IDE「教師と学生」(抜粋)IDE教育資料第44集

(マサチューセッツ工科大学の教員向け手引き書「You And Your Students」を翻訳したもの)

第1章 教育のチームワーク

『 教育の過程は,学生と教師たちとの一種のチームワークである。(中略)学生の目標のひとつは,自分の知らないことを,どのようにして学ぶかを,みずから発見することであるべきである。また,学生は,新知識を獲得する技能や,これを賢明に使用する能力を伸ばさなければならない。
 学生の資格としては,学ぶ能力と,学ぼうとする意欲がなければならない。一方,教師の資格としては,相手を動かす指導力,教えようとする意欲,教科目に関する知識とこれに近接する他の分野との関係に関する知識,および,知識を意義ふかく生きたものとして学生につたえる能力などがなければならない。

第2章 学習過程

『 すぐれた教えかたをするためには,学習の過程がはっきりとわかっていなければならない。この学習過程のメカニズムをよく知ることは,教育という学生と教師の共同作業において,双方の助けになる。
 学習過程を,(1)理解,(2)想起,(3)創造的思考,の三段階に分けて考えると,理解の手がかりがはっきりしてくる。

『 教師は,自分の教科を教えるさいに,この三つの段階のすべてを達成するもっともよい方法を展開してゆく責任がある。学生の「理解」を容易にすること,また,その「理解」を助けること,また,その創造的思考を刺激することが,教師の課題である。

第3章 目標

『 授業における教師の目標は,一般的にいって,学生の精神に少なくとも一つの新しい知識,新しい技術的能力,あるいは創造的思考の新しい経験をうえつけることである。
 本学(MIT)の講義要綱中に示された各教科の目標は,それぞれのコースの授業目的を全面的に達成するものである。毎回の授業の目標は,時間的にも,また強調点の示し方においても,その科目全体の目標を適当な関係をもつように、教師はあらかじめ慎重に計画しなければならない。

『 つぎのカール・コンプトン博士の説には,われわれの大部分が同意するものである。「学部コースにおける教育の究極的価値は,特定の学科課程そのものよりは,そこで与えられる知的,道徳的訓練および刺激の質によるものである。学科課程は,この知的,道徳的訓練や刺激の手段にすぎない。」』

第4章 授業のやり方

第5章 試験

第6章 採点

第7章 カウンセリング

 

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