法科大学院等特別委員会(第99回)議事録

1.日時

令和2年10月22日(木曜日)15時00分~17時00分

2.議題

  1. 法学未修者教育の充実について
  2. その他

3.議事録

【山本座長】それでは,所定の時刻になりましたので,ただ今より第99回中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会を開催いたします。
本日も新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点からオンラインミーティングという形で開催をさせていただきます。また,本委員会は公開が原則のため,この会議の模様はYouTubeにてライブ配信させていただいておりますので,御承知おきをいただければと思います。
さて,本日の議題は,法学未修者教育の充実についてということです。本日は,初めに酒井委員の方から未修者向け導入講座動画サンプルについて御発表,そして,質疑応答を頂いて,その後,論点ごとの御意見や議論のまとめ方についても御議論を賜ればと思っております。本日も活発な御議論よろしくお願いいたします。
それでは,議論に入る前に,このたび新しく着任された委員につきまして,事務局より御紹介をお願いいたします。

【西川専門職大学院室長】事務局の西川でございます。今月,10月1日付で新たに司法研修所事務局長に就任されました一場康宏事務局長に本日付で本委員会の委員に御就任頂いておりますので,御紹介させていただきます。
なお,新しいお名前の入りました委員名簿につきましては,本日の参考資料1としてお配りさせていただいております。
以上でございます。

【山本座長】それでは,一場委員より一言御挨拶をいただけますでしょうか。

【一場委員】今月より司法研修所事務局長を務めております一場と申します。皆さまどうぞよろしくお願いいたします。

【山本座長】よろしくお願いいたします。
それでは,続きまして,事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

【西川専門職大学院室長】本日は資料といたしまして,議事次第にありますとおり,資料1から3,それから,参考資料としまして,1から4をお配りさせていただいております。
なお,会議の途中に接続不良ですとか,お困りの点がございましたら,開催案内に記載の事務局の連絡先までお電話をいただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

【山本座長】それでは,早速議事に入りたいと思います。
先ほどお話ししましたように,まず本日は初めに,未修者向けの導入講座動画サンプルについてということで,酒井委員より御発表を頂きます。酒井委員には前々回,97回の会合で法科大学院未修者コース改革案を御提示いただき,本委員会でも具体的に議論をしてまいりました。
また,前回の審議において,初学者に対する入門的な講義を動画形式で用意し,法科大学院間で共有することが有効ではないかというような御意見も出ていたかと思います。
それを受けて,本日酒井委員が動画教材作成に関する議論のたたき台になればという趣旨で,このたび動画サンプルを作成されたということですので,その動画の一部も含めまして,法科大学院間で共有できる導入教材の在り方について御発表を頂くということでございます。
それでは,酒井委員よろしくお願いいたします。

【酒井委員】それでは,資料1の未修者向け導入講座動画サンプルに関する補足説明に基づきまして説明をさせていただきます。
まず,サンプル動画作成の趣旨なのですけれども,私の方から未修者教育の改善策の一案として,全国の法科大学院生を対象とする動画教材の作成というものを,御提案しておりますところ,具体的なイメージを持って議論を進めることを目的といたしまして,サンプル動画を作成いたしました。
サンプル動画の作成に当たりましては,未修者が法科大学院に入学した時点での導入学習,あるいは入学前の事前学習に役立つ講義というものをテーマといたしました。これは法律の学習経験のない未修者が法科大学院での学習をスムーズに進めるために,導入段階で以下に御紹介する内容を事前に学ぶことが有益であろうというふうに考えたためです。
これまでの議論を踏まえますと,各科目の講義を内容とする動画教材を作成する場合,各法科大学院のカリキュラムですとか,隣接する科目間での調整など,検討しなければならない課題が多数あると認識しているところです。
一方,各科目の講義に本格的に入る前の導入的な講座については,学習初期段階の未修者が法律学を身に付けるために共通して学ぶべき事項に特化をして,各科目の講義に委ねるべき事項には立ち入らない,入り口部分のみ,科目を学ぶ意義を伝える趣旨から取り扱うのみとするという程度で,そのような線引きの上であれば,比較的早期に制作を試みることが可能と考えました。
水泳に例えますと,クロールやバタフライなどの泳法は各科目の講義で学ぶということにして,まずは水に慣れること,バタ足で進むことを体感するというようなことを導入講座の目的としてイメージをいたしまして,各科目への導入をスムーズにするための事前教材という位置付けということで作成をしております。
以上のような観点から,あくまでも委員間でイメージを共有するためのたたき台という位置付けでサンプル動画の作成を試みております。粗々な箇所も多々ございますが,御容赦いただければと思います。
なお,サンプル動画の制作に当たりましては,複数の研究者教員,そして,実務家教員経験者の御協力を頂くとともに,未修者向け導入講座などを設けている法科大学院のうち,5校程度から資料提供を受けまして参考にさせていただきました。特に,委員の山野目先生からは多大な御指導,御助言を賜りましたので,感謝申し上げるとともに,御紹介をさせていただきます。
次に,縦2の導入講座の目標としては,未修者に以下のポイントを習得・実感させることを目指すことを掲げたいと思います。サンプル動画に依拠して,民事系科目を基礎として御説明をいたしますが,下記の①ないし③は,民事系に限らず全科目に共通する要素として位置付けるという趣旨でございます。
①として,法的思考の流れ。②として条文の読み方。③として,判例・学説を学ぶ意義・判例の基本的な読み方。④として,民事紛争の解決の流れ。⑤として,民事系科目を学ぶ意義といたしました。
次に,縦3の導入講座の構成についての御説明に入ります。サンプル動画の制作に当たりましては,未修者が具体的なイメージを持ちやすいように,事例問題を出題することを前提とした全4回の講座を想定いたしました。シンプルな売買の事例を基礎に講義を展開していく形式になります。
まず,第1回講義としては「事例問題を考えてみよう(実体法を中心に)」というテーマといたしました。
問題1としては,「XはYに対し,どのような請求ができるか。法的根拠を示して論じなさい」というシンプルな出題になります。この設問では,まず生の請求,感覚的な部分から,それを実体法上の請求に引き直すプロセスの中で条文の意義を確認するということを掲げました。
また次に,条文から規範を抽出して,事実の当てはめを行う思考の流れを確認するという点も含めております。
それでは,動画の該当箇所を若干流させていただきたいと思います。事務局お願いします。

<動画視聴>

【酒井委員】ありがとうございました。
以上のとおり,事案の解決のために情報を探すことをスタート地点といたしまして,もっとシンプルに法的三段論法をなぞってみるという内容を目指しました。改めて見ますと,更に工夫の点があるなと,今の時点でも思うところですが,このような内容を流させていただきました。
次に,問題2では「Xの請求に対し,Yはどのような反論ができるか」といたしました。この設問では,反対当事者の反論を想定することで,二当事者対立構造の中でそれぞれの当事者のサイドに立って主張を戦わせるという感覚を体験させることを目指しました。また,(1)で確認した法的思考を反復することも内容としています。
法律的な争点を含む反論内容とはなっていますが,実体法で学ぶべき詳細に立ち入ることを想定しておりませんで,本件では錯誤の論点から判例学説を学ぶ意義につなげていくということを想定しています。
この点については反省点もございまして,錯誤を論点といたしましたが,ちょうど改正により整理されたところかと思いますので,法解釈の入り口を学ぶに当たって,より適切な論点もあり得るかなというふうに考えるところです。
次に,導入講座第2回としては「事例問題を考えてみよう(手続法を中心に)」という回にいたしました。
第1回で扱った事案を基に手続法の入門を内容としています。具体的には以下の内容を想定しています。まずはXから依頼を受けた弁護士としてどのような解決方針を立てるか検討するというテーマを取り上げました。具体的には,実際の事件解決をイメージすることで,実務における訴訟の位置付け,また,訴訟以外の紛争解決手段があるということを知る。また,保全・執行などの訴訟前後の手続にもごく簡単に触れて,実務をイメージした上で手続法の学習に臨めるようにするということを内容としております。
この箇所についてはサンプル動画を作成しておりますので,該当部分を流していただきます。事務局,お願いします。

<動画視聴>

【酒井委員】ありがとうございます。
第2回では,この他にも民事訴訟手続の具体的な流れを確認することですとか,弁護士が訴訟手続の中で実体法上の主張をどのように展開するのかといった点ですとか,基本的な概念の確認についても内容とすることを想定しております。
また最後に,手続法を学ぶ意義でまとめるという構成を考えました。
条文の読み方をテーマとして,第1回の事例に即し,まずは基本的な条文の探し方,読み方についての講義を行って,さらに,条文の構造,条文に使用される用語の正確な要項など,条文を緻密に読むために必要となる基本事項を整理するという構想を考えました。
最後に第4回として「判例・学説を学ぶ意義」として,また第1回の事例に即しまして,まずは条文だけでは問題を解決できないとき,その条文の言葉,文言を解釈する必要があること。解釈に当たっての判例・学説の位置付け,これらを学ぶ意義を講義することを内容とし,さらに,判例の構成,これはどのような順序で何が書かれているのかという点や,事案と判例との比較の観点,これは判例の射程に関する入り口部分を想定しておりますが,これを学ぶという構成を考えました。
導入講座の内容説明は以上となります。
最後に縦4として,幾つか補足をさせていただきたいのですけれども,サンプル動画の作成に当たりましては,便宜上民事系の事案を素材といたしましたが,未修者の全体的な学習をスムーズにする観点からは,同種の導入講座を刑事系・公法系についても制作することが有益と考えております。特に,各科目を学ぶモチベーションを保つということが,未修者が長期間にわたって学習を継続していくために必須であろうと思いますので,科目横断的に法曹実務家,あるいは有資格者としてのビジョンにつながるような形で,その科目を学ぶ意義を教示していくことが重要と考えます。
法科大学院によっては,既に類似の導入科目を設置していて,特に,このような補助教材を必要としないというところも当然あろうかと思いますが,未修者の合格率が低迷し続けている現状を見ますと,このような補助教材の活用が期待される法科大学院があるという現状は否定できないものと考えるところです。
このような補助教材を必要とする未修者に向けて有益な講義を配信して,未修者全体の学力向上をサポートすることは今,未修者コースで学ぶ学生にとって大きな一助になるのではないかと考えるところです。
また,動画教材等のコンテンツが配信されることによって,法科大学院全体が未修者教育の改善に真摯(しんし)に取り組んでいるということを示し,潜在的な未修コース志願者に対するポジティブなメッセージ発信につなげるという副次的な効果も期待したいところと考えております。
最後に,導入講座の制作に際して,複数の研究者,実務家教員の方から導入講座を実施する過程での予習課題ですとか復習課題の出し方についても,併せて検討すべきであろうという御意見を頂いたことを御紹介しておきます。
サンプル動画の補足説明は以上となります。議論を進める一助となりましたら大変幸いに思います。ありがとうございました。

【山本座長】酒井委員ありがとうございました。
それでは,ただ今の発表につきまして,質疑,あるいは意見交換に入りたいと思います。なお,発言を希望される委員につきましては,前回同様ですけれども,「手を挙げる」の機能を使って挙手をしてください。万が一,この「手を挙げる」機能がうまく機能しない場合には,ミュートを解除して直接お声掛けを頂いて構いません。画面上で手を挙げていただいても,人数が多いものですから,私自身ちょっと視認できるか,目で確認できませんので,そのような形でお願いしたいと思います。
それから,御発言に当たりましては,聞き取りやすいようにはっきり御発言いただく。発言の都度,お名前をおっしゃっていただく。発言時以外はマイクをミュートにしていただく。資料参照の際は,その資料番号やページ番号等,分かりやすくお示しいただく等の御配慮をお願いしたいと思います。
それから,マイクが入っていない場合は,こちらからお声掛けをしますので,発言の際に聞こえているかどうかということを御確認いただく必要はありません。
それから,Webexの「手を下ろす」という操作は御本人だけが可能だということでありますので,恐縮ですけれども,発言を終えられた委員におかれては,「手を下ろす」の操作を行っていただくよう御協力をお願いいたします。
それでは,どなたからでも結構ですので,御発言をいただければと思います。
それでは,大貫委員お願いします。

【大貫委員】中央大学の大貫でございます。
まず,御礼申し上げます。御自身が法科大学院で未修者として学ばれた経験を生かして,大変お忙しい中,相当な時間をかけられてサンプル動画を作成されたことに心から敬意を表したいと思います。
このビデオ講義は,初学者をうまく導くにはどうすればよいかを真剣に考え,民法の分野で単純な事例を素材として,どのように思考し,どのように法的な主張を導くか。法的主張の実現はどうされるかを,手順を踏んで分かりやすく解説をされております。初心者のための導入講義として優れたものだと思います。
実は,このサンプル動画を作ったらいいのではないかということは,打ち明けて言いますと,私が言い出しっぺの一人でございますので,なぜそのように提案したかということを,理由をまずお話ししたいと思います。
動画も使って未修者教育を行おうという構想が,本委員会でも主張されております。私も申し上げています。この構想には,積極・慎重,いろいろな意見があると思います。しかし,賛成する人の間で議論をしても,動画のイメージが異なることに驚かされることがあります。賛成するにしろ,反対するにしろ,動画に関するイメージをできるだけ共有した上で議論するのが適切ではないかと思った次第です。これが理由でございます。
さて,サンプル動画は,しかも,サンプルであり,試みです。これは完成系ではございません。これを大きな基礎として動画の内容がこのようにできる。こうすれば更に良い。こういう使い方をすればもっと良いというような前向きな議論ができればいいと思っております。
このような前提で,幾つか感想を申し述べさせてください。
法学者で教育資料については深く研究している私の友人の教えによって知ったことで,まだ聞きかじりではあるのですが,教育学では「スモールステップの原則」というものが存在いたします。特に,初学者を対象とするときは,最終的な到達目標を分析して,要素に分解し,それらの要素を段階付けた上で低いレベルの要素から徐々に達成させていき,それらを積み重ねて最終的な目標に到達できるようにするのが良いと言われているそうです。
酒井先生の動画はその点を意識されているというふうに理解します。難しい言葉をかみ砕いて,本当に初心者を前提にした説明にすべきなのだろうと思います。
また,動画はスモールステップの原則に従い,最終目標を明示されているように思います。例えば,実体法を学ぶ意義を理解するなどです。この点は重要だろうと思います。学習者が動画を利用して学習した後で,どのような状態になることが期待されているのか明示しておくことが必要だと思います。
最後3点目ですが,酒井先生の動画はいろいろな使い方ができるような気がいたします。この動画をリアル講義の補助教材として使うこともあり得ると思います。その場合は学生の負担を考えて,動画視聴の前の予習は要らないようにすべきなのだろうと思います。その意味でも,動画はスモールステップの原則を徹底し,準備なく視聴できるものとすべきであります。復習に関しても,学生に大きな負担を課せられませんので,確認・質問は課せられませんが,確認・質問のようなものはあってもよいと思います。その質問への回答は別途オンラインで行ったり,リアル講義の中で行ったりすることが考えられるだろうと思います。
他方,意見等の反転授業の動画講義として利用することもできると思います。この場合,動画視聴後のリアル講義との連動,学習定着をどうするかをしっかりと作り込まなくてはいけません。反転授業の際に,動画視聴後のリアル講義による知識の定着のさせ方の方が重要かもしれません。酒井先生がプレゼンの中で,予習・復習を意識した講義作りをしなければならないと指摘を受けたというふうに御紹介されましたが,それはこのような意味でもあろうかと思います。
反転授業の教材として動画を作成するのであれば,当該動画を使用希望のある法科大学院へ共有するというよりは,個々の講義担当者が自ら使用するものとして作成されることが基本となるように思います。そうした場合でも,反転授業のため,複数の講義の動画が共有され,複数の法科大学院で使用される可能性はあると思います。
最後に,酒井先生がサンプル動画を作成してくださったことにより,未修者教育だけにとどまらないであろう教育の仕方に関する意見交換ができることが何よりすばらしいことだと思います。授業動画を作成し共有することは,正に全国的なFDの機会を提供することでもあろうと私は思っています。
最後にと申し上げておきながら,あと30秒だけ時間を頂きたいのですが,私の友人で教育学にも非常に詳しい人間が情報を提供してくれたので,それをちょっと,せっかくですので申し上げたいと思います。
初学者導入講義という点では,既に刑事法の分野で國學院大学の中川孝博教授は7年以上前から初学者向けスモールステップのコンセプトの授業を行っておられます。そこでの考え方や授業作りの様子は,『法学部は甦る!上』という本に非常に詳しくされています。また,中川教授のホームページでは,実際に反転授業で使用されているビデオ講義も視聴できるというふうになっています。
また,獨協大学の花本広志教授もスモールステップの考えに基づいた法的思考を作っておられます。蓄積もありますので,酒井先生の非常に意欲的な試みもありますので,いろんな議論が起こって,動画をどうしたらいいかということが真剣に議論される場となっています。
長くなりましたが,以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
それでは,清原委員お願いいたします。

【清原委員】ありがとうございます。清原です。
酒井先生,本当にサンプル動画を作っていただきましてありがとうございます。しかも,この動画を作るに当たっては,法科大学院の先生だけでなく,実務家の御意見もお聞きになったということで,総合的な視点から作っていただけたことに感謝します。
資料1の1ページ目に,「導入講座の目標」というのが掲げてありまして,そこにまず,「法的思考の流れ」,「条文の読み方」。3番目に「判例・学説を学ぶ意義」,「判例の基本的な読み方」,「民事紛争の解決の流れ」,「民事系科目を学ぶ意義」と,このような流れを意識して導入の動画を作っていただいたわけですが,私も大貫先生と類似した所感を持ちまして,これは,いわゆる講義の導入の途中にこの動画を見ることによって,更に学生の,教授,講師とのやりとりが生まれる素材になっているのではないかなと感じました。
2点目に,もちろん学生がこの動画だけを見て,自分だけで自学・自習する素材としても一定の完成度があるというふうに受け止めました。
3点目に,これは動画のメリットですが,繰り返して利用することができます。ですから,導入となっておりますけれども,学びを続けていく中で,原点に戻って,さて,もう一度売買のことを確認してみようというときにも,さかのぼって確認することができる論理的な構成として編集していただいているのではないかと感じました。
4点目なのですけれども,これは質問なのですが,酒井先生,これを作られた後,この特別委員会で本邦初公開でしょうか。実際に,これをロースクールの学生さんに見ていただいて,プリテストというのでしょうか,感想等を聞かれていらっしゃるでしょうか。サンプル動画ということでありますけれども,これをロースクールの学生さんがどのように受け止められるかということが大変興味深いところです。
特に未修者にとりましては,参考書はいっぱいあるのですけれども,やはり参考書という文献として読むのとはちがう,酒井先生のゆっくりとした語り口で頭の整理をしながら,今回のサンプル動画では理解することができましたので,そういう意味で,法科大学院のロースクールの学生さんにとっての反応というのが一番重要ではないかなと思いました。
最後に5点目なのですが,先ほど,最後に御紹介されましたように,この導入講座の制作に際しては,導入講座を実施する過程での予習課題や復習課題の出し方が必要だということです。
私はなるべく負担は減らしたいという感覚を持っているものですから,少なくとも,予習はなくて,この導入の動画が有益な気持ちで,これからもできる限り,負担減のために動画の積極的な導入があるというふうに制作者の方にも思っていただけたら有り難いなと,これはお願いです。
いずれにしても,本当に私たちの考察のための具体的な動画を作成していただきましたことに心から感謝して,意見と質問とお願いといたします。
以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
それでは,御質問も頂いたようですので,酒井委員からお答えをお願いできますか。

【酒井委員】ロースクール生に実際にプレ視聴のような形で提供しているかという点なのですけれども,実はこの動画が完成いたしましたのが先週の木曜日でして,委員の皆さまに提供させていただいたのが恐らく翌金曜日ということだったかと思います。非常にばたばたのスケジュールでの作成になってしまいましたので,まだ実際のところ,ロースクール生に見てもらうというプロセスまでは踏んでおりません。ただ,御指摘の点は非常にごもっともと思うところで,複数のロースクールの,実際のロースクール生に制作の過程でトライアル的に見てもらって,本当の未修の,導入の学生さんに理解しやすいものになっているかという点は,テストしながら作るということができれば私も理想的と思っております。
ありがとうございました。

【清原委員】ありがとうございます。よろしくお願いします。

【山本座長】ありがとうございました。
それでは,潮見委員お願いいたします。

【潮見委員】酒井先生,どうもありがとうございました。本当に面白く拝見させていただきました。いろいろ言いたいことはあるのですけれども,それは全部置いておいて,3点ぐらい申し上げたいと思います。
1つは,酒井先生がお書きになっている導入講座の目標というところの4点,これについては私も基本的には賛成です。その上で,これをどのように教えるのか,どの順番でどのような内容として教えるのかということについては,私は様々なものがあって良いと思いますし,あり得ると思います。
例えば今回の第1回目のところですが,条文を適用して事案を解決するために簡単なケースを見せて1回目から入っていく,こういうのもあり得ると思いますけれども,本当にそれでいいのかというところについては,別の考え方ももちろんあるのではないかというように思います。
この導入案の1回目の前に,例えば,言ってみたら「法律では,ルールを適用して問題解決するのですよ」とか,「条文見てごらんなさいよ,六法にいろいろ書いていますよ」とか,「条文見たから,条文を覚えたら解決というわけではないですよ」とか,そんなことをしゃべるようなものもあっても良いというようなことになるかもしれません。その辺りは今日の酒井先生がお作りになったビデオ等を参考にしながら,複数の方で御検討をしていただければいいのではないかと。これが1点です。
それから,2点目。これは大貫先生が繰り返しおっしゃったことです。スモールステップ,それはそのとおりなのですけれども,私も未修者をずっと教えているところもありますけれども,何がスモールステップなのかということ自体が実は分からない。他人が作ったものを見たこともありますけれども,民法で「え?」と思うようなこともないわけではありません。そうなりますと,「スモールステップとは何ですか」ということや,「最終的にこの辺りにあなた方は到達しなければいけないのですよ」というところをどのように示すかというところについても,これまたいろいろな角度から,今日のたたき台を参考にしながら考えていく必要があるなと思いました。
3点目は,ビデオを拝見していて思ったのですけれども,導入教育で仮に考えるとして,導入教育を,民法に限りますけれども,どのような目的でやるのかということで,どうも捉え方が大きく2通りぐらいあるのかなと思いました。
1つは,まだロースクールに入っていない方,あるいはロースクールで本格的に学んでいない方に対して「あなた方はロースクールに来たら,法科大学院に来たら,例えば民法でこういうことをこういう観点から学ぶのですよ」というところを導入として示して,言ってみたら,オープンキャンパスにプラスアルファしたようなものですけれども,そういうものをして,導入教育を役立てる,これが1つ。
それからもう1つは,そうじゃなくて,「法科大学院に入ったら,いきなり民法の授業が始まりますから,そのためにはあなた方はこういうことは最低限知っておいてください」というものです。例えば先ほど申し上げましたような,「あなた方は法科大学院に行ったら,法律を適用して,ルールを適用して,問題を処理することになるのですよ」とか,あるいは「六法にはいろいろ憲法とか民法とか,いろいろ載っていますよね」とか,あるいは,条文はあるけれども,さっきも申し上げましたが,暗記したらいいというわけではなくて,酒井先生がおっしゃったように,「条文自体の意味も解釈しなきゃいけないということはありますし,条文に書かれていないルールもありますからね」と。「そういうところでは判例はこういうふうに位置付けられるのですよ」みたいな,正にベーシックなところを導入教育のところでたたき込むというものです。
その上で,法科大学院に入ってきたときに「さあ,民法を勉強しましょう」というところで行くという導入教育のやり方もあると思うのです。
その辺りをどう組み合わせていくのかということも考えながら,あるいは第三の方法もあるかもしれませんが,そういうところからも考えていく必要があるなということを,ビデオを見て感じました。
その意味じゃ,非常に面白かったということです。どうもありがとうございました。

【山本座長】ありがとうございました。
それでは,片山委員お願いいたします。

【片山委員】片山でございます。
まずは,酒井先生,非常に興味深い教材を作成していただきまして本当にありがとうございました。いろいろ御意見は出ておりますので,私の方からは教材作成の担い手という点から若干コメントをさせていただきたいと思います。
オンデマンド教材ですけれども,大貫委員からも御指摘ありましたとおり,大きく2つ分けて,入学後の正規の授業の中で、反転教育の授業の前提としてオンデマンド教材を用いるという場面と,それから,今回ご報告いただいたように入学前の導入教材としてオンデマンド教材を用いるという場面があるかと思います。
入学後の授業に用いるオンデマンド教材というのは,あくまで対面での反転授業の予習として視聴するものですから、やはりその授業を担当する各教員が主体となって,独自性のある教材を作っていく必要があるのだとは思っております。
また,正直なところ,共通教材ということになりますと,ロースクールの教員が他の大学のロースクールの教員が作成した教材を使うというのはなかなかハードルが高いものがございます。例えば,債権総論の教科書でいうと,古いたとえになりますけれども,於保先生の教科書を我妻先生に使えというようなところがあるかとも思いますので,なかなか難しい面はあるかと思います。
ただ,各ロースクール間でいろいろ情報共有をしながら開発を進めるということは,これは非常に重要なことですので,その際,修了者への若手の弁護士の先生方の意見を聞くというのも重要な機会かとは思います。
他方,今日酒井先生の方から御提示いただいた入学前の導入教材に関しては,各ロースクールでの共有が可能かと思いますし,何よりも,学習者の視点という意味では,酒井先生のようなロースクール出身の若手の弁護士の方々がより学習者に近い視点で作成されるという教材は非常に有益なものではないかなと思っております。
若手の先生方が作成したものをロースクール,あるいはロースクールの教員が監修をしたり,サポートをしたりするというような枠組み,そういった枠組みで作成していくことが適当かというふうにも思われます。
また,このような形での教材を若手の弁護士の先生方に作成していただくというのは,補助教員の養成が必要だと言われていますけれども,その人材開発という意味でも非常に有効な手段になるというふうに思いますし,それから,各委員から御指摘いただいたように,やはりPR効果というのは絶大なものだと思っております。
ロースクール出身で,若手弁護士として活躍されている方の話を聞けるというのは入学を予定している者,あるいはこれから入学を考えている者にとって,非常に有益な資料になると考えます。
そういう意味では,単なる講義に合わせて,教科書でいえばコラムに当たるようなものでしょうか,担当者の,酒井委員のキャリアパス,入学前のお仕事、法曹を目指しロースクールに入学した動機,そして,どのような勉強をして,今どうような分野で活躍をしているかいうようなメッセージを是非併せて伝えていただければ,更にロースクールの志願者増にもつながるのではないかと考えた次第です。
以上,私の方からコメントさせていただきました。

【山本座長】ありがとうございます。
それでは,木村委員お願いいたします。

【木村委員】ありがとうございます。拝見してすごく面白いと思いました。どうもありがとうございます。
先生方からお話出ているように,非常に面白いと思うのですけれども,各校でどう使うか。仮にどこかで統一的なものを作ったとして,それを各ロースクールがどう使うかというのはいろんな工夫の仕方があるのかなというふうには思いました。
また,実はもう3プラス2で,かなりの部分,学部の方に落ちてくるというか,下ろしているというような実態もあるので,一番有効な使い方としては,学部時代に見ていただいて,未修の人が見るというのはどうするかというのはいろんな工夫があるかもしれませんけれども,マッチングですね。入って,こんなところだとは思わなかったということがないようにするという意味では,非常に効果的かなと思います。
さらに,今,片山先生がおっしゃったとおりで,酒井委員は正に未修者として入られて,弁護士になられて活躍されているという理想的なご経歴なので,そういう意味ではアピール効果も高く,いろいろな使い方があると思います。
ただ,その使い方は正に各ロースクールでいろんなやり方があるのかなと思いました。
以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
他にいかがでしょうか。中川委員どうぞ。

【中川委員】神戸大学の中川でございます。
2点なのですが,1つは先ほどから大学ごとにいろいろニーズは違うだろうということがございました。神戸大学の未修者を見ていると,前期,つまり憲法や民法の最初,それから,刑法の最初までは何とかなるのだけれども,後期になって民訴,刑訴,行政法,それから会社法が始まってくると,量も多いということもあるのですが,そこでうまく消化できないということが,しばしば見受けられるように思います。
酒井委員が作っていただいた入門ビデオの「その次」といいますか,つまり「実体法上の主張をもとにこういう請求で訴えを提起しますね」というところまでは分かった,さあ,その次に民法の体系的な授業になると,そこがつながらないとか。訴訟法の授業に入ると,円環構造だといって,私も昔,訴訟法で苦労したことがありますけれども,体系的な話になってそこで理解が難しくなってしまうことがあるようです。
このステップをどううまく踏ませるかの手助けが要るのじゃないかと思います。ご紹介のあったビデオは,むしろLS入学前用だと思うのですけれども,また今お話があったように,学部生にもいいと思うのですが,未修者が苦労しているのはここだけじゃなくて,ここは何とかなっても,その次へのステップで,そこが急に断崖絶壁になっていて,それがなかなかスモールステップに分解されていないというところがあるのかなというふうに思いました。なので,この次の段階に移行するための動画も要るのじゃないかなと思いました。
もう1点は,今回民事で頂いたのですけれども,それ以外の科目はどうかということがあります。私が10年前に未修者の全体の入門授業みたいなことを一時やっていたのですが,民事と刑事と,それから私は行政法が専門なのでそれを加えて,構造は全部一緒なのだということを説明する授業をしました。実体法上の主張がまずあって,それを訴訟に乗っけていくのだという構造をまずしっかり頭に入れてもらって,たとえば,民訴で習ったことを行政訴訟の話と照らし合わせて,何で話が違うのだというふうに考えてほしいというメッセージです。
先生の方は自分の専門ばかり考えているのですけれども,学生の方は全部受けなきゃいけない。そして,民事は民事,刑事は刑事,どうしても学生はばらばらで理解するのですけれども,そこを横につなげて学習した方がよっぽど効率的ですよと思いで,そこをつなげるような授業をやったのです。
ただ,その後の各授業に入ると先生方がつなげてくれないので,これは駄目だと思って私も数年でやめたのですけれども,本当は,法科大学院はそういう横のつながりでどうやって無駄なく教えていくかということも重要だろうと思います。未修者だから,最初の1年目が重要といのはもちろんそうなのですけれども,その後の2年目,3年目も含めて合理的な教育になるようにという,そういう発想で組み立てる必要があるかなと思いました。

【山本座長】ありがとうございました。
髙橋真弓委員お願いします。

【髙橋委員】一橋大学の髙橋でございます。
酒井先生,作成にご尽力を頂きまして誠にありがとうございました。
もう既に各委員の方からも出ておりますけれども,私も若手の弁護士の先生,更にいうならば,直近で未修コースから弁護士になられたような,より若手の先生方からの御意見を反映させるという形で教材を作成するのが一番よいのではないかと思っております。
ユーザー目線といいますか,未修者コースの学生としての立場を経験した方ならではの,当該時点で必要な学習,あるいはあのときこうすれば良かったという知見はやはりあると思いまして,そういったことは教員が気付かないというところも大いにあるのではないかと思います。どういったコンテンツを作るかという決定の段階にも,それらの意見の吸い上げを行うのが望ましいのではと思いました。
それから,なかなか研究者教員で対応できないところとして,勉強の仕方のような,いわゆるノウハウの指導があるのではと思っております。こういう点は,一般の各科目の講義の中ではさほど多く触れられませんし,また一つの解があるというものでもないと思いますので,それこそ未修者コースを修了された弁護士の方が御自分の経験談を複数語っていただくというようなコンテンツがあってもよいのでは思いました。
以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
それでは,松下委員お願いいたします。

【松下委員】どうもありがとうございました。東京大学の松下です。
酒井先生には非常に興味深いビデオを作っていただきまして,どうもありがとうございました。私は専門が民訴なんですけれども,第2回を拝見していろいろ思うところがあったわけです。思うところがあった自分を更に振り返ってみると,この種の導入教材の作り方はやっぱり難しいというか,考えなければならないことがあるなと思いました。
自分が専門の分野については,ここはちょっと不正確じゃないかとか,ここをもうちょっと詰めないと本当は全部語ったことにならないと,ビデオを見ている最中はいろいろと思いました。しかし,そう思っている自分を振り返ってみてみると,やはりどういう場合に,少々不正確でも分かりやすさを追求するのか。しかし,不正確な内容がずっと頭に入ったままでは困るので,やはりある程度厳密を追求しなきゃいけないとか,その辺の兼ね合いが多分すごく難しいのだと思うのです。
ただ,こういう教材のいいところは,本と違って1回読んだらおしまいじゃなくて,後のステップで,先ほどの中川委員から「この次」という話が出ましたけれども,後で見るビデオで,例えば「1回目にこういうことを言ったけれども,ほんとはここ不正確でした」と。「より厳密にはこうです」という,後で修正が利くというのがこの種の,逐次教材のいいところだと思うのです。大学の授業でもそうなのですけれども,1回目の授業では導入だから少しアバウトなことを言っておいて,だんだん細かくしていくということはできると思うので,その辺の,スモールステップの中で分かりやすさと厳密さをどう振り分けていくかということを考えなきゃいけないかなというふうに思った次第です。
いずれにしても,そういうことを意識的に考える素材としても,この2回のビデオは非常にいい教材なのではないかと思いました。
以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
いかがですか。よろしいでしょうか。
それでは,改めまして,酒井委員には心より感謝をしたいと思います。
大変な御苦労をお掛けしたと思いますが,おかげさまで非常に議論の触媒として作用して,また,議論の中身も空中戦ではなくて,皆が一定の具体的なイメージを共有できて,地に足の着いた意見交換ができたのではないかと思います。
この後,また今後の議論の進め方というか,まとめ方にも関わってくるところでありますが,この部分の最後として,本日御欠席なのですが,山野目委員,先ほどお名前も出ましたけれども,この件につきまして,メッセージを頂いているということですので,事務局からこれは御紹介をいただけますでしょうか。

【西川専門職大学院室長】本日,残念ながら御欠席ですが,山野目委員からあらかじめメッセージをお預かりしましたので,私から代読をさせていただきたいと思います。
「酒井委員が動画を制作して問題提起をしてくださる試みは,今後,初学者や社会人経験者のみならず,法学既修者のためにも法科大学院教育を新しく展開させるうえで,意義があると考えます。法律家を志す人々の学修の出発点を調え,その人たちのための教育の在り方を再点検し,法学教育が授けることが望まれる事項が適切に見究められることにも資するに違いありません。当委員会をはじめ,各方面において課題を明らかにし,さらなる取り組みが推進されることを望みます。」
以上でございます。

【山本座長】ありがとうございました。
それでは,この第1部の議論についてはこの程度にしたいと思います。恐縮ですけれども,手を挙げたままにされている委員については,手をお下げいただければと思います。
次は,法学未修者教育の充実に関して,これまで当委員会が行ってきた議論を踏まえて,そろそろ取りまとめのことを考えていかなければならない時期に来ております。
そこで,事務局におきまして,まず資料2-1で,論点ごとの御意見ということで,論点ごとの,これまで出していただいた御意見について,順送りな形ですが,おまとめを頂き,それを踏まえて資料2-2で議論のまとめのイメージ(案)ということで,最終的にどういうような形で議論をまとめていくかというイメージを示していただいておりますので,まずこれらの資料について事務局から説明をお願いいたします。

【西川専門職大学院室長】お手元の資料2-1,通しページの5ページを御覧いただきたいと思います。
資料2-1は,第10期の法学未修者教育に関するこれまでの御議論の中で頂いた御意見を7つの論点ごとに整理したものでございます。便宜上,同じ趣旨の御発言につきましては,複数の御意見を1つにまとめるような形で記載させていただいているものもございます。また,これまでの議論におきましては,個別の御意見が複数の論点にまたがってくるケースも少なくありませんでしたので,そうしたものは複数の箇所に掲載しております。
全体の構成を簡単に御説明させていただきますと,まず,5ページの論点1と2につきましては,今期の御議論では,3年を標準とする教育課程という現行制度そのものは維持すべきという結論で基本的に一致したことと承知しておりますので,その旨を記載しております。
次の6ページから8ページにかけての論点3については,法学未修者の多様性に着目した対応方策ということで,入学前の学修支援ですとか,補助教員による学修支援,それから,ICTを活用した法学教育の在り方,また長期履修制度といったくくりによって各御意見を整理させていただいております。
それ以下,論点4については,社会人学生への支援に関して。また,次の論点5につきましては,教育資源の効果的・効率的な活用や大学間での連携ということに関して。その次の論点6は,共通到達度確認試験を活用した厳格な進級判定に関して。そして,最後の論点7は,法学未修者修了生のキャリアパスの多様化ということについて,関連の御意見をそれぞれ整理しております。
本日はこれまでの御議論を振り返りつつ,まずは御自身の御発言を中心に,御発言の趣旨とここでの表現ぶりやまとめ方がずれていないかどうか,また,論点ごとの御意見を網羅的に御覧いただいたときにバランスを欠いている部分がないかどうか,あるいはさらに,ここには書いていないことで,更に付け加えるべき事柄がないかというような観点も含めて,いま一度御確認いただきまして,お気付きの点があれば御指摘いただきたいと思っております。これが大きく1点目でございます。
次に,通しページの14ページ,資料の2-2を御覧いただきたいと思います。こちらは,次回以降,この第10期の議論のまとめをしていく上での文書のまとめ方のイメージ,いわば骨子をお示ししているものでございます。
初めに,今回の前提となります課題の認識としましては,これまでの御議論を踏まえまして大きく3つにまとめられるのではないかというふうに思っております。
こちら記載のとおりでございますけれども,まず,1点目としましては,現状では法学未修者の多様なバックグラウンドに十分配慮した教育が必ずしもなされていないため,法学未修者の1年次教育について,学修者本位の教育の実現という視点から積極的に充実させる必要があるのではないか。
また,2つ目としまして,法学未修者の1年次教育を充実させた上で,2年次から法学既修者と同一課程で学ぶことができるようにするため,法学未修者の法学への適性や将来の司法試験合格可能性も含めて,1年次教育の成果を厳格かつ客観的に評価した上で進級させる必要があるのではないか。
そして最後,3点目ですけれども,法科大学院の修了生が法曹以外でどのようなキャリアを積んでいるか,必ずしも明らかではない一方で,社会における法的ニーズがますます多様化しているということを踏まえて,多様なバックグラウンドを有する修了生が多様なキャリアで活躍できるように積極的に支援をするべきではないかといった,大きく3つの課題にまとめてみております。
そういったことを踏まえまして,次に課題を踏まえた対応策ですけれども,これまで扱ってきました論点の3から7に対応しつつ,各法科大学院やその志願者に対して,またさらには世の中に対する,この法学未修者教育の改革のメッセージとして,以下のような見出しによって整理してはいかがかというふうに考えております。
5点ございまして,1点目が論点3に対応する部分でございますけれども,学修者本位の教育の実現。これは先ほども申し上げましたように,多様な学生,未修者の学生一人一人のニーズに対応する教育という意味合いでございます。
次に2点目が論点4に関連する部分として,社会人学生の生活実態に対応した学修体制,ここでは今回の御議論では特に日中仕事を持っている人が仕事を続けながらであっても学ぶことができる,そういった意味合いでの論点でございます。
3点目は効果的・効率的な学修に向けた法科大学院間の協働ということで,論点5として扱ってきたものでございます。
次に4点目として,共通到達度確認試験の活用による厳格かつ客観的な進級判定,論点6の関係でございます。
最後に5点目としまして,法科大学院修了生のキャリアパスの多様化,論点7の関係でございます。
なお,対応策の取りまとめに当たりましては,取り組むべき優先順位,あるいはスケジュール感,こういったものをできる限り明確に示していく必要があるというふうに考えておりますし,また,それぞれの対応策に誰が取り組むのか,その主語を明確に記載していくことも非常に重要であると考えております。
そして最後のところに,今後のさらなる検討課題と記載しておりますことの意味合いは,今回提案いただく対応策の中には,恐らく実行にある程度の期間を要するものがあるほか,現在のコロナ禍における取り組みの成果も見ながら実施を検討していくべきものなども含まれるというふうに思っております。
従いまして,この法学未修者教育の充実につきましては,例えば次の11期にもまたがって,その取り組みのフォローアップですとか,あるいはさらなる検討を続けていくということがあり得るだろうということを前提に,将来的な課題につきましても,この10期の時点でまずは,方向性は明記をして,着実に中長期にわたって実施していくという姿勢は打ち出していただくということでいかがかというふうに考えているところでございます。
本日は,先ほどの資料の2-1に加えまして,こちら資料2-2のイメージ案につきましても,全体の構成,特に対応策の部分の見出しの表現などの観点から忌憚なき御意見を頂きたいと思っております。本日頂きました御意見は,次回にお示しする予定のまとめの素案の方に反映させていただきたいと考えてございます。
なお,本日はこれらの参考といたしまして,参考資料を幾つかお付けしておりますけれども,1つは参考資料の2としまして,17ページ以降のところですが,法学未修者に関する基礎データを。
また,参考資料の3,22ページのところですけれども,委員の皆様はA3判で御覧いただいていると思いますが,令和2年度入学者選抜における非法学部出身者の人数,これについては,黄色セルの部分以外のところは前回お示しをしておりましたが,今回ここの黄色セル部分の数字を新しく追加いたしましたので,お配りしております。
そして最後,参考資料の4として,これは以前にお示しした資料ですけれども,法学未修者に関するこれまでの議論と関連施策の経緯を添付しておりますので,適宜御参照いただきたいと思います。
私からの御説明は以上でございます。

【山本座長】ありがとうございました。
それでは,意見交換に入りたいと思います。ただ今事務局より説明があったとおりでありますけれども,資料2-1について,もっとこういうことも書いた方がいいのではないかとか,この点はちょっとどうかとか,そういうような御意見,あるいは資料2-2について,この課題のまとめ方,あるいは対応策の柱の立て方,そういったようなこと,何でも結構ですので,御自由に御意見を頂きたいと思います。
どなたからでも結構ですので,お願いいたします。
それでは,土井委員お願いします。

【土井委員】それでは,土井でございますが,私からはこの通しページ9ページの論点4について意見を申し上げたいと思います。
「在職しながら学ぶ学生の皆さんのための教育課程の在り方について検討すべき点」をこのページのところに記していただいています。ただ,この委員会の委員の多くが昼間の教育課程を持つ大学の関係者であることから,必ずしも踏み込んだ議論ができていないのではないかと感じるところがあります。
例えばICTの活用といいましても,昼間の教育課程で学んでいる学生の皆さんに対して利用する場合と,有職者である学生の皆さんに対する教育課程での活用方法は質・量ともに変わってくるように思います。
また,通しページ9ページの下から2つ目の丸のところに「多様な分野の専門知識や経験を有する学生の皆さんについては,基礎法学・隣接科目や展開・先端科目の一部を履修したとみなせるようにすべきではないか」という意見を掲載していただいています。
ただ,参考資料4,通しページ23ページに記載されているのですけれども,平成26年の通知で「法学未修者に対する法律基本科目の指導充実について」というのがありますが,ここで十分な実務経験を有する者については,相当する展開・先端に替えて法律基本科目2から4単位で履修することも可能であると整理したにもかかわらず,実際,このような対応が広がっているようには見えません。
それは一体なぜそうなのか,あるいは実際に有効な措置としてどのようなものが考えられるのかといった点についても,掘り下げて検討する必要があるのだろうと思います。
これからの社会の在り方を考えますと,やはり有職者である学生の皆さんに対する教育課程の在り方は重要な課題になりますので,必要があれば,有職者である学生の皆さんに対する教育に御尽力いただいている法科大学院から話を伺うなどして,その実情を十分把握した上で更に検討を進めるのが良いのではないかと思います。
以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
それでは,清原委員お願いいたします。

【清原委員】ありがとうございます。清原です。
今の土井先生の御指摘された点と重なりまして,私も通しページ9ページ,論点4について申し上げます。
ここは論点4が「有職者が仕事を継続しながら法曹を目指せるよう」というふうに前提がなっておりますけれども,とりわけこの下から2番目の丸の「法律基本科目の学修に専念できるように」というふうに私が発言いたしました背景というのは,必ずしも「有職者が仕事を継続しながら」というだけではなくて,いわゆる昼間,未修者として学んでいる学生に対してもこのような専念すべき状況の配慮が必要ではないかなと考えた意見でございました。
従いまして,一応整理としては,「基礎法学・隣接科目や展開・先端科目の既修得認定」というふうになっておりまして,これはやはり状況として,いわゆる「単位を削減する」というのは極めて難しいことから,積極的に「既修得だと認定する」という提案を集約していただいたものと受け止めました。
いずれにしましても,趣旨は未修者の持っている経験でありますとか,法律以外の分野の知識を尊重し,評価するとともに,できる限り,しかしながら,法律科目について,とりわけ基本科目について集中できる条件整備の中で,単位についても何らかの工夫を示すことが大いなる改革のメッセージになるのではないかなという趣旨でございますので,この辺りにつきましては,「有職者が仕事を継続しながら」という部分について,土井先生が言われたように,内容を深めるとともに,「いわゆる未修者の学生に対する,より良い学習環境の整備のための単位の工夫」という点について,お取り組みを,事務局におかれても進めていただきたいし,私としても何らかの具体的な提言として今回の取りまとめの中で生かしていただくことをお願いしたいと思います。
以上です。ありがとうございます。

【山本座長】ありがとうございました。
他にいかがでしょうか。
それでは,片山委員お願いいたします。

【片山委員】どうもありがとうございます。慶応大学の片山でございます。
私自身は途中からこの委員会に参加しましたので,これまで意見を述べる機会がなかったわけですが,私が参加したタイミングで,ちょうど、オンデマンドの議論が取り上げられていたという点もあると思いますが,オンデマンド教材まずありきという形で議論がなされていることに若干違和感を感じておりました。ただ,こうやってもう一度まとめていただいたものを見ますと,私の意見は通し7ページの上から3番目の丸に関連すると思われます。
未修者教育の在り方について,これまでロースクールは双方向,多方向のソクラテスでやるのだということを前提としながらも,未修者教育というのはやはりまだ十分な知識が備わっていないということもあって,ここ十数年,講義型,講義方式の授業ということが言われてくるようになったのですけれども,今回,コロナ禍の中で,各ロースクールがオンライン対応を努力してやってこられたということを一つの契機としまして,講義形式というスタイル自体を基本的に見直していく必要があるのではないかと考えております。
それはまさしくオンデマンド教材を反転授業の中で用いて,一種の予習のような形で,自宅で視聴させ,授業の本体部分というのは,多方向,双方向といいますか,それよりを更に深めて,今回学修者本位という形でおまとめいただけるということですけれども,まさしくそのとおりでありまして,個々の学生に応じた学修者がどういうふうに学んでいくかということを指導していくという,学修者の学び本位のアクティブラーニングの方式を積極的に未修者教育の中で導入していくという提言をすべきではないかと思っています。
その関連では,やはりガイドラインみたいなものを策定しておく必要があるのではないかと思っています。1つは授業時間の点です。オンデマンドを予習で聞かせるということになりますと,90分のオンデマンドの授業を聞かせて,90分の対面の授業をしていいのかという話になります。やはり他の科目との関係等を考えますと,学生の負担を考慮するならば,それはやはり難しいであろうということです。そうしますと,例えば,オンデマンド部分は60分,それから対面での授業は60分というような形の枠設定を,実態を踏まえた上で検討していく作業が今後必要になってくるのではないかと思います。
それが授業時間ですけれども,それから,授業内容に関しましては,今回の法改正の中で,段階的,体系的な学習ということで,法律基本科目に関しましても,基礎科目と応用科目のカテゴリーで分けるという新しい体系になっております。その点はやっぱりきちんと我々の方で受け止めていく必要があるのではないか思っております。
すなわち基礎科目として何を学ぶべきか。先ほどからスモールスタートの議論がなされておりますけれども,応用科目をその後に受講するを前提に,基礎科目としては,全ての知識を与える必要はなく,重点的な教育を行うべきではないかというのが、内容の問題です。
それから3番目が,大貫委員から先ほどいろんな例が既にあるのだというお話をされていましたが,教育手法です。具体的なアクティブラーニングの手法について,学修者本位での授業がどのような形でできるのかということを議論し合うような場,そういった場を設けることも必要かと思います。
そういう意味で,授業時間,それから,教育内容・教育手法に関する新しい未修者における基礎科目の教育手法について,個別議論し直す,そういう場所を是非設定していただければと思っております。
以上,片山の意見でございました。

【山本座長】ありがとうございました。
それでは,中川委員お願いいたします。

【中川委員】中川です。3点ほど申し上げます。
まず,通しページの6ページの3番目の丸です。私の発言とおぼしき箇所なのですが,ちょっと表現を変えた方がいいのではないかということに気付きました。
1行目です。「法学未修者の入学者選抜の際に,法律の知識を」と書いてあるのですが,知識というよりは,むしろ法律への適応能力とか,法律的な能力とかというべきかと思いました。「適性」と書くと何となく適性試験を思い出すので避けたい気があるのですけれども,要するに,法律論的なものに対してあなたは好きですかということです。何となく法律が好きですではなくて,実際の議論を聞いてみてついていけるかという意味ですので,知識ではない何か他の言葉に変えた方がいいのではないかと思います。これが1点目です。
2点目は,これは未修に限った話じゃなくて,既修にもあてはまるので,今日は不適切かもしれないのですが,通しの7ページの上から2番目の丸です。ここも私の発言しているところだと思うのですが,ICTを使った場合,私が感じているのは,人数制限についてです。法律基本科目は40人以下という制限がありますが,あれはもはや要らないのじゃないかという気がすごくしています。今,その次に書いてある,先ほど片山先生がおっしゃった反転授業の形で授業をやっていますので,そうしますと,別に一クラスに何人いようが全然関係ないという感じがいたします。
むしろ,学生の誰が何を言うかというのは,全ての学年で共有した方がいい。クラスを分けるとこのクラスでは出た発言が,別のクラスでは出ないということになります。それはもちろん共有した方がいいと思いますので,その意味ではICTも使いながら悲愁科目でも全学年共通クラスというのもあっていいのじゃないかなと思います。40人までというのは,昔の対面型での授業のイメージが前提なのですけれども,それがもう崩れているのじゃないかなと思います。上から2番目の丸,3行目です。「対面指導として」というのは,人数制限も含めて様々な自由化といいますか,工夫の余地を認めたほうがよいと思います。ICTでこのようにやっているので,別に40人に限定する必要はないというような説明ができるなら,それを許容していくとよいと思います。
そういう中に,未修者と既修者が一緒になってくるというのは,大きい人数の中でも入っていくというのは,非常に意義があると思います。人数の点も考え直すということを入れたいなというふうに,思っております。
最後は,通しの11ページです。正に先ほどの酒井先生のビデオなのですけれども,あれについての発言,それから,松下先生からも御発言いただきましたけれども,結局,1年目のところで,どの科目ではどこまで教えるのかというところの共通認識といいますか,教え過ぎないといいますか,やっぱりどうしてもいろいろ言いたくなるというのがあるのですけれども,そうじゃなくて,1年目用の各必修科目はここまででいいのですという共有認識をつくる,それを各法科大学院で共有する,あるいは一番最後の丸であれば,プラットフォームの中に入れていくというようなことがあっていいのじゃないかなというふうに思います。
それ以降は各大学で様々だと思うのですけれども,純粋未修者を考えた場合は,どの大学へ入った未修者でもあんまり差はないと思いますので,それに対して過負荷にならないように。本当にこれがその後意味のある項目なのだというところを絞り込んでいくというようなことを,その経験を大学間で共有するのがいいのじゃないかと思います。
議論のまとめのところで,1年次から2年次への進級は「厳格かつ客観的に」と書いてありますけれども,そうであれば,それに見合った,合理的に計算された過負荷でない教育を1年生に対して提供するように,11ページについて各必修科目のいわば標準化,これが必要ではないかというふうに思いました。
以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
引き続き,潮見委員お願いいたします。

【潮見委員】2点申し上げます。
1つは,通しページの7ページです。先ほど片山委員がオンデマンド型の解禁というところについてコメントされましたが,その下のところの対面による教育効果への配慮というところの部分は私が以前に話したところではないかと思いますが,改めてこの部分について検討をお願いしたいと思います。
ここにも書かれていますように,コロナ禍というものがあって,それでICTを活用するという方向に各法科大学院が進みました。そうした中で,これは前に申し上げたかと思いますけれども,もちろん既修者もそうなのですけれども,未修者の学生から,が特に学生同士の間での横の交流の機会がない,あるいは制約されてしまっている,あるいは気軽に担当の教員に質問することができないという,こういう不安も寄せられております。
私の手元に今年の9月の高等教育局長からそれぞれの大学に出された「後期の授業の実施と新型コロナウイルス感染症の感染防止対策について」という通知がありますけれども,そこでは遠隔授業の実施のみで全てが完結するものではなく,豊かな人間性を涵養する上で直接の対面による学生同士や学生と教職員の間の人的な交流等も重要な要素であることに留意すべきであるというように書かれています。
私は,これはそのとおりだと思います。いま一度,法科大学院の教育においても,これは狭い意味での授業というのではなくて,それ以外の,授業以外の場を含めた形での教育というように考えたときに,対面教育として維持すべき,あるいは更に発展させるべき部分があるということをきちんと踏まえた上で,ICTの利便性というものをどうやって,どの程度導入するのかということを検討していただくことが大事ではないかと思います。その意味では,改めてここの部分については発言させていただきました。
それからもう一つは,これは前回ちょっと言ったのですが,今回のまとめの部分ではどこにも入りにくいところなのかもしれませんが,やはり共通到達度確認試験というものについて,不断の見直しというのは,私は必要なんじゃないかという感じがしてなりません。未修者教育を充実させていく,あるいは先ほどのスモールステップの話じゃないですけれども,そういうことを考えていく上で,今のままで共通到達度確認試験がよろしいのかという辺りを検討し続けていくということをどこかに盛り込めないかなと思った次第です。未修者が司法試験に通ることに持っていくためには何が必要かというところで知恵を出し合う努力が必要だという趣旨で申し上げました。
以上です。

【山本座長】ありがとうございます。
サブのテーマは12ページのところで一定程度は盛り込めそうな感じはするのですけれども,潮見委員のイメージとしてはどういうような感じの見直しというか。

【潮見委員】12ページの論点6の一番上の丸印のところの文章では,「成長曲線が異なる。混合学修でこうこうこうだからと,だから,進級判定を厳格にしておくことが求められる」というふうに書かれていて,その後,問題作成に係る負担軽減とか,財政基盤の強化というところに話が移行しているのです。むしろ申し上げたかったのは,段階的な学修内容を踏まえたときに,1年次終了時点で獲得しておくべき知識や能力というものがどのようなものかについて,どこかで不断に検討する場というものを設けてほしいということです。
もちろん内容自体について,これは先ほどの酒井先生のビデオと同じで,いろいろな考え方があると思いますから,そこはまた検討でもしていただいたらありがたいです。
ちょっとだけ余計なことを言いますと,前に申し上げましたように,今のままの共通到達度確認試験の出題の内容,レベルについては,私は1年次終了時点で獲得しておくべき知識や能力,それを踏まえたものになっているかと言われると,そうとは言えないと思っているところです。個人的な意見です。

【山本座長】ありがとうございました。よく分かりました。
それでは,大貫委員お願いいたします。

【大貫委員】中央大学の大貫です。2点申し上げます。
まず,どこの論点に関わるということではないのですけれども,今後の進め方にもまだ少し検討の時間がありますので,今後の進め方にも関わった意見を申し上げたいと思います。
本委員会は,先ほど来委員の先生方から何度も出ていますように,事務局も何度も研究されていますけれども,学修者本位の教育の実現ということを掲げて議論してきたと思います。
しかしながら,致し方ないことですけれども,こういう場ですから,制度をどうするかということが議論の中心になろうと思います。このため,制度というものは当然学修者本位の教育の実現のためにあるとはいえ,本委員会ではこれまで余り学生の意見というものを取り上げてこなかったのではないかというふうな気がいたします。
資料2-1,通しページでいうと8ページに引用されている平成30年度の文科省の委託事業「法科大学院における法学未修者への教育手法に関する調査研究」が特別委員会の未修者教育検討の際には非常に重要な基礎となっているのですが,この調査研究は未修者教育の在り方・課題については現状では最も深く検討したものとなっているというふうに評価できると思います。
この研究では,非法学部出身者や社会人経験者に対するアンケート調査も行っていたというふうに記憶いたします。できればそうした学生の意見も議論のまとめにはしっかり反映させていただきたいというふうに思っております。
ここから先は進め方ですけれども,可能であれば,この報告書の作成に中心的に関わられた方にヒアリングをするということなどもあってよろしいのではないかと思います。一度ヒアリングをしているのですけれども,非常に短時間でしたので,やはりこの報告はその短時間の報告ではもったいないので,是非ヒアリングということも考えていただきたいというのが1点です。
それから2点目は,今,潮見委員が言われた共通到達度確認試験のところなのですが,これは私の記憶が正しければ,片山委員も発言されていたと思うのですけれども,書き込みは難しいのですけれども,この本格実施5年,3年目に今度は入るわけですけれども,また4年,5年と続くわけですけれども,そうしたステップの中で共通到達度確認試験を今後どうするのかということについて,やはり検討すべきだという意見が出ておりました。私はもうそれはそうだと思います。
方向としては,より重装備といいますか,医学部の試験です。臨床に出る前に課す試験のようなものになっていくのか。それとも,重装備になっていくのか。それとも,各法科大学院が未修者の適性の判定については,十分な試験の実施を踏まえて,十分なことができるようになったとするならば,もう少し違った形になるのか。そういったことを考えるべきじゃないかと思うのです。このまま,いったん始めちゃうとやめられないとかというふうには考えずに,やったらいいのじゃないかと思っています。
そういうことは,確かに片山委員から発言がありましたし,私も同感しますので,何らかの形でここの取りまとめに入れていただきたいと思います。ただ,ネガティブな形になることを発言しているわけではないので,今後に向けた,だらだら続けるのじゃなくて,今後に向けた検討をきちんと続けていくというような趣旨のことを入れていただけないかと思っております。
以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
先ほど水島委員,挙手をされていたように思いますが。

【水島委員】じゃ,すみません。よろしいでしょうか。

【山本座長】よろしいです。お願いします。

【水島委員】ありがとうございます。大阪大学の水島でございます。
学修者本位の教育の実現という,その点には賛成いたします。ただ,学修者本位の教育ということで,あれもこれもと課題を増やすだけでは負担が増すだけで,通しページ6ページに書かれていますような、補助教員による学修支援の課程外のゼミ等の単位認定,7ページのオンデマンド型教材の活用,さらには,9ページの有職者について,ICTを利用したオンデマンド型講義と実践的なフォローの組合せによる単位認定、こうしたことを検討していく必要があると思います。
そのためには、それぞれを個々の論点として捉えるというのではなくて,先ほどの御意見にもありましたけれども,授業科目,カリキュラムといった大きな見直しという形で行う必要があると思います。
大きな見直しを、今回の未修者教育のまとめに書き込むのは余り適切ではないかもしれませんけれども,単位化についての御意見は,まとめに積極的に記載いただければと思います。
以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
他の委員いかがでしょうか。もう少し時間がありますので,それから次回,先ほどもありましたけれども,事務局から取りまとめの素案的なものをお出しいただくというところのステップに進みたいというふうに思っていますので,その前の段階で,できるだけ多くの委員から御発言,御意見をいただければ事務局としても有り難いのじゃないかと思いますので。できれば御発言。

【久保野委員】よろしいでしょうか。

【山本座長】久保野委員お願いいたします。

【久保野委員】すいません。2点あり,関連して2点なのですけれども,1つが6ページのところの1つ目の丸で「学修者本位で様々な背景,多様な経歴がある」というところでは,「非法学部出身者,社会人経験者,その他,それぞれの実態を踏まえつつ」となっているわけですけれども,ちょっと印象論のような議論で申し訳ないのですが,社会人が仕事をしながらどう勉強するかということについては個別の項目が立っているのに対しまして,非法学部出身者の実態に焦点を当てた固有の議論の項目は立っていないという立て付けになっています。
意見としまして,非法学部出身者だけを念頭に置いた議論の項目を立てるべきというふうに思っているわけではございませんけれども,少なくとも,私が勤めております東北大学の経験ですと,総合大学であることもあってか,理系出身の学部生が直接法科大学院に来て,法曹となっていくというのが一つ,少なくとも一つの法科大学院の存在意義といいますか,学生の一つのモデルとして見て取れるということがありまして,そういう非法学部出身者にとっての未修者教育というものの魅力や改善策というのが消えないように,気を付けるといいかなという感想を持ちました。
それで,2点目が少し今の話と関わるかもしれないのですけれども,ご意見のご趣旨の理解に誤解がありましたら申し訳ありませんが,先ほど潮見先生からございました意見に共感するところがございまして,共通到達度確認試験をどう使うかということが制度案としてはそういう形で議論に表れるけれども,そこで問われるべきは1年次終了時点で獲得しておくべき知識や能力の基準ということであって,その点について,踏み込んだといいますか,議論がしていけると良いのではないかと思います。
その話は1点目の非法学部出身者の人が安心して法科大学院を目指して勉強していけると思っていただけるようになり,かつ,現にそれを実現することができるようになるということとの関係で,とても重要なのではないかと思います。
ただ,これについて,例えば研究者教員が場を設けて議論をすると,非常に意見が分かれるのではないかと思いまして,私自身,共通到達度確認試験の作成に関わらせていただいたことがありますけれども,恐らく意見がかなり分かれるだろうというふうにも感じています。ただ,むしろ意見が分かれるけれども,ここだけは本当に最低限だというようなこととして共通するようなものの,ミニマムを示していけることができれば良いように思いました。
すいません。以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
丸島委員お願いいたします。

【丸島委員】論点7,通しページ13ページの下から2つ目のところですが,ここでは,いわゆるキャリアストーリーについて,関係者と協力しつつ法科大学院協会が中心となって広報を行うということが書かれています。このことは大事なことだと思いますが,キャリアストーリーの広報ということの前提として,企業やその他法曹の活躍が期待される多様な分野で,今の時代に法曹に求められている役割がどういうものか,もう少し共有される必要があるのではないかと思います。この点があいまいなまま,法曹の採用がうまくマッチングできていないケースもあるように思います。
また,例えば自治体などでは任期付職員という形で法曹を採用するのですが,実際に働く弁護士も5年を経過すると雇用が切れるため,その後の進路をどうするかという悩みによくぶつかります。個々には関係者の理解を得て,さらに5年働くという方もおられますけれども,まだまだいろいろ意味でのキャリアプランの整備をしていく必要があるのかなと思います。そうした点などを含め,広報ということを超えて,関係者の努力が必要ではないかなと思っております。
もう一つは,このような広報を行う主体について,法科大学院協会を中心にとされていますが,広く社会人を初めとして多様な人材が法曹となり社会のあらゆる分野で活躍していくことは,わが国の大きな政策課題ともなってきたところであり,これからの社会の在り方にも関わることだと思います。法科大学院協会を中心にというのは分かりますが,なかなか法科大学院だけでは大変であり荷が重いところもあるなという感じもいたします。
この間の政府の様々な政策方針を見ていますと,例えば,厚生労働省では,地域共生社会の実現という課題への取組の中で,専門人材を活用して連携・協働によって地域住民の様々な課題を総合的・包括的に解決するということが進められており,経済産業省においても,企業価値を守る企業のガーディアン機能とビジネス機能の両面から,企業内弁護士の役割や活用の在り方を示して,幅広い業種で法曹が活躍するよう求めており,また国際分野では,政府の骨太の方針において国際的な法曹人材の育成を掲げていることなど,いろいろな分野で法曹の活躍の方向を提起している状況があります。
そういう意味で,国や自治体・企業などの組織体の関係機関をはじめ法曹関係者はもとより多様な関係者が協働して,幅広い経験を経た法曹の活躍についてアピールし,そのキャリアを整備していく努力が必要なのではないかと思います。
そのほか,少し細かい点ですが,14ページの議論のまとめのイメージのところで,課題の3つ目に,法科大学院の修了生が法曹以外でどのようなキャリアを積んでいるか必ずしも明らかでないというところがあります。これは,法曹の概念をどう考えるかということとも関係しますが,司法試験の合格の有無にかかわらず,司法関係部門以外の分野での活躍ということを念頭に置いている記述だろうと思われます。実際には,弁護士ら法曹が従来の法廷活動などの分野を超えてより幅広い領域で活躍していこうとしているという現状があるわけですので,法曹以外でと限定する表現ぶりは少し工夫した方がいいのではないかと思います。
最後に,今日出された動画作成を含む様々な御意見はいずれも共感するところでございますが,1点付け加えますと,こうした教材としての動画作成などについては,先ほどのご意見のように,未修者コースから弁護士になった若い法曹たちの視点や参加を是非促していただきたいということと,こういう取組についてのしかるべき予算措置というものももとより必要になってくるだろうと思いますので,その点も十分に考慮していただければと思います。以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
それでは,木村委員お願いいたします。

【木村委員】ありがとうございます。都立大の木村でございます。
ちょっと細かい点で恐縮なのですけれども,9ページの論点4の3つ目の丸のところです。それの最後の,最初の方はいろいろな夜間のスクリーニングだとか,補助教員が重要だということで,「その際」というのが最後に付いているのですが,この部分は恐らく私がコメントした部分なのかなと思いますので,ちょっと付け加えさせていただければと思います。内容について御説明したいと思います。
何を言いたいかといいますと,恐らく今,前提として,2年次からは既修と未修と一緒に勉強するということが前提になっていると思うのですけれども,そうしますと,1年次のときには有職者の場合でもいろいろな手当が可能だと思うのですけれども,2年次以降もそれをずっと継続することになるのかと。既修と一緒に勉強するということになると,有職者の未修の方のみ別メニューとするというようなことはかなり難しいのではないかと思いました。
私がちょっと誤解をしている部分もあるのかもしれないので,それであれば教えていただきたいと思うのですけれども,ですから,かなり別メニューが難しいということを前提にすると,かなりの工夫が要るのじゃないかという意味で,工夫というふうに申し上げました。
それは先ほど両委員がおっしゃった,実態が分からないとなかなか難しいとおっしゃったこととつながるのかもしれませんけれども,具体的に夜間を持っていらっしゃるところがどういうようなことをやっていらっしゃるのか,別メニューみたいなことを考えていらっしゃるのかということも伺いたいと思いました。
以上です。

【山本座長】ありがとうございます。
それでは,菊間委員お願いいたします。

【菊間委員】菊間です。よろしくお願いします。
私は1点だけ,資料2-2の議論のまとめのイメージ(案)なのですけれども,こういった資料2-2のようなものが公表されるということを考えたときに,今までロースクールをちょっとどうしようかなと迷っていた社会人とか未修者の方が,こういうふうに変わるのだったらロースクールに行ってみようと思っていただけるような表現の仕方にするべきではないかと思います。
その観点からいくと,やはり4番の対応策のところですけれども,「共通到達度確認試験の活用による厳格かつ客観的な進級判定」というのは,ここは先生方の中でも議論の余地はあるところだと思いますし,私も意見を述べた者として名前の記載があるのですが、「厳格」というところは,振り落とすための試験のような誤解をされる可能性があるかと思いまして,2年次に行ったときに既修者の方と一緒に,問題なく授業を受けられるように確認をするというための試験の活用の仕方がいいのじゃないかという意見を述べたつもりですし,「厳格」という表現は変えていただいた方がいいのではないかと思いました。
以上です。

【山本座長】ありがとうございます。
それでは,清原委員お願いします。

【清原委員】ありがとうございます。
丸島委員の御発言を聞いていて,ちょっと気付きがあったものですから発言させていただきます。
通し番号13ページの論点7のことでございます。ここでは,集約して「グローバル化のさらなる進展やビジネスモデルの転換等が行われる中」というふうに,社会変動の動向を表現していますけれども,やはり国内に目を移せば少子長寿化の進展ですとか,あるいはその中で教育問題や福祉の問題などが多様化する中で,ビジネスの分野だけではなくて,やはり法律的な対応というのが求められています。
そこで,一番下の丸でございますけれども,法学未修者,例えばということで列挙されているのが「医療,福祉,金融,地方公共団体等」とあるのですが,私は正に教育も重要な分野だと思っておりまして,実は初等・中等教育分科会では,スクールロイヤーというような表現で,教育問題における弁護士の皆さまの御活躍なども期待するような指摘もあります。
従いまして,この論点7につきましては,未修者の皆さんが活躍する社会の在り方というのは,最終的に表現していくときにもう少しきめ細かく国内の生活実態などに即したニーズがあるということなども教育分野も含めてまとめていったらより可能性が広がるのかなと感じました。
そして,菊間委員が言われたこととも関連するのですが,いわゆる共通到達度試験というのは,学修者本位のために極めて有効なものでありますが,何となく表現ぶりによっては,学修者に対する拘束が強まるというような誤解を生む可能性があるので,そうではなくて,あくまでも学修者本位にそれぞれの特性をより把握し,そして適切な教育を実現していくための手法であって,あくまでも私たちが提案しているのは「多様な分野から大学生がロースクールを目指してもらい,そして,そのきめ細かい学修者本位の教育によって,多様な分野への活躍の可能性が開ける」といった,その道筋についての具体的な提案であるという,私たちが検討してきた理念が最終的な取りまとめの中で表現されれば有り難いなと感じました。
以上です。ありがとうございます。

【山本座長】ありがとうございました。いずれも重要な御指摘であったかと思います。
中川委員お願いします。

【中川委員】先ほどの菊間委員,それから,清原委員の意見に私も賛成です。とりわけ「厳格かつ」というのは要らないのじゃないかと思います,はっきりと言って。これは,以前に,ずるずると進級させているのは駄目よということを言っていた時期の表現でございまして,今はもう不要ではないか。「客観的に評価する」ないしは,「合理的に評価する」でいいと思うのです。これは本当に,神戸大学でも苦労していることなのですが,進級最低点をどこにするかは,なかなか切れないのです。学生がどこで伸びるか分からないというのがありますので,何点以下だったら本当に駄目なのかということを,合理的にといいますか,統計的にちゃんと確認しながらして設定していくということが重要です。「客観的に」だけにするか,ないしは「合理的に」という形にするか,それは正に学修者のためにやっているのだからという,そういうニュアンスを出した方がいいと思います。
それとの関係で,資料2-2の「厳格かつ」というところの前のパラグラフの冒頭ですが,「教育を充実」ということに加えて,これは多分合意が得られるのだと思いますが,1年終了時時点で確認しておくべき到達度,それを明確にした上で,「明確にし,かつ教育もそれに即応したものにした上」でという,それはもう,我々がやるべきことをやってということを明確にした上で,「客観的ないし合理的に評価していく」という,そういうふうな関係が分かるようにした方がいいと思いました。
以上です。

【山本座長】ありがとうございます。
他にいかがでしょうか。
加賀委員お願いいたします。

【加賀委員】最後の方になって申し訳ありません。
論点7について,いろいろ御意見が各先生方から出ておりましたけれども,論点7の出だしが「グローバル化のさらなる進展や」というところから始まっている割には,下の6個の中には国際化に対応するような,また,そういう人材を輩出しているのだとか,目指すのだというような記述は全く出てこないということになっているので,どうぞ,ここにはアメリカの弁護士資格も取っている人がやっぱり出ているわけですので,そういう人材の紹介ということを入れた方がいいのではないかというふうに思うのです。
そこを言わないと,グローバル化のさらなる進展ということに対応した内容に論点7がならないような気がいたしましたので,一言だけ申し上げました。
以上です。

【山本座長】ありがとうございました。
他にいかがでしょうか。
御意見は出尽くしたと見てよろしいでしょうか。
それでは,そろそろ予定した時間でもありますので,大変活発な御議論を頂きましてありがとうございました。本日の議論はこの程度にしたいと思います。
先ほども申し上げましたが,次回は本日の議論も踏まえまして,事務局の方で議論の取りまとめに向けての資料の準備をお願いしたいというふうに思っておりますけれども,もし,本日御発言を十分いただけなかった委員,あるいは今日の議論でまた一晩考えてみて,こういうことを思ったというような委員の方がおられましたら,個別にで結構ですので,事務局の方に御連絡を頂きたいというふうに思います。その御連絡もその資料の方に反映していただければというふうに思いますので,どうかよろしくお願いをいたします。
それでは,その他,委員から何かございますでしょうか。今後の進め方についても,何人かの委員から示唆的なことをお伺いしたと思いますので,それも進め方の方に反映していきたいというふうに思いますが,よろしゅうございましょうか。
それでは,今後の日程等につきまして,事務局の方から御説明をお願いいたします。

【西川専門職大学院室長】今後のスケジュールでございますけれども,資料の通しページ15ページ,資料3を御覧頂きたいと思います。
本日が第99回でございまして,次回,第100回の特別委員会を12月8日火曜日,1時から3時で予定させていただいております。
ここでは,先ほど来申し上げましたように,第10期における議論のまとめの素案をお示しするとともに,必要に応じてヒアリング等とありますけれども,本日の御意見も踏まえまして,どういったことを扱っていくかについては座長と御相談させていただきたいと思ってございます。
そして,その先ですけれども,第101回となります会議を1月18日の月曜日10時から。また,102回となる会議,これが第10期の最終回となりますけれども,2月3日水曜日の10時からということで予定をしておりまして,ここまでで第10期における議論の最終的なとりまとめをお願いしたいと思っております。
以上でございます。

【山本座長】ありがとうございました。大変活発な意見交換ができたかと思います。今のスケジュールの説明にありましたように,いよいよ今期の取りまとめに向けての議論,次回以降,更に密度を濃くしてお願いしたいというふうに思いますので,引き続き御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは,本日はこれで終了したいと思います。長時間ありがとうございました。

―― 了 ――

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