法科大学院等特別委員会(第122回)議事録

1.日時

令和7年12月12日(金曜日)10時00分~12時00分

2.議題

  1. 令和7年司法試験結果について
  2. 法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムの今後の在り方について
  3. 地方の法科大学院と法曹の地方定着について
  4. 中央教育審議会大学分科会における議論について(新たな評価制度)
  5. 学部・研究科の連続性に配慮した教育課程編成の促進について
  6. その他

3.議事録

【松下座長】  それでは、おはようございます。所定の時刻になりましたので、第122回中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会を開催いたします。御多用中のところ、御出席くださり誠にありがとうございます。
 本日はウェブ会議として開催しております。本委員会は公開が原則のため、この会議の模様はYouTubeライブ配信にて公開をいたします。
 ウェブ会議を円滑に行う観点から、御発言の際には挙手のマークのボタンを押していただき、指名されましたら、お名前をおっしゃってから御発言いただきますようお願いいたします。また、御発言後は再度挙手のボタンを押して、挙手マークの表示を消していただきますようにお願いいたします。御発言時以外はマイクをミュートにしていただくなど、御配慮いただけますと幸いでございます。
 また、御出席された方全員が御発言できますように、大変申し訳ございませんが、御発言は1回当たり上限2~3分程度を目安にお願いできればと存じます。
 また、さらなる御意見がある場合には、会議終了後に事務局にメールでお寄せいただければ、議事録に反映したいと考えております。委員の皆様の御協力のほど、お願い申し上げます。
 それでは、本日も活発な御審議をどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

【遠藤室長】  ありがとうございます。今回の資料につきましては、資料1-1から7までということで、参考資料を含めまして229ページとなってございます。今回の資料と参考資料につきましては、文部科学省のホームページでも公開をいたしてございますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは、議事に入ります。議題1、令和7年司法試験結果についてです。
 初めに、令和7年司法試験の結果について、司法試験を担当している法務省から御説明いただき、その後、質疑の時間を設けたいと思います。
 それでは、法務省大臣官房司法法制部司法法制課長を務めておられる神渡委員から、令和7年司法試験の結果について御説明をよろしくお願いいたします。

【神渡委員】  ただいま御紹介いただきました法務省大臣官房司法法制部司法法制課長を務めております神渡でございます。よろしくお願いいたします。
 私から大別して2点につき御報告させていただきます。法務省から、資料1-1から1-11までの11点の資料を御用意させていただいておりますので、適宜、説明箇所を引用しながらお話しさせていただきます。
 まず1点目は、令和7年の司法試験の結果についてでございます。令和7年11月12日に、本年の司法試験の最終の合否が発表されたところでございます。お手元の資料1-1から1-10までが司法試験の結果及びそれに分析を加えた資料でございます。大部でございますので、その概要について御説明させていただきます。
 まず、通し番号で申し上げますと3ページ以下の資料1-1でございますが、これは当省官房人事課が公表いたしました令和7年司法試験の採点結果でございます。
 資料1-1の1枚目に記載のとおり、令和7年司法試験の受験者数は3,837名で、前年比でプラス58名ということになっております。
 合格者数は1,581名で、前年比11名減でございまして、最終合格者数につきましては、目標値の1,500人台となっているところでございます。
 続いて、通し番号の25ページでございます。資料1-2の令和7年司法試験の受験状況に基づきまして引き続き御説明させていただきます。まず一番上のグレーの網かけ部分に、先ほど御説明したのと同じ本年の受験者数や合格者数の合計が記載されております。合格率は41.20%、前年比でマイナス0.93ポイントとなっております。これは、先ほど申し上げましたとおり、受験者数がやや増えて合格者数が微減となったことが影響しているところでございます。
 続きまして、受験者の属性、それから受験資格別に受験、合格の状況を順次御説明させていただきたいと思います。
 まず、グレーの網かけになっている上から2番目の欄に、法科大学院修了者と記載されている項がございます。ここには、法科大学院の在学中ではなく、修了者に関しての数字をまとめております。
 受験者数が2,013名、前年比で59名減、合格者数は441名、前年比でマイナス30名、合格率は21.91%で、前年比マイナス0.81ポイントとなっております。
 次に、グレーの網かけになっている上から3番目の欄は、法科大学院の在学中受験資格者の受験、合格状況についてまとめたものでございます。
 受験者数は1,352名、前年比で120名増でございます。合格者数は712名で、前年比で32名増になります。合格率は52.66%、こちらは前年比でマイナス2.53ポイントでございますが、この合格率は法科大学院修了者に比較して約2.5倍の合格率でございまして、全体の合格率よりも11.46%高い状況になっております。
 さらに、この在学中受験者の内訳について御紹介させていただきますと、既修者のうち、法学部・法曹コースに在籍していた者の欄には、法学部かつ法曹コースから法科大学院の既修コースに入って、法科大学院在学中に受験した方の数値を記載しております。
 受験者数は201名で、前年比より11名減っております。合格者数は133名で、前年比10名減でございますが、合格率66.17%で、前年比マイナス1.28ポイントとなっておりまして、合格率は全体平均よりも24.97%高いという結果になっております。
 さらに、既修者のうち法学部・非法曹コースの欄には、法曹コースではなかったものの法学部から既修コースに進んで在学中に受験した方に関する数値を記載しております。
 受験者数は796名で、前年比で90名増、合格者数は459名で、前年比で33名の増になります。合格率は57.66%で、前年比マイナス2.68ポイントでございますが、こちらも全体の合格率に比べて16.46%高い結果となっておりまして、修了者の合格率に比べましても、やはり2.5倍超の数字になっております。
 続きまして、未修者の欄がございます。こちらは未修コースに進んで法科大学院在学中に受験された方全体の数値が記載されたものでございます。その合計欄を見ますと、受験者数は268名で、前年比33名増、合格者数は76名で、前年比7名増、合格率は28.36%で、前年比マイナス1ポイントという結果になっております。
 最後にグレーの網かけになっている一番下の欄を御覧いただきたいのですが、こちらは予備試験合格による受験資格者に関する数値でございます。
 受験者数は472名で、前年比3名減、合格者数は428名で、前年比13名減、合格率は90.68%で、前年比マイナス2.16ポイントでございますが、これまで同様、予備試験合格者から司法試験の合格率は高い合格率となっております。
 なお、ここに数値は掲載しておりませんが、法科大学院経由者全体の合格率は、約34.3%でございます。前年比0.5ポイント減で、令和5年以降下がっているところでございます。この点については、全体的には、既修者、さらに若年受験者層の合格率が高い傾向にございまして、修了者につきましては、昨年、一昨年と在学中受験の高い合格率が出ていることが、数字が低くなっている要因であると考えているところでございます。
 こうした全体の数値から、法務省としては、法曹コースや在学中受験資格については、昨年度に引き続き、今回も一定の結果が出ていると評価できると考えております。
 他方で、予備試験合格組との間では、いまだ合格率に大きな差がある反面、予備試験の受験者数について、令和5年を境にやや減少の兆しがある一方で、法科大学院志願者数は令和2年以降、2倍近くまで回復の傾向が見てとれます。
 こうした点を含めて、予備試験と法科大学院教育の位置づけをどのように分析、検討していくかという面が今後の課題であると考えられます。
 「3+2」及び在学中受験の制度等もまだ始まって3年目でございますので、来年以降も、引き続き各指標の推移を見守っていく必要があると考えているところでございます。
 続いて、通し番号27ページ、資料1-3の「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数(合格者数順)」に基づいて御説明させていただきます。最終合格者の上位5校につきましては、例年の上位校が引き続き上位を占めている状況でございまして、5校中4校が首都圏のロースクールになっております。
 早稲田大学ロースクールが最終合格者数150名、京都大学ロースクールが128名、慶應義塾大学ロースクールが118名、東京大学ロースクールが116名、中央大学ロースクールが77名ということになっております。
 また、通し番号29ページ、資料1-4の「令和7年司法試験法科大学院等別合格者数(合格率順)」に基づいて御説明いたしますと、合格率の上位5校は上から順に、京都大学ロースクールが合格率58.45%、愛知大学ロースクールが合格率55.56%、慶應義塾大学ロースクールが合格率50%、東京大学ロースクールが合格率50%、一橋大学ロースクールが合格率47.66%となっております。
 以上、資料1-1から1-4に基づきまして、令和7年度司法試験の受験状況等を御紹介させていただきました。資料1-5以下では法科大学院別の受験状況等について詳しい資料を提供させていただいております。本日は時間の都合もございますので、ここでの説明は省かせていただきますが、お時間があるときに御参照いただければと思います。
 令和7年司法試験の結果についての御報告は以上になります。
 続きまして、昨年の会議で富所委員、土井委員から司法試験の受験者、合格者の女性比率と予備試験の受験者、合格者の女性比率の比較等に関する御指摘をいただきましたので、今回の会議におきましても、通し番号53以下の資料1-11として添付させていただいております。
 簡単に御説明させていただきます。お手元の資料1-11の1枚目を御覧ください。左側の表とグラフが司法試験に関する情報です。本年は、受験者の女性比率が34%程度で、前年比プラス1.7%、合格者数ベースでは30%程度で、前年比プラス0.1%となっております。
 これに対して、右の表とグラフは予備試験に関する数値でございますが、本年の予備試験の女性割合に関する数値が手元にございませんので、令和6年までの数値になっております。
 最後に、委員の皆様の御参考として、次ページ以下で法学部生アンケートの結果を昨年度から更新した上で御紹介させていただいておりますが、御説明の方は省かせていただきます。
 私からの報告は以上でございます。

【松下座長】  ありがとうございました。ただいまの令和7年司法試験結果についての法務省からの御説明につきまして、御質問や御所感等があれば、どなたからでもお願いしたいと存じます。どの点でも、どなたからでも結構ですので、挙手の上、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
 女性比率を出していただいたのは今回が初めてということですかね。

【神渡委員】  女性比率については、昨年もお出しさせていただいております。

【松下座長】  それは失礼いたしました。それを含めて、資料の御説明について何か御質問、御意見等ございますでしょうか。
 特に現時点ではよろしいということでしょうかね。挙手は今のところないように拝察いたします。
 それでは、もし何か、ただいまの法務省からの御説明について御質問とか御意見等があれば、また必要に応じて後で戻ってしていただくことにして、議題の1については、取りあえず以上ということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、必要に応じて戻ることにいたしまして、議題の1については、取りあえず以上とさせていただきます。
 続きまして、議題の2、法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムの今後の在り方についてであります。
 御案内のとおり、加算プログラムにつきましては、現在令和6年から新たな5年間の取組が開始されたところでありますが、本委員会第12期の審議取りまとめにおいても、「法科大学院を取り巻く状況の変化を注視しつつ、実施の在り方を含め随時見直しを行っていくことが求められる」とされているところであります。
 本日は、事務局より、今後の加算プログラムの在り方に関する課題等について御説明をいただいた後に、質疑を行うことにしたいと存じます。
 それでは、資料の2-1から2-3までについて、事務局から御説明をお願いいたします。

【遠藤室長】  ありがとうございます。文部科学省でございます。通し番号の57、資料の2-1から御説明を差し上げたいと思ってございます。
 通し番号で58ページ、1ページおめくりいただきたいと思いますけれども、本日議論をいただきます加算プログラムにつきまして、その導入の経緯と現在の法科大学院の現状について御報告をしたいと思います。
 まず、この加算プログラムにつきましては、その導入に当たり、平成24年の段階から、特に「深刻な課題を抱える法科大学院の自主的・自律的な組織見直しを早急に促す観点」から導入をされたというところでございます。
 一方で、現在の法科大学院の状況でありますけれども、その下のところ、青いダイヤで書いてありますけれども、入学定員充足率・入学者数・競争倍率等についての数字の変化について、こちらで御紹介をさせていただきます。
 こちらに書いてあるとおりであるんですけれども、法科大学院の数については現状34校でありますが、志願者の数について、一番数が少なかった平成30年と比較いたしますと、ほぼ2倍弱ということで、令和7年には1万5,271人ということになってございますし、これに伴いまして、法科大学院に入る際の競争倍率についても、令和7年については3.52倍ということで、非常に選抜機能が働いているという数字が出ているのかなと受け止めてございます。
 入学定員については、大学の数が減ったことに伴い、当然減少しているわけでありますけれども、その充足率については100%弱と言っていいかなと思ってございますし、実際の入学者数についても2,058人ということで、一定数しっかり確保されているという状況でございます。
 なお、修了後5年目までの累積の司法試験合格率ということでありますが、こちら令和6年までのデータでありますけれども、74.1%ということで、こちらについても改善がなされているというふうに数字としては出ているという状況です。
 さらにその下の下のダイヤ、公的支援見直し強化に向けて重視した指標ということで、平成24年の当時、政策目的として大事だと言われていた指標でありますけれども、こちら3つございまして、司法試験合格率、特に全国平均半分未満というところの法科大学院は、低位で推移していると言っていいのかなと考えております。
 また競争倍率についても、2.0倍未満のところは極めて少数、今も現状1校程度しかないですし、さらに入学者数についても、10人未満の極めて小さい法科大学院というところは、もう現在なくなっているというのが現在の状況ということでございます。
 こうした現状を踏まえまして、この平成24年当時に導入された仕組みをどう考えていくのかということが本日の主題ということでございます。
 次のスライドお願いいたします。現状の加算プログラムの仕組みのおさらいをしたいなと考えているのが、こちらでございます。
 多少資料前後して恐縮でございますけれども、資料の2-3の通し番号71ページのところに、この加算プログラムのイメージということで作らせていただいているのがこちらでございます。
 2段階になってございまして、1段階目が基礎額ということで、こちらの方で特に司法試験の合格率を中心に実際の基礎的な額、どういうファンディングをするかということを数字上積み上げていっていると。これによりまして、類型1、2、3ということでファンディングする金額、その割合というのが出てくるということでございます。
 さらに2段階目、加算額というところで、まさに大学が独自にプラスアルファで取り組んでいただくようなところでありますけれども、こちらも、例えば未修者、社会人、女性法曹といったような取組を評価していただいて、プラスアルファで評価するというようなところが大きく評価の、まさにこの仕組みの構造という形になっているというものでございます。
 しかしながら、この基礎額について例えば申し上げますと、司法試験の合格率に関しましては、正直、評価結果は固定化する傾向にあるのかなと受け止めてございますし、加算額の部分についても、これ毎年評価を行いますので、その評価結果が流動的になってくるといったところが現状としてございます。
 さらに、この予算のめり張りづけについては、国立大学法人については運営費交付金、私学については私学助成ということで、まさに基盤的経費を、成果が十分上がっていないところを付け替えて、より成果が上がっているところにプラスでまさに付け替えるという形になっているという構造で、今、予算の配分がなされている状況でございます。
 これ、もう少し具体的に申しますと、真ん中の加算プログラムの課題のところでありますけれども、例えば令和3年以降の傾向といたしまして、当然、司法試験の合格率が配分に大きく影響するというのはもちろんでありますけれども、100%以上の配分率となっているのが全体の約3割の状態が継続をしているということでございます。3分の1の大学はプラスになり、3分の2の大学はマイナスになっていると。その3分の2のマイナスの部分を付け替えて3分の1の大学の方に持ってきているという構造であります。
 さらには毎年、配分額が実際に変動していくというところですので、中長期的な投資みたいなような機会が失われているのではないかなという懸念があるということでございます。
 さらには、毎年評価を行いますので、先生方、大学院全体の事務的な負担感、こういったところも当然出てくるというのが現状として今、我々把握しているところでございます。
 さらには、その下、法科大学院の課題や、さらに今後への期待ということでありますけれども、特に今後への期待で申し上げれば、より新たなニーズということで、国際的に活躍できる法曹であるとか、AIやデジタル等の先端的な分野や未知の領域に対応できる法曹といった観点、さらには本日の議題であります、地域の司法サービス等々を支える人材、法曹ということで、より現代的な課題に対応できるような形で、政策的な予算づけみたいなものを考えていく必要があるのではないかなということが、やはり期待としては寄せられているところでございます。
 こうした観点を踏まえまして、次のスライドでありますけれども、観点ということで、事務局の方で4つほど挙げさせていただきました。
 こちら御覧いただいて分かりますとおり、1つ目ですけれども、法科大学院全体の入学定員は徐々に徐々に、少しずつであるんですが、減少傾向にあるということであります。
 現状の入学定員は2,157名ということで、文科省としては2,200人程度、それ以上という形にしておりますので、現状の規模の観点のみで言えば、もうこれ以上、組織の見直しを促す必要性は低いのではないかなと考えてございます。これは観点の1つ目でございます。
 むしろ、より、これからは持続的な形で法曹を一定程度、質も量も確保された方々を輩出していくと。まさに持続的にやっていく形、さらには政策的な目的にマッチした形で対応していく形というのはどうなのかというところでございます。
 さらに2つ目の丸でありますけれども、基盤的経費にめり張りをつけていて、大学からすれば、そこは非常に財政的に不安定な状況に置かれるということでありますので、このことについては、さすがに避けるべきではないかなという論点でございます。
 さらに、その3つ目でありますけれども、これからやはり法科大学院ごとに自らの魅力・特色を計画性を持って伸ばしていこうという段階にあろうかと思います。このことについての教育研究活動の継続性・安定性をしっかりと図っていく必要性があるのではないかということが3つ目の観点です。
 最後に、法科大学院の機能強化に資するような推進方策については、この加算プログラムは、この在り方をもちろん検討いただきますけれども、適切な手法等を含めて別途検討する必要があるのではないかということでまとめさせていただいてございます。まさに本日議論いただきたい論点ということで、こちら挙げさせていただいているというところでございます。
 多くの大学の皆様に御協力をいただいて、本当に法科大学院制度、数字で御覧いただいたとおり、成果上がってきている形でございますので、より今の政策課題に合った形で、よりよい形を模索していければと考えてございますので、御審議をいただきたく考えているところでございます。
 なお、資料の構造といたしましては、今、概要で御紹介をさせていただきましたけれども、概要が資料の2-1でありまして、これ文章ベースに落とし込んだものが資料の2-2という形になってございますし、あとはそのデータであるとか、当時の政策的な方向性とかを実際にまとめたもの、さらに直近の各大学におけるファンディングの状況みたいなものをまとめたのが参考資料という形で、2-3でまとめさせていただいているものでございます。
 こちら御参照いただきまして御審議いただきたく思います。私の方からは以上でございます。

【松下座長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの御説明について、御質問、御所感等があればお願いいたします。繰り返しで恐縮ですけれども、御発言の際には1回当たり上限2~3分程度を目安にお願いできればと存じます。本日はこの点、時間を取って御審議いただきたいと思いますので、ぜひとも活発な御審議をお願いいたします。
 それでは、いかがでしょうか。それでは、田村伸子委員、お願いいたします。

【田村(伸)委員】  創価大学の田村伸子でございます。私の方からは、小規模法科大学院ということで、本学の実情と若干の意見を述べさせていただければと思います。
 本学をはじめとする小規模法科大学院としては、やはり加算プログラムというのは司法試験の合格率あるいは入学定員充足率ということで、一人の受験者や合格者の重みとか、一人の入学者の重みとか、一人の増減の影響が大きく非常に重いなと、いつも感じております。
 あまり手をかけなくても合格できるような優秀層に関しては、例えば1人が予備試験に合格してしまうと、法科大学院修了資格で受験しないわけですので、合格率に直結し非常にダメージが大きいということもあります。あるいは法科大学院生が精神面、体調面等で体調を崩して司法試験を受験できないとか、あるいは法曹の道をやめて方向転換をするとかいうことになると、そういったことの影響が非常に大きくて、学生の幸福とは関係なく、それが予算の配分に直結していくというところは、かなりやはり苦慮しています。心理的に大変だなといいますか、すっきりしないものを感じているところでございます。
 それから、事務の負担という話がありましたけれども、やはり小規模法科大学院になりますと、職員と法科大学院の執行部とで総出でやっておりますので、かなり負担感はあるかなと思っております。
 それに対して、加算率等が発表されると、我々法科大学院の執行部と大学の首脳陣に関しては一喜一憂して影響があるわけなんですけれども、学生にとってはどうなのかということで申し上げますと、学生は、はてなというような顔をしているというところが実情なのではないかなと思っております。
 資料にもありましたけれども、司法試験の合格率が非常にこの加算プログラムに関しては影響が大きいということで、我々も法科大学院の中でそういった話をしておりましたところ、本学の職員の方がAI等のツール等を使って分析をしてくださいました。
 令和6年度の加算率について、分析をしていただいたわけなんですけれども、加算率のところで司法試験の合格率に直結するような直接関連するものの割合と、司法試験の合格率以外の指標、例えば1年から2年次への進級率ですとか、学生の満足度アンケートの結果とか、そういったものとに分けて、加算率がどういうふうになっているかというのをいろいろ調べていただきました。
 そうしますと、司法試験の合格率に直結するKPIを50%以下ぐらいに抑えている大学に関しては、加算率が高いのではないかと。一方で、司法試験合格率に直接関係するもののKPIの割合が70%ぐらいというように高い大学に関しては、例外はそれぞれありますけれども、その加算率が下位の方に属しているのではないか。また下位評価に属しているのは、多くが中規模、小規模の法科大学院というような結果が出てきまして、やはり司法試験の合格率への取組意欲を持って強くやっていればいるほど加算率が低くなるというのは、ちょっとどうなのかなと感じている次第です。
 また、取組に関して結果が出るというのが2年後とか3年後というようなところで、その辺りもタイムラグがあるといいますか、問題にはなってくるのかなと思っております。
 そうしますと、私の意見としましては、今現在、令和6年から始まって令和10年までの取組を実際やっておりますけれども、その完成年度を待たずに、加算プログラムを廃止することが適切かなというところでございます。私の方からは以上になります。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは続いて、富所委員、お願いいたします。

【富所委員】  よろしくお願いします。法科大学院制度ができて20年を超えまして、当初立てた重点項目も、世の中の認識も変わってきていると思いますし、リーガルマインドを持った人材のニーズも行政や企業を含めて広がってきていると思います。そうした時代の変化に、ある程度評価も合わせていかなければいけない面はあると思います。その一方で、合格率が重点的な評価項目になっている現状では、どうしても大規模校に重点的に支援が行き、それが固定化してしまう面がある。この辺りをどうしていくのかというところが考えどころだと思います。
 学位授与機構の法科大学院の認証評価でも議論になりましたけれども、確かに合格率以外のところで小規模校なり、あるいは地域密着でやっているところをきちんと評価することは重要だと思います。ただ、かといって司法試験合格率を脇へ追いやっていいとなれば、逆に法科大学院の目的は合格だけではないという誤ったメッセージにもつながりかねないという議論もありました。ここのバランスをどう取るのかというところは、かなり難しいなというのが実感です。
 ですので、やはり司法試験の合格率は、これは重視せざるを得ない、そこは一定程度担保した上で、さらにそれ以外の部分を頑張っているところに、制度の支援強化、加算という趣旨を踏まえて、しっかりと支援できるような形にしていく必要があるのかなと思っています。
 加算プログラムは、目標を掲げて達成度をはかるKPIの仕組みになっていますので、そういう意味では大学院側が何を掲げてくるかというところにもよりますが、例えばこの後、議論になる「地域偏在」の解消のために広域的に活動しているような大学院は、そうした点もきちんと評価してあげるとか、それから、仮に司法試験受からなくても、先ほど申し上げたように行政や企業に、人材をしっかりと供給できているところ、そうした出口をしっかり管理できているところは評価してあげるとか、いろいろ方法はあると思うので、そこは検討材料だと思っております。
 あともう1点は、先ほど田村委員からも出ましたけれども、加算プログラムのほかに認証評価もありまして、やはりどうしても「評価疲れ」の声が上がっていますので、できるだけ簡素化するということが必要だと思います。私からは以上です。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、田村智幸委員からお願いいたします。

【田村(智)委員】  ありがとうございます。札幌の弁護士の田村でございます。この強化・加算プログラムですが、もともとは教育の充実あるいは特色ある取組への支援、まさに法科大学院らしい取組に対して加算をするというプログラムとして、平成17年度に開始されたものに始まると理解をしています。実際に初年度に選定されたプロジェクトを確認しますと、地域の国際化に対応する教育プログラムの開発ということで、地方にある3校が共同申請し、特色ある取組ということで評価され、選択されたということが、記録を振り返ると確認することができます。
 ところが、先ほど室長からもありましたが、平成24年以降、組織見直し促進のため公的支援見直し強化・加算という制度となり、司法試験合格率等を重要な指標とするという、こういう基礎額方式が採用されたということになりました。
 皮肉なことですが、初年度に評価をされた3校は、いずれも募集停止となっております。実際、当時は、資料にもありますように、一部の深刻な課題を抱える法科大学院が法曹養成制度全体への信頼を揺るがしかねないという非常に厳しい言われ方をしていたという時代がございました。私も当時、日弁連の役員をしておりましたので、強く記憶しています。
 しかしながら、この公的支援のさらなる見直し強化という選択と集中の政策が進んだ結果、地方で法科大学院らしい取組を行ってきたロースクールまでもが淘汰されるという、大きな副作用を生んだと私は総括しています。
 また、先ほど室長からもありましたように、公的支援見直しが加えられたことで、全体の3分の1を残りの3分の2が支えているというなっていったと思います。
 私自身は、地域適正配置となっていないという現状下においては、真の意味での規模の適正化が図られてはいないのではないかと疑問を持っているんですが、そうはいっても、法科大学院数は減少して、質の維持は果たされてきていると思います。先日、日弁連の法科大学院センターでも、このことを議論したところ、公的支援見直しという役割は終わったと総括できるというのが大勢の意見でございました。
 ですので、元の制度に戻す、あるいは新しいものに移行する、こういったことを考えていく必要があると思います。その際に、これも論点ペーパーで指摘のある継続性、不安定さの解消というような、そういった観点が必要だと思います。
 現在、いろいろな課題の方向性というのは大きく3つぐらいに整理できるのではないかと思います。
 一つはグローバルですね。これは、これまでのこの委員会でも、いろいろな取組が紹介されました。
 さらには、学際とか、文理融合ですとか、そういった、AIも含めてですけれども、こういったことが10年、20年後の人口減少を見据えていくと、法科大学院としても、対応していくべき課題となると思います。
 そして、私のように地方におりますと、地方へのアクセス、これをどうやって確保していくかという観点が非常に重要であって、こういう大きく3つの方向性の中で、新しい取組課題ということを考えていただきたいと思っております。私からは以上でございます。ありがとうございました。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、佐久間委員、お願いいたします。

【佐久間委員】  よろしくお願いします。この加算プログラムですが、かつては、法科大学院の数が結構多くて、学生定員が充足していないとか、いろいろ課題があったわけですので、そうした課題の解決に向けてはそれなりの役割を果たしてきたと思います。ただ、先ほどもありましたように、そうした課題についてはかなり改善されてきたという状況の中で、今後加算プログラムをどうするのかといったときに、順位が固定されているということであるならば、やはり見直す必要があるのではないでしょうか。このまま加算プログラムを続けるなら、法科大学院の予算が一層上位校に集中し、ひいては法科大学の数がさらに絞りこまれていくことにもなりかねませんが、多分それは、今法科大学院に求められていることとは違うと思います。地方への法曹の定着という問題もあるわけですから、これ以上法科大学院の数を減らすことはできません。そういうことを考えると、加算プログラムの役割は終わったのではないか、それに代わる新たな支援策を考えないといけないのではないかと思います。
 加算プログラムの加算部分については、もちろん大学が勝手に決められるわけではないんですが、やはり大学としては当然、作戦を考えるわけです。外からのチェックが入るとはいえ、クリアできそうな数値目標を立てて、実際それが当たれば加算が増えるというのは、それはそれでいいのかということもありますし、また、私、名古屋大学ですが、名古屋大学ぐらいの規模でも、数値目標の数字が結構小さいので、1人、2人のことで、そのKPIが達成されるとかされないとか、そういうことにもなってしまいます。先ほど田村委員からもご指摘がありましたが、加算プログラムには運用上の問題もあるように思います。
 今申し上げたことはテクニカルな問題かもしれませんが、最初に申し上げたように、今後の法科大学院の在り方ということを考えると、加算プログラムを実施することによって法科大学院間の順位が固定化してしまっているのであれば、やはりここら辺で見直しすべきなのではないかと思っているところでございます。よろしくお願いします。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、神渡委員、お願いいたします。

【神渡委員】  神渡でございます。加算プログラムの関係で、もともとロースクールとのプロセスを通じて未来有望な法曹を輩出すべく配分値が設けられたものかと思いますが、次の話題の地方偏在のテーマにもまたがる意見になるかもしれませんが、地方の法科大学院については、軒並み配分比率がマイナスになっているという状況があるかと思います。
 そうしたことは、今後、人口動態が変化して地方偏在が続くという状況の中では一定程度考える余地があるように思います。また、資料2-1の通し番号でいうと59ページの下の方の「法科大学院の課題・期待」という欄に、「新たなニーズへの対応」ということが記載されていたかと思うのですけれども、加算制度を一つの目的として新しいニーズに対応していくということ、こうした新しいニーズについて、どういう捉え方をしてどういう取組をしているかというところを評価していくということは良いことだとは思います。かたや、予備試験とロースクールとの間で合格率にまだちょっと差がある中で、目的、位置づけをどういうふうに考えていくかというのは一つの課題であると思います。これを考えていく上では、司法修習後に、予備試験合格者やそれぞれのロースクールにいた人がどういう進路に進んでいるのか、例えばどういう教育をして、どういう効果が出ているのかというところを分析していくという視点は重要なのかなと思っております。
 特にその地域での偏在ですとか、公益活動に携わる弁護士の数が少ないですとか、裁判官、検察官も同様でございますが、どういった教育に基づいて、どういう効果が出ているのかという出口を評価するというようなお話が富所委員からありましたが、そういう観点では、そういったところの進路がどうなっているのかという視点は欠かせないのではないかと思います。以上です。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは、挙手の順番でいうと、青竹委員が先ですかね。青竹委員、お願いいたします。

【青竹委員】  失礼いたします。加算プログラムについてですけれども、大阪大学の方では、予算の見通しが立たず、目標値の設定が必ずしも組織のインセンティブにつながっていない、単なる数字合わせに労力を費やすことになっているのではないかという認識が、多くの者の間で共有されているところです。
 本日御説明を伺いまして、今後地方で活躍する人材を育成したり、国際社会やAIデジタル化といった新しい案件に対応できる人材を育てるというところに配分するという方向性、これ自体には、非常に賛成できるところがございます。ただ、今後、項目を減らすなど、よりシンプルに、負担を少なくなるよう制度設計をしていただきたいという意見が多くなっております。
 それから法科大学院独自の取組、ユニークであるというところを評価されるという面も重要というのも理解できるところですけれども、全法科大学院で共通の目標を掲げて協力し合いながら、競争というものも大事ですけれども、逆に協力しながら達成していくという観点も今後さらに必要になってくるかと存じます。ほかの先生方も既に御発言されていますように、加算プログラム自体を見直すという視点も重要ではないかとの意見を持っており、今後、御検討をお願いいたします。以上になります。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは、笠井委員、お願いいたします。

【笠井委員】  私は、個人的な意見ということになりますけれども、加算プログラムを廃止する方向での検討ということで、ほかの委員の方々の御意見と同じ方向の意見を持っております。勤めている大学ではこれまでプラスになっていましたので、そういう意味での負の影響というのはあるかもしれませんけれども、この委員会の委員としては、そういうふうに考えております。
 加算プログラムに問題があったのは、これまでもお話がありましたように、全体としての財源としてはプラス・マイナス・ゼロで、ゼロサムで3分の2のところから3分の1の方に予算を振り向けるという仕組みだったというところがあります。
 これがまずいという話で、今までのような御意見があったと思うのですけれども、先ほどから御意見として出ておりますように、新しい仕組みをつくるとか、新しい取組を評価するというときに、結局のところ、財源をどうするのかという話が出てくると思うのです。その場合に、この委員会の委員としては、ゼロサムにならないように、プラスサムで財源を何とか文部科学省に確保していただいて、特色のある取組をしている大学に対して配分していくといったようなことを検討してほしいというところがございます。
 この委員会としてどこまで言えるのかということはあると思いますし、今期の課題なのかという問題もあると思いますけれども、そういった視点も大事ではないかと思います。
 この後にも出てきます地方への人材の輩出という話も、それに関係してくるかと思います。その場合、なかなかその評価の仕方が難しくて、かつ、やや中長期的な目で見なければいけないという問題もあって難しいのですけれども、そういったことについても重要な観点かなと思ったという次第です。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、土井委員、お願いいたします。

【土井委員】  ありがとうございます。私も加算プログラムが法科大学院の教育改善の契機となり、将来を見据えた意欲的な取組を推進する機能を果たしてきたという点は、資料2-2にも指摘されているとおり、積極的に評価すべきだろうとは思います。
 ただ、検討すべき点は、今まで御指摘があったように、この加算プログラムが、法科大学院に求められる、このような教育改善の取組を支える持続可能な仕組みかという点だと思います。
 この点について、私は3つの問題があると考えています。
 第1に、やはりこの制度は本来、法科大学院の質の確保あるいは学生定員の規模の適正化を図るために組織見直し、統廃合を推進する仕組みとして制度設計されているために、国が投入すべき資金を、課題を抱えている法科大学院から成果を示している法科大学に移転するという、選択と集中の論理に基づいています。
 しかし、先ほど来出ていますように、法科大学院の規模の適正化が図られてきている段階において、言わば、蛇が自らの尻尾を食べるような形の資金配分を維持し続けるというのは、結局のところ、配分の対象となる資金が減少し続けるという意味で、持続可能ではありませんし、法科大学院規模のさらなる縮小を招く危険があるという意味では、法科大学院制度の安定的な発展を図るという我々の根本的な目的に適合しないと思っています。
 第2の問題は、加算プログラムに基づく資金配分は短期的に変動する幅が大きくて、長期的に安定した実施を必要とする教育プログラムを支えることにあまり向いていません。
 さらに第3に、教育改善のためにPDCAサイクルを回すということは大切だと私も思いますが、現在あまりに多くのPDCAサイクルが回されているために、大学関係者は、文字どおり目が回る状態に陥っていると思います。これでは本来の任務である教育研究に支障が出かねません。
 以上のような点を踏まえれば、新たな評価制度の検討が進められているこの時期に、加算プログラムについては、必要な経過措置を講じることを前提に、廃止する方向で検討し、先ほど笠井委員からも御指摘のあった新たな予算の措置を含めて、法科大学院の将来を見据えた教育改善にふさわしい持続可能な支援の仕組みを検討すべきだと思います。以上です。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、髙橋委員、お願いいたします。

【髙橋委員】  ありがとうございます。一橋大学の髙橋でございます。先生方の御意見を伺いまして、私も従前の加算プログラムの枠組みには構造的な欠陥があることが否定できないだろうと思っております。また、笠井委員が御指摘のように、プラスサムの枠組みを御検討いただくというところに賛成するものであります。
 その上で、新たな予算的措置の確保を前提といたしますけれども、新しい機能強化の枠組みを導入されるというのであれば、その際の評価方法についてもあわせて御検討いただければと存じております。
 先ほどから幾人かの委員の先生からも御指摘が出ているところではありますが、現在の加算プログラムの枠組みの中でも、法科大学院が自ら設定する取組についてKPIを定めるようご指示を受けております。他方、単年度ごとに評価がなされていて、なおかつ非常に定量的な評価を重視するという傾向が強いかと思います。
 その結果、各法科大学院が法曹養成を通じて社会に貢献するべく理想の法曹像を掲げて教育活動に当たられていると思いますが、それにつながる最も適切な指標を置くということが非常に難しくなっていると感じております。
 定性的な評価や中長期的な評価を適切に混在させていかなければ、先ほどから出ておりますような、例えば国際的な人材の育成といったような側面についても、形式だけを満たすことになってしまって、実を伴わないものになるのではないかと懸念しております。これを機に評価方法についても併せて御検討いただければありがたく存じます。以上です。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、松井委員、お願いいたします。

【松井委員】  松井です。よろしくお願いいたします。まず全体として、本日御共有をいただいた資料と先ほどの御説明を踏まえますと、合格率ですとか、法科大学院の入学時の倍率などの指標というのは、おおむね目指していた方向に進み、そしてある程度実績が出ている状況と理解をしておりますので、したがって、長期的な投資というものを促す観点からも、単年度ごとに短期的な目標でレビューを繰り返す必要性というのは、かなり減ってきた状況なのではないかと理解をしております。
 次に、産業界の視点から申し上げますと、こちら繰り返しになるのですが、やはり法務人材というのは総量として依然として不足しているという認識でして、法科大学院には、まず将来性のある人材を呼び込むような機能、そして法務人材として育成する機能を引き続き担っていただきたいと考えております。
 これまでは司法試験の合格率が法科大学院の評価において重視されている状況だということでしたが、まず、司法試験を通過するだけの知識や思考力を持つ人材を育てることを一つの目標にするということは法科大学院の存在意義として重要だと思いますので、合格率というのは引き続き一つの基準になると考えております。
 ただし、御承知のとおり、産業界や行政機関も含めた広い意味での組織内の法律実務という観点でいくと、司法試験合格が必須条件ではない場合というのがほとんどですので、実務法務人材を増やすこと自体が産業の競争力を高め、そして適切な行政等の運営にもつながるという意味で、法科大学院は社会全体に貢献する機能を担っていただいているという理解をしております。
 その観点から、やはり、まず一つ、入り口で多くの将来性ある人材を引きつけるような取組をされている法科大学院や、また幅広い実務に貢献することができる人材を輩出する取組、また、先日来議論にあがっている法曹人口の偏在などの社会課題の解決に向けた取組をされている法科大学院に関しては、事務的に過度な負担とならない形で後押しをするための仕組みを設けていただくことは、今後も一定の意義を持つと思っております。
 前回、法曹人口の偏在の際にも、早期のエクスターンシップの取組で地方の法律家の実務や生活というのを体験することが一つの解決策になろうかという御意見もあったと思います。私も所属先において企業内法務という観点で複数の法科大学院の皆様とエクスターンシップを進めていまして、そういった取り組みを熱心にされている法科大学院の方の後押しをし、今後の取り組みを促すような仕組みが過度の負担にならないような形であるのが今後も望ましいと考えております。以上です。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、中川委員、お願いいたします。

【中川委員】  中川です。加算プログラムが役割を終えたという御指摘については、私もそのように考えています。
 3分の2の法科大学院の基盤的経費を切り取って3分の1の法科大学院に付け替えるというのは大変な劇薬です。比喩的に申し上げますと、劇薬は効き始めたらすぐやめないと、大きな副作用を及ぼしてしまうということはあり得ると思います。とりわけ中小規模の法科大学院の持続可能性という点では、この程度でやめておかないと、法科大学院の制度全体に対する悪影響はやはり否定できないだろうという点、皆さん御指摘されましたが、私も同意見です。
 その上で現在考えなければいけないのは、加算プログラム等でいろいろ先ほど上がってきた課題に対応するようなことを既にやっていることをどうするかです。グローバルであるとか、地方人材、地方への定着であるとか、そういう枠組みをこの後どうやって維持していくかというあたり、まさに加算プログラムのやめ方で、さきほどどなたからか、すぐにやめた方がいいという御指摘がございましたけれども、では今続けているものをどういうふうにしてやめるのか、それとも維持するのならどうするのかというや方の検討です。
それからあと多くの方が何となく想定されていましたが、プラスサムでお金が来るのではないかという期待があるわけですけれども、それは本当にそうなのかというところです。
 後者はもう当局の話ですから、文科省に間頑張っていただくしかないんですが、それを考えるために、先ほどのページにありました今後の課題、グローバル法務等ですけれども、それを具体的に法科大学院に落とし込むとどうなるのかを考えることが有意義と思います。現在の法科大学院は、3年前から急速に姿が変わっておりまして、在学中合格がもう主流派になっております。なので、既修者の場合、入学したらすぐに来年は司法試験がある。だから入学後の1年半後、もうほぼ1年後に受験し、11月に結果が発表されて、合格していれば残り数か月で少し司法試験とは関係ないことをすると、そういうスタイルが多くなっています。そこでグローバル法務その他の先端法務を学ぶといっても、ほとんど時間がないんです。そうしますと、そこをやる場面はリカレントということになる。リカレントは法科大学院でするのかとなると、法科大学院ではその入り口みたいな教育はするかもしれませんが、リカレントの受皿にはならない。法科大学院と研究大学院の合同のような、何かその新しい仕組みを考えていかなければいけないと思います。
 そこにどうやってファンディングをしていくかという意味では、今までのように法科大学院のお金、予算だけで完結していた話からは、少し広がってくると思います。これは非常にいいことなのではないかなと思います。日本の法曹や法学研究といった全体を強くしていくという意味では、法科大学院だけで考えるのではなくて、広い意味での法に関する実務とアカデミックスがタグを組んでやっていくという、そういう方向に向けての将来像をたてて、そこにプラスサムとしてファンディングできればいいなと思います。加算プログラムをやめるという話であれば、もう少し具体的にこの後の私たちの将来像を描けていければいいなと考えております。私からは以上でございます。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、久保野委員、お願いいたします。

【久保野委員】  ありがとうございます。久保野でございます。遅れてまいりまして御説明を伺っておりませんでした。申し訳ありませんけれども、一言だけ、方向性に賛成だということだけ発言させていただきたいと思いました。つまり、従来の加算プログラムを廃止の方向で検討し、新たな枠組みによって動かしていくということに、東北大学も組織としてそのような意見を出したと認識しておりますけれども、一委員といたしましても賛成いたします。
 その上で、今後については、あまり発言しないつもりだったのですが、ただ、直近の中川委員の御意見を伺っている中で、法学ですとか法律を通じた社会貢献を行うプロフェッションの世界について理解を深めたり、その質を高めていくということを、法科大学院と実務界との協働によって強化していくという点はやはりとても大事であり、ちょっと抽象的ですけれども、そのようなことを大事にすべきだということは、本当にそうだと思います。
 その点に関連して、実務家と申しましたときに、法科大学院の修了生の層がもう厚くなっておりますので、そことの協働ということについて、より一層重視していくことが重視されてよいのではないかと思います。以上です。ありがとうございました。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、宍戸委員、お願いいたします。

【宍戸委員】  東京大学の宍戸でございます。私も遅れてまいりまして、大変失礼をいたしました。基本的に中川委員、それから久保野委員がおっしゃったことと同じでございます。今回の方向性には賛成をいたします。
 その上で、各ロースクールの基盤的な活動について必要な体制は引き続き継続されることを前提にした上ででございますけれども、創意工夫を支えていくということ、それから法科大学院全体として、この場で言っていいのかどうかという問題がありますが、例えばコアカリキュラムの見直しがしばらく進んでいないところもありますけれども、そういったものも含めて、全体として法科大学院による法曹教育の魅力を上げていくための全体としての取組、またはそれに対する支援、それから第3層といたしまして、法学教育あるいはリカレント教育を含めた広い意味での法曹の層が分厚くなり、また地域の偏在、新たな産業分野あるいは法的なニーズへの手当て、この3つについて、戦略的に法曹養成あるいは法学教育がどう関わっていくのかを考えながら必要な施策をしていく。
 その中の一つのパーツとして、今回の公的支援加算の見直しをする、そういった戦略性を持って議論していく必要があろうかと思っております。私からは以上でございます。

【松下座長】  ありがとうございました。ここまで13人の委員の方から御意見を賜りました。加算プログラムについて、廃止という実質を持つ見直しの方向で検討してはどうかという御意見がおおむね大勢であったと思いますけれども、ほかの委員の方はいかがでしょうか。今、挙手をされている方は見当たらないですかね。
 それでは、これもまた先ほどと同じで、もし御意見があれば必要に応じて戻ることも可能ですし、それから冒頭申し上げましたが、会議終了後に事務局宛てにメールを送っていただければ議事録への反映も可能ですので、これから後の意見表明は適宜、今申し上げた形でしていただくことにして、議題の3に進んでよろしいでしょうか。
 それでは、議題の2については、取りあえず以上とさせていただいて、続いて議題の3、地方の法科大学院と法曹の地方定着についてです。
 前回の本委員会においても、地方の法科大学院と法曹の地方定着について、委員の皆様方から活発な御議論、御意見をいただきました。
 本日は、前回の議論を踏まえて、本委員会における意見のまとめと論点案が示されておりますので、事務局より資料の3-1及び3-2について御説明をいただいた後、質疑の時間を設けたいと思います。それでは、事務局から資料について御説明をお願いいたします。

【遠藤室長】  ありがとうございます。今御紹介をいただきましたとおり、この地方の関係のお話については、資料の3-1と3-2という構造とさせていただいてございます。
 3-1の方は、まさにこれまで各委員の皆様方に御提案や御指摘をいただいたような内容について、全て盛り込むような形で整理をさせていただいているものでございます。
 具体的に申し上げますと、3-1でございますけれども、1ポツのこれまでの政府方針等については割愛をさせていただきますけれども、通し番号81の2ポツ、これまでの意見のまとめというところですね。81ページでありますけれども、こちらの方を法科大学院に入る前の入り口の段階の面という形で整理をさせていただいたようなものであるとか、さらには(2)「入口」と「出口」をつなぐ法科大学院の教育、法科大学院教育の中でどういうことができるかというところの論点を幾つか挙げさせていただいているのと、最後に(3)法科大学院の「出口」側についてということで、これも従来からの整理であるんですけれども、様々な委員の皆様の御指摘を踏まえまして、それをがっとまとめたというのが3-1でございます。
 一方で、資料の3-2でありますけれども、この地方の論点のお話は、もう先生方も重々御承知のとおり、本当に幅広い論点を含むものでありますし、様々なプレーヤーが出てくるというところですし、政策的にも、どういう射程を持って取り組むべきか、どこにプライオリティーを置いてやるべきかということも、非常に多様にあるものでありますので、我々法科大学院等特別委員会でありますので、よりフォーカスを定めて、論点をちょっと整理させていただいて御審議を深めていただくのがよいのではないかなということで、この3-2をまとめたというものでございます。
 こちらの方を重点的に御紹介をさせていただこうと思いますけれども、まず1ポツのところでありますが、地方を考える上での法科大学院の「入口」の面でありますけれども、法曹コースから法科大学院の入学者選抜に係る検討というところでございます。
 実際の入学者選抜の課題の有無等々も検討した上で、質の確保を前提とした対応、何かしら取れないかというところでありますので、先ほどの資料の3-1との関係の方、対応関係も記載をさせていただいてございます。
 続きまして、地方大学枠のところでありますけれども、これも全国で6大学、6の法科大学院が実際に対応をつくっていただいておりますけれども、この実際の運用状況等もしっかり見て調査していくべきではないかということを書かせていただきました。
 さらに、法科大学院間の連携の強化ということで、連携を実際にしていただく上で、ボトルネックとなり得るような法令上の規定等々がないのかどうなのかといったところを検討してはどうかというところでございます。
 これは当然ながら、法科大学院間でウィン・ウィンの関係になるようにという方向性で、ぜひ議論いただくのがいいかなと。何か一方通行で支援してあげるではなくて、どうやったらウィン・ウィンの関係を築いていけるかというところに知恵を出していきたいというものであります。
 さらにその次のページでありますけれども、これは本日の議論の中でもございました、実践的な教育について、その早期化を含めた時期と内容の最適化、どういうふうにあるべきかというところであります。
 非常に法科大学院における教育、その時間的なところ、タイトになっているという御指摘も今お話がありました。一方で実践的な教育については、やはり法律の基礎的な理論的なところをちゃんと学んだ上でやることで教育効果がしっかりと高められるという御指摘も一方であることは重々承知をしているところでありますので、どういった形でこの実践的な教育を実現可能性も含めて検討していくことが適切かというところが論点ではないかと考えてございます。
 さらに3つ目でありますけれども、その出口面のところでありますけれども、法科大学院の学生さんたちが実際に修了した上で進路を把握していくこと、これは法科大学院のみの努力ではなかなか情報収集は難しいようなところもあろうかと思いますので、ここは司法研修所の皆様も協力も頂戴をいたしながら、しっかりとその情報の収集を進めていくことが必要ではないかということを挙げさせていただいてございます。
 なお、この後の今回の地方の話になりますけれども、若干この法科大学院特委の射程を外れるかもしれませんが、就職をする段階のみにこだわることもなかなかどうかなという論点もあろうかと思います。
 すなわち、1回目は都市部の大きな例えば事務所等でしっかりと自分の経験を積んだ上で、ある程度、数年たった上で、また自分自身と縁のあるところとか、生まれ育った地域にあるところというところで、より活躍していただくというキャリアパスというのも、より現実には考えられる論点だろうというふうには思いますので、若干、法科大学院という射程からは外れるかもしれませんけれども、より現実的な偏在の対応策ということで、こういったこともあるのではないかというのも申し添えたいなと思ってございます。
 最後に地方の法科大学院が置かれている状況についてということで、地方にあるそれぞれの法科大学院において、必要な教育の充実を図るためにも何かしら考えられないかということで、制度改正も視野に入れて検討を進めてはどうかということで挙げさせていただいているものでございます。
 こういったように、主に教育関係で論点を絞らせていただきながら御審議いただけるとありがたく考えているところです。
 事務局からは以上でございます。ありがとうございます。

【松下座長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの資料の3-1及び3-2についての説明に関しまして、御質問あるいは御所感等があればお願いいたします。繰り返しで恐縮ですけれども、御発言の際には1回当たり上限2~3分程度を目安にお願いできればと存じます。
 それでは、どなたからでも、どの点についてでも、御発言をお願いいたします。
 それでは、神渡委員、お願いいたします。

【神渡委員】  神渡でございます。資料3-1、3-2について、先日の意見も取り入れていただいてありがとうございました。
 その上での意見になりますが、論点整理の資料3-2の3、通し番号86ページの法科大学院の出口のところに関して、私どもの方で提出させていただいた通し番号55ページの資料11、これは法学部生のアンケートで予備試験の受験理由について尋ねたものなんですけれども、予備試験を受ける理由として大きなもののうちの一つとして、予備試験に合格した方が就職等の面で有利であると考えているからという意見が3割近くあるという状況になっております。また、それに比べると、少ないものではありますが、法曹等になるためには必ずしも法科大学院で学ぶ必要はないと考えているからという意見もございます。さらに、司法試験の合格という意味では、法科大学院で学んだとしても司法試験に合格できるか不安があるからという意見もありました。今回の論点案は、法科大学院の入口面での議論が中心ではありますが、これらは、その先の「出口」の話も見据えて考える必要があると思っております。この「出口」の面では、司法研修所の協力を得て、そのロースクール出身者がどういったところに就職をしている傾向にあるかという分析を行うということは、先ほども意見が出ていましたように、非常に有用な視点だと思っております。ただ、これをロースクールの中だけで評価をするというのではなく、司法試験を受けるもう一つのルートである予備試験と法科大学院の役割・位置づけを区別することによって、よりロースクールの位置づけ、今後のその存在意義・あるべき方向性というところも分かってくると思うところがございますので、やはり法科大学院生ということだけではなくて、予備試験合格者の就職状況がどういう傾向にあるのかということとの対比の視点は重要になってくると思っております。
 そこに、先ほどのリカレントなどのお話も各委員からございましたけれども、やはりロースクールの今後の活路といった、教育の意味というところが、こうしたところのKPIからも表れてくると思いますので、こうした分析が必要になってくると思っております。以上です。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは、田村智幸委員、お願いいたします。

【田村(智)委員】  札幌の田村智幸です。今回、法曹の地方への定着に向けて、地方関係について、これまでの意見のまとめ、そして、論点整理、という表題で、事務局に整理をいただきました。ありがとうございます。
 入り口面、出口面と、それぞれ論点整理をいただいたことに加えて、新たに入り口と出口をつなぐ法科大学院等の教育という中項目を立てていただき、ロースクールの強みを生かした連携の強化などの小項目が新しく書き加えられているということについて、私は非常に評価できる整理の仕方だと思います。
 それで、この入り口と出口をまさにつなぐ法科大学院の教育ということについて、その後半の3-2の論点整理の中で、例えば地方を考える上での法科大学院等での実践的教育、当該実践的教育の早期化を含めた時期と内容の最適化、一つには、例えば模擬裁判ですとか、あるいはエクスターンシップ、そういったものを学部にさらに下ろしていくというようなことが考えられるというふうに思いますし、教育面はもちろんなんですけれども、地域でのいろいろ様々に行われている取組と、法科大学院自体がしっかりと連携をしていくということが大事なことなのではないかなと思っています。
 今回引用はなくなりましたが、「知の総和」答申の中にある地域構想推進プラットフォームのような提案、もちろんこれは地方の4年生大学というサイズでの規模の適正化を考える中で提案されている論点ですので、これをそのまま法科大学院のような全国でも34校のサイズに適用するのは、これは難しいのかもしれません。
 しかし、そうであっても、組織体である法科大学院が地方の弁護士会や法テラス、こういったところと一緒にハブとなって、自治体あるいは地方の起業家団体、いろいろな諸機関との間で、地域の現状をしっかり確認しながら将来を構想していく。
 具体的には私のような地方では、自らその法的な援助を求めるのが難しい高齢者、障害者という方がたくさんいらっしゃいます。そういった人たちに、いろいろな福祉関係者の方々と連携しながら、アウトリーチ型で行われている、は10年以上前から行われている司法ソーシャルワークの活動があります。そうした課題や取組に興味や強い関心を示してくれている、地方の首長さんも相当数いらっしゃいます。そういった方たちとも連携のネットワークをつくっていく、そういった組織的な取組を構想し、地方における法曹の定着ということを頭にしっかりと描きながら活動していくということが、やはり社会の大きな理解を得るために必要なことなのではないかなと思います。そういった先に、先ほど1つ前の議題で笠井委員からプラスサムの話がありましたけれども、予算面での支援もいただけるのではないかなと思っています。
 1つ前の議論の中で、松井委員から社会課題の解決のために取り組んでいる法科大学院があるとのご紹介がありましたが、同様に地方との関わりの中で、いろいろな社会課題の検討ができると思います。久保野委員からはロースクール卒業生の層が厚くなっているというお話がありました。そういったOB組織的なものをしっかりと生かしていくということも必要である。1つ前の議論を聞いていて思っていました。
 それから、ちょっと長くなりますが、もう一つだけ。資料3-2で、これからの論点整理がされていて、まさにEBPMのP、政策につなげていくための各論の整理と理解できるところでありますが、その中で、地方大学枠のことが取り上げられています。
 文科省において、全国にある6校の取組状況を調べていただきたいところでありますが、地域大学枠と聞きますと、医学部の地域枠のことを当然ですが連想するところでもあります。奨学金の付与を条件として、一定の期間、地域で活動する、従事することに結びつけていく、あるいは一般選抜とは異なる枠を設ける、などいろいろなことが今後の検討でも考えられていくと思いますし、このことは私も国が間接的に関与していただいて拡大すべき政策ではあると思うんですが、その際に医学部のサイズと法科大学院のサイズでは、地域の広がりや規模の面で相当違いがある点に留意する必要があることも当然です。そのときに、いずれにしても市民と結びついた法曹の活動は、医療と同様、地方ではエッセンシャルワーカーとして働いている側面があるということを関係者の間に理解をしていただくことが、いろいろな取組を進めていく上でのポイントになるのではないかなと思っております。以上でございます。ありがとうございました。

【松下座長】  ありがとうございました。今の御発言を伺っていて、司法制度改革審議会の意見書における社会生活上の医師という言葉を思い出しました。
 ほかの委員の方いらっしゃいますでしょうか。宍戸委員、お願いいたします。

【宍戸委員】  少し御発言が途切れるようなので、私からもちょっと思いつき的なことを申し上げますが、まず事務局に論点整理をいただいたのは、適切な整理かなと思います。これから議論を深掘りしていくということかと思います。
 入り口の部分で申しますと、先ほど国民生活上の医師、あるいはエッセンシャルワーカーとしての地域における法曹の役割ということで、非常に重要なお話があったと思います。
 これは先ほどの法学教育全体も含めてということにも関わりますけれども、法律家の役割について、初等中等教育段階においても法教育などの既存の取組がありますけれども、それ以上に専門的な職業、キャリア教育の一環として、そういった姿を見せていくということは非常に重要なことではないかと思います。やや話が拡散するようなところがございますけれども、この点はぜひ文科省様の中で、局等をまたいで御検討いただくに値する論点ではないかと思っております。
 それから2点目に、地域に定着する法律家を育てる、偏在を防ぐということを考えたときに、法科大学院段階で地域、地方の中で、地産地消みたいな話ですが、とどまっていくような世界の話と、これもお話ありましたように、1回大都市圏に出てきて教育を受ける、あるいは法曹としてのスタートをした上で地域に帰っていく、あるいは新たな地域に展開していくという2つのルートがあり、そこについて深掘りしていくことが必要ではないかと思います。
 その上で前段について申し上げますと、よく私、この法曹要請とはまた別に、国、地方制度の議論に関わるというか巻き添えにされることも多いのですが、そのときに一つある論点として「人口のダム」という議論がございます。
 例えば、ある県ではなかなか働き口が少ないのだけれども、そのブロックの中心になる都市において活躍する、あるいはそこで働くといったことがあるわけですね。似たようなことが法科大学院においても、やはり現実にあるんだろうと思います。
 我が県には国公私立含めて法科大学院がないとか、あるいは入る枠が少ないけれども、では一気に、そこで東京あるいは関西等に出てくるかというと、そこまで行くのは御家庭の事情等も含めて遠いといったときに、そのブロックの代表的な大学の法科大学院への進学を目指すということは、これまでも現状あったと思います。
 そうであるとしますと、今のような、ブロック単位で、この法科大学院はその地域の法曹を育てるという意味で非常に重要な機能を果たしているといったところが手を挙げていただいて、それに対して先ほどの支援を考える。そして、そのブロックの基幹的な法科大学院の教育を受けて、またその地域に帰っていくといったルートを、全体として考えていくということも必要ではないかと思っております。
 それから、大都市部に出てきて教育を受けて、その地域に帰っていく、あるいは新たな地域に旅立っていくという法曹は、ずっと私、東京ですが、法科大学院で教えた教え子の中にも相当数、実はおります。
 その観点から申しますと、ぜひ弁護士会の方々にも御協力をいただいて、地域で現在働いておられる法科大学院出身あるいは予備試験出身の弁護士の方々などが、言わば戻ってきた方という方がいるのか、なぜ戻ってきたのか。それは法科大学院等の教育の中で何か気になるようなことがあったのか、あるいは修習が契機なのか等について少しファクトを集めていただき、それをこの場の議論の参考にするということも重要ではないかなと思ったところです。私から以上でございます。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、中川委員、お願いいたします。

【中川委員】  中川です。この地方問題は、今回の資料で整理していただいたように、入り口問題と、それから出口問題、大きく2つに分かれると思います。私、今日発言したいのは、この2つのどこまでが我々法科大学院のミッションなのかというところです。
入り口問題の方は、これは明らかに我々のミッションだと思います。入り口というのは、法科大学院が地方にほとんどなくなっている状態ですので、法科大学院のない地域にいる学生たちをどのように、都市部の法科大学院に繋げるか、ないしは法学部レベルで協力するかです。法科大学院がない地域の学生に対する法律教育の機会をいかに確保するかは、これは大学としての使命だと思います。入り口の方は私は議論するべきだと思います。
 他方、出口の方です。私はこれも法科大学院のミッションだと思ってきました。つまり地方に弁護士として就職する人が少ないということに対して、どのように法科大学院としてサポートするかは我々のミッションだと思ってきたんです。しかしつい先週ですかね、法曹人口に関するシンポジウムに久しぶりに、ちょっと何かしゃべれと言われて出ていったんですけれども、そこで聞くと、やはり地方の弁護士によっては、人口減の日本においてこれ以上弁護士を増やしてどうするのかという声があるという話を聞きました。過当競争になると、これまでやってきたような人権ないしは困った人を助けるという余裕のある業務ができなくなるという、そういう危機感からだろうと思いますけれども、地方において弁護士がそんなに増えてもらうと困るという声は非常に大きいらしい。したがって、法曹人口を減らせ、合格者を減らせって、そういう主張になるわけなんですけれども。
 そうであれば、別に法科大学院として地方に定着させるなんていうこと、する必要ないのではないか、なぜ私たちがしゃしゃり出なければいけないのかと、そういうふうに素朴な疑問を抱いたんですね。ちょっと厳しいことを申し上げるようですが。
 もしそれが地方の現実、特に弁護士の目から見ての現実なのであれば、現在のように、たまに新人が入ってくるという現状で、むしろ十分なのではないかと。
 つまり、入り口は我々のミッションだけれども、出口については、それはもう学生の自由といいますか、各地方の弁護士会で、自分たちが欲しいというところは手を挙げていただいて、そこの法科大学院と組むということだけでよいのではないか。全国的に地方で足りなくて困っているんだという風な声があるかのような前提で、法科大学院の全体のミッションであるというふうにやってしまうと、現実と合わなくなるかもしれません。
 恐らく弁護士の中で大きく意見が分かれているんだと思いますけれども、少しその辺りを確認した上で、どこまで私たちが負担を負うべきかを議論した方がいいのではないかなと思っております。私からは以上でございます。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは、富所委員、お願いいたします。

【富所委員】  今回、論点整理、どうもありがとうございました。遠藤室長から冒頭お話がありましたように、多分ここだけの議論ではどうにもならない問題だと思っておりますので、その中で、私たちとしては、「できることをやる」ということになるのだと思っています。
 先ほど田村委員から御指摘がありましたように、法科大学院が地域のハブになるというのは、これは重要だと思います。行政ですとか、それから弁護士会とかと連携をしまして、地域のニーズをくみ上げる。
 先ほど中川委員からお話がありましたが、地域偏在を解消してほしいというニーズがない、ということであれば、それはそれでいいわけですので、その辺ニーズが実際はどうなのかというところを、法科大学院にばかり仕事を押しつけて申し訳ないのですが、ハブになっていただく、それは重要な役割かなと思いました。
 もう1点、論点を絞ってと言われながら、ちょっと散漫にさせてしまって大変申し訳ないですが、先ほど遠藤室長から、1回東京で働いた人が地域にまた戻って経験を積んで、というようなケースの御紹介がありました。併せて、やはり我々のような、もう60歳前後の人たちが、子育ても終えて、これからちょっと地方に貢献しようではないかということで地方にどんどん出てもらうというのは全然ありだと思います。そのあたりを弁護士会とか含めて、何かシステムをつくるとか、制度化していってもらえたらいいなと思っております。
 「地方に人がいないから、若い人、後はよろしくね」というのでは、ちょっとそれはさすがに厳しいのではないかと思っています。若い人も頑張っていただいて、もちろん年齢のいった人もまだまだ頑張るという形でやっていくしかないのではないかなと思っております。
 あともう一つ、弁護士の話でいうと、恐らく一番地域で困っているのは、当番弁護士が回せなくなるという部分だと思うんですね。これはなかなか難しいところです。司法のデジタル化は民事先行で進んでいますけれども、これから刑事の方にもいろいろ入ってくるでしょう。当番弁護士の面会がオンラインでいいのかどうかという議論はさておいて、そうした技術革新もいろいろあると思いますので、そういうことも踏まえて、では隣県と協力ができないのかとか、多角的に議論しなければいけない。ここでの議論からは離れてしまいますが、そういうことも含めて考えなければいけないと私は思っています。以上です。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは、笠井委員、お願いいたします。

【笠井委員】  先ほど中川委員がおっしゃったことに関して、ちょっと思ったことを申し上げます。前回、弁護士さんのお話があって、私も似たような観点から、弁護士会とか弁護士自身が地方での弁護士の増加ということについて望んでいるのかという疑問は以前から持っておりましたので、そういう含意もある質問を前回させていただいたところです。
 弁護士の側から言うと、競争は激しくなるというのは当然、やはり自分の生活という意味で問題があるわけで、競争が激しくない方がいいという方は多いと思うのです。
 ただ、それと法科大学院制度を考える上で、地方の法曹はもう少し充実すべきであるという提言をする、そういうふうに考えるというのは、また別の問題ではないかと思っております。というのは、そもそも法科大学院制度自体、それを創った司法制度改革のときに、弁護士の多くは法曹人口を増やすことに基本的には反対だったと私は理解しています。
 そうすると、もうその制度自体が弁護士のニーズには合わないものなのではないかという話にもなってくるところでありまして、そういう意味では、弁護士さんたちの御意見がどうであろうと、いや、政策的には地方に人材が法曹として行った方がいいのだという視点もあるのではないかと思いますので、そういった観点も含めて、ここでは議論ができればと思っております。以上です。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは、松井委員、お願いいたします。

【松井委員】  松井です。よろしくお願いいたします。論点についてまとめていただきありがとうございます。多くの委員の皆様が指摘されているとおり、複層的な問題だと理解をしており、法科大学院として何ができるのかについてまとめていただき、一つ前に議論を進めることができる状況になったのではないかと思います。
 そういった状況を踏まえて、やはりこの問題については、特にファクトベースの議論というものが必要になると考えており、そのときにそのファクト、エビデンスを収集するというときの一つの観点として、プレーヤーの地方にいらっしゃる現在の法曹の皆様の御意見とともにそのサービスの需要者である地方に住んでいらっしゃる方、地方の企業の方、そして地方の自治体の現状を踏まえた検討が必要だと考えております。成功事例を共有するなど、社会課題の解決に向けてどのように一歩踏み出せるかということを前向きに議論する形で進められればと考えております。ありがとうございます。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは、久保野委員、お願いいたします。

【久保野委員】  ありがとうございます。久保野でございます。お取りまとめにつきましては、ありがとうございました。基本的に、よくまとめていただいてありがたいと思っております。
 そして1点だけ、地域で法律家がどういう役割を果たすかということについて、ソーシャルワーカーとしての法律家という言葉に象徴されるような議論が今出ておりますけれども、修了生の弁護士と話す中で、市から委託されているスクールソーシャルワーカーで活躍しているですとか、県の児童相談所と仕事をしているといったことが話題になるということが目に見えて増えているという、経験的なものにすぎませんけれども、そのような印象がございます。
 そのような意味で、既にこの会議でも、もちろん何度もそのような活動があるということは出てきてはいるんですけれども、弁護士の適正な数ですとか、競争環境等の議論をする際に、比較的新しい形での弁護士の活躍の仕方や行政との関係といったものを丁寧に見ていくということは意味があるのではないかという感じを東北大学の経験から持っておりますので、御紹介をさせていただきました。以上です。

【松下座長】  ありがとうございました。
 土井委員、お願いいたします。

【土井委員】  ありがとうございます。地方における新規弁護士が減少している状況、それも司法制度改革で問題になったような、地方の中でもさらに地方と呼ばれるような地域だけではなく、高等裁判所の所在地など中核となる都市においてもそのような状況にあるというのであれば、それは深刻に受け止めて、対策を講じていく必要があると思います。
 そのためには、少なくとも各地域で基幹となる法科大学院が維持、発展することができるように環境整備を行う必要がありますし、先ほど法科大学院の支援の在り方の見直しを議論しましたけれども、その中でも十分対策を考えていく必要があると思います。
 ただ、そのような法科大学院を修了して法曹資格を得た者が地方で働く保証があるかと言われると、それは必ずしも保証できるわけではありません。
 先ほど神渡委員の方から、予備試験を選択する理由として、就職に有利であるという理由を御指摘いただきましたけれども、多くの場合、それは首都圏の大手法律事務所に就職するために有利であることを意味していることからも推察されるところです。
 その意味では、この問題は、やはり法科大学院教育の改善だけでは対応できるわけではなく、地方の法曹の業務の内容や働き方、あるいは先ほど遠藤室長からUターン、Jターンの可能性を御指摘いただきましたけれども、若い法曹が抱くライフステージに合わせたキャリアプランをどうするのか、あるいは地方の経済状況、生活環境も影響しますし、本当に地方で人が足りないということになれば、医師養成でも行われているように、今言ったような問題を踏まえて想定される現実的で適正な法曹人口の問題をどう考えるかという話にもなってきます。このような点を含めて全体として対応を考える必要があると思っています。
 現在、高等学校でも、地域との関係が重要な課題になっています。地域から高校がなくなれば地域の活力が失われるという懸念は痛いほど理解できるのですが、地域に高校があれば人口減少の課題が解決するわけではないということも、はっきりした現実です。
 そう考えますと、法科大学院として、地方で活躍する法曹の育成に向けてできる限りの協力をすべきだとは思いますが、今申し上げたような全体構想に基づいて、法科大学院として行うべき方策を具体的に考えませんと、結局、空回りをするだけになりかねません。
 その意味では、地方の法科大学院や、あるいは法科大学院協会などの協力を得て、法曹関係者と地方公共団体あるいは地域を支えるアクターと全体構想をしっかり検討していただいて、その中で法科大学院制度に関して対応すべき事柄があるということになれば、この特別委員会でしっかり対応していく、そのようにしていくのがよいのではないかと私自身は思います。以上です。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは、北川委員、お願いいたします。

【北川委員】  すみません。北川です。今まで各委員の方がおっしゃったこと、本当に重要なご意見であるとお聞きしていましたが、さらに地方法曹の人口を増やすという課題において、法科大学院が何をすべきかという点については、まず地方の法科大学院、あるいは地方の法学部の法曹コースができるというところの観点と、都市部の法科大学院、法曹コースも含めて、都市部の法科大学院ができるかという観点を分けて整理して議論するのがよいのではないかと思います。
 例えば、地方の法科大学院において特色、魅力のある取組をしているように認証評価などの機会を通じて感じるのは、その地方の弁護士会及び地方自治体等と密接に連携しながら法曹養成に取り組んでいる法科大学院です。そういう法科大学院には、先ほどもお話がありましたように、これから考えていく支援の充実化を考えていくべきであろうと思います。
 これに対して、私の所属する早稲田大学もそうですけれども、都市部の法科大学院は何ができるだろうかという点については、別の検討が必要です。例えば、入試のときに地域枠を設定したりしています。あるいは入試のときに、書面審査等において志望動機書を見ますと、地方出身の受験者だけではなくて、都市部の大学生の中にも将来地方に貢献したいと、地方の法曹が少なくて困っている方々が多くいると聞くので、自分は司法試験受かったら、そういうところで頑張りたいというようなことを表明している者も結構います。少なくとも、入口においては地方法曹への関心を示す学生は少なからずいるように感じるわけです。そして、在学中は、大学の方でも、地方でのエクスターンシップの機会を提供したり、あるいは被災地に出向いて聞き取り調査をして法的ニーズを探るというような取組もしています。こうして、これまでも地方に貢献できる法曹の育成ということをそれなりに考えてきたわけですけれども、では実情はどうなのか、現実の出口はどうなのかというと、結局、司法試験に合格すると、学生は、先ほども出ましたけれども、都市部の大手法律事務所に就職をすることを希望する者が多いというのが現状です。
 予備試験受験者には就職が有利になるから予備試験を受けるというアンケート調査結果もありましたけれども、有利な就職という点で、せっかく地方法曹に興味があったのに実際にそうする合格者は非常に少なく、結局は収入や待遇の面でいいとされている大手法律事務所への就職を考える学生が多く、しかも、都市部の有名な法科大学院や予備試受験の学生に、かなり早い段階から都市部のそういった法律事務所が、インターンであるとか就職活動の一環として声がけをして内定を出しており、こうした状況をみると、地方法曹への道が司法修習に行く前に途切れてしまうという状況もあります。の法科大学院としてはどうしようもない状況ともありますので、広いところで、いろいろと連携しながらやっていただきたいなと思う次第でございます。以上でございます。

【松下座長】  ありがとうございました。
 それでは、たくさんの委員から御意見を頂戴しましたので、議題の3については以上とさせていただきます。
 それでは、次の議題に入りたいと思います。議題の4、「中教審大学分科会における議論について(新たな評価制度)」です。本日、この議題については現状の報告となりますので、質疑応答の時間は設けておりませんが、御了承ください。
 それでは、資料の4-1から4-4までについて事務局から御説明をお願いいたします。

【遠藤室長】  ありがとうございます。今御紹介をいただきましたとおり、認証評価制度に代わる新たな評価に関しまして、特に中央教育審議会大学分科会、この中でも大学院部会というのがございまして、我々は当然プロフェッショナルの方やっておりますけれども、アカデミックな方も含めた大学院全体の制度の検討をしているところで配付された資料で、これで法科大学院に関わるようなところ、これを資料の4-1から4-4ということで今配付をさせていただいているという構造と御理解をいただければ幸いでございます。
 お時間の関係もありますので、資料、大分割愛する形で恐縮でございますけれども、まず資料の4-1で、通し番号92ページを御覧をいただきますと、こちらの方でロースクール協会の方で出していただいている取組、特に認証評価中心となるんですけれども、認証評価の充実の方向性、これは中教審の法科特委でも以前も、令和2年の段階だったと記憶しておりますけれども、御審議をいただいた内容を着実にインプットしていただいてございますので、そちらの方でもちゃんとロースクール協会としての意見が反映された上で審議をいただいていると御理解いただければよろしいかなと考えているところでございます。
 さらに、これ大学院部会2回ありまして、資料の4-3と4-4の方までちょっと飛びたいと思いますけれども、資料の4-3でありますところの128ページのところです。ごめんなさい。マル1のところのバーが切れてしまっていて大変恐縮でありますけれども、こちら新たな評価の中で、特に学生の学修成果というところに着目をして評価をしていこうということが議論の主眼となっていると御理解ください。認証評価の中で様々、教育環境であるとか、財政面とかって、もともと従来いろいろあったと思うんですけれど、特にフォーカスが当たっているのは、この学生の学修成果のところであるということを御認識いただいた上で、特に専門職大学院において、ほかのビジネススクールとか、公共政策とか、公衆衛生とか、いろいろな分野がありますけれども、こういったところで行われている認証評価の中のエッセンスを引っ張ってきたのが、こちらの1枚のスライドだと御認識いただけると幸いでございます。
 整理の仕方として、主な直接評価ということで、1つ目は、これもう完全に授業の成績の評価等をしっかりやっていく。これはロースクール当然やっていることですし、DPを踏まえた修了認定、しっかりこういったところもやっていただくというところ、こういったところが主な直接的な評価となろうと思いますし、さらに間接的な評価という形でいいますと、本日の議論の中でもありましたような修了者の就職や進学の状況はどうなっておるのか、さらには、その修了者からのヒアリングや声がどんなものあるのかということ、さらにはマル4で、在学中の学生からどんなような意見があるのか。これも授業評価とかアンケート調査やっておられると思うんですけれど、こういったところの意見聴取も大事だよねということも引っ張ってきております。
 さらに就職先や関係企業等への意見聴取、これビジネススクールは特に多いですけれども、修了者が実際に働き始めてどういうような評価になっておるのか。それが単純な報酬とかのみならず、今日もソーシャルワーカーみたいな話がありますが、社会的な活躍の状況というのも当然、教育機関として評価する上でもとても大事なことだろうということで、意見聴取を行っているのかどうか。
 こんなようなところが、学修成果に係る評価の基準として、エッセンスを引っ張ってくると、あり得るかなというところでございます。
 これらは分野共通でありまして、それ以外に、例えば今日も議論があったような司法試験の合格率であるとか、何かしらの国家資格の取得率という客観的に見えるようなところ、こういったものも当然大事になるであろうということで、議論をいただく際のたたき台として、まさにこういったものをお示しをしたというところになってございます。
 さらに大学のアカデミックなところも踏まえてというのが資料の4-4というところでありますけれども、ページ数139ページでありますけれども、大学院部会の中で、どういった議論を今後していくべきかということで、総論を書かせていただいてあったりだとか、どういうような評価の目的をやっていくのかとか、今ほど申し上げたような評価の指標についてはどういうふうに取り上げていくべきか。今日も議論がいろいろあったと思います。いろいろな多様な観点で大学や大学院を評価したり、ファンディング考えていくべきではないかという議論もありましたので、まさにその議論をああだこうだ言いながら議論していると御理解いただけるとありがたいなと思いますが、何度も申し上げているとおり、学生に着目して、学生がどういう力を身につけて、それが社会的にどういうプラスの面でのしっかり影響を与えているのかということを教育機関としてもしっかり見ていく必要があるのではないか、ここが大事だということを御理解いただきたく思ってございます。
 その次でありますけれども、データの収集をしっかりやっていこうとか、国際認証を取っておるような大学院さん、もちろんほかの分野でありますが、そういったものがあるとか、評価体制もしっかりつくっていくべきかという話とか、さらに最後に負担軽減とインセンティブについてというところもしっかり議論いただいていて、よりよい評価を受けていたり、よりよい実績を上げているところに対しては当然、負担軽減とインセンティブ、考えていくべきではないかという御審議をいただいているという状況でございます。
 こちら大学院部会の状況について御報告をさせていただきました。
 この大学院部会の議論と並行して、今、笠井先生にも入っていただいているような新たな評価のワーキンググループ、ここは学部段階を中心とした議論でありますけれども、そちらの方の議論も進んでいる状況でありますので、随時こちらの特別委員会の方には、その最新の状況を御報告させていただきたいなと考えている次第です。
 私からの報告は以上でございます。

【松下座長】  ありがとうございました。
 先ほど申し上げたとおり、今日は現状の御報告を伺うということなので、質疑はなしで次の議題に進ませていただきます。予定していた12時、あともう20秒ぐらいですが、すみません、ちょっとだけ延長させてください。申し訳ありません。
 次の議題に入りたいと思います。議題の5、学部・研究科の連続性に配慮した教育課程編成の促進についてです。こちらも現状の報告なので質疑応答の時間は設けません。あらかじめ御了承ください。
 それでは、資料の5について事務局から御説明をお願いいたします。

【遠藤室長】  ありがとうございます。連続性に配慮した教育課程の編成促進についてということでございます。その改正しようとしている内容について、こちらもポイントを絞って御紹介したいと思います。
 ページ、通し番号147ページでございます。大学設置基準等の一部改正に伴いまして、大きく2つの改正を行おうとしているということでございます。
 1つ目の改正が教育課程の、特に3つのポリシーに関するものでございます。図で表しております下の方を御覧いただきますと、当然、今までは学士課程、修士課程、博士の後期課程ということで、それぞれの段階において、AP、CP、DPという形で策定をしておったと思います。しかしながら、やはり修士、博士人材をしっかりと育成していこうと、一気通貫した教育課程の下で人材を育成していこうということで、あくまでも、その一つの単位として、つまり、この右側に書いてあるようなところで、改正によって大学の実情に応じて、このAP、CP、DPを一気通貫したものとして作成することが可能となるように法令の改正を行っていってはどうかというものでございます。
 これが一つの大きな改正で、特に研究者養成をミッションとしておられる大学においては、こういった一気通貫したカリキュラム構成、連続性のある3つのポリシーについて検討していっていただくことも十分あり得るものと考えているところでございます。
 こちらが1つ目の改正でありまして、さらに次のページでありますけれども、2つ目の改正が、連続課程特例認定制度の創設という形で、ちょっと長ったらしい制度でありますけれども、イメージは右の下のところであります。改正後のイメージということで、大臣の認定があったような場合に、特にこのアカデミックな修士の課程のところを想定しておりますが、修士の課程について標準修業年限を、通常は2年でありますけれども、1年にすることができるという制度の改正、大臣の認定があった場合にはということでありますけれども、それが1つ目で、改正であります。
 なお、専門職大学院においては、既に1年の課程を設けることは制度上できるようになっているので、プロフェッショナルというよりアカデミックの方の議論になりますけれども、こういったことを大臣認定でできるようにするとともに、さらにマル2でありますけれども、標準修業年限自体は変わらないんだけれども、学部段階で先取りで単位を履修することによって、学生の在学期間を短くしてあげる、実質的にこれによって5年にしてあげるということが、これも大臣の認定によって可能とするということを法令改正によって実現していきたいなと考えているところでございます。
 当然、アカデミックの方なので、研究に関する指導どうあるべきかとかということで、安易にこれを短くするということは慎重であるべきだという議論がなされているところでありますけれども、もちろん分野や実際の大学の状況によっては1年でしっかりと教育できるということもあろうかと思いますので、こちらの方の検討していっているということでございます。
 実際にこれ法令改正等認められれば公布の日、令和8年3月を予定をしておりますけれども、公布されて施行されていくということを想定しているものでございます。
 こちら以上でございます。ちょっと御紹介をさせていただきました。こういった形で、より時間的、経済的な面を、よりぎゅっと充実させた上でのカリキュラム編成を今考えているということで御承知おきいただきたく思ってございます。
 すみません。報告は以上でございます。

【松下座長】  議題の4と5については現状の御報告ということで、引き続きこの議論の進展を注視したいと思います。
 それでは、すみません、時間を超過してしまいましたが、以上で本日の議事を終了したいと存じます。今後の日程については事務局から追って連絡をしていただきたいと思います。本日は熱心な御審議をどうもありがとうございました。閉会いたします。

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(高等教育局専門教育課専門職大学院室)