方については,その公表の意義について,この学修成果の把握・可視化の意義から部分的に抜き出したものについて,全体的な状況を明らかにするんだといったようなところを記述としては追記をさせていただいている。このような編集方針で編集されているものと御理解いただきたいと思います。お手元に置いてあるものを御参照いただきたいと思います。
 続きまして,資料の3でございます。資料3は,これは従来からお示しをしている歯車のポンチ絵でございます。ここはマイナーな修正がありまして,一番上の箱書きとその真ん中のあたりにあるオレンジを矢印でつなぐとか,あと,これ歯車の向きが変わったとか,右回りじゃないかということでちょっと変えさせていただきました。厳密な意味でかみ合ってないんですけれども,気分としてそういうことでお願いをします。
 続きまして,資料4でございます。資料4が要旨でございます。要旨につきましては,詰め詰めに詰めて10ページということでございます。なかなかこれは編集していて非常に盛りだくさんで,どこを抜くのかということは難しい部分でございますけれども,一番骨太な部分のストーリーというものを抜く形で作らせていただいたというものでございます。
資料5については,用語解説でございます。用語解説については,従来の答申というものにおいて既に定義がされているものについては,原則としてそれを尊重する形で作らせていただいておりますけれども,今回の教学マネジメント指針の検討の過程において,追記若しくは表現の書き替えが必要だというところについては,一部修正を行っているというものでございます。
 資料の5まで御説明をさせていただきました。最初に申し上げましたように,最終的には,この資料の2-2から2-3,2-4,資料の3,資料の4,資料の5というのは,全てこの資料の2-1に組み込まれる形で冊子化されるというものとして御理解いただきたいと思います。
 私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。
【日比谷座長】 ありがとうございます。これから30分程度,最終的な議論の時間を取りたいと思います。本日は時間も限られておりますことから,今,説明がありましたけれども,指針の本体,それから別紙の1,2,3,そして資料の3について,基本的に修正箇所に絞って御意見を頂ければ幸いです。どうぞ札をお立てください。
 沖委員,佐藤委員,それから森委員でお願いします。沖委員,どうぞ。
【沖委員】 失礼いたします。大変適切におまとめいただきましてありがとうございます。
 1点だけ気になったところがありまして,5ページのところなのですが,5ページの第3パラグラフのところです。指針の方にはですね,そのまま従うマニュアルではないということ,あるいは一定の型にはめることを意図するものではないということが書いてあるのですが,その次の次の行には「大学教育の質の保証の観点から確実に実施されることが必要とされる取組や留意点等について」と,「確実に実施」という言葉が書かれていて,やっぱり引っ掛かるんですね。
 上には,マニュアルでもないし,意図するものでもないとあるにも関わらず,確実に実施することが必要だというのは少し矛盾していると思われますので,少し言葉を変えた方がいいのではないかなと思います。例えば,「質の保証の観点から,趣旨が確実に理解されることが必要な取組や留意点等について」とか,そのあたりがいいのではないかなというふうに思いました。
 以上です。
【日比谷座長】 ありがとうございます。佐藤委員,どうぞ。
【佐藤(浩)委員】 私は要旨の方なのですけれども,要旨の7ページ,ここは教学マネジメントを支える基盤ということで,FD・SD,IRについての記述ですが,見出しとして7ページに,1,大学全体レベル,2,学位プログラムレベルというのがあるのですが,本文ではこの後に3の授業科目レベルというのがあるんですね。なので,要旨の段階で,見出しレベルで落としている部分がほかにもあるということであればいいのですが,これを入れた方がいいのではないかなと思いました。これは確認でございます。
【日比谷座長】 どうぞ。
【平野大学改革推進室長】 ここだけ確かに入っていないということでありまして,ちょっと我々,中で検討したときには,要旨として何をどこまで残すのかということを考える中で,このFD・SDにおける部分のいわゆる授業科目レベルの話というのは,本文37ページから38ページになるわけでありますけれども,ちょっと項目が並べて書いてあるようなところがあったものですから,ここは割愛してもいいのかなというような意見もあったわけですが,確かにおっしゃるとおり,ここだけ抜けているというのが逆の変な捉え方をされるということかもしれませんので,1ページ,要旨が増えてしまうかもしれませんけれども,入れさせていただく方向で検討したいと思います。ありがとうございました。
【日比谷座長】 森委員,お願いします。
【森委員】 まず,明快におまとめいただいたというふうに思っております。まず御礼申し上げます。
 私が少しだけやはり気になるのは,本文の29ページのところ,授業評価レベルのいわゆる学修成果の可視化のところで,授業のところに関しては成績評価の項目のみが立っています。これまでどこの大学も100%近く授業アンケートや授業評価アンケートをしているという事実,前にも御指摘させていただいたかもしれませんが,それが一体教学マネジメントのどこにひも付くのかということがこの本文の中には今は見えてこないということで,簡単に触れられておいてもいいのかなというふうに思ったということでございます。
【日比谷座長】 ありがとうございます。これは検討できますね。ありがとうございます。
次が,溝上委員,そして浅野委員,お願いします。
【溝上委員】 本当にとても小さいことですけれども,21ページの丸3つ目のところですが,授業科目の統合と同時にICTの活用やアクティブ・ラーニングへの転換も念頭にというところですけど,アクティブ・ラーニングへの転換というよりも,アクティブ・ラーニングの実施だと思うのですが,またグランドデザイン答申だったら,「アクティブ・ラーニングやICTを活用した」と文章化しているのですね。そういうふうに直した方がいいかなと思います。
 会議を休んで整理ができていないところがありますけど,1ページ目の「何を教えたか」から「何を学び,身に付けることができたのか」。これ,グランドデザイン答申を引き継いでいる言葉だと思うのですけれども,ここで蒸し返すのもよくないのですが,学士課程答申とか2016年の初等中等教育の学習指導要領改定の答申では,「何を教えるか」から,「何ができるようになるか」と書かれていたんですよね。過去形になっていて,「何を学び,身に付けることができたのか」という表現自体,内容には全く異論はないので,過去形になっているのと,この文言が過去の答申から変わっているわけですけれども,ここを少し御説明いただければと思います。
【日比谷座長】 どうぞ。
【平野大学改革推進室長】 今,御指摘いただいたところ,「何を学び,身に付けることができたのか」という部分が,多分,グランドデザイン答申とか過去のガイドラインとかの表現というものをそのまま抜いてきていて,実は途中まで「何ができるようになるのか」ということを書いたところが,また過去のものとの整合性という観点で,同じ言葉を使おうということだけでなっているものでありますので,そこの部分は,すいません,ここにおいては今,検討できておりません。
なので,もう1回見た上で,本当に不整合があるようであれば少し座長とも相談して考えさせていただきたいと思いますが,基本的には一連の答申の上に乗っかっているものでありますので,その部分は整合性をしっかり取っていきたいと思っております。
【日比谷座長】 浅野委員,お願いします。
【浅野委員】 私は資料3の用語集の方の5ページにあるプロボストの記述が気になりましたので,そこだけコメントします。定義するのは非常に難しいのは理解できるのですが,教学マネジメントの確立においては非常に重要な役割を担うという意味では,もう少し丁寧な定義が必要かなと思った次第です。
 これは小林先生の前で言うのも何ですが,2014年に小林先生が論考を出しておられます。そこで書かれておられますけども,アメリカの大学でも必ずしもプロボストがいるというわけではなくて,大学によっては違う名称を用いたりしているので,この点を補足しておかないと混乱が起きる可能性があります。したがいまして,そういった名称が多岐にわたるということと,ポイントは恐らく,日本の大学においても学長,総長というのは今非常に忙しいということを考えますと,学内の統制を図れるようなポストが重要だという観点から,この教学マネジメントでここが推奨されるという流れになっていると思いますので,そこら辺を少し丁寧に解説する必要があるかなと思いました。
【平野大学改革推進室長】 おっしゃることは非常に理解できる部分もあるんですが,ガバナンスについては,この会議ではっきりと取り上げてメーンのテーマとして据えないと。この表現自体は,実はこのことについて議論をしたガバナンスの審議まとめ,平成25,6年あたりだったと思いますけど,あそこの表現を使っているものでありまして,実はプロボストの在り方とかこういう部分も本当に議論し始めると,物すごくボリュームある部分であります。先生のおっしゃることも分かりますので,我々が説明するときにしっかり丁寧にやってまいりたいと思いますけど,ここで議論ができてはいないところまで私どもとして書くのはちょっと難しいかなと思っているところでございます。
【日比谷座長】 一通り御発言いただきましたが,ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。何かものすごく順調に進んでいるのですが,いいのでしょうか,これで。
 それでは,幾つか頂きました御意見につきましては適宜,事務局,副座長とも相談の上,最終的な指針(案)に反映をした上で,冒頭申し上げましたけれども,大学分科会にお示ししたいと思いますが,よろしいでしょうか。
それでは,基本的には座長一任ということで,本日のこの指針(案)に基づいて若干の修正を加えることにいたします。
それから,今,浅野委員からは初めてお配りした用語集について,また要旨については佐藤委員から,これも初めてお配りしたもので御意見ございましたが,いずれも初出のものでございますので,後でよく読んでいただきまして,もし何かお気付きの点がございましたら,事務局まで御連絡いただければ,必要な修正を行った上で大学分科会にお諮りすることにいたします。
 さて,この辺で15分も余っちゃっているんですけれど,皆さん3分30秒しゃべれるかなという感じで,でも,3分で御準備いただいたはずなので,とりあえず一人3分でまず一巡したいと思います。
 本日は本特別委員会の最終回に当たりますので,委員各位からこの委員会についての所感,あるいは今後の,このことに限りませんけれども,大学教育全般についての期待あるいは辛口コメント等,何でも結構でございますから,お一人ずつお話を頂きたいと思います。基本的にお名前の五十音順で行きますが,清水委員のみ御都合で途中退席なさるということですので,最初は清水委員にお願いいたします。
【清水委員】 御配慮ありがとうございます。この間,大変お世話になり,また勉強させていただきました。
 教学マネジメント指針の策定について,2つ,私は意義があると思っております。
 1つは,この指針を作成する上で,経済的な効率性といった他の視点からではなくて,教育的な観点,学修者本位の教育という,まさに目指すべき価値形成が非常に明確であったことです。これはグランドデザインを引き継いだもので,非常に理論的というか,理念的な基盤がしっかりしている。これは強みだと思います。答申とか報告書が単なる技術的な形式的なものである場合もたまにはありますが,今回は非常にきっちりと価値形成を基盤にして作られたということが一貫して大事にされたという意味で,教学マネジメントのバイブル的な存在になるのではないかなとちょっと褒め過ぎですかね。それが1つ。
 もう一つは,この間,文教行政がややもすれば官邸主導型で進められてきており,いろんなシステム改革が進められてきました。今日提示の用語集を見ても三十数個の用語が入っています。この用語をきちっと説明できる人がどれぐらいいるのか。システムはどんどん入ってくるが,生半可に理解して,現場でそれを採用してしまうというのが現実ではなかろうかと思います。
 その意味では,今回きちっと用語を定義して,共通の理解を図って進めてきたということで,少なくとも委員の間ではこうした用語については統一的な認識ができたのではないかと思います。これからの指針を各大学レベルで落とすときには,こういう用語の定義をきちっと把握して,その上で改革・改善を進めていくということが大事になっていくかと思います。
 以上2点,この指針のすばらしさを述べさせていただきました。
 あと,期待として,本文中にもありますが,この指針を各大学に浸透する上で,FDとかSDのテキストにもなり得るものでありますので,これを活用して大学関係者並びに政策関係者,文科省の人も交えて,是非,伝達講習的なものも開催していただきたいということを申し上げておきます。
 また,要旨については,これを英訳して海外に発信したらどうでしょうか。今,日本の大学の一番課題になっているものを世界に発信するというのも重要ではないかと思いますので,その2点を今後の期待と希望ということで申し上げておきます。ありがとうございました。
【日比谷座長】 では,浅野委員,お願いします。
【浅野委員】 これまでよく時間が押していたので,手短に1分ぐらいでお話しできるコメントしか考えてこなかったのですが,時間に余裕ができたので補足を交えてコメントさせていただきたいと思います。
 まず,今回このような機会を頂きまして,特に現場で実務に携わっている立場からいろいろと無理難題を事務局側にお願いしたところもございますが,そこをうまく取り込んでいただいて,この場をお借りして御礼申し上げます。特に今回の指針案を見ていて思いますのは,大学全体レベル,学位プログラムレベル,授業科目レベルで層に分けて,それぞれで求められる要素を整理していただいたという意味での意義は大きいのかなと思います。
現場にいますと,どうしてもそこが混同されていて,皆さんどうしたらいいのか分からないという状態にありますので,そこにある程度道筋を示したという意味での意義は大きいかなと思います。
 個人としても,指針(案)のIRに関わる部分でできる限りの情報提供に努めました。33ページの上から3つ目の丸に書いていただいたように,IRは万能薬と見なされている傾向が強いことに対して,しっかりそのことを書いていただくということ,そしてIRを生かすも,殺すもその大学の関係者の心づもりというところもありますので,そういったことを前面に押し出していただいたという意味では大きいかなというふうに思っています。
 次に,今後のことを考えますと,2つほどお願いしたいことがあります。
 1つは,先ほど清水先生もおっしゃっていましたけども,例えばアメリカの状況とか見ていますと,こういったものが作成されたとするならば,普及活動というのを同時並行でやられています。CHEAであったり,AAC&Uといった,大学の執行部が一堂に会すような機会を通じて,こういったものを必ず取り上げて,必読文献にしたり,あるいは研修会を個別にやっていたり,トレーニングの機会というのはかなりあります。
 世に出たとしても,なかなかそれが読み手にとっては分かりにくい,読み手が解釈できないという問題もありますので,これは少し時間をかけてでも普及の機会を持っていく必要があるのではないかなと思っています。
 もう一つは,今回,取り扱いにいろいろと御留意されたということもありますけども,大学が置かれている環境を見ていきますと,これまでずっと議論にも上がってきているけども,いかんせん,なかなか方向性が定まらないポートレートのことだと思っています。
 大学ポートレートについては,種々の取組が進められておりますが,質保証に資するような状況にあるかというと,なかなかまだそこまで行っていないのが実情です。各大学のポータル的な意味合いはかなり強くなってきていますが,基盤となるようなデータをそこから得られる,あるいは発信できるかというと,そこには至っていません。この指針で求めている個々の大学の情報公表に加えて,高等教育セクター全体としてどういう状況にあるのかというのはやはり社会にこれからどんどん発信していくということが求められますので,国公私立を含めてそこに向けてどうするのかというのはもう一度検討が必要,あるいは方向性を見出していく必要があるのかなというふうに思っている次第です。
 以上,私の方からのコメントになります。
【日比谷座長】 それでは,大森委員,お願いします。
【大森委員】 ありがとうございます。まず,委員会に加えていただいた幸運に感謝したいと思います。私のような専門の知見を持たない者にとって,この委員会での議論というのは本当にそのまま学びになったなというふうに思っています。本当にありがとうございます。できれば,議事録はもちろん公開されているんですけど,この会議をライブ配信とかして全国の学長や学部長が直に見られるようにしてもよかったのではないかというふうに思うくらいに勉強になったなと思います。
 あと,素人でありながら,同時にこれから現場で実行していく責任者でもありますので,なるべく分かりやすくとか実現可能性とか,あるいは読んでもらえるようにとか,そういう観点,視点で意見を申し上げたつもりです。
それゆえに分かり切ったことを何回も質問してしまったり,同じことを繰り返したりということもあったと思いますけれども,およそほとんどの学長さんたちは,御自身の専門はしっかりとお持ちですけれども,教マネに関しての専門家の学長というのはめったにいないわけですので,その立場をなるべく代弁したいと思ってのことですので,御容赦いただけたらありがたいなと思います。
 いよいよ現場でこれを実行に移していくということになりますけれども,本学でも早速あした,全教職員でこれを共有しようというふうになっておりますけれども,恐らくいろんな苦労があるんじゃないかなと思います。精いっぱい現場は汗をかいていこうと思います。ただ,もしかするとしんどくなってしまうということも当然出てくると思うんですけど,是非,日本の大学の飛躍にとって本当に重要なことだというふうに思っていますので,現場に対して様々な支援やインセンティブを与えていただけたらうれしいなというふうに思っております。できれば減点主義ではなくて,頑張っているねと褒めてもらえたらうれしいなと思っています。
 最後の2つですけれども,1つは,この指針で学修成果の可視化を,完璧にそれを可視化していくのは難しいということも述べることとなりました。これから各大学のポリシーに応じていろんな取組がなされていくかなと思いますけれども,それが共有されていくことの重要性というのがあると思います。事例集もできていくかどうかあれですけれども,それも継続的に次から次といい取組が多分これから出てくると思うので,単発ではなくて継続して収集していけるといいなと思いました。
 それから大事なことは,これは大事だと思っているんですけど,教学マネジメントを展開した結果,成果が上がっていないことが可視化される可能性もあるということです。財政当局はじめ国民の皆さんに知っていただきたい,そのことを知っていただきたいなと。成果が上がっていないなら,上がるように学びを変えていくというプロセスが教学マネジメントのサイクルなので,最初のうちは思うように成果が現れなくても,書いていただいていますけど,長い目で見るということをしていただかないと,教マネを回す側としてはやる気をそがれてしまいますので,そういうことを広く国民の皆さんと共有できたらうれしいなと思います。
 もう一つは,改めて教学マネジメントは学生のためにあるということをずっと申し上げてきましたけども,確認して現場でも進んでいきたいと思います。もちろん大学の社会に対する説明責任というのは重要ですけれども,しかし,その前に学生自身が学びの成果を可視化して,自身の人生の糧にしていけるようにする。青臭いことを言いますけれども,大学はやっぱり学生の幸せな人生のためにあるのだということですね。そのために教学マネジメントがあるのだということをしっかりと自分たちに言い聞かせながら,今後現場で取り組んでいきたいと思っています。どうもありがとうございました。
【日比谷座長】 沖委員,お願いします。
【沖委員】 失礼いたします。先ほど皆さん方がおっしゃっていますように,この機会を与えていただきまして本当に私自身がたくさん学んだなというふうに思います。また,文科省をはじめとして,座長,副座長,委員の皆さん方の様々な示唆に富む言葉,それから様々な御配慮,本当に感謝申し上げます。
 この間,非常にこの委員会に対する関心が高まっておりまして,どこへ行っても,この委員会でどんなことが話されているのだとか,何が決まったのだとか,どういうふうに強制されるのだとかというようなお話がいろいろとありましたけども,そんなことは心配ないと。ただ,そんなことを言いながら私立大学改革総合支援事業には反映されるのだろうというようなことも言われながら,この1年間,過ごしていまいりました。
 先ほども申し上げましたように,本当にこの委員会に参加させていただいて私自身が学んだこと,あるいはこの委員会で自分の考え方が変わったところがございまして,例えば,DPの挙証につきまして,重点項目,重点科目のパフォーマンス評価をするという松下委員の御発言,それから,この中にも本日,事務局が書いておられましたように,ああ,こういうアイデアで直接評価ができるのだなというのは非常に大きなインパクトがありました。あるいは,私は当初ちょっと否定的だったのですが,現行の3ポリ体制で行くということで,分野別の参照基準についての反映というのはここではすべきじゃないと思っていたのですが,将来的なことを考えると,社会人のパートタイマーであるとかリカレント教育を推進するに当たって,そこはやっぱり避けて通れないだろうなと思いました。ここでの反映は無理だとしても,将来的には,いや,近い将来考えないと多分だめになるだろうというようなこともこの委員会で学ばせていただいたことです。
 あと,大森委員がおっしゃったように,この指針あるいは学修成果の把握,公表というものは,社会に対するアカウンタビリティーはもちろんのことなのですが,第一義的に学生に対するフィードバック,学生に対するアカンタビリティーが第一だという,こういうことも盛り込んでいただいたことは非常に大事だと思います。
 ただ,もう一つ踏み込んで,これは難しいところなのですが,学生の意見を聞く,学生の声を聞くというような仕組み,これは未だに,日本では大学紛争以降タブーになっておりますので,非常に難しいところではありますが,御存じのとおり,欧州圏においては,質の保証にしても,あるいはカリキュラムを作るにしても学生委員は必ず入っているわけですね。そういったところも近い将来,視野に入れていく必要があるかなというふうに思っています。
 あと,これだけ教学マネジメントに係る業務というものが増えてくると,現行の教職員だけでは対応しきれないものが出てきます。ファカルティ・ディベロッパーとかIRerとか,あと学修アドバイザーのことも触れていただき,非常にありがたいことだと思っています。ただ,これについても将来的な展望として,専門職,教員でもない職員でもない専門職をどう制度的に根づかせるかということも,諸外国の例を考えたときには,喫緊の課題かなというふうに思っております。
 いずれにしましても,この1年間,本当にお世話になりました。たくさん勉強させていただきました。ありがとうございます。
【日比谷座長】 それでは,川並委員,お願いします。
【川並委員】 私も専門家でもなく,現場という立場で参加させていただいて,本当に感謝をしております。当初,この委員会に出て感じたのは,先生方が好き勝手話をされて,次から次へと論点が飛ぶので,どこにまとまるのかなということを思っていたのですが,本当にきちっと階層立てて,現場で分からない人たちも分かるような形で作っていただけたことを感謝しております。
 また,何度か,これ強制されないのという話も発言させていただきましたが,終わりのところに,それぞれの大学の個性というか,自主的な判断に基づいてというような形の書き出しでスタートしているところについては,本当に現場の形を御理解いただけて,書き加えていただけたのかなというふうに思っておりますが,終わりの最後の方になりますと,「適切なタイミングで充実を図るために検討を行う」というような一文が入っていて,さらにこれが厳しくなるのかなというふうに考えると,ただでさえいろいろと現場としては忙しくて,マネジメントの方で逆に教学の学びの方が手薄になるんじゃないかというようなこともあり,是非,これをそれぞれの個々の大学・短期大学が生かして伸ばせるような形で政策誘導していただけたらありがたいなというふうに思っています。
 決して減点の対象にするとか,これをしないと補助金をあげないとか,そういうことに絡めるようなことは,是非是非しないように御検討いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
【日比谷座長】 それでは,小林浩委員,お願いします。
【小林(浩)委員】 これまでの議論をしっかりとおまとめいただき,ありがとうございました。私も大学の外の人間ですので,外から見たというところでこの委員会に参加させていただいた感想を3点ほどまとめてお話をさせていただきたいというふうに思います。
 まず,この委員会に参加して改めて思ったのは,高校までは学習指導要領というのがあって,そこに対してどこまで到達できるかというのが高校までの教育です。しかし,大学は学習指導要領がないということで,各大学がディプロマ・ポリシーというものを定めて,そのためにカリキュラム・ポリシーを作って,そしてアドミッション・ポリシーを作って,入学から卒業まで一貫した教育をやっていくというのを改めてここに明示したのだなというふうに思いました。
 そうしたときにやはり学生が主語になって,学修者本位の教育への転換というのが今回の一番大きなキーワードで,だからこそ学修成果というものをきちんと把握して,可視化していくというようなことだというふうに認識しました。これは言い替えると,今まで日本は入学段階の偏差値の単純な尺度で序列化されていたものを,卒業段階の多元的な成果の尺度に変わっていくということで,入学の国から卒業の国に変わっていく大きなパラダイム転換,チャレンジなんじゃないかというふうに私は思いました。これが1点目です。
 2つ目は,特に情報公開についてなんですけども,今,説明責任ということが大きくいろいろ,いろんな委員の方もおっしゃいましたが,説明責任という義務的なものだけじゃなくて,情報公開,公表することで,社会からのフィードバックをもらうということになり,それによってさらに教育の質を高めていく,あるいは経営の質を高めていくというような前向きな情報公開の機会だというふうに思っていただけたら良いのではないかと思っています。
 そして,先ほど浅野委員の方からポートレートの方の話が出ましたけど,ポートレートは私はかなり問題があると思っています。情報公開について誰が責任を取るかが明確になっていないので,一般の方は国がやっているから安心だというふうに思いますが,国の方は,これは大学が自主的に情報公表しているということで,誰も情報について責任を持たない状況になっているような気がします。
 例えば,認証評価の不適合や保留があった大学が,リンク先に不適合の認証評価結果についてのリンク張っていないといったことが起こっています。要はすぐには情報が分からないようにしているというような実態がありまして,こういうところを誰が責任を取るか,あるいは基準なりを設けて指導していくかというのを,やはり消費者保護の観点からきちんと国が考えていく必要があるのではないかなとに思います。
 今,高校でもアドミッション・ポリシーを使って進路選択をしていくとか,ディプロマ・ポリシーを研究して,そのために自分が高校時代どんな準備をしていったら良いかといったことを進路指導で行っている高校も増えてきています。そういった方々に向けて,やはりオネストに,そして積極的に分かりやすい言葉で情報公表していくということが,情報公表のポイントになるのではないかと思います。
 3点目は,最後はやはり,教学マネジメントということです。私は企業の人間なので,マネジメントという言葉を重視しています。マネジメントといえばピーター・ドラッカーは「マネジメントとは組織に成果を上げさせるための道具,機能だ」とに言っています。ですので,「国が」という主語ではなくて,「本学が」とか「学長が」ということで,大学自身が責任を持って各組織にどのように教学マネジメントを実質化していくかというところが一番大きなポイントなんじゃないかなというふうに思います。
 おそらく,この実質化というところが次の大きなテーマになってきて,うまく実質化しているとか,よい改善の兆しが見えた大学があれば,私,積極的に取材に行きますので,是非アピールしていただければと思います。どうも1年間ありがとうございました。
【日比谷座長】 それでは,こちらの佐藤委員,お願いします。
【佐藤(東)委員】 特に何も準備してきたわけではないのですけれども,教学マネジメントの指針がこういう形でまとまるということに対しては,それぞれの方の努力あってのことだということで,敬意を示したいと思います。特に日比谷座長,小林副座長はよくこういうことをまとめたなというような感じです。
 感想でいいとしたら,教学マネジメント指針ですから,ガイドラインを作るということだから,これはこれでいいというふうには思うのだけれども,今回もう少し踏み込めたらなと思っていたのは,教学マネジメント,学位授与ということに非常に強く関わっているわけなのだけれども,日本で学位授与権ということに対する話というのは余り出てこないんだよね。設置認可で,大学は認可はする。しかし,それが学位授与権を認めた,認めないということではないから,そういう部分で言うと,学位授与権って一体何なのだろうと。そこにはそれなりの重みがあるはずで,それをどうやってきちんと管理していくかというのが教学マネジメントではないかなというふうに思っています。
 そういう意味では,これから教学マネジメントは,今,学士だけでいって,分野でいえば六百幾つ,700,それでそれぞれの学位の分野に対して,きちんと管理していかなければならないということはあるはずなんですね。ですから,そういう意味でこれが生かされていけばいいがなというふうに思っています。
 多分これは大半は,ここで議論すべきことは,じゃ,学位授与権というものに対して今後どういうふうに考えていくかということでは,引き続いて認証評価の在り方についても議論しなければならない。今回,認証評価について,適合している,不適合であるということだけに決められたわけだけども,本当にそれが日本の高等教育,今の段階で伸ばすことになるのか。学位授与権があるなしの判定をするのだったら分かるのだけど,そうじゃなくて,機関別認証評価する機関としていいかどうかという言い方になっているので,どうもアカデミックな内容についてまではまだ入っていない。ですから,これを第一歩にして今後いろいろ考えたい。
 それから,私自身,用語解説というのはしばらく前の,それから片仮名が増えてきたし,用語解説した方がいいのではないかと言って,付けてもらったことが,安西先生の頃かな,それですけれども,どんどんこれ用語が複雑になっているよね。だから,これはもう少ししっかりと整理されていくといいかなと。僕らが用語解説が欲しいといった頃に,アセスメントとかポリシーとかIRとか,そういう話というのは何もなかったじゃないですか。それがどんどんどんどん増えていって,そうすると,それをまとめるために労力が必要になっていく。
 本来の,よく国立でも言われるじゃないですか。教員が雑用が増える,雑用が増える,自分の本来の教育研究にもっと力を注がなくちゃならないところが,こういうことがどんどん増えることによって力がそがれていくというのは,これまた本来のところとは違うなというふうに思っております。これが第一歩ですね。
 今度,設置基準についての議論,あるいは認証評価についての議論が継続して行われていく。これが起爆剤になってもらうということがとても大切だと思います。
 座長,副座長,お疲れさまでございました。
【日比谷座長】 では,どうぞ。
【佐藤(浩)委員】 私は,学部と大学院時代の専攻が教育行政学という学問でありまして,教育政策というのがどうやって立案されて実施されていくのかを論文とか教科書を通して学んでいましたけれども,この場は参与観察を通してそれを学ぶという点で非常に興味深かったなと思っています。
 特に文字として残すということで,静かな攻防がやっぱりあるわけですね,ポリティクスというかですね。それが,教科書どおりだなという話と,教科書と違う側面も発見できて非常に楽しかったと思っております。特にほかの委員会と比べても,本委員会は発言量が非常に多かったと聞いておりますので,取りまとめしていただきました座長,副座長,そして事務局,関係する職員の方に感謝申し上げたいと思います。
 私は,以前,吉見先生が言われた教学マネジメントの一丁目一番地を気に入ってよく使っているのですけれども,やはり,それは教員の教員能力の開発であると,一貫して申し続けてまいりました。つまり,学生にとっての教育というのは,まずは授業。その授業を担当する教員の能力は一体どうなっているのだろうかということでございます。以前も申し上げましたけれども,資格を持たない最後の専門職という位置付けがなされている大学教員に対して,やはり終止符を打つべきときで,そこに関わって,FD・SDの高度化という項目が今回あったのですが,個人的にはもう少し踏み込んだ提言ができたらよかったなと思っております。
 ただ,その中でも,望ましい教職員像をしっかりと作りましょうと,これは恐らくDPを反転させる形で作るのだろうと思うのですけれども,ここに切り込めたのは非常によかったなと思っております。
 これをきっかけに,IRが最近は前面に出てきてFDがちょっと不調ですけれども,各大学で改めて議論していただきたいと思うと同時に,ナショナルレベルでこの問題をどう考えるのかということをもう一度考える時期かなと思っております。ですので,大学教員の教育能力の在り方については,別途,委員会なりワーキングなりを立ち上げていただきたい。これは他国でもそういった議論が進んでおりますので,例えば,能力の資格化ですとか,あるいはそういったもののプログラムの認証ですとかについて別途議論する時期かなと思っております。
 個人的には,この教学マネジメントをテーマとしたFDを展開していくことになるかと思います。もう既に数件の依頼も来ております。ちなみに,阪大からは一切声は掛かっておりませんが,私も学内でアピールしていきたいと思っております。是非,文科省主催で全国キャラバンを展開していただいて,学長,副学長,学部長,学科長の先生たちにこの内容を普及していくことに努めていただきたいなと思っております。
 以上でございます。
【日比谷座長】 それでは,続きまして,伹野委員,お願いします。
【伹野委員】 伹野でございます。1年間どうもお世話になりました。
今回示された指針の「はじめに」には,予測困難な時代を生き抜く自律的な学修者を育成するには,学修者本意の教育への転換が必要との趣旨が説明されています。去年のグランドデザイン答申の議論の時から,この点について大変興味深く注目しておりました。現在高専に所属していますので,この趣旨をどのように高専教育の実践に落とし込むかを考えているところです。私自身教育学の専門家でもなく,これまで工学系の教育の現場に身を置いており,今は学校運営マネジメントを主体とした仕事をさせてもらっています。その立場で見ましても,学修者本位の教育への転換が,今回の教学マネジメントの指針によって十分示されたと理解しています。高等教育の議論は,多種多様な教育機関が対象のため,非常に難しいことと実感しておりましたが,ここまでまとめ上げて頂き,委員会および事務局には,大変感謝しております。また,その内容についても歓迎しております。
 御存じのように,国立の高専は現在51校55キャンパスあります。学生数は5万人規模の学校種で,高等教育機関に位置付けられています。高専では,学修者主体の教育に転換することを目標に,数年前より高専教育の質保証の整備との意味もあり,全高専共通の教学システムを独自に整備してきたわけでございます。今回の教学マネジメントの指針は大学を中心とした高等教育機関を想定したものとのことです。学位プログラムが一つ大きな柱になっていますので,高専の対応を整理する必要はありますが,その点を含めてあらゆる面で指針となる内容です。高専教育の教学システムが,このマネジメント指針に対し整理し,今後の高専教育の発展に寄与できればと思っている次第であります。
 以上です。
【日比谷座長】 それでは,続いて,林委員,お願いします。
【林委員】 まず,私の方もこの会に出させていただいて大変勉強になりましたし,また,おまとめいただいた事務局の方々には本当に心から感謝申し上げたいと思います。
 まず,私自身,これまでのバックグラウンドとして,数年前まで内部質保証とかの議論とかをしてまいりました。内部質保証という語の方が,認証評価の第三巡目の見直しがあって先に出ていて,そのあとに教学マネジメントという言葉がグランドデザイン答申で重要視されるようになったと思うのですが,内部質保証と教学マネジメントの関係については,いろいろな整理があるということで,この答申の中では必ずしも画一的な形でこういう関係だということは示していないと理解していますが,ただ,私の理解では,教学マネジメントを通じて,特に教育がうまく機能しているということを実証して,そして学内外に説明していくと,そこが内部質保証だと思っていますので,教学マネジメントの中のある種一部を切り取ったものが内部質保証だというふうには理解しています。
 ただ,内部質保証に関して,最近も幾つかの大学のお話を聞いていますが,どうしても,その用語の下で大学の中に内部質保証というのが入ってくると,本当に大学評価委員会が担当する仕事のような理解になってしまっていて,実際の教育の改善からは,やや切り離されたものとして整理して動いているという状況があると。
 そういうことを考えると,今回,教学マネジメント指針ということで,一部は内部質保証で求めていたことと重なっていることではあると私は理解しているのですが,それを教学マネジメント指針という形で出していただくことで,教務,教学の委員会が,それベースにして教育を変えていかなければいけないのだということを認識していただけるような素地ができたというのは,非常に意義があったことだと思っております。
 その上で,2点,今後の課題というか,要望を申し上げたいと思います。
 1点目は,やはり,これをどうやって実装していくかということでございます。この会議の一部最初のところで,グランドデザイン答申の文言を引用する形で,よくできているところとやっていないところが二極化しているという議論がありました。実際に,内部質保証に関しても,最近訪問しても,そんな言葉は知りもしないというような大学もあって,やっぱり教学マネジメントでもきっとそういう二極化の状況が生まれてしまうのだろうなということを危惧しています。ただ,それが単にやる気がないとかそういう問題ではなくて,例えば,地方にあって,東京からの情報が余り入ってこないであるとか,中小規模でそういう情報を仕入れる人がいないであるとか,やっぱり,大学によっては,もう本当に,人もいなければ,時間もなくて苦労しているという状況があるという中で,二極化してしまっているという状況もあると理解しています。
 内部質保証も教学マネジメントもそうなのですが,どこまでこのやり方でやっていきましょうという一つに定めるかというのは難しいと思っています。内部質保証の場合は,認証評価が今4つですか,機関別だとあるので,それぞれがそれぞれの内部質保証という概念を立てているという形になっているのですが,ただ,恐らく,今申し上げたような,大学がそんなに,いろんなところの内部質保証概念を理解してというのはほぼ無理という状況を考えると,やはり,今回の教学マネジメントは,これが,先ほど清水先生が言われたようにバイブルであると,こういうものがベースであるということで,もう進んだ方がいいのではないかと思っています。
 ですので,これをベースに認証評価機関も,もう1回評価基準を考えるし,大学の団体,協会とかも教育担当の理事の研修とかでこれを使うし,あるいは,できれば,例えばカリキュラムマップなり,カリキュラムツリーなりの皆が共通して使えるようなツールのようなものを開発していって,効率的に大学が対応できるようにするとか,それもこの教学マネジメント指針にのっとってやるということですけれども,そういう形で,できるだけ,指針の内容がちゃんと実装されていくような形の,ある種シンプルで効率的な方法というのを考えた方がいいのではないかと思っております。そこまでが1点目です。
 それから,2点目で認識しているのは,どうしても,教学マネジメント指針は,当然ながらマネジメントの方法を議論していますので,例えば,どういう人材を今後日本は育成していくべきかというコンテンツの話は,一切議論はしていないわけでございます。ただ,社会が求めている議論はそこにもやはりある,大学がいかに教学のマネジメントをよくしていたとしても,そこから出てくる人材がどうなのだという話がやはり重要になってきます。
 今日初めて見たわけですけど,おわりにのところで,「国際社会や地域社会,産業界等教育と密接な関係にある存在,大学に対して期待を持つ社会一般と積極的に連携を図ることで,その協力を継続的に獲得していく」という文言を書いていただいて,もしかしたら,こういう文言が最後に出てくるのだったら,もうちょっと前半のところで産業界と一緒にDPを考えましょうとか,そういう話がもっとあってもよかったのかなというふうに思いながらも,ただ,それはきっと次のステップなのだろうなと思って,やっぱり,ここで書いてある教学マネジメントが動いていくことによって,次のステップで大学を越える人たちと連携した形のマネジメントがさらに進んでいくという形になるのだと思いますので,やはり,これが浸透してきたときには,中教審等でどういう人材を育成していくのか,そのために,大学を越えたところでどういう連携をしていくかというところまでの議論をさらに展開していっていただければと思っております。
 以上になります。
【日比谷座長】 深堀委員,お願いします。
【深堀委員】 ありがとうございます。まずは1年間,大変勉強になる議論に参加させていただきまして,どうもありがとうございました。そして,大変なボリュームのある情報を的確に指針としてまとめてくださいまして,本当にありがとうございました。お疲れ様でございました。
 今回の教学マネジメントのまとめについて,大きな価値を二つ挙げることができると思います。一つ目は,やはり,大学レベル,学位プログラムレベル,授業科目レベルの各階層の役割を整理し,教育の質向上にシステムとして取り組んでいくという考え方がきっちりと盛り込まれた点です。これは海外でも注目されている,学習システム・パラダイムの考え方です。
 二つ目は,教学マネジメントは継続的,持続的に取り組むものであること,不断に課題を抽出して,質向上に結び付けていく長期的な取組であることを強調できた点です。一時点のエデュケーション・インプルーブメントではなく,継続的なエンハンスメントだという考え方は,海外でも強調されています。こうした意味で,これまでの教育学の蓄積の上に立った,世界に誇る先導的な教学マネジメント指針がまとめられたと考えております。
 その一方で,やはり,この指針がどういう拘束力を持つのかは注意深く考える必要があります。小林浩委員がおっしゃったように,教学マネジメントの主体はあくまでも大学です。大学が指針をマニュアルとして従うのではなく,戦略的に取捨選択して取り組んでいくものだという考え方は,改めて強調していく必要があると思います。また,林委員がおっしゃったように,様々な状況の中にあるそれぞれの大学が,ある一時点で取り組める内容には差異があるという現実も受け入れる必要があります。
 その上で,今後,教学マネジメントを実質化していくために,どのような環境を整えていく必要があるのか。佐藤委員がFD・SDの重要性を強調して来られましたが,大学教職員のエキスパート・ジャッジメントの涵養に向けて,大学共同体としての取組,学協会や大学団体などによる大学間連携の仕組みを構築していく必要があると思います。
 最後に,この委員会の議論の範囲を超えていると何回もご指摘を受けましたが,高等教育資格枠組みや分野別参照基準の重要性について,改めて言及させてください。大学は公共財です。公共財だからこそ,国が保証すべき大学の質についての一定の考え方を示していく必要があるのです。高等教育資格枠組みや分野別参照基準を基盤とした大学全体としての共通性を保証しながら,それぞれの大学の多様性をいかに伸ばしていくかという考え方を,国として推進していくことが,日本の高等教育の国際通用性を高めていく上で不可欠です。次のステップとして,是非考えていただきたいと思います。
 以上です。どうもありがとうございました。
【日比谷座長】 益戸委員,お願いします。
【益戸委員】  座長の日比谷先生,そして副座長の小林先生,それぞれの専門家のお立場の先生方から,大変意義深い議論が出て,その集大成がまとまったととても喜んでおります。
 私は,御存じのとおり,アカデミアの人間ではございませんので,高等教育機関を取り巻くステークホルダーの一員として参加をさせていただいていたというつもりでいつもおります。最近の高等教育に関連する話題で言えば,大学入試の英語の試験の問題,記述式の問題,その採点方法などについてマスコミが大きく取り上げました。私はこの大変な大騒ぎというのは,イコール,どうやって入学をするのかとか,どうやって入学者を決めるのかなど,大学に入ることがとっても大切だと,入学が大きな国民的な関心事であるという,まさに象徴なのではないかなと思っておりました。
今後,教学マネジメントというものがきちっと定着するようなことになると,今回のようなこれほどの大騒ぎというのは起こらなかったのではないかなという,やや冷めた目でニュースを見ておりました。入学後どうやって学修してどのような結果が出たのかと。高等教育の本来の姿が注目されるきっかけになるのではないかと大変期待しております。
 私は,こういった委員会の最後に必ずお願いすることは,この結論を出したことがゴールではないということです。私たち経済界も,改めて努力しなければいけないということを痛感しました。
 この1年の間に,例えば,本日御出席の牛尾課長にお願いをして,企業向けにお話をしていただいたり,それから,今年の4月の全国の経済同友会の全国セミナーでは,グランドデザイン答申をテーマに分科会をしてみたり。まだまだ企業のトップは文部科学省での議論を知りませんでした。これが現実だということです。
 既に,日比谷座長はじめ委員の皆様が,いろんなところのセミナーやパネルディスカッションに参加されて,教学マネジメントの在り方というのを伝えていただいていると思います。しかし,これは,伝える相手が,教育関係者ではなくて,教育関連産業の皆様であるとか,マスコミであるとか,それから高等教育局と初等中等教育局の連携を通して,実際の学修者である中学生や高校生であるとか,その御父兄とか,中学・高校の先生方にも分かりやすい言葉で伝えることをお願いします。私は,随分こういった委員会に出させていただいていますが,引き続き分からない専門用語があります。この用語解説があるのは大変ありがたい。委員会で伝えていくということの重要性というのを是非,再認識をしていただきたいと思います。そのためにも,文部科学省の皆様も引き続きバックアップをよろしくお願いしたいと思います。
 教学マネジメント指針作成を通して,この委員会に参加させて頂きました事を,心から感謝申し上げます。1年間ありがとうございました。
 付録として1つだけ申し上げると,この議論の中で私は感じたことは,教学マネジメントの実行には時間が掛かるということです。ということは,これは,学生諸君にも伝えなければいけない事と思います。今年卒業する学生は22歳です。教学マネジメントが,10年後ある程度定着するときには32歳です。企業において,32歳と22歳,そう大きく仕事や立場が変わるものではありません。教学マネジメントにのっとって育ってきた学生22歳が,32歳を後ろから追っかけてくるわけですよね。という現実があるかもしれない。我が大学はこのように考えていけるが,いずれこういう時代が来るぞということを入学式の段階で伝えるべきことも,教学マネジメントでは必要なことなのではないかなとふと思いました。これは付録でございます。
 どうも皆さん,1年間ありがとうございました。
【日比谷座長】 松下委員,どうぞ。
【松下委員】 皆さんおっしゃっていることですが,この1年間,いろいろな議論ができ,またたくさんのことを学ぶことができまして,本当にありがとうございました。
 私の方では,申し上げたいことが三つあります。まず1点目は,私,こういうふうな何らかの文書の形に最終的にまとめ上げていくような文科省の委員会に出たのは,これが2回目だったのですけれども,今回の取りまとめの仕方というのが,非常に透明性があり,しかもちゃんと記録も残っていて,すばらしいなと思いました。資料も全て事前に公表されていて,オブザーバーの方々にもちゃんとごらんになれるようにもなっていますし,それから,発言も全て議事録が残り,そして,ここで議論したことがちゃんと最終的な指針の中にまとめていかれたということです。もちろん,全ての意見が取り入れられたわけではなく,私の意見でも取り入れてくださったものもあれば,無視されたものもあるのですけれども,それは,先ほど佐藤浩章委員がおっしゃったように,ポリティクスみたいなものがあるのだなというのは実感としてよく分かりました。
 でも,それも含めて非常に多く学べましたし,毎回,前回に出た意見がまとめられて,そして,それがどういう形で指針案に盛り込まれていったのかというのがたどれるようになっていました。ですので,もし,後世,この指針がどういうふうに作られていったのかというのを,例えば,高等教育の研究者が,あるいはほかの方でもいいのですけれども,たどろうと思ったら,ちゃんとたどれるようになっているという,これは本当にすばらしいことだなと思いました。それが1点目です。
 それから,2点目は中身についてなんですけれども,中身に関しては,先ほど深堀委員が,非常にレベルが高いということをおっしゃったのですけれど,私は,今回の指針はちょっと,いわゆる行政文書っぽくないところがあって,そこがいいなと思っています。例えば,測定のことに関して,測定のための測定になってはいけないとか,全て測れるわけではないとかいったことが書かれています。学修の成果の可視化とかいうときには,何でも測れるように思ってしまったり,あるいは数値化されたものが全てというふうに思われてしまいがちで,それが,大学教員に,学修成果の可視化とかアセスメントとか評価というのがすごく煙たいもの,忌避されるものになっている一因になっています。その点,今回の指針では,評価,あるいは測定できることとできないこと,大切なことが全て測定できるわけでもないし,何でも測定すればいいわけでもないというようなことがきちんと書かれているところが非常にいいなと思っています。
 内容的にも先ほどから出ていますように,大学全体レベル,これは機関レベルと言ってきたものですけれども,学位プログラムレベル,それから科目レベルという3つのレベルで,どういうふうに可視化を行い,改善を行っていくのかということが書かれている点でわかりやすいと思います。ただ,先ほど大森委員がおっしゃったように,学修成果を可視化すると,余り公表したくないことも出てくるんですね,うまくいっていないことはやっぱりあるので。そこを本当は長い目で見て,今こういうふうにうまくいっていないのだけれども,こういうふうに改善しようとしているというような,そういう形での公表の仕方というのを是非,高く評価していただけるような,そういう評価文化を作っていければと思っています。それが2点目です。
 3点目は,自分のこれからの関わり方ということなのですが,私は今,文科省のこの委員会の委員としてこの会議に出ておりますが,大学に帰れば,センターで大学全体レベルでの改革をやっていく,その支援をする立場におります。そして,学位プログラムレベル,部局レベルということでいうと,教育学研究科の教員であり,そして一教員として科目レベルにも関わっているわけです。そうしますと,それぞれの場で聞こえてくる声が違うんです。ここでは皆さん,積極的に教学マネジメントについて議論されているわけですけれども,大学に戻りますと,やはり,文科省からおりてきたものに対して,どう凌いでいけばいいか,やり過ごしていくかとか,そういう話もあるわけです。
 でも,実際には,学生は,やっぱり,4年間なり6年間ですごく変わっていくんです。学修成果を教員や本人自身がちゃんと把握できて,そしてその次に進めていけるように,それを支援していくというのが今回,強調されていることだと思います。
 つまり,これまでは,何かやらなければいけないことでも適当にやり過ごすという形で対処しがちだったものを,いかに反転させていくかということです。学生のためにこそ学修成果を可視化し,また,大学のためにこそ教育成果を可視化していくということを,マイナス面ではなくて,より価値あるものとしてそれぞれが見ることができるように,反転させていくということが非常に重要だと思っています。
 今回はこういう形で議論に参加させていただきましたので,ここでの雰囲気なども,是非,大学でも伝えていきたいと思いますし,そういう反転をさせるということに私も是非関わっていきたいなと思っています。
 どうもありがとうございました。
【日比谷座長】 溝上委員,お願いします。
【溝上委員】 1年間大変お世話になりました。まとめの先生方,事務局の皆様,本当にお疲れさまでございます。
教学マネジメントの指針がまとめられて,体系的に整理されてまとめられていると思います。学修者本位というところから始まって,学習パラダイムを中心に統一した記述がなされていることが,私にとっては感銘を受けていて,いいなと思っています。
 他方で,皆様が余りおっしゃっていないところで一つ大きな感想を述べると,学修成果・教育成果という連語が,今回,私にとってはとてもいい響きです。学修者本位であることは当然ですけれども,今,私たち教学マネジメントをこれだけ議論している本質といいますか,教育機関である大学が学生をどういうふうに育てたいのかという目標とか目的ということを,しっかり確認することだと思うんです。ですから,順序的には学修成果が先ですが,それでも,教育成果が得られたかどうかという,教育の成果を連語で問うていくということは,学生をどう育てたいかをしっかり見ていく教育の在り方として,とても大事なステップになると思います。学修成果の可視化,内部質保証と私たち言い尽くしていますけれども,ここにこれから教育成果が入ってくるのだなと,ちょっとそんなことを頭に描いています。
私としては,皆さんがもう何度もいろんな形でおっしゃっていることですけれども,この指針が出た後に,これをどう使っていくか,これで全国の大学がどう変わっていけるかということを考えています。
 私のピクチャーですけれども,2008年に学士課程答申が出て,様々な答申が出て,それから第3期の認証評価が今進んでいて,負け戦が続いているという印象を持っています。教学マネジメント指針が出て,いろいろ響くものがあると思いますけど,どれだけ変われるのかなということが,とにかく大きな関心事です。変われるために,変わっていけるように次の取組がとても大事で,そこをずっと,特に最後の数回は考えていました。
 浅野委員がおっしゃったように,学長とか学長補佐・副学長の方々にこういった指針を伝えていく様々な会とか会合をしていくという普及活動はとても大事だと思います。
 思い返してみると,2000年代前半の特色GPや現代GPがありましたよね。あの盛り上がりが欲しいと思います。あれは,大学が,教育面で結構元気を出した時期だったのではないかとお世辞抜きで思います。2008年の学士課程答申以降は,構造化というかディプロマベースで縛ってきていますので,本来の教育の目的があってこその教育だという大きな枠組みを通しているという意味で,大事な流れなんですけれども,逆にこの枠付けられた中で頑張るということが人というのはなかなか難しくて,そこが次の課題かなと。でも,枠の中でしっかり取り組み,枠を超えるというんですかね,枠の中で全ての教育活動が納まるわけではないし,納まる必要もありませんので,ただ枠を踏まえてもらわないと困りますので,そういったところに,次の取組があるかと思います。
 もう一つ同じ話ですけれども,この指針を通して,強要されるか,補助金につながるかとか,こういう話が常に出るわけです。ただ,私は,ここはそんなに深くは受け止めていなくて,補助金に反映させても,皆さん,反映させれば何かしらやってきますけれども,それは今までだって何かはしてきたけど,大した自主的な成果にはなってなかったわけで,自主的な成果にしっかりつなげていくことを私たちは考えないといけないと思うのです。
 今,学長とか,学長補佐,副学長レベルでということ,特色GPとかそういうことも一つだと思いますし,他方で情報公開のステークホルダーへのつなぎ,これは私,会議の何回かのところで,一度発言しましたけれども,先ほど小林委員が,高校がアドミッションポリシーを読んでいるという,実際,そういう高校はあって,いいつながりができてきたなと思うんですけれども,他方で,アドミッションポリシーを読めば,大学の取組をいろいろ見えるかといったらそんなこと全然なくて,それは当然,アドミッションじゃなくて,私たちはディプロマポリシーもと言いたいわけです。学修成果はちゃんと実現しているかと。だから,アドミッションポリシーだけを見ても,高校にとっては余り参考になりません。
 既に情報公表されている資料を私もいろんな時期に見ているんですけれども,やっぱり分かんないですね。これだけテーマに通じている私たちでさえ,各大学の公表されている資料を本当に片っ端から見ても,使っている言葉も違えば,さっきの大学でこうやって書かれていたのが,ほかの大学で書かれてあるかなと思ったら書かれていないことが多くて,中期目標,中期計画で国立だとばーっとありますが,あれなんかは同じ枠組みで書かれてあるので実は結構分かりやすいのです。同じ項目で,取組が,何を書いてくるかは大学の自由ですけれども,さっきの大学ではこういうことが書かれていたけど,この大学では書いていないとかといって,結構,整理ができます。
 そういう意味では,情報公表を促していくだけではなくて,情報公表をステークホルダーにつなぐ間,これは文科省として,中期目標の項目みたいな,そういう枠付けが大事だと思います。それから,教育産業やステークホルダーの間に入る人たちが,本当に伝えていくということをしないといけないと思います。
 私も今,大学人でもありますけど,高校からもどっぷりつかって見ていますので,高校の先生たちが大学の取組を本当に受け止められないことがよくわかります。悪い意味ではないのですが,教育産業の方々がもう本当に隅々にまで入り込んでいて,彼らの情報を受け取るだけでも精いっぱいで,だから,その人達がもっと賢くやってくれないと,なかなか高校は,あるいは高大接続は進まない,そういうふうに思います。
 教育産業の話をしましたけれども,私も何かやるべきことがあるのではないかなということを考えていまして,そういったことを自分のこれからの課題にしたいと思います。
 どうも1年間お世話になりました。
【日比谷座長】 では,森委員,お願いします。
【森委員】 最後の方になると先生方におおよそ発言されてしまって,何を言おうかなということになってくると思います。
まずは,やはり,感謝の言葉から始めたいと思っております。座長,副座長,あと平野さんはじめ事務局の方々,本当に1年間お疲れさまでございました。いいものができたと思っております。
 私が一番いいなと思うのは,これまでいろんな各論が個別におりてきているのですけれども,この度はマネジメントという言葉で,初めてプロセスとして大学関係者のみなさまに提示できるということです。ただ絶対に資料2の事例から読んでほしくないと。資料2でこれとこれをやればいいのねではなくて,やはり,本文からまずはお読み取りいただき,その趣旨を御理解いただければ,これまでのこの委員会での例えば議論であったりとか考え方とかいったようなものが,ご理解いただけると思います。これからの普及という話が出ておりましたけれども,ここにおられる委員の先生方や,多分オブザーバーや傍聴で来ていただいた皆様方からも,是非,資料2から読まないようにと,本文から見ていただいて,しっかりとプロセスとして捉えていただくということを徹底して伝達いただければと思っております。
 ふだん,私の方は,研究においても,また大学の業務においても学修を見取るといったような仕事をしている中で,認証評価も関西大学は第3期が終わったところで,PDCAのCとAが非常にうまくいっている事例として,大変いい評価を頂いたと思っております。そこの中で,やっぱり,日々現場を駆けずり回って,いろんな部署と押したり引いたりをしている中で,大学生の学びなんてどうでもいいよと言っている人はほとんどいないです。そういう意味では,皆さん,受け入れたからにはしっかりと育ってほしいと思って一生懸命やっておられます。ここが大学が大学たるところであると思っております。ただ,方向性が個人個人のビリーフによってばらばらであるとなれば,やはり,マネジメントが必要ということになると思いますし,帰着するところ,目指すところはやはりDPなのかなと思っております。そういう意味では,先生方の努力は,必ず学生の学修に表れてくると言ったようなところを徹底していきたいと思っております。
 もう一つ思うのは,この指針は,フレームワークであると考えること,内容やその表現は個別化を許容していることを前提に,フレームワークの中で表現することにより,読み手にその際や共通性がわかりやすく伝わるということです。特に私どものような私立大学の場合には,自由な私立大学としての個性というものがこの中に表れるべきであるし,また,そういうものが表現できるフレームワークにもなっていると思います。以上から均一化と個性化といったような2つの異なった方向性のバランスがうまくとれているということであれば,私も今後,私立大学としまして,個性化の部分をしっかりと表していくといったところを丁寧にサポートしていきたいと思っております。
 最後に高校との接続がすごく気になるところです。溝上先生や松下先生と,今,高校に入って,いろんな高校生や高校の調査をさせていただくと,最近,日本の大学をスキップして海外に行ってしまう高校生も増えてきている。それは日本の大学の良さを十分にアピールする必要性を強く感じます。
 そういう意味で,本当に入試の接続だけではなくて,2022年には高校の学習指導要領も変わりますので,まさに内容や方法,又は,ここで教学マネジメントではなくてカリキュラムマネジメントと言われているものの接続,そういったものも含めて考えていくことが必要なのかと思いました。
 最後,実質化のところですけれども,社会に向けてということもそうですが,私はやはり大学をよりよくしていくためのツールとして,この教学マネジメントのガイドラインを使うためにはどうしたらいいかを引き続き考えていきたいと思っております。
 以上です。ありがとうございました。
【日比谷座長】 吉見さん,お願いします。
【吉見委員】 吉見の「よ」というのは,あいうえお順で言うと大体最後でして,小学校の頃から大体最後なんです。渡辺君というのがいると,その1つ前になるんですけれどもね。そんなことはどうでもいいんですが,この特別委員会は回数もかなり多く,頻度も高かったですが,毎回毎回の出席率が極めてよかった。これが全てを象徴していると思いますけれども,最終的に出てきたものが事務局や日比谷座長の御努力で大変よくまとまっていて,これは誇れると思うんですね。
 つまり,文部科学省が,先般のグランドデザイン答申と併せて,こういう方向で行くんだ,大学教育をこういう方向に導いていくんだということを,こういう方針だとはっきり社会に対して言える中身ができていると思います。
 そうすると,これからの喫緊の課題というのは,やっぱり私はパブリックリレーションズ,PRというのは単なる広報じゃなくて,明確な相手がいるのですが,その相手に対してきちんと伝え,方針を実質化していくか,これが一番の課題だと思います。
 今,現下の大学をめぐる状況を見ても,大学の中を見ると,多くの先生方の頭の中でほとんどお金のことしか考えられなくなっている。実質的に,もうほとんどお金の話ですべてが回っているというのが今の大学の中の状況です。大学の外の世の中を見ると,ほとんどの人たちは入試のことしか考えていないんですね。入試のことに大変大きな関心を持っている。
 でも,やっぱり大学の根本の問題は,お金の問題でも入試の問題でもなくて,根本はやっぱり教育です。そのことを改めてきちんと言っていくという意味で,グランドデザイン答申と今回の教育マネジメントは非常に重要な意味を持っている。
 それを誰に言っていくのかがすごく重要で,明確なターゲットが必要だと思います。1つは大学ですが,2つ目にはメディアですね。具体的な,ソーシャルメディアであれマスメディアあれ,メディアを巻き込んでいくこと。3つ目は政財界でしょう。つまり,産業界,それから政治家をきちんと巻き込んでいくということ。4つ目は,中学生,高校生やその保護者になるのではないかと思います。
 こういう明確なターゲットに向けて,何をやっていけるのか。ただ何もしないで読んでくれるというふうにはならないですよね。少なくとも,例えばシンポジウムをする,懇談会をする,文科省から具体的に仕掛けていくということをやって,その中に,この委員会の委員だけでなく,産業界や政界のキーパーソンだとか,メディアの主要な方々をちゃんと入れて輪を広げていくことが必要だというふうに思います。
 さらにお願いしたいことは,今度は文科省の内部,先ほど初中局の話も出ていましたけれども,文科省の内部や中央省庁の内部で共通の理解を広めていっていただくということも,とても重要だと思います。
 先ほど,どなたかがおっしゃっていましたけれども,これはある種の日本の高等教育のパラダイムチェンジを志向している,これは読めば分かります。だとすれば,高等教育のパラダイムチェンジが日本社会のパラダイムチェンジにどうつながっていくのかということを,これから示していく必要があるんじゃないかと思う次第です。
 最後に2点だけ,このグランドデザインのそもそものミッションを超えちゃうので議論にはなりませんでしたけれども,やっぱり残された課題があると思うのですね。2つだけ付け加えておくと,1つは,やっぱり日本の大学の一つの弱さの大きな理由は,専門職員の問題というのがありますね。つまり教員以外の教育をめぐる専門職のキャリアパスをどういうふうに構築していくのかという話が一つあると思います。
 それからもう一つは,水平的な流動性,つまりタコつぼを,どうしても1つ1つの組織ですごくきちんとやったとしても,とてつもなく日本の社会全体がタコつぼ社会ですから,大学もすごくタコつぼで,それぞれ壁が厚い,学部も壁が厚い,至るところにタコつぼがあふれているのが日本の社会です。ですから,このタコつぼに,壁に穴をあけていくためには,何らかの水平的な流動性を増していくという,それと表裏をなして,情報公開の問題もあるんだと思いますね。
 ですから,そこのあたりの仕掛けは,これは教学マネジメントという枠を超えることでありますけれども,是非この先で御検討いただければというふうに思います。
 以上です。
【日比谷座長】 それでは,小林副座長。
【小林(雅)副座長】 一応,副座長として,まとめるという立場から,今までのいろいろな委員の御意見とかなり重複している部分もありますけれども,確認するというような意味で少し申し述べたいと思います。
 これも既に出ていましたけれども,各委員から非常に活発な意見が出ました。中には相当相反するものがありまして,どちらをとるか,あるいはどちらもとらないのか,それとも別の解を考えるかというので,相当難しい選択でした。そういう意味では,本当に事務局はよくやっていただいたと思っております。
 ただ,そうは言っても,課題は,今日もたくさん出てきました。私はメモをとっていたのですけど,隣の日比谷先生もそうですけれども,また今日になって新しい話がどんどん出てきて,これだけまだやらなければいけませんというようなことを,宿題を出されているような状況です。
 審議会というと,事務局が作った案について,異議なしとか,てにをはを修正しておしまいとか,そういう審議会もあるように聞いていますけれども,そういうことだけは絶対になかったということは言えます。
 その上で,少しお話ししたいのですけど,これも何人もの委員がおっしゃっていましたけど,学生本位,学修者本位という形に転換することがグランドデザイン答申で出てきたのですけれども,それほどグランドデザイン答申で強く打ち出されてきたかというと,その中の一つになってしまっている感じがある。これがむしろ教学マネジメントで議論していく中で非常に大きく出てきたということは,非常に大きな成果だと思っています。
 ただ,それはどうしても高等教育政策だけではなくて,やはり各大学,高等教育機関の側に掛かっている問題ですので,非常に難しい問題だと思っています。ですから,これが本当に実現できるかどうかは,これからずっと見ていく必要がある。そういう意味で,最後に,これから各大学がチェックしてフィードバックすると同時に,それも政策に反映していくというのは,これはずっと続けられなければいけない課題だと思っております。
 高等教育政策に関わってきた人間の立場から申し上げますと,これは一つの,ある意味,極端な言い方をすると,小道具にすぎない。高等教育政策はいろいろな課題がありまして,その中で,大道具の議論は今日も幾つか出てきているのですけれども,教学マネジメントはその中の小道具を扱ったものにすぎない。ただ,小道具だから重要ではないということではなくて,この小道具は相当パワーを秘めた小道具になる可能性がある。そのところをどうしていくかというのが,今日,皆さんが異口同音におっしゃっていたことではないかと思います。
 ただ,私自身は,マイクロマネジメントに最近の議論というのが偏り過ぎているのは非常に気になっているところでありますので,今後はもう少し大きな議論をしていただきたいというのが希望です。
 それからもう一つ,これも何人もの委員がおっしゃっていましたけど,この指針はマニュアルではないということですけれども,各大学が創意工夫して自分たちで受け止めてくださいと言っているわけで,IRとか情報公開が重要だと言っているわけですけれども,特に各認証評価機関についてお願いしたいのですけれども,この精神を酌んで認証評価を行っていただきたい。
 どうしても,今までの3ポリシーとかを見ていると,認証評価機関の方で細かい小道具は見えやすいので,こういうことをやっていますかとか,15回授業をやっていますかとか,そういう話ばっかりになってしまって,どうも本質的な議論になっていないところがありますので,そういった細かなチェックをするのではなくて,これはあくまで例示ですので,その例示をきちんとやっているかどうかのチェックは必要ですけれども,余り細かいことは言わないでいただきたいというのが,これもお願いです。
 それから,これもいろんな方がおっしゃっていましたけど,学修成果の可視化というのは非常に難しい議論です。その中で学修時間というのがかなり取り上げられてきたのですけど,これは実はある意味では成果ではない,委員会では議論が相当あった。けれども,これはある意味プロセスの議論ですので,プロセスの可視化というのが実は余りされていない。ですから,これも大きな課題で,そういう意味で,学修成果,アウトカムだけではなくて,実際に何をしているかの可視化が非常にこれから重要になってくると思うのですけど,このあたりも議論ができていません。
 片方で,そういう,いわば教室の中に入っているような議論が一つと,逆に,ガバナンスとか,もう少し大きな方の議論,これもこの委員会の範囲に入っていないということで議論しない予定だったのですけど,やはりこの問題を議論しないことには,どうしても教学マネジメントの本質的な議論ができないということで,かなりそこに踏み込んで,最終的には,最後の方に少し書いたわけですけれども,このあたりが非常に大きな課題になっていると思います。
そういう意味では,山を一つ登って,一応頂上には着いたけど,上を見たらさらに大きな山がまだ控えているなと。そういうのが見えてきたというのが私の正直な感想です。
 ありがとうございました。
【日比谷座長】 ここで文科省から一言御挨拶を……。
【佐藤(東)委員】 1つよろしいでしょうか。
【日比谷座長】 はい,ごめんなさい。
【佐藤(東)委員】 ごめんなさい,先ほど言えばよかった。今の指針の案の中を見ると,学長のリーダーシップという言葉が4か所か5か所出てくるんだな。それで,もう少しこれをとんがっちゃって,学長の責任なんですよね。学長がリーダーシップを持っていなければ,こんなことはできるはずがない。
 学長がリーダーシップをどうやってとっていくかといういい例は,多分,最近は大学の学長による学長の評価が朝日に出て,日比谷先生あるいは大森先生なんかはかなり高いところにあって,典型は,リーダーシップがあるかどうかという,学長の責任においてできるかどうかなんだと思う。
 それから,国立は国立でもってそれなりのガバナンスの在り方があるけれど,80%の私学をどうするかが大きな問題なのだと思うから,もうちょっと,そういう意味では,学長のリーダーシップの下で,学長室とか形態,組織を作ってみたいな話になっているから,学長がきちんと責任を持ちなさいというふうにしないと,これはうまくいかないんじゃないかという感じはしています。
 取り上げても取り上げなくても構いません。これは座長,副座長にお任せすることです。
【日比谷座長】 それでは,お願いします。
【玉上大臣官房審議官】 本日はといいますか,これまで大変長いこと,1年間ですけれども,先生方におかれましては,御出席,御発言いただきましてありがとうございました。本日で教学マネジメントの指針に関します特別委員会は審議を終えるわけでございます。本当に皆様方ありがとうございました。このまとめにつきましては,今後は大学分科会の方でまた御審議をしていただいて,決定いただく予定でございます。
 繰り返しになりますけれども,グランドデザイン答申において示されました学修者本位への転換という観点から,教学マネジメント確立のための貴重な御知見を多々いただけたものでございまして,私ども,先ほどから先生方からお話がございましたけれども,この指針が決定されました後は,この周知をする,グットプラクティスを普及する,又は普及活動などを共有する,様々なことを通じまして,必要な取組で,各界,先ほど先生方から御意見ございましたが,産業界の方はもちろんでございますけれども,大学,高等学校等も,また,私どもの初中局やほかの局ともよく連携をいたしまして,こういう取組を進めさせていただきたいと考えております。
 最近,ちょっと今日も局長が出席できておらないように,今日は入試で大きい発表があったものですから,あれなんですけれども,入試のことでは大変御迷惑をお掛けしておりますけれども,その中で,本当に貴重な御意見をずっとやってきていただいたことに改めて感謝申し上げるわけでございます。
これでひとまず最終回になりますけれども,この確立というのは,ある意味で未来永劫だというふうな御意見もございました。各大学における教学マネジメントの確立に向けた取組についてのフォローアップをしつつ,適切なタイミングで本指針の充実に向けた検討を行うことも想定されております。
 委員の皆様におかれましては,今後とも,こうした観点から引き続き御支援と御協力を賜れれば幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。
【日比谷座長】 それでは,本日が最後になりますので,私からも座長として一言御挨拶させていただきます。
 もっとずっとしゃべれると思ったら,時間はほとんどないということなのですが,実はちょうど1年,365日やってきたというのは非常に珍しいことだと思いますので,最初にそのことを申し上げて,皆さんをびっくりさせようと思ったら,何かとられてしまいましたが,しかし,あしたがお誕生日ということですから,そういうおめでたい方に言っていただいてよかったかと思います。
 グランドデザイン答申を出しましたとき,あの委員会では,私は副部会長を務めておりました。そこで,この次にやる非常に大きいことは,教学マネジメントの確立と情報公開であるということで座長をお引き受けしたわけですけれども,最初にこういうメンバーでいきたいと相談しました ときに,大変大きな期待を私は持ちました。
 どう言ったらいいのでしょうか,非常にいろいろなタイプ,タイプというのは性格とか人柄とかいうのじゃなくて,この分野の御専門の方,それは教育行政であるとか教育評価であるとか学習理論であるとか,IR,FD,いろいろありますよね。それから,自分自身の専門は私も含めて全然違うのだけれども,実際に大学のマネジメントに日々携わっている。あるいは産業界の方等々,いろいろなタイプの方がうまく混じっているので,ここで大きな化学反応も起きるだろうし,また,最初のうちはいろいろ行き違いとか,用語を違った意味で使っているというのが起こるのは,むしろよいことであって,結構,何かずれている議論をしていたときもありましたけれども,1年を経て,このような形でまとまったのは,ひとえに皆様の大変積極的な議論への御参加によるものと思って,私からも深く感謝申し上げます。
 それで,1点,何人かの方がおっしゃいましたけれども,今回,事前の資料配付が極めて迅速に行われた。これは初回に私が事務局に強くお願いをしまして,目標としては1週間とか10日と言ったんですよね。5日ぐらいのときはあったのですが,是非 ,早めに上げよう。それから,全部そろっていなくても,できたところから上げよう。 大きな声で言いませんと言いながら言っていますが,これまで私が出た中教審関係の幾つかの会議では,今日で言いますと,今日は17日ですよね,17日午前1時とかにメールが来て,もちろん見ていないですよね。遅い時間に申し訳ありませんがとかいうのがよくあったのですが,そういうことだけはやめて,是非,十分に,資料を読み込んで,議論に参加していただきたいとお願いしたのですが,私が一番感謝しているのは,それを非常に着実に実行していただきました事務局の皆様に本当に感謝しております。ありがとうございました。
 普及の話が何回か出ましたけれども,秋を過ぎましてから,私は大変多くの取材と講演の御依頼を頂いておりまして,全国を行脚しているんですけれども,今日,皆様の御意見を伺いまして,普及のポイントというのでしょうか,ここをもうちょっと言わなくてはというような示唆も頂きましたので,皆様もどんどん普及していただきたいので,御一緒に普及しましょう。ありがとうございました。
 では,最後にどうぞ。
【平野大学改革推進室長】 本当に1年間にわたりまして活発に御議論いただきましてありがとうございました。事務局としても深く御礼を申し上げたいと思います。
 また,今日,最後に各先生から頂いた御意見については,非常にこの会議のミッションというものについて,私も厳格に運用した中において,指針には盛り込めない案というのはあったわけでありますけれども,また今後も,大学分科会においては設置基準の在り方,認証評価の在り方,このようなところも含めて検討していくこととしているところでございます。その際にしっかりと生かさせていただきたいと考えておるわけでございます。本当に1年間ありがとうございました。
 最後,いつものお知らせでございますけれども,資料の郵送を希望する方は,附箋に書いて机の上に置いておいていただければと思います。本当にありがとうございました。
【日比谷座長】 それでは,これで終わります。ありがとうございました。

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