専門職大学院ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

平成28年4月5日(火曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省(中央合同庁舎7号館東館)3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. 専門職大学院制度の現状・課題について
  2. その他

4.出席者

委員

(臨時委員)有信睦弘(主査),川嶋太津夫(主査代理),玉腰委員の各臨時委員
(専門委員)青井倫一,大竹由希子,片山直也,上西研,杉本徳栄,添田久美子,松﨑佳子の各専門委員

文部科学省

(事務局)義本高等教育局審議官,北山専門教育課長,塩田専門職大学院室長,川﨑専門職大学院室長補佐,真保専門教育課専門官

5.議事録

【有信主査】  それでは,定刻になりましたので,第5回になりますけれども,中央教育審議会の大学分科会大学院部会専門職大学院ワーキンググループを開催したいと思います。よろしくお願いします。

本日は,前回に引き続いて,論点ごとに審議を頂きたいと思いますので,よろしくお願いします。

それでは,事務局から配付資料の確認をお願いします。

【事務局】  それでは,まず資料1ですが,前回の資料に対応案などを加筆したものでございます。参考資料1が,新たな高等教育機関の審議経過報告。参考資料2が,認証評価制度の改善についての資料。参考資料3が,「三つのポリシー」に関する資料。参考資料4が,スタッフ・ディベロップメントに関する資料。参考資料5が,公認心理師法に関する資料。あと,参考資料6が,職業実践力育成プログラムのリーフレットをお付けしております。不備がございましたら,事務局までよろしくお願いいたします。

以上でございます。

【有信主査】  今説明がありましたように論点整理をやっていただいていますので,対応案を含めて整理ができています。

それでは,事務局から説明をお願いします。

【事務局】  それでは,資料1をごらんください。前回ワーキングでの主な御指摘について青字で,対応案につきまして赤字で記載しております。

まず,総論の(1)でございます。社会ニーズへの対応ということで,前回のワーキングでは,青字の部分ですが,アドバイザリーボードの有効性や,高度専門職業人養成プロセスのどの部分を担うのかについての整理の必要性とか,養成する人材像の具体化の必要性,職業資格に直結する分野とそうではない分野に分けた検討の必要性,などの御指摘がございました。

矢印の部分で,社会との連携を制度に位置付ける必要性を述べているわけでございますけれども,米印のとおり,まず,新たな高等教育機関の審議経過報告におきましては,重視すべき視点として,産業界・地域等との対話・協力の推進といったことが述べられております。そういうことを踏まえまして,社会との連携を担保するための方策といたしまして,各論においても出いますけれども,総論における対応といたしまして,ステークホルダーからなるアドバイザリーボードを設置し,教育課程の編成も含めて,重要事項について意見を伺うことを義務付ける,又は,設置し意見を伺うことを促すということを案として提示しております。

続きまして,(2)の修士課程との役割分担ですが,専門職大学院の特徴といたしましては,実習が多いとか,職業倫理が学べる,こういったような御指摘があったところでございます。ここの矢印についての対応案につきましては各論部分で御説明したいと思います。

次に,各論の1,教育課程等の(1)でございます。これに関しては,職業経験の有無や,経験年数に応じたカリキュラム編成の必要性についての御指摘がございました。

矢印に対する対応案といたしましては,3ページですが,米印にありますとおり,これも新たな高等教育機関の審議経過報告におきまして,企業等との連携による体制整備を義務付ける旨の記載がなされておるところでございます。専門職大学院制度におきましても,社会との連携の確保というのは大変重要な視点ですので,新たな高等教育機関と同様の対応をとるべきとも考えられますが,ここについて御審議いただければと思います。これにつきましては,先ほど説明いたしました「ステークホルダーからなるアドバイザリーボードの設置」とも関連する論点かと思います。

次の矢印ですが,インターンシップを含めました実践的授業の取扱いについてです。これについても,新たな高等教育機関におきましては,一定時間・割合以上の実施が義務付けられているところです。この論点につきましては,前回ワーキングにおきまして,義務付けについては否定的な御意見を頂戴いたしましたので,対応案としては,制度的に位置付けることはしないけれども,コアカリキュラムを策定する際に,一定の目安などを示すという案を提示してございます。

続きまして,(2)の核となる科目の明確化につきまして,「棲み分け」できる仕組みの必要性についての御指摘がございました。

また,矢印の対応案ですけれども,コアカリキュラムを,ステークホルダーの参画を得た上で策定し,必要に応じて更新することを促す。その際,望ましい単位数ですとか,実践的な授業についての一定の目安,こういうことを示すとともに,国際的な動向ですとか,職業経験の差等を踏まえる。また,各校が独自性を発揮できるよう配慮するといったような対応案を挙げております。

次の矢印の対応案ですが,策定したコアカリキュラムの導入状況を,認証評価で確認するとしておりますけれども,各校の判断で導入しない場合は,合理的な理由の有無を確認するということを挙げてございます。

続きまして,(3)の必要単位数ですが,対応案といたしましては,制度上の単位数を改正するのではなくて,コアカリキュラム策定の際に,各分野におきまして望ましい必要単位数を提示するということを案として挙げてございます。

(4)経営人材の育成について,前回ワーキングで専門学校等との連携についての御指摘がございました。それを踏まえまして,対応案として,専門性を有する専門学校等との連携の重要性を明示し,取組を促進するとしてございます。

(5)につきましては,対応案として,ノンディグリープログラムの提供や,ICTの活用等を各専門職大学院に促すということとともに,地方公共団体等の理解を促すための方策を検討するということを挙げてございます。

次に,(6)ですが,国際的な評価機関の受審等を通じた,留学生を想定した教育課程の開発を促すといったことを対応案として挙げてございます。

次に,2の教員組織です。まず,実務家教員の在り方についてでございますが,次のページの最初の矢印のところでございます。現行制度では,実務家教員の比率が3割以上という下限のみが規定されておりますが,バランスの取れた教員組織とするために,その上限などを設けるか,又は,そういった上限等は設けないが,認証評価で確認すると,この2案を案として提示してございます。

また,次の矢印についてですが,米印にありますとおり,新たな高等教育機関における議論においては,研究能力を併せ有する実務家教員の配置を義務付けるとされております。専門職大学院におきましても,理論と実務の架橋ということが求められますので,ここも同様にすべきかどうか,御審議いただければと考えてございます。

また,次の矢印の対応案ですが,認証評価で実務家教員の適正性を確認するということを挙げてございます。

また,次の矢印の対応案といたしまして,実務家教員のローテーション,これによる派遣が望ましい旨を明示するとともに,実務家教員の適正性を認証評価で確認するということを挙げてございます。

次の矢印ですが,最新の知識を有する実務家教員の確保を促進するため,「みなし専任教員」の要件について,現在は年間6単位というところでございますが,例えば年間4単位程度に緩和するといった措置の是非について御審議いただければと思います。

続きまして,(2)のFDでございます。現行の基準は,米印のところに書いているのは現行のFDに関する設置基準でございますが,対応案といたしまして,次のページにありますように,研究者教員と実務家教員の連携による取組,こういったことは必要である旨を加筆してはどうかということを挙げてございます。

あと,これは参考までですが,本日お配りした参考資料4をごらんいただければと思うんですけれども,参考資料4でスタッフ・ディベロップメント(SD)というものを挙げてございます。これは今般,省令が改正されまして,改正の趣旨の2つ目のポツでございますが,各大学において,大学等を構成する職員である教員と事務職員等が必要な能力云々のためのSDを推進するということで,スタッフ・ディベロップメントというものが新たに設けられまして,これは専門職大学院の基準にも適用されるというものでございまして,FDとともにSDというのが省令上は位置付けられているという情報提供でございます。

資料に戻っていただきまして,(3)の専任教員の在り方についてですが,対応案といたしまして,同一研究科内に専攻を新たに設ける場合は,教員基準を一定程度緩和すること。また,専門職大学院を新設する場合は,時限付きで学部等とのダブルカウントを認める,こういったことを案として挙げてございます。

続きまして,3の認証評価でございます。これにつきましても,ちょっと恐縮ですが,参考資料2をごらんいただければと思います。参考資料2で,認証評価制度につきましても省令改正が行われておりますので,簡単に概要を御説明いたします。1枚目の審議内容の主なポイントというところですが,主なポイントの2つのマルは機関別評価についてのことで,機関別評価で評価すべき事項として三つのポリシー,この三つのポリシーは米印にありますが,三つのポリシーに関することとか,各大学におけるPDCAサイクルがちゃんとできているかどうか,こういったことを確認するということが追加されています。

また,その他のところで最初のマル,これが分野別評価にも関係するところですが,評価機関に対しまして,高校,企業,自治体,学生などのステークホルダーからの意見聴取,こういったことを義務付けるということが規定されてございます。

また資料1に戻っていただきまして,資料1の3の(1)の認証評価でございます。米印のところは今御説明したことを書いております。意見を聞くということが義務付けられておりますけれども,これは,どのような団体に対してどのように意見を聞けばいいかといったことは認証評価団体の判断に委ねられているということでございます。そういったことを踏まえまして,案といたしまして,認証評価機関は,修了生の就職先とか,学生,その他のステークホルダー,こういったのを特定いたしまして,こういったところから意見を聞かなきゃいけない。また,その際に,修了生が,人材養成上の目的に沿った活動をしているかということをしっかりと確認する,こういったことを明示してはどうかというふうに案をしてございます。

続きまして,(2)の矢印のところですが,策定したコアカリについては,認証評価で確認するということを書いてございます。

また,次の矢印におきまして,認証評価における国際的な同等性・通用性の確保の必要性を明示するということを挙げてございます。

また,(3)の機関別評価と分野別評価の効率化につきましては,対応案といたしまして,機関別評価にあたりましては,分野別評価の結果の活用により効率的に評価する。また,専門職大学院のみを設置するような場合は,機関別と分野別の評価を一本化して受審する,こういったことを案として挙げてございます。

続きまして,(4)ですが,国際的な評価を受けた場合で,これにつきましては,前回のワーキングで事務局から余り正確に現行制度をお伝えできなかったので,現行制度をちょっと詳しめに米印で書いてございます。専門職大学院につきましては,大臣の認証を受けた機関による分野別評価の受審が義務付けられているわけですが,大臣が定める措置を講じているときは,受審が不要というふうにされているところです。大臣が定める措置といたしましては,外国に事務所を有する団体で,国際的に認められたものを文科大臣が指定すると,そういった団体から評価を受けていれば,認証評価機関による分野別評価を受けなくていいんだということが定められております。ただし,これまで大臣が指定した例はないと,こういったものが現状でございます。

そういった現行制度を踏まえまして,対応案といたしましては,国際的な評価機関の認証を得た場合,国内の基準との整合性を確保しつつ,国内の認証評価の受審に伴う負担の大幅な軽減を図る措置を検討するということを書いてございます。

続きまして,情報公開の促進の(1)ですが,これにつきましては,対応案といたしまして,修了生の就職状況に加えまして,それ以降の活躍状況についても公開を促進するということを挙げてございます。

続きまして,ポリシーの策定ですが,参考資料3をごらんください。参考資料3の10ページに具体的な新しく改正された規則が載っておりまして,ここに書いておりますように,大学については,卒業の認定に関する方針,教育課程の方針,入学者の受入れに関する方針,こういったような方針の策定が義務付けられましたが,その上の部分にありますように,大学院につきましては,第3号に掲げるものに限るということで,省令上は,大学院については,3号の入学者の受入れに関するポリシーを定めることが今般,義務付けられたということでございます。

それを踏まえまして,また資料1に戻っていただければと思うのですが,今回,ここに書いてございますのは,社会との連携についてのポリシーの策定というのを考えたらどうかというものでございまして,そのポリシーに記載する内容といたしましては,社会との関係において具体的にどのような人材養成を目指すのか,また,その教育がプロセスのどの部分に該当するのか,そのためにステークホルダーとどのような連携を図って教育内容を充実するのか,こういったようなポリシーを策定・公表してはどうかということを案として挙げてございます。

続きまして,5の職業資格との関係ということでございます。これにつきましては,公衆衛生士資格を取得した場合のメリットの付与ということが御指摘ございました。こういったことを踏まえまして,対応案といたしましては,受験資格を含めた職業資格試験の在り方や,資格修得者を評価し受け入れる仕組みの在り方について,プロセスとしての高度専門職業人養成の観点から,そういったことに十分配慮する必要があるという旨を明示するということを挙げてございます。

済みません,また参考資料5を見ていただきまして,前回御議論になりました公認心理師法の概要を付けてございます。27年9月に成立しておりまして,公認心理師法(概要)の3の試験のところのマル1に受験資格が書いておりまして,大学において心理学等に関する科目を修め,かつ大学院において主務大臣指定の心理学等の科目を修めてその課程を修了した者,こういった者に受験資格が与えられるということで,ここでは大学院という言われ方がしているということでございます。

次のページにスケジュールが書いておりまして,2015年9月に成立して,2年以内に施行ということになっているんですけれども,施行日の属する年は試験を行わないことができるというふうになっておりまして,最初の試験が2018年,これが想定されているということで,現在,カリキュラム等の検討が進められているといったような状況でございます。

また資料1に戻っていただきまして,6の専門職大学院の教員養成,後継者養成についてでございます。前回は博士課程との接合した部分の必要性ですとか,従来の博士課程ではなくて,専門職学位課程の上にあるような博士課程も必要じゃないか,こういったような御指摘があったところでございます。

対応案といたしましては,後継者養成のため,博士課程への進学希望者が,論文指導を受けることができるように取組を促すということを挙げてございます。

最後に,その他です。対応案として書いてございますのは,グローバル化,地域密着,特定分野,こういったような特色を伸ばすための取組を促進するために,例えば,設置基準などで一般的に求められるようなレベルではなくて,より高度なレベル,高度な基準を満たしていると認められる専門職大学院を新たに認定する制度を検討したらどうかということを挙げてございます。制度の導入に当たりましては,まずは多分野とも関係が深い経営系分野から開始することも一案ではないかということを書いてございます。

なお,ここで,認定された場合のメリットについては触れておりませんけれども,制度の導入に当たりましてはメリットの創設は必要と考えておりまして,こういった方針で検討を進めるということであれば,まずは事務局においてもメリットについて検討したいと考えております。

以上でございます。

【有信主査】  なかなか広範囲にわたって,また議論も大変だと思いますけれども,前回同様,それぞれの課題に分けて少し議論を進めていきたいと思いますので,よろしくお願いします。

それでは,最初に,総論のところで何か御意見ありましたらよろしくお願いします。

総論のところは,全体として出口との関わり方をどうするかという形でまとめてくれていると思いますけれども。赤字で書いている対応案のところで,アドバイザリーボードのようなものを設けて,そこの意見を聞くという点に関して,これも一般論としては多分,誰も文句はない話だと思います。現実にアドバイザリーボードのようなものを設けているところも実際にはあります。それぞれの大学の考え方によってですけど。ただ,これ,専門職大学院でこういうものを設けるとしたら,単純に飾りのようなアドバイザリーボードではなくて,具体的に出口との関係でどんな格好で求めるべきかという,この辺のところで,いろいろ御意見があればお願いします。

どうぞ。

【添田委員】  教職大学院の方では,ほとんどの大学で運営協議会という中に市教委さんであるとか,県教委さんであるとか,そういったステークホルダーの方を入れて,毎年二,三回,運営について御意見を頂くというようなことをしておるんですけれども,そういうものと,ここで述べられている「ステークホルダーからなるアドバイザリーボード」というのとはどの辺がどう違うのかということをお教えいただければと思います。

【有信主査】  じゃ,これはちょっと事務局から説明してもいましょう。法人としてと,教職大学院独自にあるという意味ですか。

【添田委員】  はい,そうです。

【事務局】  教職大学院の方では,おっしゃるように,大学のその制度とは別に,教職大学院の中に運営協議会というのがありまして,市教委ですとか,おっしゃったように関係者を入れて,そこでカリキュラムなんかを市教委,県教委等のニーズに合わせたものにするというためにそういうものがございます。ですので,ここでおっしゃっているアドバイザリーボードですか,それはかなりそれに近い存在だと思います。

【有信主査】  経営協議会とは全く別の話ですね。

【事務局】  はい。

【有信主査】  そうだとすると,ここに書いてあるアドバイザリーボードにかなり近い話で,ステークホルダーというか,実際に受け側というんですか,そちら側の意見を教育課程等々についていろいろ言っていただくという話ですね。

逆に言うと,これはどういうふうにうまく機能していますか。ここのこの問題にも直に絡む話だと思います。

【添田委員】  教職大学院の場合は,ステークホルダーがかなり決まっておりまして,学校ということで,それも公立学校が多いので,市教委さん,県教委さんとお話をするといいますか,そこで一致しないと先生を送っていただけませんし,また,修了したら,ストレートマスターについても受入れというところで優遇措置等もとっていただけないということですので,作るときからかなり綿密にカリキュラムも組んでおりますし,実習させていただきますのも公立の学校ですので,そちらで実習させていただくことについても到達目標等も明確にしないと受け入れていただけないということです。

ただ,そういう意味では,アドバイザリーボードとなっている協議会とのつながりが非常に強い教職大学院と,まあまあ普通のところ等があります。東京都なんかは,かなりアドバイザリーボードの方が強いイニシアチブを持って,関係大学の方にいろいろな申入れをされているというふうにお聞きしております。

【有信主査】  そのアドバイザリーボードというのはどういうものですか。

【添田委員】  東京都の場合は,東京都の教育委員会の方がカリキュラム等を作っておりまして,それを受け入れたところのみに東京都が教員を派遣するというような形で,もちろん協議もありますし,更に修学中も,私どもも参観のような形はいたしますが,東京都の場合は,かなりしっかりとした公式な形で訪問を受けて,授業等を見学して帰っていかれるというようなことも実施されています。

【有信主査】  そのアドバイザリーボードというのは大学側の組織なのですか,教育委員会側の組織なのですか。

【添田委員】  大学が事務局にはなっておりますが,共同で作っているという形といいますか,趣旨で作っております。

【有信主査】  今言われた,教職大学院が持っている今のアドバイザリーボードと,東京都のようなところのアドバイザリーボードとは違いがあるのですか。権限が強いとか,そういう差になっているんですか。

【添田委員】  和歌山大学もそうですが,一般の教職大学院が作っているものと構成上はそうは変わらないと思います。ただ,もともとの,それを作るに当たっての過程が違いますので,一般の教職大学院の方は,教職大学院を作りますので,市教委さん,県教委さん,一緒に協力いただけませんかという形で作っておりますが,東京都の場合は,教職大学院を作るということと同じ土俵にのって都の方がこういうものを作ってほしいと,その時点で既にいろいろとお考えを述べていらっしゃるということであるので,形の上では同じかもしれませんが,形成過程が違います。

【有信主査】  東京都だけが別の格好で作られたということですか。

【川嶋主査代理】  東京都だけ,都下に複数の私学も含めた教職大学院があるので,それで都対その教職大のグループという関係で,それを束ねるのが都の作ったアドバイザリーボードで,それ以外の都府県は多分,一府県一教職大学院なので,大学の方が運営協議会を作っているのではないでしょうか。

【添田委員】  そうですね。大きな大学はほかにないので,一府県一ということで。

【有信主査】  多分ここで考えているアドバイザリーボードのある種のひな形のようなものになり得るかということで,ちょっといろいろ具体例をお聞きしました。

何か御意見ありますでしょうか。片山委員,どうぞ。

【片山委員】  ここでのアドバイザリーボードというものが,主として社会(出口)との関連性から恐らく「ステークホルダーからなる」という一種の限定付きのものということになっているのだと思いますがけれど,2点ほど確認させていただきたいのは,第1点は,ステークホルダーではないけれども,有益なアドバイスが得られるというような場合があるかと思います。例えば,別個な専門職大学院の関係者であるとか,法律系だとすると,その専門職大学院の中にもやっぱりビジネス的な視点が必要だということになると,経営系で青井委員に入っていただくとかそういうような形で,これはステークホルダーとは違うが,そういった方まで含めたようなアドバイザリーボードというものを想定することは有益ではないかと思いました。更に第二点ですが,いろいろな専門職大学院で,恐らく意思決定機関の中で外部委員,社外取締役のような肩書で入っていただくということはあるのだと思いますが,そういう者との関係も不明な点がありまして,単純に意見を出す,そういう機関ということだけでいいのか,それとも意思決定に関与するという点についてどう考えるのかという点,以上2点をお尋ねしたいと思います。

【有信主査】  何か答えられることはありますか。

【事務局】  これもあくまでも案でございますので,こだわりがあるわけでは全くないです。「ステークホルダーからなるアドバイザリーボード」というふうに書きましたけど,ステークホルダー等というような御理解でも全然差し支えないんじゃないかなと思います。

あと,意思決定機関との関係でいいますと,ここに書いてある案は意思決定機関には位置付けていないんですけれども,ここも御判断で,意思決定機関にまで位置付けるんだというような御判断であれば,それも一つの方法かなとは思います。ここに書いている案は,あくまでもその意見を聞けばいいということとして案を挙げてございます。

【有信主査】  そこのところをどう考えるかなんだと思うんですけれども,一応,専門職大学院の現在の形が多分,いろいろバリエーションがあるので,一概に決められないところがあると思うのは,例えば学校法人になっているところ,それから国立大学法人になっているところとそれぞれありますよね。

国立大学法人になっているところだと,さっき言ったように,経営協議会と教育研究評議会があって,その中の専門職大学院というのは法人の中の一部になっているけれども,経営に関しては経営協議会があり,そこで教える内容,教学に関しては教育研究評議会がある。多分,ここで言うアドバイザリーボードというのは,その中の専門職大学院に関してだけのアドバイザリーボードという形になるので,全く別設計になると思うんですね。ただ,そのときに,いわば経営と教学で,親元の大学があるときに,そこの方針との切り分けをどういうふうにやっていくかというのは多少考えておかないといけない。ただ,専門職大学院がそれ自体で独立して作られているところもあるので,そこはまた別の設計になるかもしれないので,ファンクションが多分ちょっと違ってくるかもしれないと思うんですね。そこは多分,アドバイザリーボードの設計のときに少し一歩踏み込んで検討しておかないと,後でいろいろ問題が起きる可能性はあるような気がします。

ですから,あくまで専門職大学院に範囲を限った上でのアドバイザリーボードという位置付けで,ステークホルダー以外の人たちもその運営に関して,あるいは教育の課程とか,今,片山委員がおっしゃったように,別の専門職大学院の関係者であれば,グッドプラクティスを含めて,いい助言も得られるので,そういう観点の助言を得られるという可能性は考えているという今のお答えだったわけですよね。

ほかに。どうぞ。

【青井委員】  ステークスホルダーに関してですが,ビジネススクールですから,ほとんどが企業経営者,社長を選んでいますが,片山先生が言われたように,海外のビジネススクールに倣って,よそのビジネススクールのディーンを呼ぶというのもあるのかなと思います。

やりたかったのは,やっぱりNPO,NGO,これはビジネスにとっては極めて社会との付き合いが重要になってくるので,そういう人たちも我々としてはやっぱりステークホルダーとして考えていかなきゃ駄目かと思っています。

2つほど慶應のときに狙いがありまして,1つは,我々のカリキュラムについてです。どうしても我々は後れますから,こういう形でやっていたら世の中についていけないよという形でのアドバイスを頂くというものです。もう1つは,先ほど法人側といいますか,慶應の執行部に対してアドバイザリーボードの各委員を通じて要望を出すということです。その意味では極めてポリティカルに,アドバイザリーボードに誰を選ぶかというときに,塾の方針を決めるのに極めて影響力のある人を意図的に入れたところは多分あるんだろうと思います。

明治になってからアドバイザリーボードは,どちらかというと卒業生と,あと,海外のビジネススクールの人たちがメインです。なかなか難しいのは,卒業生だけで固めるとまずいところが出てくるので,その辺のポートフォリオをどう考えるかはアドバイザリーボードを組むときの一つの設計原理であって,場合によっては最後,認証機関が,このアドバイザリーボードの設計思想とか,設計についても検討するというのは多分必要になってくるのだろうと思います。

なかなか難しいのは,最後,決定権限,片山委員が言いましたけど,結局,アドバイザリーボードが幾ら言っても言うことを聞かないということになるとしたら,アドバイザリーボードの価値はなくなってくるので,その辺をどうしていくかという意味では,常にコミュニケーションをどうできるかという議論と。それと多分,個々のアドバイザリーボードのメンバーとやっぱりアポをとって意見交換していかないといけません。年に一,二回の,単に集まっていただいて,2時間やって終わりというアドバイザリーボードは,私は過去の経験からすると余り機能していかないと思っています。

以上です。

【有信主査】  ありがとうございました。

具体的な運用上の問題ですね,最後のところは。それから,最初のところは,例えばビジネススクールの場合だと,大企業がどんどんこれから成長していくためのビジネスの経営という人たちを育てるのと,それから,例えばNPOだとか,あるいは中小の企業経営者を育てるという目標とでは恐らく全体の構成も違ってくるんですよね。例えば病院の跡を継がなきゃいけないんだけど,どこで勉強すればいいかと,こんな話もある。ただ,それもある意味では専門職大学院なので,一定程度のレベルを超えた経営者を育てるという視点はなきゃいけない。そうでなければ,後で出てくる,いわゆる専門的な職業人を育てるための高等教育機関との区別が付かなくなるというところもあって,この辺のところを含めて,今言ったようなアドバイザリーボードをどうやっていくか。それから,運用上も,認証評価との関わり合いの中でどういうふうにこれが回されていて機能しているかというのも含めるという形を考えるかという感じですね。そこまでアドバイザリーボードについて少し書き込んだ方がいいかもしれない。そういう御意見だったような気がしますけど,ほかに何かありますか。

特に,ここで言っている様々なステークホルダーとの関わり合いをより密にするという意味では,ステークホルダー側の,あるいはアドバイザリーボードのメンバーの選び方,それから運用の仕方,それについてある程度突っ込んだ書き方をするとともに,認証評価でその機能を検証するということも含めるということかなと思いますが。

それでは,また後で気が付いたら戻っていただいても結構と思いますので,次は教育課程等についてということで少し御意見を伺えればと思います。よろしくお願いします。

どうぞ。

【川嶋主査代理】  1点確認というか,どういう御趣旨なのか聞きたいのですが,4ページの(4)のところで専門学校との連携を重視するということがあるんですけれども,これのちょっと趣旨がよく分かりません。専門職大学院,特に大学院大学の幾つかは,もともと専門学校を母体として,学部を飛ばしてしまって大学院を作ったという例は多いんですけれども,実際には専門学校というのは,言ってみれば高校プラス2年までぐらいのところで,そういう学校とマスターレベルの専門職大学院がどういう点で連携すると効果があるというふうにお考えななのか。ここの提案がよく分からないんですけれども。もちろん,制度改正があり専門学校から修士課程に進学できることは承知していますが。

【有信主査】  どうぞ。

【青井委員】  私としてはやっぱり,専門学校との連携を強めるということで,いたずらに専門学校が,専門職大学院,殊に経営系を作ってもらうのはよろしくないかと思います。専門学校の中で専門性をやってきたその人たちの中でやっぱり経営能力,これは多分必要になってくるのだと思います。これは,美容師の方にしてもどこにしてもです。その場合には,今の既存の要するに経営系のビジネススクールがある意味で協力するというのは,入学,その他いろいろなそこの制度面でですね。ある意味では今の形でもできないわけはないです。大学を出ていなくても,資格認定すれば試験を受けられますし,云々出ていますけど,どちらかというと,学校によってはそういう人たちに対して極めてネガティブなビジネススクールもあるので,その意味では,経営をやるには,マネジメントをやるには経営系のビジネススクールに来てくださいと言いたいです。いたずらに専門学校が,自分たちも経営が必要だから,その上に専門職大学院を作るのは少し違うのかなと思います。

【有信主査】  多分,経営系の非常に有名なビジネススクール群というのは,基本的には大企業の経営者,あるいは大企業に成長させるような経営者をどう育てるかということでやっているんですけれども,例えば日本のビジネススクールの一部は,やはり途中で転身するためにビジネススクールに入って,いわゆる大企業の経営者だとか,大企業を自ら作るということとは別に,自分の職種転換のワンステップとして入って,そこで2年間勉強して,新たなベンチャー企業を起こすとか,NPOを起こすとか,そういうことをやるという形で機能しているところもあるわけですね。例えば,九州大学のQBSだったと思いますが,そこはそういう形で途中から転身する人たちがかなり多く入っていて,卒業後も,それぞれ今度は違う,新しくベンチャーを起こしたり,転身をしているということで,かなりうまく回っているところもあります。ですから,ここら辺は一律に有名なビジネススクールだけを頭に置いて考えるのがいいのか,あるいはもう少し多様性を頭に置いて考えるのがいいのかというところでやっぱり考えるべきだと思います。それから,そういう意味では,認証評価も多分違ってくる可能性もあるので,そこも含めて少し議論してもらった方がいいかもしれないですね。

どうぞ。

【川嶋主査代理】  書き方によっては,ちょっと誤解を招くというか,要するに専門性を有する専門学校に対しては,既存のビジネススクールを今以上に活用することを促すとか,何かそんなようなことになるんだと思いますが。

【青井委員】  私としては,その意味では,既存のビジネススクールと,いわゆる専門学校との,場合によってはコミュニケーションといいますか,それも多分必要かなと。地方を回りますと,6店舗,7店舗の美容室をやっていて,そこである程度の,美容師としての腕はすばらしいんですけど,やっぱり経営能力が必要になってくると,どこで学べばいいかという人が出てきて,それが東京へ来て,早稲田や慶應,一橋に来るのがいいのかどうかという点では,違うのではないかと思います。

【有信主査】  それはおそらく違うのではないでしょうか。

【青井委員】  はい。座長が言われたように,慶應のときには,やっぱりターゲットはビッグビジネス,グローバルに展開するためにどういう人を養成するかということに注力してきましたし,明治に替わったときに,明治の方針としてはやっぱりファミリービジネス,つまり中小企業の経営者,それとスタートアップビジネス,こういうところにやっぱりターゲットを当てていこうと。その意味では,いろいろなビジネススクールが,それぞれの特性を生かしてどのターゲットに焦点を当てるかというのは,いろいろなやり方が多分あっていいのだろうと思います。日本の場合には,アメリカのビジネススクールをみんな見本にしていますから,慶應とか早稲田のように,目指せハーバード,ウォートン,スタンフォードとしているわけですが,それだけでは日本の社会にとっては,私は経営ビジネススクールとしてはプラスにはならないだろうと思っています。

【有信主査】  そういうビジネススクールはあってもいいんですけどね,そういうところはそういうふうにやってもらう。ということは,ある意味でターゲットというか育成目標を明確にして,情報公開の中で一人一人みんなに知らしめる。ニーズはそれぞれのところであるわけで,さっきも青井委員が言ったみたいに,ハリウッドにせよ,美容室にせよ,ファミリービジネスにせよ,みんなニーズはあるわけですね。ただ,その人たちが一体どこで学べばいいかというときに,まかり間違ってハーバードやウォートンを目指しているようなビジネススクールに入って,そこでケーススタディーをさんざん積んで,それがどれぐらい役に立つかと,こういう話になるわけですから,そこのところは多分,ちょっと違う書き方で何か明示した方がいいかもしれないですね。

どうぞ,杉本委員。

【杉本委員】  今御指摘いただきました専門学校との連携のところですが,特にここで御提案されているのは,あくまでもビジネススクールを前提にしているというふうに理解しています。日本のビジネススクール,それとアメリカのビジネススクール,それぞれあるんですけれども,特に日本でもビジネススクールの中でアカウンティングに関連する科目を教育しています。アメリカの場合でしたらアカウンティングの科目が完全にコミットしています。とりわけ国家試験ないし資格試験に関わるところについては非常にデリケートですので,ここのところは是非とも,専門学校との連携には立ち入らないということを,そこのところを明記していただくと大変ありがたいと思います。もちろん,日本での会計専門職大学院を専門学校が作っているところもありますので,既存のものはあるのかもしれませんが,特にビジネススクールを大前提とした場合には,この提案の上の説明文のところにもありますが,「他分野とクロスオーバーが重要」というところで会計領域も非常に関わっていると理解できますので,繰り返しになりますが,資格試験に関わるところに関しては是非とも一文,若しくは文章を工夫していただくと大変ありがたいと思います。

【有信主査】  その資格試験のところに注意を払うというのをもう少し具体的にお願いできますか。

【杉本委員】  専門職大学院を設立するに当たっては,国家試験と関係する専門職大学院もあるわけですね。特に会計関連で申し上げると,基本的には会計専門職大学院の中での教育の理念というのは,公認会計士だとかの会計専門職を輩出すること,これだけではなくてリカレント教育などもあるんですね。前者の公認会計士などの資格試験との関わりの教育についていえば,設立した専門職大学院は,基本的に専門学校と連携して教育するのはよろしくないということで我々は運営してきています。そういう理解の下で専門職大学院の運営に携わっているものですから,そこのところがちょっと微妙に関わるなと思っています。

【青井委員】  それはやっぱりセカンドスクールがあるところは極めて微妙な問題になってくるので,逆に言えば,こういうメッセージを出すと,別の動きをする可能性もあるので,その辺は配慮する必要があります。ビジネススクールとしては,例えば美容とかいろいろな専門学校がありますから,そこの経営者のマネジメント能力をどう高めていくかというのに関しては興味がありますという議論になってきて,資格を取るためのセカンダリースクールの議論では全くないということをここで確認しておきたいと思います。

【有信主査】  そこのところがなかなか難しいところですよね。日本の資格が,ある意味で基本的な教育訓練を要求していないものだから,その試験に合格するための特定の勉強を一種の予備校的にやって,それで合格するという意味では,専門学校の方がはるかにいわばスキルがある。専門職大学院の方は一応,教育理念があって,基本的に大学院という前提の中で人材育成をやっているので,予備校的なやり方はできないという話があるわけですよね。ですから,結局,これは今の資格試験制度そのものの問題でもあるんだけど,当面は資格試験制度がそう簡単に変わらないという前提で考えると,今言われたような配慮が必要だということに多分なるんだろうと思います。

ほかに。それだけではなくて,教育課程の話にはもっとほかにも,コアカリキュラムの話だとかがあると思います。

【片山委員】  2点ほど。1つは,インターンシップ等の実践的な授業についてということで,例えばこの点につきましても,法科大学院制度に関しましては,法科大学院だけで教育が完結するわけではなくて,連携法の下で司法修習とプロセスでの法曹養成ということになっておりますので,その実習部分の多くが専門職大学院の外のところにも制度設計されているというようなことがございます。その点について,専門職大学院の中でどこまで実施すべきかという役割分担の問題ができますので,その点は御配慮は頂きたいです。それから,やはり実践的な授業というので,何をもって実践的な授業というのか,何をもって実習というのかというところの定義のようなものがかなり曖昧なところがあるのではないかと思いました。例えばシミュレーションのようなものであっても実習として言えるのかどうか,それでは駄目で,実際に教育で言えば教育実習として教壇に立たなきゃいけないということなのか,そのあたりの実践的な授業ということの定義付けをもう少し明確にしておいた方がいいのではないかというのが1点でございます。

それから,全然違う点でありますけれども,コアカリキュラムの策定は,法科大学院は当時70校もありましたので,法科大学院協会の方でこれを策定したわけですけれども,実際,このコアカリキュラムを策定する主体がどこなのかというのは,かなり専門職大学院によって違うということだと思います。1つの専門職大学院が,これはコアカリキュラムですというふうに提示して,それでやるということでいいのかという点も出てくるでしょうし,コアカリキュラム策定の主体をどう考えるのかということも検討が必要かと思いました。

以上,2点を指摘させていただきました。

【有信主査】  具体的な実習というかインターンの話は,今言われたような問題があるので,多分,現場に行かなければ実習にならないというのは一般的には言えないと思うんです。さっき言ったように,ある種のシミュレーションも含めるけれども,可能な限りインターンという形を使う。日本でも本当はローファームみたいなところでインターンができて,それで訓練をされるというのが多分理想だと思いますし,医者の場合は現実にインターンとして2年間修行しなきゃいけないということにもなっていますよね。だから,多分,一律にこうでなければいけないということではなくてということだろうと思います。

それから,コアカリキュラムをどう作るかに関しては,上西委員,MOTでは何か前にコアカリを作りましたよね。あれはどうやって作られましたか。

【上西委員】  MOTの場合は当時,MOT系の専門職大学院が10大学ありました。その10大学全部が集まって設立したMOT協議会,技術経営系専門職大学院協議会と正式には言いますけれども,その協議会の10大学全てと,産業界から委員として集まっていただいて, 1年半ぐらい議論して作りました。

【有信主査】  そういう意味ではステークホルダーも入れて作った。ただ,作る主体が,今,片山委員が言われたように,なかなか問題がありますよねと,こういう話だと思いますけど。

どうぞ。

【川嶋主査代理】  ここであと2点ほどあるのですが,1つは,4ページの(5)の社会人の修学を促すというところで,対応策として書かれて箇所の,最後のところに,企業や地方公共団体に対して,継続教育,CPDなどの重要性を認識するための方策を検討すると書いてあるんですけど,専門職大学院に限らず,学部,大学院を含めて社会人の学び直しがこれから重要だと,いろいろな関連する審議会でもいつも言われているんですけれども,実際には企業さんとか地方公共団体に,社員さんや職員さんを派遣してくださいということについて,なかなか決定打というのがないのが現状だろうと思います。

ただ,最後に付いているパンフレット「BP」では,パンフレットの最後のところに,受講生にとっても企業にとっても,補助金が出るというようなインセンティブがありますよということですけれども,大学や大学院に職員さんを送ってくださいということについての決定的な方策はないのだろうなと,これはあくまで感想ですけれども,それが1点と。

もう1点は,今のコアカリキュラムのところで,対応として認証評価のときに確認するというようなことが書かれております。今回のこの論点のまとめの中にも何か所かに認証評価で確認するという方向性が出てくるんですけれども,認証評価の結果でリワードとサンクションがあるのかという議論はなかなか難しいんじゃないかなと思います。大学教育部会の認証評価に関する議論の中でも,例えば認証評価で不適合とされたような機関については,補助金の申請資格を認めないとか等のサンクションを付けてはどうかという話が出ていましたけれども,認証評価というのは,ある意味でピアによるレビューが基本ですので,サンクション,あるいは逆にリワードにはつながらないというところがあるので,認証評価というのは非常に重要だと私は思いますけれども,それによって何か政策とか行動を変えていくというのはなかなか難しいんじゃないかと思います。

ただ,ちょっと1点だけお聞きしたいんですけれども,専門分野別認証評価に関連して,例えば法科大学院で不適合になった場合,あるロースクール,そこの修了生というのは司法試験の受験資格は認められるんですか。

【片山委員】  認められます。

【川嶋主査代理】  認められる。そうすると,そういう国家資格の受験につながる教育をしている専門職大学院でさえ,認証評価というのはそういう効果しかないということになると,そうではない専門職大学院で認証評価の機能といいますか,役割って何だろうなというふうに非常に暗たんたる気持ちになったというところです。

【有信主査】  どういうふうにこの議論を切り分けていくかですけどね。今のような問題もあって,認証評価というもののたてつけが,もともとは,いわば教育課程そのものがきちんと設計されていて,それが不断に目的を達成するために改良される仕組みが埋め込まれているかということを見るのが本来の認証評価の役割で,そういう観点で見たときに,不適合というのは,いろいろな観点の不適合があるので,それが不適合だからといって今の専門職大学院の卒業生が不適合とは言えない。要するにその教育システムが悪いからといって,その悪い教育システムで教育された学生が無資格であるという判断にはならないというのが多分,根拠だと思うんです。

それはそれとして,もう一つ難しいのは,専門職大学院を,いわゆる設置法上の大学,大学院という位置付けの中にみんな捉えてしまっているので,その範疇で言うと,いわば教育内容そのものについて大きく干渉ができないということになるわけですよね。つまり国としては,逆に,そこのやっている教育内容そのものがいいとか悪いとかいうことを,いわば行政の立場から言うことは実際にはできないので,それは認証評価で見てもらうということになるんだけど,認証評価そのものの仕組みが,今言ったようなことなので,それがきちんと見られないということになって,ここをどういうふうにやっていくかという解決策として,いわば大学,専門職大学の大学連合でコアカリキュラムのようなものを作って,あるいは,その中に必要な条件として実習等々を入れる。いわば教育で具体的に何を教えるか,あるいは何を教えてはいけないかというようなことを指示するのではなくて,いわば外形的なある種の基本要件だけを決める。これならば可能であるということで,それを決めた上で,なおかつその判断も,いわばシステムとしてうまく機能しているかというのは認証評価で見るし,内容的には,その大学のステークホルダー,あるいはその大学の関係者で形成されるアドバイザリーボードで見るということで制度設計をするしかないと,こういう話だと思うんですね。

教育の具体的な内容について国が直接干渉することは実は憲法に違反するという観点があるので,少なくとも専門職大学院が,いわゆる設置法上の大学,大学院であるとすれば,それはできないということになっているので,だから,これだけいろいろなことを設計しなければいけない。だから,国がきちんと,国の認めている資格制度にのっとってこれだけのことをやらなければ,学校の教育課程は意味がないのだというふうに言えれば,それは何の問題もなく,それを押し付けることを今は避けようとしているから,様々,非常に難しいことを設計していかないといけないということになるわけですよね。それをちょっと御理解いただいた上で議論していただければと思います。

【川嶋主査代理】  サンクションといいますか,むしろ改善のためのインセンティブにどうつながるのか,どうすれば改善につながるのかというところがやっぱり一番重要な論点かなと思いましたけど。

【有信主査】  そこで1つは,後で出てくると思いますけど,特定の大学院を指定するというようなやり方をやるかという案,これはまた後でちょっと議論してもらおうと思いますけど。

どうぞ。

【青井委員】  さっきのアクレディテーションに関して不適合というのは,ビジネススクールに関してはたまたま厚生労働省の補助金があるので,厚生労働省がどういうポリシーでやっているかは我々には明確になっていませんけど,少なくとも不適合になった学校の場合にはそれがもらえなさそうと。逆に言えば,それを考えて,不適合になった学校には今度は出願しないという形になっています。これも時限ですからもうじき終わりますが,そうなると,川嶋委員が言ったようにインセンティブは,要するに不適合と言われて経営者が平気なら,学長が平気なら別に構わんという議論が1つはあるんだろうと思います。

もう1個は,さっき片山委員も言われていた,実習とかインターンシップというのは,ビジネススクールからすると極めて違和感があります。定員を充足するために渋々,入り口でストレートの人を採っているというところが問題なので,これは入り口の要するにスクリーニングの問題であって全体の問題じゃないので,定員の充足をしなくても,経験5年,10年の人を採ると決めれば,ある意味では実習もインターンシップも要らないと思います。唯一,今出てきて必要になってくるのは,日本で経験のある人を,ある意味ではアジアとか,ヨーロッパとか,アメリカで,どう学校として経験を提供できるかという問題が,今,日本のビジネススクールの中には多分出てきている課題になっているのだろうと思います。

【有信主査】  教育課程,教育内容については,個別の専門職大学院群によって多少やり方が違うと思いますけれども,やっぱり基本的に必要な教育要件,ここではコアカリキュラムと言っていますけれども,これをやはり専門職大学院群の中でステークホルダーも交えて基本的に設定するという方向性を出して,しかもコアカリキュラムの内容については,ここに書かれていますように随時見直す。見直すに当たっては,さっき言ったアドバイザリーボードを含めてそれを見直すという形の全体の設計にしていくという方向性かなと思います。とりあえず現在のところはそういう格好にしておいて,また後で議論を深めるということにすればと思います。

それでは次に,教員組織についてということで御意見を伺いたいと思いますけど,今言ったような話のところで,自分が代表していると思っている専門職大学院の観点から見て,ちょっと違和感がある場合は是非どんどん,遠慮せずに発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

それでは,教員組織について御意見を。

どうぞ,杉本委員。

【杉本委員】  5ページのところで,「実務家教員の適正性を認証評価で確認する」をはじめ,「適正性」という言葉がよく出てくるのですが,非常にデリケートな用語ですので,この内容ですとか,範囲ですとか,それらを具体化する必要があると思うんですけれども。ここのところをお示しいただく方が,各専門職大学院にとっても対応しやすくなると思うんですけれども。

【有信主査】  この適正性はどういう意味で書いていますか。

【事務局】  基本的なこれまでの議論といたしまして,やはり最新の知識を有しているか。要するに実務家教員も,何年もたってしまったら,ある意味で使えなくなるということがあるかと考えております。

【有信主査】  ということなので,判断的に言うと,中身で適正性を評価しているわけではなくて,むしろ実務家教員というのが本当に実務家である,経験を生かせる状況であるかどうかということ,これも例えば3年とか5年とか年限を限るかどうかということは議論だと思いますけど,その観点で評価をしましょうということだと思います。したがって,認証評価で適正性をと書いてあるのは,その人数で,経験,実務家教員として教えている期間がどれぐらいになっているかというようなことで判断するということだろうと思います。だから,適正性という言葉をちょっと変えた方がいいかもしれないですね。

どうぞ。

【添田委員】  今の適正性のところで2点お伺いしたいことがあるのですが,教職大学院の方の実務家というのは,大体20年以上,学校現場経験あるいは社会福祉系のところの経験ということなのですが,協会等で議論になりましたのは,この10年間,現場を離れて教職大学院の教員になってから,あと何年認められるのかというところで非常に議論になりまして,教職大学院というのは,学校現場と行き来しながらやっているので,実務家としての力が消えていくわけではないので,それは教職大学院の教員になっている人に関してはよいのではないかという意見が最近かなり強く言われているところではあるということで,その点についてどう考えられるのかということ。

それからもう1点は,これは認証評価の方なのですが,教員養成の認証評価機構の方もやるわけですけれども,その先生の実務家も含めまして,適正というのはなかなか判断し難いので,こちらが当日お願いいたしますのは手続ですね,どういう資格の方をどういう手続で採られたのかということを,内規のようなもので外部に公開できないというならばその場で見せていただいて,その手続とその方が合っているのかというところでないと,なかなかこちらの基準を持っていって,その方の適正ということになると微妙なお話になりますので,またそこの大学のお考えというのもあると思います。こういう方を採りたいということもありますので,そこの内規のようなものにのっとって採られているのかと,何か恣意的にどこかから連れてこられたというようなことがないのかというあたりで適正というふうに判断させていただいているというのが現実でございます。

【有信主査】  なるほど。具体的には,現場との,実務家教員に関して言うとローテーションがうまく作れるといいと。これも,いわばステークホルダー側の協力がきちんと得られた上でということになると思いますけれども,これが現実的に,例えば教員の世界であれば,コミュニティーができているので,その中でぐるぐる回せているということだと思いますけれども,ビジネススクールはなかなかまだコミュニティーができるというところまでいっていない。でも,社会の中と順番に回していければいいわけですね。教える側も,教えることによって,ある意味ではスキルアップをするわけですからメリットはあると思います。

会計なんかはどうですかね,これは今どうなっていますか。

【杉本委員】  基本的に実務家教員は,資格試験合格後,実務に何年携わっていたか,そういったところがまず第1段階ですね。

【有信主査】  それを基準にして。

【杉本委員】  はい。

【有信主査】  どうぞ。

【片山委員】  ロースクールですが,実務家教員のローテーションということでは,例えば裁判所とか検察からの派遣は3年ぐらいの単位でローテーションとなっておりますが,実務家教員の多くは弁護士の方で,弁護士の方は実はお仕事を続けながら教員もやって,それで専任教員といえるかという問題は措くとして,そういう場合には,決して実務の第一線を離れているわけではありません。そういう意味でこのローテーションが仮に義務化されるということになると,多くのロースクールで混乱が出てくるということはあるかと思いますので,その点を付け加えさせていただきました

【有信主査】  なるほど。ローテーションそのものを義務化すると,義務化しないでも,それで具体的に回っているものが義務化されると支障が出る。こういう書き方をするにしても,支障が出ない形で書くかということですよね。

臨床心理なんかはどうですか。

【松﨑委員】  そこらは臨床も同じでございまして,実務をやっていないと臨床能力は落ちますので,それは研究教員でもそうですし,実務家の教員も,ある程度の実践をやりつつ大学でもということですので,このローテーションという考え方が義務的になると現状と合わないし,ちょっと難しいなと思います。少なくとも実践もやりつつ教育もやっているというのが臨床の大学院では行われているところでございます。

【有信主査】  ここは,単純に実務家教員というふうに言ってしまったところが問題なのかもしれないですね。必要とされる実務経験を有し,その実務経験を教育に生かすことのできる教員というような定義をきちんと書いて,それが何%以上という形にした方が,実務家という定義そのものが曖昧なまま,実務家って単純に経験があるということだけで来ている。例えば実務家教員の教育能力のところも,前回だったか,問題になりましたよね。ということなので,そういう形に書いた方がいいかもしれないですね。

どうぞ。

【事務局】  この資料に書いていないんですけど,規定上は,実務家教員は,おおむね5年以上の実務の経験を有し,かつ,高度の実務能力を有する者というのが現状としては規定がございまして,5年以上の実務経験を有していれば該当するということではなっております。

【有信主査】  逆に言うと,さっき言った年限を指定しているのは,その実務経験を教育に生かすことができるという部分が抜けているから,それで何年たっても実務家教員かという話で,つまり実務経験だけしか規定していないので,その実務の経験が教育に,カレントに生かせると言った方がいいんですかね,どういう表現をするか。昔の経験をいつまでも頑張ってもらって教育に生かしてもらっても実は余り意味がない。現状の実務の内容を教育に生かせると,経験があり,なおかつ現在の実務に関する知見を教育に生かすことができるというふうに少し付け加えておけばいいかもしれないですね。

ほかに御意見ありますでしょうか。

どうぞ,片山委員。

【片山委員】  もう1点ですけれども,これは5ページの2つ目の矢印のところで,研究能力を併せ有する実務家教員の配置を義務付けるということで,望ましいとは思いますが,現実的に考えてみますと,なかなか実務家教員の中で研究者能力を備えているというのは,時々はいらっしゃいますけれども,そんなに多いわけではなくて,これを義務付けるのはかなり非現実的といいますか,困難な状況ではないかなと思いましたので,書きぶりを少々変えていただいた方がありがたいと思います。

【有信主査】  どうぞ,川嶋委員。

【川嶋主査代理】  ダブルカウントの件ですけれども,廃止したのは平成22年でしたか。

【事務局】  25年です。

【川嶋主査代理】  あそこに至るまでかなり侃々諤々の議論をして,最終的にダブルカウントは認めないということで,結局,どの専門職大学院,何とかなったんでしたよね。

ここの一番初めのところの現状認識で,修士課程から専門職大学院への移行が進んでいないのは,専任教員数の確保がネックだからというふうに書かれているのですが,実際,もう少し専任教員数を下げたり,あるいは当面,ここに書いてあるように当初の5年間は学部とのダブルカウントを認めてもらえれば作れるんだというようなニーズとか,御相談みたいなものはあるのでしょうか。

【事務局】  済みません,具体的にはそういったニーズといいますか,現場からの声があったわけではございません。ここに書いたものは,あくまでもこうすれば作りやすいのではないかという想像といいますか,事務局として考えたものでございます。

【添田委員】  教職大学院はまだ認められております。

この4月に18校開設しましたが,ほとんどのところがダブルカウントを利用しているかと思います。ダブルカウントということだけをお願いしたということではないんですけれども,今,法科大学院の中で,より専門性の高い教育をしていく必要があるのではないかと,法曹リカレントのような形での役割を専門職大学院が再度担っていく必要があるのではないかということがございまして,例えば慶應義塾の方で今回,設置申請をさせていただいたのは,渉外法務に関してかなり特化したLLM,専門職大学院を開設させていただきます。そうしますと,例えばそういう渉外法務とか,あるいは海外ですとIP,知財とか,あるいはタックス,そういったものにかなり専門化した教育を再度リカレントとして行うという場合に,それをどういう枠でやるのかというと,今の法科大学院自体は93単位必要とするJDとして3年間必要なコースになっておりますので,それから外に出す形で1年のコースの設計をするというふうなことで申請させていただいたんです。

そうしますと,そこで教員数がどのぐらい必要なのかという話をしますと,専任教員,専門職大学院としますと独立で専門職大学院を立ち上げるということになると12人必要ということになるんですけれども,そういう形で法科大学院を中核とする形での一種附属的な新しい専門職大学院ということになりますと,教員もかなり重なってくる可能性が出てきますし,それから,授業科目も多くの場合に併設ということになる。そうしますと必ずしも12人必要ないのではないかと。これが12人ということになると,慶應の場合はたまたま余裕がありましたので,それは可能ということであったんですけれども,多くの法科大学院にはなかなか難しいであろうということで,何らかの形での教員数の一定の緩和とか,あるいは,開設時にダブルカウントを認めてもらうとかという形でのお願いをしたという経緯はございます。一応,その点を補足させていただきました。

【有信主査】  一定の年限の下にある程度これを認めるかというのは,余り異論はないようですよね。それから,今のような形で,法科大学院の場合はそういう形でダブルという話だとか,もう一つは博士課程とのダブルカウントを認めるとか,幾つかの認め方がたしかあったと思います。

教員に関して言うと,例えば,さっきの実務家教員で研究能力を有するという人たちの数の義務付けというのは多分,一般的に言うと無理だろうということは共通認識だと思うんですね。ただし,さっき言ったように,実務家教員が一定程度の必要とされる実務経験を生かし,なおかつ,その実務経験に基づいた教育を行う能力があるという条件を課しておけば,ちょっとここの表現は実際に,古くなった知識をそのまま教えるということではなくて,古くない知識を,実務的な知識を教えることができるという形に読めるような表現にしないといけないので,いい言葉は分かりませんけれども,そういう格好の範囲の限定だろうと思うんですね。もちろん中には研究能力を有する人もいるし,ある程度の研究的な視点がなければ,教育も,自分の経験に基づいてカレントな実務上の知識を教育に応用するというのは無理だと思うので,そういう言い方で制限しておけば,実務家教員の資質に対する要求事項が整理できると思います。

それから,定員の話はそれでいいとして,ファカルティ・ディベロップメントについては,恐らくこの内容について余り異論はないと思うんですね。ですから,さっき言った実務家教員の適正性を認証評価で評価するというのは,実務家教員が,さっき教職大学院の例がありましたけれども,今言ったような条件をきちんと付けて,その条件に沿って選任されているかというような観点で評価するということだろうと思いますけど,ちょっと文言の整理の仕方がなかなか難しくなってくるんだけど,その辺を検討して工夫してみる。それから,多分,こういうふうに規定していくと専門職大学院にとってはだんだん厳しい話になっていくと思うんですけどね。

どうぞ。

【上西委員】  1点だけ。確認というか,質問になるかもしれませんけど,5ページの一番上の赤字の箇所です。実務家教員の割合に上限を設けるというのは結構大きな話かなとも思います。下限は今まで3割というのがあったけれども,逆に,ほとんどが実務家になってしまうのも少し問題があるという意見に対応するために何か上限を設ける必要があるのではないかという話から出てきているのかと思うんですけど,具体的にどのぐらいの上限を事務局として考えておられるのでしょうか。

【事務局】  済みません,そこは確たる数字を持っているわけではないです。実際にまず,その上限を設けるべきだというような,この場での合意ができましたら,ちょっと実態をいろいろと精査する必要はあるかなと思っておりまして,そこをそもそも上限を設けるかどうかについての御議論を是非していただければと思います。

【有信主査】  どうですか。

【上西委員】  実態とすると,やっぱりちょっと上限を設けるのは難しい部分はあるかなということは思います。だから,「又は」の文言の方が実態には合うかなと思いますけれども,皆さんの御意見も伺った方がいいかなと思います。

【青井委員】  私も上限を設定するのは難しいと思います。理想的には下限も外してください。ある意味で,個々の教員を評価するというよりは,ビジネススクールで言えば全体のポートフォリオ,教員のポートフォリオがその学校の狙っているターゲットに適切かというのが一番重要になってきて,その意味では実務家教員が,例えばマーケティングに特化している場合には,実務家教員で9割やっても多分不思議はないと思いますし,どちらかというとマネジメントに特化していれば,ある程度の,アカデミック教員も多分必要になってくる。やっぱり狙いは多分,実務とアカデミズムの架橋を,どういう形でその学校は教員組織を通じて図っているのかというところをどう考えるかの話になるんだろうと思います。その辺は最初に30%以上,例えば70%以下ならオーケーとか,そういう単純な問題では多分ないと思うんですね。ただ,文科省としては,まさか九十何%の学校が出てくるとは思わなかったので,若干戸惑っているところはあるのかもしれません。

【有信主査】  どうぞ。

【上西委員】  そういう意味からすると,各大学で人事ポリシーというのを明確にした上で,それを公表するということが大事なんじゃないかなと思います。

【青井委員】  実務家教員が多い場合に,学校としてアドミニストレーションとしてやはり難しいのは,その交代要員をどうしていくのかなということです。その意味では教育と継続性というところで,実務家教員ががらっと替わったら,内容も変わる,言っていることも変わる,これは学校としてはまずいと思っています。その意味では,さっき言ったローテーションというのも非常に有り難いんですけど,ローテーションというのは,ある意味では学校サイドの都合であって,送り出す方がそれに対応してくれるかどうかというのがビジネスの世界においては結構大きな問題になって,例えば日立製作所に3年置きに1人,研究開発のマネジメントで送ってくださいと言っても,難しいと思います。その意味では,座長が言われるように,じゃ,日立でなくても,東芝はどうだ,それからNECはどうだ,富士通はどうだという形でそういう連携ができてくれば,もうちょっと良くなってきます。これはもう技術の研究の学会サイドとの関係になるのかもしれない,個々の企業じゃなしにですね。

【有信主査】  基本的には実務家教員の選び方の問題なんだと思うんですね。さっき言ったように,いろいろ事細かに言葉で実務家教員がこうでなきゃいけないという制限を付けようかという話をしていますけれども,それを本当に大学側が本来の教育目的に沿ってきちんと選んでいるかどうかということを本来は認証評価で見ればいいということだと思うんです。だから,上限というのはやはり設定のしようがないと思うんですね,それぞれの状況で違うと思いますし。例えば臨床心理士のような場合だと,上限,多くたってそんなに問題はないかもしれない。やっぱり問題ですかね。

【松﨑委員】  どうでしょう。大抵のところは半々か,3割から6割の間ぐらいでいっているのではないでしょうか。

【有信主査】  その専門性の在り方によって多分違ってくるので,質的な規定をきちんとやって,それを認証評価で見るということで,本当はそういうことがきちんとできていない大学とできている大学が明確に学生の側から区別ができて,ちゃんとできていないところには学生は行かないし,できているところには行って,その後,社会で活躍できるという形になれば,きちんとやれていない大学院は自然消滅するし,きちんとやれている大学院はどんどん栄えるという格好になるのが本当はいいような気がするんだけど,そういう考え方は教育には好ましくないという意見もありますので。やっぱり基本的に必要な要件をきちんと定めていくということでいきたいと思います。

ほかに何か問題になりそうなところはあるかというと,大体今,ここで出てきた対応案についてはそれでいいような気もしますけど,後でまた整理をして少し議論,まだ今回これで全部議論は終わりではないので,今言ったような形でもう一度整理をし直してみて,もう一度議論をしていけばいいと思います。

それでは次に,認証評価のところでいろいろ御意見を伺えればと思います。認証評価については,認証評価の在り方の,参考資料にもありましたけど,いろいろ別途議論が行われていて,そこの内容もこちらにも反映されていると思います。

どうぞ。

【川嶋主査代理】  済みません,ちょっと確認ですけど,今回の法律改正の趣旨は,これ,分野別の認証評価機関についても適用される。つまり,内部質保証が重点項目になるとか,学修成果を重視するというのは,同様に係ってくるということですか。

【事務局】   ただいまお尋ねいただきました認証評価制度に係る認証評価機関を認証する際の細目省令という省令の改正趣旨について御説明申し上げます。資料に関しましては,参考資料2の最後の方に,まず通知がございまして,分かりやすいのが,その中に別添2という新旧対照表がございます。それも併せてごらんいただきながら見ていただければと思います。

まず,お尋ねがございました,大学の自律的な改善としての仕組みがあるかどうか,通称,我々,内部質保証と言っておりましたが,そういった仕組みがあるかどうかを認証評価で確認するということとか,あとは,卒業認定の基準等をはじめとしました三つのポリシーの策定というのがなされているか。これは大学全体の総合的な評価をします機関別認証評価の評価項目ということで,今回,位置付けをしております。

この新旧対照表の第1条の2,「前項に定めるもののほか」という形で2項というのがございますが,この2項の中の1号で列記されているものが今回,機関別認証評価で加わりました新たな評価項目であります。

この中の今申し上げました卒業認定等に関する基準をはじめとした三つのポリシーは,うち,次のページをめくっていただきまして,2ページ目の「ヘ」というところで新しく項目が加わっております。また,継続的に改善を行う仕組みに関することというのは,「チ」の項目ということで新しく評価項目に加わっています。これは,大学全体の改善の仕組みがどのようになされているのかという,大学の総合評価に関わる機関別認証評価の項目として位置付けられています。

ただ一方,今回の資料1に出てきました,論点整理の中にもありますステークホルダーの意見を聴取することであるとか,また,評価機関そのものが評価機関において再度評価を行うような努力義務というようなものに関しまして,これは機関別,また,専門職大学院評価をはじめとしました分野別評価を問わず,評価手法の改善ということで加わったものでございますので,この中の第1条の1項の4号に,ステークホルダーの意見を聴取することが評価方法について含まれていること,これは両方に関わってきます。そしてまた,5号にございますような,認証評価の結果において改善が必要とされた事項について,大学の求めに応じ,再度評価を行うような,再評価に関わるフォローアップの体制整備,これは大学全体の機関別評価だけではなく,専門職大学院の評価にも関わってくる改善でございます。

以上です。

【有信主査】  法律の文言だからなかなかすんなりとは,一応そういう形で改善されるということになっていますので,全部,ステークホルダーの話もみんなここに書き込まれてしまったということですね。

【川嶋主査代理】  よろしいですか。(3)のところの大学院大学における,今のお話にあったように,機関別と分野別の評価を一本化してという話ですけれども,テクニカルな話になるかもしれませんけど,例えば大学基準協会ですと,機関別認証評価機関としての認証も受けていて,特定の分野別の評価機関としても認証を受けているんですけれども,ビューティマネジメントとか園芸のところは,分野別の認証評価機関としてしか今のところは認証評価を文部科学大臣が認証されていないので,もしこういう方向をとるとしたら,改めて機関別認証評価機関としての申請と審査を受けて,今,事務局から御説明があったような第1条の第2項以下の機関別認証評価機関が設けなければならない大学評価基準を作って,ちゃんと評価,申請して認証を受けるという,そういうテクニカル,手続的にはそういうふうになるということ,そういう理解でいいんですか。

【事務局】  今,川嶋委員が御指摘いただきましたやり方も当然,一番ベーシックなやり方としてあると思います。

また,今回,このワーキングにおいて御審議いただいて方向を出していただくものといたしまして,例えば専門職大学院評価のみを今,認証を受けているところが,一定の大学としての全体的な視点というところも併せ評価する場合に,評価機関をどういう基準で認証するのかというのを,また別途の基準を設けて認証するということも方法としてあると思いますので,そういった意味で,一体的に受審することを可能とする方策というのを更に御審議いただいた上で方向性を打ち出すということは可能だと思っております。

【有信主査】  簡単に言ってしまうと,分野別認証評価の結果をそのまま機関別認証評価の結果と同等と考える。そのためにどの程度の付加要件が必要かということを決めればいいと,こうおっしゃっているわけですよね。ちょっとここの文言で聞きたいんだけど,文部科学大臣が指定したというときの,国際的な評価機関が文部科学大臣の指定を受けようとするときには,その国際的な認証評価機関から申請を出してもらうということになるわけですか。それとも,そんなことは関係なく,文部科学大臣が,この団体は適正であるからと勝手に指定ができるということになっているの,どっちでしたでしょうか。

【事務局】  あくまでも規定上は,外国の機関からの申請がなくても指定はできるというたてつけだと思います。ただ,実態的にはやはり意見交換しながらやるんだろうと思いますけれども,あくまでも指定,認証する場合は当然,評価団体からの申請があるんだと思うんですけれども,これは認証評価を受けなくていい例外規定として設けておりますので,あくまでも外国の機関が認証を受けなくても大丈夫ということだと思います。

【有信主査】  基本的には,文部科学大臣が認証評価機関として承認するというプロセスを経て,認証評価機関が認証評価をできるということになっているんだけど,その承認プロセスを経ないで,文部科学大臣が直接,この機関は適正であるというふうに指定ができるということですね。だから,承認行為ではなくて,これは適正であるという指定をした外国の団体から認証評価を受けたものについては,特段の配慮をするというのがここの趣旨だということだそうです。

どうぞ。

【青井委員】  確認ですけど,例えば,ハーバードとか,スタンフォード,ケネディスクールとか,ビジネススクールを出た人が文科大臣になって,向こうの状況をよく知っていると。例えばAACSBを,日本のJUAAと同じぐらい,それ以上の同等のビジネススクールを見るにはそれなりの知識を持っているので,いろいろな間のプロセスも必要なしに,大臣が認めると言ったらどうなりますか。

【事務局】  規定上は,大臣が,例えばAACSBなんかを指定した場合は,ビジネススクールがAACSBから定期的な評価を受けて,その結果を公表するとともに,その結果を大臣に報告するというようなことをすれば,国内の分野別評価を受けなくていいということになります。

【片山委員】  その文科大臣の指定ということをどう使うかという話はあるのかもしれないですけれども,今日これだけグローバル化の必要性が説かれている時代ですから,例えばMBA等で海外の定評のある認証機関から認証を得たということであれば,国内の認証評価の負担を軽減する方向が望ましいというぐらい書いてもいいのではないかと思うところであります。

もう一つ,海外の認証機関が日本の専門職大学院での教育を認証評価するというときに,どういうふうにやっているのか,よく分からないのですが,例えば日本語で教えている教育をどのように評価されるのでしょうか。

【青井委員】  原則,ビジネススクールでいきますと,最初に,認証を受けるための資格があるかどうかのチェックがあって,それは英語で全部,ある意味では自己点検のあれを出してきて,それをパスしたら,今度は向こうの認証のプロセスに入っていって,最終的にはその中で,最後に実地で向こうから4人ぐらいのチームが来て,見て,そこで合否が決まります。

ただ,原則としては,ある意味では,いいビジネススクールを作るという意味ですから,不適合といったら,あとは知らないという形じゃなしに,ここを変えろとか,いろいろな形でと。ある意味では,彼らはそういうコンサルティングのところで自分たちの収入を稼ごうとしているので,ビジネススクールは金持ちですけど,別に認証機関は必ずしも金持ちではないところがあるので,そういうところはちゃんとやっているんだろうと思います。今は日本の幾つかのビジネススクールは,ある意味ではAACSBとかEFMDの少なくとも最初のスクリーニングが通った学校は,おそらく数校あると思います。その後は二,三年掛けていろいろな形で指導していってという議論になってくると。

日本の場合には,認証と,指導というかコンサルティングというのは利益相反の問題があるので,これをどう切り分けられるかと,日本のビジネススクールの場合も,私,個人的にはやっぱりある程度のコンサルティングといいますか,どうすべきかというのを周りから,これがアドバイザリーボードが果たす役割なのかどうかは別としてやっぱり必要になっているんだと思います。欧米はどちらかというと,ある意味では,みんな,ビジネススクールって育ったところがありますけれども,日本の場合にはこれから育てるということになってくるとしたら,多分ちょっと対応の仕方が異なるんじゃなかろうかと思います。

【有信主査】  教育はそれなりの独自性をそれぞれの地域ごとに持っているという前提で考えるときに,全て,例えばAACSBの認定が日本の国内の認定に優先するというか,それに同等であるということを認めてしまうのはやはり問題で,実質的には多分それでいいと思うんですけれども,形式的にそれをそのまま認めてしまうことは,いわば教育のそれぞれの国の独自性,あるいは地域の独自性を初めから否定して,常に教育内容は世界共通でなければいけないという前提に立つことになりますので,教育内容まで含めてアクレディテーションをやるとすると,教えることの量だとか,教え方だとか,そのシステムの作り方だとか,そういうことを含めてみんな評価をされるわけですから,そこは少し注意深くやった方がいいという気はするんです。

【青井委員】  慶應にいた場合には,うちの卒業生がアメリカの会社に勤める場合にはやっぱりAACSBを取っている方が絶対不利にはならないと。ヨーロッパ系に行くときにはEFMDを取っている方が不利にはならない。というのは,彼らはEFMDとかAACSBの基準からはなれて,日本の基準のことは,ある意味で全然知らないですから,それが基準協会を取っているからといって,基準協会って何,という質問が出てくるんだと思います。

もう一つは,座長が言われるように,多分,アメリカのやり方で全世界統一されるのはえらい迷惑だというのでできたのがEFMD,ヨーロッパ系が出ていますし,いずれ,前にお話ししたようにチャイナも多分出てきますし,同時に日本も,我々のプロフェッショナルスクール,ビジネススクールも,日本的な環境の下においてやるにはこういうのがいいんだというのは当然,主張をすべきなんだろうと思っています。

【有信主査】  それを言うためには多分,教育の同等性に関する議論がやっぱり必要だということなんですね。同じことをやれば同等かということではなくて,その同等性を踏まえてお互いのシステムを認め合いましょうというステップに,今,青井委員が言われたように,幾つかできた後で,それが次のステップとしてそこに進む。実際に,例えばエンジニアリング課程で私が関わっている部分だと,国際的な同等性についてのコンセンサスは得られていますけれども,やっぱりジュリスディクションという概念があって,それぞれの国の認証評価団体はその国で唯一でなければいけないという前提の下に,よその国の教育プロセスを認定することはできるけれども,その結果は,共通のコンセンサスを得た国際的な認定とは認めないというジュリスディクション規定があるんですね。だから,それが本当に正しいかどうかは分からないんですけど,やっぱりその同等性に関しては少し突っ込んだ議論があってということなので,ここに書いてあるように,一定程度の配慮をするというところでその配慮の仕方をどうするかというところを少し議論して,しばらくは持ちこたえるかという感じかなという気はしますよね。

【青井委員】  これも皆さん御存じだと思います。ある意味では,アメリカの設定したルールでやると日本企業としては得策ではないと。ヨーロッパの設定したルールでも得策じゃない。その意味では,やっぱり日本に富を落とすためにはどうするかという議論が出てきて,この中で,産業政策とか経済政策はありますけど,一番根幹は,中国の連中と議論して,やっぱり教育,ここが多分一番です。アメリカ的な教育に全部染まると,これは少なくともアメリカ企業を追い越すには当面時間は掛かり過ぎるという議論がありますけど,余りこれが表になると露骨な議論になってくるので,オブラートにやりながら我々は議論しています。

【有信主査】  というところで,あとは,認証評価に関してはほかの部分で特に何かひっかかるようなところはありますか。少しこれを整理するということでいきましょうか。

あと,職業資格試験との関係というのがその次に書いてありますけれども,これは文言を少し検討した上で,どっちみち我々の中だけで解決する話ではないので,どういう形でこれを外に主張していくか。これはもう法科大学院の検討の中でも議論されていることで,少なくとも文部科学省の資格であれば問題はないんだけど,かなりの部分が文部科学省外の資格なので,そこのところを含めて少しどういう形で整理をするかということをやっていければと思います。

それから,教員養成の話,これも次回に持ち越してもいいという気はしますので。

あと,4の情報公開のところを飛ばしちゃったんだけど,情報公開の促進のところで修了生の就職状況に加え,それ以降の活躍云々という話と,出口との関係で,いわば人材養成の目的等々,この辺の公表を義務付けるという話ですけど,何か御意見ありますでしょうか。

どうぞ。

【大竹委員】  質問ですけれども,就職状況を公開するというのは非常に理解できるというところなんですけれども,活躍状況というのをどう計るのか,卒業したらもう本人の責任というところもあるかもしれないですし,その後,与えられた環境とか,人間関係とか,どういった仕事をアサインされるのかというので大分,企業に新卒で入ってくる社員も,そういった意味では,入ってきたときに優秀なのが5年後,10年後どうかというと,全然またそのとおりでもなかったりするということもあるので,そこ,ちょっと難しいのではないかと思いましたので,どういった意図でというのをちょっと教えていただきたいなと思いました。

【有信主査】  何か意見ありますか。

【事務局】  これにつきましての議論は,高度専門職業人養成というのがどの段階で達成できていたかということだと思います。あと,そこの専門職大学院を修了した時点で,完成形を生み出したわけではないと思いますので,その専門職大学院がどういった人材像の養成を目指すのかということにリンクするかと思うんですけれども,そこで掲げているような養成像にマッチするような人に成長しているかということだと思います。なので,やはり専門職大学院で身に付けたことが就職時点で開花するわけでも必ずしもないかと思いますので,もう少し時間を掛けて開花していくというような点もあるかと思います。そこの人材像とどれだけマッチしているか,活躍状況といいますか,その掲げる人材像にどれだけ合うかというような視点かなと考えております。

【有信主査】  簡単に言ってしまうと,専門職大学院で当然目標としている人材育成像があって,それを実現するためにアドミッション・ポリシーで自分たちが育てようと思っている人たちを選別するわけですね。会社で言えば,必要な材料を選ぶ。途中の教育課程でそれを加工して,最終製品に仕上げて出すんだけど,それがお客の気に入るかどうかは分からない。それはあくまで内部でやった結果であって,それがお客に気に入ってもらえているかどうかということをやっぱり見た上で,もう一度自分たちのプロセスを改善していくということをやらないと教育そのものが改善されない。

ただ,今までの例だと,ほとんどの大学は卒業生のフォローアップすらやっていないということもあるので,アクレディテーションのときに最近言われているのは,やはりアウトカム,大学が育てるのは学生なので,そのアウトカムとしての学生をどう見るかということで,それを活躍状況という言葉で表現しているので,普通の日本語で考えるとそれは分からないよねという話になるんだけど,やはり自分たちが育てた学生がどういう形で活動しているかということを踏まえて,自分たちの目標としている人材像に照らし合わせて教育課程,あるいは人の選び方,あるいは卒業認定の仕方,それを改善していくという,このプロセスが必要だということなんですね。

まだもう少し議論する時間があるようなので,次回以降にまだ少し議論を進めたいと思います。その間,きょうの議論を踏まえてもう少しまとめを進めてもらうということと,それからあと,事務局から何かまた報告があるようなので,どうぞ。

【事務局】  今後の実地調査の話でございますけれども,現在,事務局の方で,関東と関西でそれぞれ実地調査をできればというふうなことで,今ちょっと視察先を検討しております。このワーキングの中に入っていただいていないような分野も含めましてできるだけ幅広く,例えば関東だと4校,関西だと4校ぐらい,ちょっと物理的なこともありますので,今,大体案が出来上がりつつありますので,それができましたら,あとは先方の了解も要りますので,できましたら各委員の先生方と日程調整を是非させていただきまして視察を組みたいと考えてございます。

【有信主査】  ということで今検討していただいていますので,よろしくお願いします。

大体論点は絞られてきたようですし,多少,専門職大学院に対しては厳しいことになるかもしれませんけれども,具体的な要求事項もだんだんクリアに浮かび上がってきているように思います。もう少し頑張ればまとまってくると期待していますので,是非,次回以降もよろしくお願いします。

それでは,本日はこれで閉会にさせていただきます。どうもありがとうございました。

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