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教学マネジメント特別委員会(第10回) 議事録

1.日時

令和元年10月28日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省東館3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 教学マネジメントに係る指針及び学修成果の可視化等について
  2. その他

4.出席者

委員

(座長)日比谷潤子座長
(副座長)小林雅之副座長
(臨時委員)浅野茂、大森昭生、川並弘純、小林浩、佐藤浩章、伹野茂、林隆之、深堀聰子、益戸正樹、松下佳代、溝上慎一、森朋子、両角亜希子、吉見俊哉の各臨時委員

文部科学省

(事務局)白間私学部長、牛尾高等教育企画課長、武藤高等教育政策室長、平野大学改革推進室長 他

5.議事録

【日比谷座長】  おはようございます。所定の時刻になりましたので,第10回教学マネジメント特別委員会を開催いたします。お忙しい中,御参集いただきましてありがとうございます。
 本日は,沖委員,佐藤東洋士委員,清水委員が御欠席です。
 初めに,事務局から配付資料の確認をお願いします。
【平野大学改革推進室長】  失礼いたします。資料につきましては,机上の議事次第に記載のとおりでございます。このほか,机上資料をお手元のタブレットに入れてございます。抜けなどがある場合には,事務局までお知らせをいただければと思います。
【日比谷座長】  ありがとうございます。
 本日は,前回に引き続き,情報公表について御議論いただきます。その後,教学マネジメント指針の総論として記載すべき内容についても議論をお願いしたいと考えております。
と申しますのも,この特別委員会で示された御意見の中には,指針全体の総論として位置付けられるべきものもございました。このような御意見が,これまでの各回の資料には必ずしも反映されていないという御指摘もあるところであり,指針本体の取りまとめに向けた検討は次回以降の議題となりますけれども,これに先立ち,指針の総論部分の草案を事務局に用意してもらいましたので,本日は時間の許す限りこの点についても議論ができればと思っております。
 それでは初めに,本日の議題の1の最初のポツですけれども,情報公表に関する資料について,事務局より説明をお願いします。
【平野大学改革推進室長】  失礼いたします。資料1は,前回の第9回で情報公表について頂いた御意見について整理をしているものでございます。いつものとおり内容は省略させていただきますが,情報公表の意義・目的,方法,特にまた公表する情報の範囲,優先順位,このようなところについても御意見を頂いていたところでございます。
 資料2-1を御説明させていただきます。本日,下線が引いてあります部分というのが,前回からの修正部分ということになってくるものでございます。
 まず,1ページ目でございます。1ページ目で下線を引いている部分は,入学希望者といったようなところが,将来の学生と書いてあったり,多少表現が揺らいでいた部分がありましたので,整理を行ったものでございます。
 2ページ目をごらんください。前回,複数の先生から御意見を頂いていたところでございます。大学については,これまでやはり偏差値のない一元的な尺度で序列が続けられ,グルーピングされてきたところについては,しっかりと問題意識というものを示すべきではないか,このような御意見を頂いております。
 その観点から,6行目,「従来,社会の関心が学生の学修成果や大学全体の教育成果に向けられることのないまま,大学は例えば『偏差値』等の尺度で一元的に判断されてきた傾向もある」。「このため」ということで,積極的な公表を行っていくことにより,「大学が学修成果や教育成果に基づいた多元的な尺度に基づき理解されることを促進してゆく必要がある」と位置付けをしているところでございます。
 2ページの下の部分でございます。26行目からでございますけれども,大学についてはやはり情報というものを発信して,「そのフィードバックを踏まえて学修目標やカリキュラムの見直し等を行うなど」が必要ではないかということ,また,27,28行目は,「入学希望者のミスマッチの回避」ということを付け加えさせていただいてございます。
 3ページ,4ページな修正はございません。
 5ページでございます。5ページの8行目あたりからでございます。前回頂いた御意見の中で,情報公表に当たっては,その根拠を明確にするとか,指標や計算方法というところで,いわゆる操作などが行われないような,しっかりしたメッセージが必要ではないかという趣旨の御意見を頂いてございます。
 8行目,「例えば統計情報に関してはサンプリング手法や計算方法,定性的な情報に関しても用語の定義や分析の根拠を示すことによって,関係者に対して誠実な情報公表に努めるよう留意することが必要である」ということを加えてございます。
 また,大学のベンチマーキングということについても言及することが適切であるといった御意見を頂きました。「必要に応じて類似する大学や学位プログラムとの比較(ベンチマーク)を提示することも考えられる」ということで追記をいたしました。
 5ページの12行目からでございます。実は,前の学修成果の可視化のときには,もともとはグランドデザインで,義務化が考えられる事項とそうでない事項という2つの軸があって,もう一つは学修成果・教育成果の可視化に関する情報と,大学教育の質に関する情報という形で,4象限,準備がされていたわけでございます。
 以前御説明したとおり,義務化という話がなくなりまして,情報公表の議論をするときには,その軸を取ったものですから,いわゆる学修成果・教育成果の可視化に関する情報と,大学教育の質に関する情報という,2つだけが残った状態になっていて,非常に網羅性が増したのではないかといった御指摘を頂いております。
 一方で,今回,学修成果の可視化と資料3とも合わせて直しておりますが,もともとこの類いの情報公表につきましては,全ての大学で収集可能と考えられるような情報と,あとは分野や大学の特性に応じて,これは必ずしも把握されない可能性がある情報が分かれているということはあるわけでありまして,まずもう一回,(1)番として,「大学の教育活動に伴う基本的な情報であって全ての大学において収集可能と考えられるものの例」でという軸を復活させた上で,またもう一個,2番目のその対応するものとして,「教学マネジメントを確立する上で大学において収集することが想定される情報の例」ということで軸を復活させましたので,今また4象限の形に戻っているということでございます。
 ですので,この本文の方,12行目から書いていますように,まずアラビア数字の(1)と(2)に分類した上で,さらにそれを,小さいローマ数字の(ⅰ)の学修成果・教育成果の可視化に関する情報,(ⅱ)大学教育の質に関する情報に分けて整理をしたところでございます。
 その上で,この25行目からごらんいただきたいのですが,これらの情報については,前回,副座長から御説明いただいたところでございますけれども,グランドデザイン答申の情報についても,これはあくまで例示として挙げられているものであるということでございます。ですので,「これらの項目は,情報の公表が考えられるものをあくまで例として示したものである」ということを明記した上で,これらの項目も参考にしながら「各大学の自主的・自律的な判断とその責任の下で情報公表が進められることが期待される」。
 ただ,「特に」ということでございますが,全ての大学において収集可能と考えられるものの例,かつ学修成果・教育成果の可視化に関する情報については,もともとこの議論が,学修成果・教育成果の可視化から期待されているところからスタートしているものですから,ここについては早期に情報公表が進められることが期待されるのではないかということでございますので,4つの象限のうち,(1)の(ⅰ)という部分を優先的に取り組んでいくことが必要ではないかという整理を作らせていただきました。
 その上で資料2-2をごらんいただきますと,その分類に当てはまるものが,1枚目から2枚目に掛けてということになります。単位の修得状況,学位の取得状況,進路の決定状況等の卒業後の状況(進学率や就職率など),めくっていただきまして学修時間,学生の成長実感・満足度,そしてずっと斜体で置いてありますけれども,これはもうそういう扱いになると思いますが,学生の学修に対する意欲がまず掲げられております。
 その上で,全ての大学において把握,収集可能と考えられるもので,かつ学修成果の可視化の議論の際に,これについては学修成果の把握・可視化という観点から非常に重要であると位置付けられた,修業年限期間内に卒業する学生の割合,留年率,中途退学率,ここについてはこちらの分類に変更したということになります。このあたりが優先的に情報公表を進めることが強く期待される。
 それらのものも事項としてはしっかり挙げさせていただきまして,大学の責任と判断の下でしっかりと公表していただくという分類になっているものでございます。この趣旨が書かれているのが5ページということになります。
続きまして6ページ目でございます。6ページ目は公表情報との整合性,公表情報の活用といったところでございます。従来から大学で情報公表は,義務化されているものも含めまして,学校基本調査等の情報というものを用いているケースが多いと思いますけれども,このような「学校基本調査等の公開されている情報との整合性にも留意する」。これはそういったものを使うことをある程度前提の上ではございますけれども,記載をしております。
 その上で,資料の2-2の方で,前回,情報公表としてこのようなものも含めた方がいいのではないかという御意見を複数頂いております。
 まず1個目が,この資料2-2の1枚目でございます。単位の修得状況のところに書かれておりますけれども,「卒業認定・学位授与の方針」に定める能力を直接的に測定できる科目においては,当該能力の達成状況に関する全体的な状況。これは,いわゆる直接的に捉まえに行く場合のものは,必ずしもアセスメントテストだけに限られないのではないかということでございます。実は学修成果の可視化のときにはこのような記載はあったわけでありますが,情報公表にこれを移す際に,その部分が落ちているところを御指摘いただいたものでありますので,これについては追加をさせていただいております。
 続きまして,ページで申し上げますと3ページ目でございます。3ページ目の一番下の部分でございます。FD・SDの実施状況というところの公表することが考えられる内容という部分でございますけれども,一番上の部分でございます。「卒業認定・学位授与の方針」に沿った学修者本位の教育を提供するために必要な望ましい教職員像。各大学がどのような人が望ましい教職員像として定義しているのか,こういった部分は教員の資格にも関わる部分なので,公表することが望ましいというような御意見を頂いておりましたので,このような内容を追記しているところでございます。
 情報公表については,修正は以上でございます。
 資料3は,1と2という分類の名称につきまして,教育情報の公表と合わせて修正しているものでございますので,こちらの方は御参考でございます。
 私から説明は以上でございます。
【日比谷座長】  ありがとうございます。
 それでは,これから11時までをめどに,情報公表についての議論といたします。いつものように札をお立てください。
 それでは,大森委員,川並委員の順でお願いいたします。
【大森委員】  ありがとうございます。先ほど御説明いただいたところで,大事なところがちょっと追い付けなかったのですけれども,その資料2-2,若しくは資料3のアセスメントテスト結果というところを,もう一回,どういうふうに修正をいただいたかというのを御説明いただいて,もしそのお答えによっては,ちょっと質問を重ねさせていただきたいと思います。
【日比谷座長】  どうぞ。
【平野大学改革推進室長】  アセスメントテストの部分は修正をしておりませんけれども,前回頂いた御意見というのが,アセスメントテストというもの以外にも,直接的に学生の能力を測定することがあるであろうという御指摘がございました。その部分を,資料2-2の1枚目の単位の修得状況のマル2,公表することが考えられる内容の2つ目のポツということで,いわゆる科目に引き寄せて学生の能力を直接的に捉まえに行くようなケースを記述したということでございます。直接的な測定ということで言いますと,テストとか資格とかいうものを抜きにして,いわゆる教育活動の中で行われるものということで,ここで読めるようにしたいという趣旨でございます。
【日比谷座長】  よろしいですか。追加の御質問はありますか。
【大森委員】 ありがとうございます。そうするとここで想定されているのは,前に松下先生が教えてくださったアセスメント科目のようなものがある場合には,こちらに入ってくると。
【平野大学改革推進室長】  おっしゃるとおりでございます。
【大森委員】  なるほど。何となく単位所得の状況という枠に入ってしまうものでもない気もしなくもなくもないというか,やっぱり学修成果そのもの,つまり学位プログラム,つまりDPの達成をそれで計ろうとしているアセスメント科目だとすると,もうちょっと後ろの方なのかなという感じと,前に私が申し上げたように,そのアセスメント科目で見る大学もあれば,松下先生の資料で言えば,例えば関西国際大学さんのように,eポートフォリオを使いながらというところもあればなので,様々な形でDPの達成度を計っている大学がもう既にあるし,これからもいろんな形で大学の自主性で出てくるときに,ちょっとアセスメントテストというのが全般にばーんと出てしまうのが,もちろんこれはあくまでも事例だということは,本文で言っていただいてはいるのだけれども,少しそこに引き寄せられはしないのかなというのが,ちょっと心配ですけどいかがでしょうか。
【平野大学改革推進室長】  これは実は,学修成果の可視化のときからずっとこういう整理でこれまでやってきているのですが,以前,たしか同じ佐藤委員から頂いた記憶がありますけれども,そういうふうに直接捉まえに行く部分をしっかり出すべきではないかという御意見があった上で,そういうものも含めてしっかりここで捉まえていくことで整理を作りますということで,いわゆるアセスメント科目については,特定の科目と成績にひも付けられているものでございますので,ここが単位の取得状況となっているのですが,各科目の到達目標をどれぐらい達成しているかということで整理がされていますので,ここから例えば整理としてアセスメント科目だけ抜いてしまいますと,それと同様に,いろんなところから直接的に捉まえているものを全て抜いていくということで,また煩雑になってまいりますので,今回の整理としては,特定の科目にひも付いた形で評価するものについては,一旦この単位の修得状況に入れさせていただいて,本文と併せて読んでいただきますと,アセスメント科目もここで読むことが分かるようにしていきたい。
 おっしゃることは分かるのですけれども,あくまでこの中には,直接的に捉まえに行くものと,間接的にとは申し上げませんけれども,別の捉まえにいくものとが混在しているのですが,そこを抜いてしまいますと,ちょっと全ての整理が,また結構難しくなってくるなといった感覚は持ってございます。
【大森委員】  ありがとうございます。そこのところもポイントなのですけれども,もう一つ私がちょっとこだわっているのは,この表の中で,情報の一番大きな枠組みのタイトルがアセスメントテストとなっているところが,例えばディプロマ・ポリシーの達成とか,そういう表現には変わらないものなのかどうか。かなりDPの達成を見ていくための手法のごく一つがアセスメントテストのような気がしていて,逆に言うとこの全体を見たときに,ディプロマ・ポリシーの達成水準とか分からないけど,何かそういうものがどこなのかというと,ここしか多分ないように思うのですけれどもどうでしょう。
【平野大学改革推進室長】  ディプロマ・ポリシーの達成状況は,様々な情報を複合的に組み合わせて,それは直接的に捉まえに行くものも,ある程度間接的なエビデンスのあるものを含めて説明していくという趣旨でありまして,その意味においては,全ての情報がディプロマ・ポリシーの達成度というものを考える上でつながってくる。
 ただ,ディプロマ・ポリシーの能力そのもの,例えば何々できるというものを捉まえに行くという方法でありますと,それは単位の修得状況を見て,そのアセスメント科目も含めて捉まえに行くケースもあれば,2枚目をめくっていただきまして,学生の成長実感・満足度というものを間接評価で捉えていくケースもあれば,またアセスメントテストや,例えば語学力に関するディプロマ・ポリシーを掲げている場合には,学外試験を使っていくこともあればということでありますので,1つだけの項目で,例えば○○という形で捉まえに行くということで,1つだけ独立させることになりますと,ほかのものも全てこれはディプロマ・ポリシーの達成状況にひも付く形で整理してきているものでございますので,先ほど来申し上げているのは,1つだけディプロマ・ポリシーの項目を計りに行く○○というものを挙げると,その他のものは,またディプロマ・ポリシーの達成状況から離れていることになりかねないところを,先ほど来ちょっと危惧しているということでございます。
 なお,アセスメントテストについては,ディプロマ・ポリシーを捉えに行くということもあるわけでありますが,一方で本文の学修成果のところにあるように,例えばいろんな民間さんがテストをされていて,それが本当にディプロマ・ポリシーの達成状況とフィッティングしているかどうかをしっかりと捉まえて使うことが重要であるということを言っておりますので,いわゆるディプロマ・ポリシーそのものを捉えに行くものとは違った形で使われるアセスメントテストもあり得るものだと思っております。
【大森委員】  なるほど。
【日比谷座長】  では,川並委員。
【川並委員】  資料2-1の5ページ,29行目に,(1)の(1)については「早期に情報公表が進められることが強く期待される」という表現に変わりましたけれども,この手の表現が使われると,結構早めに大学にこういったことをしなさいという形で降ってくるのが過去の流れなのですけれども,この会の結論については,この次の内部質保証の方に引き継いでいかれるという話ですが,この辺の早期の情報公開については,どれぐらいのスピード感を持ってここに記載されているのかということについて,ちょっとお聞かせいただきたいです。
【平野大学改革推進室長】  この指針そのものの整理といたしましては,大学の自主的な取組を後押しするものであるということで,いわゆる義務化の話とは完全に切り離された話でございます。ですので,ここで申し上げているこういう表現については,他のものとの中での優先順位を委員会として明らかにするという観点から,大学にまさに期待するという観点で作られているものでありまして,いわゆる義務化の話とは直接リンクしていないということでございます。
 ですので,来たるべき新しい部会などにおいてそのようなことが議論されるときには,もちろんこういったものについては,しっかりと踏まえた検討をしていくことになるのだと思いますけれども,また義務化する,しないというのは,ほかの制度との整合性や優先順位といった問題もありますので,その場において適切に議論が行われると考えております。
【川並委員】  ありがとうございます。
【日比谷座長】  それでは,森委員,松下委員,それから佐藤委員,溝上委員の順でお願いいたします。
【森委員】  すみません,札を上げた順番と違ってしまったようです。では,お先に失礼いたします。
 今,大森先生おっしゃったところはクエスチョンマークのところで,どうしても(1)の(1)に入るところに関しては,非常に細かい情報が現状では多く入っています。ただこここそやはりディプロマ・ポリシーに基づいたラーニング・アウトカムの部分を,しっかり入れていかなければいけないのではないかなと思います。
 例えば,先ほど間接評価も後ろの方に入っているよとおっしゃいましたけれども,例えば授業評価アンケートでも最近は,担当教員のいわゆる教授スキルの話から,自分がどれだけ授業目標を達成したかといった学習者中心に変わってきているところもあります。そういった意味では,ここにあるものが全て単位数とか何とか数とか,そういった定量的なものだけには限らず,定性的なものも範疇であると考えます。
 以上でございます。
【日比谷座長】  ありますか。どうぞ。
【平野大学改革推進室長】  定性的なものを決して排除しているわけでありません。単位の取得状況というのは,あくまで単位数という誤解を招くということであれば,表現はしっかり考えさせていただきたいですけれども,公表することが考える内容の例ということで,今回加えさせていただいたような当該能力の達成状況といったもの,これは情報公表でありますので,いわゆるA君がどうこう,B君がどうこうというよりは,学位プログラムに所属する学生さん全体でということでありますけれども,こういったところは定性的な分析というのも当然許容されるわけでありますし,また,後ろの方で触れていただいた学生の成長実感・満足度といった部分については,学生のアンケート調査ということが書いてありますけれども,ここも授業評価アンケートなども含まれ得るということはあり得るものだと思っております。
 一方で,ディプロマ・ポリシーを全て,その意味ではこのローマ数字の(ⅰ)番の学修成果・教育成果の可視化に関する情報を捉まえに行くという意味で,必要な情報を並べているつもりなのですが,大きなアラビア数字の(2)番の方については,全ての大学で必ずしもフィッティングするものがあるとは限らない,分野やディプロマ・ポリシーの内容によっては,当然対応する検定がないとか資格がないとか,こういったところもありますので,これをまたディプロマ・ポリシーという観点で寄せてしまうと,それはそれで,これもやらなくちゃいけないのかといったような誤解を招く部分もありますので,この(1)の(ⅰ)という部分は,そういう分野特性とか大学の教育内容という部分を離れて,ある程度どの大学でも通用できるものを抜き出したという整理でありますけれども,またここについては,ほかの先生の御意見も踏まえて考えたいと思います。
【日比谷座長】  松下委員,お願いします。
【松下委員】  ありがとうございます。今回,大きな(1),(2)ということで,また区別を設けてくださったのはとてもいいと思うのですけれども,この(1)と(2)の対比というのが少し分かりにくいなと思うのです。
 (1)の方は,全ての大学で収集可能,当然収集しているであろうと思われるような情報ということで,(2)の方は,5ページの一番下のパラグラフにあるように,「各大学の自主的・自律的な判断とその責任の下で」という意味合いを込めて設けられているのだと思うのですけれども,(1)と(2)を対比してみますと,(1)の方は「全ての大学において」ということになっていまして,(2)の方は「大学において」となっています。それからもう一つ,(1)の方は「収集可能と考えられる情報の例」,(2)の方は「収集することが想定される情報の例」ということで,すごく微妙な対比になっていると思うんです。
 私は,(2)の方は,この最後のパラグラフにあるような意図であるのであれば,例えば,各大学の判断の下で収集することで想定されるとか,あるいは各大学の特性に応じて収集することが想定されるとか,そういうふうに,各大学が判断していいのだということが明確に分かるような文言にされてはどうかなと思います。
 もう一点いいですか。これはすごく細かいことなのですが,その2行上に,「誠実な情報公表に努める」という言葉がありまして,「誠実な」というのはこういうときに余り見掛けないというか,「正確な」とか「分かりやすい」とか,そういう文言が使われるのが普通かなと思うのですが,何か「誠実な」ということに込められた意図というものがあるのでしょうか。
【平野大学改革推進室長】  1点目の御指摘に関しましては,分かる人にしか分からない対比になっているということは決して望ましくありませんので,そのような形にしたいと思います。
 ただ,自主的な判断でとか言うと,1個目は自主的な判断じゃないかと,つい裏読みされる可能性がありますので,ちょっとそこはよく考えたいと思いますが,分かるようになるべく工夫したいと思います。
 2点目の方は,前回,たしか小林浩先生との議論の中であったと思いますけど,数字をいわゆる操作するみたいな,つまりやり方によっては非常に数字の分母がどうこうとかいう形で,世の中をある意味煙に巻くような情報公表が行われることに対するやりとりが幾つかあったと思います。そのような煙に巻くようなやり方ではなくてといったときに,正確ということとは別の姿勢の問題が求められている議論だと私は解釈したものですから,「誠実な」とやったわけですが,そこはほかの先生の御意見も含めて,表現については御相談したいと思います。
【松下委員】  もう一点なのですが,先ほど大森委員がこだわってくださっていたところで,私もやっぱりこの(2)で,一番初めにポンと「アセスメントテストの結果」が来るのは,前々から少し違和感がありました。それから,さっき大森委員がおっしゃったように,埋め込み型のアセスメント科目というのは,各科目の評価であるとともに,それが学位プログラムレベルでの評価にもなるようなという意味で使われているのですが,そのように両方の機能を持っているということが,この「単位の修得状況」に入れられた場合には明確ではなくなってしまうということを,多分大森委員はおっしゃっていたのだと思うんです。
 ここのローマ数字の(ⅰ)には,間接評価で学位プログラムレベルのものはまあまあ入っていると思うのですけれども,直接評価でプログラムレベルというのはなかなか難しいので,ここに入らないのは仕方ないかなと思うのですが,(2)のところで,何かそういうようなものをもう少し入れてもらえないかという御意見だったと思いますし,私もそれは賛同するところです。
 それで,例えば先ほど大森委員からお話があったポートフォリオなどは,2ページ目のローマ数字の(ⅰ)の「学生の学修に対する意欲」のところで出てきているのですが,この意欲項目は前々から,これは本当に残すんですかと何回も議論になっていて,これが削除される可能性もあるかなと思うんです。そうすると,こういうふうな,例えば学修ポートフォリオとか,この間私が出した事例ですと,卒業論文だとかアセスメント科目だとか,そういう形で捉えられる,科目とプログラムをつなぐような評価が,今のところ余り残らなくなってしまう,アセスメントテストだけが結構目立つ位置にあるなというのが少し気になるところです。
【平野大学改革推進室長】  すみません,まず,アセスメント科目とここではされているもの,アセスメント科目と書いて分かるのかということで,その言葉は使っていないのですが,それはこの単位の修得状況の公表が考えることの内容のところで,挑めるつもりでやって書いております。
 ただ,今各先生の御意見をお伺いしておりますと,単位の修得状況という言葉になっていて,そこが本当は授業科目と到達目標の達成状況という意味でここが書かれている。それが単位の修得状況という,あくまで2単位,4単位とかと見られてしまうという意味では,多分タイトルが非常によろしくないのかなと思っております。
 そういう意味においては,授業科目の到達目標の達成度(ディプロマ・ポリシー全体の達成状況を含むこともあり得る)という趣旨で書いておりますので,ここの単位の修得状況というのは,実はグランドデザイン答申から頂いた表現でありますけれども,ここについて,ちょっとまず名称を誤解のないようにすることによって,そういったいわゆる科目と到達目標の達成状況と,その中には,まさにディプロマ・ポリシー全体を捉まえに行くようなものが含まれているということが明らかになるのではないかと思っております。
 その上でアセスメントテストというものが,多分この(2)番目の一番初めの部分に出てくることによって,非常に何かメッセージになってしまっている可能性がありますので,ここについては,いわゆる卒業研究,卒業論文のような正課のもののまた外でありますので,ちょっと順番を工夫して,そういうものがしっかりと紛れないように工夫させていただきたいと思います。
 もう一点のいわゆるポートフォリオの件でございます。意欲の件は,今ずっと残してありますけれども,各先生から残せという意見もないようであれば,当然最後は消えていくということでありますけれども,ポートフォリオについては,そこで格納される情報というのは必ずしも意欲とか情報だけではなくて,様々な情報があるということで,学修成果の可視化の本文の方に,そういったものをしっかり一元的に管理する上でそういうものが必要であるということを書かせていただいていますので,ポートフォリオ自体がその情報として位置付けられるというよりは,ポートフォリオはこういった情報を格納するものということで,本文上しっかり位置付けたいと思っております。
【日比谷座長】  今の松下委員の1点目のお話は,私が読んでいるのは,(1)の方は「全ての大学において」となっていまして,(2)の方は「全て」がなくて「大学において」というところで差を付けているつもりなのですけど,分かりやすい表現というのはもう少し工夫したいと思います。
 そうしましたら,佐藤委員,お願いします。
【佐藤(浩)委員】  ありがとうございます。幾つか重複する点もありますけれども,重要だと思いますので説明させていただきます。
 3点ほどコメントしたいのですけど,まず,やはり表現の問題が私も気になっておりまして,先週末,韓国で国際学会に出ていまして,この教学マネジメント委員会についての話もしたのですけれども,英語で考えた場合,例えばこの(1)の大学の教育活動に伴う基本的な情報であって全ての大学において収集可能と考えられるものの例,これをどうやって訳すのかと考えると,非常に回りくどい表現になるわけです。
 先ほど事務局の説明では,全ての大学において収集が強く期待されるという表現を使っておられました。ですので,多分意図としてはそういうことだと思います。もうここでの議論が法令上,直接何か影響を与えることはないとこの前聞きましたので,であれば,ここでそう言い切っても構わないのではないだろうかということで,(1)は,私としては「全ての大学において収集すべき情報」,(2)は,「各大学において収集可能な情報」と,非常にシンプルに表現した方が伝わるのではないかということです。
 それから,もう一つの方の指標,今は学修成果・教育成果の可視化に関する状況とあるのですけれども,これももっとシンプルに「学修成果に関する情報」,これでいいんじゃないだろうかと思います。可視化に関する情報というのは,多分日本語としてはおかしいんじゃないだろうかと思っております。
 そしてもう一つの方は,これも大学教育の質に関する情報とありますが,整合性を取るのであれば,「学修成果を保証する前提に関する情報」とか,「学修成果を保証する条件に関する情報」と,より分かりやすい表現に変えた方が伝わるのではないかと思います。
 それから2番目は,今ずっと繰り返し議論になっておりますけれども,私も今回出されている指標が,質保証というよりも,どちらかというと量の保証の指標に偏っているような印象を受けます。よく読めば,まさに質的な情報というのも入り込んでいると思うのですけれども,一番初めに出てくるのが単位の取得状況とか,あるいは繰り返し学修時間の問題が出てまいります。
 これも他国の研究者とも話しましたが,学修時間というのは英語で訳すとシートタイムとなると思うのです。そこに座っている時間。これは単位の今までのかなりの計算式の中に出てきたものだと思うんですけれども,やはり世界的な議論の中ではこのシートタイムじゃなくて,パフォーマンスをベースにした評価ですとか,よりそちらの方に変わってきている中で,一番初めにこういったものが国の最先端の文書で外に出ていく。
 私たちもこれを使って訳しながら,日本ではこういう議論がというときに,ちょっとほかの国との差がある。やはり前面に出すべきものは,質的な情報でパフォーマンスをベースにしたものにこれから変わっていかなければいけないということを,国としては出した方がいいのではないかと思います。その点ではポートフォリオ評価というものが,やはり今もしかしたらなくなってしまうかもしれないというのは大変問題だと思いますので,はっきりとそういったものを位置付けるような情報を前面に出す必要があるかと思います。
 それから最後は,斜体になっているこの意欲がまだ残っておりますので,早く削除していただきたいと私は思っております。
 以上でございます。
【日比谷座長】  平野さん,何か応答はありますか。
【平野大学改革推進室長】  意欲の部分,これは各回やっていて,最後のところで決断はしっかり出しますので,常に斜体にするということはそういうふうに受け止めていただければ結構でございます。
 この並び順という部分の与える印象が非常にいろいろなところで影響している。学修時間については,可視化のときに佐藤先生から,これはという話があった一方で,複数の先生から,これは残すべきという意見があったのですが,これが例えば成長実感・満足度とか,こういういわゆるリテンションレートに類するものの上に来るのがまた,メッセージとして与える印象というのもあると思いますので,こういった部分の並び順は,ちょっとグランドデザイン答申の順番というところから離れて,もう一回最後に精査をしたいと思っております。
【日比谷座長】  それでは,溝上委員,両角委員,浅野委員の順でお願いします。
【溝上委員】  この教学マネジメント特別委員会というのは,これまで様々な形で,この10年間,教学マネジメントについての言葉の揺れとかはあったにせよ,ずっと提示されてきて,それを総括的にまとめて,指針という形ではありますけれども,大学に学修成果の可視化,DPの達成ということをしっかり促すという,私としては,ここを非常に最終局面というか,正念場と思っているんです。
 そういう文脈でこの情報公表,先ほどから1番は全てで,2番は全てではなく大学の何とかという話が出ていますけれども,ちょっと印象としては非常に,今申し上げた教学マネジメントを,指針の提示ということではあるけれども,しっかり促して,総括的に最後にここを仕上げていくのから見たら何か弱いなと,そういう感じはします。
 何かもう一回ぐらい委員会がこの後要るんじゃないかとかいう気分になっていますけれども,例えば情報公表というときに,これは単なる情報公表の話が単独で進んでいるわけではなくて,教学マネジメント,あるいは学修成果の可視化,DPの達成ということを一番上位に掲げて,出てきているのだと思うんです。ですから,そういうことをよく知らない大学とか関係者がこれを見ていくと,やっぱり結局これを集めて公表すればいいのかというふうに見えます。
 先ほど大森委員からスタートして,皆さんがもう口をそろえておっしゃったように,私もやっぱりその(2)のアセスメントのところに,DPの達成というのが来ないといけないと思います。その方法としては,アセスメントテストもあって,あるいはアセスメント科目とかポートフォリオ使った何とか,そこはいろいろあっていいと思うんですけれども,やっぱりこの言葉がトップに来ないと,この委員会として最後終わらないんじゃないかと思います。
 (1)のところで,事務局の最初からの御説明と先ほどの委員からの返答において,私がずっと感じているのは,結局授業一つ一つの中で,いろいろDPに基づいた取組を行ってそれを評価していくわけですけれども,それがでも単位となりますね。この単位というときに,あるいは素点としての点数でもいいんですけれども,それはやっぱり結構多くの情報を捨象してしまうわけです。しっかり取組がされているということと,そこで一つの点数に落とすということは,やっぱりかなりDPの質的達成から見たときには,いろいろ情報を落としてしまうわけです。
 それを124単位とか,あるいは何かしら積み上げても,GPAでもいいんですけれども,その数字が,いわゆるDPで掲げている様々な項目との相関を持たないというのは,何度かお話ししてきたと思うんですけど,本当に持たないんです。理論的に考えても持ってはおかしいんです。もともとの点数を付けるところでも情報を落としているわけですから。
だからそれは目安としては必要な作業ですけれども,このDPの達成という意味では,やっぱりちょっと異なるものを私たちは今検討しているのです。だからよく学術的に,全体は個の総和以上のものであるとかと言いますけれども,やっぱり個というものを幾ら総和していっても,全体にならないのです。
 そういうふうに考えていくと,同じ話なのですけとも,やっぱり(2)のところでDPの達成ということを全体的に,それは先ほどとおっしゃっているアセスメントテストだったり,アセスメント科目であったり,ポートフォリオを積み上げた何か評価であったり,ちょっといろいろ工夫が大学によってあるべきだと思いますから,余り一元的に言うべきではありませんけれども,でもやっぱり最後達成できたのかどうかというのを何かしらの指標で示すことが,もう本当に一番目項目に,前面にうたわれないと,すみません,もう一回言いますけど,この委員会はしっかり落ちないなと思います。内容的には皆さんの御意見と同じです。
【日比谷座長】  それでは,次は両角委員,お願いします。
【両角委員】  ありがとうございます。ほかの皆さんと同じような意見になりますが,やはりこの(1)の全てのと(2)というところの分け方は,ちょっと分かりにくいなと感じました。松下先生と同じような印象を受けて聞いていました。学修成果の可視化とかはとても重要なことなのですけれど,個々の学生の学修成果をより見える化して成長させて,それを実感させて出そうという話と,大学全体の情報公開という話は分けて考えたほうがよいと思います。あくまでもここは大学全体での情報公開の話なので,そうすると私は細か過ぎているのかなという印象を受けました。誰に対してこれを出すのだろうかと考えたときに,高校生とか一般社会とかの人を想定してみると,こんなに細かいことを誰が見て分かるのか,誰が知りたいのかという疑問がありました。
 この(1)の(1)の最初は,単位の修得状況というとそれこそ,ちょっとやっぱり誤解がある気がして,溝上委員とか大森委員とか,皆さんおっしゃっていたように,もうちょっとDPというか,4年間の過程でどういった成果が見られたか,何を身に付けたかということが大事だと思います。
 やっぱり4年間の過程でDPがどこまで達成できたかという中で,いろんなものがあるというぐらいにして,余りこれを見て,大学がこれを出さなきゃ,これをやらなきゃとなり過ぎないほうがよいと思います。この(1)と(2)の分け方がこれでいいのかどうかも私はよく分からないのですけれど,アセスメントテストだっていいし,それぞれの大学がやっているものでもいいし,何か余りこの情報の項目のところにアセスメントテストとか何とかいろいろ具体的に入れすぎないほうがよいのではないかと思いました。こうした情報を見る側から考えれば,要するに4年間でどこまで成長しているのかが見たいのであって,その見せ方が,大学によって多少いろいろあってもいいのかなというので,若干その部分が書き過ぎ感を感じました。
 ほかの項目,例えば学位の取得状況とか,卒業後の進路とか,学修時間,成長実感・満足度――成長実感・満足度もここに挙げるのがいいのか,そういうDPみたいなものが捉え方の一つとして入ったって,私はいいのではないかという気がします。何度も同じ指摘で恐縮ですが,余り項目をたくさん挙げ過ぎない方がいいと思います。意欲は消されると思いますけれど。修業年限内のところは必要だと思うのですが,その後もちょっと細か過ぎるものがすごくたくさん入っていて,これを見た大学側が全部やらなきゃいけないと受け止められるのではないかとすごく怖いなと感じました。
 逆に項目を多く掲げすぎることで,優先順位が付きにくくなっているような印象で,例えば,今回皆さん,学修成果の方をどちらかというと重点的に言うんですけれど,私は学修成果をきちんと達成する上でも,大学教育の質はかなり重要だと思っています。
 そういう意味での質のところの優先度がずいぶん違うものが混じっているという印象も受けました。私はこの中では一番大事なのは,入試情報もそうですけど,教員1人当たり学生数とか,実際にどれぐらいのクラス規模のもので受けているのかとか,そういったものによってどれぐらいの学修成果が出てくるのかが大事で,それらによって教育の質が結構違うのではないかと思います。重要ではないというわけではないのですが,学事歴の柔軟化とか,早期卒業とかが,教員1人当たり学生数などと並列して書かれることにもかなり違和感があります。このあたりの項目についても余り書き過ぎず,それぞれの大学でやっている工夫みたいな感じでひとまとまりにして,どうしても入れるなら,その中の例示程度という感じでもいいような気がしました。
 大学教育の質というところに関しては,こっちの(2)の方についても同様で,GPAの活用状況とかカリキュラムマップとか,それぞれ出すことは重要とは思うんですけど,ここも,それぞれの大学が判断して何を出すのか決めてもいいのかなという気が,個人的にはします。
 なかなかこういうもので書き切れるものではないので,加えてくれ,という意味ではないのですが,本当はもっと本質的なことを言っちゃうと,教員の質が教育の質を考えるうえでは最も大事な要素の一つじゃないかと思います。教員の質いう考え方が指針の中ではどこにも何も触れていないのもかなりおかしな話だと感じています。ここにそれが書いてあるものばかりが重視されてしまうんじゃないかという危惧を抱いているのであくまで例示というところは,項目の下ぐらいの例示に入れていくくらいで強調しすぎないほうが良いのかなと思いました。
【日比谷座長】  それでは,これから浅野委員,林委員,深堀委員,小林浩委員,小林雅之委員の順でお願いします。浅野委員,お願いします。
【浅野委員】  ありがとうございます。残りの人数で割り当てられる時間を考えると,多分二,三分で済まさないといけないので,手短にいきたいと思います。
 実際にこの指針が出たときに,大学の現場での受け止めということを少し念頭に置いて気になった点として,教育情報の公表は既に義務化されて進んでいることです。大学は,それぞれホームページ,特設サイトなどを設けて公表しているわけですけれども,この指針が出てきたときに,大学はこれまで公表してきた教育情報との関係をどう整理するか,非常に悩むと思います。
 本日の資料では,関連する法令などを項目に入れていただいていますけど,これは半ば義務的なものとして受け取ると思います。資料上では,「求められる」と書いてありますが,要は義務なのか任意なのかという,その判断は大学にとっては非常に難しい。ともすれば,この教学マネジメント対応で別のサイトを設けて公表しましたということになると,教育情報の公表の項で出している情報,それからこちらで出す情報など,いろんな情報がいろんなところに分散してしまうことも懸念されます。
 もう一つは細かい話ですけれども,先ほどから出てきている,この資料2-2の2ページでしょうか,学生の成長実感とか満足度,あるいは斜体になって消える予定のその意欲の関係の項目もそうですけど,大学の現場からすると,全国の学生調査のデータがここにどうひも付いていくのかというのも,多分すごく気になるところだと思いますので,そのあたりも少し説明が必要かなと感じていました。
 以上です。
【日比谷座長】  それでは,林委員,お願いします。
【林委員】  私から2点ございます。
 1点目は今までの皆様の議論と一緒で,私も何度か主張したと思うのですけど,学修成果,特にDPの達成度というものをどう測定するかを,まず大学が示すことが僕は必要だと思っていて,それは恐らく大学教育の質に関する情報なのかもしれませんけれども,そこで,例えばアセスメントテストでもいいですし,eポートフォリオでもいいですけれども,大学として,あるいはプログラムとしてどういうふうに学修成果を特定するかという,その情報をまずは示すことを求めていくことが必要じゃないかと思っています。
 それから2点目なのですが,これはちょっと質問にもなりますけれども,卒業生に対する調査が今入っていないのですが,これの扱いは皆さんどう思っているのかということです。今,卒業生の雇用者の調査とか,その話はあるのですけれども,まず前提としてやはり社会が求めるのは,その大学,そのプログラムを出た人間が,将来というか,社会の中でどういう人間になっているのかというのが知りたいわけでございます。
 もちろん卒業後の状況ということで,卒業率とかと併せて,進路先みたいなことが書いてあるのですけれども,ただやはりほかの国を見ても,卒業後に例えば教育内容が有効であったであるとか,そういう情報が出てきていて,それが入学する者も重視して見ている状況なのです。そのあたりが,先ほど浅野さんが指摘されたように,全国調査は今動いているけれども,卒業生調査はどうするんだという話はきっと動いていないので,その芽を摘んじゃうので,ちょっとこの扱いは御検討いただければと思います。
【日比谷座長】  お願いします。
【平野大学改革推進室長】  今,2点目で頂いた卒業生に関する調査の関係は,2-2で言うところの5ページ目に,卒業生に対する評価ということで,どのような能力を身に付けているかを調べるということを入れております。これについては,この整理はとりあえず全ての大学においてというものなのか,想定される例ということでやるものかというところはありますけれども,ここについては,今2番目の方の後ろのここに載せているという状況でございます。
【林委員】  私が言ったのは卒業生に対する評価じゃなくて,卒業生による評価,そういうことでございます。
【日比谷座長】  対象が卒業生という意味ですよね。
【林委員】  答える対象が。
【日比谷座長】  答える対象が。
【浅野委員】  サービスを受けた側ですよね。
【日比谷座長】  そうですね。
 それでは,深堀委員,お願いします。
【深堀委員】  ありがとうございます。私も,学位プログラムの履修を通して学修成果がどのように達成されたかを把握していくことが一番大事であり,大学がそれをどういうアセスメント・ポリシーと計画に基づいて実践しようとしているのかを明記することが大前提だと思います。その一方で,大学の単位認定の根拠になっているのは成績評価ですので,それが大学の質の非常に重要な基盤であることは,改めて強調しておく必要があると思います。
 それでは,成績評価をどのように把握していくのか。まず,GPAを検討するわけですが,ともすると成績評価を厳格化すべきであるとか,成績評価がインフレ状態になってはいけないとか,正規分布になっていなければならないといった議論に終始しがちです。どのような考え方に基づいて成績評価をつけ,どのような手続きでGPAを求めるのかについて,一度,国民的な議論を行う必要があるのではないでしょうか。
 特に成績評価の厳格化を目指す場合,相対評価の考え方に基づいて,成績評価の分布が正規分布をなすようにするのがよいのか,それとも絶対評価の考え方に基づいて,学修成果の達成度を確認するのがよいのか,その際,期待する学修成果の達成度について,教員が共通理解を有していることをどのように確保していくのがよいのか。そうした議論が,十分に行われていないと思います。教学マネジメントの指標の一つとして,成績評価に何を求めるのかを,分かりやすく整理しておくことが重要だと思います。
 以上です。
【日比谷座長】  どうぞ。
【平野大学改革推進室長】  成績評価については,今までの整理で言うとマル3番で,1回分議論をして,まさに今先生がおっしゃったようなことが重要だということでまとまってございます。こちらはその情報公表の表でございますので,そこまでは書き切れておりませんけれども,また最後,全体がまとまったときに,そういうメッセージがしっかり盛り込まれているかどうかということについては,改めて御確認をいただきたいと思います。
【日比谷座長】  それでは,小林浩委員,お願いします。
【小林(浩)委員】  大学の外から見たときに一つ懸念されるのは,今でさえ大学のホームページを見ると,情報公表について,学校教育法施行規則何条に基づいてという形で情報が羅列されているのに,またこれが付加されると,あくまでも指針であっても,今度は教学マネジメントに係る指針においての情報公表みたいな形のページができることが考えられます。せっかくここに今回,学生や学費負担者,入学希望者というのを加えていただきましたが,そこから見ると,さらに複雑で分からないような項目になってしまわないかという懸念があります。
 今回においては,やはり学修者本位の教育への転換というのが一番の大きなポイントであって,それが一言で言うと,先ほど溝上委員をはじめ他の委員もおっしゃっていましたが,DPに基づく達成状況を示す情報というように集約されると思いますので,この大学はDPに基づく達成状況をどのように測定しているのかという情報として公開していくのが,外から見たときに分かりやすいのではないかなと思います。そのときにやはり,例えばDPとセットでそれが見られるようになっているとか,その方が何かシンプルなような気がします。
 今回,資料2-1の方にも,「大学は例えば『偏差値」等の尺度で一元的に判断されてきた」と加えていただきましたが,これは大学のところが今まではどこに入学するかがゴールだったのが,やはりこれから何を身に付けて卒業するかというふうに,入り口から出口へといった大きなパラダイム転換をしていくときだと思います。そのように考えると,学修者本位で,入学した後,卒業時に何が身に付いたかをきちんと整理するような形で指針が出せると,外から見ても分かりやすくなるのではないかと思います。
【日比谷座長】  どうぞ。
【小林(雅)副座長】  若干技術的な問題ですけれど,皆さん,委員の方が異口同音におっしゃっていたことについて,資料2-1と2-2の関係ということで少し申し上げたいのですけど,確かに2-1をきちんと読めば分かるんですけれど,まずこれを全部読まなければいけない,その上で2-2を読み込む,そういう作業になります。それはかなり負担を強いる作業であって,分かりにくい。
 2-2の方は非常に簡単に,2行目に「公表を不要とするものではない」と,こっちは公表しなくてはいけないと読めるかのように書いてある。ところが先ほど来出ているのは,ここにあるのはあくまで公表を義務化するものでもないし,各大学が考えてくださいと言っているだけですから,それをきちんと出さないと,両角委員が言ったように,これをやらなければいけないのというふうにどうしてもなってしまう。
 ですから2-2のところに,どういう性格のものかということをもう少し書き入れていただきたい。多分大学側としては,2-1をきちんと読んで全部把握してやるというよりも,2-2を見て,これをやらなければいけないと思ってしまう可能性が非常に強いので,そこは少し工夫していただきたいと思います。
【平野大学改革推進室長】  本日御議論いただきまして,まず私が今日御説明していたことは,この各項目,特にこのローマ数字の小さい方の学修成果に関する情報というのは,ディプロマ・ポリシーの達成度を図る個々のパーツなのだということをずっと申し上げていたのですが,そこの項目に1つそういうものを入れるというところで,ちょっと私の説明が悪かった部分があるのですけれども,恐らくそれが起因しているのは,この表だけを見るとそのことが読み取れないことに由来しているかと思いますので,このディプロマ・ポリシーを捉まえに行く(1)番は情報なんだ,その個々のパーツがこれなんだという表示をしっかり,一番頭に出てくる形になると,ある程度理解が促進されるかと思いますので,そのような方向で修正させていただきたいと思います。
【日比谷座長】  何か魔法のようですが,ちょうど11時になりまして,余りにも予定どおりでびっくりしますが,それでは,次の話題に行きたいと思います。
 冒頭申し上げましたとおり,本日残りの時間は,指針の総論部分について,これは次回以降の議題として取り上げますけれども,今日,現段階での総論部分について事務局から説明をしてもらいます。それに基づいて,40分程度になるかと思いますけれども,御意見を頂ければと思いますのでお願いします。
【平野大学改革推進室長】  資料4でございます。まず冒頭お詫びなのですが,ページ番号の付番が間違っておりまして,1枚目と2枚目のページ番号がなくなっている,表紙用のページがそのまま付いちゃっているということだと思いますので,私が今日ページを説明するときには,口頭で何枚目と申し上げますので,そちらでごらんいただきたいと思います。
 それでは,教学マネジメント指針,この名称自体も,今まで教学マネジメントに係る指針と言ってきたところでありますけれども,恐らく教学マネジメント指針という名前なのかなと思っておりますが,総論の案でございます。
 これにつきましては,これまで各回で御議論いただく中で,非常にまさに全体に関わるような御意見であるとか,また,この指針が何たるやを示すという観点から,ずっと総論の方において記載を検討させていただきますという引き取り方をしているものが,幾つかございました。そのようなものについて一定盛り込んだものということで,御説明をさせていただくものでございます。
 1枚目でございます。ここは主にグランドデザイン答申から,この指針のゆえんを表している部分でございます。最初の括弧でございます。学修者本位の教育の実現という部分でございますが,グランドデザイン答申が学修者本位の教育の実現をうたっている。グランドデザイン答申において,2040年に求められる人材像を定義した上で,個々人の可能性を最大限に伸長する教育への転換を求めているという,この指針の前提条件。
 その括弧の最後の段落でございます。ここはまさに,この教学マネジメント特別委員会で強調していただいている視点の書きおろしになりますけれども,学修者本位の教育の実現とは,高等教育を,各高等教育機関の既存のシステムを前提とした「供給者目線」から,学位を与える課程(学位プログラム)が,学生が必要な能力を身に付ける観点から最適化されているかという「学修者目線」で捉え直すという根本的かつ包括的な変化を各高等教育機関に求めているものであるということを書かせていただいおります。
 次に,1枚目の下の部分でございます。ここはこれまでの特別委員会の議論の中で,座長ペーパーなどでお示しをしていただいているところも含めてでございますが,答申では,教育の質を保証するための取組は不十分な状況があることが示されているといった上で,2枚目でございます。
 これまでも大学の自主的な教育改善努力が進められてきたわけでありますけれども,改革に真剣に取り組む大学と改善の努力が不十分な大学とに二極化しているという指摘もあり,大学全体として十分な信頼が得られているとは言い難い。ここまではグランドデザイン答申に書かれている内容であります。
 次の部分,実際の学生の学修時間その他の学修行動についても,全体として改善されていると評価することは困難な状況にある。これはこの委員会で御指摘いただいた内容でございます。
 次の段落,ここもこの委員会の内容でございますけれども,予測不可能な時代にあって,学生たちは卒業後も含めて常に学び続けていかなければならない。学生が目標を明確に意識しつつ主体的に学修に取り組む,成果をみずから適切に評価し,必要な学びに踏み出していく自律的な学修者となることが期待される。その上で,大学が密度の濃い主体的な学修を促す機会の提供を通じて,そのような学修者を育成できているかどうか,ここについても課題があるのだという課題認識を示しております。
 教学マネジメントとはという部分でございます。この部分は,基本的には細かく御説明いたしませんけれども,グランドデザイン答申の内容の抜き書きさせていただきながら,3枚目でございます。2つ目,3つ目の段落でございますが,マネジメントという用語はという部分でございます。大学も一定の目標を掲げて活動を行う組織である以上,適切なマネジメントを行う必要がある。大学は教職員,校地,施設設備等を資源として用いて教育活動を行うけれども,これらの資源は無尽蔵に存在するわけではない。
 また,学生の持てる資源も有限である。特に学生が学修に使える時間は有限であることから,そうした制限にあっても学生の意欲を引き出し,密度の濃い主体的な学修を可能とする必要があるのだと。その観点から,学修者本位の教育の実現のために,大学における時間の構造も「供給者目線」から「学修者目線」へと転換していく必要が特に重視される必要があるのだということで,総論として,全体として指針として触れているところでございます。
 次,3枚目の下の部分でございます。教学マネジメント指針とはという部分でございます。1段落目はこれまで触れていたとおり,各答申は部分的,分散的に記載されていて,一元的になっていなかった。
 2段落目でございます。個々の取組というものが大きな観点から十分理解されることのないまま,形式的・受動的に実行されている大学も存在するという厳しい指摘があり,システムとして統合的に運用されているとは言えないことが大きな課題である。特に大学間の活動に大きな差があるとともに,学内でも個々の教職員までマネジメントが浸透しているとは言い難いという課題意識を書かせていただいてございます。
 4枚目でございます。この指針,本教学マネジメント指針はということで,これは初期の頃から議論しているものでございますけれども,三つの方針に基づき,学修者本位の教育の実現を図るための教育改善に取り組みつつ,社会に対する説明責任を果たしていく大学運営(教学マネジメントがシステムとして確立した大学運営)の具体的な在り方を示すことにより,各大学の真剣な検討と取組を促す契機とすることを目的として作成されたという,この指針の性格を表しております。
 その次の段落でございますけれども,教学マネジメントは,本来みずからの責任において取り組み,事情に合致した形で構築すべきものである。そしゃくすることなく実施するようなこと,模倣はふさわしい主体性を発揮したものとは言えない。それゆえに,この指針はマニュアルであることを意図していないということを明確に書かせていただいております。
 次の段落,この指針は,先導的な大学を一定の型にはめることを意図するものではなく,学修者の目線に立っていない大学や,十分な成果に結びついていない大学に,必要とされる取組の水準をしっかり示していく。また国公私立という枠にとらわれず,規模,学部構成,経営資源等において多様な大学に共通する内容を中心に記載していって,取組の促進に主眼を置くことを意図しているものだという,ここの3枚目から4枚目に掛けての部分は,この指針の性格を表している部分でございます。
 教学マネジメント指針の対象とする範囲については,従来整理済みでございますけれども,大学の学士課程,短大の課程,これに加えて修士課程・博士課程や専門職大学院・大学,専門職短大,専門職学部・専門職学科,高専,このようなところについても教学マネジメントを確立するという観点から異なるところはございませんので,この指針も参考に,独自性をいかんなく発揮しつつ,取り組むことが期待されるということでございます。
 4ページから5ページに掛けてが,今回新しく出てまいりますトピックでございます。これまでも各回において議論があったところでありますが,いわゆる正課外の活動をどう捉えるかというものでございます。この指針については,正課の教育を念頭に作成しているということをまず言ってございます。学位というものは,正課の教育を履修して授与されるという観点から,設置基準等において枠組みが規定されているところでありまして,5ページ目でございますけれども,基本的な在り方が共通しているということでございます。
 一方で,いわゆる正課外,正課の教育以外の活動については,法令上規定されている部分というのが非常に少ない。各大学の自主性に委ねられていることから,その内容とか大学の関与の在り方,責任関係においても,大学間で相当実態が異なるという現状にあります。この指針というものは,先ほど申し上げたように,多様な大学に共通する内容を中心に構成することにしておりますので,このような正課外教育活動は主たる対象にはしていないということでございます。
 さはさりながらということでございますが,正課外の教育活動の中においても,例えば大学が実施する海外派遣プログラムなど,大学が主体的に関与し,責任を有するようなものについては,学生の成長にとって正課の教育活動に匹敵する重要性を有すると考えられるわけであります。
 こうした大学が主体的に関与し,責任を有するような正課外教育活動については,この指針の方向性というものも踏まえて,正課の教育活動に準じて取り扱うことも考えられる。また,学修者本位の教育を実現するという観点からは,正課外教育の意義を積極的に捉え直し,適切にその支援等に取り組んでいくことが期待されるというメッセージを盛り込んでいるところでございます。
 5ページ目の下でございます。教学マネジメント指針の想定される利用者ということでございます。まずもって,学長・副学長や,学部長など個々の学位プログラムの構築・運営に責任を負う者,以下「学部長等」としております。これは学部長だけではない,あくまで性格面として学位プログラムの構築・運営に責任を負う者ということでありますけれども,教学マネジメントの確立に主たる責任を負う管理者でありますので,この指針を参照することが最も強く望まれるというものでございます。
 また,一人一人の教員についても,もちろんこういったマネジメントの重要性やその考え方を理解することも重要でありますので,教職員も利用できるよう留意して作成しているということであります。
 また,広く大学に関わる関係者に対しても理解されることが必要でありまして,いわゆる学生などの直接の関係者は当然のこととして,国際社会や地域社会,産業界など,関係が密接化している存在,大学に対して期待を持つ社会一般も含まれているということでございます。
 6ページ目でございます。この指針が,大学が改善に取り組みながら,社会に対する説明責任を果たしていく姿を示すものであることから,社会一般が,この指針の方向性と各大学の取組とを対照することを通じて,社会が大学全体の活動に対する理解を深めて,また適切に評価するためのよりどころの一つとなるということを書いてございます。
最後の段落は,こういったことを通じて,広く社会一般から各大学における積極的な教育改善の努力が評価されて,大学教育が信頼されることによって,大学に対する支援の拡大が図られるという「信頼と支援の好循環」,こういったものの形成につなげていくことを期待しているものでございます。
 教学マネジメント指針の構造でございます。教学マネジメント指針は,これまで今日の情報公表まで含めて,6つのパーツに分かれて議論をしてきたわけでありますけれども,教学マネジメントを確立する上では,各大学が三つの方針に基づき,自律的,体系的かつ組織的な大学教育を展開する。その成果の適切な点検・評価を行い,改善に取り組むことが必要であります。
 この全体像というものを意識した上で構成を整理しているわけでありますが,これまで議論してきたときに,成績評価という部分と,学修成果の把握・可視化という部分は分けて議論をしたわけであります。ここについては,これまでの中でも一緒にすべきじゃないかという御議論がありましたけれども,統合させていただいている形で示しております。
 1が学修目標を「三つの方針」を通じて具体的に設定するということ。2つ目は,この学修目標というものを具体化していくのに当たってはということで,それを受けまして,授業科目・教育課程の編成というところに触れております。その学修目標に即して大学の教育活動を適切に評価するという観点から,学修成果の把握・可視化というものを位置付けまして,4番目という意味で,1から3の取組を実現する上での,いわゆる教職員の能力の向上や教育改善活動そのものにつなげていくという観点からのFD・SD,IR,情報公表ということでございます。
 こういう教学マネジメントの個々の取組というものが,大学全体,学位プログラム,個々の授業科目のそれぞれのレベルで有効に機能する必要があるわけでありまして,かつ,それぞれのレベル相互の関係性が十分に理解され,必要な指示,報告,改善すべき事項に関する情報などが円滑にやりとりされることを通じて,全体に整合性が確保される必要があるということでございます。
 「なお」ということで,PDCAとの関係について触れてございます。1についてはPlan,2についてはPlan及びDo,3についてはActionにつながるCheck,4はActionというところに密接に関係するものと考えることができます。このようなPDCAサイクルについては,課題が存在しないことを目的とする1回限りの営みではなく,むしろ積極的に課題を洗い出して,次のサイクルへの改善につなげる営みとして理解することにこそ意味があるとしてございます。
 このようにした理由といたしましては,その1,2,3というところに密接に関わってくるわけでありますが,また,本体の方を見ていただくということでありますけれども,1の部分が必ずしも全てPということで整理ができるものでもありませんし,授業科目の編成といったところにもレビューの話など,Checkの話が出てきたりということで,単純にこの1,2,3という部分をP,D,Cという形で整理することは,それはそれで違った要素が入っているということでありますので,理解の便宜の観点から,このように整理をさせていただいたものでございます。
 こういった取組,1から5の各項目について取組を,「大学全体レベル」,「学位プログラムレベル」,「授業科目レベル」に,先ほど申し上げたように記載していくことになるわけでありますが,大学全体レベルは学長・副学長等,学位プログラムレベルは学部長等,これは学位プログラムの構築・運営に責任を負う者ということの略称でございます。授業科目レベルについては個々の教員が主体として想定されるということを書いてございます。
 最後,7枚目から8枚目でございますが,ここについては,いわゆる学長というものがしっかり体制を構築してリーダーシップを発揮していくことの必要性,また,学内の組織編成についても各回で何度か意見が出てきたところであります。これについては総論の部分で記載を検討していくと,これまで申し上げてきたところでございます。
 一方で,この指針については,各大学に共通する内容という部分を触れることにしておりますので,大学ガバナンスの在り方には直接言及しないことにしているわけでありますが,具体的に教学マネジメントの確立に向けた取組を進めていく上で必要なものに限って,若干言及するというエクスキューズが入ってございます。
 8枚目の1番目の段落でございますけれども,教学マネジメントの確立に向けて,学長の果たす役割は決定的に重要である。学修者本位の教育の実現のため,各大学の既存のシステムを学修者目線で捉え直し,改めていくという包括的な改革に取り組むためには,学長が強力なリーダーシップを発揮し,全学的な視点の下で,教員一人一人の意欲,能力を引き出していく必要がございます。
 特に学長はということで,全学的な教学マネジメントを確立していく上では,学内組織の縦割りを超えて,学部等横断的な共通基盤というものを作っていくこと。その具体的な内容というのは後の各項目に譲っている部分がございます。大学全体レベル,学位プログラムレベル,授業科目レベルでのサイクルというものの整合性を確保して,各レベル間での指示,報告,情報が円滑にやりとりされるような環境を作ること,これに十分意を用いなければならないということでございます。
 また,学内組織というものが各側面において必要となってくるわけでありますけれども,責任者を明確にすること。組織に関する指揮命令系統が明らかになっている。どの組織から指示を受け,どの組織に対して指示ができ,特定のテーマについてリーダーシップを取る組織はどこなのか,このようなことが明らかになっているか。また横の関係といたしましては,各組織の所掌,権限,責任が明確にされている。またIRや情報公表など,関連するテーマについては十分な情報共有が図られるようにしている。このようなところを,規則等の制定を通じて担保していかなければならないということでございます。
 また,学長補佐体制ということについて触れてございますが,学長補佐体制については,平成26年にまとめられた「大学のガバナンス改革の推進について」という審議まとめにおいて触れられている内容でございますので,その内容についてもう一度言及しているということでございます。
 副学長,学長補佐,学長室スタッフなどの教職員を執行部に加える等,学長の意思決定をサポートする体制の強化,大学の判断により,縦割りの分掌業務ではなく,米国のプロボストのような全体の調整権を持ち,学長を統括的に補佐する総括副学長の設置も有効であると考えられる。このようなことが過去の審議まとめでまとめられているところでございます。また併せて,高度専門職の安定的な採用・育成,事務職員の高度化,全学的な会議体の活用,IRの充実などが掲げられているところでございます。
 ここの部分について御関心のある読者に関しては,是非審議まとめの方をごらんいただきたいということで誘導を図っているということでございます。
 学部長等については一々触れていないわけでありますけれども,これに準じた体制を必要とするということを触れております。
 この後に,1番の「三つの方針」を通じた学修目標の具体化からの項目が並んでいく構造というものを,現在考えているところでございます。
 説明は以上でございます。
【日比谷座長】  ありがとうございます。最初にも申しましたように,次回でまた議論をいたしますし,今ごらんになって,この後事務局に御意見を送っていただくということも可能でございますので,今日で全てではもちろんありませんが,今お考えのことは,それでは,益戸委員,小林委員,吉見委員,松下委員,深堀委員の順でお願いいたします。どうぞ。ごめんなさい,その次,溝上委員です。
【益戸委員】  ありがとうございます。この総論については,細かい点については,まだ御議論があるのかもしれませんが,私は大変きちっとできたものだと大変評価しています。
 幾つかの点を述べさせていただきます。まず,この委員会が始まった当初,日比谷座長からのメモが出ましたが,それに基づいてまとめられている点です。既に教学マネジメントができている教育機関は,そのまま自由に続けて下さい。一方で,まだできていないところは最低限,この様な事を参考にして頂きたい。という内容です。次に,グランドデザイン答申を作っていく過程でとても重要なことでしたが,供給者目線から学修者目線に視点を変えるための教学マネジメント,情報公開である。という事が盛り込まれている点です。かなり細かく,考え方も含めて触れています。非常に評価できる事の一つです。
 民間企業においては,大きく運営ややり方が変わる時は,当然,社長以下ガバナンスを効かせて変革をします。この教学マネジメントが本格化すると,教育界でも同様のことが起こるのではないかと思いますが,それについても細かく書いてあります。
 特に,最後のページですですが,平成26年の「大学のガバナンス改革の推進について」までさかのぼった内容であるのは良い事です。以前も申し上げましたが,大学のガバナンスについて改めて触れる事は,重要です。6ページ目にございます,「信頼と支援の好循環」の形成につながることが期待されるという表現は,,本当に望む姿です。学修者又は保護者,それから企業側,民間ステークホルダーとの間で,改めて信頼が生まれて,教育機関に対して出来るだけの支援をしていこうという好循環が始まるきっかけになるような文章ではないかなと感じました。
 以上です。
【日比谷座長】  それではどうぞ。
【小林(雅)副座長】  いろんな意見をうまくまとめてあると思いますが,少しまだ分かりにくいところがありまして,例えば一番初めにグランドデザインを引いて学修者本位にする,これは非常に重要なことで,これを冒頭に持ってくるというのは賛成ですけど,では,なぜ学修者本位にしなきゃいけないかというのは,実は書かれていない。
 グランドデザイン答申で議論したのは,その裏側にある「教学マネジメントとは」の前の段落です。つまり予測不可能な時代にあって――不可能というのは言い過ぎなので困難だといつも言っていたのですけど,予測困難な時代にあって,学生たちは卒業後も含めて常に学び続けていかなければならないということがあるので,自分たちで学生が学修者本位にならないといけないのだ,そのために大学が何をできるかと,そういう形で今までの大学本位から学修者本位に転換しましょうという,それがあって,これで受けているわけです。ですからこれを最初に言わないと,何のためにこれがこういうふうに変わっているのかが,これを読んだだけでは理解できない。
 さらに言うと,これは非常に困難な課題だと思っています。というのは,今までの大学というのはほとんど大学本位,大学運営・経営本位あるいは教員本位制でできているわけですから,これを学修者本位に変えようなんていうのは,ある意味物すごく無謀な試みと言ってもいいかもしれない。しかし,それをやる。だから非常に大きな転換だということを言っているわけです。
 例えば具体的な例をどこまでで総論に書くかは分かりませんけど,シラバス一つとったって,いまだに教員目線で書かれているものが非常に多いわけで,そういうものを変えていく必要があるわけです。ですからそういう非常に困難な課題だということ,しかしそれは非常に重要な課題だということを,ここでもう少し強調していただきたいのが1点です。
それからそれに関連するのですけれど,ページの打ってある方の1ページの教学マネジメント指針とはというところで,最後にいろいろ書いていただいて,これも学修者本位とはどういうものかということの例示として書かれているわけです。学生の持てる資源が有限である,そういう観点から考えてくださいという言い方になっているわけで,これも非常に重要な指摘なわけです。特に時間が限られている。これは大学側も時間が限られているわけで,どちらも有限の中でどういうふうに組むかということが問われている,そういう問題です。
 そのためには,例えば学修者本位と言われると,時間割の組み方とか学修ポートフォリオとかも今多くの大学は,学生に任せっ放しです。学生の主体性を尊重するとか言いながら,要するにほったらかしにしているわけです。そういうやり方ではいけないだろうというメッセージだと思うのです。そのあたりのことをもう少し書いていただけると,この学修者本位の転換ということの意味,それでなぜ教学マネジメントが必要かということの意味も,もう少し訴求力があるかと思います。
【日比谷座長】  吉見委員,お願いします。
【吉見委員】  先ほど平野さんがおっしゃったページで言うと6ページ,下に打たれているページで言うと4ページですけれども,ほかにも同じようなところが幾つかありますが,一例として申し上げると,ここの表になっている,2の授業科目・教育課程の編成というところをちょっと読みますね。「1の学修目標の具体化に当たっては,密度の濃い主体的な学修を可能とする前提として,科目の精選・統合や学生が同時に履修する科目数の絞り込みが行われた上で,『卒業認定・学位授与の方針』の下にある学位プログラムを明確な到達目標を有する個々の授業科目が支える構造となり,『卒業認定・学位授与の方針』を実現する観点から体系的な教育課程として組織的に編成される必要がある」と,この文は,ここまで1文で書かれているんです。
 これでは,主語がどこで述語がどこか,読んでいるうちに分からなくなる。文章の中身が学修者本位と言っている割には,この文章は全く読者本位ではないですね。少なくとも,まず文章として,これは2つに分けなくてはいけない。国語の先生の指導みたいですけれども,このままの文章では意味が分かりません。
 ですから,やっぱり文章というのは,読んですっと読めなければならない。さっき佐藤委員もおっしゃっていましたけれども,まずこの全部の文章を英語にしてみてほしい。英語にしてみて英語でぱっと意味が通らなかったら,やっぱり日本語としてもだめです。そういう認識でもって,日本語の文章を書き直してみていただきたい。これが,第1の点です。
 それから第2の点ですけれども,私はずっと学生が同時に履修する科目数の絞り込みが絶対的に必要だということを申し上げ続けてまいりました。ここのところの文章は,「や」でつながっていますけれども,科目の精選や統合というのは1つの話,これはもちろん必要なのですけれども,その後の科目数の絞り込みはもう1つの話です。このつなぎは,「や」だと「or」になっちゃうんです。「or」じゃなくて「and」が必要なのですね。「や」,つまりどっちかやればいいですよという話じゃなくて,これは「科目の精選・統合のみならず,学生が同時に履修する科目数の絞り込みが行われることが必要である」と,接続詞を「加えて」とか「のみならず」としていただきたいと思います。
 そうすると,ちょっと添削すると,例えばこれを2つに分ける。それで,ここの「前提として」の後が,「学修を可能とする前提として,まず,科目の精選・統合のみならず,学生が同時に履修する科目数の絞り込みが行われなければならない」と1回そこで切って「。」をする。それから,その次,括弧内が2回出てきますけど1回で足りると思いますので,その後に,「その上で,学位プログラムを明確な到達目標を有する個々の授業科目が支える構造とし,卒業認定・学位授与の方針を実現する観点から体系的な教育課程として組織的に編成する必要がある」として,2つの話にちゃんと分けた方が明確ですし,前者の方は,やっぱり科目の精選・統合に加えて,同時に履修する科目数がちゃんと絞り込まれなければならないということを,もうちょっとはっきり打ち出していただきたいと思います。
 ついでながら,今日話題になった情報公表のところの文章も同じような感じで,過剰に長い文章が1文になっているために,何を言っているか分からなくなっちゃっているという傾向が見られますので,何度も出ている話ですけど,全部詰め込もうとせずに,何が中心の文章であって,何が主で何が従なのかということのめり張りをもうちょっと付ける書き込み方にしていただいた方が,何をこの教学マネジメントの指針で伝えようとしているのか,ここがポイントということが相手に伝わるようになすのではないかと思います。是非その辺の改善をお願いしたいと思います。
【日比谷座長】  それでは次,松下委員,お願いします。
【松下委員】  3点あるんですけれども,まず1点目が,1ページ目の「何を教えたか」から,「何を学び,身に付けることができたのか」への転換のところです。これは本当に一番中心になる項目だと思うんですけれども,この「何を学び,身に付けることができたのか」ということと,それから,資料3の方で,点線の囲みの前提の一番初めの「ディプロマ・ポリシーにおいて,卒業生が『何ができるようになるのか』が,専門分野における係る能力も含め,適切な観点から『~できる』という記述により定められていること」となっているところ,この「何を学び,身に付けることができたのか」ということと,「何ができるようになるのか」ということは,ちょっと似ているようで違うのです。
 ディプロマ・ポリシーレベルの目標の書き方というのは,結構抽象度が高く書かれることが多いと思います。例えば専門的な知識,理解に関わることとか,あるいは,態度や価値観にあたるようなもの,例えば京都大学の場合で言うと,責任感・倫理性だとか,そういうような言葉が出てくるんですけれども,そういった場合は「~できる」という言葉では書きにくいのです。
 いわゆる知識,スキル,態度・価値観というカテゴリーで分けると,スキルの部分は「~できる」ということで書きやすいのですけれども,知識・理解とか態度・価値観のようなものは,「~できる」では書きにくいんです。具体的な各科目の評価のところでは,「~できる」というレベルまで落とすことができるんですけれども,ディプロマ・ポリシーレベルで目標を設定するときに,全部を「~できる」で書くことは,非常に難しいと思います。
 それがこちらでは,「何を学び,身に付けることができたのか」と書かれていまして,これだと非常に包括的な文言になっていると思いますので,私はむしろこちらの方を優先していただきたいなと思いまして,資料3の方を書き換える方向で考えていただけないかなと思います。それが1点目です。
 2点目は,振り直した5ページ目のところで,正課外教育活動のことが出てきます。これは重要だと思うのですが,大学のカリキュラムの論としては,正課教育と正課外活動の間に,準正課活動というものを置くことが多くなってきています。特にここで書かれているような海外派遣プログラムやサービスラーニングといったものは,大学の側が正課に準じるような形で,教育的な目的を持って組んでいるようなプログラムですので,準正課活動にあたります。
 多分そういう意図もあって,このページの3段落目の「こうした大学が主体的に関与し・・・」,2行目のところの「各大学において正課の教育活動に準じて取り扱うことも考えられる」といった文言があるのかなと思うのですが,私は正課外,いわゆるクラブとかサークルみたいな,学生が完全に彼らの自主的・自律的な活動として行うものと,大学側が教育的な意図を持って組むようなこういう活動とは,やっぱり区別した方がいいんじゃないかなと思います。ですので,この正課外教育活動のところを,準正課と純然たる正課外活動とに分けていただいて,準正課活動のことをここでは言っているということが,もう少し明確に分かるようにしてはどうかなと思います。これが2点目です。
 3点目は,今,吉見委員がおっしゃったことと同じですが,ちょっと文章が長いなということでもう一か所,目に付いたところがありました。振り直した4ページ目の「本指針は」という,指針の性格の説明をするところですが,3段落目です。ここも1文が7行にわたっています。やはり2文に分けて,2行目の「意図するものではない」というので1回切っていただく。それから,その後の5行目から6行目で,多様な大学を説明している「国公私立」から「経営資源等において」というところはなくても,もうここら辺は意味が分かりますので,ちょっと削っていただくなどして,できるだけ簡潔に表現していただければと思います。
 以上です。
【日比谷座長】  どうぞ。
【平野大学改革推進室長】  2点目の御指摘でございます。準正課,いわゆる正課外教育活動というものが,大学が関わるものと全く自発的なものということで整理ができれば美しいなと,私も思っていたのですが,一方で大学部活動などにおいても大学の関与の仕方は様々なわけでありまして,実はその2つをどこで切れ目を入れるのかということを,なかなか文章で表現するのが難しいというところが,正直言って悩みとしてございます。
 まさに意図しているところは,そのような準ずるものについてはしっかりとということでございますけれども,またそこはこの会議の終わった後も結構ですので,何かいいアイデアがあれば,お寄せいただければと思います。
あと,日本語については,吉見委員も含めて指摘を頂いておりますので,私以外の目を入れながら,しっかりと確認をしてまいりたいと思います。
【松下委員】  すみません,1点目はどうですか。1点目が一番重要だと自分では思っているのですけれど。
【平野大学改革推進室長】  ちょっと今,もともとの会議の資料が手元にないんですけれども,何ができるのとかという観点を意識して,「できる」ということで記載するといったことが,前の資料の方に盛り込まれているところと整合性が付いていますので,ちょっともう一回全体を捉まえ直す中で考えたいと思いますけれども,恐らくはある程度自由度というか,そういうものが必要だという御指摘と受け止めましたので,そこはもう一回考えてみたいと思います。
【松下委員】  ありがとうございました。
【日比谷座長】  ちょっと2点目について私がコメントですが,正課外といったときに,エクストラカリキュラム・アクティビティというのと,それからコカリキュラム・アクティビティというものがあって,そしてカリキュラムがある。ここで言っているものはコカリキュラムを意図しているつもりですよね。なんですが,そのエクストラとコをうまく日本語でどうやって言い分けるかということは,ちょっとまた検討いたします。
【松下委員】  「準正課」と愛媛大学などでは訳されていて,それが広がっていると思います。
【日比谷座長】  分かりました。ちょっと注を付けるとか工夫が要るかもしれませんけれども,検討いたします。
 次は,深堀委員,お願いします。
【深堀委員】  ありがとうございます。6枚目,ページで言うと4ページ目の教学マネジメント指針の構造の表の中で気が付いた点について,お話しさせていただきます。この教学マネジメントでは,学位授与の方針を定め,対応する学修成果を明記したうえで,それを達成するための教育課程を編成し,学修成果の達成度を確認して教育改善に結びつけるというのが基本的な流れです。しかしながら,この表を見ますと,1に「三つの方針」を通じた学修目標の具体化と書かれているにもかかわらず,右側に書かれているのは「学位授与の方針」だけです。
 2では,最初に授業科目が挙げられており,学修成果を達成するために決定的に重要な教育課程の編成は,授業科目の後に記載されています。右側の説明では,「科目の精選・統合」,「履修する科目数の絞り込み」という表現が出てきており,あたかもそれが目的のように書かれています。そうした厳選や統合,絞り込みをするのは,学修成果の達成に向けて必要であれば実施すべきでことあり,それをことさら強調することは,学修成果の達成に向けた教育課程編成の考え方と必ずしも一致しないと考えます。
 もちろん,吉見委員が強調してこられた,「密度の濃い授業」という観点は重要ですが,教学マネジメントの観点から考えると,あくまでも学修成果を達成するための教育課程編成という考え方を堅持すべきであり,その上で,密度の濃い主体的な学びを可能にするために,科目を厳選したり統合したりする必要もあるという考え方の流れになるのではないかと思います。
 教学マネジメントは科目のスリム化自体を目的とする取組ではなく,学修成果の達成に向けて,教育課程を構成する授業科目がそれぞれの役割を果たすようにマネジメントする取組であることを,できるだけ分かりやすく説明する必要があるのではないかと思います。
以上です。
【日比谷座長】 これから溝上委員,佐藤委員,森委員,伹野委員で,本日打ち止めとしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
【溝上委員】  私からでいいですか。
【日比谷座長】  はい。
【溝上委員】  個人的にはよくまとめられているなと思います。言葉はちょっと私も1つだけ加えると,1ページ目の,「個々人の可能性を最大限に伸長する教育」とまとめられたところが,可能性は伸長するではないんじゃないかなとか思いますので,ここはちょっとお伝えして,いろいろ直されたらいいと思いますので,私の方から2点。
 1つは,益戸委員や小林委員がおっしゃった,その冒頭のところですけれども,学修者本位の教育の実現とグランドデザイン答申というのが,引っ掛けて説明されていくと思うんですけど,学修者本位のこの言葉はここで強調していいと思うんです。ただこの考え方は,学士課程答申からずっと出てきているものですので,「それを踏まえながらグランドデザインで確認し」くらいがいいんじゃないかなと個人的には思います。
 もう一つ,先ほどから議論になっている正課外のところ,通し番号で4ページから5ページ目になるところですけれども,先ほど日比谷座長からも松下先生からも出ていますが,カリキュラム,コカリキュラム(準正課教育)・アクティビティ,エクストラカリキュラム・アクティビティ,ここは最後に落とし込んでいかないといけないと思います。正課外教育活動という言葉自体は正直違和感がありますので,正課外と言うんだったら正課外活動かなと思うことが一つあります。
以前,この教学マネジメントをステークホルダーに向けて出していくというあたりをどう考えるかという議論があって,大学内の単なるアカウンタブルなものでとどめてはいけないわけですよね。やはり社会に発信しつつ,社会の方々がそれを受けて,いろいろ相互交流していくためのものですから,そういうことまで考えると正課が中心だし,学修の修めるところもいろいろ気にはなるんですけれども,でも修める学修がもう徹底して使われているわけですから,それが教学マネジメントのいわゆる本骨子というか,それは分かるわけです。
 その上で正課外,特にクラブ活動とか,そのコカリキュラム(準正課教育)でない活動をどう位置付けるかというのが,特にステークホルダーとか外に向けてということを考え出すと,どうしても入ってくるし,だけれども,この教学マネジメントとしては正課の部分に焦点化をして絞りたい,こういうところがあって,ちょっと私も以前の発言中で,ここは揺れたんですけど,ずっと考えていて,今日お話を伺っていて,やっぱり正課に焦点を当てて出していくという流れでいいんじゃないかと。コカリキュラム(準正課教育)はうまく位置付けて,これは大学側が意図して,正課のちょっと外側で用意していくものですから。
 ただ,正課外の活動も大学としては,学生の全人格的な成長を支援――支援ですよね――する意味で,やっぱりお金も掛けていますし,いろんな形で取り扱っているのだと思うんです。それは独立して取り扱われるべきものではなくて,ちゃんと正課に影響を及ぼして,正課の取組を豊かにする。だから正課を吹っ飛ばして,正課外で成長しましたというのは,こういう話ではなしにしたいわけですね。
 そう考えると,ここで書かれているような,言葉の整理はちょっと置いておいて,正課に焦点化する。正課外もそういう影響ということを前提として,含み込んでいるという言い方でどうかなと,個人的にちょっと考えたことをお伝えします。
 以上です。
【日比谷座長】  佐藤委員,お願いします。
【佐藤(浩)委員】  ありがとうございます。まず,1ページ目に出てきます,この供給者目線から学修者目線というのが,今回のキーワードになると思うんですけれども,この用語のぶれが,全編を通していろいろあるんじゃないかなと思います。私は結論から言うと,もう学修者目線とか学修者という言葉で,あるいは学修成果という言葉で,全部統一した方がいいのではないかと思っております。
 例えば数字がふってある5ページ,ここに指針の構造がありますが,一番上だと「学修成果・教育成果の把握」という表現が出てくるのですが,その下に情報公表がありまして,こちらは「教育成果」と書かれていますので,全編通して,今回はもう学修成果で行く,この一言で行くとした方がいいかなと思っております。
 それから,今日小林浩委員のお話を聞いて改めて感じたのですが,このパラダイムシフトを考えたときに,供給者目線から学修者目線ということと同時に,今までの一元的な入学段階での偏差値尺度から,多元的な卒業段階での学修成果尺度に変わるということも,大きなメッセージじゃないかと思うのです。恐らく後者の方が世間一般の方々に向けても非常にインパクトのあることですし,大学関係者を動かすことにもなるんじゃないかと思いますので,大きく内容を変える必要はないかと思うのですが,キーワードとしてそういったものも入れておいた方がいいのではないかと改めて感じました。
 それからページが振ってある3ページ目でございますが,教学マネジメント指針の想定される利用者。この間,この指針は一体誰のものなのか,誰が第一読者なのかという話がありましたが,それが今回明確にここで想定されたのは非常によかったかなと思っております。
 恐らくこの文章が出回ったら,学長,副学長の先生方が,うちの教学マネジャーって一体誰なのだと言うはずなんです。それはあなたですということを,ここでやはりしっかりとメッセージとして出したのが非常によいので,だとすると,もうここの利用者も,誰のための教学マネジメント指針なのかぐらいのタイトルを付けていただいて,とにかく自分のことなのだということを実感していただくのが大事かなと思っております。
 ここで表現がさらっと「最も強く望まれる者である」ということが書かれていて,もうちょっと,なぜなのか解説した方がいいかなと思ったのですが,それは後半に学長のリーダーシップというところで出てきているのでいいかなと思いつつ,もしかしたら順番としては,この利用者の後に学長のリーダーシップとかいう話を持ってきた方が,よりインパクトがあるのかなとも,一方で思ったりしましたけれども,とにかくこの読者を明確にしたという点は非常によかった。
だから全体としてはやはりこの指針は,教学マネジャーのための分かりやすい教科書なのだという位置付けで,先ほどの文章の日本語の問題もそうなのですが,その方たちが分かる文章にしなければいけないと思います。
 以上でございます。
【平野大学改革推進室長】  ちょっと1点だけいいですか。
【日比谷座長】  どうぞ。
【平野大学改革推進室長】  頂いた御意見の中で1点だけ,この「学修成果」という言葉と「教育成果」という言葉をどう扱うかというのは,実は編集している中では,今,全部並べて書いております。実は第7回の資料において,たしか大森先生から御意見を頂いて,この2つについてしっかりと定義するということで,一人一人の学生から見た学びの成果を学修成果,大学がどのような形で学生を育成できているかを教育成果ということで,1回定義しております。
 ここを学修成果という言葉1個にしたときに,その後者のニュアンスが言葉から読み取れるのかどうかというところについては,ちょっとまた全体を編集する過程で考える必要があるかなと。特にやっぱり学修成果ということを大学の教育成果とイコールで使ってしまうと,大学の教育作用という部分が少し見えにくくなってくるなどの悩ましいところもありまして,また,全体を通して見ていただいた上で御意見を頂ければありがたいなと思っております。
【日比谷座長】  森委員,お願いします。
【森委員】  ありがとうございます。簡単に3点,お話をしたいと思います。
 まずはこの総論に書かれている一番初めの冒頭のところ,学修者本位の教育の実現,先ほど小林委員からもお話がありましたけれども,なぜこれなのかということを入れれば,すごくいい文章だなと思って拝読いたしました。
 グランドデザイン答申が,私どものような学修研究者からすると,こんなに学修者のことを語っている答申はないと思って,私自身非常に感動していたので,こういう形に落とし込まれるといいのですが,ただ,実は検索をすると,急に教学マネジメントの話になると,学修とか学修者がごそっとなくなるんです。
 もちろんこの前段でこういうことをうたっているので,当然分かるでしょうということになると思うのですが,どうしても最後の方は,やらなきゃいけないよねという大学の話に置き換えてしまわれがちなので,くどいぐらい学修者とか学生とかいう話を,もう少し盛り込まれるといいのかなと思いました。
 次ですけれども,もちろんDPに沿って学修成果をという話にはなるんですが,今,佐藤委員がお話しされたように,多くの大学のDPが,そもそもこれは大丈夫かというものが多いですよね。もちろんすごく総花的なところもありますし,達成できたかどうかが分からないようなものもありますし,非常に評価軸が多元的になるのは分かるんですけれども,DPの見直しということに関しても,やはり触れられる方がいいのではないかなと思っています。今のまま,これはマネジメントできないですよねという話になりませんかということです。これが2点目です。
 3点目,例えばいろんなレベルに分けてとかいう話をPDCAサイクルに沿ってと,非常に工夫していただいたとは思います。ただ,教学マネジメントってやはりプロセスの話なので,どうしてもずらずらと文章で書かれると,動きが見えないなというところがあって,これは基本的にはポンチ絵にされるということですよね。そのときにこの3つの層が一体,誰のマネジメントの下,どういう動きなのかということがもうちょっと見えるようになったら,分かりやすいかなと思いました。
 以上です。
【日比谷座長】  お待たせしました。伹野委員,お願いします。
【伹野委員】  最後の頁を見た感想ですが,学長のリーダーシップという言葉が気になっています。大学における教学のガバナンス等は,全て学長が責任を負うのは当然でここに書いてあることはまさしくそのとおり通りです。今回の教学マネジメントの議論は,教育の現場で教師がどのように学修者本位の教育を実施するのかでしたので,その意味で,教育現場の具体的な責任まで全て学長に負わせて良いものだろうか,という点です。
 教育現場の中で,効果的なPDCAサイクルを回せ,いろいろ改善策等も出てくるように機能する組織体制はどうあるべきかについての提案と思います。もう少し具体的な教育体制の提案として読み取れると良いと思います。
最後の1ページにわたって学長のリーダーシップについて記載されていますが,これについてここで議論されたことなのかとの印象もあります。
 以上です。
【平野大学改革推進室長】  1点目については,学長が全てを統督する立場でありますので,最終的に学長に帰属する。ただ,この最後のページの真ん中あたりに,各組織の責任者を明確にするとか,このような形で,当然学内的な責任関係は言及しているわけですが,逆に言うと学長のリーダーシップから始めないと,そこが相対化されてしまうというメッセージが出てしまうのは,ちょっと難しいなと思っておりまして,またそこはいいアイデアがあれば,是非後でもお教えいただければありがたいなと思っております。
 あとは,ここの部分は議論があったのかということで言いますと,いわゆる組織,例えば学修成果の可視化を誰が進めるのかとか,個別,個別のところで出てきた要素,つまり指揮命令関係がしっかりしているのかとか,ばらばらに動いているんじゃないのかとか,こういうあたりを私なりに議論から抽出させていただいたのが真ん中あたりでございます。
 ただ,学長補佐体制とかこういう部分については,はっきり議論をしていないわけでありますけれども,この部分は逆に言うと過去の蓄積というものがありますので,このような形で触れたという整理をとらせていただいております。
【日比谷座長】  それではまだまだ御意見がおありと思いますし,今日見ていただいてすぐに議論を始めましたので,言い足りなかったこと,あるいはこういう点もあるということにつきましては,是非事務局にそれぞれ委員から御連絡を頂ければと思います。それを次回の資料を作成する際に,十分に参考にさせていただきます。それで,次回は指針案の作成本番に入りますので,事務局にて案を用意するということでございます。
 そのほか連絡事項がありましたらお願いします。
【平野大学改革推進室長】  本日は本当にありがとうございました。次回が11月21日,午前10時からということでございます。あと1月ないという状態でありますけれども,何とかその指針の本体案というものを各先生に,早めに送らせていただきたいと思っております。
 また,今日頂いた御指摘というものを踏まえまして,総論とか各表現という部分はしっかりと見直しをしてまいりたいと思いますけれども,また次回以降,御意見を頂きたいと思っております。
 本日の資料の郵送を希望する先生につきましては,附箋に郵送希望と書いていただければ,職場の方に送らせていただきます。ありがとうございました。
【日比谷座長】  それではこれで終わりといたします。どうもありがとうございました。



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