令和7年11月11日(火曜日)16時00分~18時00分
WEB会議
(部会長) 和田隆志部会長
(副部会長) 両角亜希子副部会長
(臨時委員) 飯田順子、大薗恵美、大竹尚登、小野悠、加藤映子、佐久間淳一、杉村美紀、塚本恵、永井由佳里、西村訓弘、吉原拓也の各委員
(事務局)石橋大学振興課長他
【和田部会長】 それでは、所定の時間になりましたので、第121回大学院部会を開催したいと思います。大変御多用の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、初めに、事務局のほうから連絡事項をよろしくお願いいたします。
【永見大学院振興専門官】 失礼いたします。
まず、本日の出欠状況でございます。本日は、伊藤委員、北委員、高橋委員、平松委員、横山委員より御欠席の御連絡を頂戴しております。それから、大竹委員は遅参されるとの御連絡を頂戴しております。
なお、定足数でございます過半数には達しておりますことを御報告いたします。
続きまして、議事に入ります前に連絡事項をお伝えいたします。本会議はZoomによりますウェブ会議として開催いたします。ウェブ会議を円滑に行う観点から、御発言の際には、挙手ボタンを押していただき、部会長から指名されましたら、お名前をおっしゃっていただきまして御発言くださいますようお願いいたします。また、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
資料につきましては、議事次第に記載のとおりでございます。事前にメールにて配付をしております。
事務局からは以上でございます。
【和田部会長】 永見専門官、ありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思います。
本日の議題は、御案内のとおり、大きく分けて2つございます。そして、その他となります。前回事務局から頭出しをされましたように、1つ目、大学院の新たな評価、2つ目が、学部・研究科の連続性に配慮した教育課程の促進に係る制度改正についてでございます。
初めに、議題(1)大学院の新たな評価について議論してまいりたいと思います。
これも御存じのとおり、大学院の評価につきましては、これまでの答申においてもその重要性が指摘されています。特に認証評価制度においては、機関別評価の中で取り扱われてきたということがございます。さらに、今年の2月、知の総和答申がございました。この中で、教育研究の「質」の更なる高度化に向けた取組ということが示されています。中でも、「在学中にどれくらい力を伸ばすことができたのか」等を含む教育の質を数段階で評価する新たな評価制度への移行が掲げられております。そのため、現在、質向上・質保証システム部会の下に教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループが設置されまして、議論が進められています。
このワーキンググループにおきましては、主として学部段階の教育について検討が行われています。新たな評価制度への移行に当たりましては、大学院段階でどのような観点で何を評価するか、ここも重要なことになります。したがって、この観点について、委員の皆様より率直な御意見をいただければと思っております。
初めに、分野別の評価で行われております専門職大学院について、分野別認証評価の現状について御紹介をいただきます。そしてまた、論点についても説明をしていただきます。初めに遠藤室長、その後、石橋課長から説明をいただきます。その上で、質疑応答、意見交換をしたいと思っています。
それでは、遠藤室長、よろしいでしょうか。お願いいたします。
【遠藤専門職大学院室長】 ありがとうございます。文部科学省の専門職大学院室長の遠藤でございます。よろしくお願いいたします。
資料1-1に、専門職大学院における現在の分野別認証評価について、御紹介をさせていただければと思って資料をまとめてございます。
1ページ目を御覧ください。こちら、分野別認証評価の現状について簡単にまとめてございます。
機関別とは異なって、分野別の認証評価につきましては、認証評価機関の評価を5年以内ごとに受けなければいけないということが法令上規定されている状況でございます。
実際の評価項目といたしましては、その下の四角にありますとおり、教育課程や教員組織のほか、成績の評価、修了の認定、入学者選抜等々について実際に評価をいただいている状況でございます。
非常に細かいですけれども、具体的にどういった評価の項目について求められているのかといったところは、いわゆる細目省令と言われている省令のほうで規定されておりますけれども、特に左下側、専門職大学院に対する分野別評価項目というところで、教育課程や施設・設備に加えて、今回、特に重要ということで御指摘いただいている学修の成果のところ、こういったところも法令上明確に規定されており、関連する職業団体の方々の御意見等も踏まえながら評価をいただいている状況でございます。
なお、右側は、最も細かく細目省令上規定されております法科大学院についても、分野別の評価項目として参考に挙げさせていただいてございます。後ほど触れますが、特に学修の成果というものを見ていくときに大事になる項目としては、丸7番に掲げられている学修の成果に係る厳格かつ客観的な評価及び修了の認定、丸12番にございます課程の修了認定、さらには、丸15番にございます法科大学院の課程を修了した者の進路等の教育活動の成果、これは司法試験の合格状況を含むということでありますけれども、こういった教育活動の実施状況、こういったところがいわゆるDPに関わるようなところとして大事な項目になってくるかなと考えているところです。
次のスライドを御覧ください。実際に認証評価を分野別で行っていただいている評価機関を、それぞれの分野とそれぞれ対応する評価機関ということでまとめさせていただいてございます。非常に多くの機関から御協力をいただいているという状況でございます。
なお、一番上の法科大学院にもありますとおり、一つの分野であっても、認証評価機関が複数あるという場合があります。
さらに、その次のスライドでございますけれども、こちら御参考でございますが、いわゆるDP・CPに係る項目として御参考に挙げさせていただいてございます。経営系の専門職大学院の基準、大学基準協会のものですとか、あとは、工学系、産業技術系の専門職大学院の基準ということで、JABEEの項目、これは関係するところを抜粋したものですので、御参考に見ていただければと考えてございます。
次のスライドをお願いいたします。分野別の認証評価に関連する近年の主な提言等ということで、分野別認証評価も、認証評価制度一般的なものと併せてつくられてございますが、20年間、様々取組を行っていただきました。この中で、過去にも、平成28年の段階であるとか、いわゆるグランドデザイン答申の中での御指摘をいただいたり、さらには、質保証システム部会のほうからも審議まとめという形で様々御提案をいただいているという状況でございます。まさに今回の審議を踏まえまして、こうした提案もしっかり受け止めて、よりよい制度づくりをしていく必要があると考えている状況です。右側、法科大学院のほうは具体的に進んでいるので、次のスライド以降、参考に申し上げたいと思います。
次のスライドをお願いします。法科大学院につきましては、認証評価の厳格化が近年進んできていたという状況でございますし、さらに、スライド右側の上のところ、公的支援見直し強化・加算プログラムということで、極めて厳しいめり張りある予算配分を行ってきたという現状がございます。 スライドにありますとおり、この加算プログラム、2段階になっておりまして、基礎額というところで、いわゆる司法試験の合格率といったような数字をしっかりと基礎とさせていただいた上で、右側、加算率と書いてあるところで、こちらについては、大学の自主性・自律性を尊重して、大学自らが自ら客観的に把握可能なKPIを設定し、その達成状況をクリアに数字でお示しいただいた上で、その加算の在り方、実際に審議をいただいて、予算措置をさせていただいているという2段階の構造になってございます。こうしたように評価を活用している例もあるということも御承知おきいただけるといいのかなと考えているところです。
さらに、次のところでありますけれども、スライドのところ、特に認証評価の在り方については、法科大学院においてはかなり御指摘をいただいているところです。これは令和2年の段階で中教審の法科大学院等特別委員会のほうで指摘された内容でありますけれども、具体的な方向性と書かせていただいているところで、特に2つ目の丸のところ、教育内容・方法等に関する実質的かつ重点的な評価ということで、やはり認証評価を行うに当たっても、特に重要視するべき評価・項目というのはあるであろうということで御指摘をいただいています。
ここに掲げられているような1、2、3、4といったところが実際に指摘されておりますし、さらに補足をさせていただくと、特に学修の成果に関するようなところについて、どのような評価が具体的に行われ、どのような書類等、大学の皆様に御協力いただいているかというと、大きく3つございまして、1つは、授業の成績の評価というものを着実に行っていただくということ、これは学修成果の基本なのかなとは思っておりますが、これを見るために、成績評価の基準であるとか、成績の分布であるとか、さらには定期テストの問題、さらには学生の回答用紙、このようなところも実際に御確認いただいているような団体もございます。このようなところで一人一人の学生の成績の評価を厳格に行っていただく、さらには、その修了要件を実際に明確に学生等に示して、GPAの取扱いや教授会においてしっかりと修了認定が行われているのか、このようなところも見させていただいているという状況がございます。
さらには、3つ目、国家資格等の合格率ということで、客観的に、法科大学院ですので、当然司法試験の合格率についてもしっかり見ますし、修業年限による修了者数、実際の修了率、さらにはその進路の状況ということも伺っておりまして、実際の修了生であるとか、数年後、全てではないですけれども、修了生に対するインタビューみたいなものも行っていただき資料を大学側の皆さんから提出いただいて、それを相まって学修の成果として評価をいただいているというのが実際の現状でございます。
このようなところも御参考にしていただいて、実際の評価、ほかの大学院において適用する場合の御議論をいただけると幸いだというふうに考えているところです。
次のスライド以降でございますけれども、今回の「新たな評価」の基本的な考え方に対して、法科大学院協会のほうから御提案をいただいた資料も参考につけさせていただいてございます。
要すれば、非常に評価が大変なので、より効率的・効果的で、大学が意欲的に取り組むことができる制度にぜひしていただきたいということを御提案いただいている状況でございます。
さらには、次のスライドでありますけれども、例えば、論点の丸2ということで、ワーキンググループのほうでも触れていただいた柔軟な受審期間の設定というようなところです。課題があると評価された場合には受審期間を短縮化し、一方で、優れていると評価された場合には受審期間を延長する等の柔軟な受審期間の設定ができないかという御提案を頂戴しています。
さらに、次のスライドでありますけれども、論点の丸5、今回の大事なポイントの評価基準・評価項目に関してでありますけれども、例えば、分野別で求められるような場合については、高等教育の基盤となる部分の評価基準はもちろん必要であって、追加的に分野固有で構成される部分というものも求めていくといったことが考えられるのではないかということが、実際の協会のほうからの御提案としていただいているところです。
なお、私どものほうでは、次のスライド以降に、全ての分野別認証評価機関、さらには、全ての専門職大学院に対して、今回の新たな評価に先立ってアンケート調査をかけさせていただきました。その概要はスライドのほうでまとめさせていただいているところですけれども、ぜひ大学の声ということで御紹介をしたいので、14ページまで飛ばしていいでしょうか。
様々あるので、時間の関係で割愛して恐縮でございますけれども、大学のほうからの声といたしまして、特に3つ目、現状の分野別認証評価の課題についてということで、現状は、やはり機関別認証評価との重複感があるという話であるとか、国立大学法人評価、機関別評価、分野別評価という形で、いろんな評価があって大変だということの御指摘も頂戴しています。
さらには、実地調査の負担であるとか、受審費用の問題、評価項目についての形骸化みたいなところも、大学側からの声としてはいただいている状況です。
さらに、その次だけ最後に触れさせてください。次のスライドでありますけれども、専門職大学院の場合は、国際的な認証評価機関による評価を受けておられる大学院、まさに自主的に質を高めようということで取り組んでいただいているところがありますので、こちらについては、国内の認証機関として認めていただけると負担軽減になるし、やる気も出るという御指摘も頂戴したりしているところです。こういった国際的な観点も重要な論点になろうかと思ってございます。
非常に駆け足で恐縮でございますけれども、現状、このような専門職大学院の分野別認証評価の仕組みとなってございますので、ぜひこのようなものを参考にしていただきながら、大学院全体の議論に生かしていただけると幸いでございます。
私からは説明以上でございます。
【石橋大学振興課長】 部会長、よろしければ、続けて私のほうから御説明させていただきます。
【和田部会長】 では、石橋課長、よろしくお願いいたします。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございます。では、続けさせていただきます。
資料1-2を御覧いただければと思います。
めくっていただきまして、これは学部段階のほうで、今、遠藤室長からも触れていただきました、また部会長からもお話しくださいました、ワーキンググループが夏にまとめました中間的なまとめをごく簡単に御紹介させていただきたいと思っております。
認証評価制度、大学の先生方は御案内のところかと思いますが、制度導入から20年が経過しており、内部質保証システムの導入は進んでおります。
一方で、この大学が適合か不適合かということが結果として示されますが、不適合の大学が多く出るわけではございません。そのため、この評価を社会がどのように活用をすべきかという点について、社会の要請とのすり合わせが必要になるのではないかという観点があります。
また、先ほど法科大学院の説明の中でもございましたが、評価者・被評価者双方の評価負担、そして、インセンティブの問題があります。法科大学院は加算プログラムというインセンティブを既に設けておりますが、それ以外の大学の機関別認証評価では特段そのような仕組みはございません。
さらに、内部質保証についても、恐らくガバナンスサイドの先生方は非常に意識してくださっているかと思いますが、それがカリキュラム改善までつながっているかという点が、現状と課題として整理されております。
「新たな評価」への転換にあたっては、教育の質を適切に評価できる制度とするべきであり、転換が必要であることが書かれているというところでございます。
改革の方向性は3つございます。まず、学修者本位の教育を引き出す評価制度になっているか、基本的には3ポリシーを基盤とする教育の成果が適切に評価されているか、さらに、学生自身の成長実感や、ステークホルダーによる評価を可視化していくことが求められます。そのうえで、教育改善が進められているか、このPDCAサイクルまで確認する必要があるのではないか、ということです。また、「新たな評価」では、「教育の質」を向上させる方向での評価が必要であると考えられます。
(2)は、社会に理解されやすい形で公表される必要がありますし、(3)は、「徒労感」や「負担感」の解消のため、必要な項目の厳選やデータベースの積極的活用などが提言されております。
次の3ページ目になりますが、特に今後どのような点を具体的に議論をすべきかという観点で、大学教員らを中心とした評価委員会による定性的評価(ピア・レビュー)を基本としましょうということで、先ほど専門職大学院では複数の機関が関わっておりましたが、機関別認証評価でも5機関が存在します。この機関間の評価の基準・観点をすり合わせる調整組織が必要ではないか。この評価機関に対しても、文部科学大臣が適正に評価が行われているかを確認するシステムが必要であると考えられます。
それから、評価対象についてですが、教育の質を評価する際には、例えば10学部などがある大学全体で見るよりも、学位の分野に基づく学部・学科、研究科ごとの教育の質の評価を重視する制度設計が望ましいのではないかと考えられます。
また、評価の視点についてですが、養成すべき人材像やディプロマ・ポリシーは、それぞれの学部・研究科で多様です。そのため、まずはこれを適切に設定した上で、必要な学修成果が達成されているかを可視化し、それが教育改善につながっているか、つまり、PDCAが回っているかを確認することが重要です。
具体的な評価基準・項目、指標等のモデルについては、現在ワーキンググループで検討を進めている状況です。本日は、大学院においてもどのような評価が必要かについて、先生方に御議論いただきたいと思っております。
学修成果の可視化につきましては、成績等の直接評価と、学生のアンケートによる間接評価の双方の観点が必要であろうということです。また、先ほど遠藤室長からも国際的な評価との関係について触れましたが、国際的な評価がなければ、例えば海外でのプラクティスが認められないような分野もあります。その場合は、国際的な評価を適切に尊重することも必要かと思っております。
学部についても、大学院と共通する部分がありますが、ディプロマ・ポリシーが、本当に達成することが可能であり、かつ、それが評価可能な尺度になっているのかを再検証する必要があると考えられます。
評価手続については、段階別評価の導入が必要であり、これは、自己改善につながる評価であるべきで、絶対評価を行うことが前提です。また、データベースの構築や実地調査については実施義務を撤廃し、一定の条件下でのみ実施する方向で検討してはどうかということです。
5番目として、評価の結果の公表・活用については、公表内容やフォーマットを統一すること、さらに、国の政策への活用などのインセンティブを検討することが必要です。このような形で、学部段階についてはまとめられたという状況です。
その上で、では大学院ということでございますけれども、4ページ目、非常に基礎的なところの課題でございますが、大学院の課程の目的ということで、修士課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、専攻分野における研究能力、または、これに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うことを目的としております。
博士課程は、研究者として自立して研究活動を行い、また、その他の高度な専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及び基礎となる豊かな学識を養うと。
加えて、専門職学位課程は、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うという、このような目的が書かれているところでございまして、知のプロフェッショナルの養成ということを学士課程の上でやっているというのが、大学院の課程のそれぞれの目的ということになります。
この上で、では、まさにこの大学院の教育の質をどう見てみていく必要があるかということが5ページ目でございますけれども、上に大学院教育の改革ということで、これまで言われてきたこと、「知の総和」答申の中で触れられたことを書いておりますけれども、大学院における「新たな評価」に向けて検討すべき評価の視点、何を評価するかということを中心に今日御議論いただければと思っております。
その上で、まず留意すべき事項ということですけれども、やはり大学院は学部段階よりも社会人の方も含めてでございますが学生の多様性が高いということ、加えて、その先のキャリアパスも多様であるということ。アカデミックに教授を目指して学会・学術界で活躍される方もいらっしゃれば、プロフェッショナルの世界に行かれる方もいらっしゃいますし、もう既にプロフェッショナルの方が一度戻られてまた活躍されることもありますので、その辺りの特性を重視しながら議論する必要があるのではないかと考えております。
それから、学部でも成果指標というところの議論になっていますが、対象学生数の大小による影響のようなもの、研究型と少人数のところも当然ございますので、どのようなKPIを達成したというようなことだけで評価するとミスリーディングなことがあるかもしれませんので、その辺りの影響を見なければいけない。それから、先ほど申し上げました国際的な評価機関による評価との関係、この辺りのことは、留意すべき事項として我々としても認識しているところでございます。
その上で、0番、最低限の質保証に関するものというところは、法令適合性、教学に係る規程やシステムの有無というところの確認をした上で、修了者の成長に関するものということを、例えば、先ほどの法科大学院などは司法試験の合格率とか、修了率とか、非常に分かりやすい一つの指標がありますが、ほかの学問分野の研究科であれば、そのまま適用できるわけではないと思いますので、ぜひ、それぞれ先生方が担っていらっしゃる学問分野の中で、こういうことなら測り得るのではないかというようなことを本日アドバイスいただければと思っているところでございます。
学部の場合は、現在、全国学生調査という調査をしておりますけれども、大学院段階はそういう調査もございません。こういうところを新たに取っていく必要があるのか、これはそれぞれ大学院でお願いしてやっていただくこともあるのか、それとも全国版を考えるべきか、この辺りも論点になってくるかと思っております。
その上で、研究指導を含む教育環境に関するものということで、大学院のポイントは、この研究指導だと我々としても考えておりまして、例えば、3つ目ですけれども、論文執筆や国際学会での発表の機会等が十分に与えられているかとか、この辺りはどちらかというとインプットの話にはなりますが、こういうところをしっかりと確認していくというようなことも一つあるかと思いますが、こういうことを確認すべき、かつ、確認するならこのようなデータが必要というようなことを本日、御議論いただければありがたいと思っております。
次のページでございますけれども、今、機関別認証評価の中で、何を大学院のところで見ていますかということの基準協会の例を書かせていただいておりますが、コースワークとリサーチワークを適切に組み合わせた教育への配慮とか、理論教育と実務教育の適切な配置等、これは専門職のほうになると思いますが、研究指導計画の明示・実施、教育方法と学習指導の実施など、こういう形のところを確認するというところにとどまっているというのが現状かなと思っております。
一方で、修了者の方とか大学院の在学生にどういうアンケートをこれまで取ってきたかということで、これは文部科学省で実施しております卓越大学院プログラムの例でございますが、在籍者に対しては、例えば、能力は身につきましたかとか、能力は変化しましたか、修了後の進路についてどんな希望を持っていますか、どのような職等に就きましたか、このような観点を聞いているような事例はございまして、実際これは卓越大学院プログラムという予算事業でございますので、「非常に高く向上した」や「ある程度向上した」などが成果として出ているということでございますので、学生にこういうことを聞くという可能性はあるのかなということで、一例、準備させていただきました。
この後は参考資料になりますので、また適宜御質問等ございましたら、御説明させていただきたいと思います。事務局からの説明は以上でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
【和田部会長】 ありがとうございます。
遠藤室長、そして石橋課長から、大変分かりやすくポイントを押さえてお話をいただいたと思います。
遠藤室長からは、この分野別認証評価について、特に法科大学院について少し説明をいただいたと思っています。さらに、石橋課長からは、ワーキンググループの論点の整理、概要、2枚にわたるそこの部分のポイント、そして、今回、評価の視点、何を評価するかという論点整理のところをお話しいただきました。また、卓越大学院のアンケートも御紹介をいただいたと思います。
これらのデータを踏まえまして、質疑応答・意見交換の時間にしたいと思います。先生方、いかがでしょうか。御発言ございましたら、挙手のほうをお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、初めに、加藤委員、お願いします。
【加藤委員】 評価のことなんですけれども、これ、専門分野によって随分違うというか、その見るところが違うのではないかと思うんですね。自分自身なんかはやっぱり研究者ですので、研究者の視点でどうしても、どういう評価をしていくべきかと判断しがちだと思うんですけれども、例えば、MBAであるとか、ほかのところであれば、そのMBAを取った人が大学で教えるという可能性もあるでしょうけれども、企業の中で、その取ったMBAがどう評価されていくかとか、どういうものが求められているかというのは、ちょっと研究者の視点とは異なるのではないかと思います。
それから、理工系の方であれば、研究者になる方もいらっしゃるだろうけれども、そうではなくて、企業の中でそういう仕事をなさっていくという場合に、企業の人が取って、大学院に行ってその分野を学んだことがどう評価されるのかとか、どういうスキルというか、どういう資質を持ってほしいのかというのは、分野によって違うのではないかと思います。
以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。
分野による違い、また、修了者の活躍する場所によっても異なるのではないかという御指摘ではないかと思います。ありがとうございます。
それでは、両角委員、手が挙がっていますでしょうか。
【両角副部会長】 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。
大学院の教育についての質保証ということで、今も加藤先生から出ていましたけれど、学部と同じに考えてはいけないのではないかというのが私の基本的な意見です。
法科大学院とか、少し職業人養成的なところですと、似たような考え方でできる部分があるかと思うのですが、研究者養成、研究者に最終的にならない人が出ていても、アカデミックな研究をする大学院でこういう評価の仕方をしている国はどこもないのではないかというのが私の感覚です。
大学院は、個別性がかなり高いですし、成果も出るためのいろんな環境を与えていることはもちろん重要なのですけど、成果が割とゆっくり出てきます。論文もいきなり書けませんし、学会だっていきなり発表もできませんし、就職とか出口も含めて、教育の効果が形になるのが遅いです。また、やはり指導教員の専門的な裁量みたいなことがすごく大きいところで、同じように考えにくいのではないかという気がしています。
例えば、学部のほうの質保証で、段階別の金銀銅という評価の考え方のモデルになっているのはイギリスなのですが、イギリスも大学院の場合は、そのような段階別とかという発想はもちろんないわけです。各大学院でどんなふうに学生が成長できるような環境とか仕組みを整備していて、それがどんなふうに機能していたり、どういう課題があるかといったことをそれぞれの観点でまとめていて、それが資金配分に直接につながるとか、そういうことではなく、そういう作業によって信頼を得ていくというようなことが重視されています。評価報告書の分量自体もそれほど長いものではなかったと思います。
質保証はあくまで保証にすぎなくて、結局何のためにやるかというところでは、質向上が重要で評価が良くても研究力が落ちてしまったりしたら何のための評価なんだというところがあるかなという気がしています。学部と同じ枠組みで考えすぎてしまうと、肝腎なところの問題が出てくるのではないかなと、そこを留意して設計を考える必要があるのかなと思いました。
以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。
何よりも評価の目的をやっぱり明確にするべきだという御意見だと思います。その上で、大学院と学部段階とは少し評価の方法、あるいは視点が違う。しかも、それはプロフェッショナルドクターといわゆるアカデミックドクターでは、少し評価の視点も違うのではないか。そのときに、成果が出てくる時間の長さ、時間軸ということも考えていかなければいけないという御指摘なんだと理解しました。ありがとうございます。
それでは、杉村委員、お願いします。
【杉村委員】 杉村でございます。4点ほど簡潔にコメントしたいと思います。
まず1点目は、現在別途議論されている学部・大学院一貫制、5年制との兼ね合いです。ディプロマ・ポリシーを軸に考えることは非常に重要だと思うのですが、学部との一体化を図ろうとしたときに、その連続性の中で、今回新たに入ってくる評価の在り方をどう考えるかということを考えるべきであるというのが1点目です。
2つ目は、これも「知の総和」答申でも繰り返し言われていることで、今回も出ておりますが、いわゆる質の保証とともに質向上とか、あるいは、質の高度化といったことを考えるときに、今まさに両角先生がおっしゃったとおり、長期的なスパンや時間軸の中で、実際に学修成果がどのように変化したかというのを見るのが非常にポイントになると考えます。つまり、法令に従っているかどうか、あるいは、最終的に成績をどうつけたという定点で見るだけではなくて変化をどう見るかというのが大事であるということです。先ほども石橋課長がおっしゃいましたとおり、データをどのように収集するかというのが非常に大きなポイントになると思います。これは大学院だけではなくて、学部のほうの質保証改善にも共通している課題だと思います。
3つ目は、国際通用性の問題です。特に、学部と違って大学院では、この国際通用性が担保されないとせっかく質保証・質向上しても、それが大学院の活性化につながらないおそれがあると思います。今後、人口減少に伴い、より高度な人材の養成が求められる中で、大学院に受け入れられる、あるいは、大学院の学生が海外で学ぶときの国際通用性ということは避けて通れないと考えます。そのときに、海外でつくられている国際的な通用枠組みというのが、特にアジアにも今、出来つつありますけれども、そうした基準と日本がつくろうとしているこの評価基準がどのように合致していくのか。例えば、先ほどどのような力をつけたらいいかという話が出ましたが、批判的思考力だとかコミュニケーション力といったコンピテンシーを軸とした枠組みを考える場合、国際的な基準と国別の制度的な違いを考慮しながら、どのように両者の整合性を取るかという課題があると考えます。
最後に、4つ目として、機関別評価をどう考えるかという課題があると考えます。機関別評価は、大学のガバナンスや運営を考える上で、これまでも大事な機会となっていました。機関別評価と分野別の評価のバランスを考える必要があると感じます。他国の事例を見ると、組み合わせて実施しているところが多いように思いますので、日本においても、そのことを考える必要があると思いました。今年の春先には、日本にも国別の資格枠組みが設定されましたので、それとの関連も考え、包括的に検討する必要があると考えます。
以上でございます。ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。
4つの点のうち、一番先にお話しされた連続性の点は、次の議題でも出てまいりますので、そのときにも御意見いただければと思います。
【杉村委員】 ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。
変化を、データをどうやって収集していくのか。ここは学部段階でも非常に大きな議論になっているのではないかなと思います。
それから、国際通用性に関しては、専門職の先ほどの資料の中でも、どのような形で国際認証を利活用するのかという議論もここに入っていたようには思います。ありがとうございます。
【杉村委員】 勝手ばかり申します。ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。
それでは、永井委員、お願いいたします。
【永井委員】 ありがとうございます。
観点として、まず、育てたい人材像というのがあると思うんですね。大学院で育っていただきたいというのは何を求めるのかというと、やはりコースワークとかリサーチワークというのは、それぞれの大学でいろいろ検討されると思うんですが、それらを組み合わせるマネジメント力を学生自身が身につけていく必要があると思うんですね。そういう人材がちゃんと育てられているのかというのを観点として入れたときに、もう一つ、やはり、これからの社会を考えると、構想力や企画力を持ち得るような人材を育てているのかということが、どうも今の大学院教育では抜けがちなところだと思うんです。
これで参考になるのは、OECDが発表していますSDGsを実現するための次に、IDGsって出しているんですね。Inner Development Goalsという形で。これは社会に出てからも成長し続け、そして、人とつながって社会を変革していく力の一つの指標、考え方として出しているので、大学院がここと切り離されるのではなく、大学院を修了した後も常に持続的に自己成長を続けられていく人材であるというようなことを取り入れていくべきではないかなと思っています。
大学院だけの評価基準ではなくて、将来にわたって絶えず自分をマネジメントし、鍛えつつ、人とつながっていって、社会に資する人間として活躍したいというところを一つの軸に考えていくような人材育成像というのを大学院は持つべきだと思います。これは分野別とかではない、共通したところだと思っています。
一方で、大学という組織を見たときに、特にコースワークにおいてはどういうカリキュラムをつくるべきか、あるいは、リサーチワークに関しても、どういうふうなやり方をすべきかというところの設計にちゃんと学生の意見を取り入れているのかというところが一つの観点になると思うんですね。
ある意味、少しオープンな形で、一定の先生方が決めて、これでいきましょう、文科省に出してこれでちゃんとやっていますというようなものではなく、自分たち組織がどうあるべきかということもオープンな性格を持ち、学生の意見、産業界の方もカリキュラム設計に参加していただく、かつ国際性も担保されるというような体質そのものを評価の観点に入れてはどうかなと思います。
最後に言いたいのは、やっぱりそうしたところの新しい環境に教員個人個人がなじんでいけるように、教員組織をきちんとブラッシュアップ、グレードアップ、教員組織の質の向上をちゃんとやっているのか。そこさえ担保できれば、それぞれの大学は自分たちで伸びようとしていく性質を持っていますので、妙に縛りつけるのではなく、大学がありたい姿に向かってマネジメントできる、経営できるような制度になっていただけるといいなと思っています。
以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。
まずは、育てていく人物像についてのコメントがあったと思います。これは、1-2の4ページの目的のところで少し能力が記載されているかなと思いました。その中で、IDGs、あるいは、学生を含めたほかのステークホルダーの視点、こういうところも新たに加えていただいたと思います。ありがとうございます。
それでは、小野委員、お願いいたします。
【小野委員】 ありがとうございます。
まず、資料1-2の3ページ目の最初の部分に評価の主体として、「大学教員らを中心とした評価委員会による定性的評価を基本とし、産業界や高校関係者等の参画を促進する。また、学生代表者の評価への参画も検討する」とあります。これは新しい評価制度かどうかに関わらず、とても良い仕組みだと思います。こうした取り組みは、ぜひどの大学でも積極的に進めていってほしいと感じました。
特に、大学の評価においては、若手研究者が、フラットに参画できる環境が必ずしも十分ではありません。若手からベテランまで、さまざまな立場の研究者が主体的に大学のことを考えられる場をつくるという点は意義深いと感じます。
2点目として、質向上のための評価についてです。評価自体を目的としないことは前提ですが、教育改善を進める全体のサイクルの中で、この評価をどう位置づけ、どう活用するかという設計がまだ十分に議論されていないように思います。その改善プロセスをどうマネジメントするか、そして、従来の資源では十分に回せない部分もあるため、評価とマネジメントを含めた資源配分をどのように行うかが重要だと考えます。
3点目は、分野による違いについてです。私は、都市工学が専門ですが、研究者を目指す学生に限らず、民間や行政を目指す学生に対しても、地域に入り専門性を生かしながら現場で活躍する教育を行っています。そうした実践の場が学生を大きく成長させる重要なポイントだと考えています。しかし、評価が国際会議や論文に偏るとどうしてもそうした教育の多様性が損なわれてしまう恐れがあります。これは研究者の評価と同様で、そのリスクを前提に丁寧な制度設計が必要だと思います。
4点目に、教育の評価で重要なのは「どれだけ伸びたか」という成長の測定だと思います。大学によって入学段階の学生の状況は大きく異なります。そのため、入学時からどの方向にどれだけ成長したのかも適切に測定できるのかという点も含めて、検討が必要だと思いました。
以上です。ありがとうございました。
【和田部会長】 大きく4つの話をしていただきまして、ありがとうございます。特に、開かれた評価と、成長の評価という点、それをどうやって今度はフィードバックをかけていくのかというところの御指摘だったと思います。ありがとうございます。
では、佐久間委員、よろしくお願いいたします。
【佐久間委員】 よろしくお願いします。
今後の評価では、教育の質に注目するということで、それはまさにそのとおりだと思います。ただ、そこをどう可視化していくかは非常に難しい問題があって、先ほど専門職大学院の話もありましたが、専門職大学院のほうは人材養成目的がかなりはっきりしているので、やりやすいところはあるものの、専門職大学院でないところは、学生の属性もニーズも多様ということがあって、教育の質の評価にはいろいろ難しいところがあると思います。
教育の質を見るには、ディプロマ・ポリシーと照らし合わせることが必要ですが、そのディプロマ・ポリシーはどうなっているかと言うと、これも大学によるとは思いますけど、結構抽象的なことが書いてあったりするので、学生が具体的に身に着けた能力の評価という点では使いにくい面がないわけではありません。先ほど例として卓越大学院のアンケートも出ていましたが、こうしたアンケートでは、ディプロマ・ポリシーの文言を質問文に使っている場合もあり、内容が抽象的なほど、なんとなく身に付いた、という回答になりやすいということもあります。
一方、身に付けるべき能力を列挙して聞くと、実際、先ほどのアンケートなんかを見ても、項目ごとに多少差が出ているので全く意味がないわけではないと思うんですけど、それでもやはり、身に付いたという回答が多くなりがちではあります。、多分、これは、卓越大学院だけでなく普通のプログラムでも同じような結果になるのではないでしょうか。
ということで、アンケートはもちろんそれなりに役に立つとは思うんですけど、やはり限界もある。そうなると、どう可視化するかは依然として問題ということになります。
一方で、学生の達成度を直接測るにはもちろん成績もありますが、これがまた大学院になると、各授業の受講人数が少ないということもあって受講生全員の成績がAということも少なくありません。本当に全員がAならそれはそれでいいんですが、適切な成績評価が行われていない可能性もありますし、とにかく、大学院の場合、教育の質の可視化にはいろいろ難しいというところがあります。
そこら辺、両角委員のお話もありましたように、やっぱり大学院の場合、そもそも成果が上がるのに時間がかかるということもあるし、そこも踏まえなければいけないわけですが、永井委員からもお話があったと思いますけど、教育の質を高めるには、やはり学生の声を取り入れていかないといけないと思います。
そういう意味では、もちろんアンケートも、一度に大勢の意見が聞けるという点ではいいと思うんですけれども、何らかの形で学生さんの意見を直接聞くということを取り入れる必要があるのではないでしょうか。結局、同じ研究科の学生でも立場がいろいろですし、学部から上がってきた人もいれば、社会人の人もいて、それぞれニーズも違ったりするわけなので、そこら辺はある程度丁寧に聞き取りをやらないといけないと思います。ただ、もちろん、その分、手間がかかるので、そこら辺の兼ね合いは非常に難しいところではありますけど、そのようなことを考えました。
どうぞよろしくお願いいたします。
【和田部会長】 ありがとうございます。
まずは評価の可視化をどうするのかというのは、確かに大きな問題だろうと思います。やはり先ほど出ましたように、学生の視点というのも当然大事だということを指摘していただいたと思います。ありがとうございます。
それでは、大薗委員、よろしくお願いします。
【大薗委員】 ありがとうございます。私からは3点ほど申し上げたいと思います。
まず、1点目につきまして、成果の見える化、もちろんサービス財ですので、学生からよいプログラムが選ばれるように、また、健全な競争が起きるように可視化していくことは大事だと思うんですけれども、あまり横並びに単一的な物差しで並べてしまいますと、これは競争が類似化していって、それぞれの個性あるプログラムが伸びる方向に行きにくいということで、ぜひその成果については、各プログラムが自ら定義をして、それに向かって成果と改善の体制、この2つが評価されるような仕組みになればと思います。そういう意味では、なかなか質的な評価になると思いますので、ピア・レビューという体制はやはり大事なのであろうと思っております。
2点目は、そういう意味では、背景に政策的な資源配分等にも生かしたいというお気持ちも大変大事ですし、受け取れればこちらもとてもうれしいところではありますけれども、やはりなかなかqualitativeな多様な軸の評価の中でこれをやっていくのは難しく、手間もかかるところでありますが、ぜひそれは仕組みを整え、工夫していただければと思います。
国際認証評価、国際評価との整合性、あるいは、既にそれをやっている場合には、何とかそれをそのまま、あるいは、かなりの形でお認めいただいて、特に国内独自の基準がそれにプラスオンの場合には、追加部分だけを何かの形で対応できればいいようにしていただけると大変助かりますし、それは労力という点もそうですし、あるいは、受験生、それから、修了後の様々な活躍の場も国際的に広がっていることを思いますと、ここのずれをあまり大きくしないような形で、また、負担も少なくいっていただけると大変ありがたいと。
3点目は、認証がよい状況でいけば間隔を延ばしてもいいのではないかという御提案が資料にございましたが、大変賛成でございまして、そういう意味では、資源配分、ポジティブに差をつけるということ、もう一つは、コスト側を少し御配慮いただくと、こういう両面から御配慮いただけると大変助かると思っております。
以上です。ありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。3点御意見をいただいたと思います。
先ほどの専門職大学院のアンケート結果の中にも、独自性をどうやって評価したらいいのかというところがあったと思います。画一的なところだけではなくて、その独自性をどう評価するのか、私もここは大事なところだなと思っております。ありがとうございます。
それでは、西村委員、お願いします。
【西村委員】 ありがとうございます。
とても難しい話題なので、正確に答えられるか、何か間違ったこと言うのではないかというような気がして、その前提でちょっと話をします。
そもそも大学院というところはどういう場なんだろうということを考えると、私は教える場ではないと思っていて、高度に考える機会を与える場ではないかと思っています。だから、結局、大学院で過ごすということは、研究は確かにするんだけれども、気になっていることがあります。私は大学院での研究の矮小化みたいなのを感じていて、その領域の中でいい論文を書くということになると、言い方が悪いのですが、研究手法を学ぶことである程度のところまで行くので、もしかしたら教授が考えているある領域の中の研究手法の中で、言われた作業をしているだけにとどまっていないかということです。
本来、研究は、その領域の中で深い理解をしないと真理にたどり着けないので、理解力を高めることと理解のレベルを上げること、それと、真理を見抜くということなので、心理を見抜く考える力を高めていくのだと思います。そういうことを、研究を通して行うので、研究というのは、人が伸びる、成長させるための学ぶ場を提供するものであって、そこのクオリティは本当の研究を行わないと駄目なんだろうなということなんですよね。
だから、領域としては高度でネイチャー、サイエンス・クラスの成果を求められなくても、各領域の中で真理を見ることに対しての厳しさは、どの研究者、どの教員も持っていなければいけない。ここのクオリティチェックは絶対に要るのかなと思っていて。そのような研究の場であれば、徹底的に議論をすることで学生たちの考える力は上がっていくんですよね。
そのときに、自らが創り上げるレベル、各人が社会に出てからどういうふうになるかということですが、松竹梅あってもいいと思うんですけれども、最低限、自分で考えて生きるというか、解くことができる人間になる。課題を見つけ出して、仮説を立てて検証する力について、資料2の2番目のページに書いてありますが。そういうような、哲学に近いような基本的な力をつけるのが大学院だとすると、そのことを身につけるための方法が専門分野によって違う、道筋が違うというだけであって、身につけるべき基本力は同じかなと思うんですよね。
何でそういうこと言うかというと、社会人教育をするとはっきり分かるんですよ。社会人教育をしていると、学生たちが、2年とか3年ぐらいでがらっと変わっていくのが分かる。なぜ分かるかというと、学生の理解のレベルが上がるからなんです。表面で物事を見ている段階から、表面の下にあるものを立体的に理解するようになる。そうすると、自分を取り巻く世界の中での自分の立ち位置が理解できる。自分の立ち位置が分かると、進むべき方向を、自身の事業の中で着実に見つけ出します。成功する確率は高くなります。どうやってそれを身につけさせたのかというと、徹底的な議論で真理を探求しただけです。その人が行っている事業の真理を見いだしたということですね。
だから、どの領域であっても、知のプロフェッショナルという定義づけの中で、何をもってそのプロフェッショナルかというときに、技能ではないんだということですね。研究の専門分野の知識とか専門領域の実験の仕方とか、そういうのではなくて、その裏にある実質的なものを理解するというのかな。本来の大学のアカデミズムがそこにあるのではないかと思います。どんな専門領域でも、徹底的な議論を通して身につける考える力と理解する力というのが、ある一定のところまで達したら、それは修士なんだし、それが最高レベルまで行ったら博士なんだ、みたいなことにしていくのがシンプルかなと思うんです。
この客観評価が非常に難しいですよ。定性的な評価になるので、場合によっては、その人たちが働く場のプロフェッショナルの人たちから見て、この大学院は議論を通して本質的に理解するレベルへと学生を高めているのか、何かそういう出口からの評価を大学院が受けるというのもありかもしれないですね。
そのような感じで、すみません、ちょっと的外れかもしれないですけれども、感じたことをお話しさせていただきました。
ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。これはかなり本質的なところをお話しいただいたのではないかなと思います。
評価は、評価が目的になってはいけないので、やはりどのような形でその人の人材育成やその人が社会に貢献するかという点だと思います。そういう点では、先生が最後に言われた、一旦、修了した後にどう見られているのかというところも重要な観点だと感じました。ありがとうございます。
それでは、飯田委員、よろしくお願いします。
【飯田委員】 ありがとうございます。
先生方の御意見を伺い、大変、勉強させていただいておりました。企業に所属しておりますので、企業の立場から、3点 お話しさせていただけたらと思います。
まず、1点目は、先生方の御意見は、非常にもっともで、これからの日本の研究力を上げる人材をつくっていくというのは非常に重要であると思いますが、時間軸として、これをいつまでに変えて、そのときのボトムラインのアウトプットは何なのかというところが、お話を伺っていて、まだよく理解できておりません。研究力、科学技術力を上げるということに関しては、待ったなしの状態ですので、そのインプリメンテーションをこれから議論されていくと思いますが、具体的に行うことが極めて重要ではないかなと思いました。
2点目は、評価に関し、分野別と機関別のお話、そして、様々な重複があるというお話が出まして、シンプルにすることが重要ではないかというところは全く異論ございません。その中で、先ほどご意見のありました、国際認証評価をできるだけ使い、日本の独自の部分をこれにオンすることは、企業の立場でもアグリーでございまして、さらに言えば、下世話な話ですが、世界大学ランキング、大学院ランキング等、いろいろ出ていますけれども、そこでの評価軸が、日本で見ているのと少し違うようなところも入っておりますので、そういう辺りのところも何らかの形で、日本の大学院の評価のときに少し考慮いただけると、世界に対して日本の大学院の技術力、レベルの高さをアピールするときに効率的なのではないかというのが2点目です。
3点目は、当事者、学生の意見を聞くべきであるというお話がありました。確かに難しいと思いますが、企業でも360度評価というのは非常に推奨されていまして、やはり見えるものが違いますので、それはぜひ何らかの形で入れていただけると非常にありがたいと思います。
以上でございます。ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。
最初に言っていただきました、いつまでにどういうタイムラインで今後行くのかというところは、後ほど恐らく事務局のほうからも少しお答えをいただけるのではないかなと思っております。ありがとうございます。
後から御意見いただこうかと思っておりましたけど、事務局のほうで、この時点で御発言あるようだったら承りますが、後ほどでよろしいですか。
【石橋大学振興課長】 部会長、まとめて最後に御説明させていただきます。ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。
飯田委員、ありがとうございました。
それでは、吉原委員、お願いいたします。
【吉原委員】 皆さんの意見を聞きながら、私、多くの学生に会っているのですが、その経験と比較を考えていました。
ちょっとロジカルではないのかもしれないのですが、2つあると思っておりまして、1つが組織としての質というものと、それから、個人としての質で、この個人というのは指導教員だと思っています。というのは、いろいろな学生に会っていて、この学生は社会で活躍しそうだなと感じたときに、組織として非常によいプログラムができているところの学生というのは一定水準を満たしているというふうに感じることに加えて、この学生は、非常によいなと思ったときに、指導教員を尋ねると同じ教員だったりすることが多いのです。指導教員が優れていると、研究室運営も優れているので、例えば、先輩から教わるとか後輩に教えるとか、そういう仕組みができているので、そういう中で人間として大きく成長しているように思います。
それを考えたときに、組織として評価することをあまり高めてしまうと、指導教員の自由度が奪われるのかもしれないなとも思っています。というのは、先ほど2つあると申し上げましたけれども、影響が大きいのは指導教員のほうだと思っているからです。指導教員が優れていると、組織としての教育を乗り越えて人が成長しているように感じます。
これは先ほどから話が出ていますけれども、やっぱり大学院というのはかなりレベルが高いので、個々の得意領域を伸ばすというか、個人個人に合わせて研究を設定したりするというのが非常に大事なように感じています。
逆に言うと、例えば論文がたくさん出ているというのはあまり個人の評価にはならないのかなと思っています。それは、科研費をたくさん取っている研究室だったり、その研究分野が流行っていて、頻繁に学会が開かれているところだと、成果は出やすいということがあると思います。そのような成果については、その学生がどのくらい伸びたかということはあまり関係がなく、分野の評価をしているだけになってしまうということもあります。ですので、我々、そういう社会的に活躍できるかどうかを見るときには、そこは参考程度には見るのですが、やっぱり一人一人を見ていかないとならなくて、それができているのは、繰り返しになってしまうのですけれど、指導教員になるのかなと思います。だから、個人個人に合わせた指導をきちんとできるようにしないと、先ほども言いましたけれども、組織としての指導力を高めることを目的に、その評価指標みたいなものを非常に精密に作ってしまうと、逆にその指導教員の自由度を奪うかなというのが懸念事項であります。
以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。
指導教員のクオリティというところの御指摘だと思います。先ほど永井委員からも指導教員へのコメントがあったと思います。恐らくこの辺りはうなずかれている方も多い印象を持ちました。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。まだ御発言いただいていない方。
ありがとうございます。
それでは、石橋課長、よろしいでしょうか。
【石橋大学振興課長】 先生方、本当にありがとうございました。
まず、タイムスパンのお話、先ほど飯田委員からいただきました。これからどういうプロセスでこれを議論していくのかという意味と捉えましたけれども。今、2月に出ました「知の総和」答申によりますと、2040年に今の18歳人口が4分の3になると。これが人口減のところだけ申し上げますと、2035年あたりから急激に減っていく状況がございますので、我々としては、この10年間が勝負ということで、今いろんな政策を進めたいと思っております。
これはどちらかというと学部の評価のほうのことがメインにはなってくるわけですが、18歳というところでございますので、そこに関してきちんと新たな評価をつくることで、やはりその教育をしっかりとやっていただいているところを評価したいというのは、学部のほうの議論でございます。
その上で、今日は大学院のところで、学部と違うという、だからこそ、我々は大学院部会の先生方に御議論をお願いして本当によかったなと思いながら、今日お話を伺っていたところですが、やはりこの大学院の特性というところを本当に今日いろいろといただきました。
西村委員からいただいたのも本当に本質のなかの本質のところだというように理解いたしましたし、両角委員からも、やはり時間がかかる、それから、特性であるというところ、加藤委員からもいただけたと思うんですけれども、そういう中で、大学院の質保証の部分をどう考えるのかということと、なかなか高いところをどう評価するかというのも、時間軸も含めて難しい部分もあるよねというのもいただけたと思いますので、我々のほうで一度論点をまた整理させていただきまして、どういう形であれば一つの評価がし得るのかということも含めて、少し整理させていただければと思っております。
ただ、今日共通して、学生さんにどう関わっていただくかということについては、多くの委員からやはりポイントだというふうに言っていただけたかなというところと、特に国際との関係というのもまた一つ大きかったかなと思いますので、その辺りもキーワードかなというふうに我々としても理解いたしました。
このような観点で、一度また整理させていただきまして、次回、引き続き御議論いただければと思っております。
部会長、事務局からは以上でございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。まとめていただきました。
今お話ございましたように、この議題に関しては、継続して、またこの部会で議論していきたいと思っています。今日はいろんな深い議論ができて、ありがたく思っております。そして、先ほどありましたように、論点を今後整理した上で、また次回ということになろうかと思います。ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
大竹委員も加わっていただけたようですので、今後またよろしくお願いいたします。
それでは、続いて、議題(2)に移ります。学部・研究科の連続性に配慮した教育課程の促進に係る制度改正についてという議題に移ります。
この議題も、前回の120回の大学院部会において、皆様からいろんな御意見をいただいたところです。そして、並行して、御案内のとおり、質向上・質保証システム部会のほうでも議論が行われております。改めてこの検討状況につきまして、説明していただいた上で、また議論を深めていければと思っています。
それでは、初めに、事務局のほうから御説明いただけますでしょうか。
【石橋大学振興課長】 資料2を御覧いただければと思います。
めくっていただきまして,少しおさらいになりますが,大学院教育の目的に関しては,先ほどと同じ話でございますので,ここは割愛いたします。大学院においては,「知のプロフェッショナル」が備えるべき力が整理されており,先ほどの議論とも共通する内容となっております。
一方で,今回の議論は学部と大学院の連携が主軸の議論となります。これまでの議論についてですが,分野を問わない全般的な言及としては,平成31年の中教審の大学分科会の審議まとめの中で,学部段階の教育との有機的な接続を図る必要があると記載されております。
個別分野に関しては,人文・社会分野について,また工学については,さらに進んでおり,学士・修士6年の一貫制教育も可能とする制度創設されてきたところでございます。
次に,4ページ,5ページ目が制度改正の趣旨でございますが,先に6ページ目の教育課程編成,学部・研究科の連続性に配慮した教育課程編成の促進方策の基本的な考え方についてご説明いたします。国内外における国際競争が高まる一方で,少子化も加速しており,人文・社会科学系も含め,専門知識の深掘り,拡張に加え,数理・データサイエンス・AIの適切な利活用を通じて,総合的な知見で社会課題を解決できる人材の育成が求められております。
そのため,学士課程から博士課程までを見通した体系的な教育課程の編成の下,各課程の学びの密度を高める必要があります。同一学位レベルの連携(横の連携)については,これまで教育課程とか研究科等の連携課程を整備してまいりましたが,上位学位レベルとの連続性を図る制度は,一般的には存在しておりません。ただし,工学分野は既に先行して,平成30年に導入されているところでございます。
大学院レベルの課程を見据えた学生課程の構築は,学士課程そのものの質と密度を高めるものにもつながります。また、大学院固有の教育方法である「研究指導」を受ける素地を養うためにも、学部段階から課題を見いだし解決する訓練を行うことが極めて重要であると考えております。
こうしたことを踏まえまして,縦の連続性の向上を図るための制度の整備を今回実施したいと考えており,各設置基準にこの編成方針,及び学部と研究科の連続性に配慮した教育課程を編成することを明記いたします。3つのポリシーに関しても,連続性に配慮したものを一つの単位として策定することを可能とするものといたします。
これは,現行の標準修業年限を前提とした各課程の教育を有機的につなぐものでございますが,標準修業年限の短縮を一義的な目的とするものではございません。
ただし,その上で,こうした連続性に配慮した教育課程の編成の結果,現行の修了要件を満たすことを前提として,4年プラス1年以上2年未満の期間が修業年限として必要かつ十分であると国として確認できる場合には,例外的にこの期間を可能とするということを考えており,基本的な考え方をこのように整理いたしました。
その上で,戻っていただきまして,4ページ目,5ページ目をご覧いただければと思います。4ページ目の主な改正内容についてでございますが、大学設置基準,大学院設置基準において,学部の教育及び大学院の研究科における教育の連続性に配慮した教育課程を編成することを明記いたします。
また,3つの方針に関しましては,連続課程を編成する学部及び大学院を一つの単位として策定可能といたします。
修業年限の議論についてでございますが,これは特例的な対応として考えており,右側をご覧いただければと思います。修了課程の標準修業年限を1年以上2年未満の期間とすること,もしくは大学院入学前に大学院の単位を修得した場合には,在学期間の短縮を可能とする,こうした特例を認めるということを考えております。イメージとしては,学部4年プラス修士1年,もしくは,学部4年の中の先取り履修による修士1年の短縮という考え方でございます。
このようなことを可能とする要件でございますが,左側をご覧いただきまして,文部科学大臣が認定することとなっております。その前に,中教審の教育課程に関する特例を議論いただく委員会で確認をいただきたいと考えております。
当然,連続課程の編成に係る実証的な成果の創出に資する効果的な取組を行うために特に必要があると認められる場合ということでございます。認証評価や情報公表は当然の前提として行われますが,他の大学との間での編成過程においては,大学等連携推進法人や複数大学設置法人などに一旦は限定して考えております。
その後は条文なども入れさせていただいておりますが,現状の内容でお諮りしたいと考えております。
これに関しまして,平松委員は本日御欠席ではございますが,事前にコメントをいただいております。大変恐縮ではございますが,私が読み上げる形で先生方に御披露させていいただきます。
本日は所用にて出席がかなわず,申し訳ありません。今回議論の「学部・研究科の連続性に配慮した教育課程の促進に係る制度改正」について,産業界の立場から意見を申し上げます。アカデミアの立場と異なる点があるかもしれませんが,一意見として御容赦ください。
制度改正について,まず,目的やメリットを明確化し,それが学生や社会に受容されることが何より重要と考えます。その上で,産業界の視点から3点コメントを申し上げます。
第一に,企業を取り巻く競争環境が激化し,さらに変化のスピードが速い昨今,産業界では即戦力となる人材を求める傾向が増しているということです。この潮流に対して,本制度を活用した修士までの連続した教育課程の編成により,即戦力人材の育成を目指すといった目的が明確なカリキュラムがあれば,企業にとっても学生にとっても魅力が高まります。それぞれの大学でカリキュラムの工夫,その目的やメリット,育てたい人材像があるでしょうから,それらを企業や学生が理解できるような制度設計にするとともに,社会への発信やアピールも大事になります。文部科学省につきましても,大学に任せることのみにならないよう,しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
第二に,即戦力人材について,専門領域を越えた課題解決力が大事になるということです。これからはAI活用が当たり前の世の中となり,知識をたくさん持っているだけでは価値を生まず,様々な人とコラボレーションし,自ら課題を見つけ,乗り越える力が重要と考えています。従来の学部4年プラス修士2年ではできない,連続した教育課程という特性を最大限活かしたユニークなカリキュラムを期待しています。例えば,専門領域や研究テーマを早くから設定し,企業との共同研究や有償インターンシップへの参加などを大学側がプログラムとして設け,社会との接点を増やしていけば,課題解決力を高める経験につながるはずです。即戦力人材の育成に向けて,産業界も課題解決力を高めるための機会やテーマを提供するなど,プログラムをつくる際に連携して進められればよいと期待しています。
最後に,これまでの修士が1年短くなるだけでは,市場価値の高い学びとはみなされず,「社会に出るのが1年ビハインドになるだけ」と受け取る人が出かねないという危惧を指摘させていただきます。この観点では,配慮すべき論点にもしっかり取り組んでいただきたいということです。例えば,実務的な観点では,十分な情報発信がなければ,企業によっては,従来の修士と本制度による修士では年次に1年差が生じることに対して,処遇をどう扱うべきか,戸惑いが広がってしまうこともあり得ます。また,学部卒より就職時期が遅れることにも変わりがなく,その分の経済的コストを要します。それが難しい学生,家庭の事情はあるはずです。誰もが魅力を感じ,新たな教育課程にチャレンジできるよう,検討すべき論点ではないでしょうか。
新制度での最初の卒業生は5年先になりますので,立ち上がりは大事です。産業界とも連携して,よい制度にできればと思います。
ということで,平松委員からも御指摘をいただいております。
我々としても,このようなカリキュラムを構築していくことを、より広く発信していく必要があると受け止めております。
私からの説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【和田部会長】 ありがとうございます。
最初に御説明いただきましたように、この基本的な考え方、6ページ目、この1枚にまとめていただいたことで、非常に論点が整理されたのではないかなと思っています。その上で、4枚目、5枚目のお話をいただきました。あわせて、平松委員のコメントも御紹介をしていただいたということだと思います。
それでは、ここからは質疑応答、そして、意見交換の時間にしたいと思っております。先生方、いかがでしょうか。
杉村委員、お願いいたします。
【杉村委員】 ありがとうございます。先ほど発言させていただきましたが、重ねて発言の機会をちょうだいし大変恐縮です。質の保証・向上の議論の際に、この一貫性の問題を先に申し上げてしまいました。改めまして、今回こうした連続性ということを重視するという見方には、大変賛成です。
2点ございます。ひとつは、ただいま、平松委員がコメントでおっしゃってくださった3点目のところと関わることですが、修士が1年短くなるというこの新制度の趣旨を、企業側がどのように評価してくださるかというところが、大学側としても大変気になるところです。ましてや、従来型の修士と、この新しい修士の間に格差が出るようなことになると、制度の意味が誤解された形で広まることになる、のではないかという御指摘は、本当に大事だと思います。その意味で、修士号の質をどう担保するかというところに関わると思いますので、ぜひその点を先ほどの話とリンクさせて議論することが大事であると改めて思いました。
もう一つは、今回、大学設置基準の改正イメージをつけていただいていますけどれも、この制度が入れられたときに、現在は大学院あるいは学部の学生数と、それから、どの領域の修士号が取れるかということと連動して教職員の設置基準の人数が決められていると思いますが、その点はどのように改変されるのか、あるいは、されないのか。実際にこの制度設計するとき、大学側にとっては、一体何人の先生をお呼びしたらこの制度がより実のあるものになるのかというのは大変大事な点です。大学の教員の数を変更することになる場合には、マネジメントの観点からも非常に大きな決断が迫られますので、その辺りを教えていただければと思いました。
以上でございます。先に発言させていただき、恐れ入りました。
【和田部会長】 いえ、ありがとうございます。
2つ目の点に関しては、これは大学側としては、一つ大きな観点になってくるんだと僕も思っております。これは後ほど事務局のほうからも少しコメントをいただきたいなとは思っております。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
【石橋大学振興課長】 部会長、大竹委員から御発言を。
【和田部会長】 すみません。見えずに恐縮です。
大竹委員、よろしくお願いいたします。
【大竹委員】 会場におります大竹でございます。遅参して失礼いたしました。
御説明をいただいて、6ページ目の基本的な考え方というところはうまくまとまっているなという印象でもあります。
この中で、やはり求められる能力というのはだんだん増えているというのが、第1段落によって、それはそのとおりだと思いますし、その中で、新たな修士人材が必要だということについては、納得感の高いところであります。
こうしたらいいかなというのが1点あって、参考資料1についても言及してもよろしゅうございますかね。
これもよくまとまっているなと思っている中で、今回、学部と修士と一貫して、早期の履修も提供するという御説明で、それももっともだと思うんですね。そうしたときに、この学部1年、2年、3年、4年という概念が果たして適切なのかどうかというのは、一度考えたほうがいいかなという気がしていて、むしろ取る授業を100番、200番というやり方、アメリカの場合はそうだと思いますが。つまり、積み重ねていく中で、普通は2年生が200番を取りますが、早期に200番を取る人もいてもいいよという、学年に縛られ過ぎないほうが、今回のこの5年制というのはうまく表現することができるのかなと思いました。
そこで、さらに重要なのは、これも米国流かもしれませんけど、プレリクジット(prerequisite)がございますよね。この授業を取らないとこの授業は取れないという。特に大学院の授業も落とし込んでくるということですから、学部レベルというのはしっかり分かった上で、それを保証した上で大学院の授業を受けていますよというのは、これは質保証上も重要だと思うので、そういったプレリクジット(prerequisite)の概念というのは、こういった新しい学修一貫の中では大切になってくる可能性があるかなと思った次第でございます。
全体としては非常にいいペーパーになっているなということで、どうもありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。
この参考資料1も、ぜひ御覧いただければと思います。先ほど御説明ありませんでしたが、これは非常にきれいにまとまっていると思います。大竹委員のおっしゃるとおりだと思います。
私自身も、この一貫制でやる、連続であるがゆえの教育課程のメリットをどういう形で具現化していくのかが、非常に大事な点だと思っています。ですので、濃密な学びをどうやって具現化するか。先ほどの大竹委員の御意見を踏まえて、メリットが生かせる仕組みは必要なんだろうと思っています。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
佐久間委員、よろしくお願いいたします。
【佐久間委員】 よろしくお願いします。
この4プラス1の一貫なんですけれども、現状、特に文系のほうは、なかなか学部4年と言いつつ、4年間フルに学んでいるかというとそうなっていないこともあるわけですし、そういう観点からも、ぜひこれは進めていただきたいというところです。
ただ、難しいのは、それぞれの大学の大学院課程が全部この4プラス1になるかというと、そういうわけにはいかないところがあります。特に文系では、結構大学院から留学生を受け入れて、それで定員を充足させて成り立っている部分もあるわけですので、全部4プラス1にしてしまうわけにはいきません。大学院から留学生を受け入れる従来型の課程も残す必要があります。
ただ、そうなったときに、4プラス1と従来型の課程の関係がどうなるのかということが問題です。一方では、4プラス1は今までの課程とは違うんだということで、そこをアピールする必要があります。そうでないと、それこそ卒業生を受け入れる側からすると、4プラス1に何の意味があるんだということになってしまうので、特色を出さないといけせん。
ただ、その一方で、これは杉村委員からもそういう指摘があったと思いますけど、4プラス1と従来型の課程との間であまりに落差ができてしまうと、それはそれでどうなのかという問題もあるので、そこら辺の関係をどう考えるのかというのが課題かなと思っています。そこら辺は、制度の設計次第だとも思いますが、ちょっと指摘させていただければと思います。
また、これは学部教育の話になってしまいますが、4プラス1には学部教育の改革という側面もありますので、4プラス1として認定するプログラムについては、それぞれ独自性のある尖ったプログラムである一方、学部教育の改革につながる部分については、4プラス1をやらない大学、学部にとっても、認定プログラムの取組が参考になり、学部教育改革に向けて、波及効果が生まれることを期待したいと思います。
どうもありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。
重要な御指摘だと思いました。ありがとうございます。
では、塚本委員、お願いします。
【塚本委員】 御説明どうもありがとうございます。前回に比べまして、非常に理解が進み、4プラス1、とても興味深い制度だと実感をいたしました。
御説明にあったように、カリキュラム本位で、5年であることの意味があるところにおいてのみ取り組むことを明確にし、最初から課長がおっしゃっているように、全部の大学(学部)が行うものではない(必要はない)という、ことを強調していただければ良いと思います。また、そこで認可された5年制のところに関しては、例えば、「特別である」、もしくは「すごい試みである」など、最初はあえての宣伝をしていただいて、ある種国際卓越並みに世の中の耳目を集め、中学生や高校生も含めてワクワクするようなPRがあってもいいのではないかと考えます。
私事ですが、専門職大学院に社会人で通いました。大学院選びの際には全く知らなかったのですが、普通の修士と専門職大学院の修士号の書き方が違うなど、後から、知ることとなり、残念に感じました。5年制の修士と普通の修士の間で、区別をつけない、もしくは区別をつけるのであれば、事前に理由とともにしっかり説明をする、など透明性のある制度設計とアカウンタビリティを確保していただけると良いと思います。
以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。
確かに、特殊感というのを出すということですかね。分かりました。ありがとうございます。
西村委員、お願いいたします。
【西村委員】 ありがとうございます。
多分大したことは言えないんですけれども、学部教育の高度化なのかなともちょっと読めて、多分それがないと、大学院の1年で、さっきの即戦力をつくってほしいというのが企業の希望だとすると、今の学部教育の4年だと多分つくれていない能力の人たちをつくるんだと思うんですよね。だとすると、さっき大竹先生もおっしゃったように、早い段階から高度な教育を受けるように、単位の取り方を変えていく。そのようにするのには、実質的に学部教育をもう一段高度にしないと、駄目だよというメッセージになるのかなと思う。4プラス1年の修士課程だけの話で済まないのかなと思っていて、従来の4年制の大学では、即戦力を本当につくれているのかということを、もっと問わなければいけなくなる。そのときに、その即戦力具合のレベルが5年制のほうが上なんだということを、きちんとしていかないといけなくなる。
今までの2年制の修士との比較もあるんですけれども、プロフェッショナルの領域から引っ張ってきて、即戦力としての人の高度化には4プラス1の5年が合っている領域があったり、もしくは、研究職としてやっていくんだったら、学部にプラス2年、プラス3年という形で、大学院でその道を進むのがいい。というふうに、プロフェッショナルのつくり方にかける密度と年数について決めるようにする。いずれにせよ、学部で出ようが、大学院の1年で出ようが、大学院の2年もしくは博士で出ようが、そのレベルの専門職としてのきちんとしたクオリティを担保する。また、それは即戦力という切り口から見ていくのもいいのかなと思ったんです。
ただ、その即戦力って何ということになったら、これまた難しいんですけれども。アメリカの事例をこの前、私から申し上げたんですけれども、アメリカは、その人が持っている学位で職種も決まるというのがあるので、就ける職種が、産業界との照らし合わせで決まっている。この職種に就くんだったら最低限、学部を出ていなさいとか、研究部門でマネジャーとしてなるんだったら、少なくとも課長補佐になるんだったら、博士のレベルが即戦力だよねと。ラボマネジャーになるんだったら、学部に加えて2年の修士を取ってくれとか、そういうふうな形の出口との相対で、学部教育も含めた即戦力づくりみたいなところを大学としてもう一度、総合的に考えるということまで、これは関わってくるのかなと思って感じました。
すみません。ちょっと感想っぽくなっちゃったんですけど、そういうふうに感じたので、発言させていただきました。
【和田部会長】 ありがとうございます。
この出口との関係を明確にするという御意見だと思います。そのときに、アカデミックなところとプロフェッショナルなところをどのように考えて全体像を見ていくのかも、きっと議論になっていくんだなと思いました。ありがとうございます。
それでは、永井委員、お願いします。
【永井委員】 最初の頃だったと思うんですけれども、この考え方というのは、やっぱり学部から大学院への進学希望があまり多くないということに対して、大学院まで続けていけるような人たちにイメージをきちっと持ってもらいましょうというような議論があったと記憶しているんです。
一方で、もし今自分が15歳だとすると、そんな先まで多分見えていなくて、大学受験するときに、そこの研究室でどんな研究をしているかまで考えて入試を受けているのかなと、ちょっと思うところがあるんですね。先ほどの大竹委員の話もあったんですけれども、実際自分が将来どうするのか、どんな職業に就いていくのかとリアルに考えていくのは大学の学部2年生、3年生ぐらいのときだとすると、そこできちっとした選択肢がもう少し許されるような形での制度改革の中で5年制という一つの案があるというような形だと、今回すごく大きな制度改革になると思いますので、人のライフプラン、ライフキャリア、その辺と合わせる必要があるのではないか。
なぜなら、今高校生のなりたい職業とかを聞くと、やっぱり公務員、教員という答えが多いとかいう報道がなされているんですよ。そういう社会と、この大学の制度改革で私たちが専門性がどうのとか言っているのがマッチしているのか。あるいは、高校の先生方が自分の教え子たちに、今後大学に進学するんだよと言うときに、そういう視点でかみ合っているのかというところが、ちょっと心配な面があるんですね。
それは問題を指摘するというよりも、かみ合わせていかないと、どんな制度改革も単発的なものになってしまうと思うんですよ。だから、この5年制の議論というのは、日本で生まれて、この国で高等教育を目指していく人たちを中心に、その人たち全体のライフプランというんですか、その枠組みというのを一つ考えた上で、その先に先ほどの職業、職場での待遇の話とかがあるのではないかなと思うので、難しいけど、とても大事な議論になっていくのではないかなと思います。
繰り返しますけれども、高校生が一番なりたい職業で、公務員や教員を選んでいる人が多いという現実。だけど、実際には、先生方というのはなりたがらないんですよね。辞めちゃったり、なかなか教員不足があるという、このギャップがある社会だというのを大学側はしっかり認識しなければいけないのではないかなと思っています。
以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。
この辺りも非常に大事な議論の一つだろうと思っています。ありがとうございます。
それでは、大薗委員でしょうか、よろしくお願いします。
【大薗委員】 ありがとうございます。
今回、参考資料で様々なパターンをお示しいただきまして、大変参考になりました。特に5年の博士一貫もこの選択肢に入ってくるということで、私の持つイメージというのは、みんなを、例えば4足す1とか、どれが標準という形に誘導するのではなくて、様々な選択肢が、デザインの仕方があって、それぞれの大学が特徴を出して、目指したい教育の在り方によって、この最適なパターンを選べるような、そういう環境を整備してくださろうと思っているのかなと思いました。そういう意味では、幾つか先行的な非常にユニークな、同じ4足す1、5年一貫なんだけれども、その内容を見ると、実はすごく多様なアイデアが多様な大学から出てきていて、こういう使われ方もあったのかというような実験がたくさん行われるといいなと思っています。
もう1点は、即戦力、確かにおっしゃるとおりとも思うんですけれども、やっぱり教養の重要さということも、この年代で教養をしっかり吸収するということも大事だとも思いますので、その辺は、それぞれの大学が自分たちの求めるところというのをよくよくこう考えて選べるようだとありがたいなと思います。
3点目は、大学間移動が少ないというのはデータでも示されていたところなんですが、この様々なパターンが広がっていくと、そういう意味では、大学間移動は逆に減るような方向に動くかもしれないなという、ちょっとその辺は懸念もなくはないです。そういう意味では、学年よりは単位を積み上げていくんですというようなコメントも出ていましたけれども、そこのところの流動性をどれぐらいにするべきなのかというところは、いや、もう一貫性のある非常に統合的なアーキテクチャーですっきりといくんだということで、まず特徴を出すことを優先して制度設計しているのか、やっぱりどこか移動の自由度を取っていきたいねというような、遊びというか柔軟性の部分、モジュラーなところを残すのかというのは、少し制度設計上、気にしたいところかなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
【和田部会長】 ありがとうございます。
最初に言われた視点の問題だと思います。私自身も、これは、大学側、国からの出し方と、一方で、実際これを受ける高校生や大学生がどのような形の見方をしてくれるのかなというのは、非常に大きな関心を持っています。やはり学ぶ方々が夢や希望や理想、明るさみたいなものを感じてくれるようなものが必要なんだろうと思います。そういう点では、先生おっしゃるいろんなパターンで、ショーケースみたいな形になるのは、一つのアイデアなのかなと思いました。ありがとうございます。
それから、流動性とは、もしかしたら少し逆行するかもしれないという御指摘、そこも恐らく一つ大きな議論の観点だと思いました。ありがとうございます。
吉原委員、お願いいたします。
【吉原委員】 どんどん先に進める学生が学年に縛られるということが今まで以上になくなると思うので、非常によい制度だと思います。それで、この制度が実際に走り始めたらどうなるのだろうということを考えていまして、先ほどからいろんな委員から意見が出ていたことに関しても、文系と理系で結構違うんじゃないのかなというのが思ったところです。
なぜかというと、先ほどの即戦力というのも、どちらかというと理系っぽい印象がありまして、例えば、理系だと、今は、大学院まで行くのが標準になりつつあるので、それが1年短縮されるのだったら、そんないいことはないじゃないかと、多分出資者である保護者、も思うでしょうし、学生もそっちに行けたほうが自分は何かできるっぽいと思うので、きっとそれを望むでしょうし、大学側も、そういう制度がないときっとそっぽを向かれちゃうから、うちもやらなければいけないというふうになって、非常にドライビングフォースがかかるのではないかと思います。
一方、では文系はどうなのかなと思ったときに、そこまでのドライビングフォースは、今の状況だとなかなかかからないのかなというのは、理系は、さっき言ったように、大学院を出たら就職先が非常に有利で広がるみたいな一般的な考え方があるのですけど、文系では、今そこまでいっていないので、文系大学院を修了したときにもキャリアがつながるということをつくっていかないと促進にならないかなと思います。
根本的なことを言うと、理系・文系という考え方をすること自体が問題であって、そのような境目は本当はないはずなのに、でも、ついそういうふうに考えてしまうということをなくしていく、そういう取組と併せてやっていただけると、そういうギャップがなくなるのかなというふうに思っていまして。
何が言いたいかというと、この制度自体は非常にいいと思うのですけど、5年になるということに対して、受け止め方とか、制度の広がり方に随分差が出るのではないかなと思っていまして、そこに対しては制度の本質的な意味を理解してもらうための何らかの取組をしていかないと、今まで以上にギャップが広がるかもしれないというようなことを思ったので、意見として言わせていただきました。
【和田部会長】 ありがとうございます。
その辺りも議論が重要な点だなと改めて思いました。ありがとうございます。
飯田委員、お願いいたします。
【飯田委員】 ありがとうございます。
今回のこのテーマに関しまして社内で少しディスカッションしたときに、最初、人事部長は、現行の6年と5年と交ざることで混乱しないのかとか、そんな話も出てきていたんですけれども、それに関しましては、特例申請して、カリキュラムですとか、そういうことが設計が認められることベースで進めていくというようなお話と理解していまして、そうしますと、選択肢が増えるというのか、非常にいいのではないかというような形で社内で話しておりました。
カリキュラムを含めて取組の認知度を上げることで、この新しいシステム、制度の特徴と、それから、どう生かしていくかというのが、学生さんの話がありましたけれども、本人と御家族など、ステークホルダーにもうまく伝わるようにできればいいのではないかと思っています。
あと、企業の立場からなんですけれども、今、日々ある意味事業に関して世界と戦っているときに、やはり現代は言うまでもなく複雑化していますし、また、細分化して深くなるとともに融合化しているみたいな分野融合のところで、文系・理系なく進めていかないといけないというところもあるという形で、世界で競争するときにおいては、人材のレベルが、自然科学系だけではなくて、人文・社会科学系はやっぱりすごく高くなっているなというふうに感じているところがあります。
人文・社会と自然科学の融合分野というところもすごく増えていますし、そういう意味では、人材の高度化というのは産業界にとっても極めて重要でございまして、そういう意味で、今回のこのお話は、日本の力を上げていくふうにうまく制度設計されると非常に望ましいかと思っております。
以上です。
【和田部会長】 ありがとうございました。
企業のお立場から、先ほどの平松委員の御意見とも重なるところもあったのではないかと思います。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
両角委員、お願いいたします。
【両角副部会長】 ありがとうございます。
なかなか難しいなと思って、いろいろ考えてしまって発言ができなかったのですけれど、やはり、この議論は、最初にこの前の中教審で出てきたときの文脈を考えても、西村委員がおっしゃったように、学部教育の高度化、特に文系の学部の場合は、3年生に入ったぐらいから就職活動に多くの時間とエネルギーを取られて、文系の学部教育が少し密度が低いのではないか、もっと質の高度化が必要なのではないかといった強い問題意識から出てきた話なのかなというふうに理解しております。
優秀な学生が個人単位で4年プラス1になるというのではなく、プログラム全体として5年になるということなので、やはりそれほどまでの内容というか、このような、プログラムで受けてきた学生さんだったらぜひ企業としても欲しいんだとか、もちろん、博士にまた入るときには、無条件で入るわけではなくて、何らかの審査が必要だと思いますけれど、こういう教育を受けてきた学生だったら博士課程に入ってもらいたいとかというような際立ったプログラムであることが必要だなと思うのですけど、そこをどうやって示していくんだろうかといったところがすごく悩ましいなと思って聞いていました。
先ほども吉原委員がおっしゃったように、何となく、例えば、理系で6年だったのが5年で取れちゃったらお得みたいな、そういう声を拾って、それが5年制になっていくというのもちょっと違う気がしています。やはり、今までの内容との飛躍というものが本当はあってほしいと思います。分野によって分けるのも違いますし、この制度が単に4プラス1ということだけになってしまうと、むしろそういう形で飛びつかれたら全然違うものになるのではないかというようなもどかしさみたいなことを思っていて、理念でしかないのかもしれないんですけれど、明らかに質的にチャレンジしようとしているな、今までの4年の学部ではないような人材を育てたいというカリキュラムだとかプログラムだといったところをしっかり審査していった上での選択肢を増やしていくということがとても大事なのではないかなと思いました。
文理融合とかもそうですし、あるいは、本当に社会に出て即戦力ということも、ちょっとインターンシップとかではなく、本当に長期でがっつり企業と組んで教育していくとか、留学をするとか、いろいろなことがその5年という、しかも、就職活動で、途中で中途半端に中断されないからこそできることとか、そういったところにぜひ手を挙げてほしいです。学部教育の高度化といったところにこの制度が使われないと、この制度を入れる意味がなくて、そこが一番難しいなというのが感じていたところで、解決策はないんですけれど、気をつけないと、そうではないほうに行くかもしれないなということを何となくもやもや感じておりました。
以上です。
【和田部会長】 ありがとうございます。
本当にそのとおりだと思います。恐らくこれは、西村先生が言われたように、学部の質保証がやはりもともと重要な点であり、かつ、連続であるがゆえにできる教育上のメリット、そのユニークなシステムが組み合わさって魅力的なものができる、それがやっぱり大事な要素と思います。その上で、大学院の、さらに博士課程にどのような形でこれはつながっていくのかというところも、もう一つ先の議論に今後なっていくと思って伺っております。
加藤委員、よろしくお願いします。
【加藤委員】 今おっしゃったことで、私も同感なんですね。前にも申し上げたと思うんですけど、私はアメリカで修士・博士をやっているんですけど、修士は1年だったんですね。それはなぜ1年かというと、やっぱり今おっしゃったように、学部の質保証がしっかりされているからだと思うんですね。アプリケーションエッセイとか出して、この人なら1年で修士を出してもいいという判断を大学がしているからだと思うんですよね。
だから、大学によって、大学院修士号、博士号をどう出すかという、もっとフレキシビリティがあってもいいのかなと思いますし、それはやっぱりお迎えする学生、院生がそれなりの資質を持った人を迎え入れるということが前提にあるのかなと、今ちょっとお話を聞いていて思った次第です。
以上です。感想のほうで申し訳ありません。
【和田部会長】 いえいえ、ありがとうございました。アメリカの例も出していただきました。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
大体、議論が深まってきたのではないかと思います。この辺りで、事務局のほうから少しコメントございましたら、よろしくお願いします。
【石橋大学振興課長】 ありがとうございます。
先生方、今回もたくさんのアドバイスをいただきまして、誠にありがとうございます。
まず、杉村先生から御指摘いただきました教員数でございますけれども、これは1年に短縮するような課程であっても、修士号に対して修めていただかないといけない修了要件は変わりませんので、人数等に変更はございません。増やすということでもございませんが、現行の基準上のものを準備いただく必要があるということでございます。
その上で、大竹先生からの学年制をどう考えるのかというお話ございまして、これは非常に重要な御議論であると、我々としても考えております。学年制ということが、どこかの制度上、その基準等に明記されているわけではございませんけれども、やはり小中高の流れも含めて、学年で動いてきているというのが、これまで日本の仕組みの中では大きかったかと思います。現在、大竹先生からご紹介のあった科学大では、そうした取り組みがなされていると存じますが、100番台、200番台をきちんと整備していく中で、大学院教育までつないでいくということは、今回のこの議論の中でも重要になってくると考えております。
また、従来型の4プラス2の修士課程、学士・修士の連携ということは、引き続き重要でございますし、私たちも、多くが4プラス1になるというよりは、やはり4プラス2が基本の上で、新しいプログラムを構築していくというイメージを持っております。先ほど先生方から非常に多くコメントいただきましたとおり、本当にユニークで、かつ、 5年で実施しなければ意味がないようなものが出てきた場合には、中央教育審議会において御議論いただいき、認定していくというのが大前提でございます。その点につきましては、繰り返しにはなりますが、引き続き、申し上げてまいりたいと考えております。その場合、18歳の段階で決めていただく必要が出てくることもあるとは存じますが、永井先生からも御指摘いただきましたように、どのようにPR行うことで、選択肢として広げていくのか、また、高校生がこれを、選択できるだけの十分な情報と、自身の将来像が描けるようにすることが、非常に重要になってくると考えております。
また、今回、この4プラス1等を構築していく場合には、まずは一つの大学、もしくは連携が非常に強い大学間に限らせていただきたいと、考えております。この点は、流動性が一時的にやや低下する可能性もございますが、今後こういうことがいいものが出てくる中で、もし何かしらこうやりたいという声が出てくれば、それはむしろ連携をつくっていただくというようなことで、少し我々としても誘導できればなと思っております。
そういう意味では、文系と理系で違うというお話もありました。我々としても、さっきの繰り返しになりますけれども、やはり修士号を出すときに、これだけのことをちゃんと身につけておかなければいけない、これは5年でできないというようなプログラムが出てきた場合は、やはり文科省としては、それは認定できないという考え方をしっかりと取りながら、これは企業の方々が、即戦力であれ、しっかりとそれまでの資質が身についているか確認していただけるようなプログラムでなければ、やはり意味がないのかなと思っているところでございます。
全部にお答えできていたかどうか分かりませんが、事務局としては、いただいた意見を、特に審査のときに、やっぱり今日いただいた意見が非常に大事になってくると思っておりますので、これを審査していただく委員の先生方に、大学院部会のこのようなコメントをお伝えし、その中で審査の要領などをきちんと決めていくというふうにさせていただければありがたいかなと思っております。
部会長、以上でございます。よろしくお願いいたします。
【和田部会長】 ありがとうございます。大変うまくまとめていただいたと思います。
やはり今回、チャレンジングな内容です。ですので、質の保証もきちんと踏まえた上で、皆様と議論を深めていければと思っております。ありがとうございます。
これに関しましては、明後日、11月13日に大学分科会でも審議があると伺っております。その後、パブリックコメントを実施するという予定でよろしいでしょうか。
【石橋大学振興課長】 はい。それでお願いできればと思います。
【和田部会長】 ありがとうございます。またいろいろな意見がそこからいただけるのではないかと思います。
それでは、全体を通じて何か御発言はございますでしょうか。今日は少し早めに終わる感じなりますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
西村委員、お願いいたします。
【西村委員】 1点だけ。私、即戦力という言葉を使ったんですけれども、その定義もやっぱり変えていかなければいけなくて、社会で活躍できる即戦力、さっきは考える力とかいろんなことを言ったんですけれども、そういう知識ではなくて、技能ではなくて、考えるレベルがそこまで行ったという密度濃く教育した場合には、コメントの中にあったように、領域をまたいで課題を見つけながら解くという力のレベル感が学部で出た人は、そのレベルだったら即戦力で使えるし、それをもう少し高度になった人たちが、違う即戦力として、高度な即戦力として企業で活躍していく。この即戦力の定義づけも産業界とともにつくっていくというのは重要かなと思ったので、従来型の即戦力という意味ではなくて、そういう意味の即戦力だということだけ発言したかったので、言わせていただきました。
【和田部会長】 ありがとうございます。
この即戦力という言葉の持つ意味の広がりということなんだろうと思います。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本日の議題、以上とさせていただきます。
事務局のほうにお返しします。よろしくお願いいたします。
【永見大学院振興専門官】 失礼いたします。本日も活発な御議論を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。
本日の議論内容も踏まえまして、何か言い足りなかったこと等ございましたら、後日でも結構でございますので、事務局までお寄せいただければと存じます。
それから、次回、第122回でございますが、12月8日月曜日15時から17時を予定してございます。こちらにつきましても、資料等につきましては、別途、御連絡をさせていただければと存じます。
以上でございます。ありがとうございました。
【和田部会長】 ありがとうございます。
それでは、会議終了したいと思います。本日も御多用の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございました。
── 了 ──
大学院係
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