大学における教育の改善に関する主な取組について

カリキュラム改革等

  具体例 実施状況(13年度)
カリキュラム上の工夫 科目区分の見直し、必修・選択の見直し、くさび形教育課程の編成、コース制の導入 等 科目区分見直し:475校
必修・選択見直し:365校
くさび形教育課程の編成:329校
教養教育の充実
  • 情報活用能力の育成のための科目、学際的
  • 総合的内容の科目、心身の健康に関する科目等の開設
  • 専門以外の分野の学習をさせるための配慮 等
<科目開設状況>
情報活用能力育成:579校
学際・総合的:538校
心身の健康:551校
国際化への対応 <外国語教育の改善>
会話中心、速読中心等の目的別クラス編制、能力別クラス編制、L.L.ビデオの活用、ネイティブスピーカーの活用等
<外国語による授業実施>
すべての授業を外国語で実施する 等
目的別クラス編制:452校
能力別クラス編制:347校
L.L.ビデオ活用:592校

外国語による授業実施:256校
情報化への対応 情報処理教育やマルチメディアを活用した遠隔授業 等 情報処理教育の必修化:521校
高等学校での履修状況への配慮 補習授業や既習・未習組に分けた授業の実施 等 補習授業の実施:171校
既習・未習別の授業実施:89校
その他 ボランティア活動を取り入れた授業科目や起業家育成のための授業科目の開設 等 ボランティア活動を取入れた科目の開設:192

授業の質を高めるための具体的取組

ファカルティ・ディベロップメント(FD) 新任教員研修会の実施、教員間の授業参観の実施、センター等の設置 等 FDを実施する大学:409校
シラバスの作成

授業科目、講義目的、毎回の授業内容、成績評価方法、参考文献等履修する上での必要な要件等を示している シラバスの作成:659校
学生による授業評価 授業のわかりやすさ、話し方、黒板等の使い方などについて学生が評価する 学生による授業評価の実施:513校
単位の上限設定 単位の過剰登録を防ぐため、1年間に登録できる単位の上限を定める 単位登録の上限設定:335校
厳格な成績評価の実施 GPA(※2)の取組 等 GPAの導入:学部69校、大学院3校、
少人数教育 実験・実習、ゼミ、卒論指導などでの少人数教育 実験・実習での少人数教育:337校(※3)
ティーチングアシスタント(TA)の活用 手当てを支給された大学院生が学部学生等に対するチュータリング(助言)や実験、実習、演習等の教育補助業務などを行う 60,044人(平成12年度)がTAとして活用されている
  • ※1 参考資料「大学における教育内容等の改革状況について」の対応ページ
  • ※2 GPA:授業科目ごとの成績を5段階で評価した上、それぞれにグレードポイントを付与して、単位当たりの平均を出し、その一定水準を卒業の要件とする
  • ※3 ここでは、1クラスの学生数を20人以下としている大学数

大学等における教育の改善に関する取組例

学生が自主的・主体的に学ぶ取組の例

A大学

 カリキュラムの中核となる「工学設計」(必修科目)は、学生が自らテーマを決め、 主体的に取組を行う「プロジェクト型学習」であり、1年次、2年次、4年次に実施され る。

特色
  • 5~6名の「チーム」を単位とするプロジェクトを組み、自らテーマ設定し課題を発見する。特に、4年次には「卒業研究」を発展させた形で「自動押印機の製作」「CGによる腹腔鏡手術支援システム」といった高度なテーマにも取組む。
  • 講義や実験・実習等で身につけた知識・技術を総合的に応用して、解決法を検討。
  • 各チームの学習成果は1年次、2年次はそれぞれ教室内発表・ポスターセッションとして公開する。4年次には学外から一般企業、自治体、保護者等も参加する公開発表会を開催し、質疑応答を含めたプレゼンテーションを全員が行う。
  • チーム内の学生の相互評価を重視。授業外における貢献度も成績に反映。
  • 学生が産業界等からテーマを直接受けることも奨励。
組織的な支援体制

 以下のような体制で、学生の主体的な取組を組織的に支援。

  • 工学設計教育センター:チーム内の討論、プレゼンテーションの練習、模型や実験装置の製作等を行えるよう専任の事務・技術職員を配置。
  • 工学基礎教育センター:基礎科目の個別指導や学生の要求に基づく講習会を実施。
  • ライブラリーセンター:図書館機能の他、情報検索の助言や文書添削指導等も行う。

 等

 なお、これらのセンターは、学生の自発的活動としての課外活動へも支援等を行う。

成果

 授業時間だけでなく、授業時間外においても学生の自主的・自発的な学習が活性化している。また、発展的内容として、ロボットやソーラーカーの作成という学生のプロジェクト活動も行われている。

授業評価、ファカルティ・ディベロップメントなどによる授業改善の取組例

D大学

 当該大学の初年次教育として行われる科目に、学内の大学教育機能開発センター(評 価・FD研究部門)が参画することにより、授業実践→授業評価→評価を踏まえたF Dとしての改善策検討→授業改善という「教育マネジメントサイクル」が構築され、 各科目における教育成果の向上が図られている。

教育マネジメントサイクル
  • 1)改善方針の決定: 授業評価の結果分析を元に、FDとして特定授業科目の改善すべき具体的課題について検討し、その解決方法を定める。
  • 2)カリキュラム基準の決定 :1)の検討で得られた結果をもとにカリキュラム上の目標・成績評価基準を定める。
  • 3)シラバスの作成 :2)のカリキュラム基準により、実際に行う授業のデザインを行い、シラバス作成のためのFDを受講する。
  • 4)授業実践・授業評価 :3)で作成したシラバスを用いて授業を行い、学生が授業評価する。
  • 5)評価結果分析・再検討 :4)の授業評価について結果分析を行い、再び1)の活動を行う。

厳格な成績評価の例

E大学

 病気その他やむを得ない事情が無いにもかかわらず、入学後1.5、2、3年次終了 時の総取得単位数が、それぞれ30、40、55単位未満の者、4年、5年、6年終了時に 70単位未満の者及び7年終了時に卒業論文履修条件を満足できない者に退学勧告して いる。
 また、退学勧告を受けて退学した者で、1年以上経過した後、再入学の意志をもつ 者には、再入学を認めている。

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高等教育局高等教育企画課高等教育政策室

(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)

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