キャンパスの在り方について(検討課題)

  1. 学位の国際通用性や教育水準の維持向上,学習環境の質保証の観点を踏まえた,大学のキャンパスが有する機能や教育的意義について。
  2. 校舎敷地内に空地を設けること,校舎と同一の敷地内又はその隣接地に運動場を設けること,という設置基準上の空地・運動場要件の在り方と,空地・運動場の代替措置の明確化について(空地・運動場特区措置の全国化関係)
  3. 平成15年の設置基準の「準則主義」への転換や,届出設置制の導入後の状況を踏まえた,我が国の公的質保証システムにおける,今後のキャンパスの質保証の在り方について。

    (参考)大学設置基準(昭和31年文部省令第28号)
    第34条 校地は,教育にふさわしい環境をもち,校舎の敷地には,学生が休息その他に利用するのに適当な空地を有するものとする。
    第35条 運動場は,教育に支障のないよう,原則として校舎と同一の敷地内又はその隣接地に設けるものとし,やむを得ない場合には適当な位置にこれを設けるものとする。

キャンパスの在り方について(論点メモ)

1.大学キャンパスの機能・教育的意義について

○ 大学教育が有する目的との関係において,キャンパスが有する機能・意義とは何か。

    ※学校教育法第83条「大学は,学術の中心として,広く知識を授けるとともに,知的,道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。」

○ 教育の質保証の観点から,大学のキャンパスが備えるべき機能のうち,どの大学にも共通して最低限求められるものとは何か。

(例)

  • 教育内容・方法に応じ,効果的な授業の実施に必要な教室・演習室・実験室のほか,視聴覚教室・ICT 教材等の必要な施設設備が整えられ,高い教育効果の実現に寄与するものであること。
  • 自習室や図書館などの施設が充実していて,自主的・自発的な学習活動が可能であること。
  • 空地や余裕あるキャンパスを活かし,学習時間の合間の休息等が十分にとれること。
  • 正課外の教育活動や様々な学生の活動が展開されるよう,自由な運動・活動空間ができるだけ保障されていること。
  • 大学外の関係者を含め幅広い者が利用することが可能であって,闊達なコミュニケーションが許される空間ができるだけ保障されていること。

○ 上記に加え,できれば備えておくことが望ましいものは何か。

(例)

  • 大学の周辺環境との調和が図られ,かつ,余裕をもった設計となっていることで,都市計画とも整合し,全体として十分な公共空間を形成していること。
  • 大学内外の様々な関係者による社会的・文化的相互交流を促すための(屋外)空間が存在し,開かれた大学となっていること。

2.空地・運動場特区措置の全国化と,必要な代替措置について

○ 空地・運動場が有する機能・教育的意義は,どのようなものか。

○ 空地・運動場要件は,昭和31年大学設置基準制定以降,大学の構成要素として必要とされてきたものであることを踏まえ,今後も,原則として必要とすべきとした上で,例外的に代替措置の利用が可能とすべきものか。

○ 特区での取組において生じていた弊害(学生の不満,運動の制限等)を防止するための,空地・運動場の代替措置はどのようなものとすべきか。

3.今後のキャンパスの質保証の在り方について

○ 平成3年の大綱化や平成15年の「準則主義」後の状況を踏まえつつ,我が国の公的質保証システムにおいて,キャンパスの質保証に向けて今後必要な対応について。

○ 教育情報の公表(キャンパス情報は義務的公表事項)を,キャンパスの質保証において積極的に活用すべきではないか(例えば,代替措置を利用する大学には,その旨の積極的な公表を求めることなど)。

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