令和7年12月8日(月曜日)15時00分~17時00分
WEB会議
(部会長) 和田隆志部会長
(副部会長) 両角亜希子副部会長
(臨時委員) 伊藤毅、大薗恵美、大竹尚登、小野悠、加藤映子、北弘志、佐久間淳一、杉村美紀、高橋真木子、塚本恵、永井由佳里、西村訓弘、平松浩樹、横山広美、吉原拓也の各委員
(事務局)石橋大学振興課長他
【和田部会長】 それでは、お集まりいただきまして、ありがとうございます。所定の時間になりましたので、第122回大学院部会を開催したいと思います。本当に御多用の中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
それでは初めに、事務局のほうから、会議に当たりましての連絡事項をよろしくお願いします。
【永見大学院振興専門官】 失礼いたします。まず、本日の出欠状況でございます。本日は、飯田委員から御欠席との連絡を頂戴してございます。
それから続きまして、議事に入る前の事務連絡、連絡事項についてお伝えをいたします。本会議は、Zoomによりますウェブ会議として開催いたします。ウェブ会議を円滑に行う観点から、御発言の際には挙手ボタンを押していただき、部会長から指名をされましたら、お名前をおっしゃっていただき御発言をいただきますようお願いいたします。また、発言時以外はマイクをミュートにしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
資料につきましては、議事次第に記載のとおりでございます。事前にメールにてお送りをしてございます。
事務局からは以上でございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、議事に入りたいと思います。
本日の議事は、御案内のとおり、121回に続きまして、大学院の新たな評価についてでございます。本日は、初めに、各分野、大学の形態あるいは課程における学位授与審査の状況、また、能力の可視化の方法などにつきまして、4名の委員の先生方に御説明をいただきたいと思います。資料を御準備いただきまして、誠にありがとうございました。人社系のお立場から佐久間委員、理工系のお立場から小野委員、大学院のお立場から永井委員、さらに、専門職大学院のお立場から大薗委員からお話をいただきたいと思います。
4名の先生から順番に御説明をいただきます。その後に、具体的な論点を整理していきたいと思います。前回同様、遠藤専門職大学院室長より、先行している専門職大学院の評価事例につきまして、より具体の内容について御説明いただきたいと思っております。そしてさらに、前回議論を踏まえた今後の論点につきまして、石橋大学振興課長より御説明をいただければと思っております。
全ての御発表、また、御説明が終わった後にまとめて質疑応答、意見交換を行いたいと思いますので、よろしく御協力のほどお願いいたします。
それでは初めに、人社系のお立場から佐久間委員、御説明をよろしくお願いいたします。
【佐久間委員】 よろしくお願いいたします。ほかの方の資料に比べると文字ばかりで、また、名古屋大学の人文学研究科の紹介を割愛しておりますが、大変申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、大学院教育の質の向上に向けた人社系の取組ということで発表させていただきます。
早速、次のスライドに進んでください。まず、これから申し上げる取組は、決して現時点で名古屋大学でできているというわけではございませんので、そのことを最初にお断わりしたいと思います。
その上で、それではどういう取組が考えられるかということになりますけれども、あまり大変なことをやろうとしても、それはそれで無理が生じてしまうということになりかねませんので、現状を踏まえ、現実的な線でお話しさせていただければと思っております。
なお、教育の質の向上と言うからには、何を教えるかということも重要な論点です。名古屋大学でも、このスライドに書きましたように、例えばプロフェッショナル・リテラシー教育を実施しています。これはいわゆるトランスファラブルスキルに相当するものですけれども、ただ、そういう授業を実施したからといって、学生がスキルを身につけたどうかは別の問題ですので、やはり学生が身につけた能力の可視化ということは必要になってきます。ですので、本発表では主に学生の能力を可視化するための取組という観点からお話ししたいと思います。
それでは、次のスライドをお願いします。さて、この能力の可視化なんですけれども、具体的にどうすればそれができるかというが問題になります。大学院の場合、当然学生は学位論文を提出し、それが合格すれば課程を修了することになります。ですから、学位審査の段階で一定の評価はされている。つまり、学位審査は課程における学修の達成度の評価であって、学生の能力の可視化になっていると言うことはできるかもしれません。
ただ、学位論文はもちろん一定の水準をクリアしているわけですけれども、出来のよしあしはどうしてもあります。そのときにその出来栄えの差は結局学生の能力の差なんだということで片づけてしまいがちですけれども、もっとうまく指導すればもっと良い学位論文になったかもしれないわけですね。いずれにせよ、論文を丸ごと評価しただけでは、学生が身につけるべき個々の能力という観点から、学修のプロセスにどういう課題があったのか、教育や研究指導にどういう改善の余地があるのかを明確にすることはできないという限界があると思います。
それでは、次のスライドをお願いします。こうしたことを的確に評価するためには、学修の達成度を評価することはもちろん大事なんですけれども、学生の能力の伸び、ここでは仮に伸長度といっているわけですが、この伸長度を評価する必要もあるのではないかと思います。ただ、それをやるためには、まず、学生が身につけるべき能力を明確にしなければなりません。そして、それぞれの能力を身につけるためのプロセスとして、個々の授業や研究指導がどういう役割を担っているのかについて、教員と学生が共通認識を持つ必要もあると思います。その上で、学修過程の要所要所で個々の能力を測定し、その結果を学生、教員双方にフィードバックすることでさらなる能力の向上につなげていくことが大切だと思います。
それでは、次のスライドをお願いします。能力の伸長度評価を行うための具体的な方法なんですけれども、もちろん身につけるべき能力は授業を通しても伸びていくものなので、個々の授業において伸長度評価を行うということも考えられます。別にそれはやってはいけないということではないですが、ただ、個々の授業に関しては、成績という形で身につけるべき能力の達成度を評価しているということもございますので、この発表では、論文執筆プロセスを利用して伸長度評価を行ってはどうかということを申し上げたいと思います。
大学によってあるいは分野によっても異なるかもしれませんけれども、文系の場合、学位論文執筆に向けて、段階的な研究指導体制を取っているところが多いのではないかと思います。この段階的な研究指導の各段階では、学生に論文執筆に向けた研究の進捗状況を報告させ、それに対して指導教員がコメントし、必要に応じて軌道修正も図りながら研究を次の段階に進めて、学位論文の準備をする、こうしたプロセスが段階的な研究指導体制ということになります。
なお、この学位論文執筆に向けた研究指導体制につきましては、以前この大学院部会で人社系の大学院の研究指導の在り方が問題になった際に、指導教員と学生が例えば月1回しか顔を合わせないなんて考えられない、そんなことでは研究指導をしているとは言えないのではないかという話もあったわけですけれども、ただ、そこら辺は、理系の研究室のように指導教員と学生が毎日のように顔を合わせるという環境からすると考えられないことかもしれませんが、人社系の場合、学生が、指導教員の研究とは別に研究室の外で個々に独立して研究を進めているというスタイルが主流であるということから考えれば、研究指導の在り方に改善の余地はあるにせよ、先ほど述べた段階的な研究指導体制というのは、実態に合った、それなりに合理性のある研究指導の在り方ではないかと思います。そうであるならば、それも活用して、達成度だけではなく伸長度評価も行っていければいいのではないでしょうか。
ということで、ここまでをまとめますと、次のスライドになりますが、能力の可視化には、達成度評価と伸長度評価の双方が必要なのではないか。このうち、特に伸長度評価については、学位論文執筆過程における研究指導の各段階で測定を行い、次の段階との比較で能力の伸びを把握するというのが、それほど無理なく実行できる方法なのではないかということでございます。
それでは、次のスライドをお願いします。このスライドには、段階的研究指導体制を活用した伸長度評価の具体的な方法が書いてあるわけですけれども、実際、今これが実施できているわけではありませんので、あくまでも案ということになります。伸長度評価に当たっては、まずはもちろん測定したい能力を明確にする必要がありますが、その上で、その能力が身についているかどうか、学生には自己評価するように求めます。他方、指導教員の側は、学生が各段階で行う研究発表や面談等に基づき、ルーブリック評価を行ってはどうかということです。そして、これを学位審査の段階まで繰り返すということが基本となります。
ただ、これは人社系の研究指導の問題点でもあるわけですけれども、どうしても主たる指導教員と学生が一対一の関係になりやすいということがあるわけです。それが場合によっては人間関係のトラブルにつながったりすることもあるわけなので、伸長度評価においても、可能な範囲で指導教員以外の第三者が関わる余地があったほうがよいように思います。具体的な方法まではまだ考えられていませんけれども、ここに面接による聞き取りと書いたのはそういう趣旨になります。
スライドの下のほうには、段階的な研究指導といった場合の名古屋大学人文学研究科における博士前期課程及び博士後期課程の各段階を示しております。
それでは、次のスライドをお願いします。さて、仮にこのような伸長度評価を実施するとして、実施に当たっての課題にはどのようなものが考えられるかということです。このスライドにいろいろ挙げてありますけれども、まずは、既存の段階的研究指導体制を利用しているとはいっても、実際に評価を行おうとすれば、現状よりはどうしても手間がかかることになってしまいます。それは確かなんですけれども、ただ、このことは、よりよい大学院教育を目指すからにはやむを得ないと考えないといけないと思います。
一方、2点目、これは上でも述べたように、能力を可視化するにはそもそも身につけるべき能力を明確化しなければいけないんですけれども、そのときに、大学院レベルになるとなかなか難しい点があるかもしれません。また、当然身につけるべき能力は、各大学院研究科のディプロマ・ポリシーと関係しているわけですけれども、このディプロマ・ポリシーの文言が十分具体的とは言えない場合も少なくないので、そういった場合むしろディプロマ・ポリシーの再検討が必要なのかもしれませんけれども、いずれにしても、この身につけるべき能力をいかに明確化し、その能力を身につけるための方法に関して、学生と教員の双方がどうすれば共通理解を持つことができるのかというのが大きな課題の一つだと思います。
また、最後に挙げている点は、先ほども申し上げた第三者による聞き取りに関する課題なんですけれども、ここで言う第三者は、当該学生が所属する研究室の直接的な事情に通じているわけではないので、研究科全体の大学院教育や研究指導の課題といった観点から聞き取りに臨まないと聞き取りの意味がなくなってしまいかねないわけですが、ただその一方で、それをするにはそれなりの準備なり負担なりが生じるので、それとの兼ね合いで聞き取り調査をどの範囲で行うかは検討する必要があると思います。
それでは、次のスライドをお願いします。ここまでの話は、学生が在学中に行う達成度評価や伸長度評価ですけれども、学生が身につけるべき能力は当然大学院の人材養成目的を反映しているわけですから、実際に学生が身につけた能力を生かして社会で活躍できているかどうかについても検証する必要があります。その検証のためには、課程修了後数年後に学生本人及び就職先の上長に依頼してアンケート調査等を行うことが考えられます。
これも実際に行うとなると、そもそも学生と連絡がつかずに回収率が低くなって、調査結果の信頼性が下がってしまうというプラクティカルな課題がありますし、また、特に人文系の場合は、アカデミア以外に就職している場合、大学院で学んだ専門性と今の職場で求められている能力がストレートに対応していないこともありますので、質問を工夫する必要があるかもしれません。そのような課題はありますけれども、修了生アンケート自体は必要な取組だと思います。
私からの発表は以上なんですけれども、次のスライドに参考までに名古屋大学人文学研究科のディプロマ・ポリシーを挙げておきました。それなりに立派なことが書かれているとは思いますけれども、例えば前期課程の最後にある「社会に人文学の叡智を還元できる力」などは、これを在学中にどうやって測るんだろうというのはちょっと考えないといけません。また、後期課程のほうには、いきなり「自律した研究者として」と書いてあり、研究者にならない場合はどうするんだという問題もあります。
また、最後のスライドは、昨年度、名古屋大学が、修了から3年たったすべての研究科の修了生に対して行ったアンケート調査の結果を示しています。これを見ると項目ごとに結構差がついているので、回答する側は決して適当に答えているわけではなく、それなりにちゃんと意味のある調査になっているのではないかと思います。
個々の項目を見ると、専門分野の知識・技能が身についたという項目が吹き出しで特記してあるんですけれども、これはさすがに当たり前と言えば当たり前で、身に付いたという回答が100%でないことの方がむしろ少し残念かもしれません。
また、下のほうの項目は、企画力とかリーダーシップとか、あるいは国際性なんかもそうなんですけれども、これはかなり低い数字になっていて、これが修了生としては正直なところなのかもしれませんが、これはこれで少し大学としては反省材料かなと思っているところでございます。
ということで、大変雑駁な話で申し訳なかったですけれども、私からの発表は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
【和田部会長】 佐久間委員、ありがとうございました。大変分かりやすい御説明だったと思います。
続きまして、理工系のお立場から、小野委員、よろしくお願いいたします。
【小野委員】 よろしくお願いいたします。「豊橋技術科学大学大学院における質向上・質保証について」発表をさせていただきます。
質保証の前に、本学がどのような大学であるかを最初に御紹介させていただきたいと思います。本学は、来年開学50周年を迎える国立大学で、5課程からなる工学部のみを有する工学系単科大学です。学生数は約2、000名で、右のグラフにありますように、学部生と大学院生がおよそ半々の構成となっています。下に示したカリキュラムのとおり、主に高専卒業生を3年次に受け入れる大学として設立されました。学部は1学年440名で、そのうち80名が1年次に入学し、3年次に高専生が編入し、全員がそろう形となっています。さらに、学部生卒業生の約8割が大学院へ進学するという流れになっています。
高専は全国各地にありますので、このように全国から学生が集まる大学となっています。
これは本学の歴史的な経緯です。高専制度が出来たのは1960年代初めで、当初は 5年間で完結する教育と考えられていましたが、その後、より高度な技術を学ぶ場の必要性が議論され、高専教育に接続する大学の必要性が指摘されるようになりました。こうした議論を経て、1976年に豊橋と長岡にそれぞれ1大学ずつ設立されました。
当初の検討における基本構想では、実践的・創造的な能力を備えた指導的技術者の養成という社会的要請に応えるため、実践的技術の開発を主眼とした教育研究を行う大学院に重点を置いた工学系の新しい教育機関が必要であるとされています。また、理論的基礎とともに実験・実習を重視する高専教育に接続する教育内容の重要性も示されています。
こうした構想の下で、具体的な教育内容として、専攻科目では工学的基礎知識の体系的理解に加え、境界・複合領域を含む高度な専門知識の修得が求められています。また、共通科目では、工学専門教育と密接に関連する社会科学の体系的理解が重視されています。さらに、実務訓練を通じて、社会との密接な接触の中で指導的技術者として必要な人間性の陶冶と実践的技術感覚の習得を図ることが示されています。
これらを実現する教育課程として、基礎と専門を段階的に繰り返し学ぶ、学部と大学院が一体となった、らせん型教育を採用しています。学部4年次には卒業研究を通じて課題探求力を養い、その後、1月、2月の2か月間、実務訓練を実施します。大学での学びや研究を社会の中で位置づけ直すことで、その後の大学院での学修をより深める構成となっています。学部はJABEE認定、大学院はJABEE認定基準を準用した形で質保証を行っています。
実務訓練は、らせん型教育の中核を担う産学連携教育です。国内企業だけでなく海外企業でも実施しており、グローバルに活躍できる人材育成にも取り組んでいます。
大学・大学院の評価と自己点検は、このような体制で行っています。大学点検・評価委員会が教育戦略本部に依頼し、卒業生・修了生、卒業・修了予定者、就職先企業、高専専攻科修了生へのアンケートを実施・分析しています。学生の成長やディプロマ・ポリシーに対する社会的評価を把握し、教育改善に反映しています。学部は6年ごとにJABEE受審、大学院は3年ごとにJABEE準拠の自己点検を行っています。
JABEEは一般社団法人日本技術者教育認定機構であり、技術者教育プログラムを審査・認定する非政府組織です。技術者教育の国際的な枠組みであるワシントン協定に基づき、科学技術の知識だけでなく、社会の要求を解決するためのデザイン能力、コミュニケーション能力、チームワーク力、技術者倫理など、国際標準とされる能力の育成を担保しています。ワシントン協定に基づく認定であることから、こうした認定を受けた大学の学位を有効なものとして認めている国もあります。
本学では、学部5課程すべてでJABEE認定を受けており、大学院においても課程ごとにJABEEに準拠した自己点検を行っています。そのため、機関別評価においても、体系的な自己点検を実施することで、内部の質保証に対する社会的信頼の向上につながっていると評価されています。
こちらは、大学院の自己点検における項目と観点、ならびに評価を用いている資料を整理したものです。学部と異なり、大学院では研究の評価が重要な位置を占めており、ディプロマ・ポリシーの達成(研究)や、学生の教育研究活動に関する項目には、多くの研究関連の根拠資料が含まれています。
学生の成長や企業からの評価に関するアンケート結果については、ホームページで公表しています。卒業・修了予定者アンケートの抜粋で、各ディプロマ・ポリシーにについて、どの程度身についたかを、 JABEEに準拠した到達目標に基づいて評価した結果です。最後に、就職先企業を対象としたアンケートです。就職した学生がディプロマ・ポリシーに掲げる能力をどの程度身につけているかに加え、その目標自体が実社会でどの程度役に立っているか、また、今後より求められる能力は何かといった点についても把握しています。結果としては、概ね高い評価が得られていることを、この結果は示しています。
【和田部会長】 先生、ありがとうございました。分かりやすく御説明いただいたと思います。
それでは続きまして、大学院大学のお立場から永井委員、よろしくお願いいたします。
【永井委員】 ありがとうございます。説明させていただきます。私は現在研究振興と社会連携担当理事ですが、その前に教育改革の担当をしていましたので、そこら辺のところも加えて御説明していきたいと思います。
次お願いします。今、本学はいろいろな取組を活発に行っていまして、例えばAI for Scienceのチャレンジであったり、そうしたことを踏まえて、AI時代を切り開くという意味でエルゼビア社との協定を行ったり、一方で震災の復興も兼ねて、北陸という地域を産学官の連携で盛り上げていこうというような社会連携活動、なおかつスタートアップをリードしていこうというような貢献をしているところです。
学部を持たない形として1990年に開学している最初の国立大学院大学なんですが、21世紀型の大学院をという大学政策の中で立ち上がっているもので、知識科学・情報科学・マテリアルサイエンスの3研究科体制を経て、2016年に1研究科体制になり、現在は2専攻という形、金沢大学との共同専攻を持つ形で教育活動を行っています。
学長、寺野は、自身が産業界で活躍、触媒の研究開発に取り組んでいてかなり実績がある中で、大学のほうに移り、自ら日本人34名博士を輩出しているそうですが、33名が企業に就職しているということで、かなり今の大学院政策に近い意識を持っているんじゃないかと思っております。
教員数が304名、学生数は御覧のとおり、前期課程698名で、後期課程はかなり多い416名を抱えている形で、全体がもう研究のための合宿生活を送っているような日常を過ごしているということで想像していただければと思います。
今日御説明するのは、次のスライド、学位の質保証・質向上の取組ということで、基本的に教育システムの説明をさせていただきます。
次お願いします。学部がないということは、入ってくる学生は全部違う背景を持っていて、今までの専門性も違うし、学んできた経験も違う、将来の進む進路に対するイメージも異なるということになります。それらの方たちを迎え入れて、即、研究力の育成のほうに入るためにどういうふうな仕組みが必要かというと、徹底したオーダーメード型の教育を行うということです。その中でコンセプトを共有しながら、共に進んでいこうという姿勢を持っています。
次お願いします。その仕組みを図にしますとこういう形になっています。まず導入配属のところは、かなり科目重視、かつその中でお互いを知るというような形で教員との信頼関係を築いていく。その後、主テーマとして研究目標をしっかり持ち、かつ1つに限ることなく副テーマを行い、また、インターンシップなどで自分の幅を広げ、さらに後期課程あるいは社会に出る、就職するというところに向かっていくということで、人間力強化として、自分の学びやキャリアを自分でデザインできるというところを重視したような育成の仕方をしております。
次お願いします。コースワークなんですけれども、1年次に入ってすぐ、ブートキャンプ的な状況もあります。クオーター制のこの仕組みは、このように年間で計画されており、クオーター制とはいえ、集中講義の時期が2期、夏期と冬期にありまして、それ以外の4期の中で1週間に同じ科目を2回、要するに、倍速で進めていくということを行っています。かつ、教員が必ずある一定の期間、時間、オフィスを開けて、全ての科目で補講のようなことを行うということもしているので、ここで科目をしっかり完結していくという、授業科目で基礎を固めるということを行っています。
次お願いいたします。かつ、この科目は自分でオーダーメード式に組んでいきますので、学位に応じてその単位がどういう位置づけになるのかというのも個別に異なってくるというものになります。複数指導体制を徹底していまして、1人の学生に対して3人の教員体制で指導していくということを行っています。副テーマ指導教員は、外部の産業界のインターンシップ先の指導教員が行う場合も最近増えております。
次お願いします。学生は、専攻する分野に関する主テーマ研究だけではなくて、隣接または他の分野に対する副テーマにも取り組んでおりますので、もともと学部時代に学んできたことから分野を変えている方たちにとっては、自分の基礎となる分野をもう1回強化することもできますし、新たな3番目の分野に展開することも可能という形ですが、大学の取組としては、さらに副テーマをグループワークで取り組ませることで共創力を鍛えている状態です。
次のスライドをお願いいたします。仕組みとしては、こうしたポリシーに基づいて、独創性とか問題解決能力の修得というものを注意しながら、前期課程のほうでは教員が寄り添って育てていくという形を取っております。
次お願いします。博士後期課程ですけれども、ここではもういわゆる研究者レベルの研究力を期待していますので、学生はかなり高度な研究機材を自ら使うことができる段階になっています。ですので、非常に高い学術的水準とか新規性、独創性、有用性、これは産業界に対する有用性も意味していますけれども、そうした観点から評価を行っているものです。博士論文審査会においては主査の点数は入れないという形で、主査以外の審査員の評価を判定の基準とするということを徹底しております。
次のスライドをお願いします。博士後期課程を重点化するような教育システムを取っております。ディプロマ・ポリシーの記載においては、前期課程と後期課程は連続性を持って、いわゆるレベルのより高いとか、より広がるという形です。後期課程の修了後のイメージとしては、グローバルに活躍する人材というイメージを私どもは共有しているところです。
次のスライドをお願いします。こうした能力をどういうふうに自己評価するか、あるいは可視化するかというところがシステムとして構築されております。
次のスライドお願いします。1研究科体制を取ったときに、グローバルイノベーションという定義でイノベーションの創出力に係る能力を、ルーブリック方式を用いて各学生に自己評価をしていただいています。自己評価及び他者評価も導入しようとしているところだったんですけれども、現在は自己評価のみで行っております。
次のスライドをお願いいたします。項目は、人間力としており、これは基礎力です。それから、創出力というのは、専門性を踏まえたイノベーションに向けて発展していく力です。それから、社会を理解して、産業界を理解・洞察するということで、未来ニーズの顕在化とそれを実践する力。4番目に、国際力を指標としております。これらの構成は各授業科目のシラバスに対応している形でつくられています。それぞれ学生個人で入力していくんですけれども、定期的に自分で入力することで自分の成長具合が分かるということで、修了時に全ての項目でレベル3は達成してくださいというような形にしております。それのために各学生は、自分がどのような学修をしていくのか、最初に言いましたように、オーダーメードで自らの学びをデザインしていく力が必要になります。
次のスライドをお願いします。学修計画や記録書というものを学生自身が作り、かつそれを指導教員がよく理解して個別の指導も行う、あるいは他者、ゼミなどで他の学びを聞くことでお互いが学んでいくというふうな共創的な学びの環境をつくっていくものになります。かなり具体的に計画を立ててもらいながら、教員とのコミュニケーションを深めていきます。
次のスライド、教員側に対しても研究室教育ポリシーというものをきちんと明記していただいていまして、俯瞰的な視野を持ちつつ、特定の研究分野の課題を発見し、科学的に解決を図る能力を育むという後期課程の目標に沿って、前期課程の学修目標なども立ててあるという構造になります。本学の場合、オーダーメード式の科目だけではなくて、研究内容そのものも学生が割と主体的に考えることが可能となっています。教員研究室も全てPI式といいますか、教授も准教授も独立の研究室運営を執る方式ですので、こうした研究室教育指針というのは特に重視しているものでございます。
これからどのような取組に向かっていくかについて少し説明いたします。今後は、現在もそうなんですけれども、2022年の段階から全ての学生にデータサイエンス、AI、知識マネジメント、経営ビジネスのセンスを基礎力として身につけていただくということで全学教育を行っています。それに加えて産学連携、社会人コースなどをつくって産業界のリカレント教育も行っている。ここはアップグレードしていこうというような思想です。それから、ドクター進学者を増やそうということで、情報科学を中心としたJAIST×Humanコースなどを設置しています。大学全体が後期課程を重点化していく方向にあるということです。個別のオーダーメード式の教育で全体の仕組みが出来上がっているところで、特に強化する分野を設けているという状態だというふうに説明できます。
次お願いいたします。JAIST×Humanコースを10月に開設しておりまして、これはいわゆるAIを社会とか産業ということで、人間中心のAI、解釈可能AIという課題に特化したような研究分野でまとめております。情報科学、それから経営等の知識科学及びマテリアルサイエンスの教員たちが協力してこのコースを運営していく形です。
次お願いいたします。さらに産学連携社会人コースを設けております。これは後期課程なんですけれども、企業から企業課題を大学に持ち込んでいただいて、企業が保有しているデータを活用することで、非常に短期で修了することも可能だという形、ある意味で企業と大学が一緒になって博士後期課程の人材を育成するというスタイルでございます。こういうものをスタートしており、今取り組んでいるところです。
では、次のスライドをお願いいたします。本学はFLAGs事業に関しましても、金沢大学及び電気通信大学の2つの事業に関して連携大学として協働している状態です。本学の教育の強みというものがここで他大学にも生かしていただけるものになるし、協働することでまた、より展開が広がるんじゃないかと思っております。
次お願いいたします。社会人教育に本学はもともと力を入れております。
次お願いいたします。東京でサテライト教育を行っているんですけれども、ここで学生1人に対して、社会人学生に対しても教員3名がアドバイスするということなんですが、実業界でかなり活躍している方たちも、論文を書くとなるとまた少し違う軸が必要になってくるので、土曜日の時間帯を割り当てて徹底した指導を行っているものです。
次のページ、これに関して英語でも行っております。学位論文をいずれは英語で書いていただこうということがありますので、通常、土曜日の午前中は、国際会議の発表内容等を集中的に教育しているということで、社会人に対してもこういった活動が行われているものです。
次お願いします。また、社会人に対してもグループ副テーマを行っています。
次お願いいたします。東京サテライトのグループ副テーマは、社会人対象ですので、学術論文を執筆するときの前提となるクリティカルリーディングのスキル開発をベースに副テーマとしての単位をつけながらグループ教育を行っています。
次お願いいたします。
現在取り組もうとしているのは、こうした学生の学びの能力というんですかね、これからどういうふうに伸びていくのか、博士人材としての潜在的な力及び展開可能性なども可視化していきたいと。かつ同時に、それを指導する教員のコンピテンシー、能力を可視化する必要があるだろうと私どもでは考えているところです。
次のスライドをお願いいたします。それに関しまして、試みとして行っています、明日全学FDも行うんですけれども、内閣府のSIP第3期、大学院部会の委員でもいらっしゃる西村先生がプログラムディレクターを務めておられますけれども、この中の一つに博士人材の育成という課題があります。ここで私どもは、博士人材像として、多角的な視点と俯瞰的な見方が身につき、そして自分自身の自己を見つめ直し、アイデンティティー(自己存在証明への気づき・自覚)がもたらされることや、真理を探究するアカデミアの学びによって本質的な見方・捉え方を鍛えるということ、こうした西村先生のコンセプトに沿った形での博士人材育成の仕組みの展開を図っております。
次のスライドをお願いいたします。大学院リーグという形で、単独の大学ではどうしても自分の大学の内側を見てしまうので、自分の大学と他の大学や地域との関係づくり、さらに他大学の取組から積極的に学び合おうという意味で、リーグを組んでおります。これは大学院教育の仕組みやノウハウの中で暗黙知化されていることを形式知化することにもつながっております。どういう形になっているかというと、社会接続型博士に特化する形ですけれども、必要なコンピテンシー、能力というよりも行動特性みたいなものを身につけた人材を育成しようという形です。単にこういう科目を取ったからこういう能力がありますよという説明ではなくて、その人たちの態度や行動する意欲のようなものも一つの力として考え、それを可視化しようとしているところでございます。
次のスライドをお願いいたします。これは研究大学コンソーシアムの提言にあった、これからの博士人材育成の考え方ということで、人材ワーキングのほうから出ているベースが左側の図にあります。博士課程の思考のプロセスというものを提案されているんですけれども、社会接続型博士の場合どこが特化した形になるのかということで、この紫色で表示している課題発見のところが社会課題の発見になる。それから、アカデミアの場合、必要なチームを構成して協働するというところになりますが、社会接続型博士の場合は特に様々なセクターとの協働が求められるでしょうという意味で、紫色に表示されています。
かつ、通常のアカデミアの場合は、成果発表、論文を発表するというところがアウトプットになるんですけれども、社会接続型博士の場合は、アウトプットだけではなくてアウトカムにつながるところまで、実装というものを意識しましょうということで、プロジェクトマネジメント能力が内包された社会課題解決型の博士人材のコンピテンシーのモデルを提案しているところです。こうしたものを複数の大学で学び合いながら、可視化の基本ベースとしていきたいなということで取組を行っています。
次お願いします。ここですね、大学院リーグ全てというやり方を共有するというものではなくて、各大学が違う場所、フィールドを持っていますので、様々なセクターの協働のところは各大学が独自に開発していく。なので、こうしたモデルを共有することで、産業界や社会側から見ると、統一した一つのコンピテンシーの構造が見られることで、どういう学生がどういう特徴的な力を持っているかとか、どういう学びをしてきたのかということが可視化できるというものを進めているところです。以上です。
御清聴ありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。大学院大学という立場から大変分かりやすく御説明いただいたと思います。ありがとうございます。
それでは、専門職大学院のお立場から大薗委員、よろしくお願いいたします。
【大薗委員】 ありがとうございます。専門職大学院、ビジネススクールのほうで専攻長、Deanをしております、一橋大学ICSの大薗です。よろしくお願いいたします。私どものところは、専門職大学院に限った評価ということで、構造もシンプルでございますので、スライドを4枚だけ用意させていただきました。
次のページお願いします。まず1点目ですが、経営の専門職大学院、基本的には、社会人経験者が、我々の場合はMBAプログラム、経営学修士ですけれども、修士レベルの学術的な知識も身につけて、そして社会で実践上も役立つ、そういうリーダーとして育成し、もう1回社会にお返しするというのが専門職大学院(経営)の位置づけでございます。そういう意味で、経営学修士(MS)と違って、我々のところでは修士論文も課しておりません。科目の単位を取って積み上げていって必要単位数に足りれば卒業、形式的な要件はそういうことになります。
そうしますと、逆に何を求める成果とするかというところにおいて選ぶ自由度が高く、ビジネス界あるいは社会のリーダーとして何が求められているかということを設定することが各専門職大学院(経営)の個性にもなってきているようなところがあります。そういう意味において、我々はスクールのミッションとビジョンとバリューを大変重要だと思っていまして、そこを私たちなりにユニークに設定するということに留意をしています。
具体的には、「複雑性をたたえ、2つの世界のベストを実現する」というのが我々の創立時からのミッションに入っています。9月始まり、英語で、学生も大変国際性豊か、日本人のほうがむしろマイノリティーでございまして、教員も同様です。国際的なビジネスの標準も十分理解しながら、日本発の経営の考え方もちゃんと伝え、それぞれの学生なりの視点でこれを統合し、実践に反映できる、そういうリーダーシップを育てていきたいというのが我々のミッションであります。
では、具体的にどういうことを教育したらよいのかということで、様々なルートからインプットはいただいております。一つには、これは文科省からも求められているもので、教育課程連携協議会です。3名の企業の方など、それぞれかなり特徴の違うバックグラウンドをお持ちの方に御参加いただきまして、今後10年間リーダーシップに求められるもの等の御意見をいただいたり、あるいは我々の取組を共有して、それに対する評価もいただいております。それから、定期的に様々な企業を訪問しておりまして、そこでニーズの聞き取りを行っております。
あるいは、MBA生の採用を検討している企業が、キャンパスに来てくださって学生向けの説明会を行ってくださいますので、そういうときにこういった企業がどういうことを強調されているのか、ニーズも一緒に聞き取らせていただいております。また、我々は海外に提携校を非常にたくさん持っておりまして、これらの提携校とは定期的な情報交換をしております。
これらを踏まえてMBAカリキュラムを編成するということで、その結果、数年に1回かなり大規模な見直しをするということもございます。それぞれの専門の知識につきましては、縦軸という形で、入学前の自主学修、それから入学してからの基礎科目、発展科目という形で積み上げてまいりますけれども、もう一つ横軸として育成すべきコンピテンシーを8つ設定しています。それらについて、2つから3つの具体的到達点を定義しておりまして、これにつきましても、通年、年度を通じて測定をするようにしています。
では、次のページをお願いしたいと思います。具体的にどのように測定するのかということですが、まず、様々な人が評価に関わります。教員、学生自身、学生同士、それから企業による評価ということです。
それぞれの専門領域につきましては、当然、講義別の到達度評価、その講義で単位を取得できるかどうか、どういうレベルで取得したのか。これは通常の講義の評価のように評価をしてございます。それから先ほどの横軸のコンピテンシーですが、これにつきましても、入学初期から卒業前にわたり、様々な講義の課題や中間・期末試験等の中で、どれがこれらのコンピテンシーを測れるのかということを各教員と評価担当者がすり合わせをしまして、データを提出してもらい、評価担当者がこれを取りまとめるということをしています。これは定量評価になります。
入学時からの学生の伸びを測るのはそんなに簡単ではないと感じています。例えばもうカリキュラムを、入学前、基礎、自主学修、基礎科目、応用科目というふうに積み上げていくことによって、その到達によって伸びを測るという従来型の伸びの測り方もあろうと思います。
もう一つの行き方は、通年で提供されるコースを我々持っていまして、それは特に私たちが時間をかけて取り組みたい、コンピテンシーの中でも一番重視しているテーマでして、それがリーダーシップ開発コースです。これにつきましては、入学時から卒業直前まで続くコースでございまして、学生自身が自らの振り返りを、数回レポートを作成いたしますので、そういう意味では、文字どおり、ある特定のコンピテンシーについて同じ人物の伸びを測定し、自らも成長を感じることができるような仕組みになっています。
さらには、学生同士の評価ということで、特にコンピテンシーにつきましては、学生同士による評価は有効であると思っています。学期毎にスタディグループを構成しておりまして、ここで学生同士がお互いを評価し、フィードバックをし、次の学期にはこれらを踏まえてまた新しい仲間とコンピテンシーを高めていく取組を学生がしております。
4つ目が企業による評価ということです。幾つかのインターンシップは単位を付与するインターンシップになっております。その場合には受入れ企業から評価レポートを提出していただいておりまして、ここにつきましても、評価の一部として取り入れております。
次のスライドをお願いいたします。今までのところは、専門別、それから横軸のコンピテンシーに対する評価でございました。このページではより一般的な教育の質の評価について御報告をしております。まず、講義別には、教員が学生の到達を評価するというのは既に御紹介したところですが、教育内容そのものにつきましては、学生による講義内容・コンテンツ、それから教員のティーチングスキル、この2つの分野につきまして、毎学期後に学生から5段階評価と自由記入でアンケートを取ります。それぞれの担当教員に対しましては、5段階評価と自由記入の両方を、それから、5段階評価の部分につきましては全教員に結果が共有されます。そして、毎学期ごとに専攻長からコメントが付されたメモが全教員に渡されるということを行っております。
それ以外、全般というところでは、学生カウンシルがございまして、それと学生担当教員が定期的あるいは何かあるごとにミーティングを行っております。また、学生カウンシルを通さない、草の根の学生とのコミュニケーションという意味では、タウンホールミーティングも年に数回行われまして、学生からのフィードバック聴取の場になっております。
また、ゼミ制度がございまして、ここでは少人数の学生とゼミの担当教員が、専門分野を超えた、ある種人生のメンター的な関係性も構築されることが多くございます。正式なルートでは苦情申立てみたいになってしまいますが、少し気になるというようなレベルの話は、ゼミ教員経由で入ってくることもございます。また、先生には言いにくいんだけれど、という場合には、MBAオフィスの職員等にも学生からフィードバックがあることがあり、そういった情報は迅速に教員に共有されます。
また、数値的な面では、学生の多様性、教員の多様性、特に国際性、国籍のばらつき具合等、それから、出身業界の多様性を含め私どもはモニターしております。また、ゲストスピーカーにつきましても、業界、男女、国籍、様々ウオッチしていまして、これが常に入れ替わっていくように注目をしております。
また、学期間留学、ダブルディグリープログラム、他大学との共通科目の提供など、国際的な学びの機会を提供するということにつきましては、こちらもモニタリングをしておりまして、例えば学期間留学先であれば、地域的な弱みが、まだ開発が進んでいないところはどうなのかというようなことも戦略的に検討し、今般アフリカから2校を加えたところであります。
また、体験型講義は現在非常に力を入れているところでありまして、様々な講義でアクションラーニングが取り入れられております。
次のスライドをお願いいたします。最後がインパクトの評価ということです。ここは大変難しいところだと私どももまだ悩んでいるところであります。まず、学生へのインパクトということでは、これはビジネススクールの国際ランキング等でもよく取り上げられている指標なのですが、就職率、特に卒業時、それから卒業後3か月時点における、そもそもジョブ・オファーはもらったのか、それから、就職をしたのかということを2段階に分けて聞き取りをしています。また、就職先、そして入学前後の年収の変化、これらはアンケートを使って学生から直接聞き取りをしております。また、起業した学生の数、それから卒業生の活躍なども。
そして、間接的な指標になりますけれども、アルムニ組織が充実しているのか、連絡先の把握の状態、様々な活動への参加の状態等も、我々の教育に学生がある程度意義を見いだしていれば、その後もアルムニ組織に関わり続けてくれるだろうということでここも重視をしております。また、卒業後の継続的な学習の提供と、それへの参加人数を見ることによって、いかに我々が在学中に学習マインドセットを強化することができたかというようなことも見ております。
最後の点が大変悩ましいところでありまして、今、社会へのインパクト創出ということを国際的なビジネススクールのコミュニティーでは求められております。活動をするだけでは不十分で、アウトプットが出るだけでも不十分で、実際にインパクトが生まれたのかというところまでフォローするようにというようなことが期待されているところであります。
活動としましては、学生による必修科目で社会的インパクト・プロジェクトを実施していたりとか、沖縄科学技術大学院大学のディープテックスタートアップに対するMBA生のインターンシップの派遣をしておりまして、そこで、科学的知識が社会実装される部分のお手伝いをしたりとか、そういったことをしているのですけれども、なかなかインパクトそのものを測定するというところまで至っておらず、まだ取組中というところです。皆さんのお知恵を拝借できれば本当にうれしいと思っているところです。
以上、一橋大学ICSから御報告いたしました。ありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。専門職大学院のお立場から本当に分かりやすく説明いただけたと思います。4人の先生方、ありがとうございました。資料も立派なものを準備していただきました。それぞれのお立場から総論・各論をお話しいただき、全体の俯瞰的な理解につながったんじゃないかと思います。本当にありがとうございます。
それでは続きまして、遠藤専門職大学院室長のほうから御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【遠藤専門職大学院室長】 よろしくお願いいたします。専門職大学院室長の遠藤でございます。資料5を中心に、御説明をさせていただければと思います。
スライド、次のページをお願いいたします。専門職大学院においては、皆様御承知のとおり、分野別認証評価が行われておるところでございます。このうち、特に学修成果に係る主な評価基準・評価項目の例ということで、分野にかかわらずおおむねこういったものが評価項目・評価基準になっているということをこちら1枚のスライドで表示させていただいているものでございます。
まず、上のほう、直接評価の取組ということで、まさに本日のプレゼンテーションでも御発表いただいてございますけれども、丸1、丸2ということで挙げさせていただいてございます。1点目が、成績評価基準を踏まえた厳格な成績評価・単位の認定ということで、通常の指導、通常の授業等を通じてしっかりと成績評価を行って、単位認定を行う。極めて基本的なところでありますけれども、こういったところを大事にしておられる大学院が当然多くございます。
さらに丸2、ディプロマ・ポリシーを踏まえた修了認定、標準修業年限修了率等を基に実際に評価を行っているということでございます。やはり社会とのつながりを大事にする専門職大学院でありますので、ディプロマ・ポリシー、これをしっかりとつくっていただいて、修了要件を策定いただき、学生等に対して周知を行って、しっかりと修了の認定を行う。これも一連の基本的なプロセスでありますけれども、これが基礎的でありながら一番大事だということで取り組んでいただいているというのが主な直接評価の取組ということで挙げられるかと思います。
さらに、その下、主な間接評価の取組ということでございます。3つ挙げさせていただいてございます。大薗先生のご発表にもありましたけれども、まず、3のところで修了者の就職・進学等の状況、修了者からの意見の聴取というところを、こちらも分野にかかわらずとても大事にしておられる大学院さんがとても多いという状況でございます。単なる就職先・就職率だけではなくて、ちゃんと修了した方々から実際の教育についてのフィードバックをいただいて、それを実際のカリキュラム、実際の指導等にも反映いただくというようなところ、こういったところを仕組みとして取り組んでおられる方々が多くございます。
また、丸4、在学中の学生からの意見の聴取ということです。やはり大学の学生が学ぶ主体でありますので、実際に評価や意見聴取の手法はいろいろな形がまさにあるんですけれども、授業の評価、アンケート調査、インタビュー調査、満足度調査、いろいろな調査手法を駆使していただきながら、在学する学生から意見をいただいている、それを教育の改善につなげているというところでございます。
さらに、丸5、就職先・関係企業等への意見聴取ということです。やはり社会とのつながり、実務上の評価が極めて大事でありますので、こちらも多様な評価軸、評価主体等の御協力をいただきながら、どういった形で社会への貢献ができているのかということを評価いただいているところです。これも大薗先生がおっしゃっておられましたけれども、給与面等の処遇もそうですし、社会的な地域貢献の状況とか、まさに社会を意識した形での取組の内容について、試行錯誤して取り組んで評価していただいているというような状況かなと思います。
最後に、分野特有の評価ということで、これは丸6ということでございます。例えばロースクールというところの司法試験とか、会計であれば公認会計士とか、臨床心理なら臨床心理士とか、いろいろな国家資格系の分野固有の指標もございますので、こちらもしっかりと達成状況を把握して評価をいただいているというものかなと思います。おおむね学修成果に係る指標としては、こういったところがエッセンスとして導いてこられるのかなと考えているところです。
なお、それぞれのものについて、下に四角囲みで書かせていただいてございますけれども、それぞれ丸1から丸5を通じて、自己点検・評価報告書等を踏まえて、PDCAサイクルがしっかりと機能しているのかということで第三者評価をそれぞれしていただいているという状況でございます。
さらにその下、丸3から丸5に関しましては、大学自身が自らの評価としてどうなのかと思っていることと、第三者的に学生とか社会とか修了生が思っているところの評価とちゃんと乖離がないかというところも見合せながら評価いただいているというようなところもございます。
丸3、丸4に関しては、認証評価機関が分野別でやっておられるところが直接やっているような場合もあれば、大学がやっているようなところを尊重しながら取り組んでいるというところもありますので、いずれも分野や評価主体の特性に応じてやっていただいているということかなと思います。
さらに、丸5に関しても、就職先や企業の方々からの声を踏まえながら、大学が把握している内容、それも踏まえて教育改善に役立っているかどうか、そこで回っているかどうかということを確認いただいていると、こういった構造でございます。
さらに、次のページ以降が、それぞれの分野に基づいてどういったところをやっているのかということを、エッセンスとなりそうな具体的な事例でということで書かせていただきました。特に評価の観点で、まず、1個目、法科大学院で挙げさせていただいてございますけれども、例えばピア・レビューで行うのか、事務的に確認できるのかというところで、どういったところでピア・レビューをしていただいて、事務的にはどういったところであるのか、効率化できるのかということを主立った例として挙げさせていただきました。
ピア・レビューの観点といたしましては、厳格な成績の評価とかディプロマ・ポリシーとの整合性といった、まさに教育の核となるようなところは、こちらはピア・レビューの観点で見ていただいているというのが実態でありますし、一方で事務的に確認している内容として、成績評価基準がありますので、これをちゃんと周知しているのかとか、修了要件を適用する手順がどうなっているのかとか、国家資格の合格率みたいなようなもの、数字でちゃんと把握できるようなもの、こういったものは事務的に確認しているという形で、めり張りづけの行われた上での評価をいただいているという内容でございます。
さらに、次のページをお願いいたします。今回の評価においては、段階別の評価はどういった形かなということでも議論の論点となろうかと思います。このうち大学改革支援・学位授与機構が行っていただいているもので、単なる適格・不適格にとどまらない形での評価が具体にどういうように行われているのかについても参考で挙げさせていただきました。判断基準といたしましては、優れた点があるかどうかということと、優れたとは言えないけれども、ユニークで特色があるような点であるというところで二つに分けて評価をいただいているという内容がございますので、参考に挙げさせさせていただいた次第でございます。
さらに、次のスライドをお願いいたします。ほかの分野についても御覧いただければと思います。こちらは専門職高等教育質保証機構において教育実践分野で挙げさせていただいている取組を参考にピックアップさせていただいてございます。主立った項目はほかの分野と同じでありますけれども、特に判断指針として、卒業時の状況とか卒業生の進路状況等の実績や成果をしっかりと指針として定めていただいて評価いただいているというところが大事なところかなと考えているところでございます。
さらにページを飛んでいただいて、9ページまで行こうと思います。今後議論を深めていただくに当たって、大切な評価をいただく基準とその分析の項目もあろうと思いますし、では、その項目をどういった形の根拠資料に基づいて評価をしていくのか、実際その根拠資料を見合わせた上で、評価をいただく方々がどんな判断基準でチェックして評価をしていただくのか、こういったところを一覧で分かりやすくお示ししたほうがいいかなということでまとめさせていただいているのがこちらの資料になっております。
例えば、一番上の項目であれば、これは司法試験の合格率でありますので、分析の項目としても、修了者の司法試験の合格状況云々ということが書いてあって、この根拠資料として見るものはどうなんだということを別の様式で書いていただいたりとか、実際の数値目標に係るものの資料を収集をする。これを見た上で第三者が実際に確認する観点をお示しているというものでございます。
なお、こちらは、御紹介したとおり、数字で分かるものでありますので、こちらは事務的に確認できるものということで業務の簡素化をしつつ、さらにその下のところは、まさに法曹像という、養成しようとする法曹の像、ビジョンでございますので、これはピアの方々に御参加いただきながら、修了生が具体的にどういう進路、活躍の状況があって、それが大学のポリシーとして目的に即して妥当なものになっているのかというのをピアの観点からチェックをいただいているという構造になってございます。
全ては御説明しませんけれども、こうしたように具体的に求められる基準・項目に基づきまして、さらにそこにピアがどういった形で関与いただくのかということもぜひ審議の際の参考にしていただけると幸いと思いまして作成いたしました。こうしたように様々取組が行われてございますので、ぜひこの後の大学院全体の評価においても使っていただければと思います。
私から以上でございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。専門職大学院の基準であったり、その分析項目、この辺を含めて総論・各論を教えていただきました。ありがとうございました。
それでは続きまして、石橋大学振興課長のほうから御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございます。
資料6を御覧いただければと思います。資料6は、前回の大学院部会において評価に関して御意見を整理したものでございまして、まだ本日のお話についてはまだ反映できておりませんが、今後さらにブラッシュアップしていきたいと考えております。本日は、前回分をまとめた部分について御説明させていただきます。
1つ目、総論でございます。当然でございますが、これは何のために行うのかという目的、そして大学院と学部の違いについて御指摘を頂いたものと受け止めております。学部段階における現在の議論は、高等教育機関の多様性にも配慮しつつ、各大学が定めるディプロマ・ポリシーに掲げる内容が学生に確実に身についているかを確認すること、さらに、PDCAサイクルが教育改善のために適切に機能しているかを確認することを目的として進められております。この点については、大学院においても同様の目的が当てはまると考えられますが、どのような観点で評価を行うのか、評価方法を学部と同様とするのかについては、引き続き議論をしていく必要があると考えております。
その中で、一番違いが出てくるのが評価指標になるかと思いますが、ここでも先生方からは、単一の物差しではないということ、それから、少し時間軸が長いということがあるのではないか、等の御指摘をいただいておりましたし、また、指導教員の力量ということも御指摘がございました。そういう意味では、今日、佐久間委員のほうから達成度評価、伸長度評価が示され、小野委員のほうからはルーブリックなども示していただいたと思います。こうしたものも参考にしながら、研究指導の部分をどう評価するか、この辺りについて具体的な評価指標の整理が必要と理解しております。
次のページでございますが、データの収集についてです。まさに今、遠藤室長からも説明があったように、直接評価、間接評価という整理がありますが、先生方からも、学生の声、それから出口、企業や活躍している場の評価も必要ではないか、という御指摘があり、今日も修了生フォローアップを行っているというお話が、いろいろな大学の例として出てきたかと思います。
また、国際通用性・国際認証に関係しては、JABEEもそうですし、先ほど大薗委員からいただいたビジネススクールの国際的な状況も参考にしながら、学部よりも一歩進んだ形で国際との整合性を考えていく必要があるのではないかと思っております。
評価体制については、今日は特に第三者が入るというようなお話はございましたが、細かい点では御発言はなかったように思います。しかし、学生代表者も含めて幅広い参画の場が必要ではないか、という御議論があったと認識しております。
最後に、負担軽減とインセンティブについてです。資源配分の方法やコストの軽減について、現時点では段階別評価として、高等教育としてふさわしい教育か否かということと、成果を伴う優れた取組の評価ということで、簡単に申し上げますと、バツ、マル、二重丸みたいな段階で整理する議論も進んできているところです。こうした方法を大学院にも導入できるかどうか、また負担軽減につながる仕組みについても同時に考えていく必要があるのではないか、というところを論点としてまとめさせていただきました。
これらを踏まえて、引き続き御議論いただければと思います。部会長、よろしくお願いいたします。
【和田部会長】 石橋課長どうもありがとうございます。分かりやすいまとめをしていただきました。このまとめは今後の議論の上で大変資する論点のまとめではないかと思います。ありがとうございます。
それでは、大変お待たせいたしました。今までの御発表に関しまして、質疑応答または意見交換の時間を取りたいと思います。大変恐れ入りますけれども、挙手ボタンを押して、順番にお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
杉村委員、お願いいたします。
【杉村委員】 冒頭から発言の機会ありがとうございます。まず、本当にすばらしい御報告をありがとうございました。大変勉強になりました。それぞれの大学がガバナンスの下で内部質保証をきちんと担保されて、しかもルーブリックをつくって可視化をされていたり、あるいは社会との連携を考えられたり、本当に一つ一つが勉強になりました。
一つお尋ねなのですが、前回の会議でも、国際通用性に関連して質問させていただきましたけれども、いずれの事例でも結構なのですが、評価の基準とか、あるいは質保証の枠組みを海外のものと対照させている例はおありになりますでしょうか。どうでしょうか。
【和田部会長】 ありがとうございます。いかがでしょうか。小野先生、よろしくお願いします。
【小野委員】 豊橋技術科学大学は、JABEEに準拠した教育を行なっており、もともと国際的な枠組みの中に位置付けられています。本学は地方に立地する比較的小規模な大学ですが、留学生を受け入れる上でも国際通用性は重要だと考えています。そうした点で、JABEEが有効に機能しているのではないかという話が、学内でも出ておりますので、共有させていただきます。
【杉村委員】 ありがとうございます。そうしますと、海外とやり取りをするとき、JABEEを使ったり、JABEEの話になったりしておられるということですよね。
【小野委員】 はい。そのとおりです。国によっては、こうした認定がないと学位認定ができない場合もありますので、その点で実質的にかなり重要な役割を果たしていると聞いています。
【杉村委員】 分かりました。ありがとうございます。関連する話として、経済協力開発機構(OECD)がルールリックを使って、高等教育のコンピテンシーを測る研究を展開してきています。そうしたことと考え併せて勉強させていただきました。ありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございました。それでは、高橋委員、お願いいたします。
【高橋委員】 ありがとうございます。2点申し上げたいんですが、1点はむしろ、石橋課長御説明の資料6の書類の前提のようなもので、まず簡単にこちらを伺いたいです。
大変そもそも論で、私だけがもしかして落ちこぼれているのかもしれないんですけれども、大学院のいわゆる修了要件というのは、釈迦に説法ですが、設置基準で決められていて、そういう意味でいうと、佐久間先生が概念整理を大変分かりやすくしていただきました。達成度の評価と伸長度の評価という2つの軸でいうと、国際的にも達成度の評価、出口管理で修了というのはまず整理されていると、これが多分大前提だと理解しております。この国際的にも認められた大学院の修了要件の上で教育の質の向上のためにその2つの軸をどうするかとか、それの具体的なツール等を我々これからどうしていくかというようなそういう議論ということで資料6をまとめていただいたと、そういう理解でよろしいでしょうか。
【和田部会長】 石橋課長、いかがでしょうか。
【石橋大学振興課長】 高橋委員、ありがとうございます。今この議論がどういう背景で始まっているかと申し上げますと、現在、認証評価の見直しをしようということで議論がスタートしております。今は機関別認証評価でございますので、大学全体で大学院も学部も含めて、その大学が適合しているか適合してないかを確認するという状況でございます。しかし、これでは教育の質が十分に見られていないのではないかという議論が、中教審の2月の答申で指摘されておりました。これを踏まえまして、今、学部は別の部会のワーキングで議論を行っておりますが、大学院についてはどのように考えるべきかということで、大学院部会で議論をスタートさせていただきました。
その中で、機関別認証評価に置き換わるということも含めての議論でございますが、認証評価という枠組みの中で、大学院をどのように評価するべきかという観点で現在御議論いただいているところでございます。この6つのようなことについては、現在の論点として、ここに示したのは、認証評価を見直すとすれば、こういう観点で見直していくのはどうかという資料でございます。申し訳ございませんが、御不明点があれば、さらに御質問いただければと思います。
【高橋委員】 了解いたしました。そうすると、いわゆる認証評価と設置基準というのは、今はまず独立のものとして認証評価について議論すると、そういうことでよろしいですよね。
【石橋大学振興課長】 はい。今の認証評価も、当然法令適合性という意味では設置基準を下敷きにしておりますので、設置基準に違反すれば、もちろん認証評価不適合になるという大前提はございます。しかし、現在の認証評価は機関別であるため、学部や大学院それぞれの教育の質がどのような状況にあるのかが十分に見られていないのではないか、という前提から議論が始まっております。そういう意味で大学院は、まさに高橋委員おっしゃってくださったように、学位が授与されているということ自体が達成度の評価そのものであるという議論は当然あると思いますが、さらに、今日佐久間委員から御指摘いただいたように、それ以外にもう少し深く見ていく方法で教育の質を社会的に明らかにする手段はないか、という議論を行っているところでございます。
【高橋委員】 よく分かりました。大変クリアになりました。ありがとうございます。
一つだけ、それでは、そういう意味でちょっとマテリアルというかジャストケースの御紹介です。我々も、専門職ではないですが、主に社会人を対象にした大学院を運営しているんですけれども、そういう意味では、達成度評価で純然とまず評価されるべきところ、実は伸長度評価というのは我々教員にとっても学生にとってもとてもいいメソッドであるということは一つこの議論に付け加えさせていただいてもいいのかなと思います。ルーブリックのようなものも運営していますし、それがまたコミュニケーションツールになるという意味でもいいツールだなというふうに、これは一教員の現場の声として御報告させていただきます。
以上です。ありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。ほかの先生方、いかがでしょうか。
北委員、手が挙がっていますでしょうか。
【北委員】 はい。北でございます。よろしいでしょうか。
【和田部会長】 よろしくお願いいたします。
【北委員】 永井委員に質問と、コメントをさせていただきたいと思います。
私はコニカミノルタという会社でここ10年近く博士課程後期の学生さんにフォーカスを当てて採用しております。そのときに今日御説明がありました北陸先端科学技術大学院大学の社会接続型博士という言葉が大変気に入りました。まさにこういう人材は産業界、特にメーカー側が求めている人材なんですね。大変いい試みだと思いますし、取組だと思いました。
ここからが質問ですけれども、冒頭にたしか博士課程後期学位を取得した卒業生34名のうち33名が企業へ就職されたという話だったかと思うのですけれども、私はほかの大学で大学院の運営をやっている中で、大体、理工系ですと、半分がアカデミアで、半分が産業界というぐらいの比率だと思います。34分の33というのは驚異的な数字でして、これはどうなのかなと思ったのですけれども、今日のお話ですと、学修計画は学生が自らつくるとか、また、1人の学生に対して3人の教員がついて指導するとか、あとは主テーマのほかに副テーマもやるとか、私ども企業の社員教育に似たようなところもございます。
質問は、この34分の33が産業界に巣立っていったというところが最初からの狙いだったのか、それともこういった施策をやった結果こうなったのか、その辺りの内訳というのでしょうか、その辺りをお聞かせいただきたいと思いまして、質問させていただきました。よろしくお願いします。
【永井委員】 御質問ありがとうございます。永井です。34人中33名というのは、現在の寺野学長が本学で教授として研究室指導を担当していたときの数字で、それが象徴しているので使わせていただきました。
学長が我々に説明しているのは、要するに、産業界で成功した経験のある人が研究室で教育をすると、産業界の面白さを伝えることができる。それの経験が足りない方は、大学の中の社会しか知らないから、自分の価値基準で人を育てようとしてしまって、言い方はちょっと乱暴な言い方かもしれないけれども、アカデミアがアカデミアを教育するほうが楽じゃないですか。自分で知らない世界のことを教えるためには、他者とつながらないといけないということと、どうしても自分の価値観に学生を引き寄せてしまうと。それをしなければ、つまり、社会の面白さをきちんと伝えられる教員が教育すれば、研究力がいかに大切かということは明確に伝わる。要するに、研究の力がない人が社会で自信を持って生きていくということは非常に難しいんだと。
社会に出る前に、大学できちんと自分の研究力を身につける時間を有意義に使って、十分な力を発揮して、そして早期に企業との出会いをつくりましょうと。博士論文が書き上がる頃になって探すのではなくて、先にもう自分がどういうところで活躍したいのかというもので社会との出会いをつくっておけば、行き先が決まれば、それはもう勢いづいて研究するでしょうみたいな話です。必ずしも完成形でアカデミアを育てるということだけに大学が価値基準を置くべきではないという方針で、今、大学全体がそういう価値観を共有しているという状態なので、その事例として紹介させていただきました。
私自身はというと、私のところで学位を取った人は、アカデミアとやっぱり半数、ちょっとアカデミアのほうが多いぐらいです。
【北委員】 分かりました。大変いい取組だと思いますし、ぜひそういう取組をされるところがこれから増えていくことを望みたいと思います。
もう1個質問です。主テーマと副テーマというのがあって、資料を見ると、主テーマをある程度片づけた後に副テーマもみたいな形だったと思うのですが、これは主と副をコンカレントにやらせるということなのでしょうか?
【永井委員】 これはいろいろな仕組みを導入してありまして、副テーマのほうを先に行うケースもあるんです。これは研究計画書をつくるためのミニ研究みたいな形で、研究構想をきちんと立てて、研究計画を説明するという経験を先に行わせるという場合に、主たるテーマと異なる、例えばマテリアルサイエンスの学生が、自分の専門とは異なるけれども、機械とか設備を使うような研究を行うとか、あるいは社会学的な研究を行うというようなことで幅を広げるという意味もある場合、あるいはおっしゃったとおり、主たる研究がある程度進んでから副テーマを行う場合もあります。最近は副テーマを単独で行うのではなくて、複数の学生と複数の教員がチームとして指導して、社会に発表するというようなケースを推奨しているところです。
学生自身はインターンシップをもって副テーマに置き換えることを希望するケースが少なくないし、アンケートではインターンシップがすごくいい経験でしたという場合もあります。
【北委員】 ありがとうございます。企業において、私も自分の経験上、1つのテーマをずっとある程度の期間やるというよりは、複数のテーマを相乗りしながらやるほうが多かったりする訳ですね。人によっては大変やりづらいと思う研究者もおりますが、いろいろなところに気が回って頭が使えるようなこういったトレーニングを学生のうちからされるのは非常にいいと思いましたので、できればこれは並列でやられるといいのかなと思いまして、質問させていただきました。どうもありがとうございました。
【永井委員】 ありがとうございます。
【和田部会長】 北委員、永井委員、ありがとうございます。企業との接続という観点で御質問いただきました。
それでは、大竹委員、お願いいたします。
【大竹委員】 ありがとうございます。東京科学大学の大竹でございます。非常に多くのすばらしい御発表、それから今のディスカッションも非常に有益だなと思って勉強させていただいております。
先ほどの石橋課長のお話で、学位の質、そして教育の質というのを社会に公開するというか説明するために重要だというお話を伺って、そうかと思った中で、高橋先生もおっしゃっていましたけれども、佐久間委員の伸長度というのは私も良いなと思っていて、一つ大きな参考になる言葉と思います。
その背景は、私はどうしても研究が一緒にあるので、教育と研究というのがなかなか分け切れなくて、研究を通じた教育というのはどうしても大学院においては大事だと思っていて、科学技術の再興と今言う中で、やはり大学院の役割は物すごく大きいと思うんですね。もちろん人材輩出もそうですけれども、そこから出てくるアウトプット、研究としてのアウトプットということも、日本としては全く無視できないというか非常に大事だとすると、やっぱり伸長度というところに、うまくそこが入ると非常に元気が出るなと。つまり、研究も含めた、研究を通じた教育の成果というのを含めた伸長度というのが入るといいなと思ったところでもあるんですね。
そんなわけで、石橋課長と佐久間委員に、その辺り、そう考えてもいいのかということを教えていただけるとありがたいと思いました。
【和田部会長】 ありがとうございます。それでは、先に、佐久間委員、お願いします。
【佐久間委員】 ありがとうございます。おっしゃるとおりかと思います。結局、先ほど私が申し上げた、学位論文執筆過程で伸長度を測るというのは、能力の可視化でもあるんですけれども、研究指導そのものの可視化ということでもあります。特にやっぱり人社系の場合は、先ほども少し申し上げましたが、どうしても研究指導が指導教員と学生の一対一の関係に閉じてしまうところがあって、ある意味ブラックボックス化しているところがあります。そういったことも含めて、なかなか実際やるとなるといろいろ課題は大きいとは思いますが、ぜひやれればいい、またやるべきだと思っているところでございます。御指摘ありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。石橋課長、いかがでしょうか。
【石橋大学振興課長】 大竹委員、ありがとうございます。御指摘のとおり、そこがやはり学部段階と研究科段階の最も大きな違いであると考えております。研究指導につきましては、もちろん研究に裏打ちされたものであると思っておりますが、その中で大学院における教育と研究が一体となった在り方をどのように評価するかという点について、私たちも佐久間委員の資料から大変多くのことを学ばせていただきました。このような測り方が可能であれば、研究指導をベースに、それぞれの学生がコンピテンシーを積み重ねながら成長していく様子を示すことができ、非常にわかりやすくなるのではないかと考えた次第でございます。その意味で、大竹委員の御指摘のとおり、研究を基盤とした伸長度として捉えてよいのではないかと考えております。
以上でございます。
【和田部会長】 大竹委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。今の議論もとても大事な議論ではないかなと思っています。ありがとうございます。
西村委員、お待たせしました。よろしくお願いします。
【西村委員】 ありがとうございます。私はもともと民間にいた人間なので、大学院の教育は実は受けてなくて今指導しているという、非常に変わった立場なので、今、先生方のおっしゃったこのすばらしいプログラムのつくり方と評価の仕方、私はそこには全く発言できる立ち位置ではないのでそこは少し避けて、少し気になるということはないんですけれども、大薗委員がおっしゃっていた社会的インパクトはどうやって測るのかということと同時に、社会的インパクトをつくる人材をどうやってつくるのかということを大学院で達成度のような形でカリキュラムしっかり組んで、いろいろなプログラムを入れて平均的に全部上げるというのは、もう間違いなく日本の大学院はできるんだと思って、それはもうかなり構築されているんだと思うんですけれども、突き抜けるですね。私は、大学院生は平均で上げていくというのは重要だけれども、縦列に一番上がどこまで伸びるのかという、天井を破る人間をつくれるのかというのが多分かなり重要かなと思っていて、そういう要素もあると、日本の大学とか日本の研究力は上がっていくのかなと思います。
一つのヒントは、永井先生がおっしゃっていた、寺野学長が何でそんなに産業界いっぱい博士を出せたのかというのは、寺野学長と私も話をしたんですけれども、あの方は産業界でも飛び抜けた結果を出したという突き抜けた人だと思うんですね。その突き抜けた人の伝播みたいなものというのかな、そこまでできるのか、やれるのかというか、面白さというのは、天井を抜けたときの楽しさみたいなものがあるんじゃないかと思うので、それが100人いたら100人の中の2人か3人ぐらいは響くんだと思うんですね。
そのような上限を抜けて伸びる子たちをつくるので、何か大学院で縦列に伸ばして、上を、天井を抜かせるような教育というのはできるのかとか、そういうのを何か測るようなやり方というのはあるのか。コンピテンシーのようなものを見ていくというのもあるんだろうと思うんですけれども、何かそういう考え方もどこかに入れていいのかなと思い、私がやっている中で、人が変容したときの変化率の伸長度に、本当に想像もできないぐらいの結果を出してくる人たちもやっぱり社会人だと出てくるんですね。そうすると、何かそういうきっかけを与えるだけでも大学院の意味があるとしたら、突き抜けるということが大学院の頃に少し感覚的にも感じ取れれば、そういうことが当たり前だということで社会に出ていくという人というのは、上限をつくらないで結構努力していくんですね。何かそんなものが大学院にもあってもいいのかなと思ったので、ちょっと話がずれてしまうかも分からないですけれども、感想のような形で伝えさせてきました。
【和田部会長】 ありがとうございます。今の話は、ある意味では、富士山の山容を描いたように、幅広い裾野と高い頂というきれいな山容を描いたときに、今までの議論はどちらかいうと、幅広くやって全体を押し上げるというものかと思います。でも、その中で高い頂をどうやってつくっていくのかという、そこの議論になるだろうと思います。そういった分野が恐らく、富士山のような単峰に加えて連峰のようにいろいろなところに出来てくるという、こんな議論に持っていく。ちょっと抽象的な言い方で大変恐縮ですけれども、だからこそ大学院部会で学部とは違う評価ということを考えている。先ほど石橋課長からも御説明いただきましたところと関係していると思って伺っていました。ありがとうございます。
それでは、平松委員、お待たせしました。お願いします。
【平松委員】 平松です。ありがとうございました。今日御説明していただいた事例がいずれも想像以上にすばらしい。こういう言い方で失礼ですけれども。実は今回の会に参加するに当たって、産業界としての期待値という意味でいいますと、専門性の高さはもちろん見ているけれども、いわゆる汎用的なコンピテンシーのところ、仮説を立てて研究を推進する力や、課題に対して主体的にどうチャレンジするか、もしくは専門性以外の人たちといかに共創するような力や経験を持っているか、実際に企業が求める人材というと、専門性プラスそういう汎用的なコンピテンシーができるだけ可視化されてくるといいと思っています。もう一つは、そういう評価をするに当たって、産業界でどういう人材が求められているのかという観点もぜひ一緒になってつくっていきたいということをコメントしようと思いましたが、今日の事例の中ではほとんどそれを実践されているということで、本当にすばらしい。あとは、これをいかに広げていくのかということだと思います。
広げていくときに、例えばインターンシップをうまく組み込んだり、卒業して就職した後にアンケートを取ったり評価を聞いたりという、これをいろいろな大学からいろいろな時期にばらばら来始めると、大変だと思います。こういう評価をするに当たって、それぞれの大学なり研究室なりの特徴や個性の部分はもちろん違っていいけれども、何らか標準化されたベースのところのプロセスなりフォーマットなりある程度標準化されてくれば、企業側もある決まった時期に決まったようなフォーマットでお返しするようなこともできると感じましたということが1点です。
それから、先程、社会的インパクトというキーワードが出てきたので、御参考までに。私は経団連の大学教育改革推進委員会のメンバーにもなっていまして、1か月ぐらい前に、教員の評価の事例の共有をしていただいたときに、社会的インパクトということを大学の教員の評価の中に何か入れていますかといった議論がありました。教員一人一人にそれを評価するということは入れていないけれども、例えば共同研究の観点で、それを積極的にやっているかというようなことも評価上は見ているけれども、むしろそこは外部資金をどれだけ獲得したかといったほうが重視されていて、インパクトということではなかなか難しいですねというようなコメントもありました。
ただ、大学全体もしくは学部とか研究室ぐらいの単位で評価するというよりも、社会的なインパクトを例えば3年ぐらいをかけて生み出そうとしていますといったことは、教員、もしくはそこで学ぶ人たちがどういうテーマでどういう研究をしていこうかというときの目線を上げるという意味では、ビジョンや、目指すべきありたい姿としての社会的インパクトというのがそれぞれ特徴あるものが大学なり学部なり研究所なりであると、こういう学生が育つ、PDCAが回っているいい学校ですということに加えて、どういう目線の人たちが来るところだといったことを我々産業界のほうも、よりアカデミア、大学なり大学院のことの理解を深める上でも重要と思いましたので、コメントだけです。
以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。4名の先生方、いずれも立派な発表だったと思います。ありがとうございます。
それから、先ほどの話は、成果またはそれに基づくアンケートの標準化という御提案ではなかったかと思います。さらに、社会的インパクトというのを大学側としてどのように設定していくのかというところの見える化ということも御提案いただいたと思います。先生、ありがとうございます。
それでは、両角委員、よろしくお願いいたします。
【両角副部会長】 両角です。ありがとうございます。本当に今日もすばらしい御発表ばかりで、私も大変勉強させていただきました。本当にすばらしい発表を聞く中で、改めて大学院というのは、研究室教育がとても重要でそれが基盤にはあるんですけれども、ただ、やはり評価の単位は研究科とかそういったところできっちり考えていくことが重要なんだなということも、今日の4名の先生方の発表を聞いて改めて思いました。
私が今日感じていたことは、石橋課長のこのメモを見て、この観点を入れたほうがいいのかなと思った点をちょっとお話ししたいと思いました。先ほど大竹委員も研究を通じた教育だろうというところのお話をされてたことと多分通じると思うんですが、大学院教育の場合の評価を考えるときに、やはり教育評価という発想に閉じないほうがいいというか、研究評価という観点も含めて入れていく必要があるのかなと思います。
例えばイギリスのREFという研究評価のところの中にも、大学院、特に博士課程についてのトレーニングの指標みたいなものもいろいろ入っているんですけれど、そういったところを見ていると、もちろん達成度とか伸長度の評価とかも大事だと思うんですけれども、結構最近重視されているのが、先ほどから出ているインパクトの話と、もう一つは環境です。どういう成果が出てくるかといったことがやはりかなり環境に依存しているので、そこ自体をきちんと評価しないと評価になっていないというところは重要な観点で、あまり出ていないのかなと思います。
例えば研究資金にしても、大学全体もそうですし、学生の経済的な状況がどうなのかといったことも、どういう教育研究ができるかといったこととかなり密接につながっていますし、先ほどから出ている産業界との連携、大学との連携、あるいは国際的な連携みたいなことも、教育の質、研究の質をかなり規定していく面だと思います。
また、イギリスとかヨーロッパの議論を結構見ていますと、もちろん研究室のいわゆる徒弟制的なものが大事ではあるんですけれど、その危うさみたいなことも同時に指摘されていて、複数指導制とか、チームで見るとか、あるいは学生のメンタルヘルスのサポートを入れていくとか、そういう組織的な対応、組織的対応というと日本だと一気にコースワークというふうに走ってしまうようなところがあるんですけれども、コースワークだけじゃないような組織的な大学院教育の取組がいろいろなされていて、そういったことがどれぐらい取り組まれているのかみたいなことを、必ずしも定量的なことだけじゃなく定性的に環境として評価していくという、そんなような観点も大事なのかなと思いましたので、その点をぜひ議論に入れていただければと思いました。
以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。新たな評価軸、特に研究教育環境といったような評価軸ということだったと感じます。ありがとうございます。
それでは、吉原委員、お願いいたします。
【吉原委員】 御発表どうもありがとうございました。お話を聞いていて、各大学が置かれている環境や目指しているところが違うので、それによって取組がいろいろあって、そのどれもがすばらしいなと思いましたが、そういうものが評価されるような仕組みが大事かなと思いました。ですから、基本的なものとか制度的なもので共通的なことというのは、良い悪いというような、先ほど二重丸のようななお話がありましたけれども、そういう評価ができるのかなと思いました。
一方で例えば北陸がやっていらっしゃったようなオーダーメードというようなものはそういうところに入ってこないのかなと思いますし、その規模によってできる大学できない大学もあるかと思いますので、そこは良い悪いではなくて、特徴として評価していただけると、各大学が個性的な取組をできるのかなと思いました。そして、その結果を、ただ大学関係者が評価結果として見るのではなくて、高校とか、もっと言えば、塾とか保護者とかそういう人たちの目に届くようにしていただけると、大学を選ぶときに偏差値だけではなくて、特徴によって選ぶことができるということでより良いマッチングが進むのかなと思います。そして、それは各大学にとってのインセンティブになるのではないかと思いました。
あと2つは細かいことなのですが、先ほどからも話にありますように、複数指導体制とかそういうところを評価していただくというのは非常にいいのかなと思っております。というのは、異分野交流は全体としては、今どんどん進んでいると思うのですが、全然進んでいない分野もあるなと思っておりまして、その差がどんどん開いているのではないかと思うのです。そういうところにも、要は、時代の変化に伴っていろいろ交流する、融合するというものを進めていくときに、評価制度というものを使うのはいいのではないかと思いました。
あともう一つは、これはもっと細かいことなのですが、負担低減に関してです。新しいものをつくるときに、ほかのものとの統一性を持たせていただけないでしょうか。今、大学の中で実務をしていると、同じ結果や成果を異なる言い回しにして、多くの書類に書き分けるという作業をしています。それがなくなると、随分負担は減り、活動にフィードバックする時間に使えるようになると思いますので、細かいことなのですが、そこも考えていただけると非常にありがたいと思っています。
以上です。
【和田部会長】 吉原委員、ありがとうございました。まさに最初お話しいただいたのは、エッセンシャルなところは共通軸として、それぞれ2段階目として特色あるものを評価する、そういった軸も入れてはどうかという御提案だったと思います。これはまさに遠藤室長にお話しいただきました資料の2枚目です。学修成果に係る主な評価基準・評価項目の例で、それぞれの直接評価・間接評価が1段階、2段階としてそれぞれの分野の特有の評価をする、こういった議論と似たような議論になると理解をいたしました。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。そろそろよろしいでしょうか。
ありがとうございます。本当に多くの議論をいただきまして、本日もありがとうございます。私自身も、この伸長度や時間軸ということも教えていただきました。恐らく評価の観点では多様性というのは当然必要だと思います。ですので、その中で、時間軸、そして多角的な評価軸をどういう形で入れていくのかというのは大きな議論なんだと思います。
伸長度は、在学中の伸長度と、それから時間軸を考えますと、修了後の伸長度と2つあるのではないかと思って伺っていました。特に伸長度が、学修者、学修者が終わった後、修了後に、それぞれの企業あるいはアカデミアでの伸長度というところも、実は知の総和が増大するということに密接に関係しているのではないかと思っております。
その点からは、小野委員の修了後6年ごとにアンケートを取っていくこと、これは大変手間かと思いますけれども、伸長度を測る上では大変重要な取組だと思って伺っておりました。ですので、こういう時間軸も少し意識した、特にこれは社会的インパクトにも関係しますので、この伸長度を測るための軸というのも少し考えていきたいなと思って伺っておりました。本当にありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
大変充実したディスカッションをしていただきました。改めて、御発表いただいた先生方にも御礼申し上げたいと思います。また、この議題に関しましては継続して本部会で取り扱っていきますので、引き続き、活発な御質疑をいただき、議論いただければと思います。また、事務局におかれましては、本日の委員の貴重な御意見を踏まえまして、論点を少しまた整理いただければと思います。
もし御発言ないようでしたら本日の議題はここまでにしたいと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、事務局のほうにお回しいたしますので、御連絡いただければと思います。ありがとうございます。
【永見大学院振興専門官】 失礼いたします。本日も大変活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。また、本日御発表いただきました4名の先生方におかれましては、大変短期間で御準備をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日の議事内容を含めまして、何かお気づきの点や本日御発言いただけなかった点等ございましたら、後日で結構でございますので、事務局まで御連絡をいただければと思ってございます。
次回、123回の会議でございます。日程等につきましては、改めて御連絡をさせていただきます。
以上でございます。ありがとうございました。
【和田部会長】 永見専門官、ありがとうございます。
それでは、会議を終了したいと思います。本日は、御多用の中御臨席賜りまして、本当にありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
―― 了 ――
大学院係
電話番号:03-5253-4111(内線3312)