資料5 |
世界最高水準の大学づくり−国公私「トップ30」−について |
1. | ねらい | |
○ | 国公私「トップ30」は、国公私を通じた競争的環境の下で、活力に富み、国際競争力のある大学づくりがねらいで、211億円を新規概算要求中。 | |
○ | 主として研究上のポテンシャルの高い大学に重点的支援を企図。科研費のような個人やグループに対する研究助成に比べ、高度な人材育成機能も加味した組織面への支援を目指すもの。 | |
○ | あらかじめ大学を選んだり、大学のランク付けを行うものではなく、申請に基づき、いわばピアレビューによる審査で選定。しかも、選定の結果は固定化せず、評価に応じて変動し得る仕組みを検討。 | |
○ | 各大学の個性や特色の明確化が図られ、国公私を通じた競い合いにより、我が国の大学全体の水準向上や活性化につながることも期待。 | |
○ | なお、大学改革には他にも様々な課題があり、教養教育の重視や地域への貢献など、各大学の「個性輝く大学づくり」の努力については、別途、各種の支援措置。また、研究面への他の支援措置等についても、充実に努力。 | |
2. | 選定の仕組み | |
選定の仕組みの概要については、以下のとおり。なお、学問分野構成など、仕組みの詳細については、関係の審議会委員等で検討中であり、予算の査定状況等に応じて変更もあり得るところ。 | ||
・ | 分野構成 | |
人文・社会科学から自然科学までの学問分野を10分野程度に構成し、分野別に申請を受け審査。 | ||
・ | 対象となる組織 | |
研究と高度な人材育成の両面に着目することから、大学院(博士課程)レベルの組織(専攻等)を対象(複数の専攻等の組み合わせも可)。 | ||
・ | 申請 | |
どの分野のどの組織を如何にして世界最高水準に育成するかという大学としての戦略に基づき、学長から申請。 | ||
・ | 審査 | |
学問分野別に、有識者・専門家等による客観的で公平・公正な第三者評価に基づき、優れた組織(大学院博士課程の専攻レベル)を選定。 | ||
・ | 審査の視点 | |
教育研究活動実績についての客観的データや当該組織の将来構想等を基に、今後の発展の可能性等について評価。 | ||
・ | 年次計画等 | |
初年度は5分野を対象とすることを予定。1件当たり年間1〜5億円程度の支援を5年間程度予定。2年経過後の中間評価、期間終了時の最終評価を実施。 |
世界最高水準の大学づくりプログラム ─国公私「トップ30」─ |
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(1) | 「大学(国立大学)の構造改革の方針」(平成13年6月)に基づき、活力に富み、国際競争力のある国公私立大学づくりの一環として、大学に第三者評価による競争的原理を導入し、国公私を通じた世界最高水準の「トップ30」を育成するために、研究や高度な人材育成の面でポテンシャルの高い大学に思い切った重点投資。 | |||||
(2) | 学問分野ごとに世界最高水準を目指す組織を選定して重点育成することを通じて、結果として大学トータルとしての「トップ30」を育成。 | |||||
(3) | これらを通じて、 | |||||
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世界に誇れる教育研究組織の確立、 | |||||
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研究者特に若手研究者に世界最高水準の教育研究環境を提供、 | |||||
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国際社会に通用する人材育成機能の強化、 | |||||
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得られた知見を社会にフィードバック | |||||
(4) | あわせて、各大学の個性の明確化、我が国の大学全体の水準向上や活性化にもつながることを期待。 | |||||
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国公私立大学の大学院の専攻(博士課程)レベルを原則としつつ、研究所等にも配慮。 | ||||||
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(1) | 学問分野別に各大学の申請を受け、教育研究活動実績についての客観的データや当該大学の将来構想等を基に評価。 | |||||
(2) | 申請は、大学院研究科に置かれる組織としての専攻等について、各大学長から受付。 | |||||
(3) | ![]() |
学問分野の分け方や優先順位については、大学改革連絡会での審議により検討。 | ||||
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選定のための審査は、有識者・専門家で構成される分野ごとの審査委員会で客観・公正・公平を旨として実施(外部意見も反映)。 | |||||
(4) | 選定の結果は固定化せず、評価に応じて変動しうる仕組み。 | |||||
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「世界最高水準の大学づくりプログラム」の骨格(案) |
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(予算額の確定により変更もあり得る。) |
・ | 学問分野を10分野に分け、第1フェイズとして、2年計画で10分野をカバー。 | |
・ | 初年度は5分野を対象とし、各分野10〜30件(平均20件)程度(年間1〜5億円程度の支援)を選定。 | |
・ | 対象機関には、5年間継続して経費を配分。 (2年目に中間評価を行い、一部入替え。5年後に事後評価。6年目に入替え。) |
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・ | 第1フェイズの実施状況も踏まえながら、第2フェイズでは分野の区分見直しや経費の充実等を検討。 | |
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2 分野構成 |
○ | 人文、社会科学から自然科学までの学問分野を下記の10分野に構成。 | ||
○ | 分野をまたがるものについても適切な配慮。 | ||
○ | 申請に当たっては、各大学がどの分野での審査を希望するかを申告。 | ||
・ | 1大学から(複合的な専攻の場合は1専攻から)複数の分野に申請することも可。 | ||
・ | 1つの申請が複数の分野にまたがることも可。 | ||
・ | 1大学から同一分野に複数専攻等を組み合わせて申請することも、複数の申請をすることも可。 |
分野 | 細分野(例示) |
生命科学 | バイオサイエンス、生物学、医用工学・生体工学、農学、薬学 等 |
医学系 | 医学、歯学、看護学、保健学 等 |
数学、物理学 | 数学、物理学 等 |
化学、地球科学 | 化学、地球科学 等 |
情報・電気・電子 | 情報科学、電気通信工学 等 |
機械・材料 | 機械工学、システム工学、材料科学、金属工学、繊維工学 等 |
土木・建築、その他工学 | 土木工学、建築工学、プロセス工学 等 |
人文科学 | 文学、史学、哲学、心理学、教育学、演劇、語学、芸術 等 |
社会科学 | 法学、政治学、経済学、経営学、社会学、総合政策 等 |
学際・その他 | 環境科学、生活科学、エネルギー科学、国際関係 等 |
※ 細分野は各分野構成のイメージのために例示しているものであり、これらに限定する趣旨ではない。(細分野の例示もさらに検討。)
3 評価の視点 |
(1) | 教育研究活動実績についての客観的な評価指標 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(2) | 当該大学の将来構想及びその実現のための計画(本経費の措置により、どのように世界最高水準の成果を目指すのか等) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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4 経費の使途 |
評価に基づいて選定された専攻等に、当該組織の計画に基づき、必要な教育研究費や人件費、設備費などをできるだけ使途を限定せずに重点的に措置(年度当たり1〜5億円程度)。
使途として考えられるものは、例えば次のとおり。
○ | 世界トップレベルの研究者の招へいに要する経費 | ||||
・ | トップレベルの研究者にふさわしい処遇での招へいに配慮。 | ||||
○ | 大学院博士課程の学生の教育に必要な経費 | ||||
・ | トップレベルの教員による指導。 | ||||
・ | 学生が自発的研究を行うに必要な経費。 | ||||
○ | TA、RAなど、若手研究者の支援に要する経費 | ||||
○ | 世界のトップレベル大学との共同研究の実施に要する経費 | ||||
○ | 学会、シンポジウム等を企画・開催するための経費 | ||||
○ | 教育研究支援職員の雇用等に要する経費 | ||||
○ | 最先端研究を推進するために必要な設備の購入等に要する経費 | ||||
・ | 最先端設備の購入。 | ||||
・ | 大量のデータを処理するための専用コンピュータの賃借。 | ||||
○ | 教育研究スペースの確保に要する経費 | ||||
・ | 既設建物等の改修費のほか、民間の貸しビルなどのスペースの借り上げ。 | ||||
○ | 海外の拠点設置に必要な経費 | ||||
○ | その他、教育研究を推進するために必要な経費。 | ||||
※ | 選定された組織には、国立学校特別会計や私学助成など、既存の予算も活用して支援を強化。 |