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法科大学院等特別委員会(第92回)議事録

1.日時

令和元年6月27日(木曜日)10時00分~12時00分

2.議題

  1. 座長の選任等について
  2. 法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律及び第10期の審議事項について
  3. 法科大学院教育の充実及び法科大学院と法学部等との連携の在り方について
  4. その他

3.議事録


【大月専門職大学院室長】 失礼いたします。所定の時刻まではまだ時間はございますが,皆さんおそろいでございますので,第92回の中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会を開催したいと思います 。第10期の中央教育審議会が発足して,引き続き本特別委員会の設置が決定されております。本特別委員会についても,新たな会期になりますので,本日,座長及び座長代理を御選任いただく必要が冒頭ございます。それまでの間,便宜的に事務局で進行を務めさせていただきます。議事に入る前に配付資料を確認させていただきます。お手元に議事次第を御用意願います。配付資料は議事次第に書かれているとおりでございます。また,参考資料に,本日御都合が合わず御欠席の山野目委員から御提出していただいた資料でございます。皆様お忙しい方ばかりですので,なるべく多くの方が御参加できる日に設定せざる得ないので,御都合が悪い方はこのような形で御意見を提出いただくことも可能であるということでございます。
なお,本日,会議室の設備の関係で,委員2名で一つのマイクを基本的に御使用いただくことになっております。御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
それでは,資料1-1と資料1-2をお手元に御用意願います。
資料1-1のとおりに,3月27日に開催されました大学分科会において法科大学院等特別委員会が設置されております。本日は今期初めての会議となりますので,資料1-2の順に,本日御出席の各委員を事務局より御紹介させていただきます。
なお,略式でまことに恐縮でございますが,机上に委員委嘱に係る辞令を置かせていただいております。
それでは委員の御紹介をさせていただきます。
大澤裕委員でございます。

【大澤委員】 どうぞよろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 大沢陽一郎委員でございます。

【大沢委員】 よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】 大貫委員でございます。

【大貫委員】 どうぞよろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 加賀委員でございます。

【加賀委員】 どうぞよろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 北居委員でございます。

【北居委員】 よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】 木村委員でございます。

【木村委員】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 久保野委員でございます。

【久保野委員】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 酒井委員でございます。

【酒井委員】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 潮見委員でございます。

【潮見委員】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 染谷委員でございます。

【染谷委員】 どうぞよろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 髙橋委員でございます。

【髙橋委員】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 土井委員でございます。

【土井委員】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 中川委員でございます。

【中川委員】 よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】 福原委員でございます。

【福原委員】 よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】 松下委員でございます。

【松下委員】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 丸島委員でございます。

【丸島委員】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 山本委員でございます。


【山本委員】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 また,本日御欠席でございますけれども,有信委員,清原委員,井上委員,菊間委員,水島委員,山野目委員が御就任されております。
続きまして,事務局を御紹介いたします。
高等教育局長の伯井でございます。

【伯井高等教育局長】 よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】 大臣官房審議官高等教育局担当の森でございます。

【森大臣官房審議官】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 文部科学戦略官の浅田でございます。

【浅田文部科学戦略官】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 専門教育課長の小幡でございます。

【小幡専門教育課長】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 専門職大学院室室長補佐の中村でございます。

【中村専門職大学院室室長補佐】 よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】 専門教育課専門官の大根田でございます。

【大根田専門職大学院室専門官】 よろしくお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 私,専門職大学院室長の大月でございます。どうぞよろし
くお願いいたします。
それでは,今期の特別委員会の座長及び座長代理を御選任いただきたいと思います。本
特別委員会の座長につきましては,委員の互選により選任することとされております。ど
なたか御推薦いただけないでしょうか。

【大貫委員】 第9期の中教審の座長代理をお務めであった山本和彦先生が適任ではないかと考えます。

【大月専門職大学院室長】 ただいま,座長として山本委員の御推薦がありましたけれども,皆様,いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【大月専門職大学院室長】 皆様御承認いただいたということで,それでは山本委員に座長をお願いすることとさせていただきます。
続きまして,山本座長より座長代理の御指名をお願いいたします。

【山本座長】 座長代理としては松下委員にお願いしたいと思いますが,よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【山本座長】 松下委員もよろしいでしょうか。

【松下委員】 はい。

【山本座長】 それでは松下委員に座長代理をお願いしたいと思います。

【大月専門職大学院室長】 それでは,以後の進行については山本座長にお願いいたします。
なお,座長,座長代理からの御挨拶は,会議公開後にお願いできればと存じます。

【山本座長】 それではまず,委員会の会議の公開に関して,事務局の方から御説明をお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 お手元に資料1-3を御用意願います。会議の公開についてでございます。第1条にありますように,特別委員会の会議は,基本,公開して行うと。座長の選任等の議決の場合とか,その他正当な理由がある場合は公開をしないということでございます。会議の傍聴に関しましては第2条で定めております。会議を傍聴しようとする者は,あらかじめ事務局の方に手続により登録を受けなければならない,等々。その後,撮影等の手続が記載されているところでございます。
また,ページをおめくりいただきまして,会議資料の公開ということで,第3条でございますが,基本,資料は公開すると。また第4条,議事録についても公開するということとしております。
以上でございます。

【山本座長】 今御説明がありましたものにつきまして,いかがでしょうか。特段御異議はございませんでしょうか。それでは,原案のとおり,会議の公開については決したいと思います。
それではただいまから会議を公開とします。カメラ撮影を含めまして,傍聴希望者がいるようであれば,入室していただいて結構です。
(傍聴者入室)
【山本座長】 それでは,会議の開催に当たりまして一言,私から御挨拶を申し上げたいと思います。
皆さん御承知のとおり,先週,前期あるいは前々期からずっと課題でございました,,いわゆる連携法及び司法試験法の改正が国会で成立したということでございます。この法科大学院制度,法曹コースとの連携を含めて,骨格が法律で定まったわけでありますが,今後,その細則を定めていかなければいけないわけでありまして,今期の当委員会の第一の課題はこの点にあるということは明らかだろうと思います。
また,審議の内外におきまして,今回の改革が未修者の切捨てではないかというようなことが言われました。もちろん,それは今回の法改正あるいは当委員会のこれまでの審議から言えば誤解であるということになるんだろうと思いますけれども,ただ,それにしましてもやはり,未修者教育をどのように考えていくのかということは非常に大きな課題であることは間違いのないところでありまして,この点が恐らくこの今期の委員会の第二の大きな柱になるんだろうと考えているところであります。
今回は,これまでこの法科大学院制度,法曹養成制度について中核的な役割を占めてこられた井上前座長を初めとした多くの委員の方々が御退任され,かなり世代交代がなされてフレッシュなメンバーで審議をしていくということになりました。私自身はこのような司会に余りなれてはおりませんので,井上先生あるいはその前の田中先生と比べれば様々な不手際があろうかと思いますが,委員の皆様の御協力によって活発な審議がなされ,実効的な成果が挙げられていくように努めていく所存でございますので,どうか御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

【松下座長代理】 ただいま座長代理に御指名をいただきました松下でございます。座長代理を務めるのは初めてでございますが,今,山本座長からお話があったとおり,今期の特別委員会のミッションをしかるべく果たすべく,座長に事故があったときには私が司会進行を務めることになりますし,そうでないときには座長を可能な限りサポートしながら,職責を果たしていきたいと思いますので,どうかよろしくお願いいたします。

【山本座長】 それでは,今回は第10期として初回の会議となりますので,文部科学省を代表して伯井局長より一言,御挨拶をお願いいたします。

【伯井高等教育局長】 それでは,改めまして,高等教育局長の伯井でございます。このたび,第10期の法科大学院等特別委員会の委員をお引き受けいただくとともに,また,本日,お暑い中,お忙しい中,会議に御出席いただきまして,まことにありがとうございます。今期の第1回の会合の開催に当たりまして御挨拶を申し上げさせていただきます。
この特別委員会における御審議などを踏まえて立案をし,3月12日に「法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律(案)」を閣議決定し,先ほど座長からもありましたように,昨日閉幕いたしました通常国会におきまして,去る6月19日に法律が参議院本会議で可決・成立したというものでございます。衆参合わせて21時間35分に及ぶ審議ということで,その間,ここのメンバーの方々にもいらっしゃいますが参考人聴取というような形で御協力をいただき,成立したものでございます。
文部科学省といたしましては,この新たな制度の下,法曹を志す誰もが,プロセスとしての法曹養成制度を通じて,質の高い法曹となる道を確保したいと考えておりまして,多くの学生が法曹コースを選択し,法科大学院に進学するということを期待するとともに,各大学は法曹を志望する未来ある若者を受け入れる責任を認識し,しっかりとその準備を進めていただき,質の高い充実した法曹教育を行っていただきたいと考えておるものでございます。
先ほど座長からもございましたが,国会審議におきましては,未修者あるいは社会人に関する課題などについて様々御指摘を頂いたところでございます。そうしたものも含めまして,教育の在り方,カリキュラムの在り方につきまして,この第10期の特別委員会において一定に方向性を取りまとめていただきたいと考えております。
法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度への信頼を取り戻して,法科大学院をめぐる現在の状況をさらに改善していくためには,本特別委員会における審議は非常に重要なものでございます。今期におきましても活発な御議論を何とぞお願い申し上げまして,私の冒頭の挨拶とさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

【山本座長】 ありがとうございました。
それでは,早速議事に入りたいと思います。
まず最初に,今御説明もありましたが,先の通常国会で成立した「法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律」の概要につきまして,事務局と福原委員より御説明を頂くとともに,今年度の入学者選抜の結果,文部科学省による法科大学院改革期間の成果の検証(案),さらに第10期,今期の当委員会の審議に関する主な論点につきまして,事務局から御説明をお願いいたします。

【小幡専門教育課長】 それでは私の方からまず,法律に関して説明をさせていただきたいと思います。資料は2-1から2-3で,今回成立しました法律の概要と,あと法律そのものと,あと新旧対照表をお付けしておりますので,資料2-1をごらんいただきながらお聞きいただければと思いますので,よろしくお願いいたします。
まず連携法,あと学校教育法について私から,その後,司法試験法と裁判所法については法務省の福原委員の方から御説明いただきたいと思っていますので,よろしくお願いいたします。
まず連携法でございます。ここにございますように,(1)から(4)が主な内容ということでございます。もう中身については御案内の部分もあろうかと思いますが,改めての説明をさせていただきたいと思います。
(1)でまず,法科大学院における教育の充実ということで,(ア),(イ),(ウ)にあるような内容について体系的・段階的に涵養すべきということを法律に規定をしたということでございます。また,併せて,教育課程,成績評価・修了認定の基準や実施状況の公表を義務付けるというようなことで教育の充実を図るという内容となっております。
この後,専門職大学院設置基準等において,ここの特に教育の充実の中で(ア),(イ),(ウ)に係るような中身について,どういう単位を履修しなければいけないのか,単位数をどうするか,そういった内容についても今回,設置基準に規定することとしているところでございますので,そちらについては後ほど御審議いただければと思っております。
また(2)で,連携に関する規定の新設ということで,法科大学院を設置する大学が当該法科大学院における教育と円滑な接続を図るための課程(連携法曹基礎課程),法曹コースと呼んでいるものでございますが,これを置く大学と当該課程における教育の実施等に関する法曹養成連携協定を締結し,さらにそれを文部科学大臣が認定するという制度でございます。こちらが法学部3年と法科大学院2年を標準的な運用とする制度化でございます。
あわせて,後ほど説明のある在学中受験の導入ということで,これまで学生が法曹を目指す上で不安と感じている要因でありました時間的・経済的負担の軽減を図るということを,こちらで対応していくということでございます。
三つ目は入学者の多様性の確保ということでございますが,法科大学院における入学者の多様性の確保のため,法学未修者,また社会人,さらには早期卒業・飛び入学により入学しようとする者に対して,その方法や時期などを入学者選抜における配慮義務を規定するものでございます。
(4)は定員管理に関するところでございますが,法務大臣と文部科学大臣の相互協議の規定の新設ということで,法務大臣と文部科学大臣は,法科大学院の学生の収容定員の総数その他の法曹の養成に関する事項について,相互に協議を求めることができることなどを規定することとしております。
また,この後,こちらも省令でございますけれども御審議いただく内容でございますが,学校教育法施行令を改正し,法科大学院の定員増を認可事項とし,文科省告示により,入学定員総数について,現状の定員規模である2,300人程度を上限とすることを検討しているということでございます。これによりまして法科大学院の定員管理の仕組みを設け,予測可能性の高い法曹養成制度を実現するということを目的としております。
以上が連携法に係る中身でございます。
続きまして,四角の2番,学校教育法の一部改正でございます。この改正で,大学への飛び入学資格について,学部の単位を優秀な成績で修得するというのが今の規定でございますが,それに加えて,その同等以上の資質・能力を有すると認められる者も追加するということで,今後,文部科学省令におきまして,資質・能力を判断材料として法科大学院の既修者認定試験を規定することを検討しているということでございます。
学校教育法自体は,法科大学院に限定する規定とはなっておりませんが,実際の運用においては,文部科学省令において既修者認定試験を規定するということで,学校教育法の改正に係る大学院は法科大学院のみということを想定しているものでございます。
3番は後ほど説明がありますが,連携法に係る施行期日については,来年,令和2年4月1日としているところでございます。法曹コース,またその認定,協定の認定などが4月1日からスタートということでございますので,時間が余りない中でこれから省令等,また設置基準等の改正,さらには各大学院,大学でいろいろ準備もしていただくということでございますので,我々としてもしっかり準備を進めていきたいと思っております。
文部科学省からは以上でございます。

【福原委員】 続きまして,法務省より司法試験法及び裁判所法の一部改正について御説明させていただきます。引き続き,資料2-1をごらんください。
まず,3のマル1の部分について御説明いたします。従来,司法試験受験資格は,法科大学院修了資格及び予備試験合格資格の2種類があったわけですけれども,今般の改正によりまして,法科大学院の課程に在学する者であって所定の単位を修得しており,1年以内に当該法科大学院の課程を修了する見込みがあると当該法科大学院を設置する大学の学長が認定した者を,新たに司法試験の受験資格として追加しております。
また,法科大学院修了資格及び予備試験合格資格の受験可能期間は,受験資格を取得してから5年とされておりますけれども,在学中受験資格については,実際に司法試験を受験して初めて期間が開始されることとしております。この点において,受験可能期間の起算点の特則を定めております。
続いて,3のマル2をごらんください。在学中受験資格に基づいて司法試験を受けた者については,司法試験の合格に加えて法科大学院課程の修了を司法修習生の採用要件としております。
3のマル3をごらんください。先ほど文部科学省から1の(1)マル1(イ)に記載があるとおり,法科大学院において専門的な法律分野の学識等を段階的・体系的に涵養すべきことを連携法で規定するとの説明があったところです。これを受け,文部科学省令により,法科大学院課程において選択科目相当科目の履修の義務付けを行うなどの法科大学院教育の見直しがされることを踏まえ,予備試験の論文式試験に選択科目を導入し,一般教養科目を廃止することとしております。
続いて施行期日ですが,在学中受験資格に関する改正規定は2022年,いわゆる令和4年10月1日に施行され,その翌年である2023年,令和5年から新たな司法試験が実施されることになります。これに伴い,予備試験に関する改正規定は2021年,令和3年12月1日に施行され,その翌年である2022年,令和4年から新たな予備試験が実施されることになります。
なお,今回の法案の国会審議におきましては,新しい司法試験の実施時期に関して,法案の立案を担当する立場としてどのように考えているのかとの質問が繰り返し出されましたが,法務省においては以下のようにお答えをしています。
まず,司法試験の実施時期は,最終的には司法試験委員会の決定事項であり,現時点で方針は決定していないが,今回の法改正の立案を担当する立場としては,法科大学院における教育の実施を阻害せず,法科大学院教育と司法試験との有機的連携を図る等の観点から,一つの選択肢として,現状の5月実施を後ろ倒しして夏頃の実施とすることを想定しているところであること。もっとも,今回の法曹養成制度の見直しによる新しい司法試験の実施時期は,法曹志望者,法学教育関係者にとって非常に関心が高い事項であると認識しているところ,在学中受験資格の導入を前提とした実施時期を含む司法試験の在り方については,今後,司法試験委員会と連携したしかるべき会議体を設置し,関係省庁のほか教育関係者や法曹実務家等を構成員として,必要な検討を行っていく予定としていることとお答えをしています。
法務省からは以上です。

【大月専門職大学院室長】 引き続きまして,今年度の入学者選抜の結果等について御説明申し上げますので,お手元に資料3と資料4-1,参考資料1,資料5,資料6を御用意いただければと思います。
資料3につきましては,座長の御挨拶にもありましたけれども,法案改正以外を含めてしっかり改革を行っていくということで,法案改正の閣議決定を行ったときに,文部科学省,法務省で併せてこのような改革プランというものを出しております。
1のプロセス改革というのは,今回の法案,法律の改正に基づいて,主に既修者コースの部分でございますが,2の多様性確保の推進とか,3の法科大学院へのアクセス向上,これを法案以外の部分でしっかりやっていくということでございます。その具体的な方策については,本委員会の御審議を踏まえてやっていくことになると考えております。
続きまして,今年度入学者選抜の結果でございます。参考資料1の1枚目でございます。これは毎年公表している資料でございますが,法科大学院における平成31年度の入学者選抜の状況ということで,平成31年度,すなわち本年度は,入学定員が2,253人に対しまして,志願者が前年度から1,000人程度増えまして9,117人ということ。合格者も106人増えて3,627人。実際の入学者が241人増えて1,862人と。充足率も8割を超えているところでございます。
その右のページでございます,入学定員,実入学者数等々,書いております。30年度まで一時増えましたけれども,18年度からは減ってきているところでございますが,昨年度も,実入学者数についてこれで底を打ったのではないかというようなお話がありましたが,200人以上増えております。この流れをしっかり作っていきたいと思っているところでございます。
資料4-1をごらんください。1ページ目に志願者数等々ございますが,2ページ目でございます,入学者数で,2年の既修者コースに入学された方が1,231人,3年の未修者コースに入学された方が631人と,未修者コースに入学された方の割合が,少しではございますが増えて,,平成29年度の水準を上回ったというところでございます。
また,その下が社会人の入学状況でございます。社会人につきまして,2年の既修者コースに入学された方が206人ということ,また未修者コースに入学された方が240人ということで,それぞれ大幅に増えておりますこの流れがしっかりできるように,法科大学院で教育の充実が求められるとともに,制度的にどう改革するかということが,本特別委員会で御審議いただくことかと考えております。
続きまして資料5でございます。法科大学院集中改革期間の成果の検証(案)でございます。
7ページをごらんいただいて,これは平成27年,政府の関係大臣から構成される法曹養成制度改革推進会議の決定でございます。法科大学院関係を抜粋しておりますが,平成27年度から平成30年度までの期間を法科大学院集中改革期間と位置付け,法科大学院の抜本的な組織見直し及び教育の質の向上を図るということで,累積合格率は7割以上を目指すということ。具体的な方策ということで7ページから9ページのようなことが書かれておりまして,9ページ目の一番最後でございます,法科大学院集中改革期間の成果の検証等ということで,文部科学省は,平成30年度までの集中改革期間の成果については,その期間経過後速やかに法科大学院生の司法試験の累積合格率その他教育活動の成果に関する客観的状況を踏まえて分析・検討し,必要な改革を進めるということで,今回,事務局としての文部科学省が取りまとめたものでございます。
1ページ目をごらんください。基本的なこの資料の作りとして,推進会議決定の記述があって,客観的な状況等々があって,検証という形にしています。
検証の部分をごらんください。募集継続校の平成25年度法科大学院修了者,すなわち平成30年度の司法試験で受験資格を終えた者でございますが,累積合格率は65.7%であり,合格率はおおむね7割以上で目標に近づいているが,既修者コースに限ると76.5%である一方,未修者コースに限ると46.9%にとどまっていると。このあたりが,ずっと言われておりますけれども課題かとは思っております。
入学者数については,先ほど申し上げたように,入学者数,志願者数が今年度大幅に増え,平成28年度の水準を上回っているというようなことでございます。先ほど課長の小幡から御説明申し上げた法律改正を踏まえて,「3年プラス2年」を標準的運用としていくように進めていくということでございますが,これまで予算措置で各大学のやり方で推進されてきたところです。これまでの成果として,,飛び入学や早期卒業で法科大学院既修者コースに入学された方が平成26年は17名だったのが,31年度は87名と5倍程度になっているということです。
この数字をどう見るかでございますが,事務局としての文部科学省としては,法案を踏まえて,より多くの方が司法試験の在学中受験も含めて最短6年で法曹資格が取得可能となったことから,多くの学生がこの制度の対象となるように制度の詳細を決定していくということとしております。
2ページ目でございます。組織見直しの関係でございます。この関係は加算プログラム等々で見直し等を行ってきたということを書かせていただいておりまして,3ページ目の一番下が検証でございます。法科大学院における組織見直しが進んで,定員規模について平成31年度は2,253人となり,定員管理も法制的にやられるということで,予測可能性の高い制度の実現を図ることとしているという形でまとめております。
続きまして4ページ目,教育の質の向上でございます。この具体的な内容については,記述がその下に書いておりますが,実務家教員を積極的に活用するとか,法学未修者に対する教育を抜本的に見直す,学習支援などを促進すると。また,,法科大学院における先導的な取組を支援していくというようなこと等々が書かれていて,またその下で,推進会議決定の記述として,共通到達度確認試験等の試行を進めていき,30年度をめどに本格実施を目指す等々が書かれておりまして,5ページ目の下がその検証結果でございます。
加算プログラムによって,各法科大学院の特色を生かして多様な教育が行われたと。未修者についても,加算プログラムにより,すぐれた取組について支援を行うとともに,本日も最後に御説明いただきますけれども,委託研究によってすぐれた実例や手法を分析したところでございます。また,共通到達度確認試験についても,試行結果を踏まえ,法学未修者1年次に限定して本年度より本格実施するということで,未修者教育の質の向上に向けた取組が行われたということです。ただ,課題もございますので,引き続き,本特別委員会において御審議いただきながら検討することとしているという形でまとめております。
最後が,6ページでございます,経済的・時間的負担の軽減ということで,推進会議の決定に書かれており,,奨学金の充実については,,学部の充実が主に推進会議決定に記載されているところでございます。
また,中ほどのところでございます,推進会議決定におきまして,文部科学省は質の確保を前提として,学校教育法上定められた大学院への早期卒業・飛び入学制度を活用して,学部に3年在籍した後に2年の既修者コースに進学できる仕組みの確立及び充実を推進するということなどが書かれていたところでございます。
検証の部分でございますけれども,就学支援の法律の成立によって,授業料等減免と給付型奨学金の支給を合わせて措置する制度が創設されたこと。また,連携法等の改正によって,最短6年間で法曹資格を取得することが可能となったということを記載しているところでございます。
最後に資料6でございます。第10期の審議に関する主な論点について(案)というものでございます。
まず,審議に当たっての基本認識でございます。一つ目が,プロセスとしての法曹養成制度により質の高い法曹が多数養成,輩出されるように,一層の志願者の回復が必要であって,今回成立した法律を踏まえてさらなる法科大学院教育の充実・改善方策を検討する必要があるということ。
この3プラス2の制度を多くの学生が選択してもらうのが期待されると。そのために,制度の詳細を検討する必要があるということ。
最短6年で法曹資格が取得可能となることを踏まえて,法科大学院教育と司法試験・司法修習との有機的な連携の在り方を検討する必要があるというようなことが書かれています。
個別の論点として,法科大学院における教育の充実ということで,改正連携法の規定を踏まえましてカリキュラムの在り方をどのように考えるか,この点について後ほど本日も御議論,御審議いただきます。
その下でございます,在学中受験が可能となるということを踏まえて,法科大学院における充実した教育を行いつつ,学生に配慮したカリキュラム編成にはどのようなものがあるかと。在学中に司法試験を受験できる学力を身に付けさせて,司法試験後には先端的科目やより実務に即した科目を充実させるなどカリキュラム編成上の工夫が必要で,そのためにどう制度の詳細を決めていくかということでございます。
またその下,在学中受験ができるということで受験する学生,しない学生,在学中受験で合格する方としない方が混在する中で,きめ細やかな指導を学生に行う上でどのような課題があるかということ,さらに次のページでございます,その課題を解決するために必要となる方策とはどのようなものかということです。
続きまして二つ目が,特に未修者コースの入学者に対する教育の在り方ということでございます。未修者教育で期待されているような多様なバックグラウンドを有する方が,その知見を法の分野で生かせることが一層求められていることでありまして,そういう方がしっかり司法試験に合格できるように3年間のカリキュラムはどのように考えるかということです。
未修者の特性でございますが,法学に関する学識には非常に個人差があると。個人の特性に応じた柔軟な学修メニューの提供やきめ細かな学修支援を行う上でどのような課題があって,その課題を解決するために必要なる方策とはどのようなものかということでございます。
3番目が,連携法曹基礎課程いわゆる法曹コースをはじめ,法学部の教育の充実。法科大学院教育と連携してどのように教育の充実を図るかというのが,連携法曹基礎課程の部分でございます。
また,法学部においてもどのような形で教育の充実を図るかということが課題であるとしております。
その他でございます。非常に重要な点でございますが,研究者養成についてどのように考えるかということです。
また,多くの法学部生・法科大学院生が予備試験を受験している現状についてどのように考えるかという形にしております。
説明は以上でございます。

【山本座長】 ありがとうございました。
それでは,多岐にわたる御説明がありましたが,全体のどこでも結構ですので,まず,御質問があればお出しいただければと思います。
よろしいですか。ちょっと,最初ですので緊張ぎみなのかもしれませんが。
それでは,今お出しいただいた点につきまして,意見でも結構ですのでお出しいただければと思います。特に最後の資料6について,主な論点。これは事務局の方で整理いただいたものですけれども,当委員会としてはもっとこの点についても議論したらどうかというような点もあれば,自由にお出しいただければと思います。どの点についてでも結構ですので。
中川委員,どうぞ。

【中川委員】 ここに出ていない論点も考えた方がいいんじゃないかと。我々,今まで,問題を認識していながら,正面から考えてこなかったんですが,修了直後の学生の身分です。在学中合格した人はいいんですけれども,修了後に受験する多数の学生にとっては,いわゆるギャップタームの間に,受験勉強はしなきゃいけないが,身分がない,学割も利かない時期が1年続きます。完全な身分なしになるのではなく何か,制度的な取り扱いをした方がいいんじゃないか。
むろん卒業したんだから身分なしでも仕方無いと,ある意味諦めてきたんですけれども,しかし多数の学生が今よりもギャップタームが大きくなるのであれば,そろそろそういうことも考えていいんじゃないか。研究生なのか何か分かりませんけれども,大学が関わる形で身分を作るということが,なかなか難しいとは思うんですけれども,論点としてあっていいんじゃないかと思います。

【山本座長】 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ,酒井委員。

【酒井委員】 こちらの御紹介いただいた論点についての,(2)の未修者コースの入学者に対する教育の在り方についてという部分なんですけれども,先ほど,在学中受験に関する法案が成立したということがありまして,実際に受験時期がいつになるのかというのは今後決まっていくということで伺っておりますが,未修者にとって,受験の時期が前倒しになるということは,やはり非常に大きな影響を及ぼすことだと思いますので,それを前提として未修者にどのような教育をしていけばよいのかというあたりについては,是非積極的に議論されるべきところと考えております。
以上です。

【山本座長】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
参考資料2で山野目委員が,共通的到達目標モデルについての御指摘がされているように思いますが,これもこの審議の対象として考えてほしいという御趣旨なんじゃないかとは思いますけれども。
ほかに。大貫委員,,お願いします。

【大貫委員】 失礼いたします。多岐にわたる論点の御指摘,ありがとうございます。直接我々がやることではない可能性があるんですが,意見,感想ということでお聞きいただきたいんですが。
個別の論点の今のペーパー,資料6の1ページの最後の2行に関わりますが,大学によって異なると思うんですが,在学中受験をしない学生は一定数,生ずると思います。特に未修者は,多くが修了後受験を選択するんではないかと思います。実は,法科大学院協会が,先ほど福原委員の方からもお話があったんですが,試験時期の問題ってこれから非常に重要な問題になりますけれども,試験実施時期についてのアンケートを実施して,現在取りまとめておりますが,その中に,いわゆるスロースタディというのもいいんだと。その意義を強調する回答が一部含まれておりました。こうした選択をする学生さんのために,在学中受験を選択する学生さんのクラスとは別のクラスを同一クラスに設けるとかということも考えられてよいんではないかと思います。
もっとも,別のクラスを設定するって簡単ではございませんで,教員の負担,授業編成の問題もあり,簡単ではございません。ですから,特別なクラスを設けるというのが困難であるということは十分に考えられます。が,そうは言っても,やはり,先ほど酒井委員が御指摘のように,未修を中心にどのように教育したらって非常に深刻な問題で,在学中受験を選択する人と同一の科目を在学中受験を選択しない人のために作らないとしても,例えば特別な補習で対応するとか,そういうことは各大学で工夫が必要なのではないかと考えています。ここで何か決めるということじゃないと思うんですけれども,そういう感想を持っております。
以上です。

【山本座長】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
よろしいですか。どうぞ,大澤委員。

【大澤委員】 やや細かな話になってしまうかもしれませんし,きょうからここに参加させていただいたので少しずれた話になってしまうのかもしれませんが,主な論点についての,その他の一番最後のところで,予備試験を受験している現状についてどのように考えるかということが書かれてございます。今回,法曹コースを作って,早期卒業制度をそこに組み合わせていくということが考えられているわけですが,早期卒業が予備試験につながって超特急券になるということは,多分,流れとしては本末転倒なことになってしまうということなのかと思います。このあたり,どういうふうに考えていったらいいのかは,なかなか難しい問題も含んでいると思いますが,一つ,問題点として指摘をしておきたいと思います。

【山本座長】 ありがとうございます。現実的には非常に大きな問題なんだろうとは思います。
ほかにはいかがでしょうか。
それでは,おおむねよろしければ,また戻っていただいてももちろん結構ですので,便宜,次の議題に移りたいと思います。
次が本日の審議の中心となる事項となろうかと思いますけれども,法改正を踏まえた法科大学院教育の充実及び法科大学院と法学部等との連携の在り方についてということですが,まず,資料について事務局から御説明をお願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 資料7-1と7-2と7-3を御用意願います。大半は資料7-1を使って御説明させていただきたいと思っております。
法曹コースにつきましては,前期の本特別委員会において時間をかけて御審議いただいて,本日資料7-2としてお配りしております「法曹コースに関する考え方」というのを1月28日付で取りまとめていただいております。これを踏まえて,学部レベルで法曹コースが設置されるわけですが,法曹コースの要件として,改正連携法に規定されているもののほかに,法律の委任を受けて省令でどのように定めるかということでございます。そのことについて,以下のように考えられるのではないかというものが,資料7-1の1ページ目に記載されていることでございます。
一つ目の(1)でございますが,いわゆる特別選抜の対象は法科大学院の入学定員の2分の1以下とすべきではないかということでございます。
それに大臣の認定の要件としては,以下のようなものが考えられるのではないかということで,例として3点挙がっていますが,法科大学院未修者1年次に学ぶ法律基本科目に相当する科目が,法曹コースにおいて履修すべきものとして開設されていること。
その下でございます,法曹コースにおける教育の実施に関して,連携法科大学院における教育との円滑な接続を図るための措置が講じられていること。
また,法曹コースに関して,早期卒業の認定基準が整備され,早期卒業を希望する学生に対する適切な学習指導の実施等の十分な教育的配慮を行う体制が構築されていることという形で,取りあえずまとめさせていただいております。
前期の本特別委員会の委員でいらっしゃった方には違和感がないのではないかと考えておりますが,新たに加わっていただいた方にも見ていただいて御意見を頂ければと思っております。
この資料7-1は,基本的に省令で定めるべき事項を書いておりますけれども,資料7-3は,前回お配りしたものから改訂したQアンドAであり,,このQアンドAの中の一部の内容についてはガイドラインで規定をするということも考えております。また,省令におきましては特別選抜の対象は2分の1以下とすべきということを書かせていただいておりますけれども,先ほど申し上げた資料7-2の1月28日に取りまとめていただいた「法曹コースに関する考え方」にある,,5年一貫型選抜における法科大学院の定員の4分の1以内とするというようなことについては,,併せてガイドラインで規定するということを考えているところでございます。
続きまして資料7-1の2ページ目をごらんください。教育の体系化等(専門職大学院設置基準関係)と書いているものでございます。こちらは,改正連携法を踏まえて,法科大学院に関して省令レベルである設置基準に記載すべきものとして(1)から(11)まで挙げさせていただいております。これらの一部は現状でも設置基準に記載されているところでございますが,そのほかは文部科学省の告示や認証評価機関が定める認証評価基準で定められており,今回の改正連携法を踏まえて,省令である専門職大学院設置基準にしっかり書き込んでいくというものでございます。
一つ目,(1)でございますが,現在の専門職大学院設置基準第20条に,入学者選抜について,入学者の適正を的確かつ客観的に評価するものと書いておりますけれども,法律に具体的に,法曹となる者に必要とされる教育を行っていく,,さらに入学者選抜についても書かれたことを踏まえて,法科大学院の教育を受けるに足る能力を有するか否かをしっかり判定することを規定すべきではないかという形で書かせていただいております。
二つ目と三つ目が教育課程の関係でございます。現状におきましては,文部科学省の告示第4条におきまして,例で挙げられている法律基本科目とか法律実務基礎科目,基礎法学・隣接科目,展開・先端科目,これらの4つの科目群が書かれていて,この4つの科目群全てにわたって授業科目を開設するとともに,学生の履修が偏らないようにすることとされていて,具体的な単位数は認証評価基準で定められているということでございます。この点は後ほどの(10)にも関係してきますけれども,単位数も含めしっかり省令で書き込むということです。
また,法律基本科目については,基本と応用の段階的・体系的な学習とすべきではないかということ。これは,前期の特別委員会で,最初事務局としては,基礎・応用・発展という形でお示しさせていただきましたが,応用・発展というのがなかなか現実に区別するのは難しいという御指摘をいただきましたので,法律基本科目は基本と応用に分けて,基本というのは未修者1年次でやられるもの,応用というのは2年次以降でやられるものという考えでございます。
法律基本科目以外の他の科目群は,法律基本科目の学修に応じて段階的・体系的に学ぶべきではないかということ。
マル3でございます,展開・先端科目のうち選択科目に相当する八つの科目全てを開設するよう努めるべきではないかということでございます。この点,現在も,大規模でない法科大学院においては八つの科目全ては置かれていないことは承知しており,そのことを否定するものではなくて,法令上,今回在学中受験が行われることになり,そのために開設科目が減るということは望ましくないということもありますので,このような記載ぶりで事務局として検討してよいかということでございます。
四つ目が学習規模の関係でございます。文部科学省の告示において,法律基本科目というのは50人を標準だという形に既になっておりますが,設置基準にしっかり書き込むということでございます。
また,(5)が授業の方法等でございます。専門職大学院設置基準は,法科大学院に限らず一般的に専門職大学院というのは,双方向や多方向の教育として,討論,質疑応答を行うとなっていますけれども,法科大学院においてはその教育成果の一部を司法試験で試すことになっており,,また,法曹になってからの論述の能力というのは非常に重要であるということもありますので,論述能力を涵養できるよう,特に論述指導を重点的に行うべきで,そのように記載することとしてはどうかということでございます。
6番目でございます,成績評価の基準も,専門職大学院基準一般として記載はされているところでございますが,法曹コースにおいてはしっかりやっていくということもありまして,法科大学院においても改めて明示的に規定すべきではないかとさせていただいています。
7番目,法科大学院が公表すべき事項ということで,今回,改正連携法においてそういうことをやっていくということで,具体的にはどのようなことが考えられるかということでございます。大学制度全般として,学校教育法施行規則172条の2で,大学というのはしっかり公表していくと。公表することによって大学が自主的に教育の改善・充実を行っていくということでございますが,法科大学院は,修了資格が司法試験に結び付く,そして法曹養成制度の中核的な役割を果たすことが求められておりますので,一部まだ信頼が回復されていないところも踏まえ,例に掲げているようなことをしっかり書き込む。現在の認証評価でしっかりチェックされているようなことでございますが,公表をしていくということでいかがでしょうかということでございます。
8番目でございます,履修単位の上限でございます。現在,文部科学省の告示で,1年につき36単位を標準とするとなっております。というのは,法科大学院というのは予習復習をしっかりやらないといけないので,それほど多く単位を取得できないであろうということでございます。一方で,今回,在学中受験も導入することで,科目を前倒しとするというようなカリキュラムを編成しなければならないような事情もありますし,実際,法科大学院におきまして,学生の状況等々を踏まえて授業科目を増やしているということもありますので,(8)のような規定をしっかり省令で規定してしまうということではいかがかということでございます。
(9)の部分でございます。法科大学院については,標準修了年限が3年で93単位以上ということですが,未修1年次の部分については,法学既修者認定を受ければ1年,30単位まで短縮できます。また,他の大学制度一般と同様に,科目履修等で入学前の既修得単位も当然認められて,法学既修者認定と既修得単位を合わせて上限として現在30単位を認められておりますけれども,法曹コース修了者など法科大学院が認めた場合には46単位まで増加することを可能としてはどうかという案です。
これは,大学の学部では通常4年間で124単位取らないといけない。ただ,半分ぐらいは,大学が適当と認めれば他大学のでも構わないということを参考にして,法科大学院は93単位を取ることが基本であるので,最大限広げるとしたら46単位まで広げることができるので,それでどうでしょうかというものです。ただ,実際はここまで法学既修者認定や気修得単位の認定を使うようなところはないかなとは思っています。大学としてはこの範囲内で適切に既修者認定,修得単位の認定等をやっていただきたいという趣旨でございます。
10番でございます。先ほど御説明した(2)と(3)の教育課程の部分で,具体的な科目数でございます。法科大学院の認証評価機関は三つございますが,現状それぞれの考えで基準がございます。ある評価機関では54単位以上ということを求めています。
ただ,その評価基準でも,既修者コースの学生については,30単位を未修者1年次で取得したと考えて,残りの18単位以上というような考え方も示されており,例えば,法律基本科目については,48単位以上又は54単位以上とするのかという案を示しております。実務基礎科目,基礎法学・隣接科目,展開・先端科目については,それぞれ,例えばでございますけれども10,4,12単位以上としております。
また,法律基本科目は,先ほど申し上げたように,そのうち基本科目の部分は全て必修,その単位としては30単位を標準として想定しております。応用科目の部分は,法律基本科目として48単位を求めるとなれば18,54単位が修了まで必要と考えれば24単位以上になるということです。この場合,例1と例2を組み合わせますと,例えば,未修1年次で26単位修得するカリキュラムであれば,未修2年次以降に22単位やっていただかないと48単位には届かないことになるということでございます。
また,選択科目相当科目については,1科目以上を必修として,その単位としては4単位以上としてはどうかということでございます。
もともと法科大学院の制度というのは,設置基準は最低限の基準だけ定めて,認証評価でしっかりやって質を担保していくんだということで始まったものでありますが,今回の改正連携法においては,設置基準でしっかり書き込んでいくんだということですので,その旨を踏まえて省令で書き込むということでございます。省令で記載されていることが守られているかというのは,認証評価でしっかりと評価されるわけでございますが,認証評価独自の基準も非常に多彩にあり,そのように運用されてきたものでありますけれども,今回,制度的にかなり変わるということもございます。認証評価についてはさっきの途中からお話,御意見もあったとおり,重点化を図るべきではないかという形にしているところでございます。
また,資料7-3をごらんください。大学等の問合せをかなり今,受けておりまして,それをQとして加えているところでございます。かなり膨大に上りますので,事務局として考えを関係課等ともすり合わせて,変わったところだけ簡単に御紹介させていただきたいと思います。
まず5ページ目のQ19でございます。いわゆる履修プログラム方式をとった場合に,ある科目の履修ではなくて,ある科目を一定の成績以上で履修することをプログラム修了の要件とすることができるかということ。例えば,法曹コースの学生とそれ以外の学生が同一科目を履修し,同一基準で成績をつけた上で,B以上を修了要件とすると。C以下で合格した場合には,卒業単位としては取得できるが,法曹コース修了の要件は満たさないとすることができるかということでございます。
基本的に否定的に答えていたと思いますが,改めて関係課と協議した結果,可能という形にしているところでございます。
また,特に大学から御質問があるのが,7ページ以下の早期卒業の関係でございます。かなり同じような,似たような質問に対しても,ただ微妙に違いますので,それをそれぞれQAとして並べておりますが,基本的な考えとしては,Q31のA31にありますように,卒業後の進路は早期卒業の条件となり得ないということで一貫して整理しているところでございます。
この点ですけれども,法曹コースというのは法科大学院進学を目指すものではないのかという批判がございます。しかし,もともと早期卒業というのは,大学院進学を念頭に置かれた制度ではございますが,制度的には切り離されており,飽くまでも学部で定められた成績優秀要件等を満たして,学生が希望する場合に認められるものであります。今回,その制度を使って早期卒業,法科大学院2年既修者コースへ,しっかり質を確保しながら増やしていくということでございますので,それを担保するには,法科大学院に進学するよう履修指導をしていただくのが適当かと考えております。
早期卒業するためには,各大学,今,学部でもキャップ制。法科大学院ほどは厳しくなくても,学部でも予習復習をすることが求められるわけですから,それほど多くの単位は取れないことになっております。ただ,優秀な学生についてはキャップを外す,上限を緩和するというようなことをしておるわけですから,法曹コースにおいて優秀な学生については,本人の意向等を確認して,法科大学院進学を目指してます,また基準も満たしてます,早期卒業で法科大学院進学を目指しますというのを適宜確認しながら,確認できたら科目の受講を認めていくという形をとっていただくことと考えているところでございます。
Q54のところ,一部誤植もございますけれども,A54の部分でA**とありますが,これはA53の方法ということでございます。また,開放型特別選抜に関して,これを運用するのはなかなか難しいというような御意見を頂いておりますが,A53のように,出願要件としてしっかり要件を課すことも考えられますし,A54の下の部分でございますが,選抜試験とは別途,入学時までに科目試験を課すことも考えられます。これも課さなくてもいいわけなので,その他にも入学後に当該科目を履修させるなど,協定関係にある法曹コースの学生の学習量や到達度と適切なバランスをとりつつ,大学が適切であると判断する方法に実施していただければよいということでございます。
また,前期の特別委員会で繰り返し申し上げたところでございますが,5年一貫型というのが非常にうまく機能し,また,かなり,自大学以外,他大学でも法曹養成連携協定を結ぼうという動きがあると承知しておりまして,それが実際動いていくということであれば,5年一貫型というのが基本となって開放型というのは縮小していくというのが基本かと思っておりますけれども,またそのあたりについて御審議等もいただければと思います。
事務局からの説明は以上でございます。

【山本座長】 ありがとうございました。
それでは,ただいま御説明いただいたところについて,まず御質問があれば承りたいと思います。いかがでしょうか。

【土井委員】 よろしいですか。

【山本座長】 どうぞ,土井委員。

【土井委員】 じゃ,2点ほど質問をさせていただきます。
1点目は,早期卒業制度と法曹コースとの関係についてです。法曹コースにおいて,必修科目などの科目履修の在り方,あるいは修了に必要な成績水準等が,他の法学部での教育課程と比較して厳格に定められていて,法曹コースを修了することによって,法学部において優秀な成績を収めたということが定型的に判断し得ると各大学で考えられる場合には,法曹コースに限って早期卒業を認めるという運用をすることが許されると,そう理解していいのかというのが1点目です。
2点目は,5年一貫型教育選抜による法科大学院の合格者と法曹コース修了の関係でございます。法科大学院の入学者選抜,多くは学部卒業認定前に実施されて,合格発表が行われます。その結果として,法曹コース修了見込みで受験し合格した者が法曹コースを修了できない,あるいは早期卒業ができないという場合が生じることになると思います。この場合,今回のQアンドAの29に記されていますように,再試験等の救済策を講じることは適切ではないとするとしますと,同じくQアンドAの66に記されていますように,病気や事故で後期の定期試験等が受験できなかったから法曹コースを終えられないというようなやむを得ない事情があると認められる場合を除くほかは,基本的に5年一貫型教育選抜による合格は原則として取り消されるという,そういう理解でよろしいでしょうかという,その2点でございます。

【山本座長】 お願いします。

【大月専門職大学院室長】 1点目でございますが,その点については,Q28とA28で書かせていただいておりますように,可能であると。法曹コースがその属する学科の他の学位プログラムとは別個独立の学位プログラムと考えられる場合,法曹コースの卒業要件,早期卒業の要件を同一学科の他の学位プログラムと異にすることは可能であるとしております。
もう一つの御質問でございますが,Q2とA2にまず書いてあります。法曹コースは履修プログラム方式等でも開設できるとしていて,その点は変わらないということでございますけれども,法曹コースというのは,事務局としては,学位プログラムとして開設されて,法曹コースの修了要件と早期卒業の要件をそろえていただくのが望ましいと考えております。ただ,大学によってはそろえられない事情等があるのは承知しているところでございます。その場合にどうするかということでございます。文科省の判断としては,法令等に沿って適切に運用していただければ良く,特に入学者選抜の点については,そのような考えでございます。ただ,一定程度の考え方をお示ししないと,大学間で余り差が生じるのも適切でないので,このような形でQアンドAを作成させていただいています。
まず,一つ,Q29のA29の部分でございます。各大学において,早期卒業するための成績が足らなかった場合に,その救済措置,別途再試験を受けさせるとか,それはやってはいけないという趣旨ではなくて,早期卒業を促進させる目的でのために,そのようなことをすることは適当じゃないという趣旨で書かせていただいております。再試験を受けさせることが駄目だということではありません。
その他の御質問の点でございますけれども,その前提として,繰り返しになりますが,法曹コースの修了要件と早期卒業の要件をそろえていただくのが望ましいんですけれども,そろわない場合に,法曹コースも修了できずに早期卒業もできないという方は,多分,飛び入学で求められる優秀要件も満たさないだろうということではございます。早期卒業はできるけれども法曹コースを修了できない者をどうするかということですが,法曹コースは基本,修了してもらうということは考えていますが,いろんな事情があるものですから,大学としてコースを修了しないと法科大学院に入学を認めませんという方針もありうると考えていますが,修了できなかった事情も特別な事情がある等々考慮すれば,今後もしっかりと学修できると判断できれば,早期卒業で法科大学院既修者コース入学ということをさせてもよいのではないかと考えております。その個々の判断というのは非常に難しい部分はあろうかと思いますが,現時点ではそのように考えています。
一方で,早期卒業はできなかったけれども法曹コースは修了したという場合,これは大学の判断でございます。学生の希望も踏まえる必要があるでしょうが,飛び入学で法科大学院の既修者コースに進学していただくことに基本なるのかと考えております。
以上でございます。

【山本座長】 土井委員。

【土井委員】 結構です。

【山本座長】 ほかに。どうぞ,大貫委員。

【大貫委員】 資料7-1の3枚目の(10)で,修了要件の話になっています。修了要件のことをこの会議体で検討するというのは,正にミッションだと思いますが,これに係ることで,議論の前提というか,踏まえておいた方がいいことをちょっと確認させていただきたい。
修了要件とともに,司法試験の在学中受験資格の問題って物すごく重要な論点だろうと思います。他方,これ,所管の関係で言うと,法務省において検討するものだというのは理解しております。中教審の場でやることではないだろうと思っています。しかし,法科大学院の修了要件と,在学中受験に必要な所定単位,在学中受験要件は密接に関連しますので,在学中受験資格を取得するための単位を意識しつつ修了要件というのを考えなきゃいけないと考えております。
その前提で,もし可能であれば,法務省に御見解を伺いたいということです。質問は次のことです。司法試験科目に当たる法律基本科目及び選択科目について,法科大学院修了要件と在学中受験に必要な所定単位の関係がどのようになるのかということが一つであります。
また,仮に在学中受験を前提とした司法試験の実施が3年次の夏頃となった,先ほど,立案関係者の現在の考えでは夏頃だというお考えでしたから,一応それを前提にして考えるとということで,まだ決まってないのは十分承知しておりますが,その場合,在学中受験に必要な所定単位はいつまでに修得しておく必要性があると考えておられるのかというのが,二つ目ですね。
最後に三つ目が,司法試験科目そのものではございませんが,司法試験科目と密接に関わると理解されている,いろんな科目名でありますが,民事実務基礎とか刑事訴訟事務,民事訴訟実務の基礎とかいう言い方もありますが,民事実務基礎,刑事実務基礎が,いわゆる在学中受験の際の取得している必要がある単位になる可能性があるというふうにお考えなのかどうかということを。何でこんなことを聞くかというと,体系的で効果的な教育プロセスを構築していくことをこれから検討するわけですけれども,そのことと密接に関わるので,もし可能であれば教えていただきたいということです。

【山本座長】 それでは福原委員,可能な範囲でよろしくお願いいたします。

【福原委員】 分かりました。3点,御質問を頂きました。順次,お答えをさせていただこうと思います。
まず1点目の御質問は,法科大学院の修了要件として必要な単位と在学中受験資格が認められるための修得単位が同じか別個かと,こういう御質問ですね。

【大貫委員】 はい,そうです。

【福原委員】 この点に関しましては,在学中受験資格の取得に当たって修得が必要となる所定科目単位の具体的内容については,今後法務省令によって定めていくことになります。その法務省令の具体的内容につきましては,法科大学院の教育課程や専門職大学院設置基準の見直し状況,またこの特別委員会における議論状況等を踏まえて,裁判官,検察官,又は弁護士になろうとする者に必要な学識及びその応用力を有するかどうかを,司法試験により判定するために必要なものであるかどうかという観点から検討し,今後パブリックコメントを実施した上で決定することになります。
そして,在学中受験資格導入に当たっては,今般の法科大学院改革によって法科大学院教育の充実が図られることに伴いまして,法科大学院在学中であっても司法試験受験にふさわしい一定のレベルのものが養成されることが前提とされていることからすれば,在学中受験資格の取得に当たって修得する必要があるものとして定める法律基本科目や選択科目相当科目の単位数については,法科大学院修了要件として定められる単位数と基本的には同一になるというふうに考えております。
次に2点目の御質問ですけれども,2点目の御質問は,仮に司法試験の実施時期が3年の夏頃となった場合には,在学中受験資格が認められるために修得が必要となる所定の科目単位は,2年次の修了時までに修得する必要があるかという御質問だったと思います。この点に関しましては,今般の法改正後の司法試験の実施時期については,先ほど申し上げましたが,現時点では決定しておらず,会議体において検討されることになっておりますが,飽くまでも仮定ではあるものの,新しい司法試験の実施時期を夏頃とした場合,在学中受験資格に係る要件充足の確認手続のために要する時間等を考慮すると,法科大学院3年次の学生が在学中受験をする場合には,法科大学院2年次の修了時までの修得単位数が基準となるというふうに考えております。
3点目ですけれども,いわゆる実務基礎科目について,在学中受験資格の取得に当たって修得が必要であるとして定める科目に含まれるのかという御質問だと思います。実務基礎科目の一部を所定科目単位とするかどうかという点については,その要否を含めて現在検討中の段階です。現時点において確たることは申し上げられないんですが,法律基本科目や選択科目相当科目と異なり,実務基礎科目についてはそれ自体が司法試験の試験科目となっているわけではないということを前提として,各法科大学院におけるカリキュラムの実情や司法試験における出題の在り方等を踏まえて,今後検討していきたいと考えております。

【山本座長】 よろしいですか。

【大貫委員】 はい。

【山本座長】 それでは,時間もたってきましたので,御質問を伺っていたわけですが,まだ御質問をしていただいても結構ですが,意見交換も含めて行いたいと思います。どの点についてでも結構ですので,御意見等があればお出しいただければ。
じゃあ,大澤委員から。

【大澤委員】 御質問の続きになってしまって恐縮なんですけれども,早期卒業の点で,私の先ほど申し上げたこととも関連するのですが,大学院進学を早期卒業の要件とすることは適切ではないということを前提に,先ほどの御説明ですと,指導の過程で大学院進学を基本的には目的としているものだから,そういうことでいいですねという指導をするというようなお話がありました。しかし,はいはいわかりましたと言って法曹コースで学んで,そこで学んだことは,基本的に予備試験の勉強にも役立つわけですから,勉強の結果として予備試験に受かりました,じゃあ私はこれで早期卒業いたしますといったときに,これを止める手段はないという整理をされているという理解でよろしいのかどうかという点と,関連してQ30のA30には第2パラグラフがあって,「なお」以下がございますが,この「なお」以下のところで言われているのはどういう御趣旨なのかという点をちょっとお伺いしたいと思います。

【山本座長】 よろしくお願いします。

【大月専門職大学院室長】 学生の法科大学院進学への意思も確認をして,早期卒業するために修得する必要のある科目を受講させる,意思が確認できなければ受講させないということで,法科大学院進学の意思がない者は,早期卒業はできないという運用ができると考えております。
「なお」以下が曖昧な形になっていますけれども,そういうふうな形で進路指導をしていくことができるということです。法曹コースというのは法科大学院に進学するためのコースですということをあらかじめ学生に伝えておいて,予備試験で法曹を目指すのであれば,基本的にはなじまないということだと思います。そういうことをしっかり学生に周知していただきたいということでございます。

【大澤委員】 重ねて伺ってよろしいのかどうか,ちょっと迷いますが,法曹コースを修了するための科目の登録を認めないということになると,それは修了要件としているのと変わらないのではないかという気がいたしますが,それはやっぱり違うという整理なのでしょうか。

【大月専門職大学院室長】 それは一応違うというふうに理解はしております。

【大澤委員】 あと,済みません,ここのクエスチョンのところの御説明ですが,一応,Q32のところのアンサーを見ると,法曹養成連携協定に関する認定ができるかどうかということとの関係でこの早期卒業要件のことが書かれておりますが,早期卒業はもともと一般的な制度ですから,既にいろいろな大学で取り入れ
ているところもあるかと思います。その中には,大学院進学ということを目的としてうたって制度を入れているようなところもあるのではないかと思うのですけれども,それは早期卒業制度のあり方として間違っているという御整理になるのでしょうか。

【大月専門職大学院室長】 適当ではないということで,早期卒業等々を担当する課とすり合わせたところでございます。

【山本座長】 目的にするというのと,要件にするというのとの,また微妙な違いもひょっとしたらあるのかもしれませんが。

【森大臣官房審議官】 済みません,今のお話で申し上げますと,法曹コースの設置の目的として,法曹コースを設けた目的は法科大学院への進学。それを目的とするコースとして設定しますという形で,各大学では設けられるんじゃないかと思います。その上で,卒業の認定というのは,必要な単位を修得した場合ということになりますので,早期卒業については,それを3年生で全部,必要な単位を修得した場合ということになります。それを3年生で修得していれば,それに関しては,大学院の入学は,合格したかどうかということとは基本的には関係はしないということです。ただ,法曹コースの設置の目的自体は,法科大学院への進学。それを前提とした目的としてそのコースは設置される。そういう理解だと思っております。

【大貫委員】 簡単に言います。大澤先生と全く同じで,うちの大学でも,これは困った,困ったかなと。このA30の「卒業後の進路は早期卒業の条件となり得ない」というのはちょっと,かなり一般的過ぎて,今御説明があったように,まさに法曹コースの早期卒業というのは法科大学院課程に進学するということを前提にしているわけですから,そういうものとしてセットされているのに,行かなくてもいいというのは,ちょっと私はかなり違和感があって,こんな一般的な話じゃないというのが1点と,それと,実際,本当に予備試験の方に向けるというケースは相当出てくると思います。法曹コースでちゃんと勉強しました,ありがとうございます,予備試験に参りますと。それはちょっといかがなものかと。二元的な話と,それから現実の効果という点で,大澤先生と全く同じ考えを持っています。

【山本座長】 はい。松下先生,どうしますか。

【松下座長代理】 いやいや後で。

【山本座長】 いいですか。
それでは,先ほど手を挙げておられた加賀委員。

【加賀委員】 私の話はちょっと別所になるんで,今が適当かどうか分からないんですけれども,何ていうんでしょうか,規模感といいましょうか,そういうのが全く把握できないでこういうことを議論しなければならないのかなということをずっと思っていました。
つまり,日本の大学の法学部がどのぐらいな法曹コースを設置しているのか,若しくは設置し始めているのかということが全く分からない。恐らく文部科学省の方々は把握されているかと思うんですけれども。どこの大学がどこの法学部と連携をしているかということは,これは一大学人としては興味ありますけれども,また仄聞することがあるわけですよね,他大学のことでは。それを全貌を出してもらいたいということではないんですけれども,いずれそれは,加算プログラムが公表されたり,何ていうんでしょうか,認証評価をそれぞれが公表していく中で,あらわになるということは分かるんですけれども,この審議をするに当たって,どこがどこの学部とというふうに公表するということに何か差し障りがもしあるとすれば,別にそれはいいと思うんです,お出しにならなくても。でも,どうなんでしょうかね。規模感なんです,私が知りたいのは。
これだけの審議をしている,ところが,日本の法学部は,法曹コースは,現状ちょろっとであると。だったら,それを促進するためにはどうすればいいかということもまたテーマになるような気がするんですね。そんなことをちょっと感じておりました。

【山本座長】 ありがとうございました。恐らく文科省自体もそれはまだ把握という段階ではないですね。

【大月専門職大学院室長】 状況調査を始め,4月の時点で大学に調査ばかり掛けており,調査はなるべく少なくしたいと考えております。本年の1月時点の調査では,法科大学院を持っているような大学はほとんど,法曹コースの設置を考えていたと。そのほか,過去に法科大学院を持っていたところも10校程度,あくまでも考えているというものはあったところでございます。

【山本座長】 まだ定員等もなかなか,それぞれ決めかねている部分もあって。

【加賀委員】 それはそうですね。

【山本座長】 ですから,もしいろんな情報が今後あれしてくれば,もちろんここの会議には適宜出していただくということにはなろうかと思いますが。

【加賀委員】 これは適宜ということで,結構ですので。ありがとうございます。

【山本座長】 よろしくお願いします。
ほかにいかがでしょうか。じゃあ,潮見委員,どうぞ。

【潮見委員】 幾つか,希望も含めて申し上げたいことがあります。
第一は,先ほどから大貫委員とかあるいはほかの委員の先生方がおっしゃっていた早期卒業制度絡み,あるいはそれ以外の卒業生徒との関係というものについてです。さらに,二つあります。
一つは,もう既にお話しもございましたが,既にいろいろな大学が早期卒業制度を導入,3年で卒業できる制度がございます。それからさらに,飛び入学という制度も用意しているところもあります。そうした中で今回,法曹コースが,これも早期卒業ということを含んだ制度という形で導入されます。
いろいろな形でいろいろな方々からいろいろな意見を聞くことがあるんですが,どうも,早期卒業という制度と,それから今回の法曹コースが導入されることによって採用される早期卒業という制度との関係が,かなり混乱しているようです。この制度に関心がある方々でもそのような状況ですので,まして,そうじゃない方々あるいはこれから受けるであろう学生,一般市民,そのあたりに対して,誤解のないように,制度全体のスキームを示す方法を具体的に考えていただきたいと思うところがございます。
現在のところは,法曹コースを導入すれば,どうすればいいのか,あるいは,法曹コースと法科大学院の連携をどのようにすればいいのかを,議論していたということで,それはそれでよかったと思うんですけれども,その先の話をお願いしたいのです。
論理的に考えると,三つの短縮型の卒業制度あるいは飛び入学制度が並ぶということになりますから,そのときに,従来から用意されている早期卒業制度が,法曹コースを導入することによって影響を受けるのか受けないのか。恐らくそれは,それぞれの大学が独自の判断,ポリシーの下で早期卒業制度というものを導入しているはずですから,それを今回の法曹コースが導入されるということで変わることはないと思うんですが,そのあたりを含めて,少しはっきりしてもらいたいなということがあります。
それから,最大三つの短縮型の卒業制度あるいは飛び入学制度が仮に導入された場合に,例えば,法曹コースと飛び入学等との間の試験を共通にしたような場合に,法曹コースという形で受けた人が,事情があって結局法曹コースの卒業要件を満たさなくて卒業できなかった,でも,別の例えば飛び入学のような合格水準は満たしているから,法科大学院に入れてあげようということができるのかできないのかのあたりも,また少しはっきりと示してあげた方がよろしいのではないかなと思います。
特に,一度作ってしまった後でこれを直すというのはなかなか大変ですし,また,今後予想される評価のところでいろんな複雑なやりとりがあると,例えば評価に行く人と評価される側とで大変な労力を使うことにもなりますから,そんなものを含めて少し御検討いただければと思います。これが1点です。
二つ目は,法曹コースを導入しときに,法科大学院合格というものを要件としないということで考えるとなると,前から言っていることですけれども,今回の連携という基本的な考え方自体と矛盾するんじゃないかと,どうしても思ってしまいます。
法科大学院合格を要件としたのでは学生にとって不利益になるというようなことも指摘されているようで,ごもっともだとは思うのですが,しかし,制度として考えた場合に不自然さを感じるところがございます。まして,法曹コースというものは,法学部の中に入った連中でも割と早い段階で自分の進路を固めて,自分はこのような法曹の道に進もうということを考えている方がいて,その人たちに対して経済的あるいは時間的に,言葉は悪いですけれども便宜を図ってあげようというものであったとしたならば,法科大学院への合格というものを何か要件として,制約要因としてかぶせるのが,むしろ好ましいんじゃないのかなと思います。
そうしないと,例えば,3年で卒業して企業に就職するために法曹コースに入るということがいろんな大学で出てくるんじゃないかということも思われますので,少しそのあたり,もし時間的な余裕があるのならば御検討いただき,あるいは今後,運用状況を見て,必要に応じて,変更に向けた議論をするということをお考えいただきたいなと思います。
第二に,具体的に省令等に書き込むところでますが,3ページ目の修了要件のところに,例1で書いている「法律基本科目は48単位以上や54単位以上」というところがございます。例1の中に二つの案が並行して出されているのではないかと思うところですけれども,ひたすら単位を増やして必修で絞っていけば合格者が出るという話ではないと思います。
実際に48単位ぐらいのところで授業のカリキュラムを組み,その中で集中して指導して,それで司法試験に向かわせて,そして立派な成績を挙げている,合格率も高いというような法科大学院も幾つかはあるというのは,私は承知しております。そういうところが現在やっている,成功しているやり方を,単位を増やすことを強制することによって変えるというのはいかがなものかなと思います。増やしたければ増やしたらいいわけですから。ミニマムでいったら48ぐらいなところで抑えておく方が好ましいと思います。

【山本座長】 ありがとうございました。
中川委員。

【中川委員】 同じ意見になってしまいますけれども,加勢するということであります。
1点目,多くの方が言われました,まずは早期卒業と法曹コースの関係ですが,神戸大学でも同じ懸念をしております。法科大学院進学と早期卒業及び法曹コースが組むことができないということであれば,正直なところ,法曹コースを設置していいのかというところまで深刻に考えております。早期卒業は一般的な制度として別にあるのでそれを動かせないということになりますと,法曹コースに対する検討は本当に冷水を浴びさせられたというぐらい,かなり大きな影響があるということは御理解いただきたいと思います。
2点目ですけれども,修了要件。これまた潮見委員と同じ意見なんですが,資料7-1の(10)です。法曹コース,3+2あるいは3+1.5ということになりますと,我々も本当に五里霧中の中でやらなきゃいけないので,様々な工夫をしたいんです。ですから,思い切った緩和をお願いしたい。48か54であれば48であるべきだし,その他,極端かもしれませんが,法律実務基礎科目は6単位以上とか,基本的に2単位の1科目ですので3科目以上とかということも考えられる。最低限これとこれはなきゃいけないだろうということを考えると3科目かなと思ったということなんですけれども。それ以外を何をするかというのは,やはりそれぞれの法科大学院がそれぞれのビジネスモデルを持って,これまで十何年いろいろ頑張ってきているわけですので,それをさらに工夫していただくという方が,結果をといういては重要なことですので,できるだけ緩和をしていただきたいと思います。
3点目です。これが最後ですけれども,司法試験の実施時期です。最終学年の最後に様々な選択科目の履修をさせ,応用・発展的な履修を充実させると言ったところで,8月に司法試験で,結果が11月に出る,あるいは12月に出るということであれば,もう履修科目の登録は終わっていますのでどうしようもないんですね。だから,カリキュラムを充実させるというのであれば,カリキュラムがどのぐらい組めるのかということをやはりよく考慮していただいて,それに基づいて司法試験実施期間を定めるというふうに,決めるといいますか,そういう了解がある程度ないと,議論しようがない。カリキュラムのあり方を決めるのと,司法試験実施時期を決めるのとどちらが先かというのは,先に決めてしまった方が勝つのかもしれませんが,とにかく,お互いに勝手にやりますと言われると,これはもう話にならないというふうに思います。
以上でございます。

【山本座長】 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ,大貫さん。

【大貫委員】 前の井上座長のときには,弁士停止という,議事進行権の行使があったんですが,しゃべり過ぎるときには止めていただいて結構ですが。
今,潮見委員と中川委員の方から出た発言と同じようなことを申し上げますが,後ろから行きますと,司法試験の実施時期については,先ほど福原課長が言及なさったように,司法試験委員会と連携してとおっしゃったと思います。設置される予定の会議体において検討するということになりまして,余りゆっくりやってられませんので,非常に集中的にやることになりますけれども,先ほど申し上げた,法科大学院協会でアンケートをとりまして,それが今,取りまとめに入っております。その資料も十分に検討していただきながら,しかし,決めるときは決めていただくということになろうと思います。これが1点です。
それから,修了要件のところの48か54かっていうのは,潮見委員は遠慮がちにおっしゃいましたけれども,確かに48単位で十分なパフォーマンスをしている大学っていうのは存在するというのは,厳然たる事実であります。それともう一つ,学位授与機構の認証評価基準を見ると,48っていうのが最低だという形で出ているということであります。実際,各大学をざーっと調べると,確かにそれよりちょっと多いところもありますけれども,それは各大学で大分違うんです,これ。本当に異なってるなと思うぐらい違いますので,それは,もし48で足りないということであれば,各大学の教育の理念に基づいて増やしていただくということでよいのであって。
私は,中川委員がおっしゃったように,余りここで高いハードルをやると,本当に動きがとれなくなる可能性があります。ですから,これも私は48という方向で,ちゃんとこれで実力が付くということのそれなりの説明は必要ですけれども,48という方向で考えた方がいいかなと思っております。
以上です。

【山本座長】 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ,久保野委員。

【久保野委員】 久保野でございます。かなり方向性の違う話なんですけれども,途中で大貫委員の方から法科大学院協会でのアンケートの中で,スロースタディをする学生の存在というものについての言及があったという御指摘がありましたけれども,中には,法曹コースに登録して法曹を目指すけれども4年で学部を卒業して法科大学院に行くという選択をしようという学部生ですとか,あるいは,いろいろなパターンがあるとは思いますけれども,これも途中で議論がありましたとおり,法科大学院で在学中受験ではない選択をする人ですとか,あるいは,これまでのいろいろな資料の中でも5年一貫型特別選抜について,その後の修正がなければということですけれども,4年生が受ける可能性について全く認めないわけではないということが書かれていたような気もいたしまして,申し上げたいことは,もちろんこの議論の中心は,経済的・時間的な負担をなくして,優秀で能力のある学生に3プラス2で法曹になる道筋を付けるということであるというのは承知しておりますし,それを中心に議論するということには全く異論がないんですけれども,他面で,そうでないプロセスをとって法曹になることを目指す者にとって,プロセスが見えにくくなったりですとか,法曹になりにくく見えるようなことになるのも,それはそれでちょっと望ましくないかなと思っておりまして,そうではないプロセスの学生がどのような具体的な制度の下に置かれるのかといいますか,それらの学生の目指し方が分かりにくくならないように留意しながら議論を進めていただきたいと思っております。
以上です。

【山本座長】 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ,木村委員。

【木村委員】 済みません,他の先生方とちょっと繰り返しになるかもしれませんけれども,一つは,先ほどから先生方がおっしゃっていた必要単位ですね,48単位とか54単位という話なんですけれども,一つは,今まで認証評価の基準の話だったのが,省令に挙げるということ。それと,あとは,合格者・不合格者が混在した学年というものが存在することも考えると,さっき中川先生ですか,おっしゃったように,自由度をかなり認めていただかないと,とてもカリキュラムが組めなくなるんじゃないかという危険があるように思います。
それと,もう1点,これはもう先生方皆さん共通認識だと思いますけれども,法曹コースは,本学ですら,予備試験の受験者のためのコースじゃないかっていう意見がかなり出ていまして,これは本当に大変な危惧というか,何のためにやっているんだということになりかねないとは強く思っております。
以上です。

【山本座長】 ありがとうございました。
どうぞ,髙橋委員。

【髙橋委員】 さらに繰り返しになってしまうとは思うんですけれども,大学院進学の条件にできないということなんですが,法曹コースについて学内で少し説明会をやった際に,既に,4月に入学したばかりの1年生から,予備試験で卒業していいのかという質問も出ているという状態で,学生はそういう認識でいるということも是非御理解いただきたいと思います。
それからもう1点なんですけれども,ちょっと違うところで,資料7-1の(10)のところで,法律基本科目について,基本科目とそれから応用科目に二つに分けるということで,1年次配当科目を基本科目というふうに位置付けるということなんだろうと思っておりますが,応用科目という形,2年次以上の科目は全て応用科目というような位置付けにしてしまいますと,ちょっと未修者教育などを念頭に置いたときに,例えば,また基本的なところに戻らなければいけないというような科目の設置ができないのかというようなところが出てきてしまうのではないかと思いますので,名称はともかく,余り硬直的な運用にならないようにお願いしたいなと思います。

【山本座長】 ありがとうございます。
自身は余り強権的な訴訟指揮はしたくはないと思っているところですが,本日,あともう一つ,議題,未修者教育の,これもまた重要なものがありますので,恐縮ですけれども,また次回以降に議論は引き継ぐということで,この点についてはこの程度にしたいと思います。本日頂いた御意見については,事務局の方で次回以降の議論に向けてまとめていただければと思います。
それでは,最後になりますが,昨年度取りまとめられた「法科大学院における法学未修者への教育手法に関する調査研究 成果報告書」というものがございます。これにつきまして,まず,本日お越しいただいている椛島弁護士の方から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【椛島弁護士】 弁護士の椛島と申します。この調査研究を受託した法務研究財団の調査研究チームの事務局をやっている関係で,きょう,御説明をさせていただきます。7分間で説明しろという話ですので,ポイントだけということになるかと思います。今,ずっと議論を聞いておりまして,大変,未修者のことに関してはアウェー感があるなというふうに思っているんですけれども,気を取り直して報告をしたいと思います。
時間がございませんので,資料8の146ページ以下に別紙13としてこの調査研究の概要がございますので,これを見ながらお聞きいただければと思います。
この調査研究に関して,法学未修者への教育手法に関する調査研究ということで,去年の8月から今年の3月までの期間ということで13校の法科大学院の実地調査を行い,ヒアリング,アンケート等を行って,今回の成果報告書を取りまとめました。
1枚目,146ページの第3というところですけれども,前提としていろんな留意点があるなということで,幾つか書いております。
第1点としましては,今回,法学未修者への教育手法に関する調査研究ということですけれども,先生方に私が申し上げるのは大変僭越ではございますが,法科大学院の未修者をめぐる問題という中で,法科大学院の教育現場で解決できるものはある程度限定されていると。すなわち,現在の未修者をめぐる問題というのは,法科大学院のそもそもの志願者の減少,それから司法試験の在り方などの問題を含めて生じている問題でありまして,そういう中での未修者教育として何かできるかという調査研究だという位置付けだということが第1点でございます。
第2点としまして,らせん型云々と書いておりますけれども,未修者に関して幾つかの困難というものがこのヒアリング,アンケートの中で共通に見出せたと。すなわち,学修方法をそもそも身に付けるということが非常に困難であると。それから,法的な能力過程というのがいわゆる段階的なものでなく,らせん型に能力を修得していくという過程に一般的にあるにも関わらず,恐らく,教わる未修者の側も,それからかなり最近まで教える側においても,必ずしもそのような前提でのカリキュラムあるいは教え方がされてこなかったという問題。
それから法学未修者,とりわけ他学部,社会人の,人数も少なくなっているという中で,非常に孤独感を抱きがちであると。そういったような未修者をめぐる問題状況があると。そういうものを踏まえた対応が必要だということが今回明らかになったということでございます。
三つ目として,各法科大学院,いろんなところでいろんな未修者に関する取組をしておられると。しかし,そういうものをやはり一体として,全体的なものとして取り組み,それから関係者が十分な意思疎通を持って連携を図りながら実施していくということが非常に重要であると。そういうあたりのことが幾つかの留意点として明らかになったということかと思います。
そういうものを踏まえまして,各法科大学院の未修者に関する改善方策を,147ページにございますように,志願者の確保策,入学者選抜,入学前後の取組,カリキュラム,授業内容・方法,試験,正課外での学生への対応,それから学修意欲を維持するための取組,こういう項目に分類しつつ,各大学の取組を成果報告書の中で御紹介をさせていただいております。詳細は成果報告書をお目通ししていただければと思います。
最後に,改善方策の実施に向けた課題というところ。この点が恐らく中教審の今後の議論では重要なところではないかと思いますので,この点に関して少し御説明させていただきます。
幾つかここに記載しております。
第1点として,やはり未修者教育というのは手間暇が掛かるということでございます。言わずもがなのことですけれども,非常にドライな言い方をしますと,一人の司法試験合格者を生産するための人的・物的コストを既修者と未修者で比較したときには,明らかに未修者の方がコストがたくさん掛かるということでございます。そういう未修者教育というものの実施に関して,各法科大学院の自主的な努力によって未修者教育を頑張ってくれということは,およそ現実的ではないだろうというのが,今回の調査を踏まえた結論と言えると思います。したがいまして,法学未修者教育に焦点を当てた継続的・安定的な何らかの財政支援の仕組みが検討される必要がある。これが第1点かと思っています。
2点目,教員の負担に対する配慮が非常に必要ではないかということでございます。未修者教育を一生懸命行われている先生ほど本当に大変な思いをされているということが,本当に肌身で感じた今回の調査でございました。そのような先生方の負担加重をどうやって解消していくかと,これも重要な課題だと思います。
3点目,認証評価制度との関係でございます。やはり認証評価の基準,あるいはその運用の在り方に関しては,現状を踏まえ見直すべきことがあるだろうと考えております。詳細は成果報告書に譲りたいと思います。ただ,この認証評価に関しましては,他方で,やはり法科大学院がいわゆる司法試験合格者を生産するための機関というふうに変質しないための重要な役割を果たしてきたということが,大前提として考えられるべきだろうと。その上で,しかしやはり現状に応じた形でどういう点の工夫ができるのかということについて,検討をしていく必要があるんじゃないかなと思っています。
第4点でございます。進行中の改革案と書いておりますが,これは4月の報告書ですので,今回のまさに今,議論されてこられた改革案との関係でございます。今回の成果報告書は,進行中の改革案に関しては考慮に入れずに作成しております。ただ,他方で,この制度改革がなされたときには,未修者教育の在り方に関してはいろいろ変えなくてはいけない。こういう議論は幾つもの法科大学院で聞かれたところでございます。今回の改革自体が既修者のための改革であるということ,これは明らかなところでございまして,それから,そういう中で未修者教育に対しては逆風であること,これもまた明らかなところだろうと思います。そういう中で,未修者教育を崩壊させないためにどういう努力ができるのか,そこの点は是非ともこの中教審でしっかりと御議論いただければと思っているところでございます。
最後,今後の取組というところでございます。この間,中教審で以前,御報告させていただいたところでも,もっとあれをやれ,これをやれと言われて,いや,しかし,時間も短くて,今回できることは極一部にすぎないんですということを申し上げてまいりました。私も事務局として半年間,本当に寝ても覚めても未修者のことしか考えないような生活を送ってきましたけれども,それでも,できたことというのはやっぱり,やるべきことの極一部だと思っています。そういう意味でいうと,やはり,今後,未修者の問題に関して継続的に情報収集し,検討していくと。そういう場が必要だろうと思っておりまして,今回の調査研究は,終わりではなくやっぱり始まりにすぎないのではないかと思っております。
このような検討を継続して行えるような仕組みを是非とも御検討いただきたいというのが,最後の点でございます。
以上です。

【山本座長】 ありがとうございます。
短い時間で的確にまとめていただいたと思いますが,この法学未修者に対する教育の在り方につきましては,最初にも申し上げたとおり,今特別委員会の重要な課題だと思っておりますので,この報告書も踏まえて,今後十分に時間をとって御議論いただきたいと思っていますけれども,もし,本日の段階で何か特に御質問あるいは御意見があれば承りたいと思いますが,いかがでございましょうか。
どうぞ,丸島委員。

【丸島委員】 未修者教育のことは,中身についてはこれから議論されるということですので,私が最近感じていることを若干話させていただきます。
実は私,法テラスの役員をしていますが,この間,スタッフ弁護士の面接活動というのをずっとやっています。この一月ぐらいの間に約20人ぐらいのスタッフ弁護士希望の者と面接しましたが,そのうちの半分近くは30代から40代,50代前半にかけての社会人出身者でした。いずれも未修者課程を経てきた人たちです。いずれもそれぞれの,なぜここを目指したかということについて,それぞれの法科大学院の先生方の非常に手厚い熱意ある教育のおかげだと。あるいは,スタッフ弁護士を志望したのもその先生方から勧められたという話を随分聞かされました。
未修者教育をめぐる厳しい要求をいろいろ伝えられていますが,現実,そこで見て,非常に社会のニーズに応えた方々がそこに生まれているということを感じています。海外協力の支援をやっていた女性であるとか,人権団体の事務局に長く勤めていた女性であるとか,あるいは過疎地で起業を試みていた男性であるとか,あるいは医療現場にいた男性であるとか,その職種も様々でありまして,こうした方々は,社会の要請からすると,極めて大事な人材だなというふうにつくづく思っていますので,改めて,未修者教育の点については,社会のニーズに応える観点からよく議論していきたいと思います。
ちょっと話はずれますが,きょう,冒頭で議論はスルーになりましたけれども,今年,志願者が非常に増加した,かつ入学者も増加した,未修者も増加した,このことは非常に,関係された方々のこの間の努力の成果だと思いますし,大いに希望を持たせることだと思います。法科大学院協会と日弁連が一緒に取り組んでいる学生に対する取組についても,熱心な学生が増えているということなんで,ただ,他方では,人材競争,人材獲得競争が各現場で極めて激しいところがありますので,関係機関の協力によるそうした取組も引き続き,続けていただきたい。
そして,併せて,さっきから出ているとおりに,多くの方々が経済的あるいは時間的負担を軽減するということが,今回の改革の目的であります。そのことは法科大学院教育だけではなくて,合格に至る過程についての時間的負担の軽減ということも関わるわけでありますから,法務省でやっておられる司法試験の時期や内容をめぐる議論と,この中教審の議論が,やっぱりパッケージで進むように,時間もないでしょうが,中教審の場を通じて情報共有していただきたいですし,時間がないようであれば,この委員会の座長あるいは座長代理の先生方と,あるいは法務省の関係者との間でも,密に協議をして,両方がそごがないように議論を進めていただきたいなと思います。よろしくお願いします。

【山本座長】 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。よろしければ,そろそろ予定されていた時間ですので,本日の会議はこれで終了したいと思います。
なお,今後の日程につきましては,事務局から追って御連絡をしていただくということになります。
それでは,本日は長時間にわたりまして御議論いただきまして,ありがとうございました。

―― 了 ――
 

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