資料5 認証評価機関の認証に関する審査委員会説明資料

認証評価機関の認証に関する審査委員会 説明資料

公益財団法人大学基準協会

(総論)
○今回は「デジタルコンテンツ系分野」に関する申請であるが、デジタルコンテンツ系の範囲をどのように考えているか。
回答
本協会では、「デジタルコンテンツ系分野」を、デジタル技術を活用したイノベーションにかかる教育研究を行う分野として捉えている。ここでいうイノベーションとは主にビジネス、情報・通信技術、アートの領域にかかわるものを指すが、当該分野はコンテンツやビジネスを通じた新たな産業や文化を創造する能力を備えた人材の養成を基本的な使命とする分野であり、これに加えて、イノベーションの成果を社会に向けて発信していく能力の育成が強く求められる。このためには、デジタル技術を核に、ビジネス、情報・通信技術、アートに関する領域横断的な教育研究が求められると考えられることから、本協会ではこの様な教育研究を行う分野を「デジタルコンテンツ系分野」の範囲としている。
 現在この分野に該当する専門職大学院は、デジタルハリウッド大学デジタルコンテンツ研究科デジタルコンテンツ専攻のみであるが、類似・近接する教育研究内容を有する大学院の一例は下表のとおりである。

法政大学

大学院イノベーション・マネジメント研究科

慶應義塾大学

大学院メディアデザイン研究科

金沢工業大学

大学院イノベーションマネジメント研究科

文京学院大学

大学院経営学研究科コンテンツ・マネジメントコース

城西国際大学

大学院ビジネスデザイン研究科

日本大学

大学院芸術学研究科

東京工芸大学

大学院芸術学研究科

立命館大学

大学院映像研究科

宝塚大学

大学院メディア・造形研究科

明治大学

大学院理工学研究科新領域創造専攻

東京芸術大学

大学院映像研究科

九州大学

大学院芸術工学研究科

大阪電気通信大学

大学院総合情報学研究科

東北芸術工科大学

大学院芸術工学研究科デザイン工学専攻

筑波大学

大学院システム情報工学研究科

東京大学

大学院情報学環 ・学際情報学府

東京工業大学

環境・社会理工学院 技術経営専門職学位課程


(評価基準について)
○デジタルコンテンツ系専門職大学院基準に関して、「項目3:教育課程の編成」の評価の視点2-2において、「デジタルコンテンツ系分野の人材養成にとって基本的な内容、発展的な内容、実践的な内容、事例研究等を取扱う科目を適切に配置していること」とあるが、大学基準協会として、デジタルコンテンツ系分野の人材養成にとって基本的な内容等はどのような内容を念頭においているのか。
回答
教育課程は、学位授与方針を踏まえた教育課程の編成・実施方針に基づき、各大学の責任のもとで編成されるべきものであるが、それぞれの内容としては概ね以下のようなものが考えられる。
(1)基本的な内容
 デジタル技術を活用したビジネス、情報・通信技術、アートなどのイノベーションを生み出すための前提として必要となる知識・能力を身につけるための科目であり、これら領域への導入を図るとともに全領域を俯瞰する内容を想定している。

(2)発展的な内容
デジタル技術を活用したビジネス、情報・通信技術、アートなどのイノベーションを創出し、その成果を社会に向けて発信していくために必要となる高度な知識・能力を身につけるための科目であり、これら3領域の発展的な内容とともに領域横断的な内容を想定している。
 
(3)実践的な内容
 イノベーションの創出とその成果を社会に向けて発信していくための実践的な能力を身につけるための科目であり、学生個人のテーマに沿った企画開発など、研究の実践をその内容の一例として想定している。

(4)事例研究
 卓越したコンテンツやビジネスを通じて、実際に新たな産業や文化の創造に寄与した事例を研究するための科目であり、現場で活躍する表現者、起業家等からその発想法や着眼点を学ぶワークショップ等を、その内容を一例として想定している。


○評価の視点3-10において、「教員組織が、デジタルコンテンツ系分野の特性に応じた多様性…などを考慮したうえで、適切に構成されていること」とあるが、大学基準協会として構成として適切だと考える基準等は具体的にあるか。
回答
 「デジタルコンテンツ系分野」では、デジタル技術を核に、ビジネス、情報・通信技術、アートに関する領域横断的な教育研究を行う学際的な分野である。したがって、当該分野の教員組織は、多種多様な分野の教員によって構成されなければならないと考えられ、関連・隣接する広範な分野を、大学の使命・目的に即して適切にカバーしていることが求められる。


○デジタルコンテンツ系分野では、PCのスペックなど設備の内容が教育の質に与える影響が大きいと考えられる。一方で、「項目16:施設・設備、人的支援体制の整備」の評価の視点に関しては特に特色はないように見受けられるが、施設・設備を確認する際の基準等を具体的に検討しているか。
回答
施設・設備の内容が教育の質に与える影響は十分に認識しており、項目16においても、これを適切に評価することができるよう、「評価の視点6-1:講義室、演習室その他の施設・設備をデジタルコンテンツ系専門職大学院の規模及び教育形態に応じ、整備していること。(「専門職」第17条)」、「評価の視点6-4:学生の学習、教員の教育研究活動に必要な情報インフラストラクチャーを整備していること。」といった視点を設定している。
なお、「デジタルコンテンツ系分野」における昨今の技術的進展は著しいものがあり、評価の視点の内容がその趨勢に影響されて古びたものにならないよう、施設・設備に関する評価の視点では汎用的な表現を用いることとした。
 各デジタルコンテンツ系専門職大学院において必要となる施設・設備の内容については、各大学の使命・目的によって当然異なってくるものであることから、当該分野における知見を有する評価者によるピア・レビューによって、施設・設備が適切といえるのか適宜評価を行うこととしたい。


(評価委員会の委員等の構成について)
○委員の分野別構成を具体的にどのように考えているか。また、デジタルコンテンツ系の教育課程に対応するものになっているのか。
回答
 現在設置されている唯一のデジタルコンテンツ系専門職大学院であるデジタルハリウッド大学デジタルコンテンツ研究科デジタルコンテンツ専攻はビジネス、クリエイティブ、ICTの3分野を融合した教育研究を行うことを掲げていることから、まずは当該専攻の評価に対応できるよう、上記3分野の知見を有する教員を中心に評価委員会を構成したいと考えている。
 なお、他のデジタルコンテンツ系専門職大学院が新設され場合は、当該専門職大学院の教育研究の内容等を考慮し、適宜委員会構成の見直しを図っていきたい。

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