資料7

高等専門学校教育の充実について(議論の整理)(

はじめに

1.高等専門学校教育の現状

(1)高等専門学校の経緯及び現状

(2)高等専門学校教育の特徴

 高等専門学校は、高校と大学の両方にまたがる年齢期の学生を対象として、以下のような特色ある教育を行っており、我が国のユニークな教育制度として国際的にも高く評価されている。

(3)高等専門学校に対する評価

 高等専門学校は、創設以来40年以上に亘って、高度成長期を支えるなど、優秀な人材を社会に供給し、産業界を中心に高く評価されてきた。また、地域行政や産業界との技術連携等、地域に密着したきめ細かな交流を行い、地域の発展に貢献してきた。

(様々な形での外部からの評価等)

(企業・卒業生に対する意識調査結果)

2.高等専門学校を巡る社会経済環境の変化

 このように産業界から高い評価を受けている高等専門学校教育であるが、以下に示すように、様々な面で高等専門学校を巡る社会経済環境が変化してきている。

(1)ユニバーサル段階の高等教育における高等専門学校の位置付け

(2)我が国の技術者養成における高等専門学校の位置付け

(制度創設当時の考え方)

(その後の変化)

(近年の人材ニーズ)

(高等専門学校(本科・専攻科)教育により養成する人材像)

【高等専門学校本科】

  工学基礎教育体験重視型の早期創造教育・人間教育により基盤となる幅広い知識・技術とともに、特定の専門工学領域において基礎的知識・素養をしっかりと身に付けた実践的・創造的技術者を育成。

【専攻科】

 本科における教育の基礎の上に立って、特定の専門工学領域におけるより高度の知識・素養とともに複合領域に対応できる幅広い視野を身に付け、高い課題設定・解決能力を備えた学士水準の実践的・創造的技術者。

(大学の学部教育との相違)

3)15歳人口の減少、理科への関心の薄れ

4)高等専門学校卒業者の進路の多様化

・専攻科

 高等専門学校本科の延長として、高等専門学校の特色である実験・実習等の体験重視型の実践的教育をさらに高度化させた教育を実施し、高い課題設定・解決能力を備えた学士水準の実践的・創造的技術者を養成している。高等専門学校本科で取り組んだ特別研究を専攻科で継続的に深めることができる等、高等専門学校本科からの継続教育が行え、複合領域への広がりを持たせることができる点に特色がある。

・技術科学大学

  高等専門学校本科卒業生に配慮したカリキュラムの編成としており、円滑な接続を実現している。高等専門学校本科教育の基礎の上に、学部3年から修士2年までの4年間を一貫した教育体制としてとらえる等、大学院を重視した教育を行い、研究・開発技術者を養成している。これにより長期インターンシップも可能となる等、充実した教育が行われている。

・一般大学(工学系)

 自然科学の知識の応用である「工学」を教育しており、必ずしも技術者教育に特化せず、幅広く学問の基礎・教養を教育し、多様な人材を育成している。また、大学院への接続をも念頭に置いた学術的・理論的な教育を実施している。大学編入学は、高等専門学校教育に連続したものではなく、カリキュラム編成においても必ずしも高等専門学校本科卒業生に特に配慮されているとは限らない。一方で、高等専門学校卒業生にとっては、様々なタイプの学生とともに、高等専門学校に設置されていない専攻分野の教育研究を享受できることや、他分野との交流ができるという特色がある。

5)地域との連携強化の必要性

6)行財政改革の進展

3.社会経済環境の変化に対応した高等専門学校教育の充実の方向性

 以上のような状況を踏まえ、今後の高等専門学校の在り方について展望すれば、次のような方向性が考えられる。これらの事項について、各高等専門学校、国立高等専門学校機構等の各設置者、国、地方公共団体のそれぞれの役割に応じ適切に対応していくことが期待される。

(1)高等専門学校の今後の在り方

1 基本的考え方

2 各高等専門学校の個性化・多様化の促進

(2)質の高い入学者確保

(小・中学生やその保護者への広報活動、理数科教育支援)

高等専門学校の第4年次への編入学)

(3)高等専門学校教育の充実

1 社会経済環境等の変化に対応した組織体制の見直し

(a)見直しの必要性
(b)学校の再編整備による新しい機能を備えた高等専門学校の設立創設
(c)新分野への展開
d)専攻科の課程の充実
(専攻科の整備・充実)
(専攻科修了生に対する学位授与)

2 教育内容・方法等の充実

(自学自習による教育効果も考慮した単位計算方法の活用)
(産学連携による実践的専門教育の充実、共同教育の充実)
(共同教育の一環としてのインターンシップ等校外で行う教育の充実)
(退職技術者を含む企業人材等の活用)
(一般教育の充実)

3 教育基盤の充実

(教員等の確保)
(施設・設備の更新及び高度化)
(多様な学生への支援)
(財政的支援(民間資金等も含む)の在り方)

4 社会との関わりの強化

(高等専門学校の認知度向上方策)
(公開講座等社会に開かれた教育研究等の展開)
(国際的な展開)

5 高等専門学校の新たな展開

(高等専門学校制度の活用方策を検討する地方公共団体等への支援の在り方)

おわりに