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資料2

認証評価制度等の状況について

【大学評価に係る主な経緯】

1昭和61年
臨時教育審議会第2次答申で、大学の自己検証・自己評価を要請
2平成3年
自己点検・評価の努力義務化
3平成10年
大学審議会答申「21世紀の大学像と今後の改革方策について−競争的環境の中で個性が輝く大学−」 → 第三者評価システムの導入を提言
4平成11年
自己点検・評価の義務化
5平成11年
日本技術者教育認定機構(JABEE)発足
6平成12年
大学評価・学位授与機構創設
7平成14年
中央教育審議会答申「大学の質保証に係る新たなシステムの構築について」 → 事前規制から事後チェックへの移行、認証評価制度の導入を提言
8平成16年
認証評価制度の導入、国立大学法人評価の導入
9平成17年
中央教育審議会答申「我が国の高等教育の将来像」 → 質保証の観点から、事前・事後の評価の適切な役割分担と強調の確保の重要性を提言
10平成17年
中央教育審議会答申「新時代の大学院教育−国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて−」 → 将来に向けた大学院教育の専門性に沿った専門分野別評価の導入を提言

1.自己点検・評価

 国公私の全ての大学が、自らの教育研究等の状況について自己点検し、現状を正確に把握・認識した上で、優れている点や改善を要する点などについて自己評価を行う。
 平成3年から大学設置基準において努力義務化、平成11年から義務化されており、平成16年度からは学校教育法において規定されている。

自己点検・評価の実施等(平成11〜18年度)

2.認証評価

 国公私の全ての大学、短期大学、高等専門学校(以下「大学等」という。)は、定期的に、文部科学大臣の認証を受けた評価機関(認証評価機関)による評価(認証評価)を受けることとする制度を導入(平成16年4月施行)

1.目的

  • 評価結果を踏まえて大学等が自ら改善を図る
  • 評価結果が公表されることにより、大学等が社会による評価を受ける

2.制度の概要

1 大学等の総合的な状況の評価

 大学等の教育研究、組織運営及び施設設備の総合的な状況について評価(7年以内ごと)

  • 平成16年度以前に設置された大学等は、平成22年度までに認証評価を受けなければならない

2 専門職大学院の評価

 専門職大学院の教育課程、教員組織その他教育研究活動の状況について評価(5年以内ごと)

  • 平成16年度以前に設置された専門職大学院は平成20年度までに認証評価を受けなければならない
  • 専門職大学院を設置する大学は、12それぞれの評価を受ける必要あり
  • 各認証評価機関が定める評価基準に従って実施
  • 大学等は複数の認証評価機関の中から評価を受ける機関を選択

3.文部科学大臣による評価機関の認証

  •  認証評価機関が定める評価の基準、方法、体制等について、一定の基準(認証基準)を省令により規定
  •  認証評価機関になろうとする者の申請に基づき、文部科学大臣が認証基準に適合すると認める場合に、中央教育審議会に諮問した上で認証

4.文部科学大臣から認証された評価機関

1大学等の機関別認証評価を行う機関

大学の認証評価機関 短期大学の認証評価機関 高等専門学校の認証評価機関
  • 財団法人大学基準協会
  • 独立行政法人大学評価・学位授与機構
  • 財団法人日本高等教育評価機構
  • 財団法人短期大学基準協会
  • 独立行政法人大学評価・学位授与機構
  • 財団法人大学基準協会
  • 独立行政法人大学評価・学位授与機構

2専門職大学院の分野別評価を行う機関

【法科大学院】
  • 財団法人日弁連法務研究財団
  • 独立行政法人大学評価・学位授与機構
  • 財団法人大学基準協会
【経営】
  • (NPO)THE ALLIANCE ON BUSINESS EDUCATION AND SCHOLARSHIP FOR TOMORROW,a 21st century organization(ABEST21)
  • 財団法人大学基準協会
【会計】
  • (NPO)国際会計教育協会
【助産】
  • (NPO)日本助産評価機構

5.認証評価の実施状況

認証評価を受けた大学・短大・高専・法科大学院数(平成16〜19年度)
  • 注)
    • 1専門職大学院(法科大学院を除く)は、平成19年度までに評価実績なし
    • 2平成19年10月現在の大学数745、短大数391、高専数61、法科大学院74
    • 3学生の募集を停止している大学・短大・高専を除く

6.平成19年度認証評価結果

 別紙2のとおり

7.国立大学法人評価

(1)制度の概要

  •  文部科学省に置かれる「国立大学法人評価委員会」が、国立大学法人及び大学共同利用機関法人の業務運営の自主性・自律性や教育研究の特性について配慮しつつ、大学等の継続的な質的向上を促進するとともに、社会への説明責任を果たすことを目的として、毎事業年度及び中期目標期間(6年)ごとに業務実績の評価等を行う。
  •  評価にあたっては、各法人の自己点検・評価に基づき、各法人の中期目標の達成状況等について調査・分析を行い、法人の業務全体の総合的な評価を行う。
     このうち、教育研究の状況については、その特性に配慮し、中期目標期間の評価において、国立大学法人評価委員会が独立行政法人大学評価・学位授与機構に評価を要請し、その結果を尊重する。

(2)各年度終了時の評価について

  •  各年度終了時の評価については、中期目標を実現するために、各国立大学法人等が自主的に行う業務運営の改善・充実に資するよう、各年度における中期計画の実施状況について評価を行う。

(3)中期目標期間の評価について

  •  中期目標期間に係る教育研究面の専門的な評価については、独立行政法人大学評価・学位授与機構に評価を要請し、国立大学法人評価委員会は、その結果を尊重して、法人の業務全体の総合的な評価を行う。

8.大学評価に関する主な提言

1.中央教育審議会答申「我が国の高等教育の将来像」(平成17年1月28日)

  •  高等教育行政の機能・役割の変化に際しては、多元的な評価機関が形成されることが不可欠の前提となる。機関別や専門職大学院の評価に加えて分野別評価が、分野の特性に応じて学協会等関係団体の協力を得ながら発展することが期待される。
  •  評価結果に関する情報については、適時適切に社会や学習者に提供されるなど、高等教育の質の維持・向上のために活用されることが必要である。
  •  認証評価制度をはじめとした評価の仕組みが社会に定着して活用されるに伴い、評価の質の向上を図るため、評価方法や評価基準等の不断の見直しと改善、評価する側の質の高さや適正さを担保するための仕組みを整えること等が、今後の重要な課題となろう。
  •  高等教育の教育・研究水準の維持・向上を図るためには、各高等教育機関が積極的に教育・研究活動等の状況について自己点検・評価を行い、結果を公表するとともに、その改善と充実に向けて不断の努力を行うことがまずもって大切である。
  •  評価結果等に関する情報については、大学等の個性・特色を伸ばし、質を高めるための競争を促進する観点から、公的財源等各種の資源の効果的な配分に適切に反映するなど、積極的に活用されることが重要である。
  •  学士課程教育の充実のため、分野ごとにコア・カリキュラムが作成されることが望ましい。また、このコア・カリキュラムの実施状況は、機関別・分野別の大学評価と有機的に結び付けられることが期待される。

2.中央教育審議会答申「新時代の大学院教育−国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて−」(平成17年9月5日)

  •  将来的には、認証評価について、大学全体を組織体として評価する「機関別評価」に加え、大学院教育の専門性に沿った「専門分野別評価」を導入していくことが適当である。その際、大学院の専門分野別評価は、各大学院が自主的・自律的に設定した課程の目的に即して体系的な教育内容・方法が構築、実践されているかどうかを評価・改善していく考え方が基本となる。
  •  また、専門分野別評価の発展を図るに当たっては、様々な自発的展開が期待されるが、現状に照らして、まず、主として大学評価の取組の基本である自己点検・評価において、専攻単位を基本とする専門分野別評価の促進とその定着を図りながら、専門分野別の第三者評価への基盤の確立等を図っていくことが適当である。
  •  大学院教育の質を確保していくため、以下の条件整備を実施していくこと
    •  大学院の専門分野別自己点検・評価の促進
    •  大学関係者や学協会等により大学院の専門分野別第三者評価を行う機関の形成・導入に関する支援
    •  専門分野別評価を行う評価団体の適正さを担保する仕組みの検討
    •  教員組織の在り方について、欧米の大学の状況等も踏まえ、例えば教員の学位保有状況などを含め、事前及び事後を通じた評価の視点やルールの明確化を検討
  •  国公私立大学等を対象とした競争的に配分される資金制度について、それぞれの資金制度の目指す目的に応じ、その審査・評価に当たって大学院の専門分野別自己点検・評価などの結果を活用していくこと。
  •  各機関がどのような機能に比重を置いて個性・特色を明確にするにしても、適切な評価に基づいてそれぞれにふさわしい適切な支援がなされるよう、機関補助と個人補助の適切なバランス、基盤的経費助成と競争的資源配分を有効に組み合わせることにより、多元的できめ細やかなファンディング・システムが構築されることが必要である。

3.中央教育審議会答申「教育振興基本計画について−「教育立国」の実現に向けて−」(平成20年4月18日)

○ 今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策

5 大学教育の質の向上・保証を推進する

 大学等の設置認可や認証評価制度、情報公開を含めた包括的な教育の質保証の在り方について、中央教育審議会において検討し、認証評価制度の第2サイクルに向け、必要な措置を講じる。

【施策】
◇ 大学評価の推進

 大学評価システムの確立・定着に向け、認証評価(機関別、専門職大学院分野別)、自己点検・評価、分野別評価等の大学評価に関して、大学等と評価機関が行う効率的な評価方法の開発等を促すとともに、参考となる多様な事例を集積・提供すること等により、認証評価等の大学評価の充実と教育の質の向上を図る。

4.中央教育審議会大学分科会制度・教育部会まとめ「学士課程教育の構築に向けて(審議のまとめ)」(平成20年3月25日)(抄)

  •  平成16年度(2004年度)から施行された第三者評価制度に関しては、現在、7年間の評価サイクルの第一期の途中であり、平成16年度までに設置された全ての大学が平成22年度(2010年度)中までに評価を確実に受けるということが目標となる(平成18年度(2006年度)までに評価を受けた大学は138校(全体の19パーセント))。当面は、制度の定着と確立を図りつつ、第二期に向けて改善すべき課題を集約・整理し、必要な見直しを図っていくことが求められる。
     その際、学問分野別の評価をどのように進めていくかが重要な課題となる。前節までの各所で触れた分野別の質保証の枠組みづくりを進めつつ、分野別評価へどのように進化させ、普及を図っていくか、その場合、第三者評価制度との関連をどのように考えていくか、「評価疲れ」という批判もある中、機関別・分野別両者の効率的で実効ある評価の仕組みはどうあるべきか等について、十分な研究を行い、第二期に向けた着実な準備を進めていくことが必要である。
  •  恒常的な質保証のためには、自己点検・評価の取組を充実・深化していくことが重要である。自主性・自律性が尊重されるべき大学の質保証については、自己点検・評価が極めて重要な役割を担っており、第三者評価制度が有効に機能するための前提条件でもある。
     これを受けて、平成17年度(2005年度)までに85パーセントの大学が自己点検・評価を実施している一方、少数であるが、未だに評価の実施、結果の公表を行っていない大学もある。また、実施大学についても、自己点検・評価の意義に対する理解が薄く、作業が形式的なものに止まり、PDCAサイクルを稼動させるに至っていない場合もあると指摘されている。社会に対する説明責任、アカウンタビリティを果たすという意味でも、自己点検・評価の徹底が望まれる。今後、自己点検・評価の充実を図っていくためには、「学習成果」や学習プロセスに関する多様なアセスメント活動が欠かせず、各大学における実施体制の整備も課題となる。
  •  各大学について、自己点検・評価などPDCAサイクルが機能し、内部質保証体制が確立しているか、あるいは、情報公開など説明責任が履行されているか等の観点は、第三者評価において一層重視されていく必要がある。

<改革の方策>

【大学の取組】

  • ◆ 自己点検・評価のための自主的な評価基準や評価項目を適切に定めて運用する等、内部質保証体制を構築する。
  • ◆ 組織における明確な達成目標を設定した上で、自己点検・評価を確実に実施する。
  • ◆ 大学間連携を進める場合、自己点検・評価に当たって、相互の評価を活用することを検討する。

【国による支援・取組】

  • ◆ 第三者評価制度など評価システムの定着・確立に向け、必要な環境整備を進める。
  • ◆ 大学間の連携、学協会を含む大学団体等を積極的に支援し、分野別の質保証の枠組みづくりを促進しつつ、分野別評価の導入・普及に向けた環境整備を進める。