法科大学院等特別委員会(第90回) 議事録

1.日時

平成30年12月13日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室(中央合同庁舎第7号館東館3階)

3.議題

  1. 平成30年司法試験予備試験の結果等について
  2. 法科大学院等の教育の改善・充実について
  3. その他

4.議事録

※本議事録は未定稿です。

【井上座長】 
 おはようございます。まだ少し遅れておられる方もおられますけれども,所定の時刻ですので,きょうは時間も限られていることもあり,始めさせていただきます。第90回になりますけれども,中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会を開催いたします。
 本日は,お手元の議事次第にありますように,平成30年司法試験予備試験の結果等について御報告いただいた後,これまでの御議論に引き続きまして,法科大学院教育等の改善・充実について議論していただきたいと思っております。本日もよろしくお願いいたします。
 まず,事務局から,配布資料について説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元にある議事次第を御用意願います。4の配布資料にありますとおりに,本日の資料は1-7までと,資料2から資料4,資料5と参考資料の1と2となっております。資料1-1から1-7は,法務省から御提供いただいているものでございます。
 事務局からは以上でございます。

【井上座長】 
 それでは,議事に入りたいと思います。
 初めに,11月8日に平成30年司法試験予備試験の結果が法務省から公表されましたので,これは福原委員から御説明をお願いします。

【福原委員】 
 法務省です。それでは,私の方から,本年11月8日に発表されました,平成30年司法試験予備試験の結果について御説明いたします。資料は1-1から1-7までであります。
 まず,資料1-1を御覧ください。最初のページの1,概況の部分にございますように,合格者数は433人であり,昨年の合格者数である444人から11人減少しております。
 次に,2,合格者数の推移には,短答受験者数,それから,最終合格者数,対短答受験者の合格率などについて,平成23年からの推移をまとめております。今年の対短答受験者の合格率は3.89%であり,昨年の合格率4.13%から0.24ポイント減少しております。
 続いて,3,合格者の状況には,合格者の最低年齢,最高年齢,平均年齢と,性別構成を記載してあります。
 2ページ目のデータは,1ページ目のものと大部分重複しておりますが,今年の予備試験の出願者数や短答式,論文式,口述試験などの受験予定者数,合格点など,1ページ目に記載されていない事項を記載しております。
 3ページ目と4ページ目には,受験生の出願時――この出願期間は,平成30年1月15日から26日,この出願時における属性別に出願者数,受験者数,短答合格者数,論文合格者数,最終合格者数についてまとめております。
 3ページ目は,性別,年齢別,職業別にまとめています。職種別の表のとおり,最終合格者のうち大学生が最も多く170人,次いで法科大学院生が148人となっております。
 4ページ目の上の表は,最終学歴別の人数をまとめたものです。そして,下の表は,参考として過去の司法試験の受験経験別にまとめたものであります。
 続いて,資料1-2を御覧ください。一番上の「予備試験データ」との表題の表は,予備試験の受験者数,合格者数,合格率について,平成23年からの推移をまとめた表であります。それぞれの内数として,大学在学中,それから,法科大学院在学中,法科大学院3年生の人数や合格率を記載しておりますが,これらは,予備試験出願時に申告された最終学歴から推測される予備試験受験時の属性ごとの数字を記載したものであります。
 その下の「司法試験データ」との表題の表は,司法試験の受験者数,合格者数,合格率について,受験資格別に平成24年からの推移をまとめた表であります。予備試験合格資格については,内数として,大学在学中,法科大学院在学中の人数や合格率を記載しておりますが,これらは,司法試験出願時に申告された最終学歴から推測される司法試験受験時の属性ごとの数字を記載したものであります。
 その下の「司法試験(予備試験合格資格)年齢分布」との表題の表は,年齢別の受験者数と最終合格者数の推移を記載した表です。
 そして,一番下の「法科大学院中退者」との表題の表は,予備試験合格と司法試験合格を理由とした法科大学院中退者の推移を記載した表であります。
 続きまして,資料1-3を御覧ください。資料1-3の「予備試験合格者・司法試験合格者(予備試験合格資格に基づく)に関する職種別人員数の推移」と題する表は,平成23年からの予備試験受験者,合格者について,職業別の人数と推移をまとめた表です。法科大学院生・大学生とそれ以外を分けて表にしております。
 下の表は,予備試験合格資格に基づく司法試験合格者について,同様に職業別の人数の推移をまとめた表であります。
 続いて,資料1-4を御覧ください。資料1-4は,予備試験出願時に法科大学院在学中であった者の予備試験出願者数,受験者数,最終合格者数を法科大学院別に表にしたものであります。最終合格者数については,学年別内訳も記載しております。
 続いて,資料1-5を御覧ください。資料1-5は,先ほどの資料1-4の表に,更に最終学歴が法科大学院修了の者と法科大学院中退の者の人数を加えて表にしたものであります。
 それから,次に,資料1-6を御覧ください。資料1-6は,予備試験出願時に大学在学中であった者の予備試験出願者数,受験者数,最終合格者数を大学別に表にしたものであります。こちらの最終合格者数につきましては,学年別の内訳を記載しております。
 資料1-7を御覧ください。資料1-7は,今の資料1-6の表に,更に最終学歴が大学卒業の者と大学中退の者の人数を加えたものです。なお,ここでいう大学卒業者には,法科大学院に進学した者は含めておりません。
 平成30年予備試験の結果についての御説明は以上です。

【井上座長】 
 ありがとうございました。
 それでは,ただいまの御説明について,何か質問等がございましたら,御発言をお願いします。
 磯村さん。

【磯村委員】 
 大変詳細に属性分析をしていただいて,動向がよく分かる状況になっているかと思いますが,技術的に可能であればというお願いなんですけれども,現在のデータは全て出願時をベースにされています。予備試験の場合は,最終的には口述試験を行うので,口述試験の段階で,その時点での属性をお尋ねいただくと,その時点での予備試験受験者の属性がどうなっているかということが分かりやすいので,もし可能であれば,そういう対応について御検討いただけると,大変有り難いなと感じているところです。

【井上座長】 
 そういう御要望があったということで。

【福原委員】 
 司法試験実施に関しては,別の部局で担当しておりますので,そういう御要望があったことはお伝えさせていただきたいと思います。

【井上座長】
 ほかに御質問等がございましたら。
 清原さん。

【清原委員】 
 ありがとうございます。大変詳細な御説明を頂きまして,現状がよく分かりました。
 資料1-3を拝見しますと,大学生の予備試験合格者に関するデータで,受験者が一貫して増加傾向にあることが分かります。もちろん法科大学院生もいるわけですが,定数の変化などにより,必ずしも顕著な増加傾向はない中,大学生がこのように増加していることと,現在の法科大学院と法学部との関係の中で検討している私たちの取組との関係で,何か考察されていることがありましたら,教えていただければと思います。
 以上です。よろしくお願いします。

【井上座長】 
 どうぞ。

【福原委員】 
 委員御指摘のように,大学生については増加傾向が見られます。予備試験につきましては,あくまでもこれは平成27年の推進会議決定でも触れられていることではございますけれども,予備試験の本来の趣旨,これは経済的事情や既に実社会で十分な経験を積んでいるなどの理由によって,法科大学院を経由しない者にも法曹資格取得のための道を確保すると。こういったものに沿う者の受験を抑制せずに,かつ法曹養成の理念も阻害しないように,必要な制度的措置を講じることを検討されたいという形になっております。
 委員御指摘のように,大学生が増えているという現状,これはそういう理念の観点からやむを得ない部分ももちろんあるわけですけれども,それでもやはり中教審の中で,まさにロースクールの方向性について議論がなされて,またそういった議論が,大学生にどういった形で受け入れられていくのかということを見守りながら,予備試験についても必要な検討を進めてまいりたいと思います。
 以上です。

【井上座長】 
 ほかに御質問等がなければ,次に移りたいと思いますが,よろしいですか。どうも福原さん,ありがとうございました。
 それでは,きょうの中心的な議題ですけれども,法科大学院教育等の改善・充実というテーマ,ずっと引き続いて検討していることですが,これについてお手元の議事次第にありますように,(2)の下に黒ぽつが三つありますが,この三つぐらいに分けて御意見,御検討をお願いしたいと思います。特に最後のところについては,実質的にある程度の時間を使って御議論いただきたいと思っておりますので,是非時間配分については念頭に置かれて,御協力いただければと思います。
 それでは,まず,共通到達度確認試験の進級判定への活用方法という点ですが,これについて事務局から説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元に資料2を御用意願います。共通到達度確認試験の進級判定への活用方法というものでございます。
 共通到達度確認試験について,改めて申し上げるまでもありませんが,資料に書かせていただいているとおりに,推進会議決定等を踏まえまして,法学未修者の教育の質の保証の観点から各法科大学院が客観的かつ厳格に進級判定を行い,学生に対する学修・進路指導の充実を図る基礎として行うというものでございまして,国におきまして,これまで4回の試行試験を重ねまして,今年度の3月に最後の試行試験となる第5回試行試験を実施予定でございます。
 また,今年7月の本特別委員会におきまして,来年度から法科大学院協会及び日弁連法務研究財団が主体となって本格実施することについて御了承いただいたことを踏まえて,その準備を関係者で進めているところでございます。
 それに当たりましては,これまでの試行におきましては,進級判定には活用しないということでございましたが,来年度からは進級判定の資料の一つとして,各法科大学院の考え方に基づいて活用することとなっているところでございます。
 このたびいわゆる加算プログラムの審査過程におきまして,進級判定の活用方法について検討状況の把握を行ったところ,おおむね適切な活用方法となっていたところでございます。その活用方法というのが,次のページに付けているところでございますが,ただ,一部の大学におきましては,2年目以降,かなり精緻な形でやっていくんだと。ただ,1年目は分析に使いたい旨の記載がありました。ただ,これまでこれだけ試行を重ねてきましたので,1年目から各法科大学院のお考えに基づいて,適切に進級判定に使っていただきたいということと,また,あるごく一部の大学だと,成績がふるわない者について,進級活用試験を使って判定をしていくと。ちょっと曖昧な部分がございましたので,そのあたりを明確にしていただきたいということでございます。
 今後でございますが,各法科大学院が試験実施団体との緊密な連携を図りつつ,より適切な運用の実現に資するため,速やかに各法科大学院へ事例を共有するとともに,見直しが必要な法科大学院には,自主的な対応を促すこととしたいと考えているところでございます。
 2ページ目が,大体このような主な例でございますが,進級判定にこのような形で活用したいということを聞いたところでございます。1年次から2年次への進級判定に当たり,学内試験,学内の成績と共通到達度確認試験の二つを組み合わせることで適切な判定を行うんだというようなもの,また,二つ目は,共通到達度確認試験の成績が一定の水準に達しない者は面談等を実施し,以下のような形でやっていくというようなもの,また,三つ目でございますが,学内の基準により進級判定というのは基本的に実施するんだけれども,共通到達度確認試験の成績が一定の水準に達しなかった科目については,再度,1年次配当科目を履修し直しさせると。当該科目について,法科大学院2年次で再度受験をさせて,一定の水準に達しなかった場合には,3年次への進級を認めないこととするというような考えが示されているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。

【井上座長】 
 ありがとうございました。
 それでは,ただいまの御説明についての御質問でも結構ですし,何か御意見があれば,御発言願いたいと思います。いかがでしょうか。特に御発言がないということでよろしいですか。
 それでは,そういうことで,次に進めさせていただきます。次が2番目の黒ぽつですけれども,法科大学院等の教育の更なる充実・改善方策についてということで,これも最初に資料について,事務局から御説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元の資料3,法科大学院等の教育の更なる充実・改善方策について(案)というものでございます。
 前回,11月9日に出された資料1の法科大学院の認証評価の在り方等について加えさせていただいたものでございます。1の認証評価の在り方についてということでございます。法科大学院の認証評価につきましては,法律実務家を養成する中核的な教育機関として行われる理論と実務を融合した教育や特色ある取組の充実改善を促すような評価であることが期待されているところでございます。しかしながら,法令で定められていない事項についても細部にわたって規定して,法科大学院の教育研究の充実改善につながっていないのではないかという声があると承知しているところでございます。
 今回,特別委員会での御審議を踏まえまして,法科大学院の既習者コースの教育課程と一貫的に接続する体系的な教育課程を編成する法曹コースの制度化に当たりまして,協定の履行状況について認証評価において確認するということを検討しているところでございます。このあたりについても,資料4とも関係しますけれども,法曹コースというのが法科大学院を中核とするプロセスを下支えするということの重要性に鑑みて,このような形でやるのが適当ではないかと考えているところでございまして,認証評価でいろいろなことを評価していくというのに併せまして,逆にしっかり教育研究活動を行っている法科大学院の認証評価につきましては,簡素化・重点化するような方向で検討することが適当ではないかとしているところでございます。
 2の丸のところで,例えばということでございますが,司法試験に関連する指導方法につきましては,各認証評価団体の基準におきまして,受験技術優先の指導に偏した教育を実施することは適切でないという旨が記載されておりまして,この旨,本特別委員会での御審議なんかを踏まえまして,平成26年度の文部科学省高等教育局長においても周知しており,その点は変更しないものでございます。
 ただ,平成26年7月の同通知におきましては,法科大学院教育では,先ほど申し上げたような理論的・実践的な教育を体系的に実施することを前提とした上で,授業において事実認定・論点抽出・論理構成を修得させる際に,司法試験論文式の過去問等を題材の一つとして使用することは認めているところでございますが,実際の法科大学院の授業においては,認証評価との関係と聞いておりますけれども,司法試験等に関連する指導方法については,過度に萎縮した状況にあると承知しているところでございます。
 ついては,適切な事例問題を題材として必要な法の適用と論理的思考を表現することを学ぶため,学修の段階に応じて,司法試験論文試験の問題も含めて,適切な事例問題を用いた演習・指導が効果的に行われるよう,法科大学院に係る設置基準や細目省令を改正する方向で検討することが適当ではないかとしているところでございます。
 2ページ目でございますけれども,一方,法曹コースを開設するに当たっては,協定先となる法科大学院に関しては,認証評価機関の認定(適格認定)を受けている方向で検討することが適当ではないかとしているところでございます。この部分,資料4でも改めて御説明させていただければと思っています。
 2の法科大学院の未修者コースの改善・充実についてでございます。これは基本的に11月9日の資料と変わっておりませんが,ただ1点,丸2の部分でございます。法科大学院において基礎法学・隣接科目が必修とされたのは,法科大学院において完結した教育が行われる,それであるから,幅広い視野を身に付けるような科目も必修なんだという趣旨を踏まえれば,各法科大学院の判断により,純粋未修者や社会人経験者については,基礎法学・隣接科目に代わり,法律基本科目を履修することも可能とする方向で検討すると。検討する方向でよいかと前回の資料では記載させていただいていたところでございますが,その方向で検討すべきではないかという意見のみが出されたということで,この方向で検討したいというものでございます。
 3番目の法曹コースと法科大学院の体系的教育の推進,法科大学院における実務基礎科目と展開・先端科目の充実についてという部分でございます。この部分も11月の資料と大きく変わっておりませんが,ただ1点,3ページ目の最後の部分でございますが,法科大学院においては,それぞれの特色を生かして,法律基本科目というのは行うのは当然のこと,更に実務基礎科目や展開・先端科目等の授業科目とか,この例示が非常に分かりやすいので,これだけに限るものではございませんが,国際プログラムとか,地域の貢献,地元自治体等の貢献等々の充実したプログラムというのをやっていくことが期待されるのではないかと。これは前回も書かせていただいたところでございますが,こういうことを推奨していくために,一つの手段としては,いわゆる加算プログラムというものがございますけれども,またここも認証評価になるのですが,例えば,認証評価において,このような取組というのを簡素化・重点化するような方向で検討することが考えられるとは思っておりますが,そのほかに何かよい方法があればと考えているところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。

【井上座長】 
 ありがとうございました。
 それでは,まず,段階を区切りまして,今の御説明について,御質問があれば,先にお伺いしたいと思います。その上で意見交換ということにさせていただきたいと思いますが,この資料及びただいまの大月さんの説明について御質問があれば。
 どうぞ,木村さん。

【木村委員】 
 確認なんですけれども,今,御指摘ありましたけれども,11月の資料と変わっているところは全て御指摘いただいたということでよろしいでしょうか。

【大月専門職大学院室長】
 はい。そのとおりでございます。

【井上座長】 
 ほかにこの段階で御質問がなくても,意見交換の中でまた御不明な点があれば,それを含めて御発言いただければと思います。
 それでは,意見交換ということにさせていただきたいと思います。どの点からでも結構ですし,どなたからでも結構ですので,御意見がおありの方は,挙手の上,御発言願います。
 磯村さん。

【磯村委員】 
 資料の3ページのイ,ウに関わる問題なんですけれども,これ,従来からこういう書き方がされていたと思うんですけれども,ニュアンスとして,基礎的な知識の修得・理解においては講義形式が有用であるというのは,やや断定的に過ぎるのではないかという印象を持っています。授業の方法については受講者の準備能力等も関わっていろいろなやり方があり,例えば,認証評価の場面でも,講義形式と質疑応答形式を適切に組み合わせるとか,そういうような基準で運用されていると思いますので,講義形式が有用であり得るというのはそのとおりだと思うんですが,やや断定的に過ぎるのかなという感じを改めてちょっと抱きました。
 以上です。

【井上座長】 
 何かワーディングでよりよいお知恵があれば,お示しくだされば。

【磯村委員】
 今申し上げたのは,講義形式が有用であり得るというように,ポッシビリティーの問題に言い換えるということです。

【井上座長】 
 なるほど。「得る」にすると。

【磯村委員】 
 はい。

【井上座長】 
 ほかの方も御意見あると思いますので,今,一つの御提案があったということで,それを踏まえてまた検討させていただきたいと思います。
 今の点でも結構ですし,ほかの点でも結構ですが,御意見があれば,御発言願います。
 どうぞ,清原さん。

【清原委員】 
 全体として充実・改善方策について,委員の皆様の御意見を反映して,充実していると思うんですが,実際に法科大学院の皆様の取組の中で,ICTを使って法科大学院同士が連携をされていたり,あるいは大学院生の学びのために,何らかのICTを活用した補強的な取組もされているように承知していまして,手法の点については,演習,講義形式,論文作成などが例示されておりますけれども,情報通信技術を使った手法などについて,どこか触れているところがありましたかしら。もしないようでしたら,今後の更なる充実・改善方策の中に,あくまでもコンテンツ,教育内容というのは充実するべきだと思いますし,教員の皆様の資質向上,あるいは学生の意欲ということが大事だと思うんですが,併せてそれをサポートする情報通信技術の取組についても,現時点で触れておいていただくと有り難いなと感じました。
 以上です。

【大月専門職大学院室長】 
 ありがとうございます。

【井上座長】 
 恐らく既にあることで,これからどんどんもっと普及していくと思うんですが,それを使って方法を改善することによって,内容を更に向上させるというふうに,どういうふうに活用していけばいいのかというところの御意見がこれまで余り出なかったものですから,その点も技術的な革新に伴って,内容を更に向上させるような活用方法というのはまだまだあると思うんですよね。そういうことについてこれから御意見,お知恵を出していただければ,もっと充実した内容のもの,文章になるんじゃないかと思いますので,今,御注意を受けた点を踏まえて,また検討させていただきたいと思います。

【清原委員】 
 よろしくお願いします。

【井上座長】 
 どうぞ,有信さん。

【有信委員】 
 最初,認証評価の在り方についてということで書いてあって,認証評価については,以前にも随分議論をして,具体的に法科大学院の認証評価は特に適格認定を行うということがたしか法律でも書き込まれていて,そこの部分に対する議論の結果がこの丸2のところに多分重ねているんだろうと思うんですね。
 ただ,丸1のところに,必ずしも教育改善に結びついていないというくだりがあって,これは法科大学院の認証評価に限らず,様々な認証評価について言われていることで,これはもともとの立て付けが,設置認可と認証評価の両輪で大学の教育をきちんとしていこうという考え方と,それがお互いにすくみ合って十分に機能していない。私が個人的に一番重要な問題だと思うのは,認証評価というのは,別に出来が良い悪いを判断して評価をするということではなくて,教育が不断に改善されるような教育システムが具体的に機能しているかどうかを確認するというのが本当の精神なはずです。一番問題だと思っているのは,PDCAと言われていますけれども,認証評価のところで基本的にPDCまではきちんとやるんだけど,Aのところの評価というのが実は欠けている。文部科学省の関連の様々な評価でも,Aというところへのつながりが実はない。そこをこの認証評価のところで何か書き込めないですかね。そこが多分一番の問題だと思っています。

【井上座長】 
 今の点でも結構ですし,ほかの点でも結構ですが。

【加賀委員】 
 ほかのことでもよろしいですか。

【井上座長】 
 どうぞ,加賀さん。

【加賀委員】 
 同じように,認証評価の在り方についてのところなんですけれども,法曹コースが制度化されるということなので,協定の履行状況について認証評価によって確認する方向で検討するというのは自然だとは思うんですけれども,これまで当然ですけれども,法科大学院に対する認証評価ということでやってきたわけですけれども,今後は協定の中身の履行状況ということになってくると,法学部に対しても認証評価の対象にするということにこれはなってくるのかなと。そうなってくると,簡単に言うと,どこまで法学部に対して認証評価の対象にしていくのかということは,法学部としてはかなり重要なことになるのではないかなと思います。してはいけないとかいう意見ではなくて,基本的な考え方として,あくまでも連携の中での観点だけの法学部に対する認証評価であるとか,そういうことなのかなと推測なんですけれども,ちょっともし方針等あれば,御教示いただきたいんですけれども。

【井上座長】 
 今の点について,事務当局のお考えというか,どこまでのことを視野に入れているのかについて,もし今御説明が可能であれば,お願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 御指摘ありがとうございました。今の委員の御指摘のとおり,基本的には法学部にまで法科大学院の認証評価の枠組みを広げる,法曹コースにおいても行うということではありません。あくまでも法科大学院側が法曹コースとの関係でやるべきことに関して評価をしたいと考えているところではございます。御指摘を踏まえて,しっかり検討していきたいと思っております。

【井上座長】 
 恐らく直接そこにという,間接的な形になるんだと思いますが,影響が及ぶことは避けられないと思うんですよね。ですから,法科大学院側の連携の在り方,あるいは協定遵守といいますか,協定をちゃんと実行しているか,法科大学院の方に視点を置いてやるんだろうと思うんですが,その場合にうまくいっていない場合には,恐らく法学部の方にも間接的には影響していくので,しかし,直接的には多分,うまくいっていない場合には法科大学院の方で何かアクションを起こしてくださいと。そういうような呼び掛けになるんじゃないかと思うんですよね。
 どうぞ。

【木村委員】 
 もしかしたら今のお話に関連するかもしれないんですけれども,3ページの最後のところで,認証評価においてはこのような取組を促す方向で簡素化・重点化するって書いてあるので,むしろ法科大学院の認証評価としては軽くなるということを言っているのかなと思ったんですけど,それで,3ページのウの中身の(ア)(イ)(ウ)ってありますけれども,これ,結局,見出しから見れば,法曹コースとロースクールと全体についてこれをやってくださいということなのかなと思っていまして,むしろ私の理解が違ったら直してほしいんですけれども,そうだとすると,例えば,ちょっと未修は別かもしれませんけど,(ア)については法曹コースでお願いする,(イ)(ウ)についてはロースクールというような,そういうふうに役割分担するんだとすると,その分軽くなるということで,こういう簡素化という意味がよく分からなかったので,そういう意味で書かれているのかどうかについて,もし分かれば教えていただければと思います。

【井上座長】 
 今の点,簡素化の意味ですよね。意味と,なぜ簡素化をうたっているのかということですよね。ということです。
 どうぞ。

【大月専門職大学院室長】 
 認証評価に関しまして,必ずしも法科大学院の教育研究の充実・改善につながっていない面が多いのではないかという声を踏まえて,そういう問題意識を持っているところでございます。他方、認証評価というのは非常に大事なツールであるという下,今回,法曹コースに関して制度化するに当たりまして,まず,1ページ目,先ほど加賀委員から御指摘いただいた点,履行状況について新たに認証評価において確認するということを考えているところでございますし,また,2ページの上のところでございますが,適格認定を受けている法科大学院に限って,法曹コースの協定先となり得ると。なることができるという方向で検討するということであります。2ページの上のところについては,新たな認証評価が何か課されるわけではございませんが,こういう形で認証評価というのは,あとは3ページの一番下の部分でございますが,法科大学院が特色ある教育をやっていく中での中核となるような実務基礎科目とか展開・先端科目について,こういうところはしっかりやってもらう一方で,そのほか少々あると認識していますが,そういう部分については,認証評価では余り縛らないような形で,そういうことを簡素化・重点化するというふうな形で書いているところでございます。
 なお,3ページの上のウの法学教育の体系化の部分は,必ずしも認証評価の簡素化・重点化とは関係はないところでございますけれども,(ア)の部分はまさに基礎的な部分,(イ)の部分が基礎的かつ応用的な部分で,(ウ)が応用から発展みたいな部分なのかなということで,(ア)は学部部分で,(イ)が,以上が法科大学院部分というのが基本的な考えかなと思っていますが,なかなかこのあたりも非常に分けるのは難しいということは十分認識しております。いずれにしても,法科大学院と法曹コース,それが一貫的に体系的なカリキュラムを組めるように,基本的に法律と法学というのは体系化されているというふうに認識していますが,そこはしっかりやっていただきたいという趣旨でございます。
 以上でございます。

【井上座長】 
 よろしいですか。

【木村委員】
 分かりました。ありがとうございます。

【井上座長】 
 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ,笠井さん。

【笠井委員】 
 1ページの1の丸2のところですけれども,司法試験論文式の試験問題を授業,教育に使って,その問題を考えさせていくことは非常によく理解できます。むしろ,もう少し論文式についてこれを強調してもよいと思っています。これに対し,短答式問題についての言及が全くないので,これに触れなくてよろしいのでしょうか。短答式についても一定の何らかの指針を示しておいた方がいいのではないでしょうか。

【井上座長】 
 論文式と短答式で並べての御発想だと思うんですけど,短答式をどう活用するかのイメージが,私個人がイメージが湧いてこないんですよね。

【笠井委員】 
 短答式についても練習というのではなくて,短答式の過去に出された問題を使って,これを正解に至るまでの過程について考えさせるということもあり得るのではないかということです。

【井上座長】 
 短答の問題によってはですね。多分,そういう積極的な御発言がこれまでなかったので,ここには反映されていないんだと思うので,もしそういう活用方法について,受験指導じゃなくて,法科大学院の教育の有効な,有用なツールとして用いられるという方法があれば,お知恵を出していただければ,またどんどんこの中身が濃くなっていくんだろうと思うんですが,この時点で書き込むかどうかですよね。

【笠井委員】 
 そうですね。

【井上座長】 
 そこもまた皆さんの御意見を伺いながら,検討していきたいと思うんですけど。
 今の点でも結構ですし,ほかの点でも結構ですので。きょうは私の仕切りがゆったりというふうに感じるかもしれませんが,1番目の黒丸のところで御意見がなかったので,ちょっと安心しているんですが。あえてここで御意見を出していただかなくても,次のところで多分たくさん御意見が出ると思いますので,もし更に付け加えて御発言がないようでしたら,最後の三つ目の黒丸に移りたいと思いますが,そういうことでよろしいでしょうか。じゃ,そうさせていただきます。
 きょう一番時間を使って御議論いただきたいのは,法曹コースに関する考え方についてでございますが,これについても資料につき,事務局からまず御説明をお願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 お手元に資料4と,あと,参考資料1と参考資料2を御用意願います。
 本特別委員会におきまして,10月の会議におきまして,法曹コースの基本的な制度設計について御了承いただいて,また,11月9日にも再度検討いただいたところでございます。それを踏まえまして,大方法曹コースの制度が固まっているところでございますけれども,それに関してどこまで何が固まっているのか確認したいというような問合せが各大学からございまして,そのお問合せを踏まえまして,事務局としてこれまでの御議論,法曹コースに関する考え方というのを事務連絡としてまとめさせていただいて,発出させていただいたものが,参考資料2でございます。参考資料2の事務連絡の内容については,本特別委員会での御議論を反映しているというふうに認識しておりますけれども,それに関しましてまた多数のお問合せ等頂いているところでございますので,補足説明を付けたところと,また,論点として残されている部分があるということから,資料4を用意させていただいたところでございます。論点についても,基本的に御了承いただければ,御理解いただければなと思っております。
 資料4につきまして,御説明させていただきたいと思います。まず,1番が法曹コースの定義でございます。これは10月等の資料とおおむね変わっておりませんが,しっかり整理させていただいたものでございます。
 また,法曹コースを開設できる分野,2のところでございますが,授与する学位に付記する分野が法学であるということであれば,可能かと考えているところでございます。
 開設する手続でございますが,この点,改めて丁寧に書かせていただいたところでございます。法科大学院既修者コースの教育課程と接続を図るための課程,これが法曹コースとなるわけですが,法曹コースを置こうとする大学は,当該課程における教育の実施に関する協定を法科大学院を設置する大学と締結して,国の定める要件を満たしているか文部科学省が確認することにより開設することができるとしています。
 この補足説明の部分でございますが,協定について大学間で結ぶことを原則として書かせていただいているところでございますが,部局への委任について可能かという問合せを頂いております。委任することは可能なんだと思っておりますけれども,正確にどういう形で委任することが可能かということは検討する必要があると考えているところでございます。
 また,同一大学の場合の形式について協定という形でなくてもよいのではないかという話が,御意見がございまして,この点についてもそういう形で検討していきたいと思っています。
 協定においては,少なくとも以下のことを定めることが必要であるということ。その対象となる法科大学院と法曹コース。法曹コースにおける教育課程,成績の評価の基準。法曹コースにおける教育の実施のために法科大学院側が協力する事柄。法曹コース修了予定者を対象とする協定先の法科大学院における入学者の選抜の方法。上記のほか,円滑な接続を図るための必要な措置。また,協定の有効期間,協定が履行されなかった場合の措置等が必要と考えています。
 2ページ目でございますが,論点といたしまして,文部科学省が協定の内容を確認する手続については,法曹コースが法曹養成のプロセスの中核たる法科大学院における教育に大きな影響を及ぼすことから認定として,さらに,協定の履行状況について,認証評価において確認する方向で検討すると。ここの協定の履行状況の部分につきましては,法科大学院の側がということで,まさに座長から御指摘,補足説明していただいたように,直接的には法科大学院の関係,ただ,間接的に法曹コースに及ぶことはあり得るのかなと考えているところでございます。またしっかり整理していきたいと思っております。
 (3)が法曹コースに求められる事項ということで,法曹コースの規模ということ。法曹コースを選択する学生の法科大学院進学への予測可能性を高めるために,法曹コースを開設する大学は,協定先の法科大学院が実施する特別選抜の募集人員等を踏まえたコース修了予定者の規模を設定することということで,これは法曹コースを修了されれば,法科大学院の既修者コースに入学できる学力があるという制度設計となっていることから,そのような学生が3年次卒業で出されれば,法曹コースとしてはその趣旨に沿っているわけですが,今,優秀な学生は留学等もされるなどいろいろな道を歩まれることで,結果的に4年になっても可能なわけでございます。いずれにしても優秀な,結果的に成績が法科大学院の既修者コースの入学に値するだけの能力等が身に付くということから,その学生が結果的に法科大学院の既修者コースに入れるだろうと。自大学には関わらず,協定先にも必ずしも関わらないわけですが,そういうことから,こういうことを書かせていただいたところでございます。
 法曹コースはその教育にふさわしい環境の確保のため,学生数を適切に管理することとしております。
 法曹コースの教育課程については,これまでの文章のとおりでございます。
 その下でございますが,こちらも従来から記載させていただいているところでございますが,協定先の法科大学院既修者コースの教育課程との円滑な接続に配慮して,科目等履修の活用や共同開講の開設など,一貫的・体系的な教育課程を編成することという形にしています。
 補足説明のところでございます。法曹コースにおいて開設が必須とされる法律基本科目に相当する科目,憲法等の7科目については,希望する学生が学部3年次までに各科目の主要分野の基礎的な部分について履修できるように配置することということ。
 二つ目でございます。法曹コースにおいては,早期卒業制度を活用することが期待されることから,大学が協定先の法科大学院既修者コースの教育課程及び入学者選抜などを踏まえて,その学修に円滑に接続するために必要な基礎的な学識及び能力を学部3年終了時までに修得させることが可能となる教育課程を編成することと。先ほど私が申し上げたことがここにも書いておりますけれども,修得させる科目については,必修科目,選択必修科目を適切に組み合わせて提供すればよいということとしています。
 履修プログラムでもよいと従来から書かせていただいていたところでございますが,これに関して,若干,誤解等もあるところでございまして,それが必ずしも悪いというわけではないんですけれども,科目群を順不同で学生が履修して,履修単位がそろえばよいということではなくて,一定の体系性を持って履修上の区分として学ぶことが必要であると。その限りにおいては,教育にふさわしい環境が確保されて,学生数等を適切に管理していればよいということでございます。
 成績評価については,従来の記載のとおりでございます。
 早期卒業制度の整備ということで,希望する学生が3年次終了までに卒業に必要な単位を修得した際,法科大学院への円滑な進学が図られるよう,学内の早期卒業制度を整備することとしています。
 法科大学院に求められることとして,法科大学院を設置する大学において,既修者コースの教育課程や教育課程を履修する上で求められる学識及び能力を公表することと。これによって,自大学以外の法科大学院とも接続を検討することができると考えています。
 また,法曹コースの開設を希望する大学の求めに応じて,必要な協力を行うことと。具体的には,既修者コースの教育課程とか,今後公表していくことになるわけですが,その前からそのような情報を頂くとか,提供するという協力を行うことなんかを想定しています。
 法曹コースの教育課程の編成に当たっての留意事項ということで,先ほども出ておりますけれども,共同開講科目の履修ができるような必要な協力は行うということ。科目等履修や共同開講の対象となる科目については,これまでずっと議論して整理されたとおりでございます。
 4番目,これも従来の記載のとおりでございますが,先ほども書いておりますけれども,実務基礎科目など理論と実務を架橋する教育については,原則として引き続き法科大学院で行うこととしています。
 選抜の関係につきまして,今回,参考資料1ということで用意させていただきました。これまで机上配布で配らせていただいたものから若干整理させていただいているところでございます。
 3ページの下にありますように,教育課程が体系的に編成されて,成績評価等についても協定が締結されていることから,法科大学院は特別な選抜を実施することということで,その選抜方法が4ページ目の上でございます。1番目,いわゆる法曹コースということで,成績評価等がしっかりカリキュラムで,大学が求められている厳格な成績評価を行うということで,学部の成績なんかの評価をしつつも,これまでどおりに論文式試験等のもので判定するというもの,これについて,一つ図では,開放型という形で整理させていただいたところでございます。もう一つが,法律科目の論文式試験を課さない,法曹コースの成績とか面接等で評価するというので,5年一貫型教育選抜ということでございます。この募集人員なんかも,これまでの特別委員会の議論のとおりでございます。丸3の部分につきまして,前回,11月9日の資料に記載させていただいて,特段異論等ございませんでしたので,やはり小規模な大学において法科大学院が接続するような法曹コースを作った場合に,しっかりとした学生が行き場がないということがないような形ということで,こういう形にさせていただいているところでございます。
 特別選抜の対象ということで,法曹コースの修了予定者とするということでございます。特別選抜に合格した後に早期卒業見込み者が早期卒業できなかった場合において,やむを得ない事情がある場合には飛び入学制度を適切に運用することができるとしています。やはり法曹コースを設ける趣旨から鑑みまして,それで能力が身に付いて,法科大学院の既修者コースに入れると。協定先以外のところに関して飛び入学とかを使うことはもちろんあり得るわけですが,協定先であれば,やはり法曹コースをしっかり修了していただいて,学部卒業ということで,法科大学院の既修者コースに入学してもらうのが基本と考えています。
 4の特別選抜の実施時期ということで,これも前回,やはり最終学年の1学期の成績が見られるような時期でやるべきではないかという形を御提案させていただいて,そうすべきではないかという御意見も出たところでございますが,法曹コースのことを考えたら,選抜はある時期に行われるわけでございますが,最後に修了した段階において確実に法科大学院の既修者コースに進学できる能力があるという形を各大学が工夫してやることが求められていることから,まさに協定先の法科大学院が求める基礎的な学識及び能力について,適切に判定できる時期に実施されればよいということで,このような記載とさせていただいたところでございます。
 留意事項でございますが,同一の募集区分において,異なる取扱いはしないと。
 いわゆる法科大学院側に対して専願枠で受けた場合には,そのところに合格した場合にはそこに行くという専願枠とか,自大学出身者に関して特別の枠を設けるというのは認められないけれども,地方において十分な司法サービスの提供を担う法曹等を確保することが不可欠であることに鑑みて,地方大学出身者の専願枠は認めるということとしています。
 法曹コースを開設するには,一以上の法科大学院と協定を締結して、要件を満たしているか文部科学省が確認するということから,法曹コースについては一定の質が確保されるので,当面の間,緑色の部分に関しまして,開放型の部分については,協定先でない法曹コースからの入学志願者も当該特別選抜の対象とすることが求められるとしております。論文式試験を課すわけでございますので,協定先以外からも適切に選抜ができるということで,また,法曹コースの質の確保ということで,しっかり文部科学省が確認をさせていただくと。また,具体的には認定という形をさせていただきたいと考えているところでございます。
 特別選抜の実施に当たっては,青色の部分だけなのか,青色の部分で更に緑色の部分も実施するのか,緑色の部分だけを実施するか,各法科大学院の判断とするとしています。
 補足説明の部分でございますが,開放型特別選抜についても,改めて記載させていただいたところでございます。従来のとおりに学生自らが応募する方式とすると。緑色の部分,開放型の部分で,机上配布資料等には書かせていただいたところでございますが,協定先に関しては,成績評価が十分に信頼できるから,一部科目免除等も論理的にはあり得ますが,余りにも複雑になり過ぎますので,当初は認めないということとしています。
 また,自大学に関しては,青色で結んで,試験を課さない形で結ぶと。一方で,試験を課すという形であれば,他大学とも協定を結べる形というのは一つ考えられるわけでございますが,自大学の囲い込み等につながるということから,認めないという形にしております。
 なお,今回の参考資料のところでございますが,開放型のところで,「5年一貫型と併せて」という部分でございますが,字が間違えていまして,「合」の方でございます。
 また,恐らく今御説明させていただいている資料に沿うと,法曹コースの部分も連携先というよりは協定先と。連携関係にないというのは,協定関係にないという形で整理した方がしっかり御理解いただけるかと思っておりますので,次回以降,しっかり修正していきたいと思っています。
 論点でございますが,この部分は事務局において様々な事情において判断するべきことではございますが,地方大学の定義として,7大都市圏に立地していない大学という形で,事務連絡で発出させていただいたところでございます。ただ,それとも,7大都市圏に立地しておらず,法科大学院が当該地域にない形とするのが適当かということとしています。
 また,地方大学出身者の専願枠という形には自大学は含まれないという理解をしておりますが,そのような形で,一応,論点として示させていただいているところでございます。
 基本的に推薦方式というのは認めないという形ではございますけれども,そういう中において,ただ,地方大学出身者の専願枠というのをしっかり活用していく上で,法科大学院が求める成績評価の基準と人数枠を法科大学院側が示して,成績評価がそれを上回っている者は基本的に受け入れる。ただ,人数枠というものがありますので,人数の範囲内で受け入れるというのが基本ということでよろしいかということ。
 また,いわゆる推薦状というのは,大学院においては基本的に従来,研究者養成が中心であって,どうしても囲い込み的な要素があるので,推薦状というのは任意提出資料という形でやってきたわけでございますが,法科大学院においては非常に流動性が高くて,今回,ある意味,5年一貫型という形でやっていくと。また,地方大学出身者が法曹コースに限らないわけでございますが,しっかりプロセスとしての法曹養成制度に乗って,法科大学院を経由して法曹になれるように,こういう専願枠を導入しようとするに当たっては,やはり法曹コース,法学部側で推薦状というのを必須として認めることが必要かという形で論点とさせていただいているところでございます。
 既修者認定の部分でございますが,これは従来からの整理のとおりと認識しています。ただ,6ページの補足説明でございますが,先ほどの時期の関係とも絡みますが,5年一貫型教育選抜においては,法曹コースにおいて,法曹コースを修了する段階におきましては,1年次の教育内容を全て修めることが前提となっているというので,これは入学を許可する段階においては,全て一括して認定するという考えだと認識しております。入学者選抜の段階においては,まだ学修されていない科目については認定はしないんだけれども,その学生は残りの期間はしっかり勉強されて,残りの部分もしっかり既修者認定されるということが基本だということでよいかという形にしています。
 最後,4の法曹コースの安定的運用の実現ということで,まさに国においてしっかり法曹コースの学生について,学部3年次終了後に早期卒業や飛び入学により法科大学院既修者コースへの入学が促進されるように,制度的な手当てに加えて必要な措置を講じるということ。それを踏まえたということでございますが,各法曹コースにおいては,当該コースの学生が法学部3年次終了後に早期卒業等により――「等」は飛び入学も含むわけでございますが――法科大学院既修者コースへの入学ができるように,早期卒業制度等を適切に運用するということでございます。
 法曹コースの質保証ということで,これまでの整理のとおりでございます。
 また,制度の開始時期については少し曖昧なところがございましたので,32年度に2年次に進級する者を念頭に置いて調整を図るということを明記させていただいたところでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。

【井上座長】 
 それでは,まず,ただいまの資料と,それについての事務局の説明につきまして,御質問があれば,お伺いしたいと思います。
 どうぞ,磯村さん。

【磯村委員】 
 2点についてお伺いしたいと思います。1点は,2ページ目の(3)の1)の丸2の具体的な意味なんですけれども,学生数を適切に管理するということが,法曹コースの,例えば,登録人数を当初から制限するという必要性があるのかどうかです。法曹コースができると,多分,多くの法学部生は一旦法曹コースに登録したいと考えると思うんですけれども,最終的に法曹コースの修了要件を満たす学生は,それに比べると随分少なくなると思いますので,適切に管理するということの意味がよく分からないというところがありました。
 もう1点は,6ページのところの一番上の丸1の問題と,それから,4ページの5)の丸3のところで,開放型の特別選抜については,協定先でないところからも受験を認めるということとの関係なんですけれども,6ページの丸1では,法学既修者認定は,従来は認定する科目全部について論文式試験の実施が必要だったけれども,今回は,特別選抜で実施する論文試験というのは,必ずしも全科目について必要ではないというように理解できそうですが,それがそうではないのかどうか。例えば,特別選抜において4科目程度の論文試験を行うことを認めるというときに,ここの2行目からは,協定先の法曹コースの特別選抜においては,法曹コースの成績を基に一括して法学既修者認定ができるとありますけれども,そうすると,協定先でないところから受けた人が4科目しか受けないということになれば,一括認定を受けられないということになりそうなんですけれども,そこの技術的な意味がよく分かりませんでした。
 以上,2点です。

【井上座長】 
 2点あると思いますが。

【大月専門職大学院室長】 
 1点目でございますけれども,委員の御指摘の関係でございますが,当初,制限する必要はないとは考えています。ただ,当初から適切に管理をしていただいて,修了時点において適切な形でしかるべき能力等を身に付けた学生がしっかり法科大学院に,既修者コースに進学していただくようにしていただきたいということでございます。
 2点目でございますが,なかなか正確に理解できなかった点があるかなと思っていますけれども,6ページの上のところは,まさに多くのところが協定を結ぶ際において,青色の5年一貫型の選抜をやられると認識しておりまして,その場合においては,基本的に試験を課さないというふうに考えておりまして,それで一括して既修者認定をすることを認めるということとしております。
 一方で,緑色の部分については試験を今後も課していくということでございますので,その部分については,現在,これまでは一括してやるんだということについて,若干3年プラス2年を推進する観点から,入学者選抜においては4科目等でやって,入学直前にその他の科目をやるというようなことはやっていて,それは今後もそういう形でやられるのかなと考えております。
 以上でございます。

【磯村委員】 
 確認ですけれども,5年一貫型の場合には,そもそも論文試験を行わないので,その趣旨は明確なんですけれども,特別選抜のうちの開放型の場合の試験というのは,最終的には既修者認定をする科目全部について論文式試験を行うということを前提とされているんでしょうか。

【大月専門職大学院室長】 
 そのようには考えておりますけれども,何か不都合等がございましたら,このあたりはまだ今後調整することは可能かと考えております。

【井上座長】 
 現在の運用で,全科目について必ずやるということになっていますかね。要するに,各科目について試験をして,個別に試験をして,全部パスだというのでないと,既修者として認定できないという形になっていますかね。

【磯村委員】 
 科目数に応じた試験が必要ということではなくて,例えば,民事系という試験科目で,その中に試験の対象としては民事訴訟法も民法も含むというときは,それは一応,試験対象としてはこれらの科目をカバーすることになりますが,私のイメージでは,例えば,学部3年次の後期授業というのは,特別選抜実施の時点では必ずしもまだ終わっていないので,例えば,3年次の12月に実施するときに,4科目程度の論文試験を行い,そこで法律的な能力は一定程度確認できるというときに,法曹コースの修了認定を受けることができれば,それと合わせて一括して法学既修者として認定できるというのが,この特別選抜型のうちの開放型の一つのメリットではないかというように考えていました。仮に全科目について試験を実施しないと,結局は既修者認定ができないということになると,従来の一般選抜型の時期が早まったというだけのことになりそうな気がするので,そういう質問をさせていただきました。

【大月専門職大学院室長】  済みません,ちょっと補足というか,説明が適切でなかったのかなと思うんですが,そういう場合に,4科目でやって,それはそれで最近,3年プラス2年で卒業推進の観点でやられていて,最後において試験を課すという,2月頃に判定の試験を課すというようなことをやっていると思っています。
 ただ,逆に,この2月の段階において,こういう形で導入するに当たって,後期の成績がしっかりしているんであれば,それは認められるのかなと。その細かな運用等について,また先生等にお知恵を拝借しながら考えていきたいと思っております。

【磯村委員】 
 今の御説明を前提としたときに,先ほどの質問に戻るわけですけれども,協定先でない法曹コースから受ける人については,そういう形で一括認定ができないとすると,それを受験させなければいけないということになれば,実際には全科目試験をやらないといけないということになってくるのではないかというのが,質問の趣旨でした。

【井上座長】 
 そうですね。理論的に言うと,そうですね。

【大月専門職大学院室長】 
 よく分かりました。御指摘のとおりかと思いますので,そこはそういう形でやれないのか,ちょっと検討していきたいと思います。

【井上座長】 
 はい。

【笠井委員】 
 よろしいですか。

【井上座長】 
 どうぞ。

【笠井委員】 
 今の点と微妙に関係しているのかもしれませんけど,参考資料1に,開放型の説明に「論述試験」とあって,「論文式試験」とは書いていないのですが,論文式と違うニュアンスの言葉なのかどうなのか,それから,「+学部成績(重視)で選抜」とありますが,無論,5年一貫型については,学部成績等重視ということで,一般的な「選抜」とは明らかに違うわけですが,開放型でも「学部成績(重視)」とある意味が,論述試験との対比においてやはり学部成績を重視する意味で使われているのかをお尋ねしたいと思います。

【井上座長】
 2点ですね。論述式というのは論文式とどこが違うのかということと,「重視」の意味ですね。

【笠井委員】 
 そうです。

【井上座長】 
 じゃ,大月さん,お願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 申し訳ありません。論文式と論述式に関して,論文式でそろえようかなと思っておりますので,そういう形で考えていきたいなと思っています。論述の方が適切ということであれば,御指摘いただければなと思います。
 あと,「重視」ということでございますが,これまで基本的に法律4科目というのをやるんだというのが既修者コースの入学者選抜において認証評価等において定められて,厳格にやられていたところでございますけれども,今回,法曹コースということで,それの成績が信頼に足るんだということで,大学の判断において,これまではどうしてもある程度各大学に委ねられていたところでございますが,論文式試験の成績が実際の試験が重視されていたわけでございますが,法曹コースの成績をより重視する方でやることが可能であると。そういうことで,認証評価においてもそういう形での評価をしていただきたいという趣旨でございます。

【井上座長】 
 可能という意味ですか。重視しないといけないということかどうかということだと思うんだけど。要するに,論文式試験の結果と学部成績,どういう比重で開放型の特別選抜を組み立てるのかというときに,重視というと,重視すると。そちらの方の比重を重くしろというようにも見えるんだけれども,必ずしもそうではないということですよね。

【大月専門職大学院室長】 
 今までこれまで各大学がやられている一般選抜においてよりも,学部の,法曹コースの成績を重視していただきたいということでございます。

【井上座長】  
それでよろしいですか。

【笠井委員】 
 そうしますと,資料4のこの文章についても,その点について言及をされた方がよいのかなと思うんですけど。

【井上座長】 
 分かりました。資料4自体でその点について言及しておかないと,表だけだと誤解を生みかねないという御注意ですかね。

【大月専門職大学院室長】 
 分かりました。

【井上座長】 
 御質問,まだ出していただいて結構なんですけど。
 どうぞ。

【大貫委員】 
 時間もないところですので,お願いと確認と意見を申し上げます。

【井上座長】 
 意見は後にしていただけますか。

【大貫委員】 
 意見は後ですか。

【井上座長】 
 はい。御質問だけ。

【大貫委員】 
 それでは,質問だけだということで,確認ということになりますが,資料の1ページの補足説明のところで,これはインフォーマルに事務局ともやりとりしたんですが,趣旨の確認です。補足説明の一つ目の丸ですね。二つのことが書いてありますけれども,協定に係る大学から部局への委任については要検討というのは,これは多分,こういう趣旨だと思うんですが,よろしいかということです。大学間協定という枠組みになっている。そうなると,機関決定を経なきゃいけなくて,これが4月までの間にできるかというと,本学の場合はかなり厳しい状況です。今後も協定の見直しなんていうとき,大学の機関決定が必要だとなると,ちょっと動きづらいんじゃないかというふうに思っています。要検討というのはそうしたことを踏まえているかということです。
 その点の確認と,それから,もう一つは,大学間協定ということになっていますから,自校の法学部との協定という位置付けがやや難しくなっているので,それを整理する必要があるということも要検討2番目の趣旨でよろしいでしょうかということです。答えは大体分かっているんですけど,確認をさせていただきたいということです。

【井上座長】 
 大月さん,どうぞ。

【大月専門職大学院室長】
 2点目はそのとおりでございます。
 1点目については,まさに大学間で結ぶというのが基本である,大学間協定が基本であると考えていますが,細部にわたって大学間協定でやるというのは現実的ではないと聞いていますので,ただ,委任というのは基本的にできるのかなと思っていますが,ただ,大学において余り委任するような文化がないとも聞いていますので,このあたりについて,ここを書かせて,説明もさせていただいたように,そういう支障がないような形でできないのか,検討していきたいと考えております。

【井上座長】 
 御質問どうぞ,大沢さん。

【大沢委員】 
 質問が2点ほどあるんですけれども,非常にどちらも基本的なもので申し訳ないんですけれども,一つは,4ページの3)のところに書いてある,早期卒業できなかった場合において,やむを得ない事情があるというふうに書いてあるんですけれども,やむを得ない事情というのは,例えばどんなことを想定されているのかということを教えていただきたいのが1点と,それからもう一つ,5ページ目の地方大学の出身者の専願枠のところなんですけれども,この枠の考え方というか,取扱いを教えていただきたくて,例えば,枠が埋まらなかった場合にはどういう取扱いになるかというのを教えていただきたかったんですが,というのは,前提条件も全然違うんですけれども,昨今,医学部の地域枠というのが埋まらずに,一般枠に振り向けられていたという問題がかなり問題になっていたので,その点の扱いを教えていただければと思います。

【井上座長】
  じゃ,2点について。

【大月専門職大学院室長】 
 4ページの「やむを得ない事情」のところでございますが,あるのは,特別選抜が入学者選抜が8月から11月ぐらいに行われていて,合格されたと。その後,コースを修了されるというのが基本と考えておるんですけれども,病気とかけがとかをして,その後の成績について早期卒業の基準に満たなかったような場合について,飛び入学というのを適切に使っていただきたいということでございます。それ以外の場合もあろうかなと思っておりますけれども,事務局として,この文章を作成する際に一番念頭に置いたのは,その点でございます。
 地方大学の専願枠の関係でございますが,医学部の関係を正確に理解しておりませんが,医学に関して特別に地域枠ということで定員が認められているということでありますので,法科大学院においては,そういう事情がなくてこれまでやってきたところでございます。今でも各法科大学院では,自主的に地方枠みたいなものを設けておって,今回,特別委員会における議論におきまして,法曹コースという形でやられる,地方でもやられるようなところもあると思うんですが,ないところもあるだろうという中で,やはり制度として地方大学に限っては専願枠を認めるということで,先ほど申し上げたように,受入先の法科大学院においては,基本的にこういう基準をGPA,成績評価基準等を設定いただいて,それを上回れば基本的に採るという整理なんだと思っています。ただ,やはりそれに成績に満たないような学生とか,それを逆に上回り過ぎると,もともとの想定していた人数しか受け入れられないことになるかなと思っています。御質問に対する直接な答えとしては,成績基準に達しなかった場合には,それはやむを得ないものかなとは思っております。

【大沢委員】 
 そうすると,達していない場合は,その枠は空けておくということですか。

【井上座長】 
 いや,そうじゃない。

【大沢委員】 
 そうではないんですか。

【井上座長】 
 今の御説明は,ちょっと分かりにくかったと思うんですが,医学部の場合は,地域枠というのは,それ専用の定員がそのために付けられていると。埋まらないのにそれを一般の定員に組み込むのは,制度の趣旨と違うじゃないかというので問題になっているんですけど,法科大学院の場合は,総定員というのが決まっていて,その中で特別に地方枠というのを用意して,そこは地方の方を優先して受け入れるというものですから,そこが埋まらなければ,一般定員に戻るというのが,多分,制度の本来の在り方かなと思うので,そこが違うんじゃないかと思うんですよね。

【大沢委員】 
 分かりました。

【井上座長】 
 御質問,そろそろ意見に移りたいと思うんですが,じゃ,お二人ということで,御意見の中でまた出していただければと思うんですが,それじゃ,済みません,3人手を挙げられたので,3人という。気が弱いので。
 それじゃ,樫見さん。

【樫見委員】 
 なるべく早くに申し上げますけれども,4点ございます。まず,1ページ目,2の(1),「授与する学位に付記する分野が法学である学部」と書いてあるのですが,例えば,大学によっては,法文学部であったり,あるいは経法学部とか法経学部,ただし,修了した,卒業する学生には法学の学位を与えるという卒業証書が下るわけなんですが,そういった学部もよろしいのかというのが1点です。
 それから,2点目は,2ページから3ページにかけてのところで,補足説明の中の三つ目の丸,「法曹コースにおいては」と書いてある部分で,これまでの議論の中で,法曹コースでなくてはいけないのかと。いわゆる履修プログラムといいますか,実は先般,地方の国立大学の法学系の学部会議がございまして,その折にもこの点が話に出たんですが,コースを設定するというのは,それなりの人数と,それから,組織が必要なので,例えば,総合法学コースの中に法曹コースに匹敵する履修プログラムを置くというのは許されないのかというのが2点目でございます。
 それから,3点目は……。

【井上座長】 
 そのぐらいでちょっとまず答えていただけますかね。三つぐらい言うと,分からなくなっちゃうと思うので。じゃ,1点目と2点目。

【大月専門職大学院室長】 
 最初の質問は,法学の学位が出される,例を挙げられたような学部でも開設は可能と考えております。
 2点目でございますが,履修プログラムというと,ただ科目をそろえればよいというふうに捉えられるので,磯村委員の御指摘にも関連するんですが,なるべく多くの方がチャレンジできるような形で,結果的に成績が足らないとか,進路を変えていくとかということはあるということを考えて,ただ,しっかり体系的には取っていただきたいと。それであれば,法曹コースというのは可能であるという趣旨でございます。

【井上座長】 
 じゃ,3点目どうぞ。

【樫見委員】 
 3点目は,5年一貫型という形で,5年一貫型にのみ適用されるような,例えば,5年一貫型が出てきますのは,4ページの特別選抜の入試のところで出てくるのですが,いわゆる3年次卒業と申しますのは,私どもの大学では,毎年1人あるいはゼロということで,3年で卒業するというのはかなり至難で,かつ成績の質保証という点でも,高いGPAを課しております。そうしますと,3プラス2の5年一貫型も,当然,それだけに適用されるルールもあるかと思うのですが,やはり4プラス2,つまり,4年で卒業する場合の4プラス2の一貫型もそれに適用されるというふうな,広い意味で解してよろしいのか。これまでの議論では,4プラス2もよろしいという話だったのですが,ここでは全くその点に触れるところがないので,これは排除されるのかという危惧が1点ございます。
 あともう一点は……。

【井上座長】
 はい。どうぞ。

【樫見委員】 
 6ページのところに関わってくるのですが,法科大学院の方で,特別選抜なり一般選抜もそうなんですけれども,認定対象となる,特に法律基本科目については,法曹コース,学部段階で成績評価をする手段であります定期試験,この中に法科大学院と同様に,先ほど出ました論述式といいますか,論文式の試験が実施されていないと,それは駄目なのかという趣旨です。学部によっては,論述式ではなくて,○×であったりとか,あるいははめ込みといいますか,言葉を入れるとか,そういう試験をやっている大学というか,学部もあるわけでありまして,その際に,全部が論文とは言わないけれども,必ず論文式が入っていないと認定対象にはならないということなのか。これがあと残りの2点でございます。

【井上座長】 
 それで御質問は。

【樫見委員】 
 はい。

【井上座長】 
 分かりました。じゃ,今の2点。

【大月専門職大学院室長】 
 本日も御説明申し上げましたけれども,3年プラス2年を目指すんだけれども,4年プラス2年になることは排除はしないんですが,4年プラス2が基本で,3プラス2が出てくる可能性があるというのは,後者については違うというふうに理解しています。

【樫見委員】 
 しないという趣旨ですね。つまり,モデルは3プラス2だけれども,4プラス2であっても,特別選抜のところからは排除しないと。

【大月専門職大学院室長】 
 結果的に4年プラス2年になる方を排除はしないという話をしているんですけれども,法曹コースの最初の作り方として,4年プラスが基本で,3年プラス2年にごくまれになる方もいるというのは,この趣旨とは違うかなということではございます。

【井上座長】 
 制度の作り方として,3年を基本にするということですよね。結果として4年になる人は排除しないけれどもということ。だから,認定を受けるときに,3年ということを基本に制度設計してくださいという趣旨ですよね。

【大月専門職大学院室長】 
 修業年限は4年なんですけれども,3年で可能となってという趣旨でございます。

【井上座長】 
 分かりました。

【大月専門職大学院室長】 
 あと,論文式試験の試験科目を課すという部分ですけれども,例えば,今は基本的には2年生からと考えていますが,なので,学部1年のときに法学部の科目があって,それについて論文式試験を課すということは求めていないんですが,2年生からやっていくんだということであれば,2年生段階で論文式試験はこの7科目,7法に関してのものについては,短答が入っていたら駄目だというわけじゃないんですが,論文式試験は課すということで,本特別委員会で議論はまとまっていると認識しております。

【樫見委員】 
 ありがとうございます。

【井上座長】 
 それじゃ,中島さん。

【中島委員】
 時間のないところ恐縮です。具体的になってきているので,質問がありまして,一応,4点,お願いします。

【井上座長】 
 じゃ,2点ずつ。

【中島委員】 
 簡単にします。

【井上座長】 
 2点ずつ。

【中島委員】 
 分かりました。1点目は,先ほどの大貫委員の質問とも関わるんですが,協定締結の期限というのがあるのかどうか。そして,締結確認,公表といったようなスケジュールみたいなものが,その都度ごとになされる,対応いただけるというようなことを考えてよいのかというのが1点目です。
 それから,2点目は,先ほどの樫見委員の御質問とも関わるんですけれども,学位に付記する分野が法学ではなくて,例えば,他の分野が併記されているような場合,例えば,法学・政策学みたいな,そういった大学が法曹コースの対象校として認定されるのかどうか。まずこの2点をお願いいたします。

【井上座長】 
 それじゃ,お願いします。

【大月専門職大学院室長】 
 スケジュールについては決まっていないので,速やかに適宜法曹コースを作られるようなところが支障がないようにやっていきたいと思っております。
 なお,先ほど樫見委員の回答のところで,補足でございますが,4年プラス2年で充実した教育を行うことを全く否定するものではないんですけれども,今回の法曹コースの趣旨はそうではないということでございます。
 質問の2点目でございますけれども,他の分野が併記されているところで,済みません,正確な検討はしておりませんけれども,基本的に7科目置けるような,7法をしっかり開設ができるということであるのであれば,必ずしも排除されないかなと思いますが,改めて確認させていただきたいと思います。

【井上座長】 
じゃ,どうぞ,続きを。

【中島委員】 
 残りの二つが,一つは,入学者選抜の方法です。これ,恐らく例えば,協定の中に書き込む事項とも関わりましょうし,選抜の実施時期などとも関わるんですが,5年一貫型で早期卒業を予定している学生さん,受験生について,3年次の前期に取得した単位が不明な時期に今回の5年一貫型の特別選抜を実施して,例えば,一旦,仮合格を出して,前期に取得した単位,取得できているのかどうか,あるいは成績などが判明したときに,その証明書を後刻提出してもらって,本合格,正式合格みたいな,そういう入試方法が許されるのかどうかというのが3点目です。
 最後の一つが,書面でいいますと,資料4の4ページなんですけれども,上から二つ目の丸2のところですね。協定先の法曹コースとの教育課程の連続性を重視するというふうにあるんですけれども,この連続性というのは,具体的にどのようなものを想定されているのか。これ,率直に申し上げて,突き詰めていくと,結局,自大学の学部とロースクールとの煙突型一貫型連続性というのが想定しやすいんですけれども,そういった理解でよろしいのかというのが,最後の質問です。

【井上座長】 
 分かりました。じゃ,どうぞ。

【大月専門職大学院室長】 
 入試方法について,恐らく中島委員のおっしゃられているような形が考えられるんですが,それを仮合格というのか,そういう整理にするのか,そのあたり,確認させていただければなと思っています。
 要は,入学者選抜において,その段階で期待される能力がしっかり身に付いているかというのを測っていただいて,その後の学修においてもしっかり期待されているかというのは,多分,学部,法曹コースの成績を見ていただければいいわけです。どういう形で見られるかというのは,大学の御判断の部分はあろうかなと思いますが,一部制度的な形で何かやった方がいいのかということはあるか検討する必要はあるのかもしれません。何より法曹コースを修了した方がしっかりと法科大学院の既修者コースに早い段階で期待されている能力を身に付けられることが大事かなと思っています。
 2点目の関係も,まさにそういう整理で今回やっておりますので,繰り返しになりますけれども,法曹コースで期待される学修成果を修めたならば,法科大学院既修者コースに入れる学力が身に付いているはずだと。ただ,そういう学生が非常にたくさん生み出されて,法科大学院の定員が少なければ,入学者選抜という形で選抜が行われるというふうに理解しております。

【中島委員】 
 ありがとうございます。

【井上座長】 
 じゃ,瀬領さん。

【瀬領委員】 
 樫見委員の2点目の御質問と関連することで,もう少し明確化をお願いしたいことがございます。プログラムといったときに,どういうものまでが許容されるかということです。例えばですが3パターン制度が想定されます。第一の例として,2年次が始まったら,一斉に専門科目が履修可能になっているカリキュラムがあると思います。そうではない第二の例として,1年2年の春秋という形で,法学部の先生方が想定する体系的な履修に従って1年の春秋・2年の春秋に科目を順次配置し,学年進行に応じて履修可能にするというようなプログラムもあります。さらに,第三に,ここで書いてある順不同,これをつまみ食い的な履修と言い換えてよいかもしれませんが,そのような履修を阻止しようとすれば,いわゆる紐付け条件付けで,この科目を履修しないと次には進めませんという履修要件設定の仕方もありえます。この3タイプがあったときに,今の御説明は,三つ目のものしか認められないというのか,あるいは、二つ目タイプのもの,すなわち学年進行に伴って体系的に科目が配置されていれば,あとはどのように科目履修をするかは,基本的に履修指導を行って,学生もいろいろな都合で履修をしていくカリキュラムやプログラムも認められるのかどうか。どのタイプのものであれば許容されるかということを確認させていただきたいと思います。

【井上座長】 
 どうぞ。

【大月専門職大学院室長】 
 つまみ食い的なものは許されないということで,ただ,そのほかの点について,また整理させていただければなと思います。

【井上座長】 
 そろそろ御意見,私,のんびりやっていたら,時間が。きょうで御意見を伺うのが尽きるというわけではありませんけれども,ここから御意見を伺うということにさせていただきたいと思います。
 大貫さん,さっき。

【大貫委員】 
 時間がないところ恐縮です。まず,今,たくさん質問が出て,それから,事務局の方も各大学からいろいろと質問が来ているというお話ですので,議事録が出る前にQ&Aのようなものを作って,各大学に是非とも早く今議論したようなことをお伝えいただきたいというのが1点です。
 質問は,できるだけ簡単に申し上げますと,一つは――質問じゃありません。要望ですが,5ページの補足説明のところで,白丸の四つ目ですね。自大学の法曹コースとは,5年一貫型教育選抜を行う協定を結び,他大学の法曹コースとは結ばないことは出来ない。5年一貫型教育選抜を行うという前提ですけれども,これを行うという前提の下において,その場合には必ず他大学の法曹コースとも一貫型選抜をする協定を結ばなきゃいけないという趣旨に見えるんですが,そういう趣旨でよろしいですか。

【井上座長】 
 どうぞ。

【大貫委員】 
 それを確認した上で質問をしたいんですけれども。

【大月専門職大学院室長】 
 ここの5ページの上から四つ目の丸の趣旨でございますが,自大学だけで青色になるというのは考えられる。やろうとしても,自大学しかやれなかったということはあろうかと思っています。この場合が,最大でございますが,4分の1枠を設けられるということであります。

【大貫委員】 
 要するに,例えば,5年一貫型の特別選抜を行うときに,必ず自校でない連携先の法科大学院を入れなきゃいけないということではないということですね。

【大月専門職大学院室長】 
 なので,説明が途中だったんですが,要するに,5年一貫型で青色だけやるんだということ,自校しか協定が結べなかった。それは5年一貫型で,最大4分の1まで適切に設定していただければよいわけです。さらに,青色のところをやるに当たって,緑色もやるというのであれば,協定先以外も受け入れてくださいという趣旨でございまして,逆に青色,法曹コースを作ったんだけれども,やはり試験を課すのが適切だと考えて,緑色の開放型だけをやるんだというんであれば,開放型を最大2分の1でやることができると。

【大貫委員】 
 分かりました。要するに,先ほど申し上げた……。

【井上座長】 
 分かりました。補足説明の文章,ちょっとミスリーディングかもしれませんので,今の趣旨をもっと明確に出るように書き換えていただければ。

【大貫委員】 
 卒然と読むと,さっき私が申し上げたように読めそうだったので,質問の前提がなくなりましたので,これは結構です。

【井上座長】 
 分かりました。

【大貫委員】 
 もう一つは,簡単に申し上げます。同じ5ページの論点と書いてあるところの下のところですね。地方大学のところなんですが,定義の仕方に関わります。7大都市圏という形式的基準だけで決めるというのが一つありえます。もう一つは,7大都市圏に立地しているが,当該地域に法科大学院がない場合という実質基準も入れるのと,どちらがよいかです。私は,地方大学の枠を設ける趣旨からいうと,やはり現実に学べるということが重要なので,後者のやり方がいいと思います。もしそういう前提に立つとすると,7大都市圏に立地していても,通学圏内に法科大学院がないという場合があるわけですよ。そういう場合も地方枠として例外的に認めていただくというわけにはいかないかと思っています。端的に言うと,静岡大学は多分,関東大都市圏に入ると思うんですが,あれは東京まで新幹線で1時間掛かります。他方で,岡山大学は,広島圏にも関西圏にも入っていないんですが,神戸まで30分で,広島まで1時間ということになって……。

【井上座長】 
 大貫さん,その辺になると,ちょっと細かな話なので。

【大貫委員】 
 分かりました。

【井上座長】 
 大きな考え方をまずここで固めていって,個別の大学はどこに入るのかと。不都合ができたら,その辺は柔軟に対応するしかないんだろうと思うんですよね。

【大貫委員】 
 そうした個別的対応をやってくださいということを申し上げたいわけです。7大都市圏ということですぱっと決めるんではなくて,その地域で学べるかという実質基準も加味して考えていただけないかという意見です。

【井上座長】  大都市圏というのも,捉え方,人によって少し違うかもしれないので,その辺,多分,最終的にはきちっと決めないといけないと思うんですけど,そういう問題かなと思いますので,今の御趣旨はよく分かりました。
 ほかの方,御意見,御要望でも結構なんですが。
 有信さん。

【有信委員】  だんだん話も具体的になって,設計も非常に詳細になってきたので,いろいろ質問が出ていると思いますけれども,全体の枠組みのところで一つ気になるのは,さっきの認証評価に関わる話ですけれども,法科大学院の認証評価と,それから,一般の大学の認証評価,これは機関別評価になりますから,そこの評価との整合性がやはり問題になる。大学の中にこういう特別なコースを作ったときに,大学の機関評価としての認証評価の中でこれをどういうふうに位置付けるかということを考慮して,全体の構成を進めてほしい。それから,一番気になったのは,最後のところに,質保証で,法科大学院の認証評価によって法曹コースの質保証をやるような書き方になっていて,これは実質的には不可能な話ですよね。つまり,途中から入ってくる人もいたり云々(うんぬん)という話があって,それを法科大学院の認証評価で,ここに書いてあるような観点で評価をして,それを今度はどこかの大学の法曹コースの質保証にフィードバックするのかというのはそんな簡単な話ではない。大学サイドとしては,自分たちの法曹コースの教育の質保証を,別の法科大学院の認証評価での評価からフィードバックをされるというのは,基本的には認証評価の考え方からするとおかしな話になります。認証評価の基本的な考え方は,ディプロマポリシーとカリキュラムポリシーがきちんと整合して,それが不断に改善される形になっているかというのが一番の基本なので,それが全然別のところの評価からそういうフィードバックが返ってくるというのは,それは枠組みを広げるという意味では正しいんだけど,今,ここの部分だけについてそれを言うのはちょっと苦しいかなという気がするので,御検討をお願いできればと思います。

【井上座長】  その点はもう少し,もっと今の御質問を踏まえて検討をしていただきたいと思います。
 岩谷さん。

【岩谷委員】  恐れ入ります。直接的な文言に関わるところを申し上げますと,4ページの5)の丸3の5行目,「当面の間」という言葉に非常に私ども,ひっかかっておりまして,いわゆる開放型の特別選抜枠は当面の間の実施であるというふうに読めるんですが,それを裏返しますと,先ほど中島委員がおっしゃったように,同じページの上から4行目,やはりこの特別選抜枠の本旨というのは,連続性を持った3プラス2であると。いわゆるその典型は自校同士の連携であるということが見えてくるんですが,具体的な話なんですけれども,私ども,一生懸命,今,事務作業を進めておりますが,いわゆる連携先の法曹コースへの接続ということを,私たちの教育プログラムの充実という観点からそれを進めていく傍らで,学部の側として,理想的な法曹コースというのをやはり作らなければいけないのか。もっとはっきり言ってしまえば,連携関係にない法曹コースのことを念頭に置いて,例えば,修了のための要件を整えたり,あるいは協定の中に実際に書き込まれていくであろう成績評価の基準など,そういうことを連携先ではない法曹コースの客観的な基準に照らされて考えを詰めていかなければいけないのか。実は時間がもはや限られていて,大変難しいところにございます。したがって,当面の間の連携関係にない法曹コースの……。

【井上座長】  分かりました。それじゃ,どうぞ,お願いいたします。

【岩谷委員】  済みません,お願いいたします。

【大月専門職大学院室長】 
 委員の御指摘のとおり,この趣旨を考えると,やはり協定が結ばれて,そういう形で特別選抜をやっていく。これが自大学以外にも青いところが増えていくと。そうであれば,4分の1というのを増やしていくというのが一つあるべき方向だとは思っております。
 ただ,なかなか試験を課さずに学部成績だけで判定できる,それが確実に既修者コースに入学できるという形でやれるかというのが分からない状況において,4分の1という枠を設定したというふうに理解しております。
 なので,この青色も緑色も,こういう形も当面の間と思っていて,逆に連携関係がどんどん進んでいくんであれば,そういうことが期待されるというふうに理解しています。当面の間というのは,5年なのか,多分,制度が,実際,入学者選抜が始まって,その運用状況を見ながら決めていくものかと思っています。
 もう一つ,1点ございました。なので,基本的に,まさに協定先との関係で理想的なものを作っていただきたいということで,ただ,青色,緑色の部分,青色の部分だけでも構わないんですが,緑色の部分を設けるとなると,試験をこれまでどおり課すことですから,繰り返しになりますけれども,オレンジよりは学部成績を重視するようなことも本来できるのかな。ただ,やはり他大学,連携していないところはできないとかいうこともあろうかということで,学部重視を可能とするぐらいの,大学に配慮した形での記載をしております。
 以上でございます。

【岩谷委員】 
 最後,一つだけ。先ほどの認証評価が学部に及ぶのかという点にも少し関わるんですが,法曹コースを備える学部の主体性という観点からして,このプリントの冒頭のところに,文科省が確認をされるというところがございます。この確認でうまく確認されなければ,法曹コースをオープン,設置することができないんだろうと思うんですが,そのときに,言うなれば,学部として連携先のみをうちの法曹コースの修了生とするというようなことというのはできるんでしょうか。

【井上座長】 
 大月さん,どうぞ。

【大月専門職大学院室長】 
 済みません,ちょっと趣旨が理解できなかったんですが。

【井上座長】 
 これは連携先があって,そういう関係があって,法曹コースを設けているのを認定するという仕組みですよね,基本は。

【岩谷委員】 
 はい。

【井上座長】 
 ただ,その認定は,ほかの連携先にない法科大学院との関係でも,緑型の開放型の特別選抜については妥当するというか,効果を持つと。そういう仕組みだったんですよね。そういうことですよね。

【岩谷委員】 
 はい。

【井上座長】 
 お分かりになりました? 私の説明で。

【岩谷委員】 
 妥当することというのは,つまり,設定する法曹コースというのは,連携先に限らないということになりましょうね。その意味での客観性を帯びたコースを学部の側で設定する必要があるということですね。

【井上座長】 
 だから,その客観性というのは,連携関係にあるところもそれだけの客観性が必要だということにはなるんだろうと思うんですよ。特別の法科大学院の関係で,話合いで適当に決まるものではないと。緑型の方に,そこのコースを修了した人は受けていく可能性があるわけですので,その意味での客観性は必要になると。確認ないし認定に当たっては,それも考慮するということなんじゃないかと思うんですよね。

【岩谷委員】 
 考慮されるということですね。

【井上座長】 
 どうぞ,磯村さん。

【磯村委員】
 2点について短く申し上げます。1点は,2ページ目の2)の丸2のところですけれども,協定先と円滑な接続,一貫的・体系的な教育をするというのは全くこのとおりなんですが,その例として,科目等履修の活用,共同開講の開設を挙げるというのは,私は必ずしも適当ではないと考えていて,例えば,地域的に離れているところでは,これはほとんど意味がないということになりますし,また,仮に自大学同士でも,これをしなければいけないというニュアンスでやや受け止められるとすると,強くなり過ぎていて,そういうことも考えられるけれどもというニュアンスでいいのではないかと思います。
 もう一点は,4ページ目の3)の,先ほどもちょっと触れられた,早期卒業と,それから,飛び入学制度の関係なんですけれども,早期卒業制度というのは大学全体に関わるので,法学部の法曹コースだけで特別扱いをすることはできないので,緩めるとしても自(おの)ずから制限があるという問題ではないかと思います。
 それに対して,飛び入学というのは,例えば,早期卒業の成績要件を満たさないけれども,法曹コースの科目については非常に優秀であるというときに,法科大学院の方から,こういう人を飛び入学で認めてもいいというので,これは制度としてはそもそも違うものなので,例外的な扱いというのは,むしろ必ずしも適当ではないというように考えています。
 以上です。

【井上座長】 
 そろそろ時間が迫ってまいりましたので,御意見がおありの方は,今,一斉に挙手をお願いします。
 じゃ,三人に限らせていただきますが,それでよろしいですね。多少,時間がはみ出るかもしれませんが,是非御協力を。
 長谷部さん。

【長谷部委員】 
 4ページ目の4)のところですけれど,特別選抜の実施時期のことです。先ほど中島委員の方から,仮合格というようなアイデアも出たわけですけれども,これ,実施要項に基づき,原則として学生が入学する年度の前年度の7月以降となっていまして,もちろん7月に始めていなければならないというわけではなく,その後でもいいという書き方になっているんですけれど,7月以降と書かれますと,皆さん7月から始めるというようになりがちかなと思うんですけれど,今でも3年次卒業の人を対象とした7月の入試というのはやっていますけれど,それはちゃんと法律科目の試験を課しているからなのであって,そこでどのぐらい能力があるかということを判断できるのですが,今度,試験を課さずに3年次の成績なども本当は見たいというようなことになってきますと,7月に実施すること自体をやめていただいて,成績が出る9月以降に試験を課さないで行う5年一貫型の選抜を始めてもらうというような運用にしていただいた方がよいのではないかなという意見です。

【井上座長】 
 最初の点は,7月以降いつでもいいということなので,そういうことは可能なんですけど,7月以降と書かれると,差し障りがあるというニュアンスに聞こえましたけれども,7月を起点にしたのは,何か特別に意味があるんですか。

【大月専門職大学院室長】  大学院入試全般の話としての7月以降ということです。今,長谷部委員がおっしゃったような意見も前回も出て,それは一つの考え方かなと思っておりますが,一方でなかなか難しい面もあろうという話があったので,繰り返しになりますが,修了までに適切な能力を,期待される能力を身に付けられることをちゃんと確認できるんであれば,大学院入試の原則に沿った形で,まさに適切にやっていただければという趣旨で書かせていただいております。

【井上座長】  これ,一斉に7月と書いたから,7月になるとは思えないんですよね。長谷部さんが指摘されたように,前期の成績をやっぱり見たいというのがほとんどのところなので,そうすると,現実的には9月以降ということになるんだと思うんですよね。だから,7月って書かないといけないというのがどれだけ強いのかということにもよると思うんですけど,またそこも検討して,恐らく多くのところはおっしゃるような方向で考えておられると思うんですよね。7月って書いたから7月にやらないといけないと。先に採っちゃった方が勝ちだということになれば,そうなるのかもしれないですけど,そうじゃないわけですよね。ダブルで受験できるので,だから,意味のあるような選抜を恐らくするということになるんじゃないかなというのが私の感想ですけどね。ちょっと御意見があったということで。
 あとは中島さんでしたかね。

【中島委員】  時間のないところ済みません,先ほどの樫見委員とのやりとりに関わる,やや屋上屋を重ねるような意見なんですけれども,一貫型というときに,4プラス2というものをきちんと位置付け,可視化できるような形にするべきなのではないかと考えます。
 一つは,先ほど樫見委員からもありましたように,そもそも3プラス2でコンスタントに学生を送り出せるような大学というのは,非常に数が限られていると思います。
 それから,2点目としては,要するに,そもそも論,ちょっと青臭い話になりますけれども,質の高い優位な法曹をプロセスの中で養成していくという観点からしましたときに,きょうの御説明の中にもありましたが,例えば,留学に行くであるとか,あるいは今回のアイデアの中にも入っていますけれども,基礎法学であるとか,先端的な法学の履修というのは,3プラス2では恐らく無理だと思うんですね,学部の在学中に。だとしますと,やはり4プラス2ということになりまして,何よりも学生にとってこの制度が魅力的なものに映らなければいけないと思いますので,この間,実は私の印象として,文部科学省は以前から5年一貫という言葉を慎重に避けてこられたのかなと思っていたんですが,今回,どーんとそれが出てきて,逆にそれが非常に目立っていて,じゃ,4プラス2で一貫でというそれが,青色のところに載るような形にしていただくのがいいのではないかというのが,私の意見です。
 以上です。

【井上座長】  分かりました。
 それじゃ,瀬領さん。

【瀬領委員】 
 簡単に。1ページ目の協定内容のところです。この箇所で示された項目自体はよろしいのですが,先ほども質問させてもらいましたが,二つ目の教育課程,成績基準については学部でコース設定をする非常に重要なことだと思います。つまり,上の2の手続のところで書いてある国の定める要件の中身が,それぞれの項目について何なのかということが極めて重要になると思います。
 例えば,成績評価に関しても,厳格な成績評価,ここで議論はしていますけれども,では,本委員会に参加している委員が所属する大学以外の学部でこれらを検討する際に,実際にどういう成績基準を設定すればよいのか,あるいは,先ほど申し上げましたような教育課程で,どのようなものであれば確認を受けられるのかが明示的に理解できることが極めて重要だと思います。今後検討する際,定める事項の中身,要件に関して,重要なところをもう少し具体化するようなことをお願いできればと思います。
 以上です。

【井上座長】 
 それでは,ちょっと中途かもしれませんけど,御意見を伺うのはこのぐらいに本日のところはさせていただいて,本日明らかになった点については,この文章の補足説明などの文章を更によりよいものにしていただいて,まだ要検討のところは,そういう含みで残しておいていただくというような形で,これを改善されると。基本的にはこれは,文科省の方の責任,文責の文章ですので,それに我々の意見が適切に反映すればいいと。そういうことだと思います。本日のところはこのぐらいにさせていただきたいと思います。
 予定しました議事は以上でございます。
 次回の日程につきましては,改めて事務局の方から皆様に御連絡をさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。
 どうも本日はありがとうございました。

―― 了 ――

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