土地の集積が高い等の特別の理由があり、大学及び短期大学の教育・研究に支障が生じない場合には、空地に代えて、学生が休息、交流その他に利用するための適当な措置を講じることにより、校地に空地を有しないことができることとする。
また、運動場についても、土地の集積が高い等の特別の理由があり、大学及び短期大学の教育・研究に支障が生じない場合には、運動場を設けることに代わる措置を講じることにより、運動場を設けないことができることとする。
なお、「空地に係る要件の弾力化による大学設置事業」及び「運動場に係る要件の弾力化による大学設置事業」については、構造改革特別区域における特定事業とされており、「構造改革特別区域において講じられた規制の特例措置の評価に係る評価・調査委員会の意見に関する今後の政府の対応方針」(平成22年3月25日構造改革特別区域推進本部決定)において、平成23年度中に全国化を措置することとされている。
法令の規定による制限その他のやむを得ない事由により所要の土地の取得を行うことが困難であるため空地を校舎の敷地に有することができない場合において、学生が休息その他に利用するため、適当な空地を有することにより得られる効用と同等以上の効用が得られる代替措置を当該大学が講じている場合に限り、空地を校舎の敷地に有しないことができることとする。
また、代替措置については、できる限り開放的であって、多くの学生が余裕をもって、休息、交流その他に利用できる屋内空間を設けており、かつ、そのために必要な設備が備えられていることとする。
法令の規定による制限その他のやむを得ない事由により所要の土地の取得を行うことが困難であるため運動場を設けることができない場合において、運動場を設けることにより得られる効用と同等以上の効用が得られる代替措置を当該大学が講じており、かつ、教育に支障がないと認められる場合に限り、運動場を設けないことができることとする。
また、代替措置については、原則として、体育館やスポーツ施設を備えることとする。ただし、特別の事情がある場合は、様々な運動が可能で、多くの学生が余裕をもって利用できる一定の要件を満たす運動施設を利用に供することにより行うことができることとする。
文部科学省関係構造改革特別区域法第2条第3項に規定する省令の特例に関する措置及びその適用を受ける特定事業を定める省令における特定事業から「空地に係る要件の弾力化による大学設置事業」及び「運動場に係る要件の弾力化による大学設置事業」を削除する。
※ なお、代替措置を適用する場合、大学設置基準等の一部を改正する省令案において規定はしないが、学校教育法施行規則第172条の2第1項第7号に定める「校地、校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境に関すること」に基づき、その情報の公表を行うこととなる。
平成24年4月1日(予定)
○ 大学には,校舎と同一の敷地又はその隣接地に空地と運動場を設けなければならないことが大学設置基準に定められている。しかし,平成16年4月から,特区制度を活用すれば,代替措置を講じるなど一定の条件を満たすことで,空地・運動場を設けなくとも,大学を設置できることとなっている。
(注) 空地とは,法令では「学生が休息その他に利用するのに適当な」ものとされており,屋外の広場や緑地・芝生,舗道,ベンチ等の懇話スペース等を意味するものと解される。
○ この特区制度については,平成22年の構造改革特別区域推進本部において,平成23年度中を目処に,できるだけ速やかに,特区での特例措置の内容のとおり,全国展開を行うこと(特区制度を,特区指定地域に限らず,全国で利用可能とすること)が決定している。
○ その際,学生の教育環境等に適切に配慮できていないと思われる事例も生じていたことを踏まえ,弊害の予防措置については,その要件を一層明確化し,必要最小限のものとすること,また,予防措置の内容は,文部科学省と中央教育審議会において検討・策定し,特区評価委員会に報告することとされている。
○ 大学分科会(大学教育部会)は,大学のキャンパスがもつ機能・役割の重要性(別紙「大学のキャンパスに求められる機能・役割について」)を踏ま え,空地、運動場を有しない場合の弊害の予防措置として,以下のとおり,代替措置及びその情報の公表が必要であるとの結論に達した。
1.空地・運動場が有する教育的意義と同等以上のものが期待できる措置を講じること。
空地:できる限り開放的であって,多くの学生が余裕をもって,休息,交流その他に利用できる屋内空間を設けていること。また,そのために必要な設備が備えられていること。
運動場:原則として,体育館やスポーツ施設を備えること。
ただし,特別の事情がある場合は,公共のスポーツ施設,民間のスポーツ施設等を利用することが考えられること。その際,様々な運動が可能で,多くの学生が余裕をもって利用でき,原則として,同一敷地内・隣接地にあること(やむを得ない場合は至近の位置も可とする)。学生の経済的負担の十分な軽減を図ること。
2. 1の措置を講じている大学であることについて,情報公表を徹底すること。
大学分科会大学教育部会では,今回の特区制度の全国化の検討に関連して,大学のキャンパスに求められる機能・役割を以下のとおり取りまとめた。
○ キャンパスは,質の高い教育研究活動や,学生支援,学生の発意に基づく様々な活動のために必要な空間を保障するもので,知的,道徳的及び応用的能力を展開させ,豊かな人間性を涵養するために必要な大学の構成要素である。
具体的には,
の機能・役割がある。
○ 大学は,幅広い年齢層の多様な学生に教育機会を提供しており,その際,それぞれの学習者のニーズを踏まえた学習環境等を整備している。その中で,学士課程や短期大学の課程の教育については,20歳前後の学生が多く,初等中等教育までの基盤を踏まえ,学生の人格形成機能や生涯にわたる学習の基礎を培うことが重要であり,そのためにも,学修の定着や多様な活動を可能とする空間を保持するという観点が一層求められる。
○ 構造改革特別区域推進本部決定による空地・運動場要件の撤廃を行う特区の全国化に際して,空地及び運動場を設置しなくてもよいとする場合は,空地及び運動場を含むキャンパスの機能・役割の意義等を踏まえると,あくまで例外的なものとして考えるべきである。
空地及び運動場を設置しない場合は,予防措置が求められることとなるが,その場合においても,教育研究の場にふさわしいキャンパスを備えることの重要性を認識した上で同等以上の代替措置を講じること及びその情報が公表されることが確実に担保されていることが必要である。
○ 法令の規定による制限その他のやむを得ない事由により所要の土地の取得を行うことが困難であるため空地を校舎の敷地に有することができない場合 において,学生が休息その他に利用するため,適当な空地を有することにより得られる効用と同等以上の効用が得られる措置(以下「空地の代替措置」とい う。)を当該大学が講じている場合に限り,空地を校舎の敷地に有しないことができること。
○ 空地の代替措置は,学生が休息その他に利用することができる施設であって,次に掲げる要件を満たすものを校舎に備えることにより行うものとすること。
○ 法令の規定による制限その他のやむを得ない事由により所要の土地の取得を行うことが困難であるため運動場を設けることができない 場合において,運動場を設けることにより得られる効用と同等以上の効用が得られる措置(以下「運動場の代替措置」という。)を当該大学が講じており,か つ,教育に支障がないと認められる場合に限り、運動場を設けないことができること。
○ 運動場の代替措置は,原則として体育館やスポーツ施設を備えることにより行うものとすること。ただし,特別の事情があり,かつ,教育に支障がないと認められるときは,次に掲げる要件を満たす運動施設を学生の利用に供することにより行うことができるものとすること。
※ 代替措置を適用する場合,学校教育法施行規則第172条の2第1項第7号に定める「校地,校舎等の施設備その他の学生の教育研究環境に関すること」に基づき,その情報の公表を行うこと。
法令の規定による制限その他のやむを得ない事由により所要の土地の取得を行うことが困難であるため空地を校舎の敷地に有することができない場合において,学生が休息その他に利用するため,適当な空地を有することにより得られる効用と同等以上の効用が得られる措置を当該大学が講じている場合に限り,空地を校舎の敷地に有しないことができることとすること。
また,当該措置については,次に掲げる要件を満たす施設を校舎に備えることにより行うものとすること。
一 できる限り開放的であって,多くの学生が余裕をもって休息,交流その他に利用できるものであるこ と。
二 休息,交流その他に必要な設備が備えられていること。
法令の規定による制限その他のやむを得ない事由により所要の土地の取得を行うことが困難であるため運動場を設けることができない場合において,運動場を設けることにより得られる効用と同等以上の効用が得られる措置を当該大学が講じており,かつ,教育に支障がないと認められる場合に限り,運動場を設けないことができることとすること。
また,当該措置については,原則として,体育館やスポーツ施設を校舎と同一の敷地内又はその隣接地に備えることにより行うものとすること。ただし,特別の事情がある場合は,次に掲げる要件を満たすものを学生に利用させることにより行うことができるものとすること。
一 様々な運動が可能で,多くの学生が余裕をもって利用できること。
二 校舎から至近の位置に立地していること。
三 学生の利用に際し経済的負担の軽減が十分に図られているものであること。
文部科学省関係構造改革特別区域法第2条第3項に規定する省令の特例に関する措置及びその適用を受ける特定事業を定める省令における特定事業から「空地に係る要件の弾力化による大学設置事業」及び「運動場に係る要件の弾力化による大学設置事業」を削除すること。
この改正は,平成24年4月1日から施行するものとすること。
短期大学設置基準について,上記第一の大学設置基準と同様の措置を行うため,所要の規定の整備を行うこと。
※ 代替措置を適用する場合,学校教育法施行規則第172条の2第1項第7号に定める「校地,校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境に関すること」に基づき,その情報の公表を行うこと。
高等教育局高等教育企画課高等教育政策室