法科大学院等特別委員会(第91回) 議事録

1.日時

平成31年1月28日(月曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省 第二講堂(旧文部省庁舎6階)

3.議題

  1. 法科大学院等の教育の改善・充実について
  2. その他

4.議事録

※本議事録は未定稿です。

【井上座長】 
 所定の時刻になりましたので,もうおそろいのようですので,第91回になりますけれども,中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会を開催させていただきます。
 本日は,第9期の委員による最後の会議となります。これまでの議論に引き続き法科大学院教育等の改善・充実について御議論いただきたいと思いますけれども,特に第9期において議論を深めていただきました法曹コースについて本特別委員会としての取りまとめを行わせていただきたいと思っております。本日もこれまでに増して活発な御議論をよろしくお願いしたいと思います。御協力のほどもよろしくお願いしたいと思います。
 まず,事務局の方で異動があったということですので,事務局より報告をお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 平成30年1月22日付で高等教育局長の義本博司が辞職し,翌日,大学入試センターの理事となっており,後任に1月22日付で伯井美徳が着任しております。また,1月23日付けで大臣官房文部科学戦略官として浅田和伸が着任しております。

【浅田文部科学戦略官】 
 済みません。浅田でございます。私は,以前,平成17年から18年に専門教育課長をやらせていただいて,あと平成29年の前半,短かったんですけど,高等局の審議官をやらせていただいたことがございます。そのときから大分変わっていますので,また勉強してキャッチアップしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【井上座長】 
 続きまして,事務局の方から配付資料の確認をお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元に議事次第を御用意願います。4の配付資料のところでございますが,資料1から資料4と参考資料となっております。資料に不足,落丁等ございましたら,お気付きの際に事務局までおっしゃってください。
 以上でございます。

【井上座長】 
 それでは,次に法科大学院等の教育の改善・充実のうち,法曹コースに関する考え方につきまして,事務局の方から説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元に資料1と資料2を御用意願います。最初,資料1を使って御説明させていただきます。
 この法曹コースの考え方につきましては,昨年3月13日に「法科大学院等の抜本的な教育の改善・充実に向けた基本的な方向性」を取りまとめていただきまして,それを踏まえまして,本特別委員会で御議論いただいてきたものでございますが,その法曹コースの考え方について整理するものでございます。
 法曹コースの定義と概要というものでございます。定義につきまして,これまでの議論のとおりかと思いますが,改めて資料に沿って説明させていただきますと,法学部等を設置する大学が,国の定める下記要件を満たし,法科大学院と連携して,法科大学院既修者コースの教育課程と一貫的に接続する体系的な教育課程を編成し,法曹志望者や法律の学修に関心を有する学生に対して学部段階からより効果的な教育を行うものであります。
 このコースは,学部・課程等として開設することができるほか,学部・課程の中で開設することもできるとしております。
 開設の手続でございますが,法曹コースを開設しようとする大学と法科大学院の間で協定を締結することによって開設することができると。当該協定が適当である旨の文部科学大臣の認定を受けることにより試験を課さなくても法曹コースの成績によって既修者認定をすることができて,特別選抜も実施することができる、実施していただくこととするということでございます。
 法曹コースを開設することができる学部でございますが,少し整理しまして,法曹コースは法学に関するものである学部において開設が可能としております。
 法科大学院と法曹コースを開設しようとする大学で協定を結ぶ,協定に定めていただくべき事項でございますが,法曹コースの名称とか,同コースにおける成績評価の基準,法科大学院を設置する大学の法曹コースに対する協力に関する事項,法曹コース修了予定者を対象とする協定先の法科大学院における入学者選抜の方法。協定の有効期間,協定が履行されなかった場合の措置。
 ページをおめくりいただきまして,2ページ目でございますが,法曹コースにおいて,協定先の法科大学院入学者に求められる学識を修得させるための教育課程を編成することなど,法科大学院における教育と協定先の法曹コースにおける教育との円滑な接続を図るために必要な措置としております。
 また,認定の要件でございますが,丸1から丸5でございます。法科大学院が適格認定を受けていること。法曹コースの教育課程に関しまして,(イ)のところでございますが,法律の基本科目に相当する7科目が開設されており,協定先の法科大学院既修者コースの学修に円滑に接続するために必要な基礎的な学識及び能力を修得させる科目が必修科目とされていること。
 協定先の法科大学院既修者コースとの円滑な接続を図るための措置が講じられていること。
 法曹コースにおける科目の単位の修得状況を踏まえた選抜を行うこととされていること。
 協定が履行されない場合に法曹コースの学生が不利益を受けないような配慮がされているようなこと。
 早期卒業に関する手続規定が定められ,早期卒業を希望する学生に対して適切な学修指導の実施等十分な教育的配慮を行う体制が構築されていることということがございます。
 なお,星印で付けておりますが,今期の中央教育審議会におきまして,2040年に向けた高等教育のグランドデザインというものが答申としてまとめられたところでございます。この中で学部教育において学修成果の可視化の担保を今後求められていると。これの詳細については別途ワーキンググループのようなものが設けられて議論がなされているところでございますが,これまでの法曹コースでの議論を考えますと,これらの要件,学修成果の可視化というのも担保されているかとも思いますが,今後,この議論に応じて,この点についても学部教育として求められることが考えられるということで記載しているところでございます。
 4のその他法曹コースに求められる事項といたしまして,定員のことが書かれております。これにつきまして,参考資料の法科大学院入学者選抜全体イメージというものをごらんいただければと思います。2019年度の法科大学院の入学定員は2,253人になると考えられておりまして,そうすると,特別選抜の青い部分は最大600人程度と。開放型の部分は5年一貫型と合わせて最大1,100人程度ということで,しっかりとした学修を法曹コースで積まれた学生が特別選抜で法科大学院既修者コースへ入学できるような形での定員規模が求められるということではございますが,1,100プラスアルファと書いているように,アルファというのはかなり幅が広いものであるとは考えているところでございます。法曹コースは,その教育にふさわしい環境の確保のため,学生数を適切に管理することというのは学部全般で求められていることを記載していることでございます。
 2ページから3ページ目に掛けてでございますが,成績評価と修了者の質の保証ということで,本委員会でもかなりの時間をかけていただいて,この点,御議論いただいたところでございます。その在り方ということで,「例えば,以下のような取扱いが考えられる」という形で二つの例示を掲載しております。一つ目が全ての科目が法曹コース,特別な科目は設けない。ただ,法曹コース以外の学生も含めて厳格な成績評価を実施するもの。もう一つの考えられるパターンとしては法曹コースの学生のみが履修できる科目とか,法曹コースの学生が履修を義務付けられる科目を設定するなどして,その科目の内容や成績評価についてきめ細かく評価することにより全体として厳格な成績評価を実現し,修了者の質の保証を実現するものとしております。
 早期卒業については,繰り返し出てきますが,中段の辺り,必要な基礎的な学識及び能力を学部3年修了時までに修得させることが可能となる教育課程を編成すること。その際修得させる科目については,必修科目,選択必修科目を適切に組み合わせて提供することとしております。
 その他法科大学院に求められる事項として,開設の準備に必要な情報の公表ということで,法科大学院を設置する大学において,当該法科大学院既修者コースの教育課程や,教育課程を履修する上で求められる学識及び能力を公表すること。
 また,法曹コースの開設を希望する大学へ必要な協力を行うこと。これは情報提供等を考えております。ただ,実際には現時点でこのような協力は始まっているというふうに理解しております。
 教育課程の編成に当たっての留意事項ということで,科目等履修や共同開講の対象となる科目については基礎法学・隣接科目や法律基本科目と関連が深い展開・先端科目を主に想定しつつも,法曹コースを開設する大学と協議し,決定すること。
 法曹コースの学生が法科大学院入学前に修得した丸1に関する科目の単位はどちらかにしか算入できないこと。
 実務基礎科目など理論と実務を架橋する教育については原則として法科大学院で行うこととしております。
 法曹コースと法科大学院の接続の関係で,これは余り修正しているところはございませんが,1)の選抜方法のところで3ページから4ページに掛けてでございますが,特別選抜は法曹コースの成績,面接,法律科目の論文式試験等,法科大学院が適当と認める資料により入学志願者の能力等を合理的に総合して判定する方法により実施する。特に,法律科目の論文試験を課す選抜を開放型選抜,先ほどの参考資料で言うと緑のところが開放型選抜ということでございます。
 一方で,論文式試験を課さないものを5年一貫型教育選抜としております。
 募集人員のところは全く変わっておりませんけれども,3)の特別選抜の対象ということで,法曹コース修了予定者を対象とすることとして,学生自らが応募する方式を原則とする。出身大学の指導教員の推薦状は志願者の任意提出資料とする。
 特別選抜の実施時期につきましては,4月以降に適切に判定できる時期に実施することとしております。
 特別選抜の実施に関する留意事項として,丸1,同一の募集区分において選抜方法について異なる取り扱いをしないということ。
 丸2のところがこれまでの議論を踏まえて少し書いておりますけれども,専願枠や自大学出身の募集枠を設けることは認められないが,地方における法曹を養成するような,法曹が活躍していただくことが非常に重要であることに鑑みて,地方大学出身者を対象とした特別選抜についてはこの限りではないと。この場合,自大学も含めて地方大学出身者を対象とした推薦入試,専願枠を設けることも可とするということ。ただし,地方大学に関しましては,七大都市圏等々という条件を課そうと考えておりましたが,それだと法科大学院があるところも地方大学の対象となるということもございますので,この辺りは本日の御議論も踏まえて,事務局で決めたいと考えているところでございます。
 その下でございますが,文部科学省が認定した法曹コースには一定の質が確保されることになる。ついては緑色の開放型選抜をする場合には協定先でない法曹コースからの入学志願者も原則対象とすることが求められるというふうにしております。
 4番目では,例の参考資料で,青色だけなのか,緑色だけなのか,青色をやる場合には緑色も含めてやるのかは各法科大学院が判断するものとするが,地方大学出身者を対象とした選抜を除き,協定先の法科大学院によって異なる取り扱いをしないとするとしております。
 これは,要は自大学であれば非常に連携が密にできるので,青色の試験を一切課さない選抜をやって,他大学については緑色の選抜をやるというものは認めないということでございます。これは基本的には同一の形でやってもらうのが公平でもあり,そのような形で協定を結んでいただきたいということでございます。
 その下,開放型特別選抜において,法曹コースの成績を基に科目免除を行うことは制度開始当初は認めないということでございます。開放型選抜なので,試験は課すということですが,法曹コースでの成績が非常に良いので,良い科目については免除することも考えられうるわけですが、そうすると,協定先と協定先じゃないということで分離もされるので,基本的に認めないと言うことであります。逆に,開放型といえども法曹コースを対象としておりますので,本日この辺りも必要な御意見等おっしゃっていただければ有り難いと考えておりますが,開放型については3科目とか,4科目とか,5科目,3科目は少ないかもしれませんが,そのような試験を課して,そのほかについて法曹コースの成績で判断していくというようなことも考えられるのかなとは思っているところでございます。
 5ページでございますが,法曹コース出身者の既修者認定につきまして,これまでの整理が,最初に書いておりますが,今回の既修者認定ということで改めるということでございます。
 丸1は協定先の法曹コースの特別選抜においては,当該法曹コースの成績を基に一括して法学既修者認定することを認めるというもの。
 その次が既修者認定の対象科目として,基礎法学・隣接科目等を新たに加えることを可能とするということ。
 法律基本科目以外については選抜区分に関わらず法曹コースの成績を基に既修者認定することを認めるというふうにしております。ただし,学部生がどのような形で科目等履修されて,どのような成績が信頼に値するのか分からなければ制度としてはこうしておいても各法科大学院の判断で認めないということはあり得るのかなと考えております。また,この辺りについても御意見等おっしゃっていただければ有り難いと考えております。
 その下,丸3でございますが,法学未修者が2年次になって初めて学修する法律基本科目,例えば行政法,訴訟法という例を挙げておりますが,法曹コースを履修し,単位取得している場合には既修者認定の対象とすることも可能とするとしております。科目と履修とか,共同開講科目に関して,特に国として制限を設けるものではございませんが,この書きぶりで言うならば,これまで既修者,2年になってやるような憲民刑等々については既修者認定の対象とはしないということで,このような書きぶりにしているところでございます。
 最後丸4については5年一貫型教育選抜については,入学を許可する段階までに未修1年次の教育内容を一括して認定することを基本とするとしております。
 最後の法曹コースの安定的運用の実現についてということで,(1)とありますが,これは従来から変わっておりません。
 2の法曹コースの質保証の部分でございますが,法科大学院の認証評価において,丸1及び丸2を厳正に評価するということで,協定を締結した法科大学院が協定先の法曹コースに関し,協定に基づき行うこととされている事項の対応状況。
 また,特別選抜により法科大学院に進学した法曹コース出身者(法学部3年次修了後に早期卒業により入学した者や,4年で卒業した者も含む)の司法試験合格率ということでございます。
 また,いわゆる加算プログラムについても1のうちの特別選抜の方法や2の司法試験合格率について厳正に評価するとしております。
 8の制度開始時期については,この4月に1年生で入ってくる学生,2020年度に2年次に進級する者を念頭に置いて調整するとしております。
 続きまして,資料2をごらんください。資料2につきまして,QアンドAというような形で基本的な考え方に関しての運用上の詳細等について記したものでございます。今後とも各法科大学院,法学部等からの御質問に対してこの資料を追記することによって,法曹コースの設置等について必要な検討が進むことができるようにしてまいりたいと考えております。
 Q1が履修プログラム方式も可能なのかということでございますが,履修プログラムでもしっかり体系的な教育課程として編成されて,指定された科目分が体系的に履修されていれば可能であるということ。
 協定の手続の関係でございますが,大学から部局へ委任して,部局間で協定を締結することも可能とするということ。また,同一大学の場合においては部局間協定を締結するものとするとしております。
 Q3は先ほど申し上げたことでございます。
 Q4の手続等については今後速やかに整理の上,各大学に共有するというふうにしております。
 続きまして,2ページ目でございますが,法曹コースの作り方として,Q5,A5,こういうことが考えられるというものでございます。A5で3パターン入れていますが,そもそも入学者選抜,若しくは2年進学時に在籍人数を選抜・限定して,当該のおおよそそういう方々が法曹コースを修了するものというもの。
 又は,入学時,2年進学時には幅広くその可能性を認めて,学年進行時に成績評価等々で絞っていくものということ。
 3番目については,2番目と最初の部分は同じですが,入学者選抜で絞ることを考えているというものも考えられるというふうに整理しております。
 Q6のところなんかは,法律基本科目に相当する科目等々について,未修1年次の内容であることが必要であるようなこと等が記載されております。
 また,一つ飛ばしまして,成績評価のところ,Q8でございますが,特定のコースのみ同一科目に関して要求水準に差異を設けることは可能かということでございますが,不適切であるというふうな形にしております。
 また,Q10,早期卒業の要件でございますが,同一学科の特定コースのみ要件を異なるものとすることは可能かというところでございますが,法曹コースの考え方について,いろいろな形での設置が可能かと考えています。この辺り,図示をして,QアンドA等に載せることとしたいと考えておりますが,一つ,明確な形で入学から卒業までのプログラムという形で整理された場合には他のプログラムと卒業の要件を分けることも可能であるということでございます。また,そういう形で整理いただくと,法曹コースの修了はできないけど,早期卒業ができるとか,早期卒業はできないけど,法曹コースは修了できるとか,そういう形にならないので,基本的にはそういう形でそろえていただくのが期待されるかなというふうに思っております。
 その次,Q11,本委員会でもいろいろ御意見があったところでございますが,早期卒業制度を導入する際には大学院進学を要件とすることは適切ではなく,学生に強制することはできないとの理解でよいかということで,卒業後の進路は早期卒業の条件とはなり得ないというふうに考えていると。ただし,特定の進路を念頭に置いて早期卒業制度を利用することを意図していることまで不適切というつもりはなくて,その旨,あらかじめ学生に周知しておいて,条件とならない形で適切に運用していただければということでございます。
 あとQ15,この辺りもよく御議論があったところでございますが,5年一貫型教育選抜とあるが,4年で修了した学生は対象とならないのかということ。4分の1以内には含まれないのかという理解でよいのかということでございますが,法曹コースというのは,本特別委員会,2年間御議論いただいたように,法曹を志望する学生が法曹となるまでの時間的,経済的負担を軽減するため,学部を3年間で修了し,法科大学院既修者コースに接続することを想定しているが,法曹コースを4年間で修了した学生を特別選抜の対象としないとの趣旨ではないと。したがって,特別選抜枠としての4分の1に含まれる。また,これまで推薦方式と表現しておりましたが,表現の適正化を図ったものであるということでございます。
 また,先ほど少し触れましたが,Q16でございますが,選抜方法について,複数の協定先の中で特定の大学が開設する法曹コース修了者のみ5年一貫型選抜の対象とすることは可能かということでございます。これは自大学だけを青色でやって,他大学については緑でやる。そういうことをやってあげた方がよいのではないかという御意見もあるのは承知しておりますが,公平性の観点から問題になる場合もあるので,認めないということで整理しているところでございます。
 そのほかがQ21の5ページの下のところでございますが,優秀な高校生に周知するためには法曹コースの設置予定と協定先の法科大学院を予定として公表する必要があるが,予定であることを前提に公表の要件は何かということで,以下のような形で法曹コースの設置は予定であること,法曹コースの学生は必ずしも3年で卒業できるとは限らないということ,法科大学院入学を確約するものではないことという形にしております。
 Q25でございますが,法曹コースを設置する学部の授業に関して法科大学院の認証評価の対象となるかということで認証評価の対象となることは想定していないということとしております。
 長くなりましたが,事務局からの説明は以上でございます。

【井上座長】 
 ありがとうございました。
 それでは,意見交換に入る前に,まずただいまの説明につきまして,あるいはその前提となる文章の内容につきまして御質問があれば御発言をお願いします。
 どうぞ,松下さん。

【松下委員】 
 質問させていただきます。
 推薦入試という言葉が資料1と資料2に出てきます。資料1で言いますと,4ページの5)の丸2ですし,それから,資料2で言いますと,5ページにありますクエスチョンの19ですけれども,これは何を意味しているのか。素朴な質問で恐縮ですが,御教示いただきたいと思います。推薦の主体は誰なんでしょうか。

【大月専門職大学院室長】 
 前,推薦入試と使っておりましたところを改めて,今回,推薦と使っているのは,学部等からを想定して記載しているところでございます。ただ,基本的に先ほど資料1で4ページの3)で書いておりますように,学生自らが応募する方式を原則とするというふうには考えております。
 以上でございます。

【井上座長】 
 よろしいですか。

【松下委員】 
 そうすると,資料2の5ページのクエスチョン19の方がいいかもしれませんが,ここで言う推薦入試というのは論文式試験もしないし,法曹コースの学部成績そのものも選抜の材料とはしないという趣旨でしょうか。

【井上座長】 
 どうぞ。

【松下委員】 
 例えば法曹コースの方は推薦があると,特別選抜の5年一貫型よりも更に手続を省略した入試になるのかという質問です。

【井上座長】 
 どうぞ。

【大月専門職大学院室長】 
 済みません。そういう意味で5年一貫型以上のものを求める,5年一貫型よりも軽減されるものではなくて,学部の成績はしっかり見ていただくということでございます。ただ,こういう形で地方大学を対象に枠を設けるような形での法科大学院側で言うならば募集は可能であるということでございます。

【井上座長】 
 ほかに御質問はございますか。どうぞ,中島さん。

【中島委員】 
 小さな質問が二つと,やや大きめの質問が一つございます。
 まず一つ目は資料1の1ページの2法曹コースの開設手続の(2)の丸2にあります成績評価の基準というものがあるんですけれども,どのような内容を想定されているのかということを御教示いただきたいというのが一つ目です。

【井上座長】 
 一つずついきましょう。

【中島委員】 
 はい。

【大月専門職大学院室長】 
 基本的にはこれまで学部等で定められている単位取得できるものの上位3割に限るとか,そもそも上位3割に限った上でもしっかりとした所定の目的を達せられているとか,そんなことをしっかり定めていただきたいということで,特にそういうことを定めていただければよいということでございます。

【井上座長】 
 それじゃ,2番目。

【中島委員】 
 二つ目は同じ資料1の2ページの3なんですけれども,これは確認のような質問になります。丸2の(ロ)の中に法情報調査に関する科目というのが挙がっておりまして,そういったことに関して措置が講じられていることとありますけれども,これは何か特別な科目を開設するとか,それを必修にするというような必要はないというふうに理解してよろしいものでしょうか。

【井上座長】 
 どうぞ。

【大月専門職大学院室長】 
 これは例示に挙げておりますけれども,法情報調査が必修科目だという趣旨ではございませんで,円滑な接続を図るための措置ということで講じられていることが必要だろうというふうに思っています。ただ,法科大学院の先生方でもいろいろな御意見はあろうかと思っていますが,法科大学院においてはこういう科目を設けられているので,法学部でこういうような科目というのは設けられる,こういう趣旨のようなものは設けられた方がよいのかなというふうには考えているところでございます。

【中島委員】 
 ありがとうございます。

【井上座長】 
 じゃ,大掛かりなものですか。どうぞ。

【中島委員】 
 ちょっと大きめの質問になりますけれども,同じく今質問いたしました文科大臣による認定の要件の丸5,早期卒業に関する手続規定が定められていると。この項目というのは,認定のマストな要件なのかということを伺いたいです。例えば3ページには,この間,ずっと同じ文言が用いられていますけれども,早期卒業を制度の活用が期待されるという書きぶりになっていまして,この⑤がマストだとしますと,例えば早期卒業を利用してロースクールに進学する,相当数の学生が様々な事情で見込めないような大学ですとか,あるいは3プラス2はあくまでも例外的で,4プラス2で体系的な学修をして法曹養成を行っていくことにもある種意義を見いだしているような大学はこの制度から排除されてしまうというか,認定の対象外になってしまうのではないかという,そういった危惧も若干持ちますので,質問は,要するに,必ずこれはないと,このコースとして認定されないのかというのが三つ目の質問です。

【井上座長】 
 どうぞ。

【大月専門職大学院室長】 
 2ページ目の,大臣による認定の要件ですので,これは満たしていただくことが必要だということでございます。早期卒業に関する手続規定,早期卒業制度を導入することが要件であると。ただ,繰り返しになりますが,3ページのところで期待されるというのは,全員が早期卒業制度を利用して3年卒業になるとは考えていませんので,ただ,この法曹コースの趣旨を考えたら,有為で希望する学生を,3年卒業を希望する学生であればしっかり能力等を身に付けていただいて,法科大学院2年の既修者コースに学部3年修了時の後に行けるような形にしていただきたいという趣旨でございます。

【井上座長】 
 それでよろしいですか。

【中島委員】 
 はい,結構です。

【井上座長】 
 ほかに御質問。どうぞ。じゃ,潮見さんから。

【潮見委員】 
 どうもありがとうございます。1点だけ,文言についての確認です。資料2を使います。QアンドAですが,Q6,A6です。Q6のところに「法曹コースの教育課程について,「法律基本科目に相当する科目」や「基礎的な学識及び能力を修得させる科目」とは,法科大学院レベルの内容でなければいけないか」という問いが立てられています。それに対する回答であるA6では,「同コースの科目は,法科大学院未修1年次の内容であることが必要である」と答えられております。法科大学院レベルの内容というのと,法科大学院未修1年次の内容というのは,若干ニュアンスもあろうかと思いますし,同じなのか,違うのかという辺りもかなり微妙な問題が出てこようかと思いますので,ここは何か意図的に書き分けているのか,それとも今後更に精査していくということで,当面,こういう形の表現にされているのかということを少し教えていただきたいというふうに思っております。
 
【井上座長】 
 じゃ,大月さん。

【大月専門職大学院室長】 
 基本的にQにある質問の内容というのは,大学等から御質問いただいた内容をそのまま記載しておりまして,こういう形の答えだと分かりにくいのかもしれませんが,未修1年次の内容であるというようなことが必要であるという形に書いています。細かい表現等については,またいろいろな御意見等頂いて,しっかりブラッシュアップしていきたいと考えております。

【潮見委員】 
 この辺り少し慎重にお願いできればと思います。
 どうもありがとうございました。

【井上座長】 
 その辺も御意見を出していただいて,誤解の生じないような明確な表現につながればいいと思いますので,後で積極的な御意見を頂きたいと思います。
 じゃ,磯村さん。

【磯村委員】 
 先ほどの中島委員の御質問に関連する質問なんですけれども,先ほどの資料1,2ページの⑤のところで,早期卒業制度が整備されていないと駄目だという御回答であったと思います。他方で,5年型一貫教育と書いてあるけれども,4年プラス2年を排除するわけではないという説明があったと思いますが,例えば複数の大学法学部と協定するときに,この法学部とは,4年の法曹コースで協定するというのができないという理解になるでしょうか。

【井上座長】 
 どうぞ。

【大月専門職大学院室長】 
 早期卒業制度を整備していないところであるとできないという理解をしております。

【井上座長】 
 この制度自体は3,2を基本的なモデルとして想定した制度なので,そうすると,そこのところ,少なくともそういうことが可能な法曹コースでないと,その制度趣旨には合わないと。そういうことからこの要件が入っているんだ,そういうことですね。
 どうぞ,瀬領さん。

【瀬領委員】 
 2点ほどあります。1点は磯村先生の質問に関連するのですが,認定を受けるときの認定対象は,法科大学院と締結した一つ一つの協定自体なのか,学部が提供する法曹コースの教育プログラムの教育課程なのか,その点を確認させていただきたいと思います。

【井上座長】 
 じゃ,その点から。どうぞ。

【大月専門職大学院室長】 
 協定そのものでございます。

【瀬領委員】 
 つまり,ある法学部が3つの法科大学院と協定を結べば三つの協定についてそれぞれ認定を受けるという手順が必要となるということでよろしいですね。
 もう一つは資料1の2ページ目の4,法曹コースを持たない自校の成績評価のところで,従来,この中に論文式試験をという文言が入っていたかと思いますけれども,今回の文章では学部の成績評価の手法に関しては論文式試験という文言が落ちています。成績評価に際しては論文試験にこだわらないということでよろしいでしょうか。

【井上座長】 
 どうぞ。

【大月専門職大学院室長】 
 済みません。そこはそういう形で議論がなされていたので,こちらが整理する中でQアンドAに落とすのかはともかくとして,その点は明示させていただきたいと思っております。ただ,本委員会でも御議論ありましたように,全て論文式試験でなければならないというわけじゃなくて,選択式のようなものも組み合わせることは可能かと考えておりますし,特にこの場ではありませんが,個別にルールを問い合わせいただく中で,学部2年次,3年次,2年次は基本的なものでいいと思うんですが,3年次であれば,当然しかるべき事例問題というものが求められるというふうには考えております。その辺りもQアンドA,どこかでしっかり入れていきたいと思っております。

【井上座長】 
 その辺も御意見があれば後ほどお伺いできればと思っていますけど。質問自体はこのぐらいでよろしいでしょうか。そろそろ意見交換に入りたいと思いますので。意見交換の中で,その前提として御質問いただくことは構いませんので。よろしいですか。ちょっと議事進行上,そういうふうにさせていただきたいと思います。
 それでは,意見交換ということで,最初にお願いしているとおり,きょう最後ですので,きょう取りまとめたいと思っていますので,御意見がある方は積極的に御発言いただければと思います。どなたからでも。
 じゃ,磯村さん。

【磯村委員】 
 むしろ表現の問題が多いんですけれども,資料1の書き出しのところの2行目に「法学部が自校又は」とありますけれども,先ほど御説明があったように,法学士であるということは限られないので,「法学部等」とする方がより正確ではないかなと思いますし,1のところの1行目は「法学部等」となっているので,それに合わせる方がいいかなと思います。
 それから,今の1のところの文章なんですけれども,法曹コースの定義というタイトルですが,その次の文章は体言止めになっていて,主語がないので,「法曹コースとは」とか,あるいは「効果的な教育を行う履修コースを法曹コースという」とか,そういう文章にする方がいいのではないかというように感じました。

【井上座長】 
 確かに。

【磯村委員】 
 それからもう1点,資料2の方のQ2のところなんですけれども,大学間協定ではなくてもいいというQアンドAなんですけれども,独立大学院ではないようなところで,専攻にすぎないので部局とはいえないけれども,協定できるのかというのが一定の,とりわけ国立大学法人については問題になり得るかと思いますので,その点もちょっと確認できればと思いますが。

【井上座長】 
 今の点は御質問ということですか。

【磯村委員】 
 そうですね。

【大月専門職大学院室長】 
 専攻で設置しているようなところも多数あると承知しております。その辺りちゃんと整理して,QアンドAに載せていきたいと思っております。

【井上座長】 
 ほかに御意見はございませんでしょうか。
 じゃ,大貫さん。

【大貫委員】 
 意見か,あるいは質問ということになるんですけど,資料1の3ページの成績評価のところです。修了生の質の保証のところの成績評価ですが,3ページの一番上の丸1のところの話は法曹コースと法曹コース以外の学生が混在した形で同一科目を受ける場合です。この場合,厳格な成績評価をする。それは言葉どおりとればそうなんですが,法曹コース以外の学生も厳格な成績評価を受けるという趣旨だと思っています。前にも言ったことがあるんですけど,例えば成績評価基準は全く同じでも,A,B,C,D,評価の基準は同じでも,法曹コースの学生はC以上じゃないと単位の認定はできないとかいう形での差別化はできるんでしょうかということをお聞きしたいです。
 何でこんなことを言うかというと,厳格な成績評価をやると,法曹コース以外で同じ科目を受講する人は迷惑なことになる可能性もあって,余り現実的じゃないんじゃないかなという気がしていますので,そういうやりの方がいいんじゃないかと思っています。

【井上座長】  どうぞ。

【大月専門職大学院室長】  この成績評価の関係は省内の担当部局とも議論して,ですので,この議論の当初,私が申し上げたこととは変わっているかもしれませんが,本日も申し上げたように,同一の学生がどこのコースに所属しているかによって成績評価基準を変えちゃいけないというのが原則ですので,今のようなものは認められないというふうに考えております。ただ,一方で,またQアンドAとかで整理したいと考えていますが,しっかりとした成績評価がなされているという前提の下で,法曹コースの修了要件についてはGPAでこれ以上と課していただくとか,そういうようなことは考えられるのかなと思っておりますが,その辺り整理させていただきたいと思っております。

【井上座長】  どうぞ,片山さん。

【片山委員】 
 質保証のところに関して質問させていただきます。認証評価との関係ですが,資料で5ページ,それから,QアンドAですとクエスチョンの25辺りになりますけれども,法科大学院認証評価において,どこまで法曹コースについての評価をなすのという点です。丸1,丸2を評価するということで,丸1の方で協定を締結した法科大学院が協定先の法曹コースに関し,協定に基づき行うこととされている事項の対応状況を評価するという部分ですけれども,具体的にどのような内容が想定されているのかということを質問させていただければと存じます。
 併せてQアンドAで言いますと,25番目のQですけれども,授業の質ということで,授業自体が評価の対象となることを想定していないということでありますけれども,例えば成績評価が厳格になされているかどうかという点について,認証評価でチェックするということは妨げられないのか。単に授業参観は行わないということをおっしゃろうとしているのか。その辺り,法曹コースでの質保証について,認証評価はどこまで関与すべきか,できるのかということについて,改めて見解をお示しいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【井上座長】 
 どうぞ。

【大月専門職大学院室長】 
 その辺りについてはもう少し整理が必要かと考えております。前回か,前々回でお話があったとおりに,基本的に学部教育というのは,法科大学院の認証評価制度の対象ではないというふうに考えておりますが,協定の履行状況については確認するということで間接的な影響は受けることになるというふうには考えております。まず基本的に履行,協定に関しての定めるべき事項については1ページ目から2ページ目に書いているとおりでございまして,これらについてどれだけ,何が問題になるのか,十分検討できているわけではございませんが,その検討と併せて認証評価でどの程度の対象となるべきなのか。基本的には先生方の本特別委員会における意見としては,認証評価というのは法科大学院の制度であるので,抑制的であるべきだというふうに理解しておりますが,その辺りについてもしも御意見等頂ければ,今後の検討の参考とさせていただければなと思っております。

【井上座長】 
 どうぞ,磯村さん。

【磯村委員】 
 一つは,これも表現の問題なんですけど,資料1の先ほどの5年一貫型のところの表現が,開放型選抜に対して5年一貫型教育選抜となっていますけれども,どうも5年一貫教育型選抜とする方が対応関係としてはいいのではないかと思うんですけれども,それはちょっとささいな点ですが。
 もう一つは,今の認証評価の関係なんですけれども,片山委員の御発言でも少し示唆があったんですけれども,先ほど潮見委員の御発言との関係で言うと,法曹コースで一定のレベルの授業というのがなされているということが前提となってこういう仕組みが動くとすると,連携協定の内容をチェックするという過程では、どういう法学の教育課程を連携として認めているかということが間接的に評価対象になるというのは避けられないのではないかと思いますので,ここの書き方だと余りにも断定的に評価の対象とはなりませんと書き過ぎているので,学部自体を評価対象とするわけではないけれどもというニュアンスを残しつつ,ちょっと工夫していただく方がいいかなと思いました。
 以上です。

【井上座長】 
 今の点は恐らく潮見さんが言われたようなところを表現しようとしたもので,それをどう誤解のないように表現するか。間接的には影響が当然及ぶんでしょうということは,この中でもそういう意見が出たところですので,学部そのものの授業に踏み入っていって認証評価の対象とする,そういうことではありませんと。それをうまく文章で表現するということですね。
 どうぞ,中島さん。

【中島委員】 
 今の磯村委員の御意見と若干重なるところがあるのですけれども,QアンドAのQの15ですね。先ほど室長の方からも御説明いただいたところですけれども,4プラスにも4年間で修了した学生が排除されないというふうに認識いたしました。ここの表現が特別選抜という言葉と一貫教育型というのが混在していますので,その辺り,明快な形で整理をしていただいた方がいいのではないかなと思います。何度も参照を求められている図を見まして,青の方とか,緑の方というふうにおっしゃるわけですけれども,一貫型と開放型というふうにシンプルに整理していただいて,その両者を含むものが特別選抜であるというふうに一読して分かるような形にしていただければというふうに思います。
 ここからは既に答えが見えているので本当に意見ということで申し述べますけれども,前回の委員会も時間がない中,発言をお許しいただいて申し上げた点ですけれども,この委員会として,5年というものを打ち出すというのがミッションであるということは重々承知をしておりますが,プロセスとしての法曹養成制度ですとか,グローバル化や第4次産業革命の対応というような,そういった視点から言いますと,経済的,時間的な負担の短縮というものだけが前面に出てくる,5年一貫型ということに関して若干危惧を持っております。経済的,時間的な負担が重いというふうに感じながら勉強している学生さんもそうですし,長期留学など多様な経験をしている人たちもそうですし,そういった多様なバックボーンとか,指向性を持っている人たちが安心して法曹を目指す環境を整備することがひいては我が国の利益にも資するというようなポジティブなメッセージを打ち出すべきなのではないかというふうに私個人は考えております。ただ,最低限,一貫型と開放型と特別選抜という言葉の使い分けをきれいに整理していただきたいというのが要望です。

【井上座長】 
 ほかに御意見。どうぞ,日吉さん。

【日吉委員】 
 今の中島委員の御意見に関連して,ちょっと申し上げます。意見です。
 資料1の今ずっと中島委員がおっしゃっていた5年一貫型教育選抜という,これは略称なんですけれども,略称について,資料2の方で,クエスチョン15で確認事項みたいな質問が出ていると。この質問が出るというのは,ある程度,「そうなりますよね」というような,私はすごく受け止めたのは,5年一貫型というふうに略称を付けてしまいますと,実際はその中に4年で入ってくる,卒業してくる人もこのルートで行けるんですよというようなことは確かにQアンドAでは書かれているんですけれども,学生さんに対しても,この制度,そうでなくても複雑な制度を理解しようとしているマスコミの方々,あるいは親御さんとか,そういう方々に対して少なくとも誤解を生むような略称は付けない方がいいのかなと。
 先ほど中島委員も一貫型と開放型というふうに端的におっしゃったんですけれども,私も別に5年ということを殊さら略称に入れて,クエスチョンの方で,いや,6年でもいいんですというふうに言うのではなくて,一貫型と開放型。要するに,5年一貫型という略称を一貫型というふうに変えて,説明の中で早期卒業の3プラス2の人たちはこのルートですよというようなことを明示するというようなことの方が誤解を生まなくていいのではないかなというふうに,これは意見です。

【井上座長】 
 御趣旨はよく分かるんですけど,5年というところにも意味があるんですね。今回,30年度内にかなり抜本的な改革を示せという,そういう縛りになっているものですから。5年ということが一つの基本なんですよと。ただ,そのコースで3年で卒業できなかった。4年掛かっちゃった人も,全然排除する趣旨ではありません。そういう比重の置き方を付けているので,それを取っ払っちゃって,どちらもあるんですよということだと,むしろそちらの方が誤解を招くという面もあるのかなというふうに。それは私個人の印象なんですけど。

【岩村委員】 
 よろしいですか。

【井上座長】 
 どうぞ。

【岩村委員】 
 今,井上座長がおっしゃったことと私も全く同意見でありまして,我々が今回やろうとしているものの中心的なメッセージは何かというのがはっきりと示されないと,これから司法試験をやっていこうという,そういう学生たちに対して伝わらないんですね。つまり,3プラス2でやるんですと。これが要するに,メーンだとは言わないけれども,一つのルートとして,きちっと作りますというそのメッセージをこれから司法試験を受けたい,法曹になりたいという若い学生にきちっと明確に伝えるということが,私は何よりも必要だというふうに思っています。もちろん各大学,法学部などの御事情によってなかなか3プラス2は行けない。法曹コースを作るにしても,早期卒業というところにウエートを置けなくて,4年プラス2になるというところはあるだろうというふうには思います。そのことは排除しませんというのが今回の案なので,メーンできちっと明示したいというのは,3プラス2だとすれば,5年一貫というのは入れる必要がある,残す必要があると私は思います。

【井上座長】 
 ほかの方。今の点でも結構ですし,ほかの点でも結構ですが。
 どうぞ,酒井さん。

【酒井委員】 
 今の5年一貫型と表現するかどうかという点なんですけれども,私自身は日吉委員に近い感覚を持っていまして,今回の改革の目玉が期間短縮の点にあって,その観点から5年ということを打ち出す必要があるという必要性はよく理解しているつもりです。ただ,このメッセージを受け取る側の法曹志望者となる学生さんたちが実際どういうふうに受け止めて,どういう層に響いていくのかということはやはり慎重に配慮する必要があると思うところで,自分は早期卒業して,3プラス2で司法試験に受かって法曹になるのだという気概を持って臨んでくれる学生さんにはもちろん5年という言葉は非常に響く,これはそのとおりだと思います。ただ一方で,自分は3プラス2の勉強だけで果たして司法試験に受かるんだろうか,法曹になれるんだろうかと。もう少ししっかりとゆっくり時間を掛けて学びたいという層にも変わらず門戸は開かれているのだと。そういう方も望まれているのだということも,また一方で伝えるべき重要なメッセージだと思いますので,用語のことは最終的にどうなるかということはあると思うんですけれども,そういったことが例えばQ15で単に4年で修了した学生を特別選抜の対象としないとの趣旨ではないという程度ではなく,もう少しきちんと受け手に伝わるような部分は残していただければということを意見として述べさせていただきます。

【井上座長】 
 どうぞ。

【木村委員】 
 済みません,ちょっと違う観点になってしまって申し訳ないんですけれども,資料1で言いますと,2ページ目の認定の要件のところの丸1で,適格認定を受けていることというのがあるんですけれども,適格認定を受けていなければ協定を結べないということなんだろうというふうに思いますけれど,今,認証評価は5年に1回でやっていますが,協定を結んでいて,その途中で不適格になったというようなことがあったときは,協定を結んでいたんだけれども行き先がなくなっちゃったみたいな話はあり得るのかなというふうに思います。いわば後出しじゃんけんのようなところがあって,こういうことにリンクさせるという形で今まで認証評価していたわけではないんですね。なので,そんな不安定なことにならないように安定的な運営ができるような,認証評価の点も併せて検討する必要があるのかなというふうには思いました。

【井上座長】 
 今の点は適格認定のないところともということでは困るので,最低限ミニマムの要件としてそれを入れたということですね。後でそういうふうに事情を変更した場合の手当てというのはちょっと別の問題かなという感じがするんですけど。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

【樫見委員】 
 別の点でもよろしいでしょうか。

【井上座長】 
 どうぞ。

【樫見委員】 
 法曹コースを設置する場合に,自大学の法科大学院と学部との関係,協定のある場合にはそれほど問題がないと思うんですけれども,他大学の法曹コースと別の大学の法科大学院が連携する際に,先ほどの認証評価の質問にもございましたけれども,認証評価は法科大学院を通じて行うわけで,法学部の方できちんと厳格認定しているかとか,あるいは開設の仕方ですとか,そういうことについて,ある程度法科大学院の方が例えば他大学の法学部に対して,こうしてくれとか,ああしてくれとかというような形で,そこは協定という形で合意をして行われるわけでありますけれども,他大学の法学部内に対して認証評価があるからこうしてくれとか,ああしてくれとかというふうに,言葉は悪いんですけれども,指示をするとか,あるいは我々やっていますと,認証評価があるから,こうしなければいけないみたいなのが結構認証評価をする際には感じるところなんですが,そういった他大学の法曹コースに対して認証評価を通して余り影響力を与えるということは学部教育に対して余りいい影響を与えないのではないかと。これは私の危惧であるかと思いますが。その点,先ほどの認証評価のところで,対象にはなりませんというふうに一言だけしか書いてないんですけれども,この点,もう少し配慮した言い方をしていただけるといいなと。自大学の場合には余り問題ないと思うんですが,他大学の法曹コースとの関係で,問題になることが将来なければいいなという,私の危惧でございます。済みません。

【井上座長】 
 今のところも自大学でもそこのところはセンシティブな問題なので,同じ大学だからといって,一体になっているところばかりとは限らないので,かなり独立性の高いところもあって,それぞれ,それぞれの哲学で授業というか,教育をやっているわけですね。ですから,そこは自大学か,他大学かということよりは法学部の授業に影響を与え得るので,そこのところは慎重な表現をしてほしいと。そういう御要望だということですね。

【樫見委員】 
 そうですね。

【井上座長】 
 それは認定のところから問題があるんですね。認証評価,問題になるとすればね。認証評価だけの問題じゃなくて。でも,それはお互いに協定するときに,法科大学院としてはここぐらいのことは考えてくださいというふうにお願いして,学部の方が,それならこちらも受けられるということで,多分,協定が成り立つので,そんなことを言われても,そこは無理だよという場合は,協定が成り立たない。基本的にはそういうことなんだろうと思うんですけど。

【鎌田委員】 
 よろしいですか。

【井上座長】 
 どうぞ。

【鎌田委員】 
 資料1の4ページの下の方にある④ですけれども,特別選抜の実施に当たって,1)丸1の開放型,丸2の一貫型のどちらかだけ,あるいは両方合わせてもいいというところは分かるのですが,その後の「協定先の法科大学院によって異なる取り扱いをしないこととする」というのは,先ほど御説明いただきましたけれども,不平等になるから良くないということでした。現実にいろいろヒアリングした結果,大丈夫だということだろうと思うんですが,例えば甲大学法科大学院が,乙大学の法学部は信頼できるから推薦で受け入れるけど,丙大学法学部はいまいちだから,試験を課すけど,もうちょっと頑張れば良くなるかもしれないから,教育方法やなんかで協力していきましょうという協定を結ぼうと考えたと仮定します。こうした形で乙大学と丙大学とで入学試験類型の異なる協定を結ぶことは許さないと書いてあるんですね。これをやられると,自分のところに法科大学院があって,法曹コースを設けて,5年一貫型の推薦制をとらないという法科大学院は少ないでしょうから,その法科大学院が法科大学院を持っていない法学部と協定をするときに,必ず無試験入学で卒業生を受け入れでも大丈夫だ,それによって「定員の1/4まで」という無試験入学枠の一部を埋めることになっても支障はないという自信がなかったら協定を結べない。そうなると,結果的に法科大学院のある法学部しか一貫型の特別選抜にチャレンジできる法学部がなくなっちゃうという事態が起きないかということを懸念しています。
この制度改正によって,もっと法曹を志願する学生を増やしたいはずです。しかし,自分のところに法科大学院がない法学部であって,これまでも非常に優秀な法曹を,ほかの法科大学院経由で育ててきたところがあるけれども,こういうところが外から見ると,あの法学部へ行っても法科大学院には一般選抜で行かなきゃいけないということになると,公にあそこは余りお勧めできない法学部だとレッテルを張られたみたいな印象を大学受験生が持ったりして,逆にこれによって裾野が狭まるという懸念があるんじゃないか。
法科大学院と学部との関係が様々で,法学部ごとに選抜方法が異なるようになったら不都合があるかというと,例えばA大学法学部がB大学法科大学院と協定してなくても,C大学法科大学院と協定して認定を受けていれば,その卒業生はB大学法科大学院の開放型選抜試験にチャレンジできるんですね。だから,A大学法学部とB大学法科大学院が開放型で来てくださいという協定を結んでも,余り弊害はなさそうな気もするんですけど,なぜこうなったのかという理由が,先ほど説明を伺った限り,余りにわかに腑(ふ)に落ちなかったところがあるものですから,御説明いただければと思います。

【井上座長】 
 多分,協定を結びながら結んだ相手によって差を付けると。それを避けるということだと思うんですね。それこそそっちの方がひどいのかもしれませんが,あなたのところは青ですと。あなたはちょっとしんどいので,協定は結びますけど,青ですよと。青は協定を結んでないところとも一緒ですよ。こういうふうになるので,それは不公平になるから,やめましょう。そういうことですよ。

【鎌田委員】 
 不公平でもメリットの方が大きいんじゃないですかね。まあ,分かりました。

【井上座長】 
 ほかに御意見ございますでしょうか。どうぞ,片山さん。

【片山委員】 
 意見ということで2点ほど申し上げます。先ほどからの認証評価の点ですが,もちろん学部教育に認証評価を通じて関与するとかということであれば問題なのかもしれませんが,やはり認証評価の趣旨としては,最低限のことがきちんとできているかどうかをチェックするということだと思いますので,認証評価が学部の法曹コースでの教育内容について,ある程度チェックしていく役割をきちんと担っていく必要はあると思っております。法科大学院認証評価もこれまで十数年の間で3回ございましたが,それぞれ役割が違ってきておりました。特に制度立ち上げ時におけるチェックは,一定程度厳格にやっていく必要があって,間接的か直接的かは別として,例えばきちんと成績評価がなされているかどうかとか,そういった点について認証評価で事後的なチェックができるように是非お願いしたいなというのが私の意見です。
 2点目は,やはり法科大学院の理念として多様な法曹の養成という点があって,それは法曹コースができて学部も法曹養成の一端を担うという上おいては学部にもその趣旨が及んでいるのだと思います。当然のことですが,法律基本科目の教育だけをしっかりやっていればいいということではなくして,多様な法曹養成を行うために各ロースクールで工夫がなされているのと同じように,法曹コースにおいても同じような趣旨で多様な法曹養成に向けた教育を行うという点は,恐らく大前提の話ではありますでしょうが,もっと強調されていいことではないかなと思っています。それが2点目でございます。

【井上座長】 
 恐らく最初の点は,認証評価だけで質保証するわけじゃなくて,一義的には協定が一番効いてくるんだと思うんですね。というのは,ロースクールの方から見ると,前提となる学部教育の方が質保証できないような状態であるのに連携して,そこから特別枠で学生さんを迎え入れると,結局,自分の首を絞めることになってしまうんだろうと思うんですね。結果的に。だから,そこのところはこういうふうに改めてくださいということは協定ないし前提でなくても協定を保持する上で要望していくということは可能だと思うんですね。もっとハードに言えば,それがちゃんとやっていただけなければ,協定は残念ながら続けることはできないという,そこが恐らく第一義的な前提だと思いますね。
 どうぞ。

【岩村委員】 
 今の点ですけれども,もう一つは選抜がきちっとやられているかという,その観点からの認証評価ということなんだと思うんですね。ですから,学部教育の方がどうかというよりも,一つは協定の部分できちっとやられているかというのはあり,もう一つはそれにのっとって,きちっと所定の要件を満たした形で選抜が行われているのかという,そこを認証評価で恐らく見るということになるだろうというふうに私は理解していますし,その方が適切なのではないか。つまり,学部の教育のところまで踏み込むというよりは,選抜のところできちっとやられているかというところを見るというふうにするのが認証評価の意味としては適切だろうと思っています。

【井上座長】 
 ほかに。どうぞ,髙橋さん。

【髙橋委員】 
 話が少し戻ってしまう形になるんですけれども,先ほどの鎌田委員がおっしゃったことで,私も開放型についての理解が,まだ十分でないいところがございます。特に,協定先の法曹コースと,協定関係にない法曹コースとの間で,学生を公平に扱わなければいけないというくだりなんですけれども,協定関係がある大学であれば,成績評価の方法や学生全体における相対評価といった情報が協定の中で分かってくるのに対して,協定関係になければそういった情報が入ってこないところがあり,にもかかわらず,協定関係のある大学の学生の成績とそうでない大学の学生の成績を形式的に比較して公平に扱うとなると,結局のところ,実質的にみれば不公平になるのではないかという感じがいたしております。ですので,実際に開放型の中でどのように公平な評価を実施するのか,例示のようなものがあると分かりやすいのではないかと思いました。
 以上です。

【井上座長】 
 私が余り発言するのはよくないと思うんですけれども,そうすると,青の部分をなぜ外したのかという問題になると思うんですよ。提携しながら。協定を結びながら,青を外して緑のところに入れて,しかし,緑の中では協定を結んでないところと一緒の入試だと言いながら,そこでまた差を付けると。それだったら,連携しているところは青の方でやったらどうですか。そうすると,はっきり試験の仕方が違ってくるわけですね。試験というか,選別の。そこの説明がやっぱり必要になってくるんだろうと思うんですね。
 先のこともありますので,時間も意識しながら,そろそろ。まとめたいと言いながらこういうことを言うのは何ですけれども,言わないとまとまらないので。そろそろ時間を意識しながら御発言願いたいと思います。
 大貫さん,どうぞ。

【大貫委員】 
 一つ意見,二つですね。一つは,先ほどの5年一貫ということに対して,戻る感じですけれども,議論を拝聴していて,5年一貫ということを打ち出すのは大変重要であると思います。その意義はよく分かります。そうしたときに4プラス2の位置付けということが議論になったわけで,酒井先生がおっしゃるように,せめて資料2のクエスチョン14,アンサー14のところの書き方を工夫してくれという御発言でしたけど,私もそういう感じを持っていて,現在の書き方ですと,3プラス2からあぶれて,失敗した人を想定しているようなニュアンスに見えるので,先ほどの岩村委員とのやりとりの中でも出ていたように,4プラス2というのが厳然として存在しています。4プラス2でやっていきたいというところもあると思うんですね。4プラス2も当然ありうるという趣旨がちゃんと出るようにしていただければと思います。決して5年一貫型教育を薄めるという趣旨ではないんですが,4プラス2が落ちこぼれみたいな書き方にはならないでいただきたいというのが1点です。
 それと,資料1もそうですけれども,資料2ももう少し修文を続けていただきたいというところがあります。例えば5ページのクエスチョン21とアンサー21の対応関係を見ますと質問に対応してないんじゃないかという気がしないわけでもない。選択要件を提示することが可能かというときに,答えが準備を進めることが可能というのはちょっとよく分からないので,イエスかノーかということははっきりしていただかないといけないと思います。
 それから,手戻りですけれども,クエスチョン5アンサー5のところで,気持ちは分かるんですけれども,クエスチョンが募集人員の話になっているときに,アンサー5の丸3のところで,入学者選抜で絞るという話になっているというのは質問と問いの対応関係がずれているということになるので,特に書かれている内容を否定する趣旨でありませんが,うまいぐあいに質問に対応したアンサーにしていただきたいと思います。多分ほかにもいろいろあると思うんですけれども,工夫いただけると有り難いということです。
 以前QアンドAを出してくださいと申し上げたと思うんですけど,各法学部,法科大学院は待っていますので,できるだけ早くQアンドAを整えて,お手元に届ける努力をしていただきたいと思います。重ねてお願い申し上げます。
 以上です。

【井上座長】 
 ありがとうございます。そのためにきょうまとめていただいていると。それで,今,御指示あった点は是非積極的に,ここはこういうふうに書いた方がいいよという御意見を,この場でなくても,事務局の方にお届けいただければ,もっと充実したものになるんじゃないでしょうか。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ,磯村さん。

【磯村委員】 
 参考資料の方の一番右の方に書いてあるところの入学者は法曹コース修了者が基本という表現なんですけれども,私のイメージでは,特別選抜枠で合格する人は,全て最終的には法曹コースの修了者でないといけないのではないかというように思うんですけれども,そうであるとすると,基本という書き方は法律家の読み方として例外があるというニュアンスがあるので,表現を,コース修了者が前提となるとか,そういう書き方の方がいいのではないかと思います。
 以上です。

【井上座長】 
 何か基本と書いてあるのは意味があるんですか。

【大月専門職大学院室長】 
 これは,結果的には本特別委員会でも御議論があったかなと思うんですが,要は法曹コースでしっかり成績を収めていて,入学者選抜,秋の段階では非常に成績が良かったけれども,その後,病気とかけがとか,そういうような事情の場合には飛び入学で法科大学院に入学することもある。そういうようなことも考えて,こう書いています。また,少しお話しさせていただきましたが,この辺りは法科大学院,各法学部で努力を重ねられているんだと思っておりますが,先ほど申し上げたように,法曹コースの修了と早期卒業の要件が必ずしも一致しないような場合があって,早期卒業ができるんだけれども,法曹コースが厳格で,必修単位,全て必修科目になっていて,必修科目を一つ落としたというような場合について,それもある意味飛び入学になるわけですけど,そういうようなこともあるので,こういう書き方をさせていただいておりますが,修了と早期卒業の要件というのはそろえていただく必要があるかとは考えております。

【井上座長】 
 基本が文言として,今の趣旨はふさわしいかどうか,それはちょっと工夫を要するところだと思いますけど,特に最初のカテゴリーのことはここでも明示的に議論したことですね。御意見が出ましたよね。

【磯村委員】 
 QアンドAのところで早期入学ができないときに飛び入学でも行けるという書き方はされているんですけれども,今の問題は多分QアンドAでは全然出ていないので,もしそうであるとすると,例外を認めるということを書かざるを得ないのではないかというように思います。

【井上座長】 
 どうぞ。

【潮見委員】 
 先ほど少し質問したところとちょっとかぶるのですが,資料1の2ページ目の文部科学大臣による認定の要件のところについて,二つ手短に意見を申し上げたいと思います。
 一つは認定の要件というものをどうするかということは,恐らくその後に続く既修者入試,そこでどのような選抜方法をとるのか,その内容は何なのかと関連しているんじゃないかと思いますし,関連するようなところも多々出てこようかと思います。ですので,認定の要件をこれから先事務局でもお詰めになられると思いますが,そのとき今申し上げた入試の選抜面と関連付けて,少し検討していただければ有り難いなというふうに思います。
 それから2点目は,こっちの方が申し上げたいところなんですけれども,この間,3プラス2ということで法学部での教育と法曹養成教育との連携をどうすべきかという話が進んでまいりました。基本的な方向としては,私も岩村委員と同じように是(ぜ)としたいと思います。その上でのことですけれども,この制度が動き出す前の今の段階でも,法科大学院の制度というものはあながち捨てたものじゃないというふうに思っています。法学部と法科大学院の連携というものについては,この間,いろいろな法科大学院でも多々成功例もあり,プラスの面も多数認められてきたと思いますし,そういう実績があるようなところもあります。そうしたこれまでのプラスの側面を今回の3プラス2,さらには認定等の制度を通じて潰すことのないように是非していただきたい。3プラス2の制度は作った。連携は図れた。しかし,従来やってきたプラスの面というものが完全に失われてしまう,あるいは後退してしまうというのは,耐えられないところがありますので,是非その辺りも含めて,今後,事務局等々で更に検討していただきたいなと思います。

【井上座長】 
 後の点は恐らく皆さん共通した御意見だと思います。次の議題の中の更なる改善・充実方策の中でもほかの課題,重要な課題というのがここで盛り込まれていて,次期の中教審の下での特別委員会で精力的に議論されるんだろうと思うんですけれども,そういう全体像を見れば,今おっしゃった点というのは決してなおざりにしているわけではない。きょうは特化して法曹コースについてという文章を議論しているので,どうしてもそういう印象があるのかなというふうに思うんですけれども,次の資料3というのに触れたのは,もうこの辺にしようという趣旨では必ずしもないんですけれども,そこでの議論も御議論いただかないといけないので,そろそろ御意見がおありの方はここで一斉に手を挙げていただいて,その手を挙げていただいた方に限って最初の議題の御発言を限らせていただきたいと思うんですけれども,そういうことにしたいと思いますが,よろしいでしょうか。御意見がなおおありの方は挙手をお願いします。よろしいですか。私,非常に乱暴な男で知られていますので。いろいろ御意見,御注意いただいた点,おおむねはこの案のとおりで良いのではないかという。そういう共通認識ができたのかなというふうに思います。そういうことでよろしければ,あと御注意いただいた,あるいは御意見点について,必要な修正を行うということにさせていただきたいと思いますが,それでよろしいでしょうか。
 それでは,修正につきましては,比較的数が多いものですから,まず事務局の方で必要な修正を行ってその内容を各委員に御確認いただいて,最終的には取りまとめとしては座長である私にお任せいただければと思うんですけれども,そういう扱いでよろしいでしょうか。──じゃ,そうさせていただきます。
 もう一つ,議題,議事がございまして,今触れちゃったんですけれども,勇み足ですけれども,法科大学院等の教育の更なる改善・充実方策についてというこのペーパーを基に御議論いただきたいと思います。まず事務局から説明をお願いしたいと思いますが,このペーパーの性質は事務局と座長において取りまとめたものです。内容の一部は法曹コースの制度化と併せて制度改正を行っていくものであるわけですが,それとともに,特に未修者教育の改善については来期に引き続いて議論していただく。そういう御了解ができつつあったというふうに理解しております。
 それでは,大月さん。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元に資料3を御用意願います。このペーパーは座長から御説明いただいたとおりでございますが,この10月以降,法科大学院教育の体系化等々について御意見を頂戴してきたところでございます。いろいろな御意見があったというふうに承知しておりますが,その体系化するに当たっての前提として,法科大学院においてもともと自主的かつ積極的な努力によって教育の充実を図るという形で法制化されており,具体的な四つの分野の科目については文部科学省の告示等では定められておりますが,必修科目,どの程度の学修,どの程度の単位を取得すべきかについては全て認証評価基準で設けられたところでございます。それによっていろいろな取組が行われて,いい成果も出ているところでございますが,一方でなかなか成果が出ていない法科大学院においては1年次未修者教育において7科目必修にするというような形で始めて,幾つかの大学が未修者1年次,科目数を減らして成功している例なんかを参考にして,減らして,ただ減らしたからと言ってなかなかうまくいかないというような例があるというふうに承知しております。それらを踏まえまして,今般,法曹コースの制度化に併せまして,法科大学院についても専ら法曹を養成するという趣旨に鑑みまして,必修科目等々について最低限のものについてはしっかり文部科学省の省令,専門職大学院設置基準等で制定していくこととしたいということでございます。
 また,法律科目の(1)の体系的な整理ということでございますが,専ら法曹養成のための大学院ということでございますので,法曹三者となろうとする者に共通に必要とされる法律に関する分野の学識等,またその上で専門的な法律分野に関する学識,法的な推論,分析及び構成に基づいて弁論する能力等々についても,また,2ページ目の上でございますが,法律に関する実務の基礎的素養等もしっかり養うということを明記していきたいと考えております。
 また,体系化に当たりましては,本特別委員会でもなかなかそんな簡単にできない部分がある,整理するのは難しいという部分がございますが,あくまでもこういうような形,例えばということで,最初の段階,法律の基本的な考え方や知識の習得,多様な学説や裁判例などの考え方について,主に講義形式で理解する段階,その後に知識や考え方の具体的な事例等の適用範囲・射程について,双方向,他方向の講義方式や演習方式を併用するなどして理解する段階。さらに論理的な結論により表現し,最新の実務的な課題等について,研究・議論・実証等を行う段階というような形で,(イ)は明確化されるとして,(ロ)と(ハ)というのはなかなか分けるに難しい。また,違う分け方もあろうかなと思いますが,2段階,3段階に分けて整理を図ることが必要かというふうに考えています。
 また,(イ)の部分につきましては,法科大学院の未修者1年次,又は法曹コースでしっかり学修を図られるものでございますので,本特別委員会でも進捗状況につきまして日弁連法務研究財団の方から御説明いただいたところでございますが,その委託調査研究が現在進んでおりますので,その成果については積極的に活用されるように調査結果がまとまりましたら本特別委員会において発表していただく機会とか,周知にも努めてまいりたいと考えているところでございます。
 (2)の部分でございますが,繰り返し最近の特別委員会で出させていただいているものでございます。実務基礎科目など理論と実務を架橋する教育は原則として法科大学院で行うこととされるということから,各法科大学院においては実務基礎科目や展開・先端科目や海外留学をはじめ国際プログラム等を充実していくことが期待されると。特に展開・先端科目というと,先ほどの(ハ)で言うなら最新の実務に関する課題等もやられているわけでございますが,なかなか法科大学院によってはそこまで難しいというようなところもあろうかと思いますが,法曹実務に直結するような,いわゆる基本科目の次に学ぶような展開・先端科目に関しましては,各法科大学院生の意欲・関心等に応じて各法科大学院に十分な学修機会を確保することが望まれるというふうにしております。こういうようなことを促す方策として加算プログラムというようなものがありますけれども,認証評価に関しましてこのようなことをしっかり評価できるような形で簡素化・重点化というところが本委員会で出ましたが,重点化ということで検討していただくことが適当ではないかということでございます。
 その下の法学教育に関する教育手法については,また後ほども出てきますけれども,法科大学院においては司法試験に特化したような対策を行うことは適当でないというのは繰り返し議論がなされてきたところでございますが,適切な事例問題を用いた演習・指導というのは適切に行われる必要があろうと。そういうことから必要な部分で,文部科学省の省令や認証評価に関する細目,省令等に関して改正する方向で検討したいということでございます。
 認証評価につきまして,これもここ最近出ているものでございます。2ページ目から3ページ目でございます。認証評価について,法科大学院に関しては,細かい点等については認証評価で定められていて,非常に精緻な形で評価を頂いてきたところでございます。ただし,精緻であって,逆に対応に追われている面があるというような声を聞いているところでございますので,しっかり評価を出している,成果を出しているようなところについてはそのような形を評価して,それを更に促すような形でやっていただくことが必要ではないかと。
 併せて(2)の最後の部分でございますが,事例問題に関して適切な形で学修できるような形で必要な細目・省令等々を見直していくことが必要ではないかということでございます。
 最後,適格認定を受けていることを要件とするというのは,このペーパーで出てきたところでございます。改めて今回法曹コースの方でも触れさせていただいたところでございます。
 最後の3の未修者コースの改善・充実については,これまでここ数回,この資料を提出させていただいているところでございます。未修者教育に関しては非常に重要であると。また,適性試験が任意化されたというか,適性試験が行われていないという面のプラス面が作用しているというふうに理解しておりますが,未修者教育を志望する学生,幾つかの法科大学院からしか聞いておりませんが,増えているという話は聞いております。そのような方に関しまして,適正な入学者選抜を行って,適正な能力を判定していただいた上で,しっかりと3年間で修了して,司法試験に合格できるような形で(1)から(5)のような改善を図っていきたいと考えております。また,この辺りについては来期以降の大きな課題であると思っておりますので。ただ,本期において,最後言っておくべきこと等がありましたらおっしゃっていただければ幸いでございます。
 簡単でございますが,事務局からの説明は以上でございます。

【井上座長】 
 ありがとうございました。
 それでは,この議題につきましては今の説明について質問と意見,分けずに,御質問,御意見等,御発言がある方は挙手の上,御発言願いたいと思います。どうぞ,大沢さん。

【大沢委員】 
 今回のペーパーで認証評価との関係から,2のところですか,司法試験等に関連する指導法については過度に萎縮した状況にあるというような御指摘があったと思うんですけれども,法科大学院は司法試験にちゃんと通って法曹になる力を付けてあげるということが大事だと思いますので,ここはそういうことでしっかりした力を付けてあげる教育を行ってほしいと希望しています。今回,法曹コースのところでは言いませんでしたけれども,法曹コースを作って,これから皆さん,作られるのはいいと思うんですね。ただ,それが3プラス2ですか,それで司法試験を受けたら受かりませんでしたと。それでどんどん滞留していく人がたまっていく。そういう事態だけは絶対に避けなければいけないので,そこのところは,特に法科大学院の皆さんには自覚と責任が問われるんだというふうに思います。
 それを申し上げたかったのと,それから,それと同時に,法曹に求められる資質というのは何なのか,新たな役割は何なのかということを常に意識していただきたいということを,一般の司法のサービスを受ける側からは希望したいと思います。もちろん法廷における法曹三者の役割というのは基本であると思うんですけれども,でも,時代はどんどん変わっているので,法廷外のところでの活動とか,例えばスクールローヤーのような,新たな領域とか,いろいろあると思うんですね。ですから,そういったことで,いわゆる法律家に求められる役割というのは何なのかということを敏感に感じて,いろいろメニューを作っていただきたいなというのは希望させていただきます。
 それから,未修者教育のところは,私は何度も言ってきたんですけれども,特に今後法科大学院在学中の司法試験受験というのが検討されることになるとすると,先ほど3年間でしっかり力を付けてというふうにおっしゃったんですけれども,在学中ということを言われちゃうと,3年間たたない間に試験が来ちゃうということがあるかもしれないわけですね,未修者の方は。ですから,いろいろなことを考えて,なるべく未修者の教育を手厚くやっていただきたいということを希望していて,例えばここには書いてないんですけれども,前のペーパーにはあったと思うんですけど,ロースクールに合格されてから入学されるまで時間がありますね。そういうところでも大学のときも推薦入学で入った子たちに入学前に指導したりすることがあると思うんですけれども,そういったような形で何らかの支援ができないのかとか,なるべく未修者で,社会人の経験者とかが一丁やってやろうという気持ちになれるような,そういう環境整備を是非お願いしたいというふうに感じています。
 以上です。

【井上座長】 
 ほかにいかがでしょう。有信さん。

【有信委員】 
 どうもありがとうございます。ちょっと外れた意見になるかもしれませんけれども,ここのところの議論は,ずっと,優秀な若者が法律家を目指すようにということを中心に,どちらかというと法律における教育の具体論に集中してきたように思うんですけれども,ちょっと心配なのは,これも非常に難しい話だと思いますけれども,先ほどの意見でもちょっと触れられましたけれども,世の中の変化がすごく急速に変化していて,法律家に求められる資質・能力というのもかなり変わってくる可能性があります。彼らがカバーしなければいけない知識の範囲も大きく変わってきますし,判断の仕方も相当人間的な要素に踏み込んでくる。例えばよく言われているELSIのようなもので,倫理的な側面を含めて,様々な判断が要求されるような状況が来る一方で,司法試験という大きな枠があって,その中で法律家の資質がかなり限定的に評価されるという形になっているのを,これは法科大学院だけの問題ではないかもしれませんが,法科大学院を設置するときの当初の理想の中にはそういうことも含まれていて,国際化や,ある意味世の中の進歩に対応して様々なバックグラウンドを持った法曹を養成しましょうというところにその意味が込められていたように思うんですけれども,その辺の議論が,最近,全く抜けてしまっていて,本当にいいのかどうかというのが私の懸念です。よく言われているように,society5.0だとか,社会の仕組みが大きく変わる中で,少し議論が狭い範囲に集中し過ぎているような気がしますので,その辺の議論を少しやっていく必要があるのではないでしょうか。たまたま,知財高裁の専門委員というのをやらされていて,自分のところには何の問題も来ないだろうと思って,たかをくくっていたら,突然,大部の資料が送られてきて,これが確かに法律家のやることかというのを実感しているところでもあります。そういう意味で,やっぱり少し幅広く世の中の変化に対応できるような法曹が必要になってくると私は信じていますので,その辺の議論をどうやるかの検討が必要のような気がします。

【井上座長】 
 どうぞ,磯村さん。

【磯村委員】 
 資料3の3の上の(3)なんですけれども,資料全体としては法科大学院に向けたメッセージだという理解だと思うんですけれども,(3)だけなぜか法曹コースを開設するに当たってはというように,法学部が主体になってしまっているので,ここの書きぶりは法科大学院が法曹コースとの連携協定を行う場合にはというような書きぶりにする方が全体のトーンとしては適合的なのではないかと思いました。
 以上です。

【井上座長】 
 どうぞ,杉山さん。

【杉山委員】 
 先ほどから社会の変化に対応するという,いろいろな御意見が出ていました。この委員会での改善のための議論を振り返りますと,我々は,質の確保ということで,今日までの施策で,絞りに絞ったところまで来ていると思います。今の社会の情勢・ニーズを考えると,実は,世の中に輩出すべき人数が再度,不足に転じてきています。これまでジャンプするための沈み込みだところで,一生懸命やっているわけですから,でき得れば,今回の方策の中に,もう1回世の中のニーズに合った人数の法曹を出せるような量的拡大にというニュアンスを出していただけたら大変有り難いと思います。

【井上座長】 
 ほかに御意見ございますでしょうか。どうぞ,片山さん。

【片山委員】 
 教育手法の点ですが,有信委員が再三にわたって御指摘をされていることと重複しますが,法律の世界では講義形式の手法がいまだに有用で,特に体系化の中では(イ)のところもそうですが,主に講義形式で理解させる段階だとされています。それから,下の(3)のところにも講義形式が最初には有用であるということを書いておられます。これは恐らく先生方の御経験に基づくものなので,安易にこれを否定するというつもりはございませんが,意見としましては,やはり教育手法の大きな流れがアクティブ・ラーニングに向かっているということを前提とし,しかもここまでの法科大学院教育の一つの良さがアクティブ・ラーニングをある意味で先駆的に導入してきたというところにあったのかと思いますので,教育手法についてはそういう点から講義形式が有用であるということであっても,例えば未修教育の時間が限られている中では,予習の中で授業のビデオを見せて,授業自体はアクティブ・ラーニングを実施するとか,あるいは若い弁護士の先生等にも入っていただいて,アクティブ・ラーニングを実施するというような地道な努力が必要ではないかと思っております。その点からは,主に講義形式でという点を,最高していただく方がよろしいのではないかと思っている次第でございます。よろしくお願いいたします。

【井上座長】 
 今の点ですけど,この文章もちょっと変ですね。あり得る前提でなり得るというのは。この辺ももうちょっと自然な文章に直した方がいいと思いますので。どうぞ。

【笠井委員】 
 杉山委員のおっしゃったことに強く同感します。今期委員会でこのような法曹コース,3プラス2というものをまとめるに至った経緯とは,法律家になろうとする志願者が激減して,当初の明るい,バラ色の未来であったはずのところ,大幅に予想を覆すような経緯をたどってきてしまった。もともと司法改革の,多様なバックグラウンドを持った社会人を法曹として取り込んでいくという理想が,見通しを誤り,描いた理想から非常にずれてきたという状況に至った。その改革案として既修者主体の改革としては法曹コースを設計するに至ったわけですけれども,未修者問題が多数の委員の御指摘があるとおり,具体的な改善策がなかなか提起されずに残されております。法曹コースについては,才能豊かな既修者に優先進学を認めて司法界に誘引する非常に例外的な措置であり,例外的な,ある意味ではかなり劇薬的な制度設計ではないかと理解しております。そう考えると,既修者も未修者もそれぞれ幹を太くしていって,例外というものではなくて,法曹としてふさわしい人材をこれから法科大学院において育てていくということを是非期待したいと思っております。
 以上です。意見です。

【井上座長】 
 こちらの方も後ろが見えてきていますので,御意見のある方は手を挙げていただけますか。どうぞ。

【大貫委員】 
 時間がないところに大変恐縮です。この案について,前回だったか,松下委員の方からも御指摘があった体系化に当たっての2ページの丸3のところですね。委員の指摘に尽きていると思うんですが,この考え方,最初に知識を入れて,それを実践というふうにすごく分けている感じがするんですけど,使ってみて知識が定着するというような関係が非常に強くて,学修のプロセスはらせん状態に上がっていく。きょう,別の会議でそういう議論をした。らせん状に上がっていくというのがきっと正しいんだと思うんですね。これが(イ)(ロ)(ハ)というのは,ぽんぽんと段階を上がっていくようなイメージになっております。そこは少し表現を考えた方がいいのではないかと思っています。何で今こんなことを重ねて申し上げるかというと,さっき大月室長が省令レベルに規定するというようなことをおっしゃった。省令レベルに規定するときにこれではなかなか通らないので,相当工夫しないといけないということで申し上げたということでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【井上座長】 
 そろそろよろしいでしょうか。これは特にかちっとした形で取りまとめるということでは必ずしもないので,御意見がある状態で,恐らくこういう特別委員会を設けるかどうかも次期の中教審の御決定ですので,設けられることになるんだろうと思いますが,設けられればそちらで引き続き,あるいはより内容濃い審議をしていただくということになろうかと思います。そういう意味の文章にお受け取りいただければと思います。
 本日,こちらで予定した議事は以上ですけれども,最後に事務局の方から御挨拶があるということなので,お願いします。

【伯井高等教育局長】 
 高等教育局長の伯井でございます。私自身,先週22日付で前任の義本から引き継ぎまして,高等教育局長を拝命いたしております。一言御挨拶申し上げます。
 本日は法科大学院等特別委員会の最後ということでございます。同委員会,この2年間でワーキンググループを含めまして,計22回,会議が開催されました。大変精力的な御審議をいただいたことに改めまして感謝を申し上げる次第でございます。
 きょうも御議論ありましたように,法科大学院制度が引き続き厳しい状況に置かれている中,法科大学院集中改革期間の最終年度となる今期におきましては,法科大学院と法学部等との連携強化の在り方や共通到達度確認試験の在り方などの重要事項について御審議をいただきました。そして,昨年3月13日には改革の基本的な方向性を取りまとめていただいたところであります。文科省といたしましては,この基本的な方向性を踏まえまして,先ほど来,議論にもありますけれども,法科大学院の制度改革の実現を目指してまいる所存でございます。また,今後は本日御審議をいただいております法曹コースに関する考え方や法科大学院等の教育の更なる改善・充実方策を実現することによりまして,法科大学院の志願者を回復させて,有為な人材が一人でも多く法科大学院を経由して法曹となるよう,最大限努力をしてまいる考えでございます。
 改めて井上座長,山本座長代理をはじめ委員の皆様方の多大な御協力に深く感謝を申し上げる次第でございます。本当にどうもありがとうございました。

【井上座長】 
 それでは,私からも一言御挨拶申し上げます。
 皆様におかれましては任期2年間,非常に精力的に御審議いただきまして,私の不手際でちょっと時間がオーバーしたこともありますけれども,皆様の御協力を得まして,何とかここまでやってきたということでございます。今,局長の方からもお話がありましたが,幾つかの重要な事項について意見の取りまとめ,あるいはほぼ取りまとめのところまでやってきたと思います。きょうまとめていただきました法曹コース,これは従来ここでの議論というのは法学部の教育というのは直接対象にしないということで,そこを非常に遠慮しながら避けて議論してきたのを,今期から「等」というのが入ったのは法科大学院の教育も視野に入れて議論する。その有機的な連携を強めていこうということで,学部の運営に関与されている先生方も多数参加していただいて,非常に有意義な議論だったというふうに思います。
 今後,今課題になっております,実施に向けているときに必要な立法的な手当てをしていただく。これは我々というよりは文科省の方の手腕に掛かっているわけですけれども,いろいろな情勢があって難しいかもしれませんが,これをなるべく速やかに実現していただいて,その上でそれを実施していただくと。できるだけ円滑に,また,大沢さんから御注意がありましたように,本来の趣旨に沿ったような形で実施をしていただくということが何よりも大切だというふうに思っております。これまで我々はどうもマイナスの方向,あるいはアゲインストの風に立ち向かいながら,本当につらい議論をしてきたと思うんですが,これを一つのチャンスとして,追い風の方に持っていくというか,上向きの方に持っていくようにしていただければと思います。きょう,最後に御意見を頂いた点,次期の中教審の特別委員会への最初の課題だと思うんですが,これに尽きることはないと思うんですね。そういう意味で,次期の委員会での更なる充実した議論を期待させていただきたいと思います。この中でも,かなり多くの方が人ごとじゃなくて,そちらの方にも携わられることになるかと思いますので,是非よろしくお願いします。私は,人ごとのように言うのは,あとの別の会議で御挨拶しますけれども,そういう事情があるので,少なくとも精神的な応援はさせていただきたいと思いますので,御健闘をお祈りしたいと思います。2年間,どうもありがとうございました。
 じゃ,本日の会議はこれで散会とさせていただきます。

―― 了 ――

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