令和8年3月23日(月曜日)15時00分~17時00分
WEB会議
(部会長) 和田隆志部会長
(副部会長) 両角亜希子副部会長
(臨時委員) 飯田順子、伊藤毅、大薗恵美、大竹尚登、小野悠、加藤映子、北弘志、佐久間淳一、杉村美紀、高橋真木子、塚本恵、永井由佳里、西村訓弘、平松浩樹、横山広美、吉原拓也の各委員
(事務局) 石橋大学振興課長、鈴木大学設置・評価室長、若林専門職大学院室長、永見大学振興課大学院振興専門官
【和田部会長】 それでは、所定の時間になりましたので、第124回大学院部会を開催したいと思います。大変御多用な折、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
本日の議題は3点ございます。1点目が、先月、博士人材に関する産学協議会合より出されました報告書についてでございます。本日は大変御多用の中、一般社団法人日本経済団体連合会より長谷川知子常務理事にお越しをいただいています。長谷川様、本当にありがとうございます。長谷川常務理事から本報告書の内容について御説明いただければと思います。
2点目は、経済産業省が新制度として取り組んでおられます契約学科制度についてでございます。本日は、経済産業省イノベーション・環境局大学連携推進室の川上室長にお越しをいただいております。川上室長、本当にありがとうございます。川上室長から本事業の概要について御説明をいただきます。
3点目はこれまでも部会で御議論いただいております大学院評価について引き続き皆様と御議論いただければと思います。
それでは、初めに事務局から御連絡いただけますでしょうか。
【永見大学院振興専門官】 失礼いたします。まず、本日の出欠状況でございます。本日は加藤委員が16時半頃から出席されるという御連絡を頂戴してございます。なお、定足数であります過半数には達していることを御報告申し上げます。
続きまして、議事に入る前の連絡事項をお伝えいたします。本会議はZoomによりますウェブ会議として開催をいたします。ウェブ会議を円滑に行います観点から御発言の際には挙手ボタンを押していただきまして、部会長から指名がされましたら、お名前をおっしゃっていただいて御発言をいただきますようにお願いをいたします。また、発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようにお願いをいたします。
本日の配付資料についてでございますけれども、議事次第に記載のとおりでございます。事前にメールでお送りをしてございます。
事務局からは以上でございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、早速議事に入りたいと思います。
議題の(1)は博士人材に関する産学協議会報告書についてでございます。御存じのとおり、博士人材に関する産学協議会合は、一般社団法人日本経済団体連合会と国公私立大学の代表者によって構成されております。本年2月に博士人材が活躍する社会の実現に向けて、目指すべき姿と具体的な取組と題する報告書を公表されました。本日は御多用の中、経団連から長谷川知子常務理事にお越しをいただいています。重ねて御礼を申し上げたいと思います。この報告書の概要等につきまして、御説明いただきたいと思います。それでは、長谷川常務理事、よろしくお願いいたします。
【長谷川常務理事】 御紹介ありがとうございます。経団連常務理事の長谷川でございます。ただいま御紹介いただきましたとおり、本日は2月10日に公表いたしました博士人材に関する産学協議会合報告書について御説明をさせていただきます。
まず、博士人材の育成、活躍を検討した背景を御説明したいと思います。1ページを御覧ください。経団連ではFUTURE DESIGN 2040において、科学技術立国の実現を目指すべき国家像の一つとして掲げております。その実現に向けては、社会課題の解決や新たな価値創出を担い、持続的な成長を牽引する高度専門人材、とりわけ博士人材が不可欠です。一方、こちらの右上のグラフにあるとおり、主要国では博士号取得者が増加する中、日本は低水準かつ横ばいで推移しており、国際的な人材獲得競争において遅れを取っているという状況にあります。経団連では、これまでも高度専門人材の育成を重要課題と位置づけ、提言の公表や産学の対話を重ねてまいりました。こうした問題意識の下、昨年度より2年間にわたって、経団連側企業トップ8名と、大学側学長7名の計15名の委員とともに、博士人材に関する産学協議会合を開催し、博士人材の育成、活躍促進に向けた議論を進めてまいりました。本会合では産学がそれぞれの立場から取組状況や課題意識を率直に持ち寄り、将来像や具体的な取組について集中的に議論を重ねてまいりました。その成果として、この報告書を先月公表しております。
2ページには、会合の構成員をお示ししております。こちらにいらっしゃる方々です。
それでは、ここから報告書の内容を御説明いたします。3ページをお願いします。冒頭に御説明した背景と重複する部分は割愛いたしますが、社会・経済環境が急速に変化し、課題が複雑化する中で、単一の専門性だけでは十分に課題を解決できない時代になっております。人口減少が進む日本において、博士人材は高度な専門性に加えて、課題を構造的に捉え、解決に導く力を備えた価値創造の中核を担う存在として、その重要性が一層高まっております。一方で、これまで博士人材は学士・修士の人材と比べてアカデミアに進学する傾向にあり、企業での活躍は十分とは言えませんでした。また、企業とアカデミア双方において、博士人材の育成・活躍に関する議論や実践も必ずしも十分ではありませんでした。これからは博士人材を高度なイノベーション創出や未知の探究、すなわちインベンションを担う人材として明確に位置づけることが重要です。その上で、企業は高度な専門性と、いわゆる汎用的能力、トランスファラブルスキルを適切に評価し、活躍できる環境整備を進めるとともに、大学においても大学院教育改革を一層推進する必要があります。産学協議会合の参加企業・大学は、この報告書の目標に強く賛同しており、今後5年間、毎年フォローアップを行ってまいります。さらに、今後は参加企業・大学にとどまらず、経団連会員企業や大学関係者にも広く呼びかけ、産学一体となって取組を推進していきたいと存じます。
4ページをお願いします。この報告書では、2040年をターゲットとして、目指すべき姿を描いております。その上で、5年後の2030年の目標、その実現に向けて産学が連携して取り組む事項、さらに企業・大学それぞれが取り組む事項を体系的に整理しております。
5ページをお願いします。2040年に目指すべき社会の姿として、10の項目を掲げております。例えば、1番目としては、博士人材が社会の幅広い分野で価値を創造し、産学双方から、社会の持続的成長を牽引する存在として認識されている社会としております。また、8番目では、学生・企業・社会人・保護者・大学の関係者の間にある博士人材に対する見方が前向きに転換し、博士課程への進学が魅力的なキャリアの選択肢として受け止められている社会の実現を目指しております。さらに、10番目では、大学と企業の間で人材の流動性が高まり、学びと企業の実践を行き来しながら新たな価値を創出するエコシステムが構築されている社会を描いております。
6ページをお願いします。2040年の目指すべき姿の実現に向けて、5年後の2030年に達成すべき目標を設定しております。2040年に博士課程に進学するのは現在の小学生の世代であることを踏まえて、産学連携の項目では、小中高生段階からのキャリア教育を広げていくことを掲げております。企業は、博士人材を採用する企業数の増加、研究開発部門にとどまらない多様な分野での活躍の拡大を目標としております。大学は、博士号取得者数の増加や、アカデミア以外の多様な進路に進む博士人材の拡大を掲げております。これらの目標に関する現状について、以降のページでデータを御紹介いたします。
7ページを御覧ください。経団連会員企業のうち、博士人材に関心の高い企業441社を対象にアンケートを実施いたしました。小中高生向けの取り組みについては、企業独自、または民間教育機関等と連携して実施しているという企業は7割と進んでいる一方、大学と連携した取り組みを実施している企業は、1割にも満たない状況です。
8ページをお願いします。2025年度に新卒採用・経験者採用で博士人材を採用した企業は約7割です。一方、今後2年から3年程度先を見通した博士人材の採用の方向性については、「変わらない」とする企業が新卒・経験者ともに半数を占め、「増やしていく」とする企業は残念ながら2割未満にとどまっております。
9ページをお願いします。博士人材の配属先として、研究開発部門に加え、経営や営業などの部門にも配属している企業は約7割に上っています。博士人材の採用や活躍の場は一定の広がりを見せていますが、さらなる活躍の拡大に向けて取組を進めていく必要がございます。
10ページをお願いします。大学側の目標に関する公的データと産学協議会合に参加している7大学のデータをお示ししております。日本における博士号取得者数は増加傾向にございます。
11ページをお願いします。博士課程修了後に就職した者のうち、アカデミア以外の進路に進んだ割合は、約8割で横ばいに推移しております。今後、日本全体及び参加の7大学において、さらなる向上を目指していきたいと思います。
ここからは具体的な取り組みを御説明いたします。12ページをお願いします。産学が連携して具体的に取り組む事項として、3つの柱で整理しております。企業は長期・有給のインターンシップを提供するとともに、大学は単位認定や学生の派遣の検討を進めていきます。また、博士課程において、学生が一定期間企業で働きながら学修する教育プログラム、いわゆるコーオプ教育の推進や、小中高生に向けた教育プログラムの実施などを掲げております。詳細については、次ページ以降に記載しておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
少しページを飛ばしまして、17ページをお願いいたします。企業、大学がそれぞれに具体的に取り組む事項を整理しております。企業側の取り組みは2つを柱としております。
18ページをお願いします。第一に、経営者自らが、博士人材の活躍を人材戦略の中核に位置づけ、そのコミットメントを社内外に広く発信していくことです。第二に、人材戦略に基づく個別施策の実施です。責任や成果に見合った処遇の整理に加えて、キャリアオーナーシップの育成や海外研修の実施、メンター制度の整備など、博士人材が多様な場で活躍できる環境を整備していきます。
19ページをお願いします。今後の重点事業分野をテーマに、従業員に対する博士課程への進学支援や人文社会系を含めた博士課程学生への支援の拡充等を通じて、博士人材が安心して挑戦できる環境整備を進めてまいります。
大学側の取り組みは4つを柱としております。20ページをお願いします。第一に博士課程における各大学の入学者受け入れ、教育課程編成、学位授与に関するいわゆる3つのポリシーを、産業界に伝えていきます。第二に、情報発信やキャリア教育の推進を通じて、学部段階から博士課程修了後の多様なキャリアパスを提示します。併せて、博士課程学生のキャリアを支援する体制の構築も進めていきます。
21ページをお願いします。第三に、STEAM教育や文理融合の推進によりコースワークを一層充実させるとともに、学部・大学院一貫教育や、修士・博士一貫教育の導入を通じて、体系的かつ連続性のある高度専門人材の育成を進めていきます。また、学生のみならず、教職員や保護者のマインドセットの改革も重要です。
22ページをお願いします。第四に、大学は多様な財源を組み合わせ、博士課程学生が安心して学修できる環境を構築します。併せて、経済的支援や産学連携の推進、キャリア支援を行う専門人材の配置などについて、政府にも必要な支援をお願いしてまいります。
23ページから25ページでは、具体的な取り組みを進めていく5年間の時間軸をお示ししております。大学、産業界、そして産学連携と3つのパターンを示しております。本時間軸を参考に、産業界と大学で目線合わせをしながら着実に取り組みを進めてまいります。また、本報告書では、企業、大学の先進事例も多数紹介しておりますので、ぜひ後ほど御参照いただければと存じます。
スライドの説明は以上となります。今後、経団連としては、本日のような機会を通じて報告書の内容を広く周知するとともに、会員企業による意見交換の場を設け、各社の取組を促進してまいります。また、参加企業・大学による年1回のフォローアップ会合を通じて、実践と対話を積み重ねながら、博士人材の育成・活躍をめぐる社会全体の理解と行動の変化につなげていきたいと存じます。
私からの御説明は以上でございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。長谷川常務理事、大変分かりやすく御説明いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問などをいただければと思います。時間としましては、大体15分ぐらいを目安にしておりますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。先生方、挙手ボタンでお示しいただければと思います。杉村委員、お願いします。
【杉村委員】 ありがとうございます。長谷川様、大変本当に分かりやすくご説明いただき、また、おまとめ御苦労があったことと存じます。ありがとうございました。私からは2つ質問がございます。
一つは8ページ目のスライドで、企業の側が今後、博士人材の獲得に向けてどのような意識を持っていらっしゃるかという点についてです。あまり変わらないといった御意見も多かったと先ほどの御報告にありましたが、委員会の中で、この点についてはどのような御議論があったのでしょうか。博士人材の活用については、企業側の意識や、あるいは採用していただく際にいろいろなお考えもあるかと思いまして、伺いたいと思います。
もう一つは、博士人材になってきますと、当然ですが、海外の大学院を終えた方、あるいは国内で日本の大学を終えた留学生等の人材の活用ということも当然考えられるのではないかと思います。そうしたポストドクターの人材の流動性ということが重要なポイントになってくるのではないかと考えます。委員会の中ではそうした国際グローバルの視点からの人材の活用については、どのような御議論があったかを教えていただければありがたく思います。
以上2点です。
【和田部会長】 ありがとうございます。では、長谷川様、よろしくお願いします。
【長谷川常務理事】 ありがとうございます。8ページで御紹介した、2025年度時点での企業の博士人材の採用の方向性は、「変わらない」と回答した企業が半数近くあって、「増やしていく」と回答した企業は、新卒採用・経験者採用ともに15%程度にとどまったという結果が残念ながら今の出発点だと思っております。今後5年間をかけて、この数をいかに増やしていくのかが産学協議会合の問題意識でございまして、その具体的な方向性として、先ほど御紹介したような企業、大学、産学連携、それぞれが取組を進めていく必要があると思っております。
企業側としては、先ほども簡単に御紹介いたしましたが、経営トップが博士人材の活躍に向けた人材戦略を策定し、人材戦略の中で博士人材を含む高度専門人材を位置づけ、どのように採用・活用していくかについて経営トップ自身が示していく必要があると考えております。その上で、人材戦略に沿った処遇の見直しや社内体制の整備、社会人学生としての博士号取得支援、博士人材に求める能力やスキルなどの対外的な発信、ジョブ・ディスクリプションの提示を進めていく必要があると思っております。
産学連携で言えば、有償のインターンシップによる取り組みや、小中高生段階からのキャリア教育を進めていくことで、2040年に目指すべき姿として申し上げたような学生、企業、社会人、保護者、大学関係者全員の博士人材に関するイメージを刷新し、博士人材がいわゆるアカデミアだけではなく、産業界の多様な分野で活躍しているイメージを持っていただけるようにしていくことが、企業側が博士人材の採用を増やしていくことにもつながります。さらには、博士課程に進学する学生もあまり増えていない状況において、修士から博士に進学する学生や博士号取得を目指す社会人が増えていくという好循環につなげていけるのではないかと考えております。この考えに基づき、今回、5年間をかけて実施していくアクションプログラムを報告書としてまとめております。
それから、2つ目の海外の人材、いわゆるポスドクも含めた日本の大学に留学されている修士・博士課程学生の活用については、特に区別するのではなく、外国人留学生の方も含めた修士・博士人材の活用として同じ目線で施策を考えております。他方、議論の中では、ポスドクなどで海外大学に在学している博士人材に対して、どの大学に誰が留学しているかがよく分からずアクセスできないという課題が挙げられ、大学と企業が連携して、海外大学でポスドクをしている学生に、長期有償のインターンシップの機会を伝える等、海外にいる博士人材にアクセスできると良いという話が出ておりました。
【杉村委員】 御丁寧にありがとうございました。よく分かりました。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、大竹委員、お願いします。
【大竹委員】 長谷川先生、丁寧な御説明ありがとうございました。私も実は、国際のところは伺いたいなと思ったところでありまして、あまり日本人と分け隔てがないということについて、今の御回答で理解しました。
もう一つ、非常に新鮮に感じたのが、今日の御説明の中でスリーポリシーについておっしゃっていたことで、3つのポリシー、ディプロマポリシーを含めてですけれども、これを共有していくという御説明をいただく中で、今、産業界から御覧になって、大学、大学院の修了生に対するディプロマポリシーはどう映っているのかということをぜひ教えていただけるとありがたいと思います。
【長谷川常務理事】 ありがとうございます。これは産学連携のための環境整備として大学側が取り組むべきこととして、大学側から御提案のあった項目になります。各大学院で博士課程における入学の基準であるアドミッションポリシー、教育編成のカリキュラムポリシー、卒業要件に関わるディプロマポリシーを分かりやすく学内外に、特に企業に対して周知すると大学側がおっしゃってくださいました。裏を返せば、企業側から、「博士号を取得後、その専門分野での深い能力は証明されるとしても、そのほかにどのような汎用的なスキルがあるのか、特に社会実装するにあたって、どのような能力が身についていらっしゃるのかをより分かりやすく発信してほしい」という意見が出たことを受け、今回大学側の取り組みとして入れていただきました。
【大竹委員】 ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、伊藤委員、お願いいたします。
【伊藤委員】 長谷川先生ありがとうございました。経団連様の中で、博士の報酬とか給与みたいなところに関して何かしら御議論があったかどうかというのを御確認できたらと思います。というのが博士が魅力的なキャリアだと、博士を取った後が魅力的なキャリアだというように社会にも、御本人も感じてもらうためにも、すごく直接的なことで言うと、給料が高いと、博士までいけば一段と給料が高くなるみたいな点も一つ重要な要素なんじゃないかなと感じています。例えば、ベンチャーキャピタルを経営しており代表をやっておりますけれども、当社では新卒で採用するのは博士のみに限定して、かつ、新卒の年俸は700万円に設定して、公表もしているんですが、従来の学部生の5年後の階段式に上がっていくような報酬からスタートではなくて、博士が新卒に入ったときに、一つ専門性もあり、トランスファラブルスキルもあれば、特別扱いして学部修士卒とは違う給与体系からスタートするというのも、博士を魅力的にしていく施策の一つになり得るんじゃないかなと勝手ながら思っておりまして、経団連様の中で、この観点、給与について、どういった御議論があったかというのを、御参考までお聞かせいただけたらと思います。
【長谷川常務理事】 ありがとうございます。これは産学連携のための環境整備として大学側が取り組むべきこととして、大学側から御提案のあった項目になります。各大学院で博士課程における入学の基準であるアドミッションポリシー、教育編成のカリキュラムポリシー、卒業要件に関わるディプロマポリシーを分かりやすく学内外に、特に企業に対して周知すると大学側がおっしゃってくださいました。裏を返せば、企業側から、「博士号を取得後、その専門分野での深い能力は証明されるとしても、そのほかにどのような汎用的なスキルがあるのか、特に社会実装するにあたって、どのような能力が身についていらっしゃるのかをより分かりやすく発信してほしい」という意見が出たことを受け、今回大学側の取り組みとして入れていただきました。
【伊藤委員】 理解いたしました。ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございました。それでは、飯田委員、お願いします。
【飯田委員】 ありがとうございます。島津製作所の飯田と申します。長谷川先生、非常に分かりやすい御説明ありがとうございました。
私は11ページ、博士号取得者の進路についての御説明いただいたところで1点お伺いさせていただきたく思います。アカデミア以外の選択をされた方が8割前後とございまして、ちょっと多いなと逆に思ったりもしたところございます。その中で、キャリアの多様化、活躍の促進を図っていくというようにもスライドでお示しいただいておりまして、委員会でどのような御議論が、この辺りに関しまして出されたのか、教えていただければ非常にありがたいと思って、手を挙げさせていただきました。
【長谷川常務理事】 ありがとうございます。左側は公的な統計であり、文科省の数値でございます。それによりますと、博士課程を修了した就職者数のうちの8割近くがアカデミア以外に進学しています。右側は、今回の産学協議会合に参加された7大学の数値であり、一般の大学よりもアカデミア以外への進路を選んだ方が9割近くと高い傾向にあります。
基本的には、博士人材のキャリアの多様化、活躍の促進を図るべきというのがこの協議会合の問題意識ですので、産学が連携して、研究職以外に、博士人材の持つ専門性やトランスファラブルスキルの活用を前提として、経営企画部門、スタートアップやベンチャーといった事業開発部門等、これまで博士人材が多く配属されてきた研究職以外の多様な部門でのキャリアを企業は提示するということを目標に掲げております。
【飯田委員】 御説明いただきまして、ありがとうございます。このスライドの意味されるところ、理解することができました。ありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、塚本委員、お願いいたします。
【塚本委員】 どうもありがとうございます。長谷川常務、お忙しいところ御説明をいただき、どうもありがとうございます。
よく海外企業等のホームページや報告書を見ていると、ヒューマンキャピタルとかCEOレターなどに「PhDが何人います」というのが出ていることがあるかと思います。日本においても、これから更なる人的資本の開示の話ですとか、経営戦略と人的投資の戦略の連携ということがでてくるだろうと考えております。経団連さんにもグローバル企業がたくさんおられる、寧ろ会員企業のほぼ全部がグローバル企業だと思うのですが、「PhD取得者がどれぐらいいます!」ということが企業の価値として開示していこうという流れというか、機運的なものがあるのかどうか、教えていただければと思います。よろしくお願いします。
【長谷川常務理事】 ありがとうございます。既に一部のメーカーでは、PhD取得者数をホームページなどで公表しているとは思います。まさに人的資本開示の流れから言えば、それが有価証券報告書において企業価値を測る物差しになる時代にあっては、今後、多くの企業が博士の人数を開示していく方向が望ましいのではないかと思っております。特にそれをアクションプランの中に入れているわけではありません。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、永井委員、お願いいたします。
【永井委員】 ありがとうございます。大変短い期間の中にここまで進めていただいたのかということで感謝しております。それで、質問させていただきたいのは15ページですが、産学でこうした頭脳循環という、人材流動化、循環を促進することに関して、個々の企業と大学の個々の関係での人材循環を越えて、複数の大学と産業界との間での共創として社会人博士をマッチングする仕組みや人材循環を促進するような仕組みまで構想されているのかと思うんですけれども、これに関する何かお考えがあれば教えていただきたく存じます。
【長谷川常務理事】 すみません、一部聞こえませんでした。
【永井委員】 失礼いたしました。頭脳循環というか、人材の流動化、循環の促進を産学が取り組むことについてアクションプランに上げてありますね。これは従来、個々の大学と個別の企業間で行ってきたことのレベルからさらにグレードアップして、産業界での博士人材の活躍促進の全体像を組織化しながらマッチングする。要するに、産業界と大学界のマッチングをするような仕組みまで構想されておられるのかということをお聞きしたくて質問しました。できればそういうことを望んでいるんですけれども。
【長谷川常務理事】 この産学協議会合のアクションプランでは、明記しておりません。ただ、今、経産省やCSTIが特定分野について産学連携のコンソーシアムのようなものをつくり、特定の研究分野を進めようという動きがございますので、全体としては政府が取り組みを進めるのかと思っております。
経団連では、それに向けた環境整備としてクロスアポイントメント制度をもっと使いやすくすることや、知財管理について大企業はノウハウがありますが、中小企業では必ずしもノウハウがなくネックになっているというアンケート調査結果もございましたので、文科省と経産省で提供しているガイドラインを周知すること等を通じて、環境整備を進めていきます。
【永井委員】 ありがとうございます。よく分かりました。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、西村委員、お願いします。
【西村委員】 ありがとうございました。少し先ほどの永井先生とかぶるところもあるんですけども、欧米なんかの博士の人材というのは、別に産業界向けとアカデミア向けを分けているわけじゃなくて、本当に1をつくり出す人をつくって出していくと。それもストレートに行くケースって少ないと思うんですよね。むしろ産業界で働いて、そこから一度、また大学に戻り、修士を取って、また戻り、また博士を取って、平均的に35歳ぐらいでPhDを取るということが、私の経験上は、向こうで現地に行った時はそうだったんです。そうなってくると、産業界とアカデミアの人材の往還、行ったり来たりするということを、こういった場で話されたのかどうか。結果的にそういうことが起こると、アカデミアのほうに、産業界経験を持っている人材が入ることによって、恐らくこれから専門性はAIとかいろんなものが進んでくると、もうほぼ知識量は関係なくなってくるので、むしろ発想力になるとしたときに、経験値の積み上げというのが物すごく重要になってきたときに、産業界だけのメリットではなくて、アカデミア側のメリットも多分あると思うので、こうやった行き来をする人材をどうやってつくるかとか、そういう人たちを実際に人材流動として、産業界もアカデミアも受け入れていくのかとか、そんな感じの議論が行われたのかどうかとか、もしあれば、そういったことについて教えていただければと思うんですけれども。
【長谷川常務理事】 ありがとうございます。方向性については、まさに産業界とアカデミアを行ったり来たりするリボルビングドアのような形が望ましいという議論はいたしました。
その際に、今、企業の労働市場の流動化はかなり進んできていまして、転職される方も非常に増えており、企業間をより成長を求めて移動されていくのは普通になってきています。これを産学で実現するには、大学側の課題もあるという御意見はありました。つまり、企業の研究者になった人が大学に戻って教員や研究者として活躍できる道が非常に多くあるかというと、そうでもないという状況がございます。産学間の人材流動性を高めるには、企業側の整備も必要ですけれども、大学側の人材戦略としての制度の整備が必要だという御意見もございました。
【西村委員】 よく分かりました。実は私もその経験があるので、産業界から来て大学に来た教員として考えると、その逆、そのパターンというのは結構大学を活性化する可能性もあるので、何かそういう形の議論を進めていただくと、僕は大学の活性化のためにそういうことをやっていただきたいなと思ったので、そういう発言でした。すみません、どうもありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、北委員、お願いします。
【北委員】 長谷川先生、どうもありがとうございました。大変幅広い観点から協議されて、また、簡潔にまとめてくださって大変参考になりました。
最初の杉村先生の御質問にもあったんですが、私はページ8の企業側が今後、博士人材の採用を増やすかどうかというのが少し気になりまして、私もコニカミノルタという会社で、10年弱ぐらいですけども、そのぐらい前から、私どもの人材戦略として、開発DX、デジタルトランスフォーメーションを進めてくれる戦力として、高度優秀人材をということで、その手段として博士人材が、結果として、多く採用されて活躍しているんですけれども、例えば、経営層とかに博士人材を増やしますとただ言っても、博士を取ることを目的にしてしまうと非常に反発が多くて、だけれども、こういう戦略とかこういう施策を達成するための手段として、その最大公約数として博士課程後期を納めた人が能力を発揮しているんだという、そういう文脈で伝えると大変意欲が挙がってくるという経験がございます。
今回の報告書に上がってくるときの議論は、主軸が、博士人材を採用することを目的として捉えていたのか、それとも手段としての議論だったのか、両方なのか、その点を伺いたいなと思いました。よろしくお願いします。
【長谷川常務理事】 ありがとうございます。基本は手段でございます。冒頭御説明しましたとおり、なぜ博士人材が必要かということに立ち戻りますと、日本の2040年を見据えた成長戦略として科学技術立国を経団連は提言しています。科学技術立国を目指すにあたり、将来の予測性が低く、課題が高度化・複雑化している中で、きちんと課題を整理して、イノベーションの創出やインベンションを担う高度専門人材が必要であり、それが博士人材であるという位置づけです。博士人材自体の育成・採用が目的ではありません。
その関連として、大学側の取り組みでは、修士・博士一貫教育、学部・修士一貫教育の提案もしております。どういうカリキュラム・期間で高度専門人材を育成していくのが望ましいのかを考えた場合、必ずしも今の学部・修士・博士という人材育成の仕組みが適切ではないかもしれないという大学側からの御意見もありました。
【北委員】 分かりました。ありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。ほかはよろしいでしょうか。ありがとうございます。長谷川常務理事、本当に熱心に御討議いただきまして、誠にありがとうございます。おかげさまで大変理解も深まりましたし、参考になりました。ありがとうございます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【長谷川常務理事】 ありがとうございました。
【和田部会長】 それでは、続きまして、議題の(2)にまいります。契約学科制度の創設についてでございます。この制度は、御案内のとおり産学連携によって、産業界で活躍できる人材を育成するための新たな制度と伺っております。本日は、経済産業省イノベーション・環境局、大学連携推進室の川上室長にお越しをいただいています。川上室長、本当にありがとうございます。それでは、御説明いただけると幸いでございます。よろしくお願いいたします。
【川上大学連携推進室長】 ありがとうございます。経済産業省大学連携推進室の川上でございます。よろしくお願いします。まずもってこうした機会をいただきまして、心から感謝を申し上げます。資料を共有させていただきます。時間も限られていますので、端的に説明を進めてまいりたいと思います。契約学科制度の創設についてということでございます。
背景ですけれども、これ詳細は申し上げませんが、今、科学とビジネスが近接化している時代に来ているということでございます。要はビジネスと科学、そしてそれを生み出すアカデミアとの距離が非常に縮まっているというところで、企業、産業界も、より一層、大学のことを理解しないといけないし、投資もしっかりとしていかなきゃいけないという時代に来ているということでございます。経産省の施策の方向性ですけれども、これは文科省さんと連携してという前提でございますけども、産業界からもぜひ大学への投資を増やしていって大学の成長を促していきたいということでございます。左側、運営費交付金、科研費、まさに今、文科省さん非常に力強く取組を進められておりますけども、産業界からもしっかりと投資をしていこうということでやっているということでございます。具体的には、産学連携によって企業からお金をお渡ししていくということだと思うんですけども、産学連携、近年かなり進んできていますけども、一方で小粒の共同研究、少額の共同研究が多いという、まず、300万円未満のものが80%ということでございますけども、こちらで事例を示させていただいておりますけども、大型のものも非常に進んできているので、左側は大阪大学、IFReCの事例です。これはノーベル賞を取られた坂口先生がいらっしゃるところですけども、10年間で100億円。右側が筑波大学の事例でして、Amazon、NVIDIAとやっていて、38億円と非常に巨額なものがありまして、これはいろんな大学でこうした事例が増えてきていて投資が進んでいるということでございますけど、いずれにしても、これは研究にとどまっているということで、今回我々が構想させていただいているのは、教育の産学連携を進めるということで、契約学科というものを提案させていただいているということでございます。
概要でございますけども、文字ばかりで恐縮でございますけども、一応定義を整理させていただきました。その上で、後ほど申し上げますけども、NEDOによる補助金による支援というのを考えております。そのための要件を整理させていただいています。まず、産学で、具体的には個別の大学、個別の企業で育成する人材像を定めていただく。それを育成するために適切な教育研究内容、カリキュラムを整備いただくということでございます。次が大事なところでして、これは契約学科、学科と言っていますけども、学部に限ったわけでありません。インパクトのある名称ということで、あえて契約学科という名前を使っていますけども、対象としては、大学院、研究科専攻コース、いずれの単位でも結構です。大学の場合は学部と、あとこれも学科コース、あと高専も対象にしようと思っていまして、5年終わった後の専攻科2年というところを設けていらっしゃる高専がありますけども、こちらも対象とするということで、もちろん博士課程も対象になるということでございます。そこで専任の教員が配置されていることを条件とさせていただいております。その上で想定する進路先、もちろん投資をされた企業で受入れということも当然あるんですけども、それ以外のところをしっかりと進路を示してくださいということを掲げさせていただいています。
次、2ポツでございますけども、産学連携して教育カリキュラムをしっかり、これはどちらかに丸投げするということじゃなくて、しっかり協議をして決めてくださいということで、いろんな取組の例があると思いますけども、下にあるとおり、共同研究への参画とかインターンシップとか、様々な形で企業からもいろいろと学びながら提供いただくみたいなことで、話合いをしっかりしてくださいということでございます。
設置・運営方法ですけども、先ほどの続きですけども、産業界の役割、大学等の役割ということで、それぞれリソースを提供して最先端の教育研究環境の整備を進めてくださいということです。(3)が大事でして、基本的には、産業界、企業からの資金の提供のみにより運営されると。他の教育プログラムと独立していることというようにまとめさせていただいております。先ほど申し上げました、本気の産学連携による教育を進めていくということで、企業からのコミットというのは非常に強く求めるというようにさせていただいています。もちろん補助金を使っていただく場合はそちらを活用いただいても結構ですし、あと学内で、併任で教員の方を出していただく場合、そちらの人件費は別にそこは構わないというところでございます。
2ポツでございますけども、これは教育ですので、少なくとも10年以上は企業にお金を出していただくということをコミットして始めてくださいということを条件にさせていただいております。せっかく学科、専攻をつくっていただいても学生が来ないと意味がありませんから、中長期的に優秀な学生を確保し、その実現可能性が高いかどうか、こちらも補助金を出す際にはしっかりと審査をさせていただきたいと思っていますし、こちらは、どちらかというと大学側でしっかり、これまでの御知見を使ってやっていただくというところかなと思ってございます。
次のページは絵にしたものでございます。想定される分野、3つほど我々は考えていますけど、一つは一番左、産業界にとっては極めて重要なんですけれども、大学では維持が難しくなりつつある分野ということで、溶接、原子力、送配電、冶金。真ん中が一番ニーズが多いんじゃないかと見ていますけども、大学としても機械工学科、情報工学科、材料工学科、単品では学科を持っていらっしゃるんですけども、産業界としては、例えばハードディスク、自動運転ということであれば、それぞれの分野の融合で教育をしてほしいというニーズもありますので、そうした分野が真ん中です。一番右が分かりやすいんですけども、AIとかデータサイエンス、今後は半導体なんかも入ってくると思いますが、とにかく、企業からすると優秀な学生が欲しいということで、幾らでも投資しますみたいな、そういった分野があるんじゃないかなということで、これは我々の想定でございます。もちろん実際はほかのニーズもあるかもしれませんけども、頭の体操ということで示させていただいております。
先ほど研究での大型の産学連携が進んでいるということでございますけども、共同研究講座という形で、大型の共同研究をやられている場合があるんですけど、これに、教育の機能、そして学科も学位も出すということにしていただければ、契約学科に発展するということで、こういったアプローチもあるかなということでイメージを示させていただいてございます。
補助金をお出しするということを申し上げましたけども、今日3月の下旬でございますけども、3月中に補正予算と当初予算、両方確保しているのですが、公募を始めさせていただいて、最初の採択を6月ぐらいに決定させていただきたいと思っております。補正予算は令和7年の補正予算ですけども、当初は毎年できれば要求していきたいと思っておりまして、その際というか、秋には認定制度というのをつくらせていただきます。これは、契約学科はやりたいんだけども、予算は要らないという会社もいらっしゃいまして、ただ、国のお墨つきが欲しいというようなニーズがありまして、契約学科のクオリティーがしっかり確保されているものについては認定をしていくというスキームを、この秋から走らせます。これが上の青の箱でございます。当初予算、毎年採択をしていくので、そこの申請をするためには認定を取ってくださいということで、秋に認定を取ったものが、春に当初予算の申請ができるということで、このサイクルを毎年回していって、質の担保と予算での支援というのをぐるぐると回していくことで今、準備をしているところでございます。スケジュールが分かりにくいですけども、こういう形で準備をさせていただいております。
これ先行事例でございますけども、韓国と台湾、韓国が学部でやられておりまして、台湾はどちらかというと、大学院でやられているということでございます。具体的に韓国の事例ですけども、ゼロから、1からカリキュラムをつくるのかというと、そうではなくてこの事例では、もともとの電気工学科とか電子工学科のカリキュラムの上に、3年生、4年生あたりでアントレプレナーシップとか、PBLとかありますけども、企業のニーズを踏まえてつくっていっているということで、基本的には大学がつくられたカリキュラムをアレンジしてということで、1からつくるということではないということで、これはイメージとして示させていただいております。
経産省の補助金、簡単に触れますけども、まず、補正予算でございます。令和7年度補正で103億円とありますけども、この内数で契約学科の支援をさせていただくということで考えてございます。こちらは当初予算、これも内数でございます。14億円のうち5億円程度を考えておりますけども、こちらは一度採択されると最大6年間は支援するということで、先ほど10年間コミットいただくということでございますけども、説明しておりませんでしたけども、補正予算については、当初3年間を支援させていただく。補正予算、当初予算については6年間ということで、残った7年なり4年は、これは企業の資金だけで学科プログラムを運営いただくということで考えてございます。
以上が契約学科の御説明でございます。
この検討に当たっては、我々、大学政策とか大学の実態について必ずしも明るくないところがあるんですけども、文部科学省さん、高等教育局さんの多大なる御支援をいただきまして、いろいろ御助言いただきまして、ここまでたどり着いたということで、改めて感謝申し上げたいなと思っております。
すみません、最後なんですけども、先ほど経団連の長谷川常務からも御説明ありました、博士人材の民間企業における活躍促進に向けてということで、我々も取り組んでいるということで御紹介をさせていただきたいと思います。これはもう御案内のところかと思いますけれども、一昨年、文科省さんと共同で検討会を立ち上げまして、博士人材の民間企業における活躍促進に向けたガイドブック、企業向けの手引き、大学向けの手引き、学生に向けたメッセージということでまとめさせていただいたということでございます。今年、さらに機運を高めていこうというところで、学生の皆さんに企業で研究するイメージを持ってもらうということで、これは経産省のユーチューブチャンネルで公開させていただいているんですけども、飯田委員、まさに今日もいらっしゃいますけども、島津製作所の田中耕一先生、ノーベル化学賞受賞者の方に御協力いただきまして、田中先生の講演版と、あと経産省も最近若手人材として博士の採用も進めておりまして、博士の若手職員が田中先生にインタビューするということで、動画を配信しておりますので、ぜひ皆さんも御覧いただきまして、学生の皆さんにも御紹介いただけるとありがたいなということで、最後御紹介でございます。
すみません、雑駁な説明で恐縮でございます。以上でございます。
【和田部会長】 川上室長、ありがとうございます。クリアな説明だったと思います。
それでは、質疑応答の時間に入りたいと思いますので、よろしくお願いします。それでは、横山委員、お願いいたします。
【横山委員】 ありがとうございます。東京大学の横山と申します。大変興味深い取組で、多くの学生さんが志望するのではないかなと拝聴いたしました。私からは非常にシンプルな質問をさせていただきたいと思うんですけれども、企業さんとより緊密に連携をすることでの情報機密というのがどのように保たれるのかという点についてお伺いしたいと思います。特に2つ目と3つ目の、9ページでお示しいただいた製造業であるとか、あるいはデータAIといった分野は、非常に情報機密に関して各企業とも苦労しているところでございます。もちろん教育においても、様々に最先端の知見を御提供いただきながらコラボできたら一番いいと思うんですが、例えば製造業については、物の並び方そのもの自体が非常に強い機密になって開示できないというような、そういう事情がございます。それを使ってより先端の研究ができたらいいんですが、この辺の情報機密、併せて留学生はここには対象としないのかどうかということも、昨今の状況から、あらかじめ御議論が既にあるのかどうかもお伺いできたらと思った次第です。よろしくお願いいたします。
【川上大学連携推進室長】 ありがとうございます。最後の質問からお答えすると、留学生もこれは大学と企業の御判断で入れていただくということでよろしいかと思います。それで、契約学科自体はあくまでもオンキャンパスでやるということなので、大学で教育をしていただく。問題なのは、先ほど共同研究に入っていただくとか、あとインターンシップであるとか、こういったところが今の御懸念に当たるのではないかと思うんですけども、基本的に共同研究で学生に入っていただくというところは、今やっていただいている共同研究の枠組みでしっかりと機密保持をしていただくということで、例えば共同研究でも、NEDOの補助金も学生の方にRAとして研究に携わっていただいて給料を出していただく、ここも補助の対象にしているんですけれども、この場合はしっかりと雇用契約を結んでいただいて、そこに秘密保持規定を入れていただいて、契約を結んでいくみたいな、そういった機微なところはできるだけ触らせないとか、もし触らせるのであれば秘密保持の契約をしっかりと締結するとか、そういったことで、これは共同研究の中で今もやられていることかと思うんですけど、そこに準じてしっかりと御対応いただくというところかなと思ってございます。以上です。
【横山委員】 ありがとうございます。その点について、ぜひ今後はさらに最先端の状況で詰めていただけたらと思うんですが、御存じのように、学位を出すには論文を発表させるというプロセスがありまして、それは要するに海外ジャーナルに載せるだとか学会で発表させるとか、いずれのプロセスがどうしてもついてまいります。そこに情報機密があまりにもついてくると、やはりそれは難しい状況になってくるので、何とかいい方法が見つかっていくといいなと思った次第です。ありがとうございます。
【川上大学連携推進室長】 ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。吉原委員、お願いします。
【吉原委員】 御説明どうもありがとうございました。北海道大学の吉原です。少なくとも10年以上というところが、学生から見ると非常に安心な制度だなと思いますが、一方、今、環境がものすごく変化していて、新たなものがどんどん出てきたり、ニーズが急速にしぼむということも起こっています。そうすると、あまり10年という縛りをきつくしてしまうと、今度は変化が少ない領域に偏ってしまうとか、そういう動きが起きたりするというマイナス面もあるのではないかと思いますが、その辺りというのはどのようにバランスを取っていこうと考えていらっしゃるのか教えていただけるとありがたいです。
【川上大学連携推進室長】 ありがとうございます。非常に難しい御質問をいただいたと思うんですけども、よくあるのは何年か企業がお金を出してやめるとか、あと補助金が切れるので、その先続かないみたいな、そういった問題があるので少なくとも10年以上という縛りをかけさせていただきました。10年と言っても10年ずっと同じ教育をしてくださいというつもりは全くありませんし、ここも多分契約の中身を少し変えていただいて、分野を変えていただくみたいなこともできるようにはしていきたいなと思っておりますので、そこのバランスはしっかり見ていきたいなと思っております。非常に難しい課題かなと思っています。ありがとうございます。
【吉原委員】 ありがとうございました。柔軟な対応ができるような制度にしていただけると非常にうれしく思います。ありがとうございました。
【川上大学連携推進室長】 ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。杉村委員、お願いいたします。
【杉村委員】 大変興味深い制度の御提案ありがとうございます。お伺いしたいのは、7ページのちょうど今、画面にも出ている(3)のところですが、大学と他の教育プログラムと独立していることとなっていますが、この部分をもう少し詳しく伺いたいと思います。と申しますのも、今日、大学では、例えば博士、修士を出すときに、学位論文の他に、先ほどもあった3つのポリシー、すなわちアドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、そしてディプロマポリシーというのを制定し、それに沿って教育を行うことになっています。その3つのポリシーをこのプログラムはどのように扱うことになるのでしょうか。高等教育において、どのように質が担保されるか、またその質はどのような基準で求められようとしているのか、プログラム設立時に示していただくことが、大学側にとっても運営上重要になってきますので、その点をお伺いしたいと思います。
それから、先ほど横山委員が冒頭おっしゃってくださいましたが、リサーチセキュリティーの問題も非常に重要であると思います。今日、大学に対しては、経済安全保障のことで、留学生の受け入れ、あるいはデュアルユースや知的財産保護等々、大学の対応に対して経済産業省等からいろいろとご示唆いただいております。
このことは、私たちも十分留意している部分ではありますが、企業との関係性や、あるいは先ほどもお話しにでました留学生への対応においても、どんなに注意していても、基礎研究の成果がデュアルユースに転用されるなど、いろいろな懸念がございます。その辺のハードルをどのように設けられようとしているか、制度設計上、ぜひ何かお考えがあれば伺いたいと思いまして、質問させていただきました。ありがとうございます。
【川上大学連携推進室長】 ありがとうございます。まず、1つ目、他の教育プログラムと独立していることということなんですけども、これは既存のものでも寄附講座というのがありますよね。それ自体では学位を出さないんだけども単位にできるとか、そういったものと一線を画すということと、あと主専攻でやってくださいということにしております。副専攻であれば、それほど企業がそんなに強くコミットしなくてもできたりしますが、この制度ではしっかりと企業にコミットいただいて、大学にもコミットいただいて進めていただきたいということで、独立性というのはそういった意味でハードルを設けさせていただいているというところでございます。
次に、質の保証でございますけれども、これ契約学科だからといって何か別の設置認可の仕組みとか、そういったことを考えているわけではなくて、あくまでも今の設置認可の仕組みと、文科省さんが今、持たれているもろもろの大学制度と、これをそのまま何も変えずに適応してくださいということで、ここに書いてありますとおり、(2)の真ん中です。必要な設置認可手続や届出について、大学のほうでしっかりと適切な対応が行われる、今の大学制度にのっとるということで、しっかりと今までどおり質の担保をしてくださいという整理にさせていただいております。
最後、セキュリティーの問題、これは本当におっしゃるとおりでございまして、我々まさに外為法の施行を進める中で、大学の皆さんにも外為法のルールの普及啓蒙をさせていただいていますし、しっかりと遵守してくださいということで、むしろ我々、大学の皆さんに嫌われるぐらいしっかりやってくださいと言っている立場でございますので、これは今まで以上にというか、今までどおりでもいいんですけども、しっかりとそこは守っていただくということで、我々からも働きかけをしっかりさせていただきたいなと思ってございます。
すみません、お答えになっているかどうか分かりませんが、以上3つお答えさせていただきました。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、飯田委員、お願いいたします。
【飯田委員】 ありがとうございます。島津製作所の飯田でございます。川上室長、非常にクリアな御説明ありがとうございました。
先ほど吉原委員が、もう既に質問されてお答えいただいていることではあるので、重ねて大変恐縮ですけれども、10年以上というところ、こちらのほう契約学科の取組が非常に優れているなということを思いまして、企業として、また、私、共同研究所の所長を務めております大阪大学の先生方ともいろいろ議論を重ねているところなんですけれども、10年とはなかなか難しいなという、変化に対してというところに対しまして、先ほど同じ教育内容じゃなくてもいいなどと挙げていただきましたので、その辺り、フレキシブルであると、とにかく世の中に役に立つ高度人材を出すことが目的なんだというところで、フレキシブルに書いていただけると非常にありがたいと思いまして、重ねてになりますけれども、コメントさせていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【川上大学連携推進室長】 そこはしっかり考えたいと思いますし、契約学科制度、島津さんの大阪大学、私も見学に、飯田先生にもいろいろ議論させていただきましたけども、まさに参考にさせていただきましたので、あと、時代の流れにしっかりと柔軟に対応するようにということで、そちらのほうはしっかりと承って検討を進めてまいりますので、よろしくお願いします。
【飯田委員】 ぜひ引き続き御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、両角委員、お願いいたします。
【両角副部会長】 ありがとうございます。東京大学の両角です。私からは1点質問させてください。
契約学科は、学士課程とか大学院の修士、博士、また高専など、かなり幅広く対応しているというか、対象になっているかと思います。ただ、産学共同でやるといったときに、どの教育段階なのかということによっても随分やり方が違うんじゃないかなというのが直感的に感じます。学士課程のところでは実務的教育とかが想定されていると思うのですが、博士になると、少し研究と統合したような内容、AIとか半導体などまさにそうだと思うのですが、例えばそうなったときには企業側にも博士人材がいないと、そういう連携ってうまくいかないのではないかという印象もあり、どの段階かということによっても、求められる要件が違うのではないかなという印象を持っています。
先ほど杉村先生が御質問されていたほかのプログラムとの独立というところも、例えば博士で研究基盤との接続が弱くなってしまったりすると、大学と連携する意味がなくなってしまうので、独立性がよいのかどうかと感じるところがあります。フレキシブルなプログラムということですので、その辺りもフレキシブルに考えてよいのかとか、あるいは審査段階で具体的にそういう段階別の適した形を見ていこうとされているのかとか、そういう段階別の違いみたいなことについて教えていただけますでしょうか。
【川上大学連携推進室長】 ありがとうございます。多岐にわたってコメントいただきまして、ありがとうございます。基本的に大学院と学部だと全く違うアプローチになるかなと我々も思っていますし、今いろんな企業、大学を回らせていただいていますけど、圧倒的にニーズが多いのは大学院です。一番多いのは修士です。博士も結構あるんですけども、というのはまず、学部の場合は定員の制約が非常に多い、大きいというところで、先ほど申し上げました既存の制度に乗っかってやりますので、大学院でやるという場合が多いかなと思っています。
一応、独立したとは言っていますけども、例えば報道されているからいいと思いますけども、新潟大学でオイシックスさんと1件目の契約学科をやるという事例が出ていますけど、あれも研究科をまたいで、一応主専攻をつくってやっていただくというようにして、あれは修士ですけども、ということなので、しっかり主専攻として独立させていただければ、別に分野もまたいで研究科をまたいでも結構ですし、というように、そこは柔軟にやっていただくような設計にはしておりますし、もしそこを悩むことがあれば、大学の方々に御相談いただければ対応するように我々、経産省もしていますので、その辺りは、我々もいろいろとニーズを聞きながら柔軟にやっていければなと思っております。
なにぶんこれ事例がまだないものですから、大学と企業の創意工夫をしっかり出していただいて、我々もそれに対応していくということで柔軟にやっていければと思ってございます。
【両角副部会長】 ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。佐久間委員、お願いします。
【佐久間委員】 佐久間です。よろしくお願いします。いや、実は定員のことについて伺いたかったんですけども、もう既に今お答えがあったので、もう聞くことはなくなってしまったんですが、ただ、大学、特に国立大学なんか定員管理が厳しいわけで、その一方でいろいろ大学も変革を求められている。そうすると、やはり学生定員を動かすということを考えざるを得ないですよね。そうすると、先ほど来出ていますけど、10年ということになってしまうと、そこら辺の縛りがどうなるかなというのは気になるところではございますが、特に新しく質問ありませんので、ここで失礼したいと思います。
【川上大学連携推進室長】 ありがとうございます。
【和田部会長】 それでは、西村委員、お願いします。
【西村委員】 もしかしたら間違ったこと聞くかもしれませんけれども、これはストレートに上がってくる学生を対象とする学部、大学院とかに設置するような形、そういう学生の対象、リカレント教育ではないんですけども、私たち地方大学にいると、企業の人材を結構スキルアップじゃなくて、かなり構造的に見なきゃいけないときがあって、修士課程、むしろ博士課程に来ていただいて、それでかなり考え方のレベルを上げるということをやっていて、それを面でやっているんです。地域全体で。
そうすると、地域全体から基金を集めて、そのお金を基に、地域の社会人材を定期的に入ってもらって変えていこうということをするときにこういうものが使えるのかどうか。学生の対象によっては、これ最初から社会人が言葉に入っていないので全く駄目であれば駄目かなと思ったんですけど、いかがでしょうかということを聞きたかったということです。
【川上大学連携推進室長】 ありがとうございます。全く問題ないと思っていまして、そこは大学と企業で話し合っていただいて、ストレートの学生を受け入れるようなカリキュラムにしているのか、社会人だけでも全然問題ないと思っています。下から3行目に書いていますけども、教員についても企業の社員の方を実務家教員として、あるいは研究員として大学に派遣いただいてもいいですし、その同じ行の後ろ、学位プログラムの学生として社員を受け入れていただいてもいいということなので、投資をされる、まさにその企業の社員の方を学生として派遣いただくことは結構ですし、ここには書いていないんですけども、もちろん投資する社員だけじゃなくて、社会人の方をほかの会社、あるいは地域から経営でやる、全くそこは柔軟にやっていただければいいかなと思います。全くそこは制約を置かず、やらせていただければと思ってございます。
【西村委員】 よく分かりました。ありがとうございます。
【和田部会長】 小野委員、お願いします。
【小野委員】 ありがとうございます。先ほど、想定する学生像について話があったかと思いますが、それに関連して一点お伺いします。研究が高度化する中で、大学において研究を担うのは研究者だけでなく、技術職員の役割もますます重要になっています。そのため、技術職員をどのように育成していくかは大きな課題だと認識しています。
一方で、大学だけでは十分な教育が難しい場合もあり、企業の役割は非常に大きいと考えられます。そこで、この枠組みが、産学連携のもとで技術者として活躍できる人材の育成に特化したカリキュラムとしても活用可能なのかという点について、教えていただければと思います。
【川上大学連携推進室長】 ありがとうございます。まさにそこは設計次第かなあと思っています。企業の皆さんに聞いても、共同研究をやるときに技術職員の方が少ないみたいなことを聞きますし、そうした方は企業でも活躍されている、というところで、そういうニーズに対応したコースをつくるということであれば、そういう設計をすれば、今おっしゃったようなところは対応できるかなあと思っております。これはもう本当に産学、大学と企業との話合いでどう設計するかに尽きるかなと思ってございます。いろんなニーズへの対応はできると思っています。
【和田部会長】 ありがとうございました。永井委員、お願いします。
【永井委員】 大変面白いといいますか興味深いプログラムでわくわくして聞いていたんですけれども、何となくイメージとして、国公立大学の予算とか経営の仕方というのはかなりルールベースでいっていますから、こういう形だと、国公立大学の中に私立大学の構造ができてしまう感じで受け取りました。実はそれが面白いなと思ったんですけども、そういうイメージで予算のルールなんかもかなり柔軟に動かせるという理解でよろしいんでしょうか。それとも国のお金を大半使うわけですから、国立大学のいろいろなルールに従って使いなさいというほうに寄っていくのかということを伺いたいということが1点と、国立大学のほうでは今、設備の共用化なんかがすごく進んでいるんです。コアファシリティー化が。独立した学位プログラムとなってきても、研究のときにはコアファシリティーをちゃんと使いましょうねと、そのときは企業もコアファシリティーの利用者として登録してくださいねみたいな理解でよろしいんでしょうか。以上です。
【川上大学連携推進室長】 全くおっしゃるとおりです。ファシリティーは幾らでも大学のほうに提供いただければ、企業はお金を払って使うのもいいですし、そこはもう全く制約なくやっていただけると思います。
前半の御質問なんですけれども、国立大学のいろんなルールがあるということでございますけども、基本的に定員とかは今の既存のルールに従っていただくということなんですけども、まさに国立大学の課題として、自由に使える資金がないというところで、例えば新たな大学院を設けるといったときにお金がないという、そういった声を聞かれますけど、まさにそこ、民間からの資金を導入することによって、今まで教育では民間の資金は活用されていなかった、寄附講座ぐらいだったんですけども、学位プログラムにも使っていただくことで、資金面については、私立大学と今おっしゃいましたけども、運営費交付金とは別の世界で新たなコースをつくっていただくということで、そこは今おっしゃったようなニーズにはマッチしているかなと思っております。お答えになっているでしょうか。
【和田部会長】 ありがとうございます。川上室長、大変分かりやすい御説明いただきまして、ありがとうございます。理解が深まりました。本当にありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【川上大学連携推進室長】 どうもありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
【和田部会長】 よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
それでは、続きまして、議題の(3)大学院の評価について議論を進めたいと思います。前回に引き続きまして、大学院評価について御議論をお願いいたします。まず、初めに事務局から学部段階の評価状況についての御説明をいただき、次いで大学院の新たな評価についても御説明いただきたいと思います。改めて論点の整理などをいただければと思います。それでは、石橋課長、恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございます。では、資料の3-1のほうから御説明をさせていただきます。時間の関係上、少し割愛しながら進めさせていただきます。
まず、資料の3-1の6ページ目を御覧いただければと思います。6ページ目で評価の流れについての全体像、これは学部を中心に書いておりますけれども、今このような整理で質保証システム部会のほうの議論が進んでいるということでおさらい的なものでございます。まず、大学は機関単位で新しい評価については評価の申請をしていただきまして、大学全体の評価と、ここ「学部ごとの」と書いてありますが、ここは今回、大学院部会の御議論では研究科ごとのというふうに置き換えて考えていただければと思います。
この評価について、次に、次のページ、資料の8ページ目を御覧いただければと思いますが、大学全体の評価では何を見るかというと、ここの3点でございまして、大学の組織の社会的信頼に関すること、この中には法令適合性が入ってまいります。2つ目、これまでの認証評価の中で大切にされてきた内部質保証のシステム、これを確認するということでございまして、それが2と3のところに入っているということでございます。これを大学全体で見た上で、研究科を見るというように考えていただければと思います。
10ページ目を御覧いただきますと、10ページ目には学部のほうですけれども、実は学部は4段階の検討ということをしておりまして、学部の中で水準に達していないものは要改善、水準に達しているところは1つ星ということで、そこからさらにいいところ、質向上に努めていらっしゃるところで、学生の成長につながる優れた取組を通じて高い教育成果が期待される学部が2つ星、実際に教育成果を上げている学部が3つ星という形で今、整理をしてはどうかというところになっております。
それから、少し飛ばしますけれども、最後のほう、ページでいきますと29ページを御覧いただければと思います。この辺りも先生方、気になっていらっしゃるところかと思うんですが、いろんな評価が実は重なっているのではないかという議論がありましたので、新たな評価制度の導入に合わせて、機関別認証評価と分野別認証評価については統合を図ってはどうかということと、今回、国立大学の、大学院の場合は国立大学が多いですので、現況分析については重複の解消を検討していくと、このようなことが学部のほうでは議論されているということをまず、御紹介させていただきたいと思います。
その上で、大学院のことについて、資料の3-2を御覧いただければと思います。資料の3-2、前回、この資料の前回バージョンを見ていただきまして、まず、各大学院の修了者に備えさせるべき能力は真ん中ではなくて一番上にあるべきだという御指摘がございまして、ごもっともでございましたので、それを上にもう一度書かせていただきました。学部と同様、質保証の観点と質向上の観点と分けて整理をしようということで、質保証の観点は、先ほど御説明したように大学全体で法令の適合性や内部質保証を確認しますので、それを確認するということはした上で、ここの基本的な観点の例で書かせていただいておりますが、先ほどの議論でも、DP、CP、AP等々ございましたけれども、大学院の場合は、学位論文を出すというところの体制であったりとか、その基準がちゃんとあるか、こういうところをチェックするということでとどめてはどうかというのが質保証の観点のところでございます。
その上で、質向上のほうですけれども、今、ここに視点の丸2、丸3、右下に書いてありますが、その説明のために次のページに先に行っていただきまして、2ページ目を御覧いただければと思いますが、質向上の観点の最終目標というのはまず、ここの一番上の評価の視点1というところですが、修了者が大学院で身につけた能力を生かして社会の多様なフィールドをリードしているかどうかということが一番重要かと思っております。その上で、評価視点の丸2というところが大学院で身につけた個々の能力が生かされていることのためにどういう取組が実際行われているかというところが評価の視点の丸2、その上で、下に書いてありますが、教育研究環境の整備というのを評価の視点の丸3としてはどうかということです。この下に、先ほど申し上げました法令適合性を含めた質保証というものがあると。このように整理してはどうかと思っておりまして、戻っていただいて恐縮ですが、1ページ目の下のところに、ここの質向上の中では、これは例でございますので、各大学で視点の丸2、視点の丸3に当たるものを出していただくということはどうかということで、例えば、博士前期課程の段階から1人の学生に対してトップレベルの研究者複数人で指導を実施しているとか、頭脳循環の中での留学支援があるとか、また、視点の丸3であれば、先生方が実際どれぐらい研究活動ができているのかというようなことも一つ、環境という意味では大事なのかなということとか、トップレベル研究拠点の中で学生が学べているか、こういうところがあり得るのかなと思っております。
具体的に3ページ目からは、どんなことを評価書に書いていただくかということで、これは全員のことを書いてほしいという意味ではなくて、例えば人数を絞って、こういうところが今年の、6年なら6年の代表的な方々ですということで、例えば修了者が大学で身につけた能力を生かして社会の多様なフィールドをリードしているかという評価の視点1であれば、実際、研究科のときにどういうことをやっていて、修了後の所属先で何をやっていて、研究者本人がどういうことを自己評価しているかというようなことをナラティブで書いていただくとその研究科の良さというのが出てくるのかなということで、準備をさせていただいたものでございます。全体像は参考情報として右側に書いてはどうかということです。
次のページが今度は評価の視点の丸2のところの実際の取組ということになりますけれども、国際頭脳循環の中で、研究者としての活躍するための国際性のために海外経験、本人がどう伸びて、国際協調にどう結びついたかとか、専門職大学であれば、どういうスキルが身についてというようなことがあるのかなということで、事例として4ページ目、書かせていただいております。
最後、5ページ目でございますが、これは教育環境のほうでございまして、実際、先生方の教育研究時間がなければ、大学院生がしっかりと学ぶということが難しいので、そのようなことを具体に、これは大学全体で取り組んでこられたものになると思いますけども、こういうことができるようになったとか、社会人学生学修支援のための何か環境整備を行われたかと、このような観点で整理をした質向上の良い取組をしていただいて、これを実際、評価機関に見てもらうと、このようなことではどうかということで、まずは事務局の案として整理をさせていただきました。
その中でもう一つ、今日御議論いただければと思っておりますのは、先ほど学部は4段階で評価をつけますというお話をさせていただきましたが、大学院の場合は、それを4のほうがいいのか、3という考え方もあるのか、この辺りもまた御意見賜れればありがたいなと思っております。
すみません、簡単ですが以上でございます。よろしくお願いいたします。
【和田部会長】 ありがとうございます。大変クリアに御説明いただきました。時間が押している中、大変恐縮でございます。前回の資料に比べてよりぐっとイメージがつかみやすく、具体的なものになってきているんじゃないかと思います。皆様方の議論のおかげだと思っています。特に論点と視点と、それから記載についての3つについて、より具体的な資料となっていると思います。
時間が少し押していて大変恐縮です。55分ぐらい目安、約30分ぐらいディスカッション時間を取りたいと思います。よろしくお願いいたします。それでは、いかがでしょうか。高橋委員、お願いします。
【高橋委員】 ありがとうございます。御説明大変よく分かりました。資料3-2のページ1と3辺りを見ながらコメントとさせていただきます。
資料、このページの一番上のグレーの部分というのは、次の次のページ、とても分かりやすい、3ページ目ですかね。ちょっと違った、ごめんなさい、1ページに戻っていただいて、一番上のグレーの部分は視点の丸1とイコールと思っていいですかね。
【石橋大学振興課長】 それでお願いいたします。
【高橋委員】 分かりました。そうすると非常に全体感がクリアになって、とてもいいと思います。
その上で、御説明に既にあった3ページ目のどういうことを情報として挙げてもらうかという例のところ、ここもとても分かりやすくて賛同いたします。特に御説明の中であったナラティブの記載というところはとても重要なことかと思います。というのは、例示が、そこまで頭が回らなくて恐縮なんですけれども、大きな目的が違ったときに、目的と手段は入れ替わる可能性があると思っています。そういう意味で、指標の例だけをいわゆるこちらからフォーマットとして提案して、それがどのくらいなんですかという程度問題に落とし込んでしまうと、目的と手段は大学の大きなプログラムの目標だとかによって変わってくる可能性があるということは現実に感じることも多々あるので、そういう意味では自由度を大学院側に持たすという意味で、ナラティブの記載は非常に重要かなと思いました。
以上がコメントです。以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、次に永井委員、お願いいたします。
【永井委員】 ありがとうございます。前回から引き続きすごく成長したというか、よくつくり込んでいただいて、とても大学側にとっては提出しやすい、準備しやすいし、これに基づいて何を重点化すべきかという考え方の整理にもつながると思っております。
お聞きしたいのは、これを提出した後、どのようなプロセスが予定されているのかということで、割と今までの方法とは変わるんじゃないかと思っているんですが、こうしたナラティブなことを記載して、うちの大学でこんなように頑張っています、こういういい例がありますというものを提出した後の対話といいますか、その後、何を想定していればいいのかということを教えていただきたいんですけれども。
【石橋大学振興課長】 部会長、今お答えして大丈夫ですか。
【和田部会長】 はい、よろしくお願いします。
【石橋大学振興課長】 永井委員、ありがとうございます。おっしゃっていただいた点ですけども、まず、すみません、全体像の説明が不十分でございました。今は機関別の場合は、大体7年で認証評価が行われております。これを6年という周期でやってはどうかというのが学部段階の議論では提言されておりまして、まず、これを例えば、A大学が全体としてこの年に認証評価を受けるというようにお決めいただきますと、まず、提出をしていただいて、その中に学部と研究科、それぞれの情報を出していただくということになります。そうすると評価機関側がそれをチェックさせていただきまして、今だとまさに現地でお話を聞くということも義務化されているかと思うんですけども、この辺りも非常によくやっていたり、ちゃんとやっているところは、あえてそこまでやらなくてもいいのかなという議論もありまして、むしろ気になるなと、要改善が必要なところとか、本当に非常にいい評価をしたいのでさらに確認をしようとか、そういうところは少し整理をした上で現地でお話を伺うということをセットしてはどうかというような議論になっておりまして、今、多分1年ぐらいで評価結果というのは出ているかなと思いますが、そこはこれから認証評価機関との御相談になるかなと思いますけれども、評価機関から実際の評価が各大学に戻りますときには、それぞれの学部ごとの評価と、それぞれの研究科ごとの評価が出て、当然、要改善ということがなければ、その機関としてはしっかりと、今でいう適合、不適合という言い方にされていますけども、適合が取れると。そういう流れになるというイメージでございます。
【永井委員】 ありがとうございます。大学院の評価がこのように整備されると、対話の質が変わってくると思うので、評価機関側に今回の肝の部分をしっかり理解していただくことも大事かなと思いました。評価側は、従来こうやっていたというところを引きずる傾向もあると思いますので、今回こういう評価方式に変えたことの趣旨はこうこうこうでというところのやり取りと徹底をすごく期待しております。どうぞよろしくお願いします。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございました。了解いたしました。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、平松委員、お願いします。
【平松委員】 丁寧な御説明ありがとうございました。これまでの議論が反映されて、より評価の目的や項目、もしくは記載のイメージなど、よりクリアになってきたと思います。まずは、この形で走りながら、そして運用する中で、よりよいものにしていければいいのかなという印象を受けました。データプラットフォームを活用するというページがあったかと思うんですが、その中で情報も公表していくという記載があって、すごくいいことだと思います。産業界の目線での期待感でいいますと、これまであまり一元的に各大学、大学院の取組や、どういう考えで教育をしていくのかというようなことをまとめて見られるようなものがなかったので、よりこれを活用していくという意味でいうと、評価機関の人が評価をしやすいような見せ方、項目の立て方という観点に加えて、様々な多様なステークホルダー、例えば民間企業であるとか、これから大学に進学する人であったり保護者であったり、もしくは大学関係者がほかで何かよい取組をしていないか、自分たちがそこから学べないかというような、そういう人たちにとっても有益なプラットフォームになるといいなと思います。
それで、各大学が切磋琢磨をする、もしくは、大学と企業との共同研究なり人材交流なりが活性化するというように活用されると、大きな目的に向けて有意義なものになると思います。そういう観点で言いますと、データプラットフォームの活用で負担軽減というのが主眼でありますが、一応生成AIの活用も言及はされているんですが、先程のような観点で申しますと、生成AIを活用することによって、このデータをプラットフォームに入力される方、もしくは元データをつくられた方々が気づいていなかったような、そこの大学がアピールすべきものであったりユニークなことであったりということが、もっとAIを使って様々な気づきを得ることもできるのかなということも思いまして、評価のその先を見据えて、どういうところに良い効果をもたらしていくのかという観点で、ぜひ御検討いただきたいと思います。ありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。これも段階別評価となりますし、先ほど最後、石橋課長言われたように、大学院の場合も3段階でいくのか、4段階でいくのか、あるいはそういったものは必要ないのか、どういうふうにしていくのかというような議論も併せてできればと思っていますので、よろしくお願いいたします。
それでは、小野委員、よろしくお願いします。
【小野委員】 発表ありがとうございます。感想になりますが、スライド5枚目にあった教育研究活動時間割合の改善については非常に重要な視点だと感じました。一方で、その割合をどうやって算出するのかという点では、現場の負担も想像されるところです。また、各教員がどれだけ研究や教育にエフォートを割くかという点については、本来ならば質向上というよりも質保証に入るべき項目ではないかという印象も受けました。2023年に日本学術会議若手アカデミーから見解を発出していますが、現状では、研究に十分なエフォートを確保することが難しく、残りの時間で研究や教育を行なっているという本末転倒な状況を指摘しています。本来的には、大学は各教員の研究エフォート、教育エフォートを適切に確保し、それを圧迫する業務については見直しや専門人材の配置によって対応すべきです。そうした観点からも、研究時間、教育時間の確保は、将来的には質保証の枠組みで扱うべきではないかと考え、コメントさせていただきました。
【和田部会長】 ありがとうございます。今の点、どうでしょうか。質保証と質向上、特に研究時間、活動時間について、もし何か石橋課長のほうでコメントがあれば、ここで承りたいと思いますけど、いかがでしょうか。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございます。これを質保証に入れてしまうと要改善と出てしまうとなかなか大変かなというところが今はございましたので、一旦これが一つの、これが全部の研究科に必ず出してほしいというよりは、こういう頑張りをしていらっしゃるところはこういう出し方もあるのかなということで示させていただきました。
たしか我々のほうの科政研の調査でFTE(Full-Time Equivalent)に換算して、どういうふうに先生方の教育、研究エフォートを整理するかというようなこともさせていただいているかと思いますので、ここは評価の中の各大学の責任として整理をしたほうがいいのか、まだ多分社会全体としてもやっていかなきゃいけないことだと思うので、その辺りをどのタイミングで、今後、質保証に入れていくというのは絶対あるべきだと思うんですけども、どのタイミングでそういう決断をするのかというのを、また委員会の先生方と御議論させていただければなと思っているところです。
あと、すみません、先ほど平松委員からおっしゃっていただきましたデータのところも、まさにおっしゃるとおりでございまして、今回データプラットフォームは入力もそうですけど、公表も一元化できるようにということで、多分御覧になってくださっている資料3-1の25ページに、一応こういう見せ方はどうかみたいな事例は出させていただいているんですけども、また、この辺りもぜひこんなやり方だと分かりやすいというようなところとか、企業からも見やすいというような御意見も、また引き続き賜れば大変ありがたいなと思っております。
部会長、以上でございます。よろしくお願いいたします。
【和田部会長】 ありがとうございます。今お話ありましたように、学位による質保証がある、その上で質の向上、加点的なところという観点でここに書いたのだと思います。それでは、加藤委員、お願いいたします。
【加藤委員】 御説明ありがとうございました。質問というか、コメントというか、先ほど御説明の中で、ナラティブのような形で書いていくということになると、これ大学側、負担が物すごく大きいかと思います。最初の認証評価、2回目の認証評価まで、結構文章を書くような形になっていましたよね。第3クールから、そこから、ちょっと根拠資料があるかみたいなところで提出していくような形になったかと思うんですけれども、その辺りのところは全てナラティブで書くのかというのが一つ質問でございます。
それから2つ目のコメントといいますか、評価機関によってやり方が結構違う、私どもの大学は学位授与機構で受けて、短期大学のほうは短期大学基準協会で受けております。そうなると2つの機関の事前相談があったり、そうではなかったりとか、その辺りのところは評価機関側のほうは共通されるのかというところが質問でございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。ナラティブのところはプラスの要素と、それによる時間的な負担というところと、それをどうバランスを取るかという御質問だったような気がします。今の点、いかがでしょうか。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございます。私がナラティブと御説明したのは、まさに資料3-2の3ページ目のところで、学生さんの変化というものをどこまで書いていくかというところだったんですけども、ここは我々からすると本当にアピールの一番ポイントなのかなと思いましたので、全員の分というよりは、非常に活躍されている方の代表例を書いていただくみたいなところであれば、大学もPRポイントなので書いていただけるのかなということでこの事例を示させていただきましたので、全部をこういうふうにしてほしいということよりも、特に質向上は、先ほど部会長もおっしゃっていただきましたけれども、良い点、自分たちがアピールしたい点、ここだったら評価が高いであろうと思う点を書いていただくというようなイメージになりますので、そのようなところで注力できると、よりこの大学院の良さというのが見えるのかなと思って今、御提案させていただいているところです。
おっしゃっていただいたとおり負担軽減も重要でございますので、それとしっかりとバランスを取りたいなと思っていますが、学生の顔が見えているかというのが結構大学院の場合は非常に重要かなと思っておりましたので、このような書き方をさせていただきました。
加藤委員御指摘の評価機関が今、機関別であれば5つございます。今回、学部も大学院も同様ですけれども、各評価機関には目線の合わせ、どういう評価指標でやるのか、評価基準をどうするのかという目線合わせは当然のことながら、どこで受けても一緒という部分をつくっていただかなきゃいけないのが今回の新たな評価の肝の一つでございますので、そういう意味では、どういう手続でどういうことをするかというのは、それぞれの評価機関と御相談をしながらですけれども、できる限りそこをそろえる形で、ここに行ったら違ったみたいなことがないようにはしたいなと思っております。
以上でございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。今、大変大事な議論が進んでいると思います。これは評価のための評価にならないようにしなきゃもちろんいけませんし、全体のレベルを上げるということが一つ大きなポイントと思います。そのレベルを上げながら、かつ負担もできるだけ軽減をしていく。これの両立をいかにさせるかというところが議論の一つの大きなポイントになると思います。今回のように、全体の加点というか、プラスの要素をどうやって入れ込んでいくのかというのも含めて御議論いただければと思います。
それでは、吉原委員、お願いします。
【吉原委員】 非常に内容が分かりやすくなりました。どうもありがとうございました。先ほどもちょっと話が出ておりましたが、評価をどのように使うかというところで、最終目標が「修了者が大学院で身につけた能力を生かして、社会の多様なフィールドをリードしている」というようなことであれば、先ほどから出ている評価が目標になってしまった場合には、これを実現できないなと思っておりまして、自発的に評価項目でないところまで含めてナラティブに書けるような質向上を図らなければならないと思います。
そうすると、それらの結果が、先ほど平松委員のところでも出てきましたけど、公表されるといっても、文部科学省と大学が公表するだけだと世の中にはなかなか伝わらないということになり、そうすると今言ったような自発的に向上を図るというサイクルが回らないように感じます。ですので、例えば学生であるとか企業等にインパクトを与えるような就活サイトを運営している会社、それらの企業とも、例えば評価結果をどのように使っていくか、それによって各大学の取組をどういうふうに伝えていくかというようなことを考えていくと、そういうことによって、質評価が広報ツールにもなり、大学の良い取組がどんどん社会に伝わって、良いサイクルが回るというようになるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうかという提案です。
【和田部会長】 ありがとうございます。公表、共有とか、あるいはPDCAサイクルの中に回す一つの大きな手段であるということで考えていこうという話だったと思います。ここでお答えになりますか。
【石橋大学振興課長】 部会長、もしよろしければお時間もあるかと思いますので、最後まとめさせていただいてよろしければ、そのようにさせていただきます。
【和田部会長】 ありがとうございます。少し時間も押しているようですので、大変恐縮ではございますけど、コンパクトにできればと思います。西村委員、お願いします。
【西村委員】 ありがとうございます。ちょっと何か的外れな質問かも分からないのですが、質保証といっても、いろんな能力が大学院だと書いてある場合に、平均的な質保証なのか、最低保証なのか、例えばトップの保証なのかというのが、多分、研究室によってつくり方も違ってくるし、出てくる学生の個性も違ってくると思う、特性ですね。というときに、この書き方で本当に評価ができるのかなと思います。ナラティブな表現が出てくると、とても優れた学生についてはそういうふうになっているけれども、全体をならしてみると最低はこのぐらいのレベルになっています、ということがもしかして起こるのかなということが想像されます。そうなってくると、もう1点、気になるのは、教員の質保証みたいなことはどこかに入れなくていいのかということです。研究室によって多分、結構な差が出てくるのが研究科だとしたときに、どういうふうにして研究室の質を整えているのかということの質保証みたいな、教育側の質保証というのはしなくていいのかというのは気になったので、また後で、そういうことについて教えていただければと思います。
【和田部会長】 ありがとうございます。これは先生いつも御指摘をいただいている大切な内容だと思います。確かにそちらの質保証をどうするのかというのは大きな問題かと思います。ありがとうございます。
それでは、佐久間委員、よろしくお願いします。
【佐久間委員】 よろしくお願いします。何段階で評価するかという話がありましたが、これは結局、何を目標に評価するかということにかかっていると思うんですよね。例えば全体の底上げということであれば、必ずしも4段階にする必要はないと思います。それは4段階にすると、先ほど来、話題になっていますが、とにかく何か書かなきゃいけないということになって、大学側が結構苦慮する部分もあると思うんです。また、大学院と一口に言っても、特に文系を中心に規模が小さい大学院もあるので、結構4段階にすると、かなり評価が固定してしまう懸念もあるので、そういう意味では、もし全体の底上げが目的だったら3段階でもいいのかなという気もします。
一方で、教育をとにかくレベルアップしたいというので4段階という判断もあるかもしれませんけど、今のところ、私としては3段階でいいのではないかと思っております。
【和田部会長】 ありがとうございます。どういう目的で段階評価をするのか、大きく何を目標とするのかによって変わるかもしれないという御意見だったと思います。ありがとうございます。
それでは、大薗委員、お願いします。
【大薗委員】 ありがとうございます。資料3-2の最後のページで、各論なコメントで申し訳ないんですけれども、上の「教員の教育研究活動時間の確保」について。問題としては、大変重要なことだと思うんですけれども、これを何%という形でデータを取るのはほぼ不可能で、無理やり集めたとしてもあまり信頼性のあるデータにならないのではないかと心配をします。
事例のほうでビザ手続の事例が書かれていますけれども、教員がこれまで負担していたアドミの作業をこのように効率化したとか、具体的な取組を御報告することはできると思います。教育のほうは何コマ持っていますかとか、あるいは論文何本指導していますかで分かると思いますが、研究時間とアドミの負担は、こういう形で聞かれてしまうと、信頼性のないデータが集まることにならないかと心配をしております。横並びで比較しにくくなりますが、各大学が問題意識に基づいて、自分たちの課題と思っていることへの具体的な改善の取組とその効果を御報告するような形で対応できればありがたいかなと思いました。以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。また、この辺りも少し考えながら次の議論に行きたいと思います。ありがとうございます。
それでは、塚本委員、お願いします。
【塚本委員】 ありがとうございます。1分ぐらいで簡単に質問させていただきます。資料3-1の29ページにある「重複をできるだけ解消するというお話」、非常にいいお話だなと思いながら伺っておりました。一つ質問がございます。グローバルのさまざまな認証がすでにあって、各大学でも取られているという状況だと認識しております。例えば経営学部や、MBAとかで取られているAACSBなどがあると思いますが、そういったものは、加点ポイントとかにしていくのか、それとも相互認証みたいにしていくのか、はたまた評価項目の何かに関しては免除しますというようにしていくのか、どういうような方向性で今、御検討中かというのが分かれば教えてください。以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。最後に石橋課長お話しする内容、少し増えてきましたけども、すみませんがよろしくお願いいたします。
それでは、大竹委員、お願いします。
【大竹委員】 ありがとうございます。私もショートに。ナラティブで記述するというのは一定の負担はあるかもしれませんけれども、評価方法としては優れているかなと思いましたし、石橋課長がおっしゃっていた評価機関で統一するという部分は非常に重要だなと思いましたので、そこは期待したいと思います。
専門職はともかくとして、修士と博士というのをどう評価するのかなというのは、私が分かっていないだけかもしれませんけど、修士と博士と分割して評価していくのか、研究科として一緒に評価していくのかというところは後で教えていただきたいなということで手を挙げました。以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。皆様方に急がせてしまって大変恐れ入ります。まだまだきっと御質問があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
私も評価というときには基準というのも一つ重要だと思っています。それが相対基準、つまり大学にとって伸びていくという相対基準と、ある程度の絶対基準みたいなのがあるんじゃないかと思って伺っていました。それが先ほどの評価機関によっての違い、目合せ、標準化にも当然関係してきます。そこに、前回、杉村先生からも教えていただいた国際基準をどうやって入れていくのかというところも、一つ、今回も視点として重要なんじゃないかということを申し上げておきたいと思っていました。ありがとうございます。
それでは、よろしいでしょうか。まだ御発言いただいていない先生もいらっしゃるかと思いますが、どうでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、石橋課長、いかがでしょうか。
【石橋大学振興課長】 すみません、まとめてになりますが、御質問お答えさせていただければと思います。
まず、吉原委員からいただきました公表の仕方はおっしゃるとおり、企業とか大学、学生さんにとって意味のあるものにしていかなきゃいけないなと思っておりまして、評価については、実はいろんな媒体が気にしてくれているところもあります。どういうふうに今後タッグを組みながら、いい形で公表し、大学にとってもこの評価を受けたからこういういいことがあったと思ってもらえるような、そういう新たな評価にしたいなと思っております。
それから、西村先生おっしゃってくださったことは我々も悩んでいるところの一つでございまして、今回、質保証、質向上で、質保証は正直最低限のちゃんと基準があって、学位が授与されていますかということを確認するのが大枠になりますので、お一人お一人の学生さんがどれだけ伸びたかというところに行きますと、今度は質向上のところでナラティブに書いたらどうですかという今日の御提案になったわけですが、全体の中で、例えば5人出してくださいというと、残り例えばあと5人はどうなったという話になるよねというのが先ほどの御指摘だったかなと思っております。
全体的な修了率とか就職、その先の進路をどうなさいましたかというようなことは書いていただこうかと思っているんですけれども、ここが、この程度というか、こういうところになるというところについて、先生方がそれでいいとおっしゃっていただけるのか、いや、それだとやはり不十分だよね、もうちょっとこういうところを確認したほうがいいよねというようなことがコメントであるかどうか、また教えていただければと思いますし、教員も同じでございまして、学部のほうは、教員が集団としてしっかりと質保証されているかというのを確認するという項目が入っております。ただ、大学院の場合はもう研究指導が基本になりますので、学位が出るということは、それも保証されていると思いたいというところで今回整理をさせていただいておりますが、これも不十分ということであれば、その項目を足すか、足さないかという御議論になるかなと思っております。
それから、佐久間委員、ありがとうございます。3段階、4段階、コメントいただけましたので、大変ありがたかったなと思っておりまして、我々もここは今フラットに考えておりまして、佐久間委員おっしゃってくださったように、いいところはきちんとあぶり出すということであれば、3段階でも十分なのかなと思っておりまして、むしろ成果のところは論文が出ているというところで一つの成果にはなっているかなと思っていまして、学部教育とは、そこは差がつけられてもいいのかなと思っておりましたので、ここもまた、最終的には大学院部会の御議論の総意ということをいただければと思いますが、3段階も一つの選択肢として思っているというところでございます。
それから、大薗委員からいただきましたデータの重荷というのは、これは私も自分のチームと一緒に議論をしながら、これを書くと結構先生方からそういう反応があるんじゃないかなと思っていたところでしたので、やはりというところなんですけども、このために無理なことをしていただく必要は全然ないと思っておりまして、これは一例として書かせていただきましたので、この実際のアウトカムの割り出し方というのはほかのやり方もあるかなと思っておりまして、一方で教育環境のところでどういうことをやっていただいて、どういう成果が出たら、それはまさに質向上の良い取組だと捉えればいいのかというのは、各大学の大学院のお考えがむしろ出てきて、それが一つの土台になっていけばいいのかなとも思っておりますので、これにこだわっているものではないということを申し上げさせていただければと思っております。
それから、塚本委員、それから最後の和田部会長からも国際の標準をどうするかというのが御指摘だったかと思っておりまして、我々もここ今、今の分野別で評価機関のところとか、あとまた、国際認証を取っていらっしゃるようなところもしっかりと議論させていただいておりまして、代替可能なものは代替してもいいという考え方があるのかなと思っております。特に国際の部分は、まさに学修成果とかアウトカムを非常に大事にして評価してくださっている基準が多いのかなと思っておりますので、今回、我々が目指しているものと一致すれば、その評価を受けていただいたものをもって大学院の評価に置き換えるということもあり得るかなと思っておりますが、ここは詳細、それぞれの分野と御相談をさせていただければと思っているところでございます。
それから、大竹委員からいただきました今、研究科をまるっと申し上げておりますので、修士と博士を分けて御議論していないという状況でございまして、今回も研究科をMとDで分けるとなりますと非常に煩雑になるかなと思っておりましたので、一旦研究科全体で評価をし、恐らく学位なり、修士であれば学位というよりは、論文というよりは研究課題をされている場合もあるかと思いますが、いずれにしても学位を出すための仕組みがちゃんとあるかを質保証させていただいて、質向上の取組は、MでもDでも構いませんので、ここはうちの売りだということをしっかりと出していただいて、それをもって評価するということではどうかなというのが今の提案の趣旨でございます。
すみません、全部お答えできたか分かりませんが、一旦部会長お返しいたします。
【和田部会長】 非常に網羅して、しかもクリアカットにポイントを押さえられている御回答だったと思って伺っておりました。これはやはり大学院でいかにいい人材を育成していくのか、その方が国内外の社会で、いかに活躍をしていくのか、そこが大きなポイントなんだと私も思います。そのための質向上だと思います。ですので、質向上のための評価が、手段と目的が混乱しないように、できるだけ負担感も少なく、より高い質の向上につながるようなものに、皆様方と一緒に議論できればと思っております。よろしくお願いいたします。
また、学部の評価の議論が先行して進んでおります。先ほど来、御説明いただいた内容です。その議論を見ながら、大学院での評価の論点整理を進めてまいりたいと思いますので、引き続き議論を深めていきたいと思います。こちらも併せてよろしくお願いをいたします。
また、事務局におかれては恐れ入りますが、今の内容をまた、よりブラッシュアップした形で次回お示しいただければありがたいなと思います。
全体を通じて何かコメントございますでしょうか。よろしいでしょうか。先生方に、最後、急がせてしまって大変恐縮でございます。短い質問時間で、まだまだ御質問されたかった先生いらっしゃるんじゃないかと思いますけど、大丈夫でしょうか。よろしいでしょうか。皆様、さりげなくうなずいていただいておりますので、ここで事務局にお返ししたいと思います。よろしくお願いいたします。
【永見大学院振興専門官】 ありがとうございます。本日も活発な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。本日の議事内容を含めて何かお気づきの点ですとか足りなかった点等ございましたらば、改めて後日、事務局までメール等で結構ですので、御連絡をいただければと思います。
次回、第125回でございますけれども、日程等、現在調整してございますので、また、改めて御連絡をさせていただきます。
以上でございます。ありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、会議を終わりたいと思います。本日も活発な御質疑、御討議ありがとうございました。
―― 了 ――
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